JPH06180587A - 効果付加装置 - Google Patents

効果付加装置

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JPH06180587A
JPH06180587A JP4354211A JP35421192A JPH06180587A JP H06180587 A JPH06180587 A JP H06180587A JP 4354211 A JP4354211 A JP 4354211A JP 35421192 A JP35421192 A JP 35421192A JP H06180587 A JPH06180587 A JP H06180587A
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pitch
envelope
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acoustic signal
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Tetsukazu Nakae
哲一 仲江
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部音響信号を取り込んで、弦楽器のチョッ
パーベース奏法により得られる楽音を発生する効果付加
装置を提供することを目的としている。 【構成】 人が発声した音声をディジタル変換して音声
ディジタル信号X(n) として取り込み、エンベロープ抽
出処理部31で音声ディジタル信号X(n) のエンベロー
プを抽出して、エンベロープ信号E(n) をサンプル波形
出力部32に出力する。サンプル波形出力部32はエン
ベロープ信号E(n) が予め設定された所定値以上である
と、打撃音サンプルROM9に記憶されている打撃音の
サンプル波形を読み出して信号Y2(n)として混合器34
に出力する。また、ピッチ変換部33が音声ディジタル
信号X(n) を1オクターブダウンさせ、信号Y1(n)とし
て混合器34に出力する。混合器34は信号Y1(n)と信
号Y2(n)とを加算・混合し、出力ディジタル信号Z(n)
として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部から入力される音
声等の外部音響信号を検出し、この検出音響信号に対し
て種々の処理を施してチョッパーベース奏法の音声を出
力する効果付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、外部から入力される外部音響
信号、特に、入力される音声信号に対して、種々の効果
を付与して出力することより、より高級な、あるいは面
白味のある音声とする装置が提案されている。
【0003】このような装置の代表的なものとしては、
例えば、カラオケ装置があり、カラオケ装置では、コー
ラスやエコー等の効果を付与している。
【0004】また、近年、人が発声した音声を外部音響
信号として取り込み、この外部音響信号をスペクトル変
換することにより、現存する種々の楽器から発生される
楽音に近い音声を発生させるような試みが為されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
効果を付与する装置にあっては、現存する種々の楽器か
ら発声される楽音に近い音声を発生することは、種々試
みられているが、現存する楽器を特殊な奏法で演奏した
場合に発生される音声を発生するものはなかった。
【0006】ところが、より面白味のある効果を付加す
るという面からは、現存する楽器を特殊な奏法により発
生される楽音を発生させる装置が求められている。特
に、弦楽器における特殊奏法として、親指と人差し指又
は中指等を使用して弾くチョッパーベース奏法は、親指
で主に弦を叩き、人差し指等で弦を引っ張り上げて離し
て、フィンガーボードに強く当てることによって音を出
しており、このようなチョッパーベース奏法では、その
奏法の特殊性から、発生音に通常の奏法とは異なる特有
のノイズや音程音が含まれているため、従来の効果を付
与する装置では、試みられておらず、このような特殊奏
法により発生される楽音を発生させる装置が求められて
いる。
【0007】そこで、本発明は、外部音響信号を取り込
んで、弦楽器のチョッパーベース奏法により得られる楽
音を発生することのできる効果付加装置を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の効果付加装置
は、外部音響信号を入力する入力手段と、前記入力手段
からの外部音響信号のピッチを下降させるピッチ下降処
理と、前記入力手段からの外部音響信号からエンベロー
プ信号を抽出するエンベロープ抽出処理と、前記エンベ
ロープ抽出処理により得られたエンベロープ信号のレベ
ルが所定値以上のときに前記ピッチ下降処理からの音響
信号に高調波成分を含む信号を混合する混合処理と、を
行なう信号処理手段と、を有することより、上記目的を
達成している。
【0009】この場合、前記ピッチ下降処理は、例え
ば、請求項2に記載するように、前記入力手段からの音
響信号のピッチを1オクターブ分下降させるオクターブ
下降処理を行なってもよい。
【0010】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記信号処理手段は、打撃音のサンプル波形を記憶
したサンプル波形記憶手段を有し、前記混合処理は、前
記エンベロープ抽出処理からのエンベロープ信号のレベ
ルが所定値以上のときに前記サンプル波形記憶手段から
サンプル波形を読み出す読出処理と、この読み出された
サンプル波形と前記ピッチ下降処理からの音響信号とを
加算する加算処理と、から成るものであってもよい。
【0011】さらに、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記サンプル波形記憶手段は、複数種のサンプル波
形を記憶し、前記読出処理は、前記入力手段からの外部
音響信号のピッチを抽出するピッチ抽出処理と、前記ピ
ッチ抽出処理により抽出されたピッチの値に対応して前
記サンプル波形記憶手段からサンプル波形を選択する選
択処理と、前記エンベロープ抽出処理からのエンベロー
プ信号のレベルが所定値以上のときに前記選択処理によ
り選択されたサンプル波形を読み出す波形読出処理と、
から成っていてもよい。
【0012】また、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記混合処理は、前記入力手段からの外部音響信号
の高帯域成分のみを抽出するハイパスフィルタ処理と、
前記エンベロープ抽出処理からのエンベロープ信号のレ
ベルが所定値以上のときに前記ピッチ下降処理からの音
響信号に前記ハイパスフィルタ処理からの信号を加算す
る加算処理と、から成っていてもよい。
【0013】また、本発明の効果付加装置は、請求項6
に記載するように、外部音響信号を入力する入力手段
と、前記入力手段からの外部音響信号のピッチを下降さ
せるピッチ下降手段と、前記入力手段からの外部音響信
号からエンベロープ信号を抽出するエンベロープ抽出手
段と、前記エンベロープ抽出手段により得られたエンベ
ロープ信号のレベルが所定値以上のときに前記ピッチ下
降手段からの音響信号に高調波成分を含む信号を混合す
る混合手段と、から成る信号処理手段と、を有すること
により、上記目的を達成している。
【0014】この場合、前記ピッチ下降手段は、例え
ば、請求項7に記載するように、前記入力手段からの外
部音響信号のピッチを1オクターブ分下降させるオクタ
ーブ下降手段であってもよい。
【0015】また、例えば、請求項8に記載するよう
に、前記信号処理手段は、打撃音のサンプル波形を記憶
したサンプル波形記憶手段を有し、前記混合手段は、前
記エンベロープ抽出手段からエンベロープ信号のレベル
が所定値以上のときに前記サンプル波形記憶手段からの
サンプル波形を読み出す読出手段と、この読み出された
サンプル波形と前記ピッチ下降手段からの音響信号とを
加算する加算手段と、から成っていてもよい。
【0016】さらに、例えば、請求項9に記載するよう
に、前記サンプル波形記憶手段は、複数種のサンプル波
形を記憶し、前記読出手段は、前記入力手段からの外部
音響信号のピッチを抽出するピッチ抽出手段と、前記ピ
ッチ抽出手段により抽出されたピッチの値に対応して前
記サンプル波形記憶手段からサンプル波形を選択する選
択手段と、前記エンベロープ抽出手段からのエンベロー
プ信号のレベルが所定値以上のときに前記選択手段によ
り選択されたサンプル波形を読み出す波形読出手段と、
から成っていてもよい。
【0017】また、例えば、請求項10に記載するよう
に、前記混合手段は、前記入力手段からの外部音響信号
の高帯域成分のみを抽出するハイパスフィルタ手段と、
前記エンベロープ抽出手段からのエンベロープ信号のレ
ベルが所定値以上のときに前記ピッチ下降手段からの音
響信号に前記ハイパスフィルタ手段からの信号を加算す
る加算手段と、から成っていてもよい。
【0018】
【作用】本発明の効果付加装置によれば、外部より入力
された外部音響信号のピッチを下降させ、またこの外部
音響信号からエンベロープを抽出する。そして、この抽
出したエンベロープ信号のレベルが所定値以上のとき
に、ピッチ下降させた音響信号に高調波成分を含む信号
を混合する。
【0019】したがって、入力される外部音響信号をピ
ッチ下降させることができるとともに、この外部音響信
号のエンベロープ信号に基づいてピッチ下降させた音響
信号に高調波成分を含む信号を混合させることができ、
弦楽器のチョッパーベース奏法により得られる楽音を発
生させることができる。
【0020】また、打撃音のサンプル波形を記憶してお
き、入力される外部音響信号のエンベロープ信号のレベ
ルが所定値以上のときに、このサンプル波形を読み出し
てピッチ下降した音響信号に加算すると、入力する外部
音響信号の強弱により、チョッパーベース奏法により弦
とフレットがぶつかったときに生じる打撃音を好適に加
味した楽音を発生させることができ、よりチョッパーベ
ース奏法により得られる楽音に近似した楽音を、容易に
発生させることができる。
【0021】さらに、入力される外部音響信号の高帯域
成分のみを抽出し、入力される外部音響信号のエンベロ
ープ信号のレベルが所定値以上のときに、ピッチ下降し
た音響信号に高帯域成分のみを抽出した音響信号を加算
すると、入力する外部音響信号が大きいときに、外部音
響信号の高周波数帯域にあるノイズ部分をピッチ下降さ
せた音響信号に混合させることができ、チョッパーベー
ス奏法における弦とフレットがぶつかったとき生じるノ
イズ音を入力する外部音響信号の強弱により、簡単に、
かつ適切に付加することができる。その結果、より一層
チョッパーベース奏法により得られる楽音に近似した楽
音を発生させることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0023】図1〜図7は、本発明の効果付加装置の第
1実施例を示す図である。
【0024】図1は、効果付加装置1の全体回路ブロッ
ク図であり、効果付加装置1は、マイクロフォン2、ア
ンプ3、ローパスフィルタ4、A/D変換器5、DSP
(Digital Signal Processor)6、フィルタ係数ROM
7、ワークRAM8、打撃音サンプルROM(Read Onl
y Memory)9、D/A変換器10、アンプ11及びスピ
ーカ12等を備えている。
【0025】上記DSP6、フィルタ係数ROM7、ワ
ークRAM8、打撃音サンプルROM9及びD/A変換
器10は、それぞれバス13により接続されている。
【0026】マイクロフォン2は、演奏者が発音した音
声をアナログ声信号に変換して、アンプ3に出力し、ア
ンプ3は、このアナログ声信号を増幅してローパスフィ
ルタ4に出力する。
【0027】ローパスフィルタ4は、入力されるアナロ
グ声信号にフィルタ処理を施して、A/D変換回路5に
出力し、A/D変換回路5は、フィルタ処理されたアナ
ログ声信号を音声ディジタル信号X(n) に変換してDS
P6に出力する。
【0028】したがって、マイクロフォン2、アンプ
3、ローパスフィルタ4及びA/D変換回路5は、全体
として演奏者の発声動作による外部音響信号を音声ディ
ジタル信号X(n) として入力する入力手段として機能
する。
【0029】打撃音サンプルROM9は、弦とフレット
がぶつかったときに生じる打撃音のサンプル音の波形を
記憶しており、DSP6により適宜読み取られる。
【0030】DSP6は、フィルタ係数ROM7に記憶
されているフィルタ係数を利用し、ワークRAM8をワ
ークメモリとして使用して、後述するように、音声ディ
ジタル信号X(n) にピッチ変換処理、エンベロープ抽出
処理、サンプル波形出力処理及び混合処理を施すことに
より効果を付加して、出力ディジタル信号Z(n) をD/
A変換器10に出力する。
【0031】D/A変換器10は、DSP6から入力さ
れる出力ディジタル信号Z(n) をアナログ信号に変換し
て、アンプ11に出力し、アンプ11でアナログ信号を
増幅して、スピーカ12から放音する。
【0032】すなわち、効果付加装置1は、演奏者が、
マイク2に向かって発声動作すると、発声によりマイク
ロフォン2から入力されたアナログの声信号をアンプ3
で増幅した後、ローパスフィルタ4及びA/D変換回路
5で音声ディジタル信号X(n) に変換し、DSP6に入
力する。DSP6は、音声ディジタル信号X(n) のエン
ベロープ抽出を行ない、このエンベロープ信号に基づい
て打撃音サンプルROM9からサンプル波形を読み出
す。また、音声ディジタル信号X(n) をピッチ変換し
て、音声ディジタル信号X(n) のピッチを下降させ、こ
の下降させた音声ディジタル信号X(n) と打撃音サンプ
ルROM9から読み出したサンプル波形を加算すること
により混合して、出力ディジタル信号Z(n) としてD/
A変換器10に出力する。D/A変換器10は、DSP
6から入力された出力ディジタル信号Z(n) をアナログ
信号に変換し、アンプ11で増幅した後、スピーカ12
から放音する。
【0033】図2は、図1のDSP6の構成図である。
【0034】DSP6は、インタフェース20、アドレ
スカウンタ21、オペレーションROM22、デコーダ
23、乗算器24、フラグレジスタ25、加減算器26
及びレジスタ群27等を備えている。
【0035】インタフェース20は、図1に示した打撃
音サンプルROM9に接続されるバス28、D/A変換
器10に接続されるバス29及びA/D変換器5に接続
されるバス30を収容し、各バスと内部の回路とを接続
する。
【0036】オペレーションROM22は、DSP6全
体の動作を制御するマイクロプログラムを格納したRO
Mであり、アドレスカウンタ21からの指定アドレスに
基づいて対応するプログラム命令が読み出される。オペ
レーションROM22の出力は、デコーダ23にも与え
られており、DSP6内の各回路に各種制御信号を出力
し、所望の動作を行なわせる。
【0037】また、DSP6の内部バスには、図1のフ
ィルタ係数ROM7及びワークRAM8が接続されて、
オペレーションROM22のプログラム命令に従って適
宜フィルタ係数データや音声ディジタル信号X(n) 等
がDSP6に対して供給されたり、或いはワークRAM
8に対して入出力されたりする。
【0038】乗算器24及び加減算器26は、それぞれ
2入力、1出力の形式で内部バスに接続されており、各
種演算処理を行なう。そして、この加減算器26からの
演算結果(比較結果等)に従ってジャッジ処理をするた
め、フラグレジスタ25を介して、アドレスカウンタ2
1へジャッジ結果を示すフラグ信号が送出され、このフ
ラグレジスタ25の出力に応じてアドレスカウンタ21
のアドレス値が適宜変更されて、オペレーションROM
22からはアドレスジャンプされたプログラム命令が読
み出される。そして、レジスタ群27は、演算途中のデ
ータを記憶する複数のレジスタからなり、乗算器24ま
たは加減算器26の各入出力端子に内部バスを介して接
続されている。
【0039】次に、DSP6は、そのDSP6で実現す
る機能を擬似的に表わすと、図3のように示され、その
機能は、エンベロープ抽出処理部31、サンプル波形出
力部32、ピッチ変換処理部33及び混合器(MIX)
34で実現される。
【0040】このDSP6では、音声ディジタル信号X
(n) は、エンベロープ抽出処理部31及びピッチ変換処
理部33に入力され、ピッチ変換処理部33は、音声デ
ィジタル信号X(n) を1オクターブダウンするピッチ変
換処理を行なって、信号Y1(n)として混合器34に出力
する。エンベロープ抽出処理部31は、フィルタ係数R
OM7の記憶するフィルタ係数を使用して音声ディジタ
ル信号X(n) のエンベロープを抽出し、エンベロープ信
号E(n) をサンプル波形出力部32に出力する。サンプ
ル波形出力部32は、エンベロープ抽出処理部31から
のエンベロープ信号E(n) が所定値以上であると、打撃
音サンプルROM9に記憶されているサンプル波形を読
み出し、サンプル波形信号Y2(n)を混合器34に出力す
る。
【0041】エンベロープ抽出処理部31は、図4に示
すように、絶対値処理部(ABS)35と高域減衰フィ
ルタ(HCF)36により構成されている。
【0042】絶対値処理部35には、音声ディジタル信
号X(n) が入力され、絶対値処理部35は、音声ディジ
タル信号X(n) の最上位ビットを「0」にすることによ
り、絶対値処理を施して、音声ディジタル信号X(n) の
絶対値|X(n) |を高域減衰フィルタ36に出力する。
【0043】高域減衰フィルタ36は、IIRディジタ
ルフィルタが使用され、その動作処理をZ変換で表わす
と、図5のように示される。
【0044】すなわち、高域減衰フィルタ36は、加算
器40、41、乗算器42、43、44、45、46及
び遅延器47、48で構成され、加算器40に音声ディ
ジタル信号X(n) の絶対値|X(n) |が入力される。加
算器40、41は、各入力を加算し、各乗算器42〜4
6は、それぞれ図5中に示す係数a0〜a2及び係数b
1、b2を乗算して、出力する。
【0045】ここで、各係数a0〜a2、b1、b2
は、以下の通りである。
【0046】 a0=a2=a1/2=Tx2/(1+21/2Tx+Tx2) b1=2(1−Tx2)/(1+21/2Tx+Tx2) b2=−(1−21/2Tx+Tx2)/(1+21/2Tx
+Tx2) なお、サンプリング周波数をfx、高域減衰周波数をf
0としたとき、Tx=tan(πf0/fs)である。
【0047】そして、加算器40は、音声ディジタル信
号X(n) の絶対値|X(n) |に乗算器42及び乗算器4
3の出力を加算して、乗算器44及び遅延器47に出力
し、乗算器44は、入力に係数a0を乗算して、加算器
41に出力する。遅延器47は、加算器40の出力を1
サンプリングタイミング遅延して遅延器48、乗算器4
2及び乗算器45に出力し、遅延器48は、遅延器47
の出力をさらに1サンプリングタイミング遅延して、乗
算器43及び乗算器46に出力する。乗算器42は、遅
延器47の出力に係数b1を乗算して、加算器40に出
力し、乗算器43は、遅延器48の出力に係数b2を乗
算して加算器40に出力する。また、乗算器45は、遅
延器47の出力に係数a1を乗算して、加算器41に出
力し、乗算器46は、遅延器48の出力に係数a2を乗
算して、加算器41に出力する。そして、加算器41
は、乗算器44、乗算器45及び乗算器46の出力を加
算して、エンベロープ信号E(n) として出力する。
【0048】したがって、高域減衰フィルタ36は、音
声ディジタル信号X(n) の絶対値|X(n) |に、次式で
表わされるフィルタリング処理を施してエンベロープを
抽出し、エンベロープ信号E(n) として出力する。
【0049】 E(n) =a0|X(n)|+a1|X(n-1)|+a2|X(n-2)| −b1E(n-1)−b2E(n-2) ・・・・・(1) そして、いま、マイクロフォン2から発声により発音さ
れた音声が入力されるので、高域減衰周波数f0として
は、80[Hz]程度が設定され、高域減衰フィルタ3
6は、この高域減衰周波数f0以上で12dB/オクタ
ーブ減衰させる。
【0050】このようにしてエンベロープ抽出されたエ
ンベロープ信号E(n) は、サンプル波形出力部32に出
力され、サンプル波形出力部32は、このエンベロープ
信号E(n) が予め設定された所定値以上のとき、打撃音
サンプルROM9からサンプル波形を読み出し、サンプ
ル波形信号Y2(n)を混合器34に出力する。
【0051】混合器34は、ピッチ変換処理部33から
の信号Y1(n)とサンプル波形出力部32からのサンプル
波形信号Y2(n)とを加算することにより混合し、出力デ
ィジタル信号Z(n) として出力する。
【0052】このように、DSP6は、音声ディジタル
信号X(n) をピッチ変換処理部33により1オクターブ
ダウンさせるピッチ変換して信号Y1(n)として混合器3
4に出力し、また、エンベロープ抽出処理部31により
音声ディジタル信号X(n) のピッチを抽出する。このエ
ンベロープ抽出処理部31からのエンベロープ信号E
(n) が所定値以上のとき、サンプル波形出力部32が打
撃音サンプルROM9からサンプル波形を読み出して、
サンプル波形信号Y2(n)として混合器34に出力する。
混合器34は、ピッチ変換処理部33からの信号Y1(n)
とサンプル波形出力部32からのサンプル波形信号Y2
(n)を混合して、出力ディジタル信号Z(n)として、図1
のD/A変換器10に出力する。D/A変換器10は、
DSP6から入力された出力ディジタル信号Z(n) をア
ナログ信号に変換し、アンプ11で増幅した後、スピー
カ12から放音する。
【0053】次に、作用を説明する。
【0054】効果付加装置1は、マイクロフォン2に向
かって発声されると、この音声をマイクロフォン2で検
出し、アンプ3で増幅した後、ローパスフィルタ4でノ
イズを除去して、A/D変換器5でディジタル変換す
る。DSP6は、このディジタル変換された音声ディジ
タル信号X(n) を所定のサンプリングタイミング毎に取
り込み、上記図3に示したピッチ変換処理、エンベロー
プ抽出処理、サンプル波形出力処理及び混合処理を行な
うことにより、チョッパーベース奏法で演奏された楽音
としての音声制御処理を行なって、D/A変換器10、
アンプ11及びスピーカ12を介して外部に出力する。
【0055】以下、効果付加装置1による効果付加処理
を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0056】効果付加装置1は、電源が投入されると、
まず、ワークRAM8の書込アドレスカウンタWA及び
読込アドレスカウンタRAをクリアし(ステップS
1)、ワークRAM8の内容をクリアして(ステップS
2)、初期設定処理を行なう。
【0057】初期設定処理が完了すると、A/Dフラグ
をチェックし(ステップS3)、A/Dフラグが「有
り」を示すのを待って、次の処理に移行する。このA/
Dフラグは、サンプリング周波数fs毎に、「有り」が
設定される。したがって、DSP6における処理は、サ
ンプリング周波数fsで設定されるサンプリング周期毎
に実行される。
【0058】A/Dフラグが「有り」を示すと、ステッ
プS4に移行して、ステップS4で、A/D変換器5
で、マイクロフォン2から取り込まれアンプ3及びロー
パスフィルタ4を介してA/D変換器5に入力されるア
ナログの音声信号をA/D(アナログ/ディジタル)変
換し、音声ディジタル信号X(n) に変換する。
【0059】そして、ステップS5で、音声ディジタル
信号X(n) のエンベロープ値E(n)を求めるエンベロー
プ抽出処理を行なう。
【0060】このエンベロープ抽出処理は、DSP6に
より、図4及び図5に示した絶対値処理及び高域減衰フ
ィルタ処理を実行することにより、エンベロープ値E
(n) を求める処理であり、図7に示すように処理され
る。
【0061】すなわち、まず、ステップP1で、図4の
絶対値処理部35の処理に該当する絶対値処理を行な
い、音声ディジタル信号X(n) の絶対値|X(n) |を求
める。次いで、ステップP2で、図4の高域減衰フィル
タ36の処理に該当するフィルタ処理を行ない、図5に
示したIIRディジタルフィルタにより、上記(1)式
の処理を行なって、エンベロープ値E(n) を求める。
【0062】このエンベロープ抽出処理を終了すると、
再び、図6に戻って、ステップS6で、音声ディジタル
信号X(n) をワークメモリ8の書込アドレスカウンタW
Aの示すアドレスに書き込み、ステップS7で、書込ア
ドレスカウンタWAをインクリメントする。
【0063】次に、ステップS8で、A/Dフラグが
「有り」かどうかチェックし、A/Dフラグが「有り」
になるまで、すなわち、次のサンプリングタイミングに
なるまで待って、ステップS9で、次のサンプリングタ
イミングでサンプリングした音声信号をA/D変換し
て、音声ディジタル信号X(n) に変換する。この音声デ
ィジタル信号X(n) から、ステップS10で、ステップ
S5と同様のエンベロープ抽出処理により、エンベロー
プ値E(n) を抽出し、サンプル波形出力部32に出力す
る。ステップS11で、サンプル波形出力部32に入力
されたエンベロープ信号E(n) が予め設定された所定値
(スレッショルドレベル)以上であると、サンプル波形
出力部32が、打撃音サンプルROM9からサンプル波
形を読み出し、サンプル波形信号Y2(n)として出力す
る。
【0064】次いで、ステップS12で、音声ディジタ
ル信号X(n) をワークRAM8の書込アドレスカウンタ
WAが示すアドレスに書き込み、ステップS13で、書
込アドレスカウンタWAをインクリメントする。
【0065】次に、ステップS14で、読出アドレスR
Aの示すアドレスからワークRAMのデータを読み出し
て、出力ディジタル信号Z(n) とし、ステップS15
で、読込アドレスカウンタRAをインクリメントして、
次のデータの読出アドレスを設定する。
【0066】そして、ステップS16で、混合器34に
より信号Y1(n)とサンプル波形信号Y2(n)とを加算して
混合し、出力ディジタル信号Z(n) を求める。ステップ
S17で、この出力ディジタル信号Z(n) をD/A変換
器10に出力し、D/A変換器10でD/A変換して、
エフェクト音として、すなわち、チョッパーベース奏法
により演奏された音として、出力する。
【0067】その後、ステップS3に戻って、サンプリ
ングタイミング毎に同様の処理を行なう。
【0068】このように、本実施例によれば、マイクロ
フォン2に向かって発声すると、この発声による音声
を、所定サンプリングタイミング毎に、音声ディジタル
信号X(n) として取り込み、DSP6によりこの音声デ
ィジタル信号X(n) からエンベロープを抽出する。そし
て、このエンベロープ信号E(n) が所定値以上である
と、打撃音のサンプル波形を読み出し、このサンプル波
形信号Y2(n)と音声ディジタル信号X(n) のピッチ下降
した信号Y1(n)とを加算して、出力ディジタル信号Z
(n) として出力する。
【0069】したがって、音声を発生して入力するだけ
で、この発声による音声ディジタル信号X(n) をピッチ
下降させることができるとともに、音声ディジタル信号
X(n) のエンベロープが所定値以上であると、打撃音の
サンプル波形をピッチ下降させた音声ディジタル信号X
(n) (信号Y1(n))に混合して、出力することができ、
弦楽器のチョッパーベース奏法により得られる楽音を発
生させることができるとともに、発生する声に強弱をつ
けることにより、チョッパーベース奏法で弦とフレット
がぶつかった打撃音を混合して発生させることができ
る。
【0070】図8〜図13は、本発明の効果付加装置の
第2実施例を示す図である。
【0071】本実施例は、上記第1実施例と同様の効果
付加装置に適用したものであり、第1実施例と同様の構
成部分には、同一の符号を用いて説明する。
【0072】本実施例は、図1の打撃音サンプルROM
9に複数の打撃音のサンプル波形を記憶しており、音声
ディジタル信号X(n) のピッチ抽出結果に基づいてこの
複数のサンプル波形から適宜選択して、上記同様にピッ
チ変換した音声ディジタル信号X(n) と加算する。
【0073】すなわち、本実施例においても、図1に示
す効果付加装置1と同様の効果付加装置が使用され、そ
のDSP6は、そのDSP6で実現する機能を擬似的に
表わすと、図8のように示される。すなわち、本実施例
のDSP6は、第1実施例と同様のエンベロープ抽出処
理部31、サンプル波形出力部32、ピッチ変換処理部
33及び混合器(MIX)34及びピッチ抽出部50、
サンプル波形選択部51によりその機能が実現される。
【0074】また、本実施例の打撃音サンプルROM9
は、図8に示すように、複数、例えば、4つの打撃音の
サンプル波形1〜サンプル波形4を記憶しており、サン
プル波形選択部51が、ピッチ抽出部50のピッチ抽出
結果に基づいて打撃音サンプルROM9の記憶するサン
プル波形1〜サンプル波形4を選択して、サンプル波形
出力部32に出力する。サンプル波形出力部32は、第
1実施例の場合と同様に、エンベロープ抽出処理部31
のエンベロープ抽出結果である、エンベロープ信号E
(n) が所定値以上であると、サンプル波形選択部51の
選択したサンプル波形をサンプル波形信号Y2(n)として
混合器34に出力する。そして、混合器34は、ピッチ
変換処理部33によりピッチ下降された音声ディジタル
信号X(n)である信号Y1(n)とサンプル波形出力部32
からのサンプル波形信号Y2(n)を加算することにより混
合し、出力ディジタル信号Z(n) として出力する。
【0075】次に、作用を説明する。
【0076】本実施例の効果付加装置1は、図9に示す
フローチャートの手順に従って処理を実行することによ
り、特に、図8に擬似的に示した各機能を実現する。
【0077】なお、図9に示すフローチャートにおい
て、図6に示したフローチャートの処理と同様の処理内
容については、同一のステップ番号を付している。
【0078】図9において、効果付加装置1は、電源が
投入されると、まず、ワークRAM8の書込アドレスカ
ウンタWA及び読込アドレスカウンタRAをクリアし
(ステップS1)、ワークRAM8の内容をクリアして
(ステップS2)、初期設定処理を行なう。
【0079】初期設定処理が完了すると、A/Dフラグ
をチェックし(ステップS3)、A/Dフラグが「有
り」を示すと、A/D変換器5で、マイクロフォン2か
ら取り込まれアンプ3及びローパスフィルタ4を介して
A/D変換器5に入力されるアナログの音声信号をA/
D(アナログ/ディジタル)変換し、音声ディジタル信
号X(n) に変換する(ステップS4)。
【0080】そして、ステップS5で、音声ディジタル
信号X(n) のエンベロープ値E(n)を求めるエンベロー
プ抽出処理を行なう(ステップS5)。このエンベロー
プ抽出処理は、図7に示した処理である。
【0081】エンベロープ抽出処理を終了すると、音声
ディジタル信号X(n) をワークメモリ8の書込アドレス
カウンタWAの示すアドレスに書き込み(ステップS
6)、書込アドレスカウンタWAをインクリメントする
(ステップS7)。
【0082】次に、A/Dフラグが「有り」かどうかチ
ェックし(ステップS8)、A/Dフラグが「有り」に
なるまで、すなわち、次のサンプリングタイミングにな
るまで待って、次のサンプリングタイミングでサンプリ
ングした音声信号をA/D変換して、音声ディジタル信
号X(n) に変換する(ステップS9)。この音声ディジ
タル信号X(n) からエンベロープ値E(n) を抽出するエ
ンベロープ抽出処理を行ない(ステップS10)、サン
プル波形出力部32に出力する。
【0083】次に、ピッチ抽出処理(ステップS20)
を行ない、抽出したピッチに対応するサンプル波形1〜
サンプル波形4を選択して、サンプル波形選択部51に
出力する(ステップS21)。
【0084】このピッチ抽出処理は、音声ディジタル信
号X(n) のゼロクロス点を検出することにより、ピッチ
を検出している。
【0085】すなわち、人の発声音である音声ディジタ
ル信号X(n) は、ピッチ感が明瞭でかつ単音であるた
め、図10に示すように、ピッチ周期(例えば、)毎
に繰り返されるほぼ相似形の波形要素(例えば、図10
中のaとd、bとe、cとf)で構成されており、音声
ディジタル信号X(n) の波形は、振幅0の基準レベルを
横切るゼロクロス点を1ピッチ周期内に数多く有してい
る。そのため、このような周期性を有する音声ディジタ
ル信号X(n) の波形からそのピッチ周期を求めるには、
いずれのゼロクロス点の間をピッチ周期とするかを決定
しなければ成らないが、このような周期性を有する波形
には、相隣接するピッチ周期のほぼ同形の波形(例え
ば、図10中のaとd)のそれぞれのゼロクロス点(例
えば、図10中のZ1〜Z2とZ7〜Z8)で定まる区
間(例えば、図10中のと)の時間が等しい、とい
う特徴が有るため、相隣接するゼロクロス点間の時間の
ほぼ等しい2つの区間(例えば、図10中のと)を
見出すことにより、その2つの区間のそれぞれの開始点
(例えば、Z1とZ7)の間の時間間隔を抽出して、音
声ディジタル信号X(n) のピッチを抽出することができ
る。
【0086】そこで、ピッチ抽出処理は、以下のような
動作概要に従って処理が実行される。
【0087】すなわち、図10において、例えば、波形
aのゼロクロス点Z1〜Z2の区間の時間がカウント
され、そのカウント値COUNT1が第1のカウンタに
保持される。次に、波形aと同じ極性を有する波形b、
c、d・・・のそれぞれの区間、、の時間が順次
カウントされ、そのカウント値COUNT2は、COU
NT1とほぼ等しい値が得られるまで、順次更新されな
がら、第2のカウンタに保持される。
【0088】この場合、ゼロクロス点Z1から波形b、
c、dのそれぞれのゼロクロス点Z3、Z5、Z7まで
の区間、及びの各時間が第3のカウンタによって
カウントされる。そのカウント値COUNT3は、音声
ディジタル信号X(n) のピッチ周期となる可能性を有し
いているので、ピッチ周期となるカウント値が得られる
まで、順次更新されながらワークRAM8のメモリ変数
PIT COUNTERに保存される。
【0089】そして、区間の時間とほぼ等しい時間を
有する区間が見つかると、ゼロクロス点Z1、Z7間
の区間の時間に相当するカウンタ値が上記メモリ変数
PIT COUNTERから読み出され、ピッチ周期と
して確定される。
【0090】次に、ピッチ抽出処理の詳細な内容を、図
11〜図13に示すフローチャートに基づいて説明す
る。
【0091】図11において、まず、ワークRAM8に
は、音声ディジタル信号X(n) を読み出す時点がその信
号波形のいかなる状態(STATUS)に対応するかを
示すステータス・フラグSTATUS FLAG、音声
ディジタル信号X(n) の波形エンベロープの大きさを示
す変数ENV、第1、第2、第3の3個のカウンタの各
々のカウント値を保持する変数COUNT1、COUN
T2、COUNT3及び1つ前のA/D変換値を保持す
る変数ADMEMなどの各データが保持される。
【0092】次に、A/D変換器5から入力される1サ
ンプル分の音声ディジタル信号X(n) が、レジスタre
g1に格納される(ステップT1)。
【0093】そして、ステータス・フラグSTATUS
FLAGにより処理が3つに分岐される(ステップT
2)。最初は、図10に示すように、ステータス・フラ
グSTATUS FLAGが「0」であるので、ステッ
プT3に進み、音声ディジタル信号X(n) の振幅が負側
から正側へ向かうゼロクロス点Z1を検出するために、
1つ前のA/D変換値が書き込まれている変数ADME
Mの値が負で、かつ現在のA/D変換値が格納されてい
るレジスタreg1の値が正であるかどうか判定する
(ステップT3)。
【0094】いま、ステップT3の判定は、NOであ
り、ステップT5に移行して、今回A/D変換値がセッ
トされたレジスタreg1の値を変数ADMEMに移し
(ステップT5)、ピッチ抽出処理を終了する。
【0095】そして、いま、ステータス・フラグSTA
TUS FLAGが「1」になっているため、次のサン
プル点におけるピッチ抽出処理でのステップT2の処理
において、ステップT6に移行する。
【0096】この状態において、図10の区間に示さ
れる時間をカウントするために、第1のカウンタとして
の変数COUNT1(以下、第1のカウンタCOUNT
1と呼ぶ)のインクリメント、また、区間に示される
時間をカウントするために第3のカウンタとしての変数
COUNT3(以下、第3のカウンタCOUNT3と呼
ぶ)のインクリメントを開始する。
【0097】すなわち、まず、第1のカウンタCOUN
T1の値を「1」だけインクリメントし(ステップT
6)、音声ディジタル信号X(n) の振幅が正側から負側
へ向かうゼロクロス点、すなわち、図10の区間の終
了点であるゼロクロス点Z2を検出するために、1つ前
のA/D変換値が書き込まれた変数ADMEMの値が正
で、かつ現在のA/D変換値が書き込まれたレジスタr
eg1の値が負であるかどうか判定する(ステップT
7)。
【0098】その判定がNOであると、第3のカウンタ
COUNT3の値を「1」だけインクリメントし(ステ
ップT9)、ステップT5に移行して、上記同様に、レ
ジスタreg1の値を変数ADMEMに移して、ピッチ
処理を終了する。
【0099】以降、ステップT2→T6→T7→T9→
T5の処理を、音声ディジタル信号X(n) の各サンプル
が入力されてピッチ抽出処理を実行する毎に繰り返し、
その繰り返し処理毎に第1のカウンタCOUNT1及び
第3のカウンタCOUNT3の値を「1」づつインクリ
メントする(ステップT9)。
【0100】そして、ステップT7の判定がYESにな
り、音声ディジタル信号X(n) のサンプリング点がその
振幅が正側から負側へ向かうゼロクロス点Z2に到達す
ると、ステータス・フラグSTATUS FLAGを
「2」にセットし(ステップT8)、第3のカウンタC
OUNT3をインクリメントした後(ステップT9)、
ステップT5の処理を実行して、ピッチ抽出処理を終了
する。
【0101】上述のようなループ処理を実行することに
より、図10の区間の時間に相当するカウンタ値を第
1のカウンタCOUNT1に保持する。
【0102】続いて、音声ディジタル信号X(n) の次の
サンプルが入力されて、ピッチ抽出処理に入ると、ステ
ップT8でステータス・フラグSTATUS FLAG
が「2」にセットされているので、ステップT2から図
12のステップT10を介して、ステップT11に移行
する。
【0103】ステップT11では、音声ディジタル信号
X(n) の振幅が負側から正側へ向かうゼロクロス点(図
10のZ3)を検出するために、図11のステップT3
と同じ処理、すなわち、変数ADMEMの値(1つ前の
A/D変換値)が負で、かつレジスタreg1の値(現
在のA/D変換値)が正であるかどうか判定する。
【0104】この判定がNOである間は、図11のステ
ップT9に移行し、ステップT9→T5→T2→T10
→T11→T9のループ処理を、音声ディジタル信号X
(n)の各サンプルが入力され、図9のステップS20の
ピッチ抽出処理が実行される毎に繰り返す。そして、こ
の各繰り返し処理毎に、第3のカウンタCOUNT3の
カウント値を「1」づつインクリメントする(ステップ
T9)。
【0105】そして、ステップT11の判定がYESと
なり、音声ディジタル信号X(n) のサンプリング点がそ
の振幅が負側から正側へ向かうゼロクロス点Z3に達す
ると、ステータス・フラグSTATUS FLAGを
「3」にセットするとともに、このときのカウンタCO
UNT3の値(図10の時間に相当)を変数PITC
OUNTERに保存する(ステップT12)。この変数
PIT COUNTERの値を、抽出すべきピッチに対
応する周期の候補、すなわち、図10の区間のカウン
ト値になる可能性を有するものとして、保存する。
【0106】その後、ステップT12から図11のステ
ップT9→ステップT5→ステップT6へ進んだ後、音
声ディジタル信号X(n) の次のサンプルが入力されて、
再び、図9のステップS20のピッチ抽出処理が実行さ
れると、ステップT1→ステップT2→ステップT10
へと進む。
【0107】いま、ステータス・フラグSTATUS
FLAGは、「3」になっているため、ステップT10
からステップT13に進み、第2のカウンタCOUNT
2のカウント値を「1」だけインクリメントする(ステ
ップT13)。この時点から図10の区間のカウント
を開始する。
【0108】次に、音声ディジタル信号X(n) の振幅が
正側から負側へ向かうゼロクロス点、すなわち図10の
区間の終了点に相当するゼロクロス点Z4を検出する
ために、変数ADMEMの値(1つ前のA/D変換値)
が正で、かつレジスタreg1の値(現在のA/D変換
値)が負であるかどうか判定する(ステップT14)。
【0109】この判定がNOの間は、ステップT13→
T14→T9→T5→T1→T2→T10→T13のル
ープ処理を、音声ディジタル信号X(n) の各サンプルが
入力され図9のステップS20のピッチ抽出処理が実行
される毎に繰り返し実行し、各繰り返し毎に第2のカウ
ンタCOUNT2と第3のカウンタCOUNT3の値を
「1」づつインクリメントする(ステップT13、ステ
ップT9)。
【0110】その後、ステップT14の判定がYESに
なると、ゼロクロス点Z4が検出されたことになり、こ
こでステータス・フラグSTATUS FLAGを
「4」にセットする(ステップT15)。そして、図1
1のステップT9に移行して、第3のカウンタCOUN
T3をインクリメントした後、ステップT5を実行し
て、音声ディジタル信号X(n) の次のサンプルが入力さ
れて、再び、図9のステップS20のピッチ抽出処理が
実行されると、ステップT1からステップT2を経て、
ステップT10へと進む。
【0111】ステップT10で、いま、ステータス・フ
ラグSTATUS FLAGは、「4」にセットされて
いるため、ステップT10からステップT16に移行す
る。この状態においては、図10の区間に対して区間
、、を順次比較し、区間とほぼ等しい時間を有
する区間を見出したとき、区間の時間を入力された
音声ディジタル信号X(n) のピッチ周期と定める処理動
作を行なう。
【0112】まず、今までに得られた第1のカウンタC
OUNT1と第2のカウンタCOUNT2のそれぞれの
値がほぼ等しいかどうか、すなわち、カウンタCOUN
T1とカウンタCOUNT2のそれぞれの値の差の絶対
値が、許容誤差範囲内にあるかどうかを判定する(ステ
ップT16)。この許容誤差範囲は、音声ディジタル信
号X(n) のサンプリング周波数とピッチ周波数に依存す
るが、経験的に決定される。
【0113】今の場合、カウンタCOUNT1とカウン
タCOUNT2は、それぞれ図10の区間と区間の
カウント値を保持しているため、ステップT16の判定
はNOとなり、ステップT17に進む。
【0114】ここで、音声ディジタル信号X(n) に雑音
などが混入すると、それが原因となって、ステップT1
6の判定がNOの状態が異常に長く続き、楽音の発音指
示が行われない場合がある。
【0115】このような以上状態の発生を防ぐために、
音声ディジタル信号X(n) のピッチ周期とされるべき時
間をカウントする第3のカウンタCOUNT3の値を常
に監視し、その値が音声ディジタル信号X(n) の最低音
のピッチ周期に比べてはるかに大きい値を有する所定の
制限値を超えているかどうかを判定する(ステップT1
7)。
【0116】この制限値も、前述の許容誤差範囲と同様
に、経験的に決定される。例えば、サンプリング周波数
を20KHz、最低抽出音高(ピッチ)を110.5H
z(音名:A1に相当)とすると、 20000÷110.5=180.995・・・・ となるため、制限値は、180前後とすればよい。
【0117】ステップT17の判定がYESの場合、す
なわち、異常状態の場合は、すべての発音中の音を消音
する指示を行うとともに、R変数ON NOWをクリアし、ピ
ッチ抽出処理を終了する(ステップT19)。
【0118】ステップT17の判定がNOの場合は、ス
テップT18に進んで、第2のカウンタCOUNT2の
値をクリアし、ステータス・フラグSTATUS FL
AGを「2」に戻す。その後、図11のステップT9に
進んで、上記同様の処理を行う。このとき、変数PIT
COUNTERに保持させた値は、無効となるが、第
3のカウンタCOUNT3は、依然カウントアップを続
けており、また、第1のカウンタCOUNT1も図10
の区間のカウント値を保持している。
【0119】上述のようにして、ステータス・フラグS
TATUS FLAGを「2」の状態に戻した後は、前
回と同様にステータス・フラグSTATUS FLAG
の「3」の状態、「4」の状態へと進み、第2のカウン
タCOUNT2に、図10の区間のカウント値、変数
PIT COUNTERに、図10の区間の始まりか
ら区間のゼロクロス点Z5までのカウント値(図10
の区間)を保持する。
【0120】しかし、今回も第1のカウンタCOUNT
1(区分の時間に対応)と第2のカウンタCOUNT
2の値(区間の時間に対応)が一致しないため、ステ
ップT16の判定がNOとなる。そのため、ステップT
17を介して、ステップT18に進み、再びステータス
・フラグSTATUS FLAGが「2」の状態から実
行し直すことになる。
【0121】そして、この次にステータス・フラグST
ATUS FLAGが再び「4」の状態になったとき、
第2のカウンタCOUNTは、図10の区間のカウン
ト値を保持し、一方、変数PIT COUNTERは、
図10の区間のカウント値を保持している。そこで、
ステップT16において、初めてYESと判定され、こ
のときの入力された音声ディジタル信号X(n) のピッチ
周期の正しい値は、変数PIT COUNTERに保持
されている第3のカウンタCOUNT3の値(図10の
)となる。
【0122】ステップT16での判定が、YESとなる
と、ステータス・フラグSTATUS FLAGとすべ
てのカウンタをクリアし、初期状態をセットする(ステ
ップT20)。
【0123】そして、ステップT5の処理を実行した
後、ピッチ抽出処理を終了する。
【0124】このようにして、音声ディジタル信号X
(n) の各サンプリングが入力され、図9のステップS2
0のピッチ抽出処理が実行される毎に、ピッチ周期が求
められる。
【0125】再び、図9において、上記ピッチ抽出処理
(ステップS20)によりピッチが抽出されると、サン
プル波形選択部51で、この抽出されたピッチデータに
対応するサンプル波形1A〜サンプル波形4を選択して
(ステップS21)、サンプル波形出力部32に出力
し、サンプル波形出力部32は、エンベロープ信号E
(n) が予め設定された所定値(スレッショルドレベル)
以上であると、サンプル波形選択部51から入力される
サンプル波形をサンプル波形信号Y2(n)として出力する
(ステップS11)。
【0126】以降、第1実施例と同様に、ステップS1
2で、音声ディジタル信号X(n) をワークRAM8の書
込アドレスカウンタWAが示すアドレスに書き込み、ス
テップS13で、書込アドレスカウンタWAをインクリ
メントする。
【0127】次に、ステップS14で、読出アドレスR
Aの示すアドレスからワークRAMのデータを読み出し
て、出力ディジタル信号Z(n) とし、ステップS15
で、読込アドレスカウンタRAをインクリメントして、
次のデータの読出アドレスを設定する。
【0128】そして、ステップS16で、混合器34に
より信号Y1(n)とサンプル波形信号Y2(n)とを加算して
混合し、出力ディジタル信号Z(n) を求める。ステップ
S17で、この出力ディジタル信号Z(n) をD/A変換
器10に出力し、D/A変換器10でD/A変換して、
エフェクト音として、すなわち、チョッパーベース奏法
により演奏された音として、出力する。
【0129】その後、ステップS3に戻って、サンプリ
ングタイミング毎に同様の処理を行なう。
【0130】このように、本実施例によれば、複数の打
撃音のサンプル波形を記憶しておき、この複数のサンプ
ル波形から入力される外部音響信号である音声ディジタ
ル信号X(n) のピッチに対応したサンプル波形を選択
し、エンベロープ信号のレベル(エンベロープ信号E
(n) )が所定値以上のときに、この選択したサンプル波
形をピッチ下降した音響信号(信号Y1(n))に加算し
て、出力することができ、入力する音響信号の音程、す
なわち、発生する声の高低により、チョッパーベース奏
法により弦とフレットがぶつかったときに生じる好適な
打撃音を選択することができるとともに、発声する声の
強弱により、この打撃音を加味した楽音を発生させるこ
とができ、より一層チョッパーベース奏法により得られ
る楽音に近似した楽音を、容易に発生させることができ
る。
【0131】なお、上記第2実施例においては、サンプ
ル波形を4種類用意しているが、4種類に限るものでは
なく、適宜サンプル波形の種類を増やすことにより、よ
り一層チョッパーベース奏法に近似した音を発生させる
ことができる。
【0132】図13〜図19は、本発明の効果付加装置
の第3実施例を示す図であり、ピッチ下降させた入力音
響信号に、入力音響信号の高帯域成分を打撃音のサンプ
ル波形として混合して出力するものである。
【0133】本実施例は、第1実施例と同様の構成をし
ており、本実施例の説明において、図1に示した効果付
加装置と、同一の構成部分には、同一の符号を付して、
その説明を省略する。
【0134】図13は、効果付加装置60の全体回路ブ
ロック図であり、この効果付加装置60は、図1に示す
効果付加装置1の有している打撃音サンプルROM9を
有していない。すなわち、効果付加装置60は、マイク
ロフォン2、アンプ3、ローパスフィルタ4、A/D変
換器5、DSP61、フィルタ係数ROM62、ワーク
RAM63、D/A変換器10、アンプ11及びスピー
カ12等を備えており、DSP61、フィルタ係数RO
M62、ワークRAM63及びD/A変換器10は、バ
ス13により接続されている。
【0135】DSP61は、上記同様に、フィルタ係数
ROM62に記憶されているフィルタ係数を利用し、ワ
ークRAM63をワークメモリとして使用して、音声デ
ィジタル信号X(n) にエンベロープ抽出処理、広域通過
フィルタ処理、高域音声出力処理及びピッチ変換処理を
施すことにより効果を付加して、出力ディジタル信号Z
(n) をD/A変換器10に出力する。
【0136】このDSP61は、図14に示すように構
成されており、図2に示した第1実施例のDSP6と
は、そのインターフェイス部分が異なるのみである。そ
こで、図14においては、図2と同一構成部分には、同
一符号を付して、その説明を省略する。
【0137】DSP61は、インタフェイス64、アド
レスカウンタ21、オペレーションROM22、デコー
ダ23、乗算器24、フラグレジスタ25、加減算器2
6及びレジスタ群27等を備えている。
【0138】インタフェース64は、図13に示したD
/A変換器10に接続されるバス65及びA/D変換器
5に接続されるバス66を収容し、各バスと内部の回路
とを接続する。
【0139】DSP61のその他の各部は、図2に示し
たDSP6と同様の動作を行うが、その処理内容につい
ては、後述する。
【0140】このDSP61は、そのDSP61で実現
する機能を擬似的に表わすと、図15のように示され、
その機能は、エンベロープ抽出処理部70、高域通過フ
ィルタ71、高域音声出力部72、ピッチ変換処理部7
3及び混合器74で実現される。
【0141】このDSP61では、音声ディジタル信号
X(n) は、エンベロープ抽出処理部70、高域通過フィ
ルタ71及びピッチ変換処理部73に入力され、エンベ
ロープ抽出処理部70は、第1実施例の図3のエンベロ
ープ抽出処理部31と同様のもので、図4及び図5に示
した機能動作を行う。
【0142】高域通過フィルタ71は、図16に示すよ
うに、高域通過フィルタ(HPF)71のみで構成され
ており、高域通過フィルタ71には、音声ディジタル信
号X(n) が入力される。
【0143】高域通過フィルタ71は、IIRディジタ
ルフィルタが使用され、その動作処理をZ変換で表わす
と、図17のように示される。
【0144】すなわち、高域減衰フィルタ71は、加算
器80、81、乗算器82、83、84、85、86及
び遅延器87、88で構成され、加算器80に音声ディ
ジタル信号X(n) が入力される。加算器80、81は、
各入力を加算し、各乗算器82〜86は、それぞれ図1
7中に示す係数a3〜a5及び係数b3、b4を乗算し
て、出力する。
【0145】ここで、各係数a3〜a5、b3、b4
は、以下の通りである。
【0146】a3=a5=−a3/2=1/(1+2
1/2Tx+Tx2) b1=2(1−Tx2)/(1+21/2Tx+Tx2) b2=−(1−21/2Tx+Tx2)/(1+21/2Tx
+Tx2) なお、サンプリング周波数をfx、高域減衰周波数をf
0としたとき、Tx=tan(πf0/fs)である。
【0147】そして、加算器80は、音声ディジタル信
号X(n) に乗算器82及び乗算器83の出力を加算し
て、乗算器84及び遅延器87に出力し、乗算器84
は、入力に係数a3を乗算して、加算器81に出力す
る。遅延器87は、加算器80の出力を1サンプリング
タイミング遅延して遅延器88、乗算器82及び乗算器
85に出力し、遅延器88は、遅延器87の出力をさら
に1サンプリングタイミング遅延して、乗算器83及び
乗算器86に出力する。乗算器82は、遅延器87の出
力に係数b3を乗算して、加算器80に出力し、乗算器
83は、遅延器88の出力に係数b4を乗算して加算器
80に出力する。また、乗算器85は、遅延器87の出
力に係数a4を乗算して、加算器81に出力し、乗算器
86は、遅延器88の出力に係数a5を乗算して、加算
器81に出力する。そして、加算器81は、乗算器8
4、乗算器85及び乗算器86の出力を加算して、信号
Y2(n)として出力する。
【0148】したがって、高域通過フィルタ71は、音
声ディジタル信号X(n) に、次式で表わされるフィルタ
リング処理を施し、信号Y2(n)として出力する。
【0149】 Y2(n)=a3X(n)+a4X(n-1)+a5X(n-2) −b3Y(n-1)−b4Y(n-2) ・・・・・(2) そして、いま、マイクロフォン2から発声により発音さ
れた音声が入力されるので、高域減衰周波数f0として
は、2000[Hz]程度が設定され、高域通過フィル
タ71は、この高域減衰周波数f0以上で12dB/オ
クターブ減衰させる。このように設定することにより、
音声のノイズといわれる帯域を抽出することができる。
【0150】このようにして高域通過フィルタ71によ
り高帯域の信号がフィルタリングされた音声ディジタル
信号X(n) は、信号Y2(n)として図15の高域音声出力
部72に出力され、高域音声出力部72は、エンベロー
プ抽出処理部70から入力されるエンベロープ信号E
(n) が所定値以上であると、高域通過フィルタ71から
入力される信号Y2(n)を、高帯域通過音信号Y3(n)とし
て混合器74に出力する。
【0151】図15において、ピッチ変換処理部73
は、第1実施例の図3に示したピッチ変換処理部33と
同様のものであり、入力される音声ディジタル信号X
(n) を1オクターブダウンさせるピッチ変換処理を行っ
て、混合器74に信号Y1(n)として出力する。
【0152】次に、作用を説明する。
【0153】本実施例の効果付加装置1は、図18に示
すフローチャートの手順に従って処理を実行することに
より、特に、図15に擬似的に示した各機能を実現す
る。
【0154】なお、図18に示すフローチャートにおい
て、図6に示したフローチャートの処理と同様の処理内
容については、同一のステップ番号を付している。
【0155】図18において、効果付加装置60は、電
源が投入されると、まず、ワークRAM8の書込アドレ
スカウンタWA及び読込アドレスカウンタRAをクリア
し(ステップS1)、ワークRAM8の内容をクリアし
て(ステップS2)、初期設定処理を行なう。
【0156】初期設定処理が完了すると、A/Dフラグ
をチェックし(ステップS3)、A/Dフラグが「有
り」を示すと、A/D変換器5で、マイクロフォン2か
ら取り込まれアンプ3及びローパスフィルタ4を介して
A/D変換器5に入力されるアナログの音声信号をA/
D(アナログ/ディジタル)変換し、音声ディジタル信
号X(n) に変換する(ステップS4)。
【0157】そして、ステップS5で、音声ディジタル
信号X(n) のエンベロープ値E(n)を求めるエンベロー
プ抽出処理を行なう(ステップS5)。このエンベロー
プ抽出処理は、図7に示した処理である。
【0158】エンベロープ抽出処理を終了すると、音声
ディジタル信号X(n) をワークメモリ8の書込アドレス
カウンタWAの示すアドレスに書き込み(ステップS
6)、書込アドレスカウンタWAをインクリメントする
(ステップS7)。
【0159】次に、A/Dフラグが「有り」かどうかチ
ェックし(ステップS8)、A/Dフラグが「有り」に
なるまで、すなわち、次のサンプリングタイミングにな
るまで待って、次のサンプリングタイミングでサンプリ
ングした音声信号をA/D変換して、音声ディジタル信
号X(n) に変換する(ステップS9)。
【0160】次に、図15の高域通過フィルタ71によ
り音声ディジタル信号X(n)の高域通過音である信号Y
2(n)を求める高域通過フィルタ処理(HPF処理)を行
う(ステップS30)。
【0161】このHPF処理は、DSP61により、図
16及び図17に示した高帯域通過フィルタ71により
実行される信号Y2(n)を求める処理であり、図19に示
すように処理される。
【0162】すなわち、HPF処理では、まず、ステッ
プR1で、フィルタ係数ROM62から必要な係数a3
〜a5及び係数b3、b4を読み出し、次に、ステップ
R2で、この読み出した係数を使用して、音声ディジタ
ル信号X(n) に上記式(2)に示すフィルタ処理を施す
ことにより、信号Y2(n)を求める。
【0163】したがって、HPF処理では、音声ディジ
タル信号X(n) のうち高周波数帯域のノイズ部分のみを
取り出し、信号Y2(n)として高域音声出力部72に出力
する。
【0164】HPF処理が終了すると、高域音声出力部
72において、エンベロープ信号E(n) が所定値以上で
あると、高域通過フィルタ71から入力された信号Y2
(n)を高域通過音信号Y3(n)として混合器74に出力す
る(ステップR31)。
【0165】以降、第1実施例と同様に、ステップS1
2で、音声ディジタル信号X(n) をワークRAM63の
書込アドレスカウンタWAが示すアドレスに書き込み、
ステップS13で、書込アドレスカウンタWAをインク
リメントする。
【0166】次に、ステップS14で、読出アドレスR
Aの示すアドレスからワークRAM63のデータを読み
出して、信号Y1(n)とし、ステップS15で、読込アド
レスカウンタRAをインクリメントして、次のデータの
読出アドレスを設定する。
【0167】そして、ステップS32で、混合器34に
より信号Y1(n)と高域通過音信号Y3(n)とを加算して混
合し、出力ディジタル信号Z(n) を求める。ステップS
17で、この出力ディジタル信号Z(n) をD/A変換器
10に出力し、D/A変換器10でD/A変換して、エ
フェクト音として、すなわち、チョッパーベース奏法に
より演奏された音として、出力する。
【0168】その後、ステップS3に戻って、サンプリ
ングタイミング毎に同様の処理を行なう。
【0169】このように、本実施例によれば、音声ディ
ジタル信号X(n) の高周波数帯域にあるノイズ部分を高
域通過音信号Y3(n)として抽出し、外部入力音響信号で
ある音声ディジタル信号X(n) のエンベロープ信号E
(n) のレベルが所定値以上のときに、この抽出した高域
通過音信号Y3(n)をピッチ下降した音声ディジタル信号
X(n) に加算して、出力することができ、チョッパーベ
ース奏法により弦とフレットがぶつかったときに生じる
ノイズ音を、声の強弱で自由に混合して出力することが
できる。
【0170】なお、上記実施例では、入力音響信号とし
て、人が発声することにより発生した音声を入力してい
るが、これに限るものではなく、例えば、効果付加装置
に、外部入力端子を設け、この外部入力端子から楽器等
で発生した音を入力するようにしてもよい。
【0171】
【発明の効果】本発明によれば、外部より入力された音
響信号のピッチを下降させ、またこの音響信号からエン
ベロープを抽出する。そして、この抽出したエンベロー
プ信号のレベルが所定値以上のときに、ピッチ下降させ
た音響信号に高調波成分を含む信号を混合しているの
で、入力される音響信号をピッチ下降させることができ
るとともに、この音響信号のエンベロープ信号に基づい
てピッチ下降させた音響信号に高調波成分を含む信号を
混合させることができ、弦楽器のチョッパーベース奏法
により得られる楽音を発生させることができる。
【0172】また、打撃音のサンプル波形を記憶してお
き、入力される音響信号のエンベロープ信号のレベルが
所定値以上のときに、このサンプル波形を読み出してピ
ッチ下降した音響信号に加算しているので、入力する音
響信号の強弱により、チョッパーベース奏法により弦と
フレットがぶつかったときに生じる打撃音を好適に加味
した楽音を発生させることができ、よりチョッパーベー
ス奏法により得られる楽音に近似した楽音を、容易に発
生させることができる。
【0173】さらに、入力される音響信号の高帯域成分
のみを抽出し、入力される音響信号のエンベロープ信号
のレベルが所定値以上のときに、ピッチ下降した音響信
号に高帯域成分のみを抽出した音響信号を加算している
ので、入力する音響信号が大きいときに、入力音響信号
の高い周波数帯域にあるノイズ部分をピッチ下降させた
入力音響信号に混ぜることができ、チョッパーベース奏
法における弦とフレットがぶつかったとき生じるノイズ
音を入力音響信号の強弱により、簡単に、かつ適切に付
加することができる。その結果、より一層チョッパーベ
ース奏法により得られる楽音に近似した楽音を発生させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果付加装置の第1実施例の全体構成
図。
【図2】図1のDSPの構成図。
【図3】図1のDSPの機能を擬似的に示したブロック
図。
【図4】図3のエンベロープ抽出処理部の詳細な機能を
擬似的に示したブロック図。
【図5】図4の高域減衰フィルタをZ変換で示した図。
【図6】第1実施例の効果付加装置のメイン処理を示す
フローチャート。
【図7】図6のエンベロープ抽出処理の詳細な処理を示
すフローチャート。
【図8】本発明の効果付加装置の第2実施例のDSPの
機能を擬似的に示したブロック図。
【図9】第2実施例の効果付加装置のメイン処理を示す
フローチャート。
【図10】図9のピッチ抽出処理の原理説明図。
【図11】図9のピッチ抽出処理の詳細な処理を示すフ
ローチャート。
【図12】図11のピッチ抽出処理の続きの処理を示す
フローチャート。
【図13】本発明の効果付加装置の第3実施例の全体構
成図。
【図14】図13のDSPの構成図。
【図15】図14のDSPの機能を擬似的に示したブロ
ック図。
【図16】図15の高帯域通過フィルタの機能を擬似的
に示したブロック図。
【図17】図16の高域減衰フィルタをZ変換で示した
図。
【図18】第3実施例の効果付加装置のメイン処理を示
すフローチャート。
【図19】図18のHPF処理の詳細な処理を示すフロ
ーチャート。
【符号の説明】
1 効果付加装置 2 マイクロフォン 3 アンプ 4 ローパスフィルタ 5 A/D変換器 6 DSP 7 フィルタ係数ROM 8 ワークRAM 9 打撃音サンプルROM 10 D/A変換器 11 アンプ 12 スピーカ 20 インタフェース 21 アドレスカウンタ 22 オペレーションROM 23 デコーダ 24 乗算器 25 フラグレジスタ 26 加減算器 27 レジスタ群 31 エンベロープ抽出処理部 32 サンプル波形出力部 33 ピッチ変換処理部 34 混合器 35 絶対値処理部 36 高域減衰フィルタ 40、41 加算器 42、43、44、45、46 乗算器 47、48 遅延器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部より音響信号を入力する入力手段
    と、 前記入力手段からの音響信号のピッチを下降させるピッ
    チ下降処理と、前記入力手段からの外部音響信号からエ
    ンベロープ信号を抽出するエンベロープ抽出処理と、前
    記エンベロープ抽出処理により得られたエンベロープ信
    号のレベルが所定値以上のときに前記ピッチ下降処理か
    らの音響信号に高調波成分を含む信号を混合する混合処
    理と、を行なう信号処理手段と、 を有することを特徴とする効果付加装置。
  2. 【請求項2】 前記ピッチ下降処理は、前記入力手段か
    らの外部音響信号のピッチを1オクターブ分下降させる
    オクターブ下降処理を行なうことを特徴とする請求項1
    記載の効果付加装置。
  3. 【請求項3】 前記信号処理手段は、打撃音のサンプル
    波形を記憶したサンプル波形記憶手段を有し、 前記混合処理は、前記エンベロープ抽出処理からのエン
    ベロープ信号のレベルが所定値以上のときに前記サンプ
    ル波形記憶手段からサンプル波形を読み出す読出処理
    と、この読み出されたサンプル波形と前記ピッチ下降処
    理からの音響信号とを加算する加算処理と、から成るこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の効果付加
    装置。
  4. 【請求項4】 前記サンプル波形記憶手段は、複数種の
    サンプル波形を記憶し、 前記読出処理は、前記入力手段からの外部音響信号のピ
    ッチを抽出するピッチ抽出処理と、前記ピッチ抽出処理
    により抽出されたピッチの値に対応して前記サンプル波
    形記憶手段からサンプル波形を選択する選択処理と、前
    記エンベロープ抽出処理からのエンベロープ信号のレベ
    ルが所定値以上のときに前記選択処理により選択された
    サンプル波形を読み出す波形読出処理と、から成ること
    を特徴とする請求項3記載の効果付加装置。
  5. 【請求項5】 前記混合処理は、前記入力手段からの外
    部音響信号の高帯域成分のみを抽出するハイパスフィル
    タ処理と、前記エンベロープ抽出処理からのエンベロー
    プ信号のレベルが所定値以上のときに前記ピッチ下降処
    理からの音響信号に前記ハイパスフィルタ処理からの信
    号を加算する加算処理と、から成ることを特徴とする請
    求項1記載の効果付加装置。
  6. 【請求項6】 外部音響信号を入力する入力手段と、 前記入力手段からの外部音響信号のピッチを下降させる
    ピッチ下降手段と、前記入力手段からの外部音響信号か
    らエンベロープ信号を抽出するエンベロープ抽出手段
    と、前記エンベロープ抽出手段により得られたエンベロ
    ープ信号のレベルが所定値以上のときに前記ピッチ下降
    手段からの音響信号に高調波成分を含む信号を混合する
    混合手段と、から成る信号処理手段と、 を有することを特徴とする効果付加装置。
  7. 【請求項7】 前記ピッチ下降手段は、前記入力手段か
    らの外部音響信号のピッチを1オクターブ分下降させる
    オクターブ下降手段であることを特徴とする請求項1記
    載の効果付加装置
  8. 【請求項8】 前記信号処理手段は、打撃音のサンプル
    波形を記憶したサンプル波形記憶手段を有し、 前記混合手段は、前記エンベロープ抽出手段からエンベ
    ロープ信号のレベルが所定値以上のときに前記サンプル
    波形記憶手段からのサンプル波形を読み出す読出手段
    と、この読み出されたサンプル波形と前記ピッチ下降手
    段からの音響信号とを加算する加算手段と、から成るこ
    とを特徴とする請求項6または請求項7記載の効果付加
    装置。
  9. 【請求項9】 前記サンプル波形記憶手段は、複数種の
    サンプル波形を記憶し、 前記読出手段は、前記入力手段からの外部音響信号のピ
    ッチを抽出するピッチ抽出手段と、前記ピッチ抽出手段
    により抽出されたピッチの値に対応して前記サンプル波
    形記憶手段からサンプル波形を選択する選択手段と、前
    記エンベロープ抽出手段からのエンベロープ信号のレベ
    ルが所定値以上のときに前記選択手段により選択された
    サンプル波形を読み出す波形読出手段と、から成ること
    を特徴とする請求項8記載の効果付加装置。
  10. 【請求項10】 前記混合手段は、前記入力手段からの
    外部音響信号の高帯域成分のみを抽出するハイパスフィ
    ルタ手段と、前記エンベロープ抽出手段からのエンベロ
    ープ信号のレベルが所定値以上のときに前記ピッチ下降
    手段からの音響信号に前記ハイパスフィルタ手段からの
    信号を加算する加算手段と、から成ることを特徴とする
    請求項6記載の効果付加装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5811707A (en) * 1994-06-24 1998-09-22 Roland Kabushiki Kaisha Effect adding system
KR100393198B1 (ko) * 1996-12-13 2003-11-28 삼성전자주식회사 E2pr4ml방식의등화기를이용한타이밍복원장치,그에따른타이밍복원방법및최종데이터판정장치

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