JPH0618293Y2 - 超音波顕微鏡の音波伝搬媒体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、超音波トランスジューサからの音波を集束し
て音場媒体の試料に照射する超音波顕微鏡の音波伝搬媒
体に関するものである。

従来技術 従来の音波伝搬媒体はサファイヤの棒の上端を平らにし
て超音波トランスジューサを装着し、下端に球面状の凹
部を形成して球面レンズ部を構成している。

そして、超音波トランスジューサから発射された音波は
音波伝搬媒体であるサファイヤの中を伝搬し、球面レン
ズ部で集束され、この球面レンズ部に接触して設けられ
た音場媒体（例えば水）の中の球面レンズ部の焦点に設
けられた試料に照射されるようにしている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、このように構成された従来の音波伝搬媒
体は、焦点の位置が音波伝搬媒体と音場媒体のそれぞれ
の音速比によって変化する（スネルの方則）という欠点
があった。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するために、超音波トラン
スジューサからの音波を音場媒体に設けられた試料に集
束伝搬する超音波顕微鏡の音波伝搬媒体であって、音波
伝搬媒体本体の平らな上端に平らな超音波トランスジュ
ーサを装着し、前記音波伝搬媒体本体の外側面を抛物面
とし、該抛物面の焦点に試料を装着することを特徴とす
る。

また、音波伝搬媒体本体の内面側を抛物面とする空洞を
設け、該空洞内に液体を注入し、抛物面の焦点に試料を
装着することを特徴とする。

作用 本考案によれば、外側面を抛物面とするか、内面側を抛
物面とする空洞を設け、該空洞内に液体を注入し、それ
ぞれ抛物面の焦点に試料を装着することにより、超音波
トランスジューサから放射された超音波はこの抛物面で
反射されて抛物面の焦点に集束されるので、この焦点に
試料を設けることにより、試料で影響を受けた超音波を
再び超音波トランスジューサに伝達することができる。

実施例 第１図は、本考案の１実施例の音波伝搬媒体の側面断面
図及び平面図を示したもので、音波伝搬媒体本体１は側
面２が断面で抛物線となるように抛物面を構成し、また
下端４に球面凹部を構成し、さらに上端３の中心から下
端４の球面凹部の中心に空洞５が設けられ、平らな上端
３にドーナツ状の超音波トランスジューサ６が装着さ
れ、さらに、側面２の抛物面の焦点に試料１２が装着さ
れている。

このように構成された本実施例の音波伝搬媒体１では、
上端３の超音波トランスジューサ６から超音波が発射す
ると、この超音波は音波伝搬媒体本体１の側面２の抛物
面で反射されるので、この抛物面の焦点に設けた試料１
２に集束され、また、試料１２で反射された超音波の反
射波は音波伝搬媒体本体１の側面２の抛物面を通って超
音波トランスジューサ６に戻る。

本実施例は、このように超音波トランスジューサ６から
放射された超音波を音波伝搬媒体本体１の側面２の抛物
面の焦点に設けた試料に集束させることができ、また、
その反射波は音波伝搬媒体本体１の側面２の抛物面を反
射して戻すことができるので、超音波搬媒体本体１を鉄
やアルミ等の安価な金属で構成しても、超音波顕微鏡用
に使用することができる。

第２図は、本考案の他の実施例の音波伝搬媒体の断面図
及び平面図を示したもので、音波伝搬媒体本体７は空洞
８の内側面９を抛物面に形成し、この空洞８に液体（例
えば水）10を充満し、内側面９の抛物面の焦点に試料１
２を装着する。なお、空洞８の開口部８′は極めて小さ
いので、薄膜等を設けなくても、中の液体（水）10は表
面張力によって流れ出ることはない。

このように構成された本実施例の音波伝搬媒体本体７で
は上端の超音波トランスジューサ11から超音波が発射す
ると、この超音波は内側面２の抛物面で反射されるの
で、この抛物面の焦点に装着された試料１２に集束さ
れ、その試料１２で反射された超音波は超音波伝搬媒体
本体７の内側面９の抛物面で反射され、超音波トランス
ジューサ11で検出される。

本実施例の音波伝搬媒体７も、前述の実施例と同様に鉄
やアルミ等の安価な金属で構成できるという利点があ
る。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案は、超音波伝搬
媒体本体の外側面を抛物面とするか、超音波伝搬媒体本
体の内面側を抛物面として液体を注入して、これらの抛
物面の焦点に試料を装着することにより、超音波トラン
スジューサから放射された超音波はこれらの抛物面で反
射されて、抛物面の焦点に設けた試料に集束し、そし
て、試料で影響を受けた超音波を超音波伝搬媒体本体の
外側面または内側面で反射して再び超音波トランスジュ
ーサに伝達することができ、従って、構成が簡単であ
り、鉄やアルミ等の安価な金属で構成することができる
という利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の超音波顕微鏡の音波伝搬媒体
の断面図及び平面図、第２図は本考案の他の実施例の超
音波顕微鏡の音波伝搬媒体の断面図及び平面図である。 １、７……音波伝搬媒体、２……側面、３……上端、４
……下端、５、８……空洞、６、11……超音波トランス
ジューサ、９……内側面、10……液体。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】超音波トランスジューサからの音波を音場
   媒体に設けられた試料に集束伝搬する超音波顕微鏡の音
   波伝搬媒体であって、該音波伝搬媒体本体の平らな上端
   に平らな超音波トランスジューサを装着し、前記音波伝
   搬媒体本体の外側面を抛物面とし、該抛物面の焦点に試
   料を装着することを特徴とする超音波顕微鏡の音波伝搬
   媒体。
2. 【請求項２】前記音波伝搬媒体本体の内面側を抛物面と
   する空洞を設け、該空洞内に液体を注入し、前記抛物面
   の焦点に試料を装着することを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の超音波顕微鏡の音波伝搬媒体。