JPH06181923A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH06181923A
JPH06181923A JP34054692A JP34054692A JPH06181923A JP H06181923 A JPH06181923 A JP H06181923A JP 34054692 A JP34054692 A JP 34054692A JP 34054692 A JP34054692 A JP 34054692A JP H06181923 A JPH06181923 A JP H06181923A
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JP
Japan
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ultrasonic
propagation medium
ultrasonic wave
subject
acoustic impedance
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JP34054692A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hayakawa
健一 早川
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、圧電振動子から放射された超音波
を、超音波伝播媒体を介して被検体内に伝播することに
より、この被検体の断層像を得る超音波診断装置に関
し、多重反射アーチファクトを少なくし高画質の断層像
を得る。 【構成】ディスプレイ55で多重反射アーチファクト像
を観察し、この多重反射アーチファクト像が弱くなるよ
うに加熱器56、冷却器57を制御し、超音波伝播媒体
の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスを
整合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電振動子から放射さ
れた超音波を、超音波伝播媒体を介して被検体内に伝播
させることにより、この被検体の断層像を得る超音波診
断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波を使って人体の断層像を映し出す
超音波診断装置が広く使用されている。この超音波診断
装置では超音波の送受信のために超音波探触子が用いら
れる。超音波探触子には、圧電振動子として単板振動子
を用いこの単板振動子を機械的に回転又は揺動させなが
ら超音波ビームを走査させて断層像を得るタイプと、圧
電振動子としてアレイ状の複数個の振動子を用いこの複
数個の振動子で得られた受信信号を遅延制御するととも
に互いに加算することにより超音波ビームを走査させて
断層像を得るタイプがある。
【0003】先ず、単板振動子を用いたタイプの超音波
探触子の概略構成を図6に示す。図6に示すように、圧
電振動子10として単板振動子を用いるタイプでは、液
体の超音波伝播媒体12中に圧電振動子10が配置され
ており、この圧電振動子10はこの超音波伝播媒体12
中で機械的に運動する。このため、圧電振動子10から
放射される超音波ビーム14が超音波伝播媒体12を伝
播し膜16を介して人体18等の被検体内に放射され
る。この人体18内の組織で反射された超音波は圧電振
動子10で受信され、この受信により得られた受信信号
が図示しない遅延回路等で処理されることによりディス
プレイ(図示せず)に断層像が表示される。
【0004】次に、アレイ状の複数個の振動子を用いた
タイプの超音波探触子の概略構成を図7に示す。図7
(a)は、超音波の送受信を行う超音波探触子を体表面
に直接接触させた場合を示す模式図、図7(b)は、超
音波探触子と体表面との間に超音波伝播媒体である超音
波カプラを配置させた場合を示す模式図である。
【0005】図7(a)に示すように、超音波探触子2
0を体表面22に直接接触させると、超音波ビーム24
の収束する位置が体表面22から遠く離れた位置26と
なるため、体表面22の近くに存在する診断部位28を
観察しようとすると分解能が低下することになる。そこ
で、体表面22の近くに存在する診断部位28を観察す
るときは、分解能の向上を図るために、図7(b)に示
すように、超音波探触子20と体表面22との間に超音
波カプラ30を配置して、診断部位28の近傍に超音波
ビーム24が収束するように工夫が行われている。この
ように超音波カプラ30を配置して人体内に超音波を放
射しこの人体内の組織で反射された超音波が超音波探触
子20で受信され、この受信ににより得られた受信信号
を図示しない検波回路等で処理することによりディスプ
レイ(図示せず)に断層像が表示される。
【0006】ところで、超音波伝播媒体の材料は、液体
とゲル(非流動体)とに大別される。前者の代表的例は
水であり袋やケースに入れた状態で使用される。後者の
例としては、PVA凍結ゲルのような減衰の非常に少な
い高分子含水ゲルや、またシリコーンゲル、ウレタンゲ
ルのような超音波の減衰の比較的大きいものがある。一
方、近年、電子技術の向上に伴い、超音波診断には周波
数7.5MHzや10MHzなどの高周波の超音波が使
用されて、断層像の解像度の向上が図られている。とこ
ろが、超音波振動子から放射された超音波の減衰はこの
超音波の周波数と共に増加するため、シリコーンゲルや
ウレタンゲルなどの超音波の減衰の比較的大きい超音波
カプラを使用すると、超音波信号はこの超音波カプラ中
で大きく減衰しS/Nが劣化してしまう。したがって、
超音波診断の精度向上のために超音波の減衰がほとんど
無い水や高分子含水ゲルが超音波伝播媒体として有用で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、被検体の断層
像を表示するディスプレイに、この断層像とともに表示
される多重反射アーチファクト像について図8を参照し
て説明する。図8は、超音波伝播媒体と人体の境界面で
反射された超音波が、ディスプレイに多重反射アーチフ
ァクト像として現れた状態を示す模式図である。人体3
2に入射される超音波の音圧をV0、人体32と超音波
伝播媒体34との境界面36で反射された超音波の音圧
をV1、超音波伝播媒体の音響インピーダンスをZ1、
人体の音響インピーダンスをZ2とすると、V1/V0
=|(Z2−Z1)/(Z1+Z2)|n となる。ただ
し、nは境界面36で反射された回数を示し、かつこの
式は超音波伝播媒体34とプローブ38の境界面では完
全反射するとともに、超音波伝播媒体34では超音波の
減衰が生じ無いことを条件としている。
【0008】図8に示すように、超音波伝播媒体34の
音響インピーダンスZ1が人体32の音響インピーダン
スZ2と相違すると、超音波伝播媒体34と人体32と
の境界面(皮膚)36で超音波の一部が繰り返し反射さ
れる。超音波の減衰が激しい超音波伝播媒体を使用する
場合は、境界面36で反射された超音波は超音波伝播媒
体34中で減衰してしまうが、前述のように、S/N向
上のために超音波の減衰が少ない超音波伝播媒体を使用
すると、超音波の減衰が少ないため、超音波は超音波伝
播媒体34及び人体36の境界面36で反射するととも
に、超音波伝播媒体34及びプローブ38の境界面37
でも反射し、これらの間を超音波が繰り返し往復する、
いわゆる多重反射が生じる。この結果、診断装置本体4
0に備えられたディスプレイ42には、診断部位の断層
像の他、超音波が境界面36で最初に反射されることに
より生じる像44や、多重反射により生じる多重反射ア
ーチファクト像46が写し出される。診断部位の断層像
以外の像がディスプレイに強く生じると、断層像が見ず
らくなるという問題がある。
【0009】この多重反射を防止するためには、被検体
(人体)の音響インピーダンスと超音波伝播媒体の音響
インピーダンスを等しくすれば良いが、人体の音響イン
ピーダンスには固体差(1.52〜1.64[x106
kg/m2 s])があり、従来の超音波診断装置では2
つの音響インピーダンスの整合を取ることができない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑み、多重反射され
る超音波の強度を減少させ画質の良い断層像を得ること
のできる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、図1に示す
ように、水の音響インピーダンスは水温の変化に伴って
変化するという知見に基づき、超音波伝播媒体の温度を
調整することにより、この超音波伝播媒体の音響インピ
ーダンスを制御することが可能となることを見出し、本
発明をなすに至った。
【0012】すなわち、本発明の超音波診断装置は、圧
電振動子を備え、この圧電振動子から放射された超音波
を、水を主成分とした液体もしくは含水性の樹脂からな
る超音波伝播媒体を介して被検体内に伝播することによ
り、この被検体の断層像を得る超音波診断装置におい
て、超音波伝播媒体を加熱する加熱手段を備えたことを
特徴とするものである。
【0013】また、上記加熱手段に加え、超音波伝播媒
体の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンス
の相違を検出する検出手段と、この検出手段で得られた
相違に基づいて、超音波伝播媒体の音響インピーダンス
と被検体の音響インピーダンスを整合するように加熱手
段を制御する制御手段とを備えることが好ましい。ここ
で、上記検出手段により、被検体と超音波伝播媒体の境
界面で最初に反射された超音波を表す反射信号の強度を
検出することにより超音波伝播媒体の音響インピーダン
スと被検体の音響インピーダンスの差を検出し、制御手
段により、検出手段で検出された反射信号の強度に基づ
いて反射信号の強度が小さくなるように加熱手段を制御
するように構成することが好ましい。
【0014】また、上記検出手段を、圧電振動子から放
射される超音波を表す信号と反射信号とが同位相か逆位
相かを判断することにより超音波伝播媒体の音響インピ
ーダンスと被検体の音響インピーダンスの大小を検出す
る構成とすることも好ましい態様である。この場合、上
記制御手段は、反射信号と圧電振動子から放射される超
音波信号との位相が逆相のときは超音波伝播媒体の温度
を上昇させ、同相に変化した際に加熱手段を停止させる
構成が採用される。
【0015】また、上記加熱手段として上記圧電振動子
そのものを使用してもよい。また、超音波伝播媒体の温
度を検出する温度検出手段を備え、制御手段により、超
音波伝播媒体の温度が所定温度に達した際にこの制御手
段を停止させる構成とすることも好ましい。さらに、上
記超音波伝播媒体の音響インピーダンスが室温(25
℃)において1.52×106 kg/m2 s未満である
ことが好ましい。
【0016】さらにまた、上記加熱手段とともに超音波
伝播媒体を冷却する冷却手段を備えた構成とすることが
好ましく、これら加熱手段および冷却手段を自動的に制
御する場合、上記制御手段は、超音波伝播媒体の音響イ
ンピーダンスと被検体の音響インピーダンスを整合する
ように加熱手段と冷却手段を制御するように構成され
る。
【0017】
【作用】本発明の超音波診断装置は上記加熱手段を備え
たものであるため、例えばこの超音波診断装置の使用者
が断層像を見ながらこの断層像の画質が良くなるように
加熱手段で超音波伝播媒体の温度を上昇させることがで
きる。また、本発明の超音波診断装置は、超音波伝播媒
体の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンス
の相違が検出手段により検出され、この検出された相違
に基づいて加熱手段により超音波伝播媒体が加熱される
構成としてもよく、この場合自動的に超音波伝播媒体の
音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスが整
合する。このため、圧電振動子と被検体の表面との間で
往復を繰り返す超音波の強度は弱くなる。この結果、デ
ィスプレイに生成される多重反射アーチファクト像の強
度が減少し、高画質の断層像が得られる。
【0018】ここで、圧電振動子の圧電損失分は熱エネ
ルギになるため、上記加熱手段として圧電振動子そのも
のを使用することができ、これにより超音波探触子の軽
量化と省スペース化が達成できる。また、超音波伝播媒
体の温度を検出する温度検出手段を備えた場合は、この
超音波伝播媒体の温度が所定温度に達した際に加熱手段
を停止させることができ、加熱による超音波探触子の劣
化や被検体の火傷を防止することができる。
【0019】さらに、上記超音波伝播媒体の音響インピ
ーダンスが室温(25℃)において1.52×106
g/m2 s未満であるとした場合は、室温において超音
波伝播媒体の音響インピーダンスが人体の音響インピー
ダンスよりも低く設定されることになり、超音波伝播媒
体を加熱することによりこの超音波伝播媒体の音響イン
ピーダンスを調整することができる。
【0020】さらにまた、超音波伝播媒体を冷却する冷
却手段も備える構成とした場合は、超音波伝播媒体の音
響インピーダンスが室温(25℃)において1.52×
10 6 kg/m2 s未満であるというような制限が外
れ、より広範な種類の材料の中からより適切な材料を選
択して超音波伝播媒体として使用することができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明の超音波診断装置の実施例を図
面を参照して説明する。図2は、本発明の超音波診断装
置の第1実施例を示す説明図である。この超音波診断装
置は、圧電振動子51として単板振動子を用いるタイプ
であり、この圧電振動子51は液体の超音波伝播媒体1
2中に配置されている。圧電振動子51が超音波伝播媒
体52中で機械的に運動し超音波を放射すると、この超
音波は超音波伝播媒体52を伝播し膜53を介して人体
(図示せず)に放射される。人体内の組織で反射され圧
電振動子51に戻った超音波はこの圧電振動子51で受
信される。この受信により得られた受信信号は超音波診
断装置本体54に送信されて図示しない受信信号処理回
路に入力され、ディスプレイ55に表示できるように処
理される。これによりディスプレイ55には人体の断層
像が表示される。ここまでは、従来の超音波診断装置と
同様である。
【0022】本実施例の超音波診断装置の特徴は、超音
波伝播媒体52内にこの超音波伝播媒体52を加熱する
ための加熱器56、及び冷却するための冷却器57を備
え、また、診断装置本体54に加熱器56、冷却器57
をON/OFFするON/OFFスイッチ58を備えた
点にあり、このON/OFFスイッチ58を操作するこ
とによりこの超音波診断装置の使用者は超音波伝播媒体
52の温度を調整できるようになっている。
【0023】従来の超音波診断装置のままであると、超
音波伝播媒体12の音響インピーダンスと被検体の音響
インピーダンスが相違すると、前述したように、超音波
伝播媒体52と被検体との境界面(皮膚)で超音波の一
部が反射され、これによりディスプレイ55には被検体
の断層像と多重反射アーチファクト像が表示され、断層
像の画質が劣化する(図8参照)。。しかし、本実施例
の超音波診断装置には加熱器56、冷却器57、及びO
N/OFFスイッチ58が備えられているため、この超
音波診断装置の使用者はディスプレイを観察しながら、
このディスプレイに表示された多重反射アーチファクト
像が弱くなるように、ON/OFFスイッチ58で加熱
器56または冷却器57を作動させ超音波伝播媒体52
の温度を調整し超音波伝播媒体12の音響インピーダン
スと被検体の音響インピーダンスを整合させることがで
きる。この操作により、ディスプレイに表示された多重
反射アーチファクト像が弱くなるため、断層像を正確に
観察することができることとなる。
【0024】次に、本発明の第2実施例を、図3を参照
して説明する。図3は、第2実施例の超音波診断装置を
示すブロック図である。この超音波診断装置は、被検体
と超音波伝播媒体の境界面で最初に反射された超音波の
強度を表す反射信号を検出し、この反射信号の強度に基
づいてこの反射信号の強度を小さくするように超音波伝
播媒体の温度を調整できる点に特徴がある。
【0025】この超音波診断装置には、超音波を被検体
に送信すると共に被検体内の組織から反射された超音波
を受信する圧電振動子61と、超音波を表す信号の送受
信を行う送受信回路62と、この送受信回路62で得ら
れた受信信号のうち被検体と超音波伝播媒体の境界面で
最初に反射された超音波の強度を表す反射信号を検出す
ると共に被検体内の組織から反射された超音波を表す受
信信号をディスプレイ64に表示できるように処理する
信号処理回路63とが備えられている。さらに、超音波
伝播媒体65にはこの超音波伝播媒体65を加熱するた
めの加熱器66及び冷却するための冷却器67が設けら
れ、また、これら加熱器66と冷却器67を制御する制
御回路68が備えられている。この制御回路68は、信
号処理回路63で検出された、被検体と超音波伝播媒体
の境界面で最初に反射された超音波の強度を表す反射信
号の強度に基づいてこの反射信号の強度を小さくするよ
うに加熱器66と冷却器67の制御を行なうように構成
されている。
【0026】圧電振動子61から放射された超音波は超
音波伝播媒体65の内部を伝播し人体内(図示せず)に
放射される。人体内の組織で反射され圧電振動子61に
戻った超音波はこの圧電振動子61で受信される。この
受信により得られた受信信号は送受信回路62に入力さ
れる。この受信信号は信号処理回路63に入力され、こ
の信号処理回路63では、被検体内の組織から反射され
た超音波を表す受信信号がディスプレイ64に表示でき
るように処理される一方、被検体と超音波伝播媒体の境
界面で最初に反射された超音波の強度を表す反射信号が
検出されこの反射信号が制御回路68に送信される。制
御回路68では、信号処理回路63から送信されてきた
反射信号の強度に基づいてこの反射信号の強度が小さく
なるように加熱器66と冷却器67の制御が行なわれ
る。
【0027】前述したように、超音波伝播媒体65の音
響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスの相違
が大きいと、超音波伝播媒体65と被検体との境界面
(皮膚)で反射される超音波の量が大きくなり、ディス
プレイ64には被検体の断層像の他に多重反射アーチフ
ァクト像が強く表示される(図8参照)。一方、信号処
理回路63から制御回路68に送信されてきた反射信号
の強度も大きくなるが、制御回路68では、この反射信
号の強度が小さくなるように加熱器66と冷却器67を
制御して超音波伝播媒体65の温度調整を行ない、超音
波伝播媒体65の音響インピーダンスと被検体の音響イ
ンピーダンスが整合する。これにより、ディスプレイに
表示された多重反射アーチファクト像が弱くなるため、
高画質の断層像を得ることができる。
【0028】次に、本発明の第3実施例を、図4を参照
して説明する。図4は、第3実施例の超音波診断装置を
示すブロック図である。この超音波診断装置は、超音波
の反射信号は超音波伝播媒体の音響インピーダンスが被
検体の音響インピーダンスよりも高い場合には逆相で低
い場合には同相で反射する点に着目して構成されたもの
であり、この超音波診断装置には、受信信号の位相を検
出する位相検出器72と、この位相検出器72で検出さ
れた位相に基づいて加熱器66及び冷却器67の制御を
行う制御回路73とが備えられている。その他の要素
は、図3を参照して説明した第2実施例と同じであるた
め、同じ要素には同じ符号を使用してその説明を省略す
る。
【0029】位相検出器72では、圧電振動子61から
放射される超音波を表す信号と、被検体及び超音波伝播
媒体65の境界面で最初に反射された超音波を表す反射
信号とが同位相か逆位相かが判断され、これにより超音
波伝播媒体65の音響インピーダンスと被検体の音響イ
ンピーダンスの大小が判定される。また、制御回路73
では、位相検出器72で判断された位相が逆相のときは
超音波伝播媒体65の温度を上昇させるように加熱器6
6が制御され、一方この位相が同相に変化した際に加熱
器66が停止されて、冷却器67が制御される。この結
果、超音波伝播媒体65の音響インピーダンスと被検体
の音響インピーダンスが整合し、ディスプレイに表示さ
れた多重反射アーチファクト像が弱くなるため、断層像
を正確に観察することができることとなる。
【0030】しかしながら、超音波伝播媒体の音響イン
ピーダンスと被検体の音響インピーダンスの整合を取る
ための温度の上昇/下降が過度である場合、例えば超音
波伝播媒体の温度の過度な上昇により超音波伝播媒体の
温度が50℃程度に達した場合、被検体、即ち人体に対
して火傷を負わせてしまう危険性がある。このため超音
波診断においては人体接触面における温度を45℃以下
とする必要がある。
【0031】また、例えば超音波伝播媒体の温度の過度
な下降により超音波伝播媒体が氷点下に達した場合、超
音波伝播媒体自身が凍結してしまい、圧電振動子の正常
な動作が損なわれたり、あるいは人体に対して凍傷を負
わせてしまう危険性がある。そこで、以下に示す本発明
の第4実施例の超音波診断装置では、超音波伝播媒体の
温度を検出するための温度センサを設け、制御する温度
の上限と下限を予め設定しておき、その温度を超えない
ように加熱器及び冷却器を制御することにより、前述の
問題を未然に防ぐ構成とした。温度センサとしては、例
えば熱電対を使用すればよい。
【0032】図5は、第4実施例の超音波診断装置を示
すブロック図である。この超音波診断装置には、超音波
伝播媒体65の温度を検出するための温度センサ81が
超音波伝播媒体65内に設けられ、超音波伝播媒体65
の温度の上限と下限を予め制御回路82に設定してお
き、この温度を超えないように制御回路82で加熱器6
6及び冷却器67が制御される。その他の要素は、図3
を参照して説明した第2実施例と同じであるため、同じ
要素には同じ符号を使用してその説明を省略する。
【0033】本実施例の超音波診断装置は、上記のよう
に構成されているため、断層像を正確に観察することが
できると共に、超音波伝播媒体の温度が過度に上昇、下
降することを防ぎ、被検体の火傷、凍傷等が防止でき
る。ここで、上記各実施例の超音波診断装置に超音波伝
播媒体の超音波伝播媒体の温度を表示する温度表示装置
を備えた場合は、超音波診断装置の操作者に操作してい
る超音波診断装置の使用状態を知らせることができる。
【0034】また、超音波ビームを放射するための圧電
振動子は圧電損失分が熱エネルギーとなるため、これを
発熱器として併用することができる。これにより探触子
の軽量化と省スペース化を図ることができる。また、超
音波伝播媒体の温度を上昇・下降するための加熱器及び
冷却器の作動を停止・開始するためのスイッチを超音波
診断装置に設けた場合は、操作者の判断により多重反射
によるアーチファクトが診断に差し支えないときや、制
御回路に異常が発生したときには超音波伝播媒体の温度
の上昇・下降を手動で停止することができる。
【0035】また、超音波伝播媒体を加熱するのは比較
的容易であるが冷却は装置が複雑になるため、室温にお
ける超音波伝播媒体の音響インピーダンスを1.52×
10 6 kg/m2 s未満とし、人体の音響インピーダン
スよりも低く設定しておくことにより、加熱だけにより
音響インピーダンスを調整することができ、この場合冷
却器は不要となる。
【0036】また、上記各実施例の超音波診断装置にお
いて超音波伝播媒体、特に超音波伝播媒体として超音波
カプラを用いた場合は、圧電振動子をこの超音波伝播媒
体に着脱可能に構成することもできる。また、本発明に
おける超音波伝播媒体は液体に限定するものではなく、
本発明は非流動性のゲル状物質の超音波伝播媒体の温度
を制御して音響インピーダンスを最適に調整するように
構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超音波診
断装置は、超音波伝播媒体の音響インピーダンスと被検
体の音響インピーダンスが整合するように超音波伝播媒
体の温度を制御する構成としたため、多重反射アーチフ
ァクト像が減少し高画質の断層像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水の音響インピーダンスと水温の関係を示すグ
ラフである。
【図2】本発明の超音波診断装置の第1実施例を示す説
明図である。
【図3】本発明の超音波診断装置の第2実施例を示すブ
ロック図である。
【図4】本発明の超音波診断装置の第3実施例を示すブ
ロック図である。
【図5】本発明の超音波診断装置の第4実施例を示すブ
ロック図である。
【図6】単板振動子を用いて断層像を得るタイプの超音
波探触子の概略を示す構成図である。
【図7】(a)は、超音波の送受信を行う超音波探触子
を体表面に直接接触させた状態を示す模式図、(b)
は、超音波探触子と体表面との間に超音波良導体である
超音波カプラを配置させた状態を示す模式図である。
【図8】超音波伝播媒体と人体の境界面で反射された超
音波が、ディスプレイに多重反射アーチファクト像とし
て表れた状態を示す模式図である。
【符号の説明】
51、61 圧電振動子 52、65 超音波伝播媒体 56、66 加熱器 57、67 冷却器 63、71 信号処理回路 68、73、82 制御回路 72 位相検出器 81 温度センサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動子を備え、該圧電振動子から放
    射された超音波を、水を主成分とした液体もしくは含水
    性の樹脂からなる超音波伝播媒体を介して被検体内に伝
    播することにより、前記被検体の断層像を得る超音波診
    断装置において、 前記超音波伝播媒体を加熱する加熱手段を備えたことを
    特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 圧電振動子を備え、該圧電振動子から放
    射された超音波を、水を主成分とした液体もしくは含水
    性の樹脂からなる超音波伝播媒体を介して被検体内に伝
    播することにより、前記被検体の断層像を得る超音波診
    断装置において、 前記超音波伝播媒体を加熱する加熱手段と、 前記超音波伝播媒体の音響インピーダンスと前記被検体
    の音響インピーダンスの相違を検出する検出手段と、 該検出手段で得られた前記相違に基づいて、前記超音波
    伝播媒体の音響インピーダンスと前記被検体の音響イン
    ピーダンスが整合するように前記加熱手段を制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段が、前記被検体と前記超音
    波伝播媒体の境界面で最初に反射された前記超音波を表
    す反射信号の強度を検出することにより、前記超音波伝
    播媒体の音響インピーダンスと前記被検体の音響インピ
    ーダンスの差を検出するものであり、 前記制御手段が、該検出手段で検出された反射信号の強
    度に基づいて、該反射信号の強度が小さくなるように前
    記加熱手段を制御するものであることを特徴とする請求
    項2記載の超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段が、前記圧電振動子から放
    射される超音波を表す信号と前記反射信号とが同位相か
    逆位相かを判断することにより、前記超音波伝播媒体の
    音響インピーダンスと前記被検体の音響インピーダンス
    の大小を検出するものであることを特徴とする請求項2
    記載の超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段が、前記反射信号と前記圧
    電振動子から放射される超音波を表す信号との位相が逆
    相のときは前記超音波伝播媒体の温度を上昇させ、同相
    に変化した際に前記加熱手段を停止させるものであるこ
    とを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 前記加熱手段が前記圧電振動子であるこ
    とを特徴とする請求項2ないし5のうちいずれか1項記
    載の超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 前記超音波伝播媒体の温度を検出する温
    度検出手段を備え、 前記制御手段が、前記超音波伝播媒体の温度が所定温度
    に達した際に前記制御手段を停止させるものであること
    を特徴とする請求項2ないし6のうちいずれか1項記載
    の超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 前記超音波伝播媒体の音響インピーダン
    スが室温(25℃)において1.52×106 kg/m
    2 s未満であることを特徴とする請求項1ないし7のう
    ちいずれか1項記載の超音波診断装置。
  9. 【請求項9】 圧電振動子を備え、該圧電振動子から放
    射された超音波を、水を主成分とした液体もしくは含水
    性の樹脂からなる超音波伝播媒体を介して被検体内に伝
    播することにより、前記被検体の断層像を得る超音波診
    断装置において、 前記超音波伝播媒体を加熱する加熱手段と、 前記超音波伝播媒体を冷却する冷却手段とを備えたこと
    を特徴とする超音波診断装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6106469A (en) * 1998-09-30 2000-08-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method and apparatus for reducing undesired multiple-echo signal in ultrasound imaging
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CN109363713A (zh) * 2018-09-14 2019-02-22 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 超声波探头以及超声设备

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