JP3441746B2 - バイアススパッタ方法およびその装置 - Google Patents

バイアススパッタ方法およびその装置

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JP3441746B2 JP29889392A JP29889392A JP3441746B2 JP 3441746 B2 JP3441746 B2 JP 3441746B2 JP 29889392 A JP29889392 A JP 29889392A JP 29889392 A JP29889392 A JP 29889392A JP 3441746 B2 JP3441746 B2 JP 3441746B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】本発明は、半導体製造工程において
基板に成膜処理を施す、特にバイアススパッタ法および
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウェーハ等の基板上に薄膜
を形成する一つの方法としてスパッタリング法が用いら
れている。一般のスパッタリング法では、真空容器内に
10-3〜10-2[Torr]程度の真空状態を形成し、
ターゲット材を保持したスパッタ電極に直流電力または
高周波電力を印加してプラズマ放電を起こし、陰極降下
電圧により陽イオンを陰極であるスパッタ電極に加速衝
撃し、この衝撃によってスパッタ電極に設置されたター
ゲット材から放出された原子を真空槽内に設置した基板
上に堆積することにより薄膜が形成される。
【0003】本発明はその中でもバイアススパッタ法に
関するものであり、以下に従来のバイアススパッタ法に
ついて説明する。
【0004】図17は従来のバイアススパッタ法を用い
る装置の概略構成図である。真空容器301の上側壁中
には磁界発生手段302を具備しスパッタ電極304、
下側壁には基板電極306がそれぞれ絶縁物303およ
び305を介して設けられている。基板電極306に上
面には被膜を形成する基板307が固定され、スパッタ
電極304の上面にはターゲット材308が固定されて
いる。基板307は適当なる基板温度制御手段(図示せ
ず)により所定の温度に保たれる。真空容器301は適
当なる真空排気手段(図示せず)によって高真空まで排
気した後、適当なるガス導入手段(図示せず)によって
アルゴンなどのスパッタガスを導入し、数ミリトールか
ら数十ミリトールの圧力に維持される。スパッタ電極3
04の上面に取り付けられたターゲット材308の表面
が負の高電圧となるようにスパッタ電極304にスパッ
タ電源として発振周波数が13.56MHzの高周波電
源309を整合回路を介して接続してある。ターゲット
材308は、一般には基板上に形成する被膜材料で構成
しておく。スパッタ電極304に高電圧が印加される
と、スパッタ電極と基板電極間で放電が起こりプラズマ
が発生する。このプラズマ中のスパッタガスイオン、即
ち通常の場合であればアルゴンイオンがターゲット材3
09の負の高圧電位に引かれてターゲット材309を加
速衝撃する。このためにターゲット材309から成膜形
成する材料が叩き出され、これが基板307に堆積す
る。
【0005】基板電極306には基板バイアス電源31
0が接続されている。基板バイアス電源は直流電源また
は高周波電源が用いられる。基板電極306と基板バイ
アス電源310との目的は基板表面に所望の電位を与え
ることである。一般的には、基板バイアス電源により基
板表面電位の直流成分は成膜中は、ある一定の電位に保
たれることが多い。基板表面電位はプラズマ空間電位よ
りも低いためプラズマ中のアルゴンイオンは、プラズマ
空間電位と基板表面電位との差に相当するエネルギーを
もって基板表面をも加速衝撃する。よって基板表面電位
を制御することにより、基板表面を加速衝撃するアルゴ
ンイオンのエネルギーを制御することができ、その結果
基板表面に堆積する薄膜の膜質(硬度、結晶性など)、
基板との密着性、段差被覆性などを改善することができ
る。
【0006】また、図18に示す従来装置のようにスパ
ッタ電極401および基板電極402以外にもターゲッ
ト材404近傍または基板405近傍に新たに第3の電
極403を設置して、その電極とアース間に直流電圧を
印加した状態で薄膜を形成する方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】半導体デバイスなどの
高性能化と高集積化が進むなかで、バイアススパッタ法
などの膜形成技術により得られる半導体製品用の膜
(層)に対する膜質などの品質における要求もより厳格
となっている。
【0008】しかしながら、従来のバイアススパッタ法
を用いる装置で作成した膜には以下のような問題点があ
る。 1)段差部への堆積に際し、段ぎれを起こしやすい(ス
テップカヴァレッジ性が悪い)。 2)Si(111)基板のような条件の異なる基板上の
エピタキシャル膜中には非常に多くの積層欠陥を中心と
した欠陥が生成する。
【0009】これらの問題点の主な原因はアルゴンイオ
ンの照射量が少ないため、エピタキシャル成長する原子
(例えばSi)のもつエネルギーがまだ小さく、表面マ
イグレーションが不足しているためである。
【0010】このためエピタキシャル成長する原子のも
つエネルギーを大きくするには、従来の13.56MH
zの周波数より高い100MHz以上の高周波電力を利
用して基板に入射するアルゴンイオンなどの陽イオンの
エネルギー分布やエネルギーピーク値を制御して、より
高品質の堆積膜形成が試みられている。
【0011】しかし100MHz以上の高周波電力によ
る放電は、スパッタ電極であるターゲット部と基板電極
である基板部との間での放電を試みても、放電が真空容
器全体に広がり投入電力の効率低下だけでなく真空容器
壁近傍でのプラズマ密度が増加し真空容器材自身のスパ
ッタリングによる膜中への不純物混入といった問題を引
き起こす。
【0012】このため放電の広がりを防止するには、図
18に示すように第3の電極をスパッタ電極および基板
電極の回りを内包するように設置し、第3の電極に直流
電位を印加して電極材のスパッタリングを防止しつつ真
空槽と放電空間の分離を図る必要があった。この図18
に示す従来装置構成による第3の電極電位印加に対する
基板上の堆積膜含有Fe濃度を図19に示す。図19に
示すように第3の電極に直流電位として正電位を印加す
ることで、膜中に混入するFe濃度が低減され真空槽壁
のスパッタリングを防止することが判る。
【0013】しかし、高品質な膜を形成する場合、その
膜材料に応じて基板に入射するアルゴンイオンなどの陽
イオンのエネルギー分布やエネルギーピーク値を制御す
ることがが重要視されている。特にSiウエハ上でのエ
ピタキシャル成長をスパッタリング法あるいはバイアス
スパッタ法にて行う場合、成膜環境のクリーン化と入射
イオンエネルギー制御が重要であることが指摘されてい
る。この入射イオンエネルギー制御は低エネルギーイオ
ンを基板上に入射させる必要があり、この低エネルギー
制御範囲をどれだけ広げられるかが問題となっている。
【0014】さらに、従来のバイアススパッタ法を用い
る装置では、入射イオンエネルギーの制御性は乏しく、
即ちアルゴンイオンのエネルギーは、プラズマ空間電位
と基板表面電位との差に依存し、従来のバイアススパッ
タ法では基板表面電位を成膜中はある一定の値に保つた
めプラズマ空間電位が種々の原因(圧力、ガス流量、電
力などの放電パラメータの変動、ターゲット形状の変
動、ターゲット、真空容器、整合回路等の温度の変動な
ど)により変動した場合、基板表面を加速衝撃するアル
ゴンイオンのエネルギーも変動する。その結果基板表面
に堆積する薄膜の膜質(硬度、結晶性など)、基板との
密着性、段差被覆性などの制御性が乏しくなるという問
題点がある。
【0015】本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑
みてなされたものであって、基板上に入射する陽イオン
の入射エネルギーを制御することで、高品質な膜を形成
するバイアススパッタ方法およびその装置を提供するこ
とを目的とする。
【0016】上記目的を解決するための本発明は、真空
容器内に、スパッタリング用のターゲット材を保持する
スパッタ電極と、基板を保持する基板電極と、前記スパ
ッタ電極および前記基板電極間のプラズマ放電空間を内
包する第3の電極とを有し、前記スパッタ電極にプラズ
マ発生用電源が接続され、前記基板電極に直流電源ある
いは高周波電源が接続されるバイアススパッタ装置にお
いて、前記第3電極には−150V以上であって0V以下
である負の直流電圧が印加されるとともに、前記第3の
電極表面にターゲット材が設置されているものや、前記
プラズマ放電空間内に接地電極を設け、該接地電極によ
り占められる放電空間面積を調整するために前記接地電
極を駆動する接地電極駆動機構が設けられているもので
もよい。
【0017】プラズマ放電によりターゲット材をスパッ
タリングさせるとともに、前記プラズマ放電により基板
にイオンを照射しながらターゲット材の構成原子を堆積
させるバイアススパッタ方法において、前記基板にイオ
ンを照射しながら前記ターゲット材のスパッタリングを
行い、前記ターゲット材の構成原子を前記基板に堆積さ
せる工程と、前記基板にイオンを照射するのみで、前記
ターゲット材のスパッタリングは行わない工程とを交互
に繰り返す方法や、スパッタ電極にターゲットを保持さ
せ、そのスパッタ電極に発振周波数が50MHz以上の
高周波電力を印加し、基板電極に基板を保持させ、その
基板電極に直流電圧を印加してプラズマ放電を発生させ
る方法や、ターゲット材を保持するスパッタ電極に高周
波電力と直流電圧を印加するとともに、基板を保持する
基板電極に直流電圧を印加して、前記基板に薄膜堆積を
行うバイアススパッタ装置において、前記スパッタ電極
に接続する高周波電源の発振周波数が50MHz以上で
あり、前記スパッタ電極のターゲット材がスパッタされ
る閾値以下の直流電圧と閾値以上の直流電圧を交互に印
加できる交互印加手段と、前記スパッタ電極に交互に印
加する直流電圧の変化に同期して、前記高周波電源の整
合回路の回路定数を変化させる整合回路制御手段を備え
たものや、ターゲット材を保持するスパッタ電極に高周
波電力を印加するとともに、基板を保持する基板電極に
直流電圧を印加して、前記基板に薄膜堆積を行うバイア
ススパッタ装置において、前記スパッタ電極に接続する
電源周波数が50MHz以上の高周波電源であり、かつ
プラズマ放電空間のフローティング電位を検出するフロ
ーティング電位検出手段と、前記基板電極に印加する直
流電圧を前記プラズマ放電空間のフローティング電位に
基づいて制御する基板電位制御手段を備えているもの
や、ターゲット材を保持するスパッタ電極に高周波電力
を印加するとともに、基板を保持する基板電極に直流電
圧を印加して、前記基板に薄膜堆積を行うバイアススパ
ッタ装置において、前記スパッタ電極に接続する電源周
波数が50MHz以上の高周波電源であり、かつ前記基
板電極と直流電源との間に、前記基板に流れる電流値を
検出するための高周波電流検出手段と、前記電流値に基
づいて前記直流電源の基板直流電圧を制御する基板電位
制御手段とを備えたものでもよい。
【0018】
【作用】上記構成のとおりの本発明に係るバイアススパ
ッタ装置は、基板電極駆動機構により基板電極を駆動さ
せてプラズマ放電空間のコンダクタンスを大きくした
後、真空容器を超高真空状態になるまで排気口により排
気される。超高真空状態に到達した後、基板電極を基板
駆動機構により所望の位置に調節しガス導入口よりスパ
ッタガスを導入する。
【0019】次に、基板が配置される基板電極に正電
位、ターゲット材が配置された第3の電極に負の高電位
をそれぞれ直流電源より印加する。そして、ターゲット
材を保持したスパッタ電極に、高周波電源より高周波電
力と直流電源より負の高電位を印加することで、スパッ
タ電極と基板電極との間に放電が起こりプラズマが発生
する。このプラズマ中のスパッタガスイオンが基板電極
および第3の電極の負の高電位に引かれて各ターゲット
材に加速衝撃される。このため、ターゲット材からそれ
を構成する材料が叩き出され、これが基板に堆積する。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
以下に説明する。
【0021】(第1実施例)図1は本発明の第1実施例
を示す概略構成図である。
【0022】本実施例の装置は真空容器8を有し、真空
容器8の上側内壁にはスパッタ電極1が設けられ、これ
と対向する下側内壁には基板電極2が設けられている。
さらに両側壁近傍には、スパッタ電極1と基板電極2と
の間の空間を内包するように第3の電極3が対向して設
けられている。スパッタ電極1および第3の電極3の上
面にはターゲーット材5aおよび5bが固設されてお
り、基板電極2上面には膜が形成される基板6が固設さ
れている。一方、スパッタ電極1にはローパスフィルタ
ーを介した直流電力と整合回路を介した高周波電力が接
続されており、基板電力2にはローパスフィルターを介
した直流電力または整合回路を介した高周波電力がスイ
ッチ7で切り替えられるように接続されている。そし
て、第3の電極3にはローパスフィルターを介した直流
電力が接続されている。
【0023】真空容器8の両側壁のそれぞれの一方には
管を介して冷却ユニットが設けられており、他方には超
真空排気ユニットAが設けられている。真空容器8の下
側壁には電極基板2を上下方向に移動するためのベロー
ズ10が設けられており、基板電極2の下側にはガス導
入排気ユニット9および超真空排気ユニットBが設けら
れている。
【0024】図2はガス導入排気ユニット9の構成を説
明するための斜視図である。この図に示すようにガス導
入排気ユニット9は、その上面にガス吹き出し口9bお
よび排気口9cを交互に配置しており、ガス導入口9a
に導入されたガスを均一に導入、排気するように構成し
ている。以上に構成の装置は、不図示の制御装置により
制御されている。
【0025】次に本実施例の動作について説明する。
【0026】本実施例の装置は、ベローズ10を介して
基板電極2の支持部を下方向に下げ、放電空域のコンダ
クタンスを大きくした後、真空容器8を超高真空排気ユ
ニットAおよびBにて10-8Torr以下まで排気す
る。超高真空状態に到達した後、前記基板電極2の支持
部をベローズ10により所望の位置に調節しガス導入口
9aより10-3〜10-2[Torr]圧力程度に調節さ
れたArガスを導入する。
【0027】次に基板6が設置された基板電極2に正電
位(20V程度)とターゲット材5bの設置された第3
の電極3に−100V各々直流電源より印加する。一方
ターゲット5aを保持したスパッタ電極1に100MH
zの高周波電源より100Wの電力と、ローパスフィル
ターを介して−200Vの負電位を直流電源より印加し
て放電を起こし基板6にスパッタリング成膜を行う。
【0028】以下に、本発明の第1実施例の装置と図1
8に示す従来装置とを比較した実験結果を示す。
【0029】(比較例1)本発明の第1実施例の装置構
成にてファラデーカップ法を用い基板入射イオンエネル
ギーを測定したデータを図3に示す。この結果に示すよ
うに従来装置の第3の電極3に正電位を印加することに
比べ、本実施例のような負電位を印加することは基板入
射イオンの低エネルギー側の制御範囲が広げられること
が判る。
【0030】(比較例2)本実施例の装置(図1参照)
と図18に示す従来装置とでの成膜比較は、ターゲット
材5aおよび5bをSiターゲット、基板6をSi(1
00)ウエーハとしてSi成膜(Si膜厚は1000
A)での結晶性とデバイス特性評価の手段の一つである
電子易動度の比較を行った。結晶性を比較するため、各
装置構成の基板温度210℃〜350℃におけるSi成
膜のRHEED(電子線回析)の測定データを表1に示
す。
【0031】
【表1】 電子線回折像 Si膜厚:1000Å ◎:菊池線 ○:ストリーク ×:ハロー この領域でのRHEED(電子線回折)による回析パタ
ーンは十分エピタキシャルを示し、低エネルギー側の効
果が顕著に認められない。次にホール効果による電子易
動度の測定データを表2に示す。
【0032】
【表2】 RHEED(電子線回折)のパターンでは顕著な差が認
められなかったが、実際の膜の電気特性を測定すると、
基板入射イオンの低エネルギー化は高品質な膜を形成し
ていることが示されている。
【0033】(比較例3)また、図18に示す従来装置
における第3電極3の正電位印加と、本発明の負電位印
加時の成膜速度を表3に示す。
【0034】
【表3】 成膜速度において、従来装置での正電位印加に比べて本
発明での第3の電極に−150V印加した場合は約2倍
の成膜速度を得た。
【0035】(第2実施例)図4は、本発明の第2実施
例を示す概略構成図である。
【0036】本実施例の装置は、上述した第1実施例と
ほぼ同様の構成であるので、第1実施例と異なる構成に
ついてのみ説明する。
【0037】本実施例の真空容器18の上側壁には上下
方向に移動可能な接地電極駆動機構としてのベローズ2
1が設けられており、ベローズ21には、第3の電極1
3とスパッタ電極11との隙間に介在するように接地電
極としてのアース電極14が取り付けられている。ま
た、本実施例の装置は、第1実施例と同様に不図示の制
御装置に制御されている。
【0038】次に本実施例の装置の動作について説明す
る。
【0039】本実施例の装置は、ベローズ20を介して
基板電極12の支持部を下方向に下げ、放電空域のコン
ダクタンスを大きくした後、真空容器18を超高真空排
気ユニットAおよびBにて10-8Torr以下まで排気
する。超高真空状態に到達した後、前記基板電極12の
支持部をベローズ20により所望の位置に調節しガス導
入口より10-3〜10-2[Torr]圧力程度に調節さ
れたArガスを導入する。
【0040】次いで、ベローズ21を介したアース電極
14により放電空間内に占めるアース面積を調整した
後、基板16の設置された基板電極12に正電位(20
V)とターゲット材15bの設置された第3の電極3に
−100V各々直流電源より印加する。一方ターゲット
15aを保持したスパッタ電極11に100MHzの高
周波電源より100Wの電力と、ローパスフィルターを
介して−200Vの負電位を直流電源より印加して放電
を起こしスパッタリング成膜を行う。このアース電極1
4を挿入した時の基板入射イオンエネルギーの結果を図
5に示す。
【0041】図5は基板入射イオンエネルギー制御範囲
の最小値を示した図である。アース電極14を挿入する
ことで、入射イオンエネルギーの最小値が極小値をもつ
ことが判る。これにより基板入射イオンエネルギーの制
御範囲を特に低エネルギー側に広げる手段が得られる。
【0042】(第3実施例)図6は本発明の第3実施例
を示す概略構成図である。この図において本実施例の装
置は真空容器31を有し、真空容器31の両側内壁のそ
れぞれには、一方に磁生発生手段を有するスパッタ電極
33が、他方にヒータを内蔵した基板電極35が対向し
て設けられている。基板電極35の上面には基板34が
固定されており、基板電極35から真空容器31外部に
は基板34の電位を決める直流電源39と接続されたロ
ーパルスフィルター40が接続されている。また、スパ
ッタ電極33の上面にはターゲット材32が固定されて
おり、スパッタ電極33から真空容器31外部には、ロ
ーパスフィルター41を介した直流電力38と整合回路
37を介した発振周波数が50MHz以上の高周波電力
とがそれぞれ接続され、整合回路37と直流電流38を
交互制御する交互印加手段42が接続されている。
【0043】図7は、本実施例の交互印加手段によるス
パッタ法の特徴を表わす成膜タイムチャートである。図
7(a)に示すように、堆積速度はある値とゼロを繰り
返しているが、その間に基板に入射するイオン量は図7
(b)に示すように一定に保たれている。その結果、例
えば時間T1 −T2 間の成膜においては、基板に堆積す
る原子の表面マイグレーションは、従来と同程度である
が、時間T2 −T3 間では、堆積速度がゼロであるた
め、基板に入射するイオンは時間T2 以前に基板に飛来
した堆積原子にエネルギーを与え、表面マイグレーショ
ンを増加させることができる。
【0044】次に本実施例の動作について説明する。
【0045】真空容器31にガス供給系より、例えばA
rガスを導入するとともに、ターゲット材32と基板3
4との間に高周波電源からの通電でプラズマ放電を生じ
させると、Arガスは電離されてAr+ イオンを生じ、
その一部はターゲット材32と基板34に照射される。
基板34に照射されるAr+ イオンのエネルギーは、ロ
ーパスフィルター49を介して基板電極35に接続され
た直流電源39で制御できる。また、ターゲット材32
に照射されるAr+ イオンのエネルギーは、ローパスフ
ィルター41を介して、ターゲット材32に接続された
直流電源38で制御できる。
【0046】直流電源38は交互印加手段42からの制
御信号により、ターゲット材32がスパッタされる閾値
以下のDCバイアスと閾値以上のDCバイアスを交互に
ターゲット材32に印加する。また、整合回路制御手段
より整合回路37は、交互印加手段42からのDCバイ
アスの変化と同期した制御信号に基づいて、整合回路定
数を変化させプラズマを安定に維持する。
【0047】次いで、本実施例の実験結果を以下に説明
する。
【0048】(実験1)図6に示したバイアススパッタ
装置を使用して、図7に示した成膜方法でSi膜を成膜
した。
【0049】ターゲット材にはn型5インチSiを用
い、ターゲット材中のP濃度は、1.8×1018cm-3
であった。
【0050】基板はP型FZ(100)4インチSiウ
ェハー(B濃度1.0×1015cm -3)であり、半面は
ベアシリコン、半面は熱酸化膜をパターニングしたもの
を用いた。
【0051】この基板を通常のウエット洗浄した後、真
空容器内に導入し、基板温度を250℃にした。この時
のバックグラウンド真空度は2×10-10 Torrであ
った。次にArガスをガス供給系から導入し、真空容器
内の圧力を8mTorrとした。Si膜の成膜前に、基
板側DC電圧、ターゲット材側DC電圧を所定値に設定
し、高周波電力を投入することによりAr+ イオン照射
による基板表面クリーニングを行った。基板表面クリー
ニング条件を以下に示す。
【0052】基板表面クリーニング条件 ・高周波電源発振周波数 80MHz ・高周波電力 10W ・ターゲット材側DC電圧 −15V ・基板側DC電圧 +8V ・基板温度 250℃ ・Arガス圧 8mTorr ・時間 5分 続いて基板温度を250〜500℃(250、300、
350、400、450、500℃)に上げ、ターゲッ
ト材側DC電圧が図8に示すタイムチャートで変化する
ような交互印加手段を設定し、他の成膜条件は以下に示
す条件でSi成膜を行った。 ・高周波電源発振周波数 80MHz ・高周波電力 200W ・基板側DC電圧 +3V ・Arガス圧 8mTorr ・時間 15分 ターゲット材側DC電圧が−20Vの時の上記条件での
堆積速度は0(Å/s)であることは確認した。ターゲ
ット材側DC電圧が−200Vの時の堆積速度は2.2
(Å/s)であった。
【0053】薄膜の評価はベアシリコン上の薄膜に関し
て、電子線回析による結晶解析、四探針法による抵抗測
定、パターニング部よりSEM観察によるステップカバ
レージ性、p−n接合の逆方向電流密度の評価を行っ
た。評価結果を表4に示す。
【0054】
【表4】 記実施例の比較例として、Si成膜時のターゲット材側
DC電圧は、常時−200V、成膜時間は7.5分と
し、他のSi成膜条件および基板表面クリーニング条件
は上記実施例と同一でSi成膜を行った。評価結果を表
5に示す。
【0055】
【表5】 以上の結果から本発明がSi膜のステップカバレージの
改善、結晶性の改善およびそれに伴う電気特性の改善に
著しく効果があることが判明した。
【0056】(実験2)基板としてP型(B 1×10
15cm-3ドープ)Si(111)FZウェハーを用いた
ことを除き、実験1と同じ装置を用い、同様にしてSi
薄膜を成膜した基板を得た。基板表面クリーニング条件
及び成膜条件を以下に示す。
【0057】 基板表面クリーニング Si成膜 ・高周波電源発振周波数 80MHz 80MHz ・高周波電力 10W 200W ・ターゲット材側DC電圧 −15V −200Vと −20Vの繰り返し ・基板側DC電圧 +8V +3V ・基板温度 250℃ 350℃ ・Arガス圧 8mTorr 8mTorr ・時間 5分 15分 Si薄膜の物性およびステップカバレージに関しては、
実験1で示した基板温度350℃のものとほぼ同一の性
質を示す非常に良好なものが得られた。比較例としてS
i成膜時のターゲット材側DC電圧を−200V、成膜
時間は7.5分として、従来法でSi成膜を行ったが、
エピタキシャル成長膜は得られなかった。
【0058】以上説明したような本実施例は、50MH
z以上の発振周波数の高周波電源でプラズマを生成する
ため、ターゲット材に発生するセルフバイアスは小さ
い。
【0059】図9は、図6に示す本実施例の装置の従来
の装置構成を表わした図である。この図9に示す従来例
と同じ構成の装置で、例えば高周波電力100W、放電
圧力8mTorrで高周波電源の発振周波数を変化させ
た時のターゲット材のセルフバイアスの変化を図10に
示す。この図10に示すように発振周波数50MHz以
上の場合、使用するターゲット材のスパッタ閾値に対し
て、高周波電力、放電圧力を適当に選べば容易にターゲ
ット材に印加するDCバイアスの大きさを制御すること
ができる。このため、基板にイオンを照射しながらター
ゲット材のスパッタを行い、ターゲット材の構成原子を
基板に堆積させる工程と、ターゲット材のスパッタは行
わず、基板にイオンを照射する工程とを交互に実行でき
る。
【0060】(第4実施例)図11は本発明の第4実施
例を示す概略構成図である。この図に示すように本実施
例の装置は真空容器51を有し、真空容器51の下側壁
には磁生発生手段52を有するスパッタ電極54が絶縁
物53を介して設けられており、真空容器51の上側壁
にはスパッタ電極54と相対するように基板電極56が
絶縁物55を介して設けられている。スパッタ電極54
の上面にはターゲット材58、基板電極56の上面には
基板57が保持されている。
【0061】また、基板57は適当なる基板温度制御手
段(図示せず)により所定の温度に保たれる。真空容器
51は適当なる真空排気手段(図示せず)によって高真
空まで排気した後、適当なるガス導入手段(図示せず)
によってアルゴンガスを導入し、数ミリトールから数十
ミリトールの圧力に維持される。スパッタ電極54の前
面に取り付けられたターゲット材58の表面が負の高電
圧となるようにスパッタ電極54にスパッタ電源として
高周波電源59を整合回路を介して接続する。
【0062】基板電極56には基板バイアス電源60が
接続されている。基板バイアス電源60は直流電源また
は高周波電源が用いられる。また基板電極56には、基
板表面電位検出手段61を介して基板電位制御手段65
が接続されている。基板電極56の近傍には真空容器5
1と絶縁物63を介してプラズマ空間のフローティング
電位計測電極62がある。フローティング電位計測電極
62にはフローティング電位検出手段64を介して基板
電位制御手段65が接続されている。基板電位制御手段
65は基板バイアス電源60が接続されている。基板電
位制御手段65は基板表面電位検出手段61とフローテ
ィング電位検出手段64からの信号に基づいて基板バイ
アス電源60を制御できるよう構成している。
【0063】次に本実施例の装置の動作について説明す
る。
【0064】スパッタ電極54に高電圧が印加される
と、スパッタ電極と基板電極間で放電が起こりプラズマ
が発生する。このプラズマ中のアルゴンイオンはターゲ
ット材58の負の高圧電位に引かれてターゲット材58
に加速衝撃する。このためにターゲット材58からそれ
を構成する材料が叩き出され、これが基板57に堆積す
る。またプラズマ中のアルゴンイオンは、プラズマ空間
電位と基板表面電位との差に相当するエネルギーを持っ
て基板表面をも加速衝撃する。基板表面電位検出手段6
1とフローティング電位検出手段64からの信号に基づ
いて、基板表面電位とフローティング電位の差が所望す
る一定値になるように基板電位制御手段65は基板バイ
アス電源60を制御する。プラズマ空間電位が種々の原
因(圧力、ガス流量、電力などの放電パラメータの変
動、ターゲット材、真空容器、整合回路などの温度の変
動など)により変動してもフローティング電位もほぼ追
随して変動する。
【0065】図12は、図11に示す装置において、一
般的なプラズマ計測手段である単探針静電プローブ法に
より、プラズマ空間電位とプラズマ空間のフローティン
グ電位を測定し、その経時変化を示した図である。
【0066】この図に示すにようにプラズマ空間電位の
変動に追随してフローティング電位も変動して、その差
はほぼ一定に保たれている。よってフローティング電位
と基板表面電位の差が一定になるように基板表面電位制
御手段65が基板バイアス電源60を制御すれば、プラ
ズマ空間電位と基板表面電位との差を一定に保つことが
でき、このため、基板表面を加速衝撃するアルゴンイオ
ンのエネルギーを一定に保つ安定した制御が可能とな
る。
【0067】プラズマ空間電位を検出してプラズマ空間
電位と基板表面電位の差が一定になるように基板バイア
ス電源を制御する方がより直接的ではあるが、一般的な
プラズマ空間電位検出手段である単探針静電プローブ法
では、プラズマ内に金属針を挿入し、プラズマと接触す
る真空容器との間にある電圧(V)を加えて金属針に流
れる電流(I)を測定し、V−I特性から算出してプラ
ズマ空間電位を求めるため、瞬時にプラズマ空間電位を
検出することは困難であり、また測定システムが高価で
あるため実用的ではない。それに比べて、フローティン
グ電位の検出は、例えばプラズマ内に真空容器とは電気
的に絶縁された金属針を挿入し、単に金属針の電位を測
定すればよいだけであるので、瞬時に行うことができ、
測定システムも安価になり、実用的である。
【0068】図13は、図11に示す装置において高周
波電源59の発振周波数を13.56MHzから130
MHzまで変化させ、高周波電力100W、アルゴン圧
力7ミリトールで放電した場合の、接地電位に保たれた
基板表面に入射してくるアルゴンイオンのエネルギー分
布を、静電レンズ型のイオンエネルギー計測手段で測定
した結果である、アルゴンイオンのエネルギー分布のピ
ークエネルギー値、エネルギー分布の広がりを示すエネ
ルギー分布の半値巾およびピークエネルギー値を持った
アルゴンイオンの相対数と発振周波数の関係を示した図
である。
【0069】この図に示すように発振周波数が大きくな
るに従い、ピークエネルギー値、半値巾とも小さくな
り、エネルギー分布が、低エネルギー化しシャープにな
った。特に発振周波数が50MHz以上でエネルギー分
布が顕著にシャープになった。よって、図11に示す装
置においてターゲット材に発振周波数が50MHz以上
の高周波電源を接続して、かつ基板表面電位とプラズマ
空間のフローティング電位との差を所望する一定値に保
つことにより、基板に入射してくるアルゴンイオンのエ
ネルギーの制御範囲を大幅に改善することができ、特に
シャープなエネルギー分布を持った低エネルギーのアル
ゴンイオンの安定した加速衝撃が可能となり、イオンダ
メージの非常に少ない高品質な膜の堆積が可能となっ
た。ここで注意しておきたいのは、例えターゲット材に
発振周波数が50MHz以上の高周波電源を接続して
も、基板表面電位を成膜中は一定に保つ従来の制御装置
では、プラズマ空間電位の変動が生じた場合に、基板表
面にシャープな分布を持った高エネルギーのアルゴンイ
オンが入射する危険性があり、安定した、イオンダメー
ジの少ない膜の堆積は困難である。
【0070】図11に示す装置において、ターゲット材
にSiターゲット、基板にSi基板、スパッタ電源に発
振周波数が90MHzの高周波電源を用い、基板表面電
位は、基板表面電位−フローティング電位=10Vにな
るように設定し、以下に示す成膜条件でSi基板上にS
i膜を堆積した。
【0071】・基板温度 300℃ ・高周波電力 400W ・アルゴンガス圧 8mTorr ・時間 60分 電子線回折により、堆積したSi膜の結晶性を評価する
と単結晶膜であった。また成膜初期の基板表面電位は1
2Vであり、成膜終了時の基板表面電位は19Vであっ
た。
【0072】図14は、図11に示す本実施例の装置の
従来の装置構成を表わした図である。
【0073】上記Si成膜の比較例として、図14に示
す従来装置で基板バイアス電源として直流電源を用い基
板表面電位を12Vに固定し、他の成膜条件は上記実施
例と同一でSi成膜を行い、Si膜の結晶性を評価した
ところアモルファス膜であった。
【0074】バイアススパッタ法によるSi膜の結晶性
は、基板表面を加速衝撃するアルゴンイオンの数eVの
変化に対してアモルファス膜から単結晶膜まで大きく変
化する特徴があり、本実施例のスパッタリング装置は、
特にSi膜の結晶性の制御性向上に著しい効果がある。
【0075】(第5実施例)図15は本発明の第5実施
例を示す概略構成図である。
【0076】本実施例は装置本体である真空容器の構成
において第4実施例とほぼ同様の構成であるので、真空
容器外部に設けられている制御手段の構成についてのみ
説明する。
【0077】図15に示すように基板電極76には基板
バイアス電源80が接続されている。基板バイアス電源
80は制御性のよい直流電源が用いられる。基板電極7
6と基板バイアス電源80との間にはローパスフィルタ
ー83が接続され、基板バイアス電源80側への高周波
の漏れを防止している。基板電極76とローパスフィル
ター83との間には、基板77に流れるプラズマの電流
を検出する高周波電流検出手段82が設けられている。
この高周波電流検出手段82からの信号をもとに、基板
電位制御手段84は基板バイアス電源80を制御するよ
うに構成されている。
【0078】次に本実施例の装置の動作について説明す
る。
【0079】スパッタ電極74に高電圧を印加すると、
スパッタ電極74と基板電極76間で放電が起こりプラ
ズマが発生する。このプラズマ中のアルゴンイオンはタ
ーゲット材78の負の高圧電位に引かれてターゲット材
78に加速衝撃する。このためにターゲット材78から
それを構成する材料が叩き出され、これが基板77に堆
積する。またプラズマ中のアルゴンイオンは、プラズマ
空間電位と基板表面電位との差に相当するエネルギーを
持って基板表面をも加速衝撃する。高周波電流検出手段
82からの信号に基づいて、イオン電流と電子電流の比
率が所望する一定値になるように基板電位制御手段84
は基板バイアス電源80を制御する。プラズマ空間電位
が種々の原因(圧力、ガス流量、電力などの放電パラメ
ータの変動、ターゲット材、真空容器、整合回路などの
温度の変動など)により変動しても基板77に入射する
イオン電流と電子電流の比率は変動しない。
【0080】図16は、図15に示す装置において、一
般的なプラズマ計測手段である単探針静電プローブ法に
より、プラズマ空間電位と高周波電流電源によるイオン
ー電子電流比率一定における基板バイアス電源電圧の経
時変化を示した図である。
【0081】この図に示すにようにプラズマ空間電位の
変動に追随して高周波電流検出手段82によるイオン−
電子電流比率一定にするように制御された基板バイアス
電源80電圧を変化させることにより基板に入射するイ
オンエネルギー(=プラズマ空間電位−基板表面電位)
はほぼ一定に保たれている。よって高周波電流検出手段
82によって検出されるイオン電流と電子電流の比率を
所望する一定値になるように基板バイアス電源80を制
御すれば、プラズマ空間電位と基板表面電位との差を一
定にすることができ、そのため、基板表面を加速衝撃す
るアルゴンイオンのエネルギーを一定に保つ安定した制
御が可能になる。
【0082】本実施例も同様に第4実施例の図13に示
すように、発振周波数が大きくなるに従い、ピークエネ
ルギー値、半値巾とも小さくなり、エネルギー分布が、
低エネルギー化しシャープになった。特に発振周波数が
50MHz以上でエネルギー分布が顕著にシャープにな
った。よって、図15に示す装置においてターゲット材
に発振周波数が50MHz以上の高周波電源を接続し
て、かつ高周波電流検出手段により検出されるイオン電
流と電子電流の比率を所望する一定値に保つことによ
り、基板に入射してくるアルゴンイオンのエネルギーの
制御範囲を大幅に改善することができ、特にシャープな
エネルギー分布を持った低エネルギーのアルゴンイオン
の安定した加速衝撃が可能となり、イオンダメージの非
常に少ない高品質な膜の堆積が可能となった。ここで注
意しておきたいのは、例えターゲット材に発振周波数が
50MHz以上の高周波電源を接続しても、基板表面電
位を成膜中は一定に保つ従来の制御装置では、プラズマ
空間電位の変動が生じた場合に、基板表面にシャープな
分布を持った高エネルギーのアルゴンイオンが入射する
危険性があり、安定した、イオンダメージの少ない膜の
堆積は困難である。
【0083】図15に示す装置において、ターゲット材
にSiターゲット、基板にSi基板、スパッタ電源に発
振周波数が90MHzの高周波電源を用い、基板表面電
極は高周波電流検出手段の電流値でイオン電流:電子電
流=1:2になるように設定し、以下に示す成膜条件で
Si基板上にSi膜を堆積した。
【0084】・基板温度 300℃ ・高周波電力 400W ・アルゴンガス圧 8mTorr ・時間 60分 電子線回折により、堆積したSi膜の結晶性を評価する
と単結晶膜であった。また成膜初期の基板表面電位は1
2Vであり、成膜終了時の基板表面電位は19Vであっ
た。
【0085】上記Si成膜の比較例として、図17に示
す従来装置で基板バイアス電源として直流電源を用い基
板表面電位を19Vに固定し、他の成膜条件は上記実施
例と同一でSi成膜を行い、Si膜の結晶性を評価した
ところアモルファス膜であった。
【0086】次に図15に示す装置において、ターゲッ
ト材として金属配線によく用いられるAlターゲット、
基板にSi基板、スパッタ電源に発信周波数が60MH
zの高周波電源を用い、基板表面電位は高周波電流検出
手段の電流値でイオン電流:電子電流=3:1になるよ
うに設定し、以下に示す成膜条件でSi基板上にAl膜
を堆積した。
【0087】・基板温度 300℃ ・高周波電力 250W ・アルゴンガス圧 8mTorr ・時間 15分 成膜後に450℃でアニールを30分行なった結果、A
l膜の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で確認したと
ころ異常な突起(ヒルロック)は観察されなかった。ま
た、成膜初期の基板表面電位は−15Vであり、成膜終
了時の基板表面電位は−20Vであった。
【0088】上記Al成膜の比較例として、図17に示
す従来装置で基板バイアス電源として直流電源を用い基
板表面電位を−15Vに固定し他の成膜条件は上記実施
例と同一でAl成膜を行ない同様のアニールを行なった
ところ、Al膜表面の至るところに突起が観察された。
【0089】以上本実施例ではSiおよびAlについて
本発明のスパッタリング装置による効果を示したが、本
発明の装置は他の金属膜や半導体膜においても同様の効
果がある。
【0090】
【発明の効果】以上のように説明した本発明に係るバイ
アススパッタ装置は、以下に記載する効果を奏する。
【0091】請求項1および2に記載の本発明に係る装
置は、スパッタ電極と基板電極とが対向してなるプラズ
マ放電空間を内包するように設けられた第3の電極の電
極表面にターゲット材を設け、第3の電極に−150V以
上であって0V以下である負の直流電位を印加するの
で、プラズマ放電空間の陽イオンをスパッタ電極同様に
積極的に取り除くため基板電極に正の直流電位を印加し
て基板電極への電子電流流入を増加させてもプラズマの
中性状態を十分維持し、陽イオンの基板入射エネルギー
の制御範囲(特に低エネルギー方向)を広げられる。ま
た、このような第3の電極に負電位を印加することによ
るFeなどの膜中に混入する不純物の増加も、電極自身
の表面を基板に堆積させるターゲット材にて構成するこ
とにより、真空槽外壁部スパッタリングによる不純物の
混入を防止することができ、さらに成膜の堆積速度の向
上を得ることができる。
【0092】請求項3および請求項4に記載の本発明に
係る方法は、基板にイオンを照射しながら、ターゲット
のスパッタを行い、ターゲットの構成原子を基板に堆積
させる工程とターゲットのスパッタは行わず基板にイオ
ンを照射する工程とを交互に繰り返すことにより、従来
の基板にイオンを照射しながらターゲットのスパッタを
行いターゲットの構成原子を基板に堆積させる工程のみ
で薄膜を形成する方法よりも、実効的に基板に照射する
イオンと堆積する原子との比(イオン/堆積原子)を大
きくすることができ、堆積原子の表面マイグレーション
の増加によるステップカバレージの改善、結晶性の改善
が実行できる。
【0093】請求項に記載の本発明に係る装置は、ス
パッタ電極に接続する高周波電源の発振周波数が50H
Mz以上であり、前記スパッタ電極のターゲット材がス
パッタされる閾値以下の直流電圧と閾値以上の直流電圧
を交互に印加できる交互印加手段と、前記スパッタ電極
に交互に印加する直流電圧の変化に同期して、前記高周
波電源の整合回路の回路定数を変化させる整合回路制御
手段を備えたことにより、50MHz以上の発振周波数
の高周波電源でプラズマを生成するため、ターゲット材
に発生するセルフバイアスは小さい。よって発振周波数
50MHz以上であれば、使用するターゲット材のスパ
ッタ閾値に対して、高周波電力、放電圧力を適当に選べ
ば容易にターゲット材に印加する直流電圧の大きさを制
御することにより、基板にイオンを照射しながらターゲ
ット材のスパッタを行い、ターゲット材の構成原子を基
板に堆積させる工程と、ターゲットのスパッタは行わ
ず、基板にイオンを照射する工程を実行できる。
【0094】また、ターゲット材に印加する直流電圧を
変化させると、プラズマインピーダンスも変化するた
め、直流電圧の変化に同期して、高周波電源の整合回路
の回路定数を変化させれる整合回路制御手段を設けたこ
とにより、プラズマを安定に維持することができる。
【0095】請求項に記載の本発明に係る装置は、プ
ラズマ空間のフローティング電位を検出するフローティ
ング電位検出手段と、基板に印加するバイアス電位をプ
ラズマ空間のフローティング電位に基づいて制御する基
板電位制御手段とを備えたことにより、基板に印加する
バイアス電位をプラズマ空間のフローティング電位に基
づいて制御できるので、プラズマ空間電位が種々の原因
により変動しても、プラズマ空間のフローティング電位
もほぼ追随して変動するため、基板表面を加速衝撃する
ガスイオンのエネルギー値を安定して制御することがで
きる。
【0096】請求項に記載の本発明に係る装置は、ス
パッタ電極に接続する電源周波数が50MHz以上の高
周波電源であり、かつ前記基板電極と直流電源との間
に、前記基板に流れる電流値を検出するための高周波電
流検出手段と、前記電流値に基づいて前記直流電源の基
板直流電圧を制御する基板電位制御手段とを備えたこと
により、50MHz以上の発振周波数で放電を起こし基
板表面に到達するイオンのエネルギー分布を狭くし、か
つ基板に印加する直流電位を基板に入射するイオンの電
流値で制御することができるので、プラズマ空間電位が
種々の原因より変動しても基板表面を加速衝撃するガス
イオンのエネルギー値を安定して制御することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例のガス導入排気ユニットの
構成を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例の装置構成にてファラデー
カップ法を用い基板入射イオンエネルギーを測定したデ
ータを表わした図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す概略構成図である。
【図5】基板入射イオンエネルギー制御範囲の最小値を
示した図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の第3実施例の交互制御手段によるスパ
ッタ法の特徴を表わす成膜タイムチャートである。
【図8】本発明の第3実施例の実験1に使用したターゲ
ット材側DC電圧のタイムチャート。
【図9】図6に示す第3実施例の装置の従来の装置構成
を表わした図である。
【図10】本発明の第3実施例に示すに高周波電源の発
振周波数を変化させた時のターゲット材のセルフバイア
スの変化を表わした図である。
【図11】本発明の第4実施例を示す概略構成図であ
る。
【図12】本発明の第4実施例の装置において、一般的
なプラズマ計測手段である単探針静電プローブ法によ
り、プラズマ空間電位とプラズマ空間のフローティング
電位を測定し、その経時変化を示した図である。
【図13】本発明の第4実施例を示す装置において、ア
ルゴンイオンのエネルギー分布のピークエネルギー値、
エネルギー分布の広がりを示すエネルギー分布の半値巾
およびピークエネルギー値を持ったアルゴンイオンの相
対数と発振周波数の関係を示した図である。
【図14】図11に示す第4実施例の装置の従来の装置
構成を表わした図である。
【図15】本発明の第5実施例を示す概略構成図であ
る。
【図16】本発明の第5実施例の装置において、一般的
なプラズマ計測手段である単探針静電プローブ法によ
り、プラズマ空間電位と高周波電流電源によるイオンー
電子電流比率一定における基板バイアス電源電圧の経時
変化を示した図である。
【図17】従来のバイアススパッタ装置を示す概略構成
図である。
【図18】従来のバイアススパッタ装置を示す概略構成
図である。
【図19】図18に示す従来のバイアススパッタ装置の
第3の電極電位印加に対する基板上の堆積膜含有Fe濃
度を表わした図である。
【符号の説明】
1,11,33,74 スパッタ電極 2,12,35,56,76 基板電極 3,13 第3の電極 5a,5b,15a,15b,32,58,78 タ
−ゲット材 6,16,34,57,77 基板 7,17 スイッチ 8,18,31,51,71 真空容器 9,19 ガス導入排気ユニット 9a ガス導入口 9b ガス吹き出し口 9c 排気口 10 ベロ−ズ 14 ア−ス電極 20,21 ベロ−ズ 36,59,79 高周波電源 37 整合回路 38,39 直流電源 40,41,83 ロ−パスフィルタ− 42 交互印加制御手段 52,72 磁生発生手段 53,55,63,73,74,75 絶縁物 54 スパッタ電極 60,80 基板バイアス電源 61 基板表面電位検出手段 62 フロ−ティング電位計測電極 64 フロ−ティング電位検出手段 65,84 基板電位制御手段 81 ガス導入手段 82 高周波電流検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−287071(JP,A) 特開 平1−201466(JP,A) 特開 平4−48071(JP,A) 特開 昭64−8268(JP,A) 特開 平4−32566(JP,A) 特開 昭62−284076(JP,A) 特開 平3−187996(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 H01L 21/203

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に、スパッタリング用のター
    ゲット材を保持するスパッタ電極と、基板を保持する基
    板電極と、前記スパッタ電極および前記基板電極間のプ
    ラズマ放電空間を内包する第3の電極とを有し、前記ス
    パッタ電極にプラズマ発生用電源が接続され、前記基板
    電極に直流電源あるいは高周波電源が接続されるバイア
    ススパッタ装置において、 前記第3電極には−150V以上であって0V以下である
    負の直流電圧が印加されるとともに、前記第3の電極表
    面にターゲット材が設置されていることを特徴とするバ
    イアススパッタ装置。
  2. 【請求項2】 プラズマ放電空間内に接地電極を設け、
    該接地電極により占められる放電空間面積を調整するた
    めに前記接地電極を駆動する接地電極駆動機構が設けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載のバイアスス
    パッタ装置。
  3. 【請求項3】 プラズマ放電によりターゲット材をスパ
    ッタリングさせるとともに、前記プラズマ放電により基
    板にイオンを照射しながらターゲット材の構成原子を堆
    積させるバイアススパッタ方法において、 前記基板にイオンを照射しながら前記ターゲット材のス
    パッタリングを行い、前記ターゲット材の構成原子を前
    記基板に堆積させる工程と、前記基板にイオンを照射す
    るのみで、前記ターゲット材のスパッタリングは行わな
    工程とを交互に繰り返すことを特徴とするバイアスス
    パッタ方法。
  4. 【請求項4】スパッタ電極にターゲットを保持させ、そ
    のスパッタ電極に発振周波数が50MHz以上の高周波
    電力を印加し、基板電極に基板を保持させ、その基板電
    極に直流電圧を印加してプラズマ放電を発生させること
    を特徴とする特徴とする請求項3記載のバイアススパッ
    タ方法。
  5. 【請求項5】 ターゲット材を保持するスパッタ電極に
    高周波電力と直流電圧を印加するとともに、基板を保持
    する基板電極に直流電圧を印加して、前記基板に薄膜堆
    積を行うバイアススパッタ装置において、 前記スパッタ電極に接続する高周波電源の発振周波数が
    50MHz以上であり、前記スパッタ電極のターゲット
    材がスパッタされる閾値以下の直流電圧と閾値 以上の直
    流電圧を交互に印加できる交互印加手段と、前記スパッ
    タ電極に交互に印加する直流電圧の変化に同期して、前
    記高周波電源の整合回路の回路定数を変化させる整合回
    路制御手段を備えたことを特徴とするバイアススパッタ
    装置。
  6. 【請求項6】 ターゲット材を保持するスパッタ電極に
    高周波電力を印加するとともに、基板を保持する基板電
    極に直流電圧を印加して、前記基板に薄膜堆積を行うバ
    イアススパッタ装置において、 前記スパッタ電極に接続する電源周波数が50MHz以
    上の高周波電源であり、かつプラズマ放電空間のフロー
    ティング電位を検出するフローティング電位検出手段
    と、前記基板電極に印加する直流電圧を前記プラズマ放
    電空間のフローティング電位に基づいて制御する基板電
    位制御手段を備えていることを特徴とするバイアススパ
    ッタ装置。
  7. 【請求項7】 ターゲット材を保持するスパッタ電極に
    高周波電力を印加するとともに、基板を保持する基板電
    極に直流電圧を印加して、前記基板に薄膜堆積を行うバ
    イアススパッタ装置において、 前記スパッタ電極に接続する電源周波数が50MHz以
    上の高周波電源であり、かつ前記基板電極と直流電源と
    の間に、前記基板に流れる電流値を検出するための高周
    波電流検出手段と、前記電流値に基づいて前記直流電源
    の基板直流電圧を制御する基板電位制御手段とを備えた
    ことを特徴とするバイアススパッタ装置。
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