JPH06184230A - オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法 - Google Patents

オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法

Info

Publication number
JPH06184230A
JPH06184230A JP15146993A JP15146993A JPH06184230A JP H06184230 A JPH06184230 A JP H06184230A JP 15146993 A JP15146993 A JP 15146993A JP 15146993 A JP15146993 A JP 15146993A JP H06184230 A JPH06184230 A JP H06184230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst component
solid catalyst
aromatic hydrocarbon
polymerization
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15146993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3301819B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Ishii
一弘 石井
Tetsuo Otsuka
哲雄 大塚
Minoru Terano
稔 寺野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toho Titanium Co Ltd
Original Assignee
Toho Titanium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Titanium Co Ltd filed Critical Toho Titanium Co Ltd
Priority to JP15146993A priority Critical patent/JP3301819B2/ja
Publication of JPH06184230A publication Critical patent/JPH06184230A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3301819B2 publication Critical patent/JP3301819B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒径100μm 以下の微粉ポリマーが殆ど存
在せず、粒子性状の優れた重合体を立体規則性を高度に
維持しながら高収率で得ることができるオレフィン類重
合用固体触媒成分と該触媒成分を含む重合用触媒を用い
た重合方法。 【構成】 (a) 球状のジアルコキシマグネシウム、(b)
常温で液体の芳香族炭化水素および(c) フタル酸ジエス
テルとの懸濁液を、前記 (b)物質と(d) 四塩化チタンの
特定量比による混合溶液に加えて昇温反応させ、反応生
成物を芳香族炭化水素で洗浄したのち、再度(d) 四塩化
チタンと反応させる。ついで、予め(e) ポリスチレンを
溶解させた (b)物質を加えて反応により得られるオレフ
ィン重合用固体触媒成分。該固体触媒成分と有機アルミ
ニウム化合物および有機ケイ素化合物とで形成した触媒
の存在下にオレフィン類を重合させる重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒径100μm 以下の
微粉重合体が極めて少なく、かつ立体規則性に優れたポ
リオレフィンが高収率で得られるオレフィン類重合用固
体触媒成分および該固体触媒成分の存在下におけるオレ
フィン類の重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンハロゲン化物、マグネシウム化合
物および電子供与性化合物を必須成分とするオレフィン
類重合用の固体触媒成分、および該固体触媒成分と有機
アルミニウム化合物、ケイ素化合物等の第三成分として
の電子供与性化合物とからなるオレフィン類重合用触媒
の存在下にオレフィンを重合もしくは共重合させるオレ
フィンの重合方法については、従来から数多くの提案が
なされている。
【0003】例えば本出願人の先願となる特開昭63−
3010号公報においては、ジアルコキシマグネシウ
ム、芳香族ジカルボン酸ジエステル、芳香族炭化水素お
よびチタンハロゲン化物を接触して得られた生成物を粉
末状態で加熱処理することにより調製した固体触媒成分
と、有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物か
らなるオレフィン類重合用触媒が提案され、その実施例
において該触媒の存在下でのオレフィン重合方法が例示
されている。
【0004】同様に、特開昭63−154705号公報
では、金属マグネシウム粉末とアルキルモノハロゲン化
物をヨウ素の存在下に反応させて得られたマグネシウム
化合物と、テトラアルコキシチタン、脂肪族炭化水素お
よび脂肪族アルコールとの混合溶液中に、四塩化チタン
を加えて固体物質を析出させ、フタル酸のジエステルを
添加して得た固体生成物に芳香族炭化水素の存在下で四
塩化チタンを接触させることにより調製した固体触媒成
分と、有機アルミニウム化合物およびケイ素化合物とか
らなるオレフィン類重合用触媒が提案され、該触媒の存
在下でのオレフィンの重合方法が例示されている。
【0005】また、特開平1−221405号公報にお
いては、ジエトキシマグネシウムとアルキルベンゼンと
で形成した懸濁液に四塩化チタンを接触させ、次いでケ
イ素化合物およびフタル酸ジクロライドを加えて反応さ
せることにより得られた固体生成物をアルキルベンゼン
で洗浄し、更にアルキルベンゼンの存在下で四塩化チタ
ンと接触反応させて調製した固体触媒成分と、有機アル
ミニウム化合物および有機ケイ素化合物からなるオレフ
ィン類重合用触媒が提案され、該触媒の存在下でのオレ
フィンの重合方法が例示されている。
【0006】これらの先行技術は、その目的が生成重合
体中に残留する塩素やチタン等の触媒残渣を除去するた
めの所謂、脱灰工程を省略し得る程の高活性をもつ触媒
成分の開発に端を発し、併せて立体規則性重合体の収率
向上や重合時における触媒活性の持続性を高めることに
注力したものであり、それぞれ優れた成果が確認されて
いる。
【0007】ところが、近時、かかる高活性型触媒成分
と有機アルミニウム化合物およびケイ素化合物に代表さ
れる所謂、第三成分としての電子供与性化合物とからな
る触媒の存在下にオレフィン類の重合をおこなうと、生
成重合体中に粒径100μm以下の微粉が多く含まれ、
その粒度分布も広くなって種々の不都合な問題を招いて
いる。すなわち、微粉重合体の生成量が多くなると均一
な反応の継続を妨げたり、重合体移送時における配管の
閉塞をもたらす等のプロセス障害原因となり、また粒度
分布が広くなると結果的に重合体の成型加工にまで好ま
しくない影響を及ぼす。このため、当業界において特に
影響度の大きい粒径100μm 以下の微粉が可及的に少
なく、かつ均一粒径で粒度分布の狭い重合体を希求する
要因となっていた。
【0008】そこでプロセス内にフィルターなどの微粉
除去装置を設置したり、篩別機や気流分級などによる整
粒をおこなうなど、機械的手段による解決策も試みられ
ているが、装置の設置費用や維持保全に要する技術的問
題もあり、未解決な部分が残されていた。
【0009】上記の課題を解決する手段として、触媒成
分および該触媒成分、有機アルミニウム化合物、必要に
応じて用いられる第三成分としての電子供与体とからな
る触媒や、該触媒の存在下における重合方法を改善する
ことによって微粉重合体の減少と、粒度分布を狭くする
試みも数多く提案されている。例えば、特開昭58−8
3006号公報には、塩化マグネシウムを2−エチルヘ
キシルアルコールに溶解させたのち四塩化チタンで固体
触媒成分を析出させ、この触媒成分と有機アルミニウム
および電子供与体の存在下にオレフィン重合をおこなう
と、微粉が殆どなく、粒度分布の狭い重合体が得られる
ことが開示されている。
【0010】また、特開平3−72503号公報には、
出発物質としてジアルコキシマグネシウム、テトラアル
コキシチタネートおよび有機ケイ素化合物を加熱反応さ
せ、得られた反応生成物をハロゲン化チタンおよびオル
トフタル酸金属塩のようなカルボン酸誘導体で処理する
ことによって得られる固体触媒成分と、有機金属化合物
およびピペリジン誘導体のような電子供与性化合物から
なる触媒の存在下にオレフィンを重合させる方法が示さ
れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、触媒成分調製時に多量の溶解剤や析出剤を用
いる関係で廃液処理の後工程ならびに相応の装置が必要
となり、このためプロセスが煩雑化するばかりでなく、
粒度分布の制御化、とりわけ微粉重合体の減少という課
題に対する効果が十分に達成されない問題点がある。一
方、特開平3−72503号公報の方法においては、実
施例の記載から明らかなように触媒成分の調製時に活性
成分であるチタン化合物を2種類、電子供与体を実質的
に3種類用いるほか、オルトフタル酸金属塩等のカルボ
ン酸誘導体のような安定的合成に極めて周密な処理操作
を必要とする成分を用いるなど、調製手段が煩雑であっ
て工業的規模での生産には工程的、コスト的に改善すべ
き課題が多く残されている。
【0012】本発明者らは、上記従来技術に残された課
題を解決するために種々検討を重ねた結果、より簡略な
手段によって調製した固体触媒成分を開発し、該固体触
媒成分(A)、有機アルミニウム化合物(B)および有
機ケイ素化合物(C)からなる触媒の存在下にオレフィ
ン重合を試みたところ、100μm 以下の微粉重合体の
生成を抑制するために有効に機能し、しかも立体規則性
重合体の収率も高水準に維持されることを確認した。
【0013】本発明は、上記の知見に基づいて開発され
たもので、その目的は、粒径100μm 以下の微粉を殆
ど含まず、かつ立体規則性に優れたポリオレフィンを収
率よく得ることができるオレフィン類重合用固体触媒成
分と該固体触媒成分を用いたオレフィン類の重合方法を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるオレフィン類重合用固体触媒成分は、
(a)球状のジアルコキシマグネシウム、(b)常温で
液体の芳香族炭化水素および(c)フタル酸ジエステル
とで形成した懸濁液を、(b)常温で液体の芳香族炭化
水素と該芳香族炭化水素の総量に対する容量比で1/2
以下の(d)四塩化チタンとの混合溶液に加えたのち昇
温し、80〜130℃の温度域で反応させて反応生成物
を得、該反応生成物を芳香族炭化水素で洗浄し、更に
(b)常温で液体の芳香族炭化水素の存在下に該芳香族
炭化水素に対する容量比で1/2以下の(d)四塩化チ
タンを加えて80〜130℃の温度域で反応させ,つい
で前記アルコキシマグネシウムに対する重量比で1/2
以下の(e)ポリスチレンを予め溶解させた(b)常温
で液体の芳香族炭化水素を加えたのち、0〜8℃の温度
域で反応させることによって得られるものである。
【0015】また、本発明に係るオレフィン類の重合方
法は、上記の工程で得られたオレフィン類重合用固体触
媒成分(A)と、有機アルミニウム化合物(B)および
一般式SiRm ( OR’)4 -m(但し、式中Rは水素、ア
ルキル基またはアリール基、R’はアルキル基またはア
リール基を示し、mは0≦m≦4である。)で表される
有機ケイ素化合物(C)とからなる触媒の存在下にオレ
フィンを重合もしくは共重合させることを構成要件とす
るものである。
【0016】本発明において使用される(a)球状のジ
アルコキシマグネシウム〔以下、単に「(a)物質」と
いうことがある〕としては、ジエトキシマグネシウム、
ジ−n−ジブトキシマグネシウム、ジフエノキシマグネ
シウム、ジ−n−プロポキシマグネシウム、ジイソプロ
ポキシマグネシウム、ジ−sec−ブトキシマグネシウ
ム、ジ−tert−ブトキシマグネシウム等が挙げられ
るが、中でも予め球状に合成されたジエトキシマグネシ
ウムが好適に用いられる。
【0017】(b)常温で液体の芳香族炭化水素〔以
下、単に「(b)物質」ということがある〕としては、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼ
ン、トリメチルベンゼン等が挙げられる。
【0018】(c)フタル酸ジエステル〔以下、単に
「(c)物質」ということがある〕としては、例えばジ
メチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ−n−プロ
ピルフタレート、ジイソプロピルフタレート、ジ−n−
ブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジアミル
フタレート、ジイソアミルフタレート、エチルブチルフ
タレート、エチルプロピルフタレート等が挙げられる。
【0019】(e)ポリスチレン〔以下、単に「(e)
物質」ということがある〕は、通常市販のものを適宜に
選択して用いることができ、その物性は特に限定されな
い。なお、この(e)物質は(b)物質中に溶解した状
態で用いられるが、その際の溶解条件は、通常(e)物
質1gに対し(b)物質10〜1000mlの配合比率
で、0〜80℃の温度域でおこなわれる。
【0020】上記の物質により構成される固体触媒成分
(A)に配合される有機アルミニウム化合物(B)とし
ては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムジハライドまたは
これらの混合物などが挙げられる。また、有機ケイ素化
合物(C)には、フェニルアルコキシシラン、アルキル
アルコキシシラン等が該当する。このうちフェニルアル
コキシシランの具体例としては、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル−n−
プロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシランなどが挙げられ、アルキルアルコキシシランの
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、シクロヘキシ
ルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキ
シシラン、エチルトリイソプロポキシシラン等を挙げる
ことができる。
【0021】次に、本発明におけるオレフィン類重合用
固体触媒成分の調製方法について具体的に説明する。ま
ず、各成分の使用割合は、(a)物質と(b)物質の配
合は懸濁液を形成し得る範囲の任意の比率とし、(d)
四塩化チタン〔以下、単に「(d)物質」ということが
ある〕は(a)物質1.0gに対し0.1g以上で、か
つ(b)物質の総量に対する容量比で1/2以下に設定
する。(c)物質は(a)物質1.0gに対し、0.1
〜1.0gの範囲で用いられる。
【0022】(a)物質、(b)物質および(c)物質
による懸濁液の形成は、通常、室温ないし(b)物質の
沸点以下の温度で100時間以下、好ましくは10時間
以下の時間内で撹拌しながらおこなわれる。この際、懸
濁液が均一にならないように配慮する必要がある。
【0023】上記の懸濁液と(b)物質および(d)物
質の混合溶液との接触は、通常、室温付近、好ましくは
5〜20℃の温度域でおこなわれるが、この際、両者の
急激な反応を回避するため、撹拌を継続しながら混合溶
液中に懸濁液を徐々に添加することが好ましい。接触終
了後、昇温して80〜130℃の温度域において10分
〜10時間撹拌しながら反応させる。得られた固体物質
は、芳香族炭化水素で洗浄するが、洗浄に用いる芳香族
炭化水素は(b)物質と同一であっても、異なっていて
も差し支えない。
【0024】洗浄した固体物質は、(b)物質の存在下
に(b)物質に対する容量比で1/2以下の(d)物質
と接触反応させる。接触反応は、80〜130℃の温度
域で10分から10時間の時間内で撹拌しながらおこな
う。ついで、(a)物質に対する重量比で1/2以下の
(e)物質を予め溶解させた(b)物質を加え、0〜8
0℃の温度域で5分〜10時間撹拌しながら反応させる
ことによって固体触媒成分(A)を調製する。
【0025】以上の操作で調製された固体触媒成分
(A)は、n−ヘプタンのような不活性有機溶媒で洗浄
したのち、そのままの状態あるいは乾燥して有機アルミ
ニウム化合物(B)および有機ケイ素化合物(C)と組
み合わせて本発明のオレフィン重合用触媒を形成する。
該重合用触媒の形成時における各成分の使用量比は、有
機アルミニウム化合物(B)は固体触媒成分(A)中の
Ti原子のモル当たりモル比で5〜1000の範囲と
し、有機ケイ素化合物(C)は有機アルミニウム化合物
のモル当たりモル比で0.002〜0.5の範囲とす
る。
【0026】本発明におけるオレフィン類の重合は、上
記重合用触媒の存在下でおこなわれるが、この際有機溶
媒が存在しても存在しなくてもよく、またオレフィン単
量体は気体、液体のいずれの状態でも用いることができ
る。単独重合もしくは共重合されるオレフィン類は、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン等が対象となり、重合条件は、通常、重合温度2
00℃以下、好ましくは100℃以下、重合圧力は10
0kg/cm2・G 以下、好ましくは50kg/cm2・G以下に設
定される。
【0027】
【作用】本発明の重合方法により製造されるポリオレフ
ィンは、粒径100μm 以下の微粉が殆ど存在せず、そ
の粒子形状はほぼ球状に近いものである。また、立体規
則性重合体の収率が高く、単位触媒成分当たりの重合体
の収量、すなわち重合活性にも優れ、かつその持続性も
極めて良好である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0029】実施例1 固体触媒成分の調製;撹拌機を装備した容量500mlの
丸底フラスコの内部を窒素ガスで十分に置換したのち、
トルエン30mlと四塩化チタン20mlを装入し、つい
で、この混合溶液に予め接触させておいた球状のジエト
キシマグネシウム10g、トルエン50mlおよびジ−n
−ブチルフタレ−ト3.6mlの懸濁液を4時間かけて装
入し、90℃に昇温して1時間撹拌しながら反応させ
た。反応終了後、沸点下のトルエン100mlで2回洗浄
し、新たに四塩化チタン20mlおよびトルエン80mlを
加えて110℃で2時間撹拌しながら接触反応させた。
ついで、40℃のヘプタン200mlで10回洗浄処理
し、ポリスチレン〔ダウケミカル社製、グレード666D〕
0.8gを溶解させたトルエン40mlを加えて40℃で
1時間反応させた。反応終了後、40℃のヘプタン40
mlで5回洗浄して固体触媒成分を得た。この固体触媒成
分を固液分離して固体中のチタン含有量を測定したとこ
ろ、2.44重量%であった。
【0030】重合用触媒の形成とプロピレン重合;窒素
ガスで完全に置換した内容積2.0lの撹拌装置付オー
トクレーブに、上記の固体触媒成分をTi原子として
0.0066mmol相当量と、トリエチルアルミニウム
1.32mmolおよびフェニルトリエトキシシラン0.1
3mmolを入れて撹拌処理し、重合用触媒を形成した。そ
の後、水素ガス1.8l、液化プロピレン1.4lを装
入し、70℃で30分間重合反応をおこなった。
【0031】特性評価;得られた重合体につき、その全
重合体量、沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した際の不溶
解の重合体量、固体触媒成分当りの重合活性、全結晶性
重合体の収率、生成重合体のMI、生成重合体の平均粒
径、生成重合体の微粉量(−100μmの累積)等を測
定評価し、それらの結果を表1に示した。なお、平均粒
径および微粉量の測定は乾式篩別法でおこない、固体触
媒成分当りの重合活性および全結晶性重合体の収率は、
それぞれ下記 (1)〜(2) 式による値として示した。
【0032】
【0033】
【0034】実施例2 ポリスチレンを溶解させるトルエンを100ml、ポリス
チレンを0.6g、ヘプタンを100ml使用した以外は
全て実施例1と同一の条件で重合用触媒を形成し、重合
試験をおこなった。この際の固体触媒成分中のチタン含
有率は2.35重量%であった。得られた重合体の特性
評価結果を表1に併載した。
【0035】実施例3 ポリスチレンを0.2g使用した以外は全て実施例1と
同一の条件により重合触媒を形成し、重合試験をおこな
った。この際の固体触媒成分中のチタン含有率は2.2
3重量%であった。得られた重合体の特性評価結果を表
1に併載した。
【0036】比較例1 ポリスチレンを溶解させたトルエンとの反応をおこなわ
なかった以外は全て実施例1と同一の条件により重合触
媒を形成し、重合試験をおこなった。この際の固体触媒
成分中のチタン含有率は2.54重量%であった。得ら
れた重合体の特性評価結果を表1に併載した。
【0037】
【表1】
【0038】表1の結果から、本発明のオレフィン類重
合用固体触媒成分を含む重合用触媒を用い、本発明の重
合方法により得られた重合体は、比較例のものと比べて
100μm 以下の微粉重合体が明らかに減少しており殆
ど存在しない程度の量であった。また、生成重合体の粒
形はほぼ球形に近く、固体触媒成分当りの重合活性や立
体規則性重合体の収率も高水準に維持されていることが
認められた。
【0039】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば簡易な接
触反応工程と処理工程を経て得られたオレフィン類重合
用固体触媒成分とこれを含む重合用触媒を用いた重合方
法により、粒子形状がほぼ球状で、粒径100μm 以下
の微粉重合体が殆ど存在しないポリオレフィン粉末を得
ることができる。したがって、流動性に優れ、配管輸送
の際に運転停止の原因となる配管閉塞等のトラブル発生
がなくなる。また、微粉重合体の存在は嵩比重を低下さ
せて重合反応効率を減退させるが、かかる問題も同時に
解消されるうえ、生成重合体の後処理工程も容易となる
から、操業効率の向上、エネルギーの省力化等に基づく
コスト低減に大きく寄与する。
【0040】更に、立体規則性重合体の収率や高い重合
活性およびその持続性においても優れた性能を維持する
ため、生成重合体中に残留する触媒残渣を無視し得る程
度に低減させ、かつブロック共重合体のような長時間の
重合反応に対しても十分に適応し得るという効果も発揮
される。更に付言すると、本発明のオレフィン類重合用
触媒の形成に供される固体触媒成分(A)の調製方法は
従来公知の方法に比べて原料成分の入手が容易であり、
その調製手段も簡略であるため、ポリオレフィンの工業
的生産に供する重合用固体触媒成分ならびに重合方法と
して極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を例示した模式的フローチャート
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)球状のジアルコキシマグネシウ
    ム、(b)常温で液体の芳香族炭化水素および(c)フ
    タル酸ジエステルとで形成した懸濁液を、(b)常温で
    液体の芳香族炭化水素と該芳香族炭化水素の総量に対す
    る容量比で1/2以下の(d)四塩化チタンとの混合溶
    液に加えたのち昇温し、80〜130℃の温度域で反応
    させて反応生成物を得、該反応生成物を芳香族炭化水素
    で洗浄し、更に(b)常温で液体の芳香族炭化水素の存
    在下に該芳香族炭化水素に対する容量比で1/2以下の
    (d)四塩化チタンを加え、80〜130℃の温度域で
    反応させ、ついで前記アルコキシマグネシウムに対する
    重量比で1/2以下の(e)ポリスチレンを予め溶解さ
    せた(b)常温で液体の芳香族炭化水素を加えたのち、
    0〜80℃の温度域で反応させることによって得られる
    ことを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオレフィン類重合用固体
    触媒成分(A)と、有機アルミニウム化合物(B)、お
    よび一般式SiRm ( OR')4-m (但し、式中Rは水
    素、アルキル基またはアリール基、R’はアルキル基ま
    たはアリール基を示し、mは0≦m≦4である。)で表
    される有機ケイ素化合物(C)とからなる触媒の存在下
    にオレフィンを重合もしくは共重合させることを特徴と
    するオレフィン類の重合方法。
JP15146993A 1992-10-21 1993-05-27 オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法 Expired - Fee Related JP3301819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15146993A JP3301819B2 (ja) 1992-10-21 1993-05-27 オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30595392 1992-10-21
JP4-305953 1992-10-21
JP15146993A JP3301819B2 (ja) 1992-10-21 1993-05-27 オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06184230A true JPH06184230A (ja) 1994-07-05
JP3301819B2 JP3301819B2 (ja) 2002-07-15

Family

ID=26480711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15146993A Expired - Fee Related JP3301819B2 (ja) 1992-10-21 1993-05-27 オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3301819B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999061493A1 (fr) * 1998-05-22 1999-12-02 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Polypropylene cristallin, feuil et objet moule
US6639038B2 (en) 1998-05-22 2003-10-28 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Crystalline polypropylene and its moldings and films

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999061493A1 (fr) * 1998-05-22 1999-12-02 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Polypropylene cristallin, feuil et objet moule
US6455659B1 (en) * 1998-05-22 2002-09-24 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Crystalline polypropylene and molded object and film thereof
US6639038B2 (en) 1998-05-22 2003-10-28 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Crystalline polypropylene and its moldings and films

Also Published As

Publication number Publication date
JP3301819B2 (ja) 2002-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2958923B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分及び触媒
JPH06104693B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JP2003510425A (ja) オレフィン重合用触媒成分の製造法
EA032542B1 (ru) Прокатализатор полимеризации олефинов, содержащий сложный моноэфир и амидобензоатный внутренний донор
HU195841B (en) Process for the polymerization of olefins and for the production of catalyst component applicable for the polymerization
JP4149809B2 (ja) α−オレフィン重合用の固形触媒成分の連続製造方法
US9873753B2 (en) Catalyst system for polymerization of an olefin
JPS5825363B2 (ja) α−オレフィン重合体の製法
JP2003503589A (ja) マグネシウム−ジルコニウムアルコキシド錯体およびそれらから製造される重合触媒
JP3130171B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法
JP3301819B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法
CS268812B2 (en) Method of olefins polymerization
JP3330186B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法
JP3167417B2 (ja) オレフィン類重合用触媒及び重合方法
JPH06104694B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JPH0710890B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JP3301793B2 (ja) オレフィン類重合用触媒
JP3330182B2 (ja) オレフィン類重合用触媒
JPS58109506A (ja) オレフイン重合法
JPH0435486B2 (ja)
JPH0617403B2 (ja) ポリオレフインの製造方法
JPH0617402B2 (ja) ポリオレフインの製造法
JPH0832736B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JPH0617404B2 (ja) ポリオレフイン製造法
JPS58154704A (ja) α−オレフインの重合法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090426

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees