JPH06180610A - サーボ制御装置 - Google Patents

サーボ制御装置

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JPH06180610A
JPH06180610A JP33333392A JP33333392A JPH06180610A JP H06180610 A JPH06180610 A JP H06180610A JP 33333392 A JP33333392 A JP 33333392A JP 33333392 A JP33333392 A JP 33333392A JP H06180610 A JPH06180610 A JP H06180610A
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servo motor
drive
speed
value
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JP33333392A
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English (en)
Inventor
Minoru Sahashi
実 佐橋
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーボモータにより駆動される可動部が障害
物等により停止された場合に、オーバーロードを防止
し、かつ障害物の除去などに応じた再作動を可能にす
る。また、サーボモータの用途を拡大することもできる
ようにする。 【構成】 サーボモータ1の駆動電流を制御するコント
ロールユニット3に、電流設定手段5、切換手段6およ
び電流発生手段14を設け、上記電流設定手段5によ
り、駆動速度が基準値より低いときにはサーボモータ駆
動電流を予め定めた一定値とし、駆動速度が基準値以上
のときにはサーボモータ駆動電流を駆動速度に応じた値
とし、上記切換手段6および電流発生手段14により、
駆動位置が目標位置から所定距離以上離れているときに
上記電流設定手段により設定された値の電流をサーボモ
ータ1に与えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーボモータを用いた
産業用ロボット等の駆動系統を制御するサーボ制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、産業用ロボット等において、
サーボモータ等によりロボットの回転関節軸、並進軸等
の可動部を目標位置まで移動させるようにしたサーボ式
の駆動機構は一般に知られている。
【0003】上記サーボモータによる可動部の駆動を制
御するサーボ制御装置としては、従来、図11に示すよ
うなものが知られている。すなわち、この図において、
サーボモータ1を制御するコントロールユニット3には
エンコーダ2から信号が入力され、この信号により可動
部の駆動位置の情報が得られるとともに、コントロール
ユニット3内の速度検出手段4で単位時間当りの位置変
化量が演算されることにより駆動速度の情報が得られる
ようになっている。そしてこれらの情報に基づいてサー
ボモータ1を制御するため、コントロールユニット3
は、目標位置発生手段11と、位置誤差演算手段12
と、目標速度発生手段13と、速度誤差演算手段14
と、サーボモータ駆動電流の比例制御値および積分制御
値の各演算手段15,16と、電流発生手段9とを有し
ている。
【0004】上記目標位置発生手段11は、予め定めら
れた移動特性に基づいて一定の微小時間毎にサーボモー
タ1による可動部駆動の目標位置を発生し、上記位置誤
差演算手段12は、上記目標位置とエンコーダ2により
検出される現実の駆動位置との偏差を、位置誤差として
演算する。上記目標速度発生手段13は、現実の駆動位
置が目標位置と異なる場合に、目標位置から遠いほど早
く目標位置に近付けるため、位置誤差演算手段12によ
って演算された偏差に比例する目標速度を発生する。
【0005】上記速度誤差演算手段14は、上記目標速
度発生手段13により与えられた目標速度と上記速度検
出手段4により求められた現実の駆動速度との偏差を速
度誤差として求める。また、上記サーボモータ駆動電流
の比例制御値および積分制御値の各演算手段15,16
は、現実の駆動速度を上記目標速度に収束させるフィー
ドバック制御を一般に知られている比例積分制御により
行なうもので、電流比例制御値演算手段15が比例処理
により上記速度誤差の増大に対応して大きくなる電流比
例制御値を演算するとともに、電流積分制御値演算手段
16が積分処理より速度誤差の持続につれて大きくなる
電流積分制御値を演算する。
【0006】そして、上記電流比例制御値と電流積分制
御値とを加えた値が上記電流発生手段9に与えられ、こ
の値に対応する電流がサーボモータ1に供給される。
【0007】こうして、サーボモータ1の駆動速度をコ
ントロールしつつ可動部を目標位置を向けて移動させる
ようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のサ
ーボ制御装置によると、例えばサーボモータで駆動され
る可動部の移動範囲内に障害物が入り込んでこれに可動
部が当接すること等により、目標位置に到達する前に可
動部の移動が外部から阻止された場合、位置誤差に応じ
た目標速度が与えられる一方、現実の速度がゼロにな
り、速度誤差が生じている状態が持続することにより、
上記電流積分制御値が増加し、サーボモータに与えられ
る駆動電流が次第に大きくなる。そして、可動部の移動
を阻止する外力が大きい場合は、駆動電流が定格電流を
超えてしまうことがあり、過大な電流が流れるとオーバ
ーロード状態となってサーボモータの焼ききれなどの問
題が生じる。このような問題の対策として、通常、予め
設定された上限値以上の電流が所定時間以上連続して流
れた場合に、上記のようなサーボモータの制御が停止さ
れるように設計されている。
【0009】しかし、このように制御が停止されると、
その後に障害物が取り除かれた場合等でも、制御をその
まま継続させるというわけにはいかず、制御再開のため
の処理を改めて行なう必要がある。
【0010】また、このような制御装置では、エアシリ
ンダやオイルシリンダのように可動部移動端までの途中
位置に置かれた作動対象物に押し当ったときに一定の力
でこれを押し続け、対象物が除去されたときに再び動き
だすというような使い方はできず、用途が制限されてい
た。
【0011】本発明は、上記の事情に鑑み、サーボモー
タにより駆動される可動部が障害物に当接することなど
で無理に停止された場合に、駆動電流が過度に増大する
ことを防止し、かつ一定の駆動力を維持して、障害物の
除去などに応じた再作動を可能にし、機能性を高めると
ともに、サーボモータの用途を拡大することができるサ
ーボ制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、サーボモータと、該サーボモータにより
駆動されて移動する可動部と、サーボモータによる可動
部の駆動位置および駆動速度を示す情報に基づいてサー
ボモータ駆動電流を制御する制御手段とを備えたサーボ
制御装置であって、上記制御手段に、上記駆動速度が基
準値より低いときにはサーボモータ駆動電流を予め定め
た一定値とし、上記駆動速度が基準値以上のときにはサ
ーボモータ駆動電流を上記駆動速度に応じた値とする駆
動電流設定手段と、上記駆動位置が最終停止位置から所
定距離以上離れているときに上記駆動電流設定手段によ
り設定された値の駆動電流をサーボモータに与える電流
発生手段とを設けたものである。
【0013】
【作用】上記構成によると、可動部の移動が外部から阻
止されていないときには、最終停止位置に近づくまで、
駆動速度に応じた電流の制御により適当に加速度が調整
される。一方、可動部が最終停止位置に達するまでの移
動途中で障害物等により停止されると、サーボモータ駆
動電流は一定値に保たれて、オーバーロード状態となる
ことが避けられつつ、上記一定値の電流に応じた駆動力
が与えられた状態が維持される。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例によるサーボ制御
装置の構成をブロック図で示している。この図におい
て、サーボモータ1およびエンコーダ2に接続された制
御手段としてのコントロールユニット3に、エンコーダ
2からの信号に基づいて駆動速度を検出する速度検出手
段4と、この駆動速度に応じてサーボモータ駆動電流を
設定する電流設定手段5と、最終停止位置指定手段6
と、位置判定手段7と、切換手段8と、電流配設手段9
とを含んでいる。さらにコントロールユニット3は、最
終停止用電流調整手段10を含んでいる。
【0016】上記電流設定手段5は、後述の図2に示す
ような特性で上記駆動速度に応じて上記駆動電流を設定
するようになっている。また、上記最終停止位置指定手
段6は入力操作等に応じて最終停止位置を指定し、上記
位置判定手段7は、駆動位置が指定された最終停止位置
から所定距離以上離れているかどうかを判定するように
なっている。そして、この判定に基づいて上記切換手段
8により、最終停止位置から所定距離以上離れていると
きに、電流設定手段5で設定された電流値が電流発生手
段9に与えられる。一方、上記所定距離より小さいとき
は、上記最終停止用電流調整手段10により調整された
電流値が電流発生手段9に与えられる。
【0017】なお、上記所定距離は、上記最終停止用電
流調整手段10による電流の調整で可動部を停止させる
ために要する距離である。また、上記最終停止用電流調
整手段10は、例えば目標位置発生手段11と、位置誤
差演算手段12と、目標速度発生手段13と、速度誤差
演算手段14と、駆動電流の比例制御値および積分制御
値の各演算手段15,16とからなり、これらの手段は
従来の装置を示す図11中の同符号の部分と同様に構成
されている。ただし、上記最終停止用電流調整手段10
はこれに限定されず、最終停止位置に近づくにつれて駆
動電流を減少させる等の簡単な制御によるものでもよ
い。
【0018】図2は、上記電流設定手段5により設定さ
れるサーボモータ駆動電流と駆動速度との関係を示して
いる。この図のように、電流設定手段5は、上記駆動速
度が所定の基準値V1より小さい微小値(停止もしくは
これに近い状態)のときには、駆動電流を予め定めた一
定値である設定連続電流Iaとする。この設定連続電流
Iaは、サーボモータ1で駆動される可動部に対してそ
の移動を阻止する外力が加わらないかぎり摩擦抵抗に抗
して可動部を動かすことができるように、モータ駆動力
が摩擦抵抗と平衡状態となる電流Ioよりも高くされ、
かつ、設定最大電流Imaxならびにモータ1に連続して
流せる定格電流Irと比べて低い値とされている。
【0019】また、上記駆動速度が上記基準値V1以上
のときには、駆動電流を設定最大電流Imaxまでの範囲
で上記駆動速度に応じた値とし、例えば、予め定められ
た必要最大速度Vmの約1/2の所定速度V2までは駆
動速度が高くなるにつれて駆動電流を増加させ(線
A)、上記所定速度V2で設定最大電流Imaxとし、上
記所定速度V2からは駆動速度が高くなるにつれて駆動
電流を減少させ(線B)、必要最大速度Vmで駆動電流
をゼロとする。上記設定最大電流Imaxおよび必要最大
速度Vmは安全性および信頼性の面で許容される程度の
値に定められている。
【0020】図3は上記コントロールユニット3による
制御をフローチャートで示している。この図において
は、先ずステップS1で最終停止位置と現実の駆動位置
との偏差が演算され、ステップS2で位置偏差が所定値
より大か否かが判定される。
【0021】位置偏差が所定値より大であれば、ステッ
プS3〜S7で電流設定手段5による駆動速度に応じた
駆動電流の制御が行われる。すなわち、駆動速度Vが基
準値V1より低いか否かの判定(ステップS3)に基づ
き、この判定がYESのときはサーボモータ1に設定連
続電流Iaが供給される(ステップS4)。ステップS
3の判定がNOのときは駆動速度Vが必要最大速度Vm
より低いか否かが判定され(ステップS5)、その判定
がYESのとき、つまり上記基準値V1と必要最大速度
Vmとの間の速度のときは、図2中の線A,Bのような
関係による速度Vに応じた値f(V)の電流が供給される
(ステップS6)。ステップS5の判定がNOのとき、
つまり必要最大速度Vm以上となったときは、電流がゼ
ロとされる(ステップS7)。
【0022】なお、上記位置偏差が所定値より小さくな
ったことがステップS2で判定されたときは、停止状態
への移行のための電流制御が行われ(ステップS8)、
つまり最終停止用電流調整手段10により求められた値
に駆動電流が調整され、最終停止位置に近づくにつれて
次第に駆動電流が小さくされ、または減速のため逆電流
が流される。
【0023】図4は本発明の適用の一例として、サーボ
モータを用いた直交型ロボットを示している。この図に
おいて、21はX軸部材、22はY軸部材であり、それ
ぞれ細長い枠状に形成され、X軸部材21は一定方向
(X軸方向)に延び、Y軸部材22はX軸部材21と直
交する方向(Y軸方向)に延びている。上記X軸部材2
1には、X軸方向のガイドレール(図示せず)と、回転
可能なボールねじ軸23と、このボールねじ軸23を回
転させるサーボモータ1Aとが設けられるとともに、取
付部材24がX軸方向に移動自在に装備され、この取付
部材24にY軸部材22が取り付けられている。また、
上記Y軸部材22には、Y軸方向のガイドレール(図示
せず)と、回転可能なボールねじ軸25と、このボール
ねじ軸25を回転させるサーボモータ1Bとが設けられ
るとともに、取付部材26がY軸方向に移動自在に装備
され、この取付部材26に、各種作業用の作動部材27
が取り付けられている。
【0024】上記各取付部材24,26には、それぞれ
ボールねじ軸23,25に螺合するナット部28,29
が設けられている。そして、上記サーボモータ1A,1
Bでボールねじ軸23,25が回転駆動されると、それ
に伴ってY軸部材22および作動部材27がX,Y軸方
向に動かされるようになっている。
【0025】上記各サーボモータ1A,1Bが図1にお
けるサーボモータ1に相当し、図4では省略したがコン
トロールユニットがハーネスを介して各サーボモータに
接続され、そのコントロールユニットに、各サーボモー
タ1A,1Bに対してそれぞれ図1に示すような各手段
が設けられて、各サーボモータ1A,1Bの駆動の制御
が行われる。
【0026】上記直交型ロボットに適用した場合のサー
ボ制御装置の作用を説明すると、作業対象などに応じて
X軸方向およびY軸方向の最終停止位置が定められ、そ
の最終停止位置に向けて移動するように、各サーボモー
タ1A,1Bの駆動が行われる。
【0027】この場合、最終停止位置に充分に近づくま
では図2に示す特性に従ってサーボモータに供給する駆
動電流が制御されることにより、停止状態からの駆動開
始時には先ず設定連続電流Iaが供給され、それに応じ
た駆動力がサーボモータ1A,1Bからボールねじ軸2
3,25に与えられてその加速が始まる。駆動速度が上
記基準値V1を超えると、速度の増加につれて電流が設
定最大電流Imaxに達するまで上昇して加速度が増大
し、さらに速度が上がると電流が次第に減少して加速度
が緩やかになり、ボールねじ軸23,25等の動摩擦抵
抗と平衡する状態となる値Idまで電流が減少すると安
定して略一定速度となる。従って、他に外力が加わらな
い限り、上記必要最大速度Vmよりやや低い実最高速度
Vrmまで達して、最終停止位置に近づくまでこの速度を
保つ。最終停止位置に対して所定距離内に近づくと、停
止状態に移行するための電流調整が行われる。
【0028】ところで、上記Y軸部材22や作動部材2
7の移動範囲内に障害物が入り込むこと等で移動を阻止
するような外力が加って移動途中で停止した場合には、
図2に示す特性によって設定連続電流Iaがサーボモー
タに供給される状態が保たれる。従って、サーボモータ
に過大な電流が流れることがなくてオーバーロードが避
けられ、かつ上記設定連続電流Iaに対応した推力が働
き続ける。そして、上記障害物が取り除かれること等で
外力が除去されたときは、上記推力で自動的に動き出
し、最初の停止状態から動き出した場合と同様に速度、
電流が変化する。
【0029】上記実施例では、サーボモータにより駆動
される可動部が障害物等で不必要に停止される場合の対
策として本発明が適用されているが、本発明の特徴部分
を各種作業に積極的に利用することも可能であり、その
数例を図5〜図8に示す。
【0030】図5および図6は、本発明の制御装置を製
品ラベル印字装置に適用した実施例を示している。この
図において、31は駆動装置であって、図1におけるサ
ーボモータ1とエンコーダ2とを一体化したものであ
る。この駆動装置31は、図1に示すような内部構成を
有するコントロールユニット3に接続されている。ま
た、32は先端に印字器33を取り付けたロッドであ
り、上記印字器33は、ワーク37に押しつけられたと
きに印字を行なうようになっている。34は駆動装置3
1の回転運動を直線運動に変換してロッド32に伝える
ロボット軸である。これら駆動装置31、ロッド32お
よびロボット軸34は架台35に据付けられている。
【0031】上記架台35の前方には、コンベア等から
なる供給装置36が配置され、この供給装置36上を各
種形状のワーク37が矢印方向に移動するようになって
いる。そして、ワーク37が上記印字器33に対応する
位置に達すると、ロッド32が突出方向に駆動されるこ
とにより印字器33がワーク37に向けて前進するよう
になっている。
【0032】上記ワーク37の形状が種々異なることに
より、ロッド32が初期位置に有るときの印字器33か
らワーク37までの距離La,Lb,Lcがそれぞれ異
なるが、コントロールユニット3において予め設定され
る印字器前進時の最終停止位置(印字器前進距離の目標
値)は、上記ワーク37までの距離の最大値よりも所定
値以上大きく設定されている。なお、ワーク37への印
字後は、最終停止位置が初期位置に変更されることによ
りロッド32が引込み方向に駆動されて初期位置に戻さ
れるようになっている。
【0033】この実施例によると、供給装置36上のワ
ーク37が印字器33に対応する位置に達すると、駆動
装置31によりロボット軸34を介してロッド32が作
動されることにより印字器33がワーク37に向けて前
進し、前述のように図2に示す特性で駆動速度に応じて
駆動装置31のサーボモータに供給される電流が調整さ
れつつ、実最大速度Vrmになるまで加速される。そし
て、予め上記最終停止位置がワーク37までの距離より
も大きく設定されていることにより、図2の特性に従っ
た制御が行われている移動途中位置で印字器33がワー
ク37に当接することとなる。この状態で、ロッド32
が停止することにより駆動電流は前記設定連続電流Ia
に保たれ、この電流に応じた一定の力で印字器33がワ
ーク37に押し付けられ、印字が行われる。
【0034】この場合、ワーク37までの距離がワーク
37の形状によって種々変っても、ワーク37に当接し
て停止したときに確実に上記設定連続電流Iaに対応す
る一定の押圧力が印字器33に付与され、適正に印字作
業が行われる。印字後は上記のように最終停止位置が変
更されてロッド32が初期位置に戻される。
【0035】図7は、本発明の制御装置を把持装置に適
用した実施例を示している。この図において、40は把
持装置の本体ケーシングであり、その内部の底面上に
は、一対のラック41が図の左右方向に移動自在に設け
られ、この両ラック41に連結された把持腕42が、ケ
ーシング40に設けられた切欠穴43を通して外部に突
出し、両把持腕42の先端が互いに対向している。上記
ケーシング40内におけるラック41の上方には回転軸
44が配置され、この回転軸44に、上記両ラック41
にそれぞれ噛合う一対のウォーム45が、対称的に互い
に逆向きに形成されている。
【0036】また、上記ケーシング40にサーボモータ
51およびエンコーダ52が取り付けられ、上記サーボ
モータ51と回転軸44とが、それぞれの軸端に設けら
れたプーリ46,47およびこれらに掛け渡されたベル
ト48を介して連結されている。
【0037】この実施例におけるサーボモータ51およ
びエンコーダ52は、図1中のサーボモータ1およびエ
ンコーダ2に相当するもので、これらに対し、図1に示
すような内部構成を有するコントロールユニット(図7
では図示省略)が電気的に接続されている。そして、こ
のコントロールユニットにおいて、ワーク把持方向(両
把持腕42が互いに接近する方向)の駆動の終端位置
(最終停止位置)がワーク把持に必要な駆動量に対して
充分に大きく設定されている。
【0038】この実施例によると、ワーク49が両把持
腕42の間に位置する状態で、サーボモータ51によっ
て回転軸44が所定方向に回転駆動されることにより、
両把持腕42が互いに接近する方向に移動する。そし
て、前記の図2の特性に従ってサーボモータ51の駆動
の制御が行われ、両把持腕42がワーク49に両側から
当接してこれを挾み付ける状態に至ると、回転軸44の
回転の停止に伴って設定連続電流Iaがサーボモータ5
1に供給される。これにより、上記設定連続電流Iaに
対応した一定の駆動力が回転軸44を介して両把持腕4
2に与えられ、確実に一定の把持力でワーク49が把持
される。
【0039】上記の図7に示すような把持装置の制御を
仮に従来のサーボ制御装置で行なおうとする場合、両把
持腕42がワーク49に丁度当接する位置より僅かだけ
狭目の間隔となるところを目的位置とし、この目的位置
まで駆動することにより把持腕の曲げ弾性で把持力を持
たせるようにする必要があるが、このようにするには、
ワークの寸法を正確に知っておく必要があるとともに、
バックラッシュ等の機械的な位置誤差を非常に小さくし
なければならない。しかも、目的位置が適正値からずれ
ると、把持力が不足したり、把持力が強すぎてワークを
破損し、あるいはサーボモータ51のオーバーロードを
生じる等の問題がある。
【0040】これに対し、上記把持装置に本発明を適用
した実施例によると、ワーク49の寸法がわからなくて
も、駆動開始後に把持腕42がワークを把持する位置に
達したところで停止されて、この状態で確実に上記設定
連続電流Iaに応じた一定の把持力が与えられ、把持力
の過不足やサーボモータ51のオーバーロードを防止す
ることができる。
【0041】図8は、本発明の制御装置をオートバイ用
シートカバー張付け装置に適用した実施例を示してい
る。この図において、60は固定治具、61は座席本
体、62はシートカバーであり、このシートカバー62
は複数のステープル63で座席本体61に張付けられて
いる。64はステープルの発射装置であり、回転軸65
を通じてサーボモータ71に取付られており、これら発
射装置64、回転軸65およびサーボモータ71は、ロ
ボット軸66で上下方向および旋回方向の移動が行われ
るようになっている。
【0042】上記サーボモータ71は図1中のサーボモ
ータ1に相当するもので、このサーボモータ71および
これに具備されたエンコーダに対し、図1に示すような
内部構成を有するコントロールユニット(図8では図示
省略)が電気的に接続されている。そして、このコント
ロールユニットにおいて、サーボモータ71による回転
軸65の駆動の終端位置が充分に大きく設定されること
等により、上記発射装置64がステープル打ち込み位置
に達するまでは図2に示すような特性で駆動電流が制御
されるようになっている。
【0043】この実施例によると、上記サーボモータ7
1へ駆動電流が供給されることにより、回転軸65を介
して発射装置64が回動され、座席本体61にシートカ
バー62が押えつけられつつステープル63が打ち込ま
れる。この場合、座席本体61に押しつけられて発射装
置の回動が阻止される状態になると、前記設定連続電流
Iaが供給されて、これに応じた適度の押しつけ力でシ
ートカバー62が座席本体61に押しつけられ、この状
態で、ステープル63を打ち付け固定する作業が良好に
行われる。
【0044】なお、前記の図1に示すような制御装置で
種々の用途におけるサーボモータの駆動の制御を行なう
場合に、図2に示すような駆動速度に応じた駆動電流の
特性における設定連続電流Ia等の値、基準値V1以上
の速度域における速度と電流との関係などは用途に応じ
て適宜変更して差し支えない。
【0045】また、例えばサーボモータで作動される可
動部が上下方向に移動する場合のように、サーボモータ
の駆動力の他に重力等の外力が可動部の移動を助勢する
方向に作用する場合には、駆動速度に応じた駆動電流の
特性を図9のように変更すればよい。すなわち、重力等
の外力から摩擦抵抗分を差し引いた力が可動部を正方向
に移動させる力として作用している場合に、この力を打
ち消さない範囲であれば設定連続電流Ia’はゼロもし
くは負の値でもよい。また、上記重力等の外力が作用し
ている場合に、必要最高速度Vmとなったときに駆動電
流をゼロにしてもさらに上記外力分の加速が加わるた
め、必要最高速度Vmを超えて速度が増大したときは負
の電流(移動方向の逆方向の駆動力を与える電流)が供
給されるようにするることにより、電流が負の所定値I
d’となったところで駆動力と動摩擦抵抗と外力が平衡
し、実最高速度Vrm’となる。
【0046】このような移動を助勢する外力が加わる場
合があることを考慮すると、制御のフローチャートは図
10のようにすればよい。すなわち、ステップS1,S
2の処理、ステップS2の判定がNOの場合のステップ
S8の処理、およびステップS2の判定がYESの場合
におけるステップS3〜S6の処理は、図3のフローチ
ャートに示すものと同様であるが、ステップS5での駆
動速度Vが必要最高速度Vmより小か否かの判定がNO
のときは、さらにステップS70で、駆動速度Vが必要
最高速度Vmよりもある程度以上大きい(V>Vm+
α)か否かが判定される。そして、この判定がNOのと
き(駆動速度Vが必要最高速度Vm付近のとき)は電流
がゼロとされる(ステップS71)が、この判定がYE
Sになると、所定の負の値の電流がサーボモータに供給
される(ステップS72)。
【0047】
【発明の効果】本発明は、サーボモータ駆動電流を制御
する制御手段に、駆動速度が基準値より低いときにはサ
ーボモータ駆動電流を予め定めた一定値とし、駆動速度
が基準値以上のときにはサーボモータ駆動電流を設定最
大電流までの範囲で駆動速度に応じた値とする駆動電流
設定手段を設けているため、サーボモータにより作動さ
れる可動部が障害物等によって停止された場合に、駆動
電流を上記一定値に保ってサーボモータのオーバーロー
ドを防止し、かつ一定の駆動力を維持して、障害物の除
去等に応じて即座に再作動させることができる。また、
上記可動部の移動範囲内に作動対象物を配置すれば、可
動部を作動対象物に一定の力で押し付けて各種作業を行
なわせるというような用途にも効果的に利用することが
でき、サーボモータの用途を拡大することができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーボ制御装置の具体的構成の一例を
示すブロックである。
【図2】駆動電流設定手段により駆動速度に応じて設定
されるサーボモータ駆動電流の特性を示す図である。
【図3】サーボモータの制御の一例を示すフローチャー
トである。
【図4】本発明の制御装置の適用の第1の例として示す
直交型ロボットの概略平面図である。
【図5】本発明の制御装置の適用の第2の例として示す
製品ラベル印字装置の概略斜視図である。
【図6】同製品ラベル印字装置の概略平面図である。
【図7】本発明の制御装置の適用の第3の例として示す
把持装置の概略断面図である。
【図8】本発明の制御装置の適用の第4の例として示す
オートバイ用シートカバー張付け装置の概略断面図であ
る。
【図9】駆動速度に応じて設定されるサーボモータ駆動
電流の特性の別の例を示す図である。
【図10】サーボモータの制御の一例を示すフローチャ
ートである。
【図11】従来のサーボ制御装置を示すブロックであ
る。
【符号の説明】
1,1A,1B,51,71 サーボモータ 2,52 エンコーダ 3 コントロールユニット 4 速度検出手段 5 電流設定手段 6 切換手段 14 電流発生手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボモータと、該サーボモータにより
    駆動されて移動する可動部と、サーボモータによる可動
    部の駆動位置および駆動速度を示す情報に基づいてサー
    ボモータ駆動電流を制御する制御手段とを備えたサーボ
    制御装置であって、上記制御手段に、上記駆動速度が基
    準値より低いときにはサーボモータ駆動電流を予め定め
    た一定値とし、上記駆動速度が基準値以上のときにはサ
    ーボモータ駆動電流を上記駆動速度に応じた値とする駆
    動電流設定手段と、上記駆動位置が最終停止位置から所
    定距離以上離れているときに上記駆動電流設定手段によ
    り設定された値の駆動電流をサーボモータに与える電流
    発生手段とを設けたことを特徴とするサーボ制御装置。
JP33333392A 1992-12-14 1992-12-14 サーボ制御装置 Pending JPH06180610A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000052286A (ja) * 1998-07-31 2000-02-22 Yaskawa Electric Corp ロボットの制御装置
CN103645748A (zh) * 2013-12-18 2014-03-19 中国科学院空间科学与应用研究中心 换位控制设备

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JP2000052286A (ja) * 1998-07-31 2000-02-22 Yaskawa Electric Corp ロボットの制御装置
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