JPH06179968A - 高周波スパッタリング装置 - Google Patents

高周波スパッタリング装置

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JPH06179968A
JPH06179968A JP35245792A JP35245792A JPH06179968A JP H06179968 A JPH06179968 A JP H06179968A JP 35245792 A JP35245792 A JP 35245792A JP 35245792 A JP35245792 A JP 35245792A JP H06179968 A JPH06179968 A JP H06179968A
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JP
Japan
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substrate
high frequency
film
bias
target
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Application number
JP35245792A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Omi
和明 近江
Takeshi Ichikawa
武史 市川
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高周波スパッタリング装置
において、その成膜時の制御性を向上させ、膜質を高品
質化することにある。 【構成】 基板5とターゲット8との間に高周波12を
印加し、さらに前記ターゲットと基板の少なくとも一方
に直流バイアス14を印加してスパッタリングを行なう
高周波スパッタリング装置において、前記基板5とター
ゲット8との間に、前記基板5に入射する荷電粒子に対
する制御電極18を設け、高周波12として周波数10
0MHz以上の高周波を用い、前記制御電極18に負バ
イアスを印加する手段14Aと、前記基板バイアスを制
御して該基板5への入射イオンエネルギーを調節する手
段14Cとを具備したことを特徴とする高周波スパッタ
リング装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置の製造に用い
る成膜装置に関し、特に高周波スパッタリング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造において、成膜
方法は重要であり、金属配線の形成や半導体層の形成に
幅広く使われている。このような成膜方法としては、化
学的成膜法として熱CVD、LPCVD、プラズマCV
D、光CVD及びこれらの様々な変形が提案され、実用
に供されて来た。ECRプラズマCVDや、特開昭62
−90924号公報に見られる様な混成励起CVDもそ
れらの一部である。また、その他に様々な形の物理的成
膜法も提案されている。これらの例としては電子ビーム
蒸着法などの真空蒸着法、マグネトロンスパッタリング
などのスパッタリング法、MBE(Moleculer Beam Epi
taxy)法、ALE(Atomic Layer Epitaxy)法、さらに
は化学的な方法と物理的方法との組合せであるMO−M
BE法なども提案されて来た。
【0003】これらの種々の成膜法は、それぞれに特徴
を持っているが幾つかの問題点も持っている。例えば化
学的成膜法(CVD)では成膜する材料ごとに特殊な原
料ガスが必要となる。普及していない原料ガスを用意す
るには手間と時間と許容できる範囲を越えたコストがか
かることが多い。またせっかく原料ガスを用意しても安
定性が低く、長期保存できなかったり、純度が低いため
に堆積膜中に多量の不純物が入るという問題がある。
【0004】また原料ガスを成膜時に分解するため、膜
堆積に必要な元素以外の元素が原料ガスの分解生成物の
一部として膜中に混入して膜の純度を下げるという問題
もある。また、成膜の際には使用する原料ガスの化学的
性質が材料によってかなり違うので、材料ごとに個別に
成膜条件を最適化する必要がある。このため、成膜装置
側まで改造が必要になることさえある。
【0005】さらに、原料ガスは概して化学的な反応性
が高く、また人体に有害なものが多いので完璧な排ガス
処理や警報その他のガス安全対策が必要となる。これは
装置コストの上昇の原因になる。
【0006】これに対し物理的成膜法(PVD)は、比
較的取り扱いが単純で、種々の材料を安易に成膜でき、
普通は排ガス処理なども不要であるという利点がある。
しかし、それでも、方法により、熱幅射、X線発生、イ
オン入射などによる基板損傷が起き易いという問題や、
成膜室内の残留ガスが不純物として膜中に混入し易いな
どの問題がある。
【0007】概して成膜速度が低い、膜成長表面での材
料原子のマイグレーションが少なく、膜に構造欠陥が残
り易い、成膜過程を制御するためのパラメータが少ない
ため制御が難しい、なども問題となる。
【0008】そこで物理的成膜法の長所を生かしなが
ら、成膜過程の制御性を向上させたり、成膜速度を大き
くするための改良が種々提案されている。
【0009】この様な種々の試みの中でも特開昭62−
28707号や特開昭63−50025号に見られる様
な高周波バイアス・スパッタリング法は成膜過程の制御
性が高く、しかも成膜速度を高められる点で優れてい
る。この方法ではArガスなどの高周波プラズマを用
い、ターゲットと半導体基板又はそれを保持するサセプ
ターの少なくとも一方に直流バイアスを印加しながら成
膜を行なう。
【0010】通常よく使われる13.56MHzではな
く、もっと高い周波数(100MHz以上)を用いる
と、低圧でもプラズマの高密度化が可能となり、ターゲ
ットバイアスを自由に選択できるとともに、成膜速度の
向上が可能となる。
【0011】また周波数を高くすることにより、プラズ
マ中のイオンエネルギーの分布が少なくなるため、ター
ゲットや基板のバイアスによりイオンエネルギーを正確
に制御できるようになる。このため成膜過程の制御性が
向上する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高周波スパッタリング法においては、絶縁物の成膜や絶
縁基板への成膜は可能であるものの、基板表面が電気的
に絶縁されているため、基板表面電位の基板バイアスに
よる精密な制御は不可能であった。プラズマに接してい
る絶縁基板表面は電子拡散による自己バイアスの為に負
に帯電してしまう。一方、プラズマ電位は正になるので
プラズマ電位より大きな電圧がシース(プラズマと基板
表面の間)にかかることになる。従ってプラズマ中のA
+ イオンはプラズマ電位より大きな電圧で加速され、
基板に入射する。このエネルギーは、数10V又はそれ
以上になり、基板や成膜中の膜にダメージを与える。
【0013】電極が負に帯電するのを防ぐため、基板側
にも高周波を印加する方法が提案されているが(特開昭
63−50025)、この方法による改善効果は成膜す
る材料によっては必ずしも充分ではなく、自己バイアス
を正にまで振ることはできない。また基板バイアスを制
御しても、基板又は膜が絶縁性である場合には、基板表
面電位の自由な制御はできず、膜のイオンダメージを完
全に抑えることはできない。この様なイオンダメージの
ため膜質は劣化する。例えば結晶Siでは格子欠陥が増
加し、電気抵抗の増加やキャリア易動度の低下を引き起
こし、デバイスとして使えなくなる。イオンダメージが
著しい場合には、Siなどでは結晶が得られず、アモル
ファス膜になる。金属でも膜の内部応力が大きくなった
り、膜中の不純物量が増加したりして電気抵抗の増加や
表面の凹凸の原因になる。
【0014】このため、絶縁基板上の成膜では、前記高
周波バイアス・スパッタ法の利点が生かせず、バイアス
制御の利点が失なわれてしまうという問題があった。
【0015】また、上記の様なバイアス・スパッター法
においては、通常かなり高い周波数を用いる必要があ
る。Arガスを用いた場合、13.56MHzではイオ
ン・エネルギーの分布は充分狭くならず、バイアスによ
る成膜過程の制御は実際上不可能である。40MHz程
度でもイオンエネルギーの分布はまだ広すぎる。100
MHz以上の周波数において、イオン・エネルギーの分
布は充分小さくなり、成膜過程の制御性が向上するとい
う効果がはっきり表われる。
【0016】しかし、100MHz以上の周波数を用い
ることは、現状ではあまり普及していない。これは放電
電極を含む高周波回路のマッチングを取ることの難しさ
や、高周波発振器の価格が高価なことや、高周波のもれ
の問題などが障害になっているためである。
【0017】[発明の目的]本発明の目的は、高周波ス
パッタリング装置による成膜時にその制御性を向上さ
せ、高品質な成膜を行なうことにある。
【0018】これは特に、100MHz以上の高周波を
用いた成膜時にその制御性を向上させることにあり、ま
た、100MHz以下の高周波として、例えば13.5
6MHz程度のよく普及している周波数帯において、バ
イアススパッター法の成膜の制御性を高めることにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】前述した本発明
の目的は、ターゲット側又は基板側の少なくとも一方に
バイアスを印加する高周波スパッタリング装置におい
て、基板とターゲットとの間に基板への入射粒子制御用
の電極を設けたことを特徴とする高周波スパッタリング
装置により達成される。以下、実施態様例を用いて更に
説明する。
【0020】[実施態様例]図1は、本発明の特徴を示
す一実施態様例の高周波スパッタリング装置の概略構成
を示す模式図である。
【0021】図において、ターゲット8とアースとの間
に50MHz以上、望ましくは100MHz以上の高周
波を印加する。また基板5を支持するサセプター6とタ
ーゲット8の少なくとも一方には直流バイアスを印加す
る。サセプター6側に更に高周波バイアスを重ねても良
い。
【0022】直流バイアス電源14とターゲット8、サ
セプター6との間にはロー・パス・フィルター13を挿
入する。サセプター6には基板5をその表面に固定する
装置を設けて、絶縁基板であってもサセプター表面に固
定できるようにすると便利である。
【0023】また、18は、本発明にとって最も重要な
ものであり、サセプター6表面近傍に設けた入射粒子制
御用のグリッド電極である。
【0024】このグリッド電極18は、基板5表面から
少なくとも高周波放電を起こす圧力におけるガスの平均
自由行程よりも著しく大きな距離だけ離すと、基板バイ
アスの制御による膜質の制御が難しくなる。
【0025】また、電極の形状は、基板に入射する荷電
粒子、特に電子の入射量を制御できるものであれば、ど
んな形でも良いが、一般的には細かな穴が沢山開いたメ
ッシュ状や隙間が開いたグリッド状などが使用できる。
これは本発明の制御電極をすり抜けてイオンやスパッタ
ー原子がターゲット又はプラズマ中から基板表面に到達
できるようにする為である。ただし、制御電極18に印
加するグリッドバイアスによる電位の不均一さが、基板
表面で残っていると、基板表面における膜質の均一性が
得られないので、グリッドの隙間は、この様な不均一性
が出ない程度に狭くなければならない。
【0026】グリッド電極18の一番大きな役割は、プ
ラズマ中から絶縁基板5へ向って拡散して来る電子をプ
ラズマ側へ追いやり、基板が負の自己バイアスを持つの
を防ぐことである。従ってグリッドバイアスは通常負に
し、その大きさは放電圧力、放電パワー、電子温度、そ
の他に応じて最適化することができる。
【0027】また、電子の基板への流入を完全に抑える
必要はなく、イオンの入射量とのバランスを取ってやる
だけで充分効果がある。
【0028】グリッド電極18の材料としては、Al、
ステンレス、W、その他の金属や結晶Siなどの導電性
材料を用いることができる。
【0029】また、グリッド電極をターゲットと同一の
材料でコーティングすることにより、グリッド電極材料
がスパッタされて基板上に堆積する膜中に混入するのを
防ぐことができる。
【0030】グリッド電極18への印加電圧の大きさ
は、放電周波数、放電圧力、放電パワーなどに応じて最
適化する必要があるが、目安としては設定した放電条件
におけるフローティング電位と同程度の場合に良好な結
果が得られる。例えば、Ar、数mTorr、周波数1
00MHz、放電パワー100W程度では数10V程度
である。
【0031】グリッド電極に一定の負バイアスを印加し
ながら、基板バイアスを制御して基板表面への入射イオ
ンエネルギーを調節する。グリッドバイアスと基板バイ
アスを制御して放電状態を最適化し、基板に堆積する膜
の膜質を制御する。必要ならば成膜中にグリッドバイア
スと基板バイアスを連続的に変化させても良い。また更
に、成膜プロセスの状態をモニターしながら、上記両バ
イアスをフィードバック制御することも可能である。
【0032】また、前述した本発明の目的は、ターゲッ
トと基板又は基板を保持するサセプターの少なくとも一
方に直流バイアスを印加して成膜を行なう周波数スパッ
タリング装置において、スパッタリング・ガスとして、
Arよりも大きな原子量の不活性ガスを用いることを特
徴とする高周波スパッタリング装置により達成される。
【0033】基板とターゲット間に高周波を印加し、さ
らにターゲットと基板の少なくとも一方に直流バイアス
を印加してスパッタリングを行なう場合、周波数を10
0MHz又はそれ以上に高めることにより、プラズマ中
のAr+ イオンのエネルギー分布が狭くなる。また平均
エネルギーも低くなるため、ターゲットバイアス、又は
基板バイアスにより、入射イオンのエネルギーを正確に
制御できる。
【0034】このため、例えば基板バイアスを数V変化
させるだけで膜質が変化する。もし、イオンエネルギー
分布が数10から数100Vあると、プラズマ中にはこ
れだけのエネルギー幅のイオンが飛んでいて基板に入射
して来るため、数V程度の基板バイアス変化でそのエネ
ルギーを精密に制御することはできない。また仮に基板
バイアスを大きく変化させて、大部分のイオンが基板に
入射しないようにして、実質的に基板に入射するイオン
のエネルギー分布を絞ったとすると、イオンの照射量が
著しく低下するため、やはり膜質の制御が困難になる。
【0035】100MHz以上の高周波を用いてイオン
のエネルギー分布を小さくし、その平均エネルギーを下
げ、この様なイオンに対してターゲットバイアス及び/
または基板バイアスを制御することにより、Cu、A
l、Siなどの成膜において著しい膜質改善効果があ
る。
【0036】この方法をさらに普及させるためには、よ
り一般的に使用されている13.56MHz程度の10
0MHz以下の周波数を用いて、上記の様な効果を得る
ことが必要である。Arより重い元素であるXe又はK
rを用いると、13.56MHzにおいてもArを用い
た場合に較べてはるかにイオンエネルギーの分布が小さ
くなり、平均エネルギーも下るためバイアスによる入射
イオンエネルギーを精密に制御することが可能になる。
【0037】Arの場合、13.56MHzでは、イオ
ンエネルギーの分布の幅は、数10eV又はそれ以上あ
るため、基板や堆積した膜への高エネルギーイオンによ
る損傷を防ぐことはバイアス制御によっては不可能であ
る。しかしながら、XeやKrを用いると、図2に示す
ようにイオンエネルギーの分布は半値幅であり、大体1
0eV以下に抑えることができ、平均エネルギーもアー
スに対して20−30eV、又はそれ以下に下げること
ができるので、バイアスによる入射イオンエネルギーの
精密制御が13.56MHzにおいても可能となる。
【0038】なお、直流スパッター法で成膜速度を上げ
るためにArより重い元素を用いる例はあるが、上記の
様なイオン損傷に対する効果はない。本発明は高周波ス
パッター法でイオンエネルギーのバイアス制御をする場
合に特に重要になる方法である。
【0039】
【実施例】
〔実施例1〕図1の高周波スパッター装置を用いて、5
000ÅのSi34 膜を持つSiウェハー上にSi膜
の堆積を行なう実施例について以下に説明する。
【0040】基板5のSiウェハーはP型で電気抵抗は
5Ω・cmである。またSi34膜は熱CVD法によ
り上記Siウェハー上にあらかじめ堆積させる。
【0041】ターゲット8は基板5と同ように5Ω・c
mのP型Siウェハーであり、表面はSiのままであ
る。
【0042】成膜条件としては、放電周波数100MH
z、ターゲットバイアス−300V、放電パワー100
W、放電圧力10mTorr、グリッド・バイアス−3
0V、基板バイアス+40Vとし、放電ガスには精製装
置15を通したArガスを用いる。
【0043】表面を完全に洗浄した上記基板5を真空チ
ャンバー1の中のサセプター6の上に設置し、真空チャ
ンバー1内を1×10-7Torr以下まで減圧する。
【0044】基板ヒーター7により基板を450℃まで
加熱し、Arガスを流してチャンバー内圧力を10mT
orrに設定する。ターゲット8とサセプター6間に1
00MHzの高周波を印加し、成膜を20分間行なう
と、基板5上にSi膜が堆積する。
【0045】成膜後、Siウェハー5を取り出して分析
したところ、Siウェハー表面のSi34 膜上に約3
000ÅのSi膜が堆積していることがわかった。電子
線回折装置により膜の構造を調べたところ、この膜はP
型の多結晶Siであり、その体積抵抗率は85Ω・cm
であり、良好な特性であった。
【0046】比較の為グリッド電極18を取り外し、基
板バイアス+10Vにて同様のSi膜堆積をSiウェハ
ー表面のSi34 膜上に行なったところ、P型の多結
晶Si膜が形成されたが、グリッドバイアス印加の場合
と較べて結晶粒径が小さく、その体積抵抗率は104 Ω
・cm程度あり、極めて特性が悪かった。
【0047】〔実施例2〕図1とほぼ同様の構造で、コ
ンデンサー10のかわりに50MHzの高周波電源をマ
ッチングボックスを介して設置した高周波スパッター装
置を用い、表面に窒化Si膜が500Åついたガラス基
板5上にP型Siの成膜を行なった。
【0048】ターゲット8側の高周波周波数は100M
Hzで、グリッド電極18には−40Vの負バイアスを
印加した。サセプター6には上記50MHzの高周波の
他に直流バイアス電源14により+55Vの直流バイア
スを加えた。
【0049】実施例1とほぼ同様の手順で基板5上にP
型Siの膜を5000Å堆積した。
【0050】これを取り出して電子線回折により膜の構
造を調べたところ、この膜はきれいなリング状の回折パ
ターンを示すP型の多結晶Siであり、その体積抵抗率
は約150Ω・cmであった。
【0051】比較のために、グリッド電極18を取り外
し、基板バイアス+15Vにて同様のSi膜堆積を行な
った。
【0052】これを電子線回折により分析したところ、
リング状の回折パターンが得られたが、完全ではなく、
アモルファス相と結晶相の混在する膜であることがわか
った。体積抵抗率も105 Ω・cm以上あり、使いもの
にならないものであった。
【0053】〔実施例3〕図3に示す、容量結合型の高
周波バイアス・スパッター装置によりSiのエピタキシ
ャル成長を行なう。
【0054】ターゲット8に印加する周波数は13.5
6MHzで、スパッタリングガスとしてはXeを用い
る。基板温度は600℃、膜堆積中の放電圧力は10m
Torrである。
【0055】成膜室内の基板ホルダーに面方位(10
0)の直径1インチのSiウェハー5を表面の酸化膜を
除去してから設置し、ターゲット8としてCuのベース
・プレートに貼り付けた体積抵抗率5Ω・cmのP型多
結晶Siを取り付ける。ターゲット8裏面のベースプレ
ートは大気側から水冷し、さらにターゲット8表面から
10mmの高さでの最大磁場が500ガウスになるよう
に、サマリウム・コバルトの永久磁石を、やはりベース
プレートの大気側に設置する。
【0056】成膜室(真空チャンバー)1をターボ分子
ポンプ3とロータリーポンプ4で1×10-7Torr以
下に引く。基板5のSiウェハー表面の酸化膜をエッチ
ングで除去してから成膜室1に設置して真空引きを開始
するまでの時間は30分以内である。
【0057】原料ガス精製装置15を通して、H2 Oそ
の他の不純物を除去したXeガスを原料ガスボンベ16
から成膜室1に流し、圧力を10mTorrに合わせ
る。ターゲットバイアスを−200V、基板バイアスを
+10Vにして高周波放電を起こし、100Wにて成膜
を行なう。0.5時間の成膜を行なうとSiウェハー5
上に膜が堆積する。
【0058】成膜後Siウェハー5を取り出し、膜のB
濃度分布をSIMSにより調べると、Siウェハー上に
約5000ÅのP型Siが堆積していることがわかっ
た。また、電子線回折装置により膜の構造を調べたとこ
ろ、基板と同一の(100)の方位の欠陥の少ない単結
晶Siがエピタキシャル成長していることが確認でき
た。エピ膜の体積抵抗率は約7Ω・cmで、ターゲット
のそれに近く、欠陥の少ない膜であった。
【0059】同様のSi膜堆積をXeではなくArガス
で行なったところ、できた膜は結晶の電子線回折パター
ンが現われず、ハローパターンであった。従って、この
膜は結晶ではなく、アモルファス膜であり、エピタキシ
ャル成長はできなかった。
【0060】〔実施例4〕実施例3と同様の方法におい
て、スパッタリングガスをKrに変えてSiのエピタキ
シャル成長を行なった。
【0061】放電圧力、基板温度、放電電力はそれぞれ
20mTorr、650℃、70Wであり、基板のSi
ウェハーの面方位は(100)を用いた。また、ターゲ
ットは同一のものを用いた。
【0062】この条件で基板上にP型Siを4000Å
エピタキシャル成長した。
【0063】できあがった基板を、電子線回折により確
認したところ、菊地ラインも確認でき、欠陥の少ないエ
ピタキシャル膜であった。膜の体積抵抗率は約20Ω・
cmで、実施例3に較べるとやや高めであった。
【0064】Arガスを用いて同一条件での成膜を行な
ったところ、エピタキシャル成長はできず、アモルファ
スのSi膜が堆積した。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、グリッド電極をタ
ーゲットと基板の間に、基板に入射する荷電粒子の制御
電極として設置することにより、100MHz以上の高
周波を用いて絶縁性基板上の膜堆積過程を制御できるよ
うになり、従来は困難だった膜質の基板バイアスによる
制御が可能になるという効果が得られた。これにより、
成膜した膜質を著しく向上させる効果を得ることができ
る。
【0066】また、以上説明したように高周波バイアス
スパッター装置において、Arより大きな原子量の不活
性ガスを用いることにより、バイアスによる膜質制御が
100MHz以下の周波数で可能になるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の高周波スパッター装置の一例
を示す図である。
【図2】本発明の前提となる特性を表わす図で、種々の
ガスを用いた場合の基板に入射するイオンのエネルギー
分布を示す。
【図3】本発明に用いる高周波バイアス・スパッター装
置の一例を示す図。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 排気ダクト 3 ターボ分子ポンプ 4 ロータリーポンプ 5 基板 6 サセプター 7 基板ヒーター 8 ターゲット 9 マグネット 10 コンデンサー 11 マッチングボックス 12 高周波電源 13 低周波透過フィルター(ローパスフィルター) 14 直流バイアス電源 15 原料ガス精製装置 16 原料ガスボンベ 17 主バルブ 18 グリッド電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板とターゲットとの間に高周波を印加
    し、さらに前記ターゲットと基板の少なくとも一方に直
    流バイアスを印加してスパッタリングを行なう高周波ス
    パッタリング装置において、 前記基板とターゲットとの間に、前記基板に入射する荷
    電粒子に対する制御電極を設けたことを特徴とする高周
    波スパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 前記高周波として周波数100MHz以
    上の高周波を用いることを特徴とする請求項1に記載の
    高周波スパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 前記制御電極に負バイアスを印加する手
    段と、前記基板バイアスを制御して該基板への入射イオ
    ンエネルギーを調節する手段とを具備したことを特徴と
    する請求項1に記載の高周波スパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 基板とターゲットとの間に高周波を印加
    し、さらに前記ターゲットと基板の少なくとも一方に直
    流バイアスを印加してスパッタリングを行なう高周波ス
    パッタリング装置において、 スパッタリング・ガスとしてArよりも大きな原子量の
    不活性ガスを用いることを特徴とする高周波スパッタリ
    ング装置。
  5. 【請求項5】 前記高周波として、周波数が100MH
    z以下の高周波を用いることを特徴とする請求項4に記
    載の高周波スパッタリング装置。
  6. 【請求項6】 前記不活性ガスがXeであることを特徴
    とする請求項4に記載の高周波スパッタリング装置。
  7. 【請求項7】 前記不活性ガスがKrであることを特徴
    とする請求項4に記載の高周波スパッタリング装置。
  8. 【請求項8】 前記基板を保持するサセプターに前記直
    流バイアスを印加することを特徴とする請求項4に記載
    の高周波スパッタリング装置。
JP35245792A 1992-12-11 1992-12-11 高周波スパッタリング装置 Pending JPH06179968A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5565738A (en) * 1994-05-12 1996-10-15 Nec Corporation Plasma processing apparatus which uses a uniquely shaped antenna to reduce the overall size of the apparatus with respect to the plasma chamber
JP2002520877A (ja) * 1998-07-14 2002-07-09 エーケーティー株式会社 半導体とその他の薄膜の視準スパッタリング
JP2011515577A (ja) * 2008-03-14 2011-05-19 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド ウェハー表面に等方性イオン速度分布源がある物理的気相堆積法
US9017535B2 (en) 2007-10-04 2015-04-28 Canon Anelva Corporation High-frequency sputtering device

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