JPH06178404A - 鉄道車両用集電装置 - Google Patents

鉄道車両用集電装置

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JPH06178404A
JPH06178404A JP35887792A JP35887792A JPH06178404A JP H06178404 A JPH06178404 A JP H06178404A JP 35887792 A JP35887792 A JP 35887792A JP 35887792 A JP35887792 A JP 35887792A JP H06178404 A JPH06178404 A JP H06178404A
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lifting
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sliding plate
shaped
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JP35887792A
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Yoshinobu Fujita
吉伸 藤田
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West Japan Railway Co
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West Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】走行時に発生する空力音の低い鉄道車両用集電
装置の提供。 【構成】左右の夫々に設けた昇降装置11,11と、左
右の昇降装置11,11を夫々独立に収納し且つ横断面
形状を流線型とした左右の風切りカバー12,12と、
左右の昇降装置11,11に横架した門型昇降体13と
を備え、門型昇降体13は、風切りカバー12へ挿通し
て昇降装置11,11に連結し且つ横断面形状を流線型
とした左右の柱部24,24と、左右の柱部24,24
に接合し且つ摺板21aを有する梁部25とを備えると
共に、左右両肩部13a−1を左右外側へ向かって行く
程に下るように湾曲形成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気式鉄道車両の屋根
に設けられ、トロリ線から電気を取り入れるための鉄道
車両用集電装置の改良に関するものであって、車両走行
中に発生する空力音の低減に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道車両用集電装置を代表するも
のとしては、図18に示す如く、パンタグラフ1があ
る。このパンタグラフ1は、ベース部2と、ベース部2
の左右両側に運結した枠組管3の二組と、枠組管3,3
の上端に運結した摺板体4と、摺板体4の両端から外側
へ突出したホーン6,6とを備えている。枠組管3,3
は、下枠組管3bと上枠組管3aとを連結したものであ
り、斜管5,5で連結されている。摺板体4は、摺板4
a,4aが取り付けてある。ホーン6,6は、電車線路
の分岐点(ポイント箇所)の上方に設けられた渡り線装
置(図示省略)を案内するものである。パンタグラフ1
は、全体幅W5(例えば、W5=1,880mm)で、
摺板体4が幅W4(例えば、W4=1,110mm)で
ある。
【0003】このパンタグラフ1は、図示は省略した
が、鉄道車両の屋根に碍子を介して配設され、摺板4
a,4aをトロリ線に接触させて集電を行う。パンタグ
ラフ1及び碍子は、車両走行中に走行速度に応じた空気
が当たって空力音を発生する。この空力音は、車両走行
速度が高速になるに伴い増大し、騒音の原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鉄道沿線に
及ぼす騒音対策は、鉄道車両の高速化に伴い生じる必須
の課題である。この騒音対策の一つである集電装置の空
力音の低減は、極めて重要な事項である。しかし、従来
の集電装置は、ベース部2,枠組管3,3及び碍子等の
多くの部材で空気を切るため、空力音を低減させること
が非常に困難である。
【0005】本発明は、上記問題を解決するために、走
行時に発生する空力音の低い鉄道車両用集電装置の提供
を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明が採用した第1の手段は、摺板を昇
降自在に備えた鉄道車両用集電装置において、左右の夫
々に設けた昇降装置と、左右の昇降装置を夫々独立に収
納し且つ横断面形状を流線型とした左右の風切りカバー
と、左右の昇降装置に横架した門型昇降体とを備え、該
門型昇降体は、上記風切りカバーヘ摺動自在に嵌合して
前記昇降装置に連結し且つ横断面形状を流線型とした左
右の柱部と、左右の柱部に接合し且つ前記摺板を有する
梁部とを備えると共に、左右両肩部を左右外側ヘ向かっ
て行く程に下るように湾曲形成したことを特徴とする鉄
道車両用集電装置である。
【0007】本発明が採用した第2の手段は、摺板を昇
降自在に備えた鉄道車両用集電装置において、左右の昇
降具を連動具で連結した昇降装置と、左右の昇降具を夫
々独立に収納し且つ横断面形状を流線型とした左右の風
切りカバーと、左右の昇降具に横架した門型昇降体とを
備え、該門型昇降体は、上記風切りカバーヘ摺動自在に
嵌合して前記昇降具に連結し且つ横断面形状を流線型と
した左右の柱部と、左右の柱部に接合し且つ前記摺板を
有する梁部とを備えると共に、左右両肩部を左右外側へ
向かって行く程に下るように湾曲形成したことを特徴と
する鉄道車両用集電装置である。
【0008】前記第1の手段及び第2の手段における流
線型とは、楕円若しくは楕円に近似する形状、円形若し
くは円形に近似する形状、又は両端寄りを円,円形に近
似する形状,楕円若しは楕円に近似する形状で形成する
と共に両端寄りで挟まれた中央を直線若しくは緩やかな
曲線で形成した形状をいう。
【0009】
【作用】前記第1の手段及び第2の手段において、門型
昇降体の梁部に備えた摺板は、門型昇降体を左右の昇降
装置で昇降してトロリ線の高低に追従させることによ
り、トロリ線に接触して集電する。門型昇降体の左右両
肩部は、左右外側へ向かって行く程に下るように湾曲形
成してあるため、電車線路の分岐点(ポイント箇所)の
上方に設けられた渡り線装置を円滑に案内することがで
きる。
【0010】前記第1の手段及び第2の手段において、
左右の風切りカバーは、横断面形状が流線型形状である
ため、車両走行時に発生する空気流を掻き分けて夫々の
外表面に沿わせるように案内することにより、昇降装置
に衝突させることがない。門型昇降体の左右の柱部は、
横断面形状が流線型形状であるため、車両走行時に発生
する空気流を掻き分けて夫々の外表面に沿わせるように
案内する。従って、左右の風切りカバー及び左右の柱部
は、空気流が夫々の外表面上を円滑に流れるため、発生
する空力音を小さくできる。
【0011】第2の手段において、昇降装置は、連動具
で連結した左右の昇降具が連動するので、門型昇降体を
円滑に昇降させることができる。
【0012】
【実施例】(第1実施例)図1乃至図3は本発明に係る
鉄道車両用集電装置(以下、「本発明装置」という)の
第1実施例を示すものであり、図1は図3のイーイ線で
断面した左側断面図、図2は平面図、図3は左半分を断
面した正面図である。なお、以下の説明において、前方
向は車両の進行方向(矢符A方向)に沿う方向であり、
左右方向は前方向に直行する方向(矢符B方向)に沿う
方向をいう。
【0013】本実施例に係る本発明装置10は、左右の
夫々に設けた昇降装置11,11と、左右の昇降装置1
1,11を夫々独立に収納する左右の風切りカバー1
2,12と、左右の昇降装置11,11に横架した門型
昇降体13とを備えている。
【0014】上記昇降装置11は、鉄道車両8の屋根8
a(図1及び図3参照)に、碍子15,15…及び基盤
14を介し又は介することなく配設される。昇降装置1
1は、ベース部17と、ベース部17にピン連結18,
18した枠組管19と、押し上げ具23とを備えてい
る。該枠組管19は、上枠組管19a,19a及び下枠
組管19b,19bをピン連結19c,19cすると共
に、上枠組管19a,19aの上端を門型昇降体13に
ピン連結20,20したものであり、下方のピン連結1
8,18に対して上方のピン連結20,20を平行に上
下移動させる平行リンク機構からなる。なお、左右の昇
降装置11,11の枠組管19,19は、図示は省略し
たが、連動が確実となるように連結具である斜管等で連
結することもある。
【0015】前記押し上げ具23は、門型昇降体13を
上方へ押し上げて後述する摺板21a,21aをトロリ
線22へ適宜押圧力で接触させるためのものであり、前
記ピン連結18を介して下枠組管19bに適宜モーメン
トを付与すトルク手段又は基板14と門型昇降体13の
間に配置した定出力型のエアーシリンダー(図示は省
略)等が適宜選択される。
【0016】なお、前記昇降装置11は、枠組管19か
らなる平行リンク機構に限定するものではなく、門型昇
降体13を上下方向へ案内する機構であればよく、図示
は省略したが、例えば基板14又は風切りカバー12に
固定した案内レールと門型昇降体13に取り付けたコロ
との組み合わせからなる機構等を適宜選択できる。
【0017】前記風切りカバー12は、中空内部12a
に前記昇降装置11を収納するものであり、要部が繊維
強化合成樹脂等の絶縁素材で成形されている。風切りカ
バー12は、中央上部に挿通孔12bを設けてあり、門
型昇降体13の柱部24が挿入されている。風切りカバ
ー12の側面形状は、挿通孔12bを除いて直径D(例
えば、D=2,400mm)の半円又は半円に近似する
形状に形成されている。風切りカバー12の底面形状及
び任意高さ位置における横断面形状(図2中に1点鎖線
Pで示す形状)は、楕円又は楕円に近似する形状等の流
線型に形成されており、前後稜線部12c,12dから
中央へ行く程に幅W1を連続的に拡大するようにしてあ
る。
【0118】前記門型昇降体13は、左右の柱部24,
24に梁部25を接合したものであって、左右両肩部1
3a,13a(図3参照)を左右外側へ向かって行く程
に下るように曲率R(例えば、R=380mm)で湾曲
形成してある。左右の柱部24,24及び梁部25は、
要部が繊維強化合成樹脂等の絶縁素材で一体又は別体に
形成してある。
【0019】上記柱部24は、横断面を楕円又は楕円に
近似する形状等の流線型に形成され、前後端部24a,
24bから中央へ行く程に幅W2を連続的に拡大するよ
うにしてあり、中央で幅W2が最大(例えば、W2(m
ax)=500mm)となり、前後長さL(例えば、L
=750mm)となる。柱部24は、内部リブ24cに
前記上枠組管19aの上端をピン連結20,20してあ
る。柱部24は、下半部の前後端部に切欠部24d,2
4dを必要に応じて形成してあり、前記昇降装置11の
移動する上枠組管19a及び下枠組管19bが出入りで
きるようにしてある。
【0020】前記梁部25は、横断面を偏平な楕円又は
楕円に近似する形状等の流線型に形成され、前後端25
a,25bから中央へ行く程に厚みTを連続的に拡大す
るようにしてあり、中央で厚みTが最大(例えば、T
(max)=200mm)となる。梁部25は、上面側
に、左右に長い摺板体21が設けられている。摺板体2
1は、その上面に適数枚の摺板21a,21aが設けら
れ、梁部25の上面25bから若干寸法Eだけ突出させ
ることにより、梁部25の上面25bにトロリ線22が
接触しないようにしてある。摺板体21の両端より外側
域は、前記肩部13aの一部13a−1で夫々形成され
ている。この部分13a−1は、従来のパンタグラフの
ホーン6(図18参照)に対応するものであり、鋼等の
耐磨耗素材で形成してある。
【0021】前記の如く構成した本発明装置10は、鉄
道車両8の屋根8aに配設される。門型昇降体13の梁
部25に備えた摺板21は、門型昇降体13が左右の昇
降装置11で昇降してトロリ線22の高低に追従するこ
とにより、トロリ線22に接触して集電する。鉄道車両
8が高速走行するとき、門型昇降体13は図1中の実線
に示す位置で多少昇降する。門型昇降体11の左右両肩
部13a,13aは、下り湾曲した形状であるため、電
車線路の分岐点(ポイント箇所)の上方に設けられた渡
り線装置(図示省略)を円滑に案内することができる。
【0022】左右の風切りカバー12,12は、横断面
形状が流線型であるため、車両走行時に発生する相対的
な空気流F(図1及び図2参照)を、夫々の前稜線部1
2c又は後稜線部12d(後稜線部12dは鉄道車両8
の進行方向が矢符A方向と逆の場合)で掻き分け、夫々
の外表面12eに沿わせるように案内する。門型昇降体
13は、左右の柱部24,24及び梁部25の横断面形
状が夫々流線型であるため、車両走行時に発生する空気
流Fを、夫々の前端24a(25a)又は後端24b
(25b)(後端24b(25b)は鉄道車両8の進行
方向が矢符A方向と逆の場合)で掻き分けて夫々の外表
面24e,25eに沿わせるように案内する。従って、
左右の風切りカバー12,12及び左右の柱部24,2
4は、外表面12e,24e上を空気流Fが円滑に流れ
るため、発生する空力音を小さくできる。
【0023】(第2実施例)図4は本発明装置の第2実
施例を示すものであり、同図の(A)は左半分を断面し
た正面図、同図の(B)は(A)のローロ線で断面した
拡大断面図、(C)は同ローロ線で断面した別態様の拡
大断面図である。本実施例に係る本発明装置30が前記
第1実施例と相違する点は、門型昇降体33の梁部35
である。この相違点以外は、前記第1実施例と実質的に
同一であり、同一符号は同一の構成を示す。
【0024】上記梁部35は、同図の(B)に示す如
く、二本の摺板体31,31と、摺板体31,31を接
合する合成樹脂等からなる接合体32とからなる。ま
た、梁部35は、同図の(C)に示す如く、二本の摺板
体31,31のみで構成することもある。
【0025】(第3実施例)図5乃至図7は本発明装置
の第3実施例を示すものであり、図5は図7のハーハ線
で断面した左側断面図、図6は平面図、図7は左半分を
断面した正面図である。本実施例に係る本発明装置40
が前記第1実施例と相違する点は、昇降装置41と風切
りカバー42である。この相違点以外は、前記第1実施
例と実質的に同一であり、同一符号は同一の構成を示
す。
【0026】左右に設けた昇降装置41,41の夫々
は、エアーシリンダー等からる強制操作具41aと、圧
宿バネ41bとからなる。各昇降装置41は、下端41
cを基盤14を介し又は介することなく鉄道車両8の屋
根8aに連結し、伸縮する出力端である上端41dを門
型昇降体13の柱部24の内部リブ24cに連結してあ
る。左右の昇降装置41,41は、圧縮バネ41b,4
1bの反発弾性力で門型昇降体13を上方へ押圧して、
摺板21a,21aをトロリ線22へ適宜力で押圧させ
る。
【0027】左右の風切りカバー42,42の夫々は、
門型昇降体13の柱部24の横断面外形と相似な横断面
外形の中空柱状であって、柱部24へ上下摺動自在に内
嵌又は外嵌(図示は省略)するものである。
【0028】(第4実施例)図8は本発明装置の第4実
施例を示すものであり、左半分を断面した正面図であ
る。本実施例に係る本発明装置50が前記第3実施例と
相違する点は、門型昇降体33である。この相違点以外
は、前記第3実施例と実質的に同一であり、同一符号は
同一の構成を示す。門型昇降体33は、図4に示す第2
実施例のものと実質的に同一である。
【0029】(第5実施例)図9乃至図11は本発明装
置の第5実施例を示すものであり、図9は左側断面図、
図10は部分断面した平面図、図11は部分断面した正
面図である。
【0030】本実施例に係る本発明装置60は、昇降装
置61と、昇降装置61の左右の昇降具69,69を夫
々独立に収納する左右の風切りカバー62,63と、左
右の昇降具69,69に横架した門型昇降体33とを備
えている。
【0031】上記昇降装置61は、左右に設けた昇降具
69,69と、昇降具69,69を連動させる連動具7
0とからなり、鉄道車両8の屋根8aに碍子65,65
…を介して接合してある。連動具70は、図10に示す
如く、碍子65,65…に接合したベース部71と、ベ
ース部71の前後に平行に軸支した支持棒72,72
と、支持棒72,72に接続した押し上げ具73と、全
体を覆うを風切りカバー79とを備えている。各昇降具
69は、図9に示す如く、上枠組管69a,69aの上
端を門型昇降体33にピン連結74,74し、下枠組管
69b,69bの下端を連動具70の支持棒72,72
の軸端にピン連結75,75した平行リンク機構等から
なる。
【0032】前記押し上げ具73は、図10に示す如
く、支持棒72,72に固着したレバー76,76の間
にコイルバネ77を張架して支持棒72,72にモーメ
ントを発生させることにより、門型昇降体33を上方ヘ
押し上げて摺板21a,21aをトロリ線22へ適宜押
圧力で接触させるものである。支持棒72には、門型昇
降体33が適宜速度で昇降するように、ダンバー80を
接続してある。
【0033】前記風切りカバー62,63は、中空内部
62a,63aに前記昇降具69を夫々収納するもので
あり、要部が繊維強化合成樹脂等の絶縁素材で成形され
ている。一方の風切りカバー62には、中空内部62a
にケーブルヘッド78を収納してある。風切りカバー6
2,63は、中央上部に挿通孔62b,63b(図11
参照)を設けてあり、門型昇降体33の柱部24が挿入
されている。風切りカバー62,63の側面形状は、図
9に示す如く、長円を半分にした形状に形成されてい
る。風切りカバー62,63の底面形状及び任意高さ位
置における横断面形状は、図10に示す如く、前後端寄
りが楕円,楕円に近似する形状,円又は円に近似する形
状の一部で形成すると共に前後端寄りで挟まれた中間を
直線又は緩やかな曲線で形成した流線型となっている。
【0034】前記門型昇降体33は、前記第4実施例
(図8参照)のものと同様に構成してある。
【0035】(その他の実施例)その他の実施例とて
は、図示は省略したが、前記第3実施例(図7参照)及
び第4実施例(図8参照)における門型昇降体13(3
3)の柱部24,24の横断面外形を円形又は円形に近
似する形状の流線型とすると共に、左右の風切りカバー
42,42の横断面外形を円形又は円形に近似する形状
の流線型とするものがある。
【0036】(試験及び結果)本発明者は、本発明装置
の発生する空力音(騒音)が従来のパンタグラフの発生
する空力音に比べて小さいことを確認するために、下記
の試験条件で試験を行い次の如き試験結果を得た。
【0037】(1)試験用模型の条件 従来のパンタグラフ又は本発明装置に対応する各試験用
模型は、いずれもが実物の1/10にスケールダウンし
て形成されており、スケールダウン後の各寸法が次の通
りとなっている。従来のパンタグラフ(図18参照)に
対応する試験用模型においては、W4は110mm、W
5は188mmである。
【0038】本発明装置の第1実施例に対応する試験用
模型(図1乃至図3参照)においては、Dは240m
m、W1(max)及びW2(max)は50mm、W
3は180mm、Lは75mm、Hは170mm、T
(max)は20mm、R=38mmである。本発明装
置の第2実施例に対応する試験用模型(図4参照)にお
いては、D(図1参照)は240mm、W1(max)
及びW2(max)は25mm、W3は180mm、L
(図1参照)は40mm、Hは170mm、Tは4m
m、R=38mmである。
【0039】本発明装置の第3実施例に対応する試験用
模型(図5乃至図7参照)においては、W2(max)
は50mm、W3は180mm、Lは75mm、Hは1
70mm、T(max)は20mm、R=38mmであ
る。なお、試験用模型は、風切りカバー42の横断面外
形と柱部24の横断面外形とを同一にしてある。本発明
装置の第4実施例に対応する試験用模型(図8参照)に
おいては、W2(max)は25mm、W3は180m
m、L(図6参照)は40mm、Hは170mm、Tは
4mm、R=38mmである。なお、試験用模型は、風
切りカバー42の横断面外形と柱部24の横断面外形と
を同一にしてある。
【0040】(2)空気の吹き付け装置及び測定の条件 空気の吹き付け装置は、450mm角の空気吐出口を備
え、空気吐出口から吹き出し前方ヘ700mm離れた所
に模型取付位置を設けてある。空力音を測定するマイク
ロホンは、模型取付位置の中心から水平外側に2500
mmの位置に設けてある。吹きつける空気の流速は、実
車想定速度(360Km/h)の1/2となるように、
空気吐出口で180Km/h(50m/s)としてあ
る。
【0041】(3)試験結果 図12乃至図17は、試験結果である1/3オクターブ
バンド分析結果を示すものであり、横軸は1/3オクタ
ーブバンド中心周波数(Hz)であり、縦軸は1/3オ
クターブバンド音圧レベル(dB)である。同図の図中
において、〇印は測定位置での測定結果を示している。
【0042】図12は模型取付位置に試験用模型を取り
付けない状態での暗騒音の測定結果を示すものである。
図13は模型取付位置に従来のパンタグラフに対応する
試験用模型を取り付けた状態での測定結果を示すもので
ある。図14は模型取付位置に本発明装置の第1実施例
に対応する試験用模型を取り付けた状態での測定結果を
示すものである。図15は模型取付位置に本発明装置の
第2実施例に対応する試験用模型を取り付けた状態での
測定結果を示すものである。図16は模型取付位置に本
発明装置の第3実施例に対応する試験用模型を取り付け
た状態での測定結果を示すものである。図17は模型取
付位置に本発明装置の第4実施例に対応する試験用模型
を取り付けた状態での測定結果を示すものである。
【0043】(4)試験結果の検討 各試験用模型を実物の1/10にスケールダウンし、吹
きつけ空気の流速を実車想定速度の1/2としてあるの
で、下記の数1を適用して、実車の場合の周波数(f
r)は試験用模型の場合の周波数(fm)の1/5とな
る。従って、空力音(騒音)の評価は、実車の場合が4
00〜4,000Hzなので、試験用模型の場合は2,
000〜20,000Hzに着目して評価すればよい。
【数1】 なお、数1において、frは実車の場合の周波数、fm
は試験用模型の場合の周波数、Lm/Lrは実車に対す
る試験用模型のスケール、Vrは実車の場合の空気の流
速、Vmは試験用模型の場合の空気の流速である。
【0044】図12乃至図17に示す測定結果から明ら
かなように、2,000〜20,000Hzにおける空
力音は、本発明装置(図14乃至図17)が従来のパン
タグラフ(図13)に比べて飛躍的に小さい。
【0045】
【発明の効果】以上詳述の如く、車両走行時に発生する
相対的な空気流は、風切りカバー及び門型昇降体の柱部
で掻き分けらて夫々の外表面に沿うように案内されるの
で、昇降装置に衝突することがない。その結果、本発明
は、発生する空力音を低くすることが可能となり、鉄道
車両の高速化に伴い生じる騒音対策に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1実施例を示すものであって、
図3のイーイ線で断面した側面断面図である。
【図2】同実施例の平面図である。
【図3】同実施例の左半分を断面した正面図である。
【図4】本発明装置の第2実施例を示すものであって、
(A)は左半分を断面した正面図、(B)は(A)のロ
−ロ線で断面した拡大断面図、(C)は(A)のロ−ロ
線で断面した別態様の拡大断面図である
【図5】本発明装置の第3実施例を示すものであって、
図7のハ−ハ線で断面した側面断面図である。
【図6】同実施例の平面図である。
【図7】同実施例の左半分を断面した正面図である。
【図8】本発明装置の第4実施例を示すものであり、左
半分を断面した正面図である。
【図9】本発明装置の第5実施例を示すものであり、側
面断面図である。
【図10】同実施例の部分断面した平面図である。
【図11】同実施例の部分断面した正面図である。
【図I2】試験用模型を取り付けない状態での暗騒音の
測定結果を示すものである。
【図13】従来のパンタグラフに対応する試験用模型を
取り付けた状態での測定結果を示すものである。
【図14】本発明装置の第1実施例に対応する試験用模
型を取り付けた状態での測定結果を示すものである。
【図15】本発明装置の第2実施例に対応する試験用模
型を取り付けた状態での測定結果を示すものである。
【図16】本発明装置の第3実施例に対応する試験用模
型を取り付けた状態での測定結果を示すものである。
【図17】本発明装置の第4実施例に対応する試験用模
型を取り付けた状態での測定結果を示すものである。
【図18】従来のパンタグラフを示す斜視図である。
【符号の説明】
11(41,61)…昇降装置 12(42,62,63)…風切りカバー 13(33)…門型昇降体 21a…摺板 24…柱部 25…梁部 13a−1…肩部 69…昇降具 70…連動具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺板を昇降自在に備えた鉄道車両用集電
    装置において、左右の夫々に設けた昇降装置と、左右の
    昇降装置を夫々独立に収納し且つ横断面形状を流線型と
    した左右の風切りカバーと、左右の昇降装置に横架した
    門型昇降体とを備え、該門型昇降体は、上記風切りカバ
    ーへ摺動自在に嵌合して前記昇降装置に連結し且つ横断
    面形状を流線型とした左右の柱部と、左右の柱部に接合
    し且つ前記摺板を有する梁部とを備えると共に、左右両
    肩部を左右外側へ向かって行く程に下るように湾曲形成
    したことを特徴とする鉄道車両用集電装置。
  2. 【請求項2】 摺板を昇降自在に備えた鉄道車両用集電
    装置において、左右に設けた昇降具を連動具で連結した
    昇降装置と、左右の昇降具を夫々独立に収納し且つ横断
    面形状を流線型とした左右の風切りカバーと、左右の昇
    降具に横架した門型昇降体とを備え、該門型昇降体は、
    上記風切りカバーヘ摺動自在に嵌合して前記昇降具に連
    結し且つ横断面形状を流線型とした左右の柱部と、左右
    の柱部に接合し且つ前記摺板を有する梁部とを備えると
    共に、左右両肩部を左右外側へ向かって行く程に下るよ
    うに湾曲形成したことを特徴とする鉄道車両用集電装
    置。
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