JP2012122903A - 風洞試験装置の流速調整構造及び風洞試験装置 - Google Patents

風洞試験装置の流速調整構造及び風洞試験装置 Download PDF

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Nobuhiro Yamazaki
展博 山崎
Atsushi Imon
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Abstract

【課題】実際の車両と地面との間の流れ場を簡単に模擬して模型車両の下部から発生する騒音を高精度に測定することができる風洞試験装置の流速調整構造及び風洞試験装置を提供する。
【解決手段】流速調整部11Aと車体底面2aとの間を気流Fが流れると、この流速調整部11Aに気流Fが接触することによって、気流Fが徐々に抵抗を受けて気流Fの流れが緩やかに乱れる。このため、気流Fの速度が徐々に低下し、流速調整部11Aの下流側の模型車両1の車両下部の流速分布が実際の鉄道車両の車両下部の流速分布に略一致する。また、流速調整部11Aの下流側の模型車両1の底面凹部及び台車の付近の測定対象領域の騒音を測定するときに、この測定対象領域以外の領域から発生する騒音が低減するため、実際の鉄道車両の車体下部の流れが模擬しつつこの測定対象領域の音源分布が正確に測定される。
【選択図】図3

Description

この発明は、模型車両と模擬地面との間に気流を流して風洞試験を実施するときに、これらの間を流れる気流の流速を調整する風洞試験装置の流速調整構造、及び模型車両と模擬地面との間に気流を流してこの模型車両の下部から発生する騒音を測定する風洞試験装置に関する。
従来の風洞試験装置は、実際の鉄道車両の走行時を模擬する空気を吹き出す吹出口と、実際の鉄道車両を模擬した模型車両並びにこの模型車両を支持するための支柱と、模型車両に作用する流体力を検出する検出器などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の風洞試験装置では、実際の鉄道車両の走行時の空気の流れを模擬する速度で吹出口から空気を流し、この模型車両に作用する流体力を検出器によって検出している。近年、実際の鉄道車両の走行時における車両下部の流れ場を模擬して、実際の鉄道車両の車体下部の流速分布と模型車両の車体下部の流速分布とを合わせて、高速車両の車両下部の台車付近から発生する風切音などの空力騒音を評価する必要性が高くなっている。しかし、このような従来の風洞試験装置では、実際の鉄道車両の車体下部の気流の流れが減速しているにもかかわらず、模型車両の車体下部には高速で気流が流れており、実際の鉄道車両の車体下部の流れ場を模擬した試験を実施できない問題点がある。
特開平07-239285号公報
図17及び図19に示すような従来の風洞試験装置106は、模型車両101を模擬地面104上に設置する風洞測定部107と、この風洞測定部107に空気を吹き出す吹出口108aと、風洞測定部107から空気を回収する吸込口108bと、実際の鉄道車両の車体下部の流れ場を模擬するために模型車両101の車体底面(車両下部)102aと模擬地面104との間を流れる気流Fの速度を低下させる流速調整部111A,111Bと、風洞測定部107内の模型車両101の底面凹部102d及び台車103の付近から発生する騒音を測定するマイクロホンなどを備えている。
図17及び図18に示す流速調整部111Aは、例えば、下端部が鋭角な三角形状の突起部を有する板状部材によって全体を鋸刃状(ぎざぎざ)に形成しており、気流Fの流れる方向に対して略直交するように車体底面102aの上流側の端部付近に配置されている。一方、図19及び図20に示す流速調整部111Bは、長さ方向と直交する垂直面で切断したときの断面形状が四角形の角柱などの柱状部材によって形成されており、気流Fの流れる方向に対して略直交するように左右のレール104a,104b間に配置されている。このような従来の風洞試験装置106では、模型車両101の車体底面102aと模擬地面104との間を流れる気流Fを流速調整部111A,111Bによって強制的に乱して気流Fの速度を遅くし、実際の鉄道車両の車両下部に近い流れ場を再現している。
図17及び図19に示すような従来の風洞試験装置106では、模型車両101の車体底面102aと模擬地面104との間の気流Fの速度を障害物である流速調整部111A,111Bが急激に低下させており、この流速調整部111A,111Bから気流Fが大きくはく離してこの流速調整部111A,111B付近から大きな雑音が発生する。このような流速調整部111A,111Bから発生する空力騒音の音響パワーは気流Fの流速に対して顕著に増加するため、気流Fの速度が高くなると流速調整部111A,111Bから発生する雑音が大きくなる。このため、従来の風洞試験装置106では、模型車両101の底面凹部102d及び台車103の付近から発生する騒音よりも、流速調整部111A,111B付近から発生する雑音のほうが大きくなって、測定対象となる音Sとこの音以外の雑音Nとの比であるS/Nが低下する。その結果、従来の風洞試験装置106では、底面凹部2d及び台車103の付近の騒音源の位置を正確に特定したり、その大きさを測定することが困難であり、騒音測定精度が著しく劣化してしまう問題点がある。
この発明の課題は、実際の車両と地面との間の流れ場を簡単に模擬して模型車両の下部から発生する騒音を高精度に測定することができる風洞試験装置の流速調整構造及び風洞試験装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1〜図13に示すように、模型車両(1)と模擬地面(4)との間に気流(F)を流して風洞試験を実施するときに、これらの間を流れる気流の流速を調整する風洞試験装置(6)の流速調整構造であって、前記模型車両と前記模擬地面との間の気流を上流側から下流側に向かって徐々に減速させて、この気流の流速を調整する流速調整部(11A〜11C)を備えることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、前記流速調整部は、前記模型車両と前記模擬地面との間の気流を側方に偏向させてこれらの間の気流を上流側から下流側に向かって徐々に減速させることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の風洞試験装置の流速調整構造であって、図1及び図3〜図13に示すように、前記流速調整部は、前記模型車両の下面(2a)と前記模擬地面との間の間隙部の幅を調整することを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、図3、図5、図6、図8、図9、図11及び図13に示すように、前記流速調整部は、前記模型車両の下部の所定領域における気流の速度が所定速度になるように、この気流の流れる方向の長さが調整されていることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、図3〜図9及び図11〜図13に示すように、前記流速調整部は、前記気流と接触する柔毛材であることを特徴としている風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、図5、図7〜図9、図12及び図13に示すように、前記流速調整部の高さを調整する高さ調整部(12A〜12C)を備えることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、図3及び図4に示すように、前記模型車両は、実際の鉄道車両を模擬した模型鉄道車両であり、前記模擬地面は、前記実際の鉄道車両が走行する実際の線路を模擬した模型線路であり、前記流速調整部(11A)は、前記模型線路の左右のレール(4a,4b)間に配置されていることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
前記模擬地面は、前記左右のレールの上流側の端部に上流側から下流側に向かって上方に傾斜する線路側傾斜部(4c,4d)を備え、前記流速調整部は、前記線路側傾斜部に沿って傾斜する調整部側傾斜部(11b)を備えることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、図6〜図9に示すように、前記模型車両は、実際の鉄道車両を模擬した模型鉄道車両であり、前記模擬地面は、前記実際の鉄道車両が走行する実際の線路を模擬した模型線路であり、前記流速調整部(11B)は、前記模型車両の下面に配置されていることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、図6〜図9に示すように、前記模型車両は、実際の鉄道車両を模擬した模型鉄道車両であり、前記模擬地面は、実際の線路を模擬した模型線路であり、前記流速調整部(11B)は、前記模擬地面に前記模型車両を支持する支持脚部(5A,5B)を囲むように、この模型車両の下面に配置されていることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項11の発明は、請求項9又は請求項10に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、図8、図9及び図13に示すように、前記流速調整部(11B,11C)は、この前記流速調整部の上流側の端部に前記模型車両の下面から下方に傾斜する上流側傾斜部(11e)を備えるとともに、この前記流速調整部の下流側の端部に前記模型車両の下面に向かって上方に傾斜する下流側傾斜部(11f)を備えることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、図6、図7、図11及び図12に示すように、前記流速調整部(11B,11C)は、前記模型車両の側面(2b,2c)に向かって湾曲する湾曲部(11g,11h)を備えることを特徴とする風洞試験装置の流速調整構造である。
請求項13の発明は、図1、図2及び図10に示すように、模型車両(1)と模擬地面(4)との間に気流(F)を流してこの模型車両の下部から発生する騒音を測定する風洞試験装置であって、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造(11A〜11C)を備えることを特徴とする風洞試験装置(6)である。
この発明によると、実際の車両と地面との間の流れ場を簡単に模擬して模型車両の下部から発生する騒音を高精度に測定することができる。
この発明の第1実施形態に係る風洞試験装置の風洞測定部を概略的に示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係る風洞試験装置の風洞測定部を概略的に示す平面図である。 この発明の第1実施形態に係る風洞試験装置の流速調整構造の上流側の流速調整部を概略的に示す斜視図である。 図1のIV-IV線で切断した状態を示す断面図である。 図4のV-V線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第1実施形態に係る風洞試験装置の流速調整構造の下流側の流速調整部を概略的に示す斜視図である。 図1のVII-VII線で切断した状態を示す断面図である。 図7のVIII-VIII線で切断した状態を示す断面図である。 図7のIX-IX線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第2実施形態に係る風洞試験装置の風洞測定部を概略的に示す側面図である。 この発明の第2実施形態に係る風洞試験装置の流速調整構造の上流側の流速調整部を概略的に示す斜視図である。 図10のXII-XII線で切断した状態を示す断面図である。 図12のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の実施例及び比較例に係る流速調整構造を概略的に示す斜視図であり、(A)は実施例に係る流速調整構造の斜視図であり、(B)は比較例に係る流速調整構造の斜視図である。 この発明の実施例に係る流速調整構造及び比較例に係る流速調整構造の流速測定結果と現車試験の流速測定結果とを示すグラフである。 この発明の実施例に係る流速調整構造及び比較例に係る流速調整構造の騒音測定結果を示す等高線図であり、(A)は実施例の等高線図であり、(B)は比較例の等高線図である。 従来の風洞試験装置(従来技術1)の風洞測定部を概略的に示す側面図である。 図17のXVIII-XVIII線で切断した状態を示す断面図である。 従来の風洞試験装置(従来技術2)の風洞測定部を概略的に示す側面図である。 図19のXX-XX線で切断した状態を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1及び図2に示す模型車両1は、実際の車両を模擬した部分である。模型車両1は、例えば、300km/h以上の高速で走行する新幹線車両のような実物の鉄道車両を所定の縮尺(例えば1/7程度)で縮小した模型鉄道車両(供試体)である。図1及び図2に示す模型車両1は、先頭車両1Aと後尾車両1Bとが連結された2両編成の列車であり、気流Fの上流側に先頭車両1Aが配置されており、気流Fの下流側に後尾車両1Bが配置されている。模型車両1は、図1及び図2に示す車体2と、図1に示す台車3などを備えている。図1に示す模型車両1は、主として実際の鉄道車両の車体の底面凹部及びこの車体を支持する台車の付近の形状を模擬しており、図1に示すように先頭車両1Aの後側のみに台車3を備えており、先頭車両1Aの前側及び後尾車両1Bの前後の台車3については省略されている。
図1及び図2に示す車体2は、実際の鉄道車両の車体部分を模擬した部分であり、実際の鉄道車両において乗客を積載し輸送するための構造物に相当する。車体2は、図1に示す車体底面(車両床下)2aと、図2に示す車体側面2b,2cと、図1に示す底面凹部2dなどを備えている。図1に示す車体底面2aは、実際の鉄道車両の床構体に相当する部分であり、模擬地面(軌道面)4と対向する側の面である。図1に示す車体底面2aは、例えば、雪氷害対策として床下機器が平坦なカバーによって覆われた床下平滑化構造を有する耐寒耐雪車両の底面を模擬している。図2に示す車体側面2b,2cは、実際の鉄道車両の側構体に相当する部分であり、軌道面に対して略垂直な面である。車体側面2b,2cは、図4に示すように、下側縁部が曲面に形成されており車体底面2aと連続している。図1に示す底面凹部2dは、台車3を収容する部分であり、車体底面2aに形成された切欠部(キャビティ)である。底面凹部2dは、台車3を支持する略水平な底面と、この底面の長さ方向(模型車両1の長さ方向)の両端部から車体底面2aに向かって斜め下方に傾斜する傾斜面とを備えている。
図1に示す台車3は、実際の鉄道車両の台車部分を模擬した部分であり、実際の鉄道車両の車体を支持して走行する走り装置に相当する。台車3は、車体2の底面凹部2dに設置されており、例えばレールと転がり接触する図2に示す左右の車輪3a,3bと、この左右の車輪3a,3bの車軸を支持する図1に示す台車枠3cなどを備えている。
図1及び図2に示す模擬地面4は、実際の鉄道車両が走行する実際の線路を模擬した部分である。模擬地面4は、例えば、新幹線車両のような実物の鉄道車両が走行する軌道を所定の縮尺(例えば1/7程度)で縮小した模型線路であり、図2〜図4に示すようにレール4a,4bと、傾斜部4c,4dと、地面板(設置地面)4eなどを備えている。レール4a,4bは、鉄道車両の車輪が回転接触する実際のレールを模擬した部分であり、図2に示すように台車3の左右の車輪3a,3bをそれぞれ支持している。図2〜図4に示す傾斜部4c,4dは、レール4a,4bの上流側の端部において上流側から下流側に向かって上方に傾斜する部分であり、流量調整部11Aによって車体底面2aの側方に偏向した流れがこの端部からはく離するのを抑制する。傾斜部4c,4dは、図3に示すように、上流側から下流側に向かって所定長さで形成されており、上面が平坦面又は湾曲面に形成されている。図2〜図4に示す地面板4eは、レール4a,4bを支持する部分であり、実際のレールを支持するまくらぎ又はスラブ版などの支持体(支承体)とこの支持体を支持する路盤などに相当する。地面板4eは、図2に示す吹出口8aの下側の水平端面8cと同一高さになるように配置されている。
図4、図6及び図7に示す支持脚部5A,5Bは、模擬地面4に模型車両1を支持する部分である。支持脚部5A,5Bは、図1に示すように、模型車両1の長さ方向の中央部を中心として上流側と下流側とに対称に配置されており、図4及び図7に示すように支持脚部5Aは車体側面2b寄りの車体底面2aを支持し、支持脚部5Bは車体側面2c寄りの車体底面2aを支持している。支持脚部5A,5Bは、上端部が車体底面2aに着脱自在に固定されており、下端部がレール4a,4bの上面に着脱自在に固定されている。支持脚部5A,5Bは、いずれも同一構造であり、気流Fを受けたときにこの支持脚部5A,5Bからの気流Fのはく離を抑制するように、図6に示すように水平面で切断したときのこの支持脚部5A,5Bの上流側及び下流側の断面が略円形又は略楕円形に形成されている。
図1及び図2に示す風洞試験装置6は、模型車両1と模擬地面4との間に気流Fを流して種々の試験を実施する装置である。風洞試験装置6は、図1に示すように、模型車両1と模擬地面4との間に気流Fを流したときに、図2に示すようにこの模型車両1の下部から発生する騒音を測定する。風洞試験装置6は、例えば、図1に示すように、先頭車両1Aの先端部から離れた模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近を測定対象領域として風洞測定部7内の模型車両1に空気を流したときに、図2に示すようにこの空気の流れによってこの測定対象領域から発生する空力音などの音響を測定する。風洞試験装置6は、図1及び図2に示す風洞測定部7と、風洞8と、図2に示す騒音測定部9などを備えており、図1及び図2に示すようにこの風洞測定部7が開放されている開放胴型風洞試験装置である。
図1及び図2に示す風洞測定部7は、模型車両1及び模擬地面4に気流Fを流す部分である。風洞測定部7は、風洞8の吹出口(ノズル)8aと吸込口(コレクタ)8bとの間に模型車両1及び模擬地面4が設置されるように、この模擬地面4の地面板4eを昇降自在に支持する台車付き昇降台などを備えている。風洞8は、空気力学的な諸問題を実験的に調査するために人工的な空気の流れを作る装置である。風洞8は、一定の性状の風を人工的に送風する図示しない送風機、ダクト及び整流装置などと、吹出口8aと、吸込口8bとを備えている。吹出口8aは、風洞測定部7に空気を吹き出して風洞測定部7に一様な空気の流れを作る部分であり、開口部の形状が四角形になるように、平板状の一対の水平端面8c及び一対の垂直端面8dによって構成されている。吸込口8bは、風洞測定部7に流れる空気を吸い込む部分であり、吹出口8aと同様に平板状の端面によって開口部の形状が四角形に形成されている。図2に示す騒音測定部9は、模型車両1から発生する騒音を測定する部分であり、マイクロホン9aと音源位置解析装置9bなどを備えている。マイクロホン9aは、模型車両1からの騒音を検出する装置であり、模型車両1から所定距離離れた垂直平面上の格子状の複数の測定点に配置されている指向性マイクロホンアレイなどが例として挙げられる。音源位置解析装置9bは、マイクロホン9aが出力する騒音検出信号に基づいて音源分布を測定する機能を有する。騒音測定部9は、気流Fがマイクロホン9aに直接当たらないように、気流Fから離れた位置にマイクロホン9aを配置している。
図1〜図9に示す流速調整構造10は、模型車両1と模擬地面4との間に気流Fを流して風洞試験を実施するときに、これらの間を流れる気流Fの流速を調整する構造である。流速調整構造10は、実際の鉄道車両が軌道上を走行したときにこの鉄道車両の床下と軌道面との間に形成される流れ場と同様の流れ場を、模型車両1の車体底面2aと模擬地面4との間に形成する。流速調整構造10は、実際の鉄道車両の車両下部の流れ場を模型車両1の車両下部に模擬し再現可能にするのと同時に、この模型車両1の車両下部から発生する騒音も測定可能にする。流速調整構造10は、図2〜図5に示す流速調整部11Aと、図1及び図6〜図9に示す流速調整部11Bと、図5に示す高さ調整部12Aと、図6〜図9に示す高さ調整部12Bなどを備えている。
図1〜図9に示す流速調整部11A,11Bは、模型車両1と模擬地面4との間の気流Fを上流側から下流側に向かって徐々に減速させて、この気流Fの流速を調整する部分であり、流速調整部11Aは模擬地面4側に配置されており、流速調整部11Bは模型車両1側に配置されている。流速調整部11A,11Bは、図4〜図9に示すように、模型車両1の車体底面2aと模擬地面4との間の間隙部(床下流路)の幅を調整し、模型車両1と模擬地面4との間の気流Fを側方に偏向させてこれらの間の気流Fを上流側から下流側に向かって徐々に減速させる。流速調整部11A,11Bは、実際の鉄道車両と線路との間を流れる気流の流速と近似するように、模型車両1と模擬地面4との間を流れる気流Fの流速を調整する。流速調整部11A,11Bは、気流Fを受けると表面がしなるような柔軟性及び可撓性を有する部材であり、例えば気流Fと接触する柔毛材である。流速調整部11A,11Bは、気流Fの流れを徐々に乱し流速を低下させて実際の鉄道車両の車両下部の流れ場を模擬する流れ場模擬部材として機能する。流速調整部11A,11Bは、例えば、織物又は編物などの表面の繊維を毛羽立たせた毛布又は絨毯などである。流速調整部11A,11Bは、高さ調整部12A,12Bの上面に固定されている。流速調整部11A,11Bは、図3〜図9に示すように、模型車両1の下部の所定領域における気流Fの速度が所定速度になるように、この気流Fの流れる方向の長さが調整されている。流速調整部11A,11Bは、例えば、底面凹部2d及び台車3の付近が測定対象領域でありこの測定対象領域の騒音を測定するときには、気流Fが徐々に抵抗を受けてこの測定対象領域で所定の流速に低下するように、この底面凹部2d及び台車3よりも上流側に任意の長さに切断加工などして配置されている。
流速調整部11Aは、図2〜図5に示すように、左右のレール4a,4bの上流側の端部のこの左右のレール4a,4b間に配置されており、レール4aの内側側面とレール4bの内側側面との間の距離と略同一の幅に形成されている。流速調整部11Aは、図3〜図5に示すように、傾斜部4c,4dの上面とこの流速調整部11Aの表面との間に段差部が形成されてこの段差部から気流Fがはく離し騒音が発生するのを防ぐために、上流側の端部と下流側の端部とがスロープ状に形成されている。流速調整部11Aは、図3及び図5に示すように、平坦部11aと、上流側傾斜部11bと、下流側傾斜部11cなどを備えている。平坦部11aは、上流側から下流側に向かって均一の厚さで形成されている。上流側傾斜部11bは、傾斜部4c,4dに沿って傾斜する部分であり、流速調整部11Aの上流側の端部に形成されており、模擬地面4の上面から上方に傾斜する。上流側傾斜部11bは、左右の傾斜部4c,4dの上面と同じ高さで上流側から下流側に向かって傾斜しており、上面が平坦面又は湾曲面に形成されている。下流側傾斜部11cは、模擬地面4の上面に向かって下方に傾斜する部分であり、流速調整部11Aの下流側の端部に形成されている。下流側傾斜部11cは、上流側傾斜部11bとは反対側の端部に上流側から下流側に向かって傾斜しており、上面が上流側傾斜部11bと同じ平坦面又は湾曲面に形成されている。
流速調整部11Bは、図6及び図7に示すように、支持脚部5A,5Bを囲むように模型車両1の車体底面2aに配置されており、支持脚部5A,5Bを覆うように上流側の左右の支持脚部5A,5Bと下流側の左右の支持脚部5A,5Bとにそれぞれ配置されている。流速調整部11Bは、模型車両1の車体底面2aとこの流速調整部11Bの表面との間に段差部が形成されてこの段差部から気流Fがはく離し騒音が発生するのを防ぐために、流速調整部11Aと同様に上流側の端部と下流側の端部とがスロープ状に形成されている。流速調整部11Bは、図7に示すように、模型車両1の車体側面2b,2cとこの流速調整部11Bの表面との間に段差部が形成されてこの段差部から気流Fがはく離し騒音が発生するのを防ぐために、車体底面2aの幅方向の両端部から車体側面2b,2cに向かって曲面状に形成されている。流速調整部11Bは、支持脚部5A,5B付近の気流Fのはく離を抑制するフェアリングとして機能し、この支持脚部5A,5Bの後縁部からはく離する規則的な乱れ成分を持った流れを生じさせないようにする。流速調整部11Bは、図8及び図9に示す平坦部11dと、上流側傾斜部11eと、下流側傾斜部11fと、図6及び図7に示す湾曲部11g,11hと、貫通孔11i,11jなどを備えている。図8及び図9に示す平坦部11dは、車体底面2aと平行に平面状に形成されている部分であり、上流側から下流側に向かって均一の厚さで形成されている。上流側傾斜部11eは、車体底面2aから下方に傾斜する部分であり、流速調整部11Bの上流側の端部に形成されている。上流側傾斜部11eは、上流側から下流側に向かって傾斜しており、上流側傾斜部11bと同様に上面が平坦面又は湾曲面に形成されている。下流側傾斜部11fは、車体底面2aに向かって上方に傾斜する部分であり、流速調整部11Aの下流側の端部に形成されている。下流側傾斜部11fは、上流側傾斜部11eとは反対側の端部に上流側から下流側に向かって傾斜しており、上面が上流側傾斜部11eと同じ平坦面又は湾曲面に形成されている。図7に示す湾曲部11g,11hは、模型車両1の車体側面2b,2cに向かって湾曲する部分であり、車体底面2aの幅方向における平坦部11dの両端部と車体側面2b,2cとを接続する。貫通孔11i,11jは、支持脚部5A,5Bが貫通する部分であり、支持脚部5A,5Bの外周部との間に隙間が形成されないように平坦部11dを貫通しており、この支持脚部5A,5Bの断面形状と同一形状に形成されている。
図5に示す高さ調整部12Aは、流速調整部11Aの高さを調整する部分であり、図7〜図9に示す高さ調整部12Bは流速調整部11Bの高さを調整する部分である。高さ調整部12Aは、図5に示すように、模擬地面4の地面板4eと流速調整部11Aとの間に挟み込まれており、この地面板4eに固定されている。高さ調整部12Bは、図7〜図9に示すように、模型車両1の車体底面2aと流速調整部11Bとの間に挟み込まれており、接着剤又は両面接着テープなどによってこの車体底面2aに固定されている。高さ調整部12Bは、支持脚部5A,5Bがそれぞれ貫通する貫通孔12a,12bを備えている。高さ調整部12A,12Bは、模型車両1と模擬地面4との間の間隙部の幅を調整するスペーサとして機能することによって、この模型車両1とこの模擬地面4との間を流れる気流Fの流速を調整する。高さ調整部12A,12Bは、図5、図8及び図9に示すように、平坦部11a,11d、上流側傾斜部11b,11e、下流側傾斜部11c,11f及び湾曲部11g,11hを流速調整部11A,11Bが形成するように、これらの部分と同一形状にプラスチックなどの合成樹脂板を加工して形成されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る風洞試験装置の流速調整構造の取付方法を説明する。
先ず、実際の鉄道車両の車両下部の流れ場を測定して、この実際の鉄道車両の車両下部の流れ場と同様の流れ場を再現するために、図1〜図9に示すように模型車両1の車両下部に流速調整部11A,11Bを配置する。例えば、図1に示す模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近で発生する騒音を測定する場合には、実際の鉄道車両の車体の底面凹部2d及び台車3の付近の流れ場と同様の流れ場を模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近に再現する必要がある。この場合には、図5〜図9に示す高さ調整部12A,12Bを最適な長さ及び高さに加工して、模擬地面4の地面板4e及び模型車両1の車体底面2aに装着する。次に、高さ調整部12A,12B上に流速調整部11A,11Bを装着すると、流速調整部11A,11Bが最適な長さ及び高さに調整される。
次に、この発明の第1実施形態に係る風洞試験装置の流速調整構造の作用を説明する。
図1及び図2に示す風洞試験装置6の送風機が駆動して吹出口8aから気流Fが風洞測定部7に流れると、図1に示すように模型車両1の車体底面2aと模擬地面4との間にこの気流Fが流入して、実際の鉄道車両車体下部の流れ場と同様の流れ場が模型車両1の車体下部に再現される。このとき、図3に示す上流側の左右のレール4a,4bの端部に形成された傾斜部4c,4dと流速調整部11Aとの間に段差部が形成されていると、この段差部で気流Fが分かれてはく離しこの段差部付近から大きな騒音が発生する。しかし、図3及び図5に示すように、左右のレール4a,4bの傾斜部4c,4dと流速調整部11Aの上流側傾斜部11bとが同一高さ(面一)であるためこれらの間に段差部が形成されておらす、傾斜部4c,4dと上流側傾斜部11bとから気流Fのはく離が抑制されて騒音の発生が抑制される。
図5に示すように、車体底面2aと地面板4eとの間の間隙部の幅に比べて、流速調整部11Aと車体底面2aとの間の間隙部の幅が狭いため、流速調整部11Aと車体底面2aとの間を気流Fが流れると、これらの間の気流Fが徐々に側方に偏向される。このため、流速調整部11Aと車体底面2aとの間を流れる気流Fの流量が調整される。また、図3に示すように、左右のレール4a,4b間に気流Fが流れると流速調整部11Aと気流Fが接触することによって気流Fが徐々に抵抗を受けて気流Fの流れが緩やかに乱れる。その結果、上流側から下流側に向かって気流Fが流速調整部11Aを流れるに従って、気流Fの速度が徐々に低下する。図3及び図5に示すように、流速調整部11Aの下流側の端部と模擬地面4との間には段差部が形成されておらず、流速調整部11Aの下流側には下流側傾斜部11cが形成されている。このため、流速調整部11Aの平坦部11aを流れる気流Fが下流側傾斜部11cに沿って流れ、流速調整部11Aの下流側の端部からの気流Fのはく離が抑制されて騒音の発生が抑制される。
図8及び図9に示すように、流速調整部11Aと車体底面2aとの間を流れる気流Fが流速調整部11Bと模擬地面4との間を流れると、車体底面2aと地面板4eとの間の間隙部の幅に比べて、流速調整部11Bと地面板4eとの間の間隙部の幅が狭いため、この流速調整部11Bとこの模擬地面4との間を流れる気流Fの流量が調整される。このため、流速調整部11Bと模擬地面4との間を流れる気流Fが徐々に側方に偏向されるとともに、これらの間を流れる気流Fが流速調整部11Bと接触することによってこの気流Fが徐々に抵抗を受けて気流Fの流れが緩やかに乱れる。その結果、上流側から下流側に向かって気流Fが流速調整部11Bを流れるに従って、気流Fの速度が徐々に低下する。また、流速調整部11Bの平坦部11aを流れる気流Fが下流側傾斜部11fに沿って流れ、流速調整部11Bの下流側の端部からの気流Fのはく離が抑制されて騒音の発生が抑制される。
図1に示すように、流速調整部11Bと模擬地面4との間を流れる気流Fが模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近を流れると、この底面凹部2d及びこの台車3から気流Fがはく離して空力音などの騒音が発生する。例えば、図17〜図20に示す従来の風洞試験装置106では、模型車両101の車体底面102aと模擬地面104との間を流れる気流Fが流速調整部111A,111Bで大きく乱されるため、この流速調整部111A,111B付近から大きな雑音が発生し、底面凹部102d及び台車103の付近から発生する騒音を測定することが困難である。しかし、この第1実施形態では、模型車両1の車体底面2aと模擬地面4との間を流れる気流Fを流速調整部11A,11Bが徐々に低下させるため、図18及び図20に示すような流速調整部111A,111Bから発生する騒音の発生が抑えられる。このため、図2に示すように、模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近から発生する騒音源がマイクロホン9aにより検出可能となり、マイクロホン9aからの出力信号に基づいて、模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近の音源分布を音源位置解析装置9bが正確に測定する。
この発明の第1実施形態に係る風洞試験装置の流速調整構造及び風洞試験装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、模型車両1と模擬地面4との間の気流Fを上流側から下流側に向かって徐々に減速させて、この気流Fの流速を流速調整部11A,11Bが調整する。このため、図18及び図20に示すような従来の風洞試験装置106の流速調整部111A,111Bのような流れ場を模擬する部材によって気流Fを急激に減速させる場合に比べて、流速調整部11A,11Bによって気流Fの速度を徐々に減速することができ、測定対象領域以外の領域から発生する騒音を低減することができる。その結果、実際の鉄道車両と線路との間の流れ場を流速調整部11A,11Bによって簡単に模擬することができるとともに、この流速調整部11A,11Bから発生する空力騒音などを可能な限り低減し、模型車両1の車両下部から発生する騒音を高精度に測定することができる。
(2) この第1実施形態では、模型車両1と模擬地面4との間の気流Fを流速調整部11A,11Bが側方に偏向させてこれらの間の気流Fを上流側から下流側に向かって徐々に減速させる。このため、測定対象領域以外の領域からの騒音を低減して、実際の鉄道車両の車両下部の流速分布と模型車両1の車両下部の流速分布とを合わせることができる。
(3) この第1実施形態では、模型車両1の車体底面2aと模擬地面4との間の間隙部の幅を流速調整部11A,11Bが調整する。このため、模型車両1と模擬地面4との間を流れる気流Fを簡単に側方に誘導させることが可能になり、流速調整部11A,11Bでの顕著なはく離が生じないため、測定対象領域以外の領域から発生する空力騒音を低減して、高精度で信頼性の高い騒音測定を実現することができる。
(4) この第1実施形態では、模型車両1の下部の所定領域における気流Fの速度が所定速度になるように、この気流Fの流れる方向の流速調整部11A,11Bの長さが調整されている。このため、流速調整部11A,11Bの長さを最適な長さに調整することによって、模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近の気流Fの速度を実際の鉄道車両の底面凹部及び台車付近の気流の速度と一致させることができる。例えば、長さの異なる複数種類の流速調整部11A,11Bを用意し、流速調整部11A,11Bの配置領域を変化させることによって、気流Fの速度を段階的に低下させ気流Fの流速を細かく調整することができる。
(5) この第1実施形態では、流速調整部11A,11Bが気流Fと接触する柔毛材である。このため、安価で簡単な構造の柔毛材によって実際の鉄道車両の車体下部の流れ場を簡単に模擬することができるとともに、気流Fの流れを徐々に乱して測定対象領域以外の空力騒音を容易に低減することができる。特に、風洞試験のような実際の鉄道車両に比べて風洞試験装置6の風洞測定部7の長さが短い場合であって、模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近の流速を短い距離で減速する必要があるようなときには、気流Fの速度を急激に減速させずに柔毛材によって気流Fの速度を短い距離で緩やかに低下させることができる。
(6) この第1実施形態では、流速調整部11A,11Bの高さを高さ調整部12A,12Bが調整する。このため、模型車両1の車体底面2aと模擬地面4との間の間隙部の幅を調整することによって気流Fの速度を簡単に調整することができる。例えば、厚みの異なる複数種類の高さ調整部12A,12Bを用意しておくことで、気流Fの速度を段階的に低下させ気流Fの速度を細かく調整することができる。
(7) この第1実施形態では、左右のレール4a,4bの上流側の端部に上流側から下流側に向かって上方に傾斜する傾斜部4c,4dを模擬地面4が備えており、この傾斜部4c,4dに沿って傾斜する上流側傾斜部11bを流速調整部11Aが備えている。その結果、左右のレール4a,4bと流速調整部11Aとの間に段差部が形成されないため、この段差部から気流Fがはく離して騒音を発生するのを抑制することができる。
(8) この第1実施形態では、模型車両1が実際の鉄道車両を模擬した模型鉄道車両であり、模擬地面4が実際の線路を模擬した模型線路であり、この模擬地面4にこの模型車両1を支持する支持脚部5A,5Bを囲むように、この模型車両1の車体底面2aに流速調整部11Bが配置されている。このため、実際の鉄道車両の車体下部の流れ場を簡単に模擬することができるとともに、気流Fを受けたときに支持脚部5A,5Bから発生する空力騒音を流速調整部11Bによって低減することができる。
(9) この第1実施形態では、流速調整部11Bの上流側の端部に模型車両1の車体底面2aから下方に傾斜する上流側傾斜部11eを流速調整部11Bが備えている。また、この第1実施形態では、流速調整部11Bの下流側の端部に模型車両1の車体底面2aに向かって上方に傾斜する下流側傾斜部11fを流速調整部11Bが備えている。その結果、流速調整部11Bの上流側の端部と車体底面2aとの間に段差部が形成されず、この流速調整部11Bの下流側の端部とこの車体底面2aとの間にも段差部が形成されないため、これらの段差部から気流Fがはく離して騒音を発生するのを抑制することができる。
(10) この第1実施形態では、模型車両1の車体側面2b,2cに向かって湾曲する湾曲部11g,11hを流速調整部11Bが備えている。その結果、車体側面2b,2cと流速調整部11Bとの間に段差部や鋭角な角部が形成されずこれらがなだらかに接続されるため、この段差部や角部から空力騒音が発生するのを防ぐことができる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態について説明する。以下では、図1〜図9に示す部分と対応する部分については対応する番号を付して詳細な説明を省略する。
図10〜図13に示す流速調整構造10は、流速調整部11Cと高さ調整部12Cなどを備えている。流速調整部11Cは、図1及び図6〜図9に示す流速調整部11Bと略同一構造であり、図2〜図5に示す模擬地面4側に配置されている流速調整部11Aとは異なり、流速調整部11Bと同様に模型車両1側に配置されている。高さ調整部12Cは、図6〜図9に示す高さ調整部12Bと略同一構造であり、この高さ調整部12Bと同様に模型車両1側に配置されている。流速調整部11Cは、図12及び図13に示すように、接着剤又は両面接着テープなどによって高さ調整部12Cの下面に固定されている。
この第2実施形態に係る風洞試験装置の流速調整構造及び風洞試験装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第2実施形態では、模型車両1が実際の鉄道車両を模擬した模型鉄道車両であり、模擬地面4が実際の鉄道車両が走行する実際の線路を模擬した模型線路であり、この模型車両1の車体底面2aに流速調整部11Cが配置されている。このため、実際の鉄道車両の車体下部の流れ場を簡単に模擬することができるとともに、測定対象領域以外の領域から空力音が発生するのを可能な限り防ぐことができる。
次に、この発明の実施例に係る風洞試験装置の風速調整構造ついて説明する。
図14(A)に示す流速調整部20Aは、図3に示す流速調整部11Aに対応する。図14(B)に示す流速調整部20Bは、図19及び図20に示した通り、顕著なはく離が生じるような流速調整部111Bに対応する。図14(A)に示す実施例に係る流速調整部20Aの柔毛材と、図14(B)に示す従来の流速調整部20Bの角柱とを、図1及び図2に示す模擬地面4の地面板4e上に設置し、風洞試験装置6の吹出口8aから風洞測定部7に空気を吹き出し、模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近(台車部流入箇所)の気流Fの流速分布を測定した。測定は、財団法人鉄道総合技術研究所の風洞技術センター(米原)内における開放胴型の風洞試験装置を使用して行った。
図15に示すグラフは、実際の鉄道車両の車体下部で測定した現車試験時の流速分布と、実施例及び比較例に係る流速調整部20A,20Bを使用して模型車両の車体下部で測定した風洞試験時の流速分布とを表したものである。ここで、図15に示す縦軸は、地面及び車体底面の高さを基準としたときの地面からの無次元高さであり、地面が-1.0であり、車体床面が0.0である。横軸は、平均流速(u/U)であり、底面凹部2d及び台車3の付近の空気の流速u(m/s)の時間平均値を、風洞試験装置の吹出口から風洞測定部に流れる空気の流速(主流速)U(m/s)の時間平均値で除して無次元化したものである。例えば、図5に示す車体底面2dから地面板4eまでの床下間隔が57mmであり、高さ調整部12Aの厚さが25mmであり、流速調整部11Aの柔毛材の厚さが10mmである場合に、底面凹部2d及び台車3の付近の流速u(m/s)を現車試験時の測定値と同じ主流速U(m/s)の45%程度に低減可能なことが確認された。このため、実施例に係る流速調整部20Aの柔毛材を使用した場合に、実際の鉄道車両の車体下部の流れ場を模擬可能であることが確認された。また、図15に示すように、流速調整部20Bの角柱を使用した場合と、実施例に係る流速調整部20Aの柔毛材を使用した場合とでは、現車試験時の流速分布の模擬効果が類似しているにも関わらず、流速調整部20A,20B自身から発生する騒音は、流速調整部20Bに比べて流速調整部20Aのほうが小さいことが確認された。
図16に示す等高線図(コンタ図)は、騒音の分布状態を等高線で表した図である。図14(B)に示す比較例に係る流速調整部20Bの角柱を使用した場合には、図16(B)に示すように図4に示す支持脚部5A,5B及び図14(B)に示す角柱の付近の領域が雑音源となっており、模型車両1の底面凹部2d及び台車3の付近の測定対象領域における騒音測定精度の低下が確認された。一方、図14(A)に示す実施例に係る流速調整部20Aの柔毛材を使用した場合には、図16(A)に示すような上流側の雑音源が測定されておらず、測定対象領域における騒音測定精度の改善が確認された。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、模型車両1が模型鉄道車両である場合を例に挙げて説明したが模型鉄道車両に限定するものではなく、磁気浮上式鉄道車両又は自動車などの模型車両についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、模型車両1が先頭車両1Aと後尾車両1Bの2両編成である場合を例に挙げて説明したが2両編成に限定するものではなく、模型車両1が中間車両を含む3両編成以上である場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、風洞測定部7が開放されている開放胴型風洞試験装置である場合を例に挙げて説明したが開放胴型風洞試験装置に限定するものではなく、風洞測定部7が密閉されている密閉胴型風洞試験装置についてもこの発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、流速調整部11A〜11Cが平坦部11a,11dを備える場合を例に挙げて説明したがこの平坦部11a,11dを省略することもできる。また、この実施形態では、流速調整部11A,11Cをそれぞれ1箇所に配置し、流速調整部11Bを2箇所に配置する場合を例に挙げて説明したがこのような配置に限定するものではない。例えば、気流Fの流れる方向に流速調整部11A,11Cを複数箇所に配置したり、下流側の流速調整部11Bを省略して上流側のみに流速調整部11Bを配置したり、気流Fの流れる方向に流速調整部11A〜11Cを複数に分割してこの気流Fの流れる方向に間隔をあけて分散して配置したりすることもできる。
(3) この実施形態では、高さ調整部12A〜12Cによって流速調整部11A〜11Cの高さを調整する場合を例に挙げて説明したがこの高さ調整部12A〜12Cを省略することもできる。また、この実施形態では、流速調整部11A,11Cの一方を配置する場合を例に挙げて説明したがこれらの流速調整部11A,11Cの双方を配置することもできる。さらに、この第1実施形態では、流速調整部11Aをレール4a,4bの内側に配置する場合を例に挙げて説明したが、流速調整部11Aをレール4a,4bの外側に配置することもできる。
1 模型車両
2 車体
2a 車体底面(下面)
2b,2c 車体側面(側面)
2d 底面凹部
3 台車
3a,3b 車輪
4 模擬地面
4a,4b レール
4c,4d 傾斜部(線路側傾斜部)
4e 地面板
5A,5B 支持脚部
6 風洞試験装置
7 風洞測定部
8 風洞
8a 吹出口
8b 吸込口
9 騒音測定部
10 流速調整構造
11A〜11C 流速調整部
11a,11d 平坦部
11b,11e 上流側傾斜部(調整部側傾斜部)
11c,11f 下流側傾斜部
11g,11h 湾曲部
12A〜12C 高さ調整部
F 気流

Claims (13)

  1. 模型車両と模擬地面との間に気流を流して風洞試験を実施するときに、これらの間を流れる気流の流速を調整する風洞試験装置の流速調整構造であって、
    前記模型車両と前記模擬地面との間の気流を上流側から下流側に向かって徐々に減速させて、この気流の流速を調整する流速調整部を備えること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  2. 請求項1に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記流速調整部は、前記模型車両と前記模擬地面との間の気流を側方に偏向させてこれらの間の気流を上流側から下流側に向かって徐々に減速させること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の風洞試験装置の流速調整構造であって、
    前記流速調整部は、前記模型車両の下面と前記模擬地面との間の間隙部の幅を調整すること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記流速調整部は、前記模型車両の下部の所定領域における気流の速度が所定速度になるように、この気流の流れる方向の長さが調整されていること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記流速調整部は、前記気流と接触する柔毛材であること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記流速調整部の高さを調整する高さ調整部を備えること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記模型車両は、実際の鉄道車両を模擬した模型鉄道車両であり、
    前記模擬地面は、実際の線路を模擬した模型線路であり、
    前記流速調整部は、前記模型線路の左右のレール間に配置されていること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  8. 請求項7に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記模擬地面は、前記左右のレールの上流側の端部に上流側から下流側に向かって上方に傾斜する線路側傾斜部を備え、
    前記流速調整部は、前記線路側傾斜部に沿って傾斜する調整部側傾斜部を備えること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記模型車両は、実際の鉄道車両を模擬した模型鉄道車両であり、
    前記模擬地面は、実際の線路を模擬した模型線路であり、
    前記流速調整部は、前記模型車両の下面に配置されていること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記模型車両は、実際の鉄道車両を模擬した模型鉄道車両であり、
    前記模擬地面は、実際の線路を模擬した模型線路であり、
    前記流速調整部は、前記模擬地面に前記模型車両を支持する支持脚部を囲むように、この模型車両の下面に配置されていること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記流速調整部は、この前記流速調整部の上流側の端部に前記模型車両の下面から下方に傾斜する上流側傾斜部を備えるとともに、この前記流速調整部の下流側の端部に前記模型車両の下面に向かって上方に傾斜する下流側傾斜部を備えること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造において、
    前記流速調整部は、前記模型車両の側面に向かって湾曲する湾曲部を備えること、
    を特徴とする風洞試験装置の流速調整構造。
  13. 模型車両と模擬地面との間に気流を流してこの模型車両の下部から発生する騒音を測定する風洞試験装置であって、
    請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の風洞試験装置の流速調整構造を備えること、
    を特徴とする風洞試験装置。
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