JPH06182716A - 抗菌防黴性を有する木材 - Google Patents

抗菌防黴性を有する木材

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Publication number
JPH06182716A
JPH06182716A JP35472092A JP35472092A JPH06182716A JP H06182716 A JPH06182716 A JP H06182716A JP 35472092 A JP35472092 A JP 35472092A JP 35472092 A JP35472092 A JP 35472092A JP H06182716 A JPH06182716 A JP H06182716A
Authority
JP
Japan
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group
wood
antibacterial
antifungal
properties
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP35472092A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nishihara
明 西原
Tsunetoshi Honda
常俊 本田
Akiko Azuma
彰子 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次式: X123Si-Y-NHC(=NH)NH-Z1 (式中、X1〜X3の内、少なくとも一つは加水分解性の
基であり、YはC1〜C30のアルキレン基であり、Z1
-CNまたは-C(=NH)NH-Z2 (Z2は、水素、C1〜
C20のアルキル基又はフェニル基)である)で示される
化合物またはその塩で処理することを特徴とする抗菌防
黴性を有する木材。 【効果】 耐久性、持続性に優れた高い抗菌防黴性を有
する木材が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌防黴性を有する木
材に関する。更に詳しくは、本発明は、グアニジル基を
有する化合物で処理したことを特徴とする抗菌防黴性を
有する木材に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】一般に、建築用木材は、通気
性が悪い箇所や湿度の高いところでは、黴(かび)等の微
生物に汚染されやすく、建造物の品質や美観、衛生状態
等の悪化を引き起こす。特に、近年、住宅事情が変化す
るにともなって密閉性が向上したため室内に生える黴が
問題になっている。また、まな板等の家庭用品や家具類
等、木材の用途には抗菌防黴対策が望まれるものが多
い。従来、木材に対しては、クロムやヒ素等を含有する
無機系抗菌剤、あるいは、一部では有機系抗菌剤が使用
されていたが、いずれも、徐々に溶出しながら抗菌性を
発現するものであるため、効果の持続性及び人や環境に
対する安全性の面で問題があった。
【0003】一般に材料表面に持続的な抗菌防黴性を付
与する抗菌剤として、シラン系抗菌剤が提案されてい
る。これは、加水分解性の有機置換基を有するシラン基
を含む抗菌性化合物であり、シラン基を介して分子が材
料表面に固定されるため、材料に対して持続的な抗菌性
を付与することが可能である。このような抗菌剤として
は、第4級アンモニウム塩型化合物が知られているが
(例えば、特開平2−6489号公報参照)、これらは
分子中に長鎖のアルキル基を有しているため、これを木
材の処理に用いた場合には、木材表面が撥水性となり、
木材が本来有している吸水、吸湿性能あるいは水蒸気、
水の浸透性が著しく損われるという欠点がある。また、
硬化ゴム組成物中にグアニジル基を有するシラン化合物
を用いることも提案されているが(特公昭61−178
60号公報参照)、十分な抗菌性が得られないという問
題があった。
【0004】
【問題解決に至る知見】そこで本発明者らは、木材の処
理に適するシラン系抗菌剤について種々検討した結果、
グアニジル基にシアノ基またはグアニジル基を結合させ
た基(すなわち、シアノグアニジル基及びビグアニド
基)を有する化合物で処理した木材は優れた抗菌防黴性
があり、その活性が恒久的に持続する等、多くの特徴や
利点があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の構成】すなわち、本発明は、X123Si-Y
-NHC(=NH)NH-Z1 (式中、X1〜X3の内、少な
くとも一つは加水分解性の基であり、YはC1〜C30の
アルキレン基であり、Z1は-CNまたは-C(=NH)NH
-Z2(Z2は、水素、C1〜C20のアルキル基又はフェニ
ル基)である)で示される化合物で処理することを特徴
とする抗菌防黴性を有する木材を提供する。
【0006】本発明で用いられる化合物は、上記式で表
わされるように、置換シラン基、グアニジル基、及びこ
の二つの基を結ぶアルキレン基で構成される。この内、
置換シラン基は、少なくとも一つの加水分解性の基を含
む。加水分解性の基は、Si原子に対して1〜3個結合
し、同一のものでも互いに異なるものでもよい。好まし
い加水分解性の基としては、メトキシ基、エトキシ基等
のアルコキシ基、塩素等のハロゲンが挙げられる。残余
の置換基は、シラン基と表面との結合を妨げたり、基質
(木材)に対して悪影響を及ぼさない基であれば特に限
定されない。実際的には、水素やフェニル基、または、
メチル基やエチル基等のC1〜C5のアルキル基が適当で
ある。グアニジル基としては、シアノグアニジル基(上
記式中、Z1=-CN)またはビグアニド基(Z1=-C(=
NH)NH-Z2)が用いられる。Z2は、水素、C1〜C2
0のアルキル基又はフェニル基であり、フェニル基は、
フッ素や塩素、臭素等のハロゲン又はトリフロロメチル
基等で置換されていてもよい。合成的な見地及び抗菌活
性の面からは、ハロゲンで置換されたフェニル基が好ま
しい。これらの化合物は、必要に応じて塩に転化して使
用してもよい。典型的には塩酸塩として用いられるが、
基質(木材)に悪影響を及ぼさない限り、どのような塩
であってもよい。このような化合物としては以下のもの
が例示される。
【化2】 (C25O)3Si(CH2)3NHC(=NH)NH-CN <1>
【化3】 (C25O)3Si(CH2)3NHC(=NH)NHC(=NH)NH-Z2・HCl Z2 = H <2> フェニル <3> p-クロロフェニル <4> p-トリフロロメチルフェニル <5> n-ヘキシル <6> アルキレン基は、1〜30個の炭素原子を含む。炭素原
子数が30個を超えると、化合物の撥水性が強くなるた
め適当でない。
【0007】本発明で使用される木材の種類は特に限定
されない。抗菌防黴性を有する木材の製造に際しては、
上記のシアノグアニジル基またはビグアニド基を有する
抗菌剤を適当な溶媒に溶かした後、浸漬法やスプレー法
等で所望の木材の処理に用いることが可能である。こう
した溶媒としては、水、アルコール類、エステル類、ケ
トン類、トルエン等の炭化水素等が使用可能である。木
材に対する抗菌剤の適正な処理量は、所望の抗菌活性の
度合等によって異なるが、木材の乾燥重量に対して0.
001〜20wt%、より好ましくは0.01〜5wt
%である。処理量が 0.001wt%未満であると十分
な効果が得られず、20wt%を超えた場合には効果が
飽和するとともに、グアニジル基を多量に含有するた
め、長期にわたって熱や光にさらされた場合に変色する
ことがあり好ましくない。処理温度は、処理する木材や
使用する溶媒によって異なるが、通常、0℃〜150
℃、好ましくは0〜100℃で行えばよい。処理温度そ
の他の具体的処理条件及び処理後の乾燥等の具体的な手
順は、薬剤によって木材を処理する際の通常の条件ある
いは手順と同様である。
【0008】
【発明の具体的開示】以下に実施例をもってさらに詳し
く説明するが、これは本発明を限定するものではない。
なお、実施例において製造を例示する化合物<1>〜<
6>は、上記「発明の構成」欄において述べた化合物<
1>〜<6>であり、化合物<7>は、特公昭61-1
7860号公報において例示されている次式の化合物で
ある。
【化4】(CH3O)3Si(CH2)3N=C(N(CH3)2)2
【0009】
【実施例1】化合物<1>の濃度が0.5wt%となる
ように水300mlに溶解し、この溶液を市販のベニヤ
板にスプレーし、一晩風乾した。得られたベニヤ板は、
ハロー法による防黴試験、AATCC−100に準じた
抗菌試験、及び水滴を吸水するのに要した時間から吸水
性の評価を行なった。結果を表1に示す。
【実施例2】化合物<1>の代わりに化合物<2>を用
いた他は、実施例1と同様に市販のベニヤ板を処理し、
抗菌性、防黴性、吸水性の評価を行なった。結果を表1
に示す。
【実施例3】化合物<1>の代わりに化合物<3>を用
いた他は、実施例1と同様に市販のベニヤ板を処理し、
抗菌性、防黴性、吸水性の評価を行なった。結果を表1
に示す。
【実施例4】化合物<1>の代わりに化合物<4>を用
いた他は、実施例1と同様に市販のベニヤ板を処理し、
抗菌性、防黴性、吸水性の評価を行なった。結果を表1
に示す。
【実施例5】化合物<1>の代わりに化合物<5>を用
いた他は、実施例1と同様に市販のベニヤ板を処理し、
抗菌性、防黴性、吸水性の評価を行なった。結果を表1
に示す。
【実施例6】化合物<1>の代わりに化合物<6>を用
いた他は、実施例1と同様に市販のベニヤ板を処理し、
抗菌性、防黴性、吸水性の評価を行なった。結果を表1
に示す。
【比較例1】何も処理していない市販のベニヤ板を何も
処理しないで用いて抗菌性、防黴性、吸水性の評価を行
なった。結果を表1に示す。
【比較例2】化合物<1>の代わりに化合物<7>を用
いた他は、実施例1と同様に市販のベニヤ板を処理し、
抗菌性、防黴性、吸水性の評価を行なった。結果を表1
に示す。
【比較例3】化合物<1>の代わりに、トリメトキシシ
リルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロラ
イド(第4級アンモニウム塩型シラン化合物)を用いた
他は、実施例1と同様に市販のベニヤ板を処理し、抗菌
性、防黴性、吸水性の評価を行なった。結果を表1に示
す。
【0010】
【表1】 抗黴性1) 抗菌性2) 吸水性 木材 (滅菌率%) (秒) 実施例1 3 1 2 91.5 1 実施例2 3 2 1 94.0 1 実施例3 3 2 3 98.0 1 実施例4 3 3 3 99.9 1 実施例5 3 3 3 99.9 1 実施例6 2 3 3 98.5 2 比較例1 1 1 1 0 1 比較例2 1 1 1 78.0 1 比較例3 1 2 1 88.0 60 1)防黴性試験において用いた菌種とその評価は以下のと
おり: 菌種: 試験A: Aspergillus niger 試験B: Penicillium frequentans 試験C: Rhizopus 評価: 1:試料又は試験片の接種した部分に認められる
菌糸の発育部分の面積が、全面積の1/3を超える。 2:試料又は試験片の接種した部分に認められる菌糸の
発育部分の面積が、全面積の1/3を超えない。 3:試料又は試験片の接種した部分に菌糸の発育が認め
られない。 2)抗菌性はKlebsiella pneumoneae を用いて試験した。
【0011】
【発明の効果】本発明で使用される含グアニジル基シラ
ン系抗菌剤は、木材に対してシランカップリング剤と同
様の結合性を有しており、材料への処理によってグアニ
ジル基を含む有機官能基が材料の表面に化学的に固定化
され、抗菌活性な部分構造が木材から遊離したり飛散す
ることがない。また、グアニジル基としてシアノグアニ
ジル基及びビグアニド基を使用した結果、優れた抗菌性
を木材に付与することが可能である。このため、これを
用いた本発明の木材は、持続性、耐久性に優れた高い抗
菌防黴性を有し、人体や環境に対して安全性が高く、家
庭用品や家具等に幅広く用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式: 【化1】X123Si-Y-NHC(=NH)NH-Z1 (式中、X1〜X3の内、少なくとも一つは加水分解性の
    基であり、YはC1〜C30のアルキレン基であり、Z1
    -CNまたは-C(=NH)NH-Z2(Z2は、水素、C1〜
    C20のアルキル基又はフェニル基)である)で示される
    化合物またはその塩で処理することを特徴とする抗菌防
    黴性を有する木材。
JP35472092A 1992-12-17 1992-12-17 抗菌防黴性を有する木材 Withdrawn JPH06182716A (ja)

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