JPH06176259A - ホットアンドコールド自動販売機の運転制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】通風切替シャッタを介して隣り合う商品収納室
でホット商品，コールド商品を併売するホットアンドコ
ールド自動販売機を対象に、各商品収納室内を循環する
冷気，暖気がシャッタの隙間を通じて不当に干渉するの
を防止しつつ、冷凍機，ヒータの運転効率を向上させる
運転制御方法を提供する。 【構成】仕切隔壁を隔てて隣り合う商品収納室を有し、
その一方に冷却器,庫内ファン、他方にヒータ, 庫内フ
ァンを内蔵し、さらに仕切隔壁に通風切替用シャッタを
備え、販売モードに合わせてシャッタを開閉操作するホ
ットアンドコールド自動販売機において、前記シャッタ
を閉じて一方の室をコールド運転, 他方をホット運転と
した運転モードでは、冷却器, ヒータが共にＯＦＦで、
かつコールド室の空気温度がコールド商品の品温より高
く、ホット室の空気温度がホット商品の品温より低い条
件で、各室の庫内ファンを同時に強制停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ホットアンドコールド
自動販売機の運転制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】頭記のホットアンドコールド自動販売機
は機内に複数の商品収納室を有し、販売モードに合わせ
て商品収納室の一方をコールド運転，他方をホット運転
し、同一機でコールド商品，ホット商品を併売できるよ
うにしたものである。また、ホットアンドコールド自動
販売機として、機内に隔壁を隔てて互いに隣り合うよう
仕切られた第１, 第２の商品収納室に対し、第１の商品
収納室に冷却器, 庫内ファンを、第２の商品収納室にヒ
ータ, 庫内ファンを装備するとともに、両室間の仕切隔
壁に通風切替用シャッタを設け、販売モードに合わせて
前記シャッタを開閉操作することにより、第２商品収納
室でコールド商品, あるいはホット商品を販売するよう
にした構成のものが知られている。

【０００３】図４，図５はかかるホットアンドコールド
自動販売機の構成図であり、図において、１は断熱筐体
で作られた商品収納庫、２は前面扉、３，４は仕切隔壁
５を隔てて互いに隣り合うよう庫内に仕切られたコール
ド室（第１の商品収納室），ホット／コールド室（第２
の商品収納室）である。なお、図示されてないが各商品
収納室内には商品ラックが収容されている。ここで、コ
ールド室３は冷却器６（冷凍機のエバポレータ），およ
び庫内ファン７を、またホット／コールド室４はヒータ
８，庫内ファン９を内蔵しており、さらに前記隔壁５に
は冷却器６の前後位置で両室間にまたがる連通口５ａ，
５ｂを開閉する通風切替シャッタ１０を装備している。
また、図５は前記通風切替シャッタ１０の構造例であ
り、通風窓１０ａが開口したシャッタ板１０ｂを操作ハ
ンドル１０ｃの操作で前後に移動するようにしたスライ
ド式シャッタである。なお、図示の通風切替シャッタ１
０は手動操作式であるが、他に特願平３−１８４９４３
号で提案されている電動操作式のものもある。また、図
４におけるコールド室３に冷却器６とヒータを内蔵し、
ホット／コールド室として使用するものもある。

【０００４】かかる構成で、コールド室３でコールド商
品，コールド／ホット室４でホット商品を販売する販売
モードでは、前記シャッタ１０を押し込んで隔壁５の連
通口５ａ，５ｂを閉じるととも、コールド室３では冷却
器６，庫内ファン７を運転して室内に冷気を循環送風
し、ホット室４ではヒータ８，庫内ファン９を運転して
室内に暖気を循環送風し、各商品収納室の商品ラックに
収納した商品を冷却，加熱する。これに対して、コール
ド室３，ホット／コールド室４で共にコールド商品を販
売する場合には、前記シャッタ１０を手前側に引いて隔
壁５の連通口５ａ，５ｂを開放するとともに、ヒータ８
の通電を停止する。これにより、ホット／コールド室４
には連通口５ａ，５ｂを通じて隣接のコールド室４の冷
却器６を経由して冷気が循環送風するようになり、ホッ
ト／コールド室４の収納商品が冷却される。なお、前記
の販売モードで各商品収納室の商品ラックに収納した商
品を販売適温（コールド商品は５℃前後，ホット商品は
６０℃前後）に維持するために、冷却器６（実際には冷
凍機の圧縮機），ヒータ８は庫内温度調節器（通常は電
子式サーモスタットを用い、その時の販売モードに対応
して温度設定値を切換える）によりサーモ運転制御され
ることは周知の通りである。

【０００５】一方、自動販売機の消費電力節減化を狙い
に、商品収納室の庫内ファンを冷却器，ヒータの運転サ
イクル，および庫内空気温度に合わせて運転，停止する
ようにした制御方式が本発明と同一出願人より特願平３
−２６７９６６号として提案されている。図６（ａ),
（ｂ）は前記提案の制御方式による制御動作のタイムチ
ャートを表す図であり、（ａ）図はコールド室、（ｂ）
図はホット室に対応する。

【０００６】まず、（ａ）図では、冷凍機のサーモ運転
制御, つまり圧縮機のＯＮ，ＯＦＦに伴って室内を循環
通風する空気温度は次に販売するコールド商品の品温Ｔ
-Cに対し、図示のように圧縮機ＯＮ（冷凍機運転）の間
に低下し、圧縮機ＯＦＦ（運転停止）により上昇するサ
イクルを繰り返すので、このサーモ運転サイクルに合わ
せて圧縮機がＯＦＦで、かつ室内空気温度が品温Ｔ-Cよ
り高い条件で庫内ファンを強制停止させる。これによ
り、冷凍機の停止中にコールド商品の品温Ｔ-Cより高い
温度に上昇した空気が室内を循環して品温Ｔ-Cに冷えて
いるコールド商品を不要に温めてしまうことがなくな
り、その分だけ冷凍機の運転効率が高まって余分な電力
消費が抑えられる。

【０００７】一方、（ｂ）図では、ヒータのサーモ制御
によるＯＮ，ＯＦＦに伴って室内空気温度は次に販売す
るホット商品の品温Ｔ-Hに対して図示のように上下変動
するので、この運転サイクルに合わせてヒータが通電停
止で、かつ室内空気温度が品温Ｔ-Hより低い条件で庫内
ファンを強制停止させる。これにより、ホット商品の品
温Ｔ-Hより低い温度の空気が室内を循環してホット商品
を不当に冷やすことがなくなり、その分だけヒータの運
転効率が高くなる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した運
転制御方式では、コールド室，ホット室が完全に分離独
立している場合には問題ないが、図４，図５で述べたよ
うに隣り合うコールド室３とホット／コールド室４との
間の仕切隔壁５に通風切替シャッタ１０を備えた構成の
ホットアンドコールド自動販売機に適用した場合には保
冷，加温性能の面で次記のような不具合が発生する。

【０００９】すなわち、図４，図５に示したスライド式
の通風切替シャッタ１０は前後への移動のために隔壁５
との間に多少のガタ分が必要であり、シャッタを閉じた
状態でも隔壁５に開口した連通口５ａ，５ｂを完全に遮
へいすることはできず、多少の漏れ隙間が残ることか避
けられない。一方、コールド室３をコールド運転，ホッ
ト／コールド室４をホット運転とした運転モードでは、
冷却器６，つまり圧縮機のサーモ運転サイクルと、ヒー
タ８のサーモ運転サイクルは、その時の周囲温度条件な
どによって異なる。すなわち、外気温の高い夏期では圧
縮機のＯＮ時間は長く、ヒータのＯＮ時間は短いくて済
むのに対して、外気温の低い冬期では逆の関係になる。
このために、第６図（ａ),（ｂ）で示した制御方式をそ
のまま採用すると、一方のコールド室３で庫内ファン７
が強制停止しているのに、隣室のホット／コールド室４
では庫内ファン９が回転している状態、あるいは逆に庫
内ファン９が停止いるのに隣室の庫内ファン７が回転し
ている状態が生じる。

【００１０】しかも、前記のように通風切替シャッタ１
０付きの仕切隔壁５を隔てて隣り合うコールド室３とホ
ット／コールド室４の間で、いずれか一方の室の庫内フ
ァンが回転し、他方の室の庫内ファンが停止している状
態になると、両室の間で圧力差が生じ、これが基でシャ
ッタ１０と隔壁５との間の漏れ隙間を通じて庫内ファン
停止側の室内空気が庫内ファンの回転している室内に吸
い込まれるといった現象が現れ、これが原因で室内空気
温度に不当な干渉を引き起こす。すなわち、、ホット／
コールド室４をホット運転としたモードで、庫内ファン
９がＯＦＦの時点にコールド室３の庫内ファン７がＯＮ
であると、コールド室３に隣室から高温空気が吸い込ま
れて室内を循環する空気温度が高まり、この結果として
コールド商品が品温が上昇する。逆にコールド室３の庫
内ファン７の停止時にホット／コールド室４の庫内ファ
ン９が回転していると、コールド室側から冷気が隣室の
ホット／コールド室内に吸い込まれてホット運転側の空
気温度が低下してしまい、いずれの場合でも冷凍機，ヒ
ータの運転時間が必要以上に長引いて運転効率が悪化す
る。

【００１１】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は先記したホットアンドコールド自動
販売機を対象に、前記課題を解決して隣り合う商品収納
室の相互間で室内を循環する冷気，暖気の不当な干渉を
防止しつつ、冷凍機，ヒータの運転効率を高めて消費電
力の節減が図れるようにした運転制御方法を提供するこ
とにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
り、機内に仕切隔壁を隔てて隣り合う第１, 第２の商品
収納室を有し、かつ第１の商品収納室が冷却器, 庫内フ
ァンを、第２の商品収納室がヒータ, 庫内ファンを内蔵
するとともに、両室間の仕切隔壁に通風切替用シャッタ
を備え、販売モードに合わせて前記シャッタを開閉操作
することにより、第２商品収納室でコールド商品, ある
いはホット商品を販売するホットアンドコールド自動販
売機において、前記シャッタを閉じて第１商品収納室を
コールド運転, 第２商品収納室をホット運転とした運転
モードでは、冷却器, ヒータがともに停止状態にあり、
かつ第１商品収納室内の空気温度がコールド商品の品温
より高く、第２商品収納室内の空気温度がホット商品の
品温より低い条件で、第１, 第２商品収納室に配備の各
庫内ファンを同時に強制停止させることにより達成され
る。

【００１３】

【作用】上記の運転制御方法によれば、隣り合う第１，
第２の各商品収納室に備えた庫内ファンは、冷却器，ヒ
ータの運転サイクルが合致しない場合でも同期的に回
転，停止制御され、片方の庫内ファンのみが単独で停止
することがない。したがって、通風切替シャッタを閉じ
て各商品収納室の一方をコールド運転，他方をホット運
転とした運転状態でも、商品収納室相互間での圧力差の
発生は勿論のこと、通風切替シャッタの隙間を通じて一
方の室から他方の室へ温度の異なる空気が吸い込まれる
といった不当な温度干渉が防止される。しかも、個々の
庫内ファンは、そのファンが付属する商品収納室の冷却
器，ないしヒータがＯＦＦで、しかも室内の空気温度が
コールド商品，ホット商品の品温に対してそれぞれ高
温，低温である条件で強制停止するようにしたので、不
要な室内空気の循環が原因で保冷、保温状態にある商品
の品温を不当に乱すことおそれはなく、これにより冷凍
機，ヒータの運転効率が向上して消費電力の節減化が図
れる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず、図２は本発明の運転制御方法の実施
に用いる運転制御回路図であり、図において、MCは冷凍
機の圧縮機（図４における冷却器６に対応する冷凍
機）、HTはヒータ（図４におけるヒータ８に対応す
る）、X1, X2は補助リレー、FM-1, FM-2はファンモータ
（図４における庫内ファン７，９に対応する）、Th-A,
Th-Bはそれぞれコールド室,ホット／コールド室で庫内
ファンの吹出空気温度を感知して動作する電子サーモ接
点（設定温度以下でａ接点がＯＮ）、SWは図４における
通風切替シャッタの切替位置検出スイッチ（ホット運転
に対応した切替位置でａ接点がＯＮ）、Ａ，Ｂは圧縮機
MC，ヒータHTをコールド，ホット運転モードでＯＮ，Ｏ
ＦＦ制御するサーモ接点である。

【００１５】かかる運転制御回路により、図４に示した
通風切替シャッタ１０を閉じて、コールド室３をコール
ド運転，ホット／コールド室４をホット運転とした運転
モードでは、庫内ファン７，９がそれぞれ図３（ａ),
（ｂ）のフローチャートで表すように回転，停止制御さ
れる。すなわち、庫内ファン７，９は、圧縮機，ヒータ
がＯＦＦで、かつコールド室３の室内空気温度がコール
ド商品の品温Ｔ-C以下,ホット／コールド室４の室内空
気温度がホット商品の品温Ｔ-H以上の条件で同時に強制
停止され、それ以外では共に運転される。また、かかる
運転制御動作のタイムチャートを、コールド室３，ホッ
ト／コールド室４における室内空気温度とともに表すと
図１のようになる。

【００１６】図１から明らかなように、コールド室３の
庫内ファンとホット／コールド室４の庫内ファンは、圧
縮機，ヒータの運転サイクルが異なる場合でも、常に同
じタイミングでＯＦＦとなり、それ以外にＯＮである。
したがって、通風切替シャッタの漏れ隙間を通じて運転
中に一方の室から他方の室へ温度の異なる空気が吸い込
まれて干渉し合うといった現象は一切生じない。しか
も、各室の庫内ファン７，９は、圧縮機，ヒータがＯＦ
Ｆで、かつコールド室３の室内空気温度がコールド商品
の品温Ｔ-C以下, ホット／コールド室４の室内空気温度
がホット商品の品温Ｔ-H以上の条件で強制停止されるの
で、この間の室内循環送風に起因して保冷，保温状態に
あるコールド商品，ホット商品の品温を乱すことが抑制
され、この結果として圧縮機，ヒータの運転効率が高ま
って電力消費が低減する。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の運転制御方
法によれば、通風切替シャッタ付きの仕切隔壁を隔てて
隣り合う二つの商品収納室の一方に冷却器を内蔵し、ヒ
ータを内蔵した他方の室でコールド運転，ホット運転を
行うようにしたホットアンドコールド自動販売機を対象
として、冷却器，ヒータの運転サイクル，室内空気温度
に対応して庫内ファンの運転，停止制御を行う際に、通
風切替シャッタの漏れ隙間を通じてコールド運転側の室
とホット運転側の室との間で温度の異なる空気が一方の
室から他方の室に吸い込まれて室温を変化させるといっ
た不当な干渉を防ぐことができ、これにより冷凍機の圧
縮機，ヒータの運転効率の改善と併せて、消費電力の節
減効果をより一層高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の運転制御方法による制御動作のタイム
チャート、およびこれに対応する室内空気温度の変化を
表す図

【図２】本発明の運転制御方法の実施に用いる圧縮機，
ヒータ，庫内ファンの運転制御回路図

【図３】図２による庫内ファンの制御動作のフローチャ
ートを表す図であり、（ａ）はコールド運転側の室，
（ｂ）はホット運転側の室に対応したフローチャート

【図４】本発明の実施対象となるホットアンドコールド
自動販売機の商品収納庫の構成断面図

【図５】図４における通風切替シャッタの外観斜視図

【図６】従来における庫内ファン制御方式による制御動
作のタイムチャート、およびこれに対応する室内空気温
度の変化を表す図であり、（ａ）はコールド室，（ｂ）
はホット室に対応するタイムチャート

【符号の説明】

１ 商品収納庫 ３ コールド室（第１の商品収納室） ４ ホット／コールド室（第２の商品収納室） ５ 仕切隔壁 ６ 冷却器 ７ 庫内ファン ８ ヒータ ９ 庫内ファン １０ 通風切替シャッタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機内に仕切隔壁を隔てて隣り合う第１, 第
   ２の商品収納室を有し、かつ第１の商品収納室が冷却
   器, 庫内ファンを、第２の商品収納室がヒータ, 庫内フ
   ァンを内蔵するとともに、両室間の仕切隔壁に通風切替
   用シャッタを備え、販売モードに合わせて前記シャッタ
   を開閉操作し、第２商品収納室でコールド商品, あるい
   はホット商品を販売するホットアンドコールド自動販売
   機において、前記シャッタを閉じて第１商品収納室をコ
   ールド運転, 第２商品収納室をホット運転とした運転モ
   ードでは、冷却器, ヒータがともに停止状態にあり、か
   つ第１商品収納室内の空気温度がコールド商品の品温よ
   り高く、第２商品収納室内の空気温度がホット商品の品
   温より低い条件で、第１, 第２商品収納室に配備の各庫
   内ファンを同時に強制停止させることを特徴とするホッ
   トアンドコールド自動販売機の運転制御方法。