JPS6245690Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は超音波診断装置に使用される超音波探
触子の改良に関するものである。

第１図は従来の超音波探触子の一例を示す図で
ある。同図において、１は複数個の短冊状の振動
子を凹面状に湾曲させて配列した振動子アレイ、
２はこの振動子アレイ１の裏面に接着されるバツ
キング材、３は超音波を伝播する伝播媒質４を収
納する筐体で、振動子アレイ１の表面に接着され
ている。筐体３は、先端に到るに従つて先細状に
形成され、その先端は探触子として被検体６に接
触する個所であり、ここにはゴム等の柔軟な物質
による被覆接触部５が設けられている。振動子ア
レイ１の曲面は、そこからの音波ビームの焦点が
接触部５又はその近傍に位置するように設定され
ている。振動子アレイ１の中のｎ個の振動子を１
個ずつずらせながら順次に走査（いわゆるリニア
走査）すると、音波ビームは図示のように焦点で
集束し、更に被検体６中で徐々に広がりながら扇
状に走査される。また、エコーも同様な音路を通
つて振動子アレイに達する。

しかしながら、図からも明らかなように音波ビ
ームは被検体中では深さが増すにつれて必要以上
に幅の広いビームとなつてしまい、結果的に分解
能の低いセクタ画像しか得られないという欠点が
あつた。

本考案は、このような欠点を除き、リニア走査
の振動子の数を変えることなく、被検体中でのビ
ーム幅を十分に細くし、結果として高解像度のセ
クタ画像を得ることのできる超音波探触子を実現
しようとするものである。

以下本考案を実施例につき説明する。第２図は
本考案に係る超音波探触子の一実施例であり、第
１図のものと異なるところは、接触部５の表面に
音響レンズ２１を取付けた点である。なお、伝播
媒質４としては、被検体６に近い音響インピーダ
ンス及び音速を呈し、パワー損失の少ない、水な
どの物質を使用する。音響レンズ２１は凸型状に
形成され、その音速v₁が被検体中の音速v₂よりも
遅いような物質で構成されている。なお、音響レ
ンズ２１は凸型状に限らず凹型状でもよい。ただ
し、凹型状の場合はその音速v₁がv₂よりも速いよ
うな物質で形成する必要がある。更に、レンズ２
１はセクタ走査面とは直角な方向にも凸型又は凹
型となるように形成してもよい。

このような構成により、送受波される音波ビー
ムを絞り、十分に細いビームでセクタ走査させる
ことができる。

以上説明したように、本考案によれば、簡単な
構造の音響レンズを付加するだけで容易にセクタ
走査の送受波ビームを細くすることができ、結果
として高解像度のセクタ画像の得られる超音波探
触子を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の超音波探触子の構成図、第２図
は本考案に係る超音波探触子の一実施例を示す構
成図である。 １……振動子アレイ、３……筐体、４……伝播
媒質、５……被覆接触部、６……被検体、２１…
…音響レンズ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数個の振動子を凹面状に配列してなる振動子
   アレイの表面に、超音波を伝播する伝播媒質を収
   納する筐体を取り付け、前記振動子アレイからの
   音波ビームの焦点であつてしかもセクタ走査の際
   に音波ビームが交差する点を前記筐体の先端部又
   はその近傍に設定し、振動子アレイをリニア走査
   したとき筐体の先端部より送波又は受波される音
   波ビームがセクタ走査となるようにした超音波探
   触子において、 音波ビームのセクタ走査面方向におけるビーム
   幅を絞るように凸型又は凹型の円柱状表面を有す
   る音響レンズを前記筐体の先端部の表面に取り付
   け、 この音響レンズとして、凸型音響レンズの場合
   にはその音響レンズ内での音速が被検体中の音速
   よりも遅いような材料で形成され、凹型音響レン
   ズの場合にはその音響レンズ内での音速が被検体
   中の音速よりも速いような材料で形成されてなる
   音響レンズを使用するようにした超音波探触子。