JPH0617513B2 - 磁気特性と被膜密着性の優れた一方向性珪素鋼板の平坦化焼鈍方法 - Google Patents
磁気特性と被膜密着性の優れた一方向性珪素鋼板の平坦化焼鈍方法Info
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- JPH0617513B2 JPH0617513B2 JP27042086A JP27042086A JPH0617513B2 JP H0617513 B2 JPH0617513 B2 JP H0617513B2 JP 27042086 A JP27042086 A JP 27042086A JP 27042086 A JP27042086 A JP 27042086A JP H0617513 B2 JPH0617513 B2 JP H0617513B2
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- Japan
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- annealing
- silicon steel
- coating
- unidirectional silicon
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/12—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
- C21D8/1277—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties involving a particular surface treatment
- C21D8/1288—Application of a tension-inducing coating
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気特性と被膜密着性の優れた一方向性珪素鋼
板の平坦化焼鈍方法に関するものである。
板の平坦化焼鈍方法に関するものである。
圧延方向に磁化され易い(110)〔001〕方位から成る二次
再結晶集合組織を有する一方向性珪素鋼板は、変圧器、
発電機等の素材として利用されているが、工業的には次
のような方法で製造されている。即ち、転炉法、電炉法
等により適正な成分を有する溶鋼を得、これを連続鋳造
してスラブとすること：このスラブを加熱して熱間圧延
することにより熱延板とし、この熱延板を酸洗又はある
場合には熱延板焼鈍を行うこと：さらに一回冷延または
中間焼鈍をはさむ二回以上の冷延を経て最終厚みとした
冷延板を、脱炭焼鈍さらに二次再結晶が起るに十分な高
温で焼鈍すること：この高温仕上焼鈍後のコイルを連続
焼鈍炉で加熱して、コイル状焼鈍で生じた巻ぐせを矯正
（平坦化）すると同時に絶縁被膜用コーティング液を塗
布、乾燥、焼付することによって製造されている。
再結晶集合組織を有する一方向性珪素鋼板は、変圧器、
発電機等の素材として利用されているが、工業的には次
のような方法で製造されている。即ち、転炉法、電炉法
等により適正な成分を有する溶鋼を得、これを連続鋳造
してスラブとすること：このスラブを加熱して熱間圧延
することにより熱延板とし、この熱延板を酸洗又はある
場合には熱延板焼鈍を行うこと：さらに一回冷延または
中間焼鈍をはさむ二回以上の冷延を経て最終厚みとした
冷延板を、脱炭焼鈍さらに二次再結晶が起るに十分な高
温で焼鈍すること：この高温仕上焼鈍後のコイルを連続
焼鈍炉で加熱して、コイル状焼鈍で生じた巻ぐせを矯正
（平坦化）すると同時に絶縁被膜用コーティング液を塗
布、乾燥、焼付することによって製造されている。
これら一連の製造工程において、圧延方向に磁化され易
い(110)〔001〕方位から成る二次再結晶の発現は、平坦
化焼鈍の直前の工程である高温仕上焼鈍で完了している
が、平坦化焼鈍の機能は (1) 適正な温度と張力による形状矯正 (2) 形状矯正に伴なう塑性歪、高温仕上焼鈍での冷却
歪、高温仕上焼鈍後の巻戻し通板時の曲げ等による歪の
解放 (3) 絶縁被膜用コーティング液の乾燥、焼付による鋼
板への張力効果の付与 であり、これらは一方向性珪素鋼板の磁気特性に大きな
影響をおよぼす。
い(110)〔001〕方位から成る二次再結晶の発現は、平坦
化焼鈍の直前の工程である高温仕上焼鈍で完了している
が、平坦化焼鈍の機能は (1) 適正な温度と張力による形状矯正 (2) 形状矯正に伴なう塑性歪、高温仕上焼鈍での冷却
歪、高温仕上焼鈍後の巻戻し通板時の曲げ等による歪の
解放 (3) 絶縁被膜用コーティング液の乾燥、焼付による鋼
板への張力効果の付与 であり、これらは一方向性珪素鋼板の磁気特性に大きな
影響をおよぼす。
従来の平坦化焼鈍においては、平坦化焼鈍を行なう前
に、絶縁被膜用コーティング液を鋼板に塗布し、その焼
付と形状矯正および歪の解放を同時に行なっている。例
えば特公昭53−262981号公報ではコーティング液を塗布
して８００〜８５０℃で焼付焼鈍が行なわれている。と
ころで一方向性珪素鋼板に張力効果と絶縁性を付与する
絶縁被膜用コーティング液は、例えば特開昭53−28375
号公報に示されるように燐酸塩を主成分としているが、
高温仕上焼鈍で生成したフォルステライト被膜は、絶縁
被膜用コーティング液の燐酸塩あるいはフリー燐酸との
反応によって局所的に侵食を受け、平坦化焼鈍後には被
膜の密着性が劣化することがある。
に、絶縁被膜用コーティング液を鋼板に塗布し、その焼
付と形状矯正および歪の解放を同時に行なっている。例
えば特公昭53−262981号公報ではコーティング液を塗布
して８００〜８５０℃で焼付焼鈍が行なわれている。と
ころで一方向性珪素鋼板に張力効果と絶縁性を付与する
絶縁被膜用コーティング液は、例えば特開昭53−28375
号公報に示されるように燐酸塩を主成分としているが、
高温仕上焼鈍で生成したフォルステライト被膜は、絶縁
被膜用コーティング液の燐酸塩あるいはフリー燐酸との
反応によって局所的に侵食を受け、平坦化焼鈍後には被
膜の密着性が劣化することがある。
従来の平坦化焼鈍では、前述のように、形状矯正および
歪の解放と絶縁被膜の焼付が同時に行なわれており、そ
れなりの作用効果が奏せられているが、被膜密着性の改
善と効果的な被膜張力付与や歪の充分な解放による磁気
特性の向上、安定化を図るにはさらに検討しなければな
らないというのが実情である。
歪の解放と絶縁被膜の焼付が同時に行なわれており、そ
れなりの作用効果が奏せられているが、被膜密着性の改
善と効果的な被膜張力付与や歪の充分な解放による磁気
特性の向上、安定化を図るにはさらに検討しなければな
らないというのが実情である。
本発明は磁気特性と被膜密着性の優れた一方向性珪素鋼
板の平坦化焼鈍法を提供することを目的とするものであ
る。
板の平坦化焼鈍法を提供することを目的とするものであ
る。
本発明者等は磁気特性と被膜密着性の向上、安定化を図
るため平坦化焼鈍方法について詳細に検討した。その結
果最も望ましい平坦化焼鈍方法は、形状矯正および歪の
解放と絶縁被膜用コーティング液の乾燥、焼付をそれぞ
れ独立に行ない、かつ、絶縁被膜用コーティング液の焼
付は、一方性珪素鋼板に張力を与えた状態でキューリー
点未満の温度で行なうことが重要であることを見出し
た。
るため平坦化焼鈍方法について詳細に検討した。その結
果最も望ましい平坦化焼鈍方法は、形状矯正および歪の
解放と絶縁被膜用コーティング液の乾燥、焼付をそれぞ
れ独立に行ない、かつ、絶縁被膜用コーティング液の焼
付は、一方性珪素鋼板に張力を与えた状態でキューリー
点未満の温度で行なうことが重要であることを見出し
た。
即ち、平坦化焼鈍ではコイルの巻ぐせや冷却歪等を矯正
するのであるから必然的に塑性変形を生じる。しかしこ
の塑性変形によって生じた歪が残留すると磁気特性が著
しく劣化するので、形状矯正と歪の解放を連続焼鈍で行
なうためには、一方向性珪素鋼板の伸び性が大きく、又
歪の解放も短時間で行なわれる７５０℃以上の温度に加
熱しなければならない。しかしこの温度域では、塗布し
た絶縁被膜用コーティング液は焼付けられてガラス化を
完了しており、ガラス化した絶縁被膜を有する一方向性
珪素鋼板に塑性変形を加えると、絶縁被膜に微細な亀裂
が生じ被膜の張力効果を著しく減少させることがつきと
められた。又平坦化焼鈍の温度が高く、均熱時間が長い
ほど、絶縁被膜用コーティング液の主成分である燐酸と
フォルステライト被膜の反応が進み被膜密着性が劣化す
る。
するのであるから必然的に塑性変形を生じる。しかしこ
の塑性変形によって生じた歪が残留すると磁気特性が著
しく劣化するので、形状矯正と歪の解放を連続焼鈍で行
なうためには、一方向性珪素鋼板の伸び性が大きく、又
歪の解放も短時間で行なわれる７５０℃以上の温度に加
熱しなければならない。しかしこの温度域では、塗布し
た絶縁被膜用コーティング液は焼付けられてガラス化を
完了しており、ガラス化した絶縁被膜を有する一方向性
珪素鋼板に塑性変形を加えると、絶縁被膜に微細な亀裂
が生じ被膜の張力効果を著しく減少させることがつきと
められた。又平坦化焼鈍の温度が高く、均熱時間が長い
ほど、絶縁被膜用コーティング液の主成分である燐酸と
フォルステライト被膜の反応が進み被膜密着性が劣化す
る。
これらの問題を一挙に解決し、さらに磁気特性を向上さ
せる方法はコイル状で高温仕上焼鈍された一方向性珪素
鋼板を、板状で７５０℃以上の温度で通板して形状矯正
と歪の解放を行ない、その後、絶縁被膜用コーティング
液を塗布して鋼板に張力を与えた状態で３５０℃以上、
キューリー点未満の温度で焼付け、絶縁被膜を形成する
ことである。
せる方法はコイル状で高温仕上焼鈍された一方向性珪素
鋼板を、板状で７５０℃以上の温度で通板して形状矯正
と歪の解放を行ない、その後、絶縁被膜用コーティング
液を塗布して鋼板に張力を与えた状態で３５０℃以上、
キューリー点未満の温度で焼付け、絶縁被膜を形成する
ことである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明が適用される一方向性珪素鋼板は、鋼成分および
平坦化焼鈍されるまでの製造条件は特定する必要がな
く、例えばＣ＝０．０３〜０．１０％，Si＝２．０〜
４．０％，インヒビターとしてＡｌＮ，MnS,MnSe,BN等
公知のものが適宜に用いられ、必要に応じてCu，Sn，N
i，Mo，Ｐ等の元素が含有される。
平坦化焼鈍されるまでの製造条件は特定する必要がな
く、例えばＣ＝０．０３〜０．１０％，Si＝２．０〜
４．０％，インヒビターとしてＡｌＮ，MnS,MnSe,BN等
公知のものが適宜に用いられ、必要に応じてCu，Sn，N
i，Mo，Ｐ等の元素が含有される。
珪素鋼スラブは熱間圧延され、必要に応じて熱延板焼鈍
が施され、一回又は中間焼鈍をはさんだ２回以上の冷間
圧延により最終板厚とされ、脱炭焼鈍後焼鈍分離剤を塗
布しコイル状にて高温仕上焼鈍が行なわれる。その後平
坦化焼鈍が行なわれる。
が施され、一回又は中間焼鈍をはさんだ２回以上の冷間
圧延により最終板厚とされ、脱炭焼鈍後焼鈍分離剤を塗
布しコイル状にて高温仕上焼鈍が行なわれる。その後平
坦化焼鈍が行なわれる。
平坦化焼鈍において、形状矯正および歪の解放と絶縁被
膜用コーティングの焼付をそれぞれ独立に行なうことは
熱エネルギー的には不利な面もあるが、本発明ではそれ
ぞれの機能を本質的に解明した結果、磁性体である一方
向性珪素鋼板の特質を生かし、かつその基本特性である
磁気特性と被膜密着性の向上、安定化を実現するために
それぞれ独立で行なう。
膜用コーティングの焼付をそれぞれ独立に行なうことは
熱エネルギー的には不利な面もあるが、本発明ではそれ
ぞれの機能を本質的に解明した結果、磁性体である一方
向性珪素鋼板の特質を生かし、かつその基本特性である
磁気特性と被膜密着性の向上、安定化を実現するために
それぞれ独立で行なう。
まず、コイル状で高温仕上焼鈍された一方向性珪素鋼板
の形状矯正と歪の解放を行なう目的で７５０℃以上の温
度にて一方向性珪素鋼板を板状で通板する。この際、焼
鈍前の前期鋼板には絶縁被膜用コーティング液は塗布し
ない。７５０℃以上の温度で通板するのは、形状矯正と
歪の解放を短時間で効果的に行なうためである。絶縁被
膜用コーティング液を塗布しないで行なうこの通板では
絶縁被膜の生成がなく、従って変形抵抗が少く、現状矯
正と歪の解放が充分に行なわれるため磁気特性がすぐれ
ている。
の形状矯正と歪の解放を行なう目的で７５０℃以上の温
度にて一方向性珪素鋼板を板状で通板する。この際、焼
鈍前の前期鋼板には絶縁被膜用コーティング液は塗布し
ない。７５０℃以上の温度で通板するのは、形状矯正と
歪の解放を短時間で効果的に行なうためである。絶縁被
膜用コーティング液を塗布しないで行なうこの通板では
絶縁被膜の生成がなく、従って変形抵抗が少く、現状矯
正と歪の解放が充分に行なわれるため磁気特性がすぐれ
ている。
例えば第１図は、一定張力下における絶縁被膜の有無と
一方向性珪素鋼板の伸びおよび保定温度の関係を示した
ものである。なお調査した供試鋼板の板厚は０．３５mm
で、張力を０．５０kg／mm2とした。絶縁被膜なしの方
がより低張力で形状矯正に必要な伸びが与えられるた
め、歪の解放も短時間で効率的に行なわれる。
一方向性珪素鋼板の伸びおよび保定温度の関係を示した
ものである。なお調査した供試鋼板の板厚は０．３５mm
で、張力を０．５０kg／mm2とした。絶縁被膜なしの方
がより低張力で形状矯正に必要な伸びが与えられるた
め、歪の解放も短時間で効率的に行なわれる。
形状矯正と歪の解放を施した後、絶縁被膜用コーティン
グ液の塗布に適した温度に冷却した一方向性珪素鋼板
に、絶縁被膜用コーティング液、例えば燐酸や燐酸アル
ミニウム、燐酸マグネシウム、燐酸亜鉛、燐酸カルシウ
ム等の燐酸塩、クロム酸やクロム酸マグネシウム等のク
ロム酸塩、重クロム酸塩、コロイダルシリカ等を適宜に
含有した絶縁被膜用コーティング液を塗布し、鋼板に
０．３〜１．５kg／mm2の張力を付与した状態で３５０
℃以上キューリー点未満の温度範囲で焼付け、絶縁被膜
を形成する。キューリー点未満の温度域、即ち、磁性体
である一方向性珪素鋼板に張力を与えることにより磁区
細分化した状態で絶縁被膜形成を行なうことは鉄損を著
しく向上させる。又キューリー点温度未満では一方向性
珪素鋼板の伸び性が少く、鋼板により大きな張力を与え
得ることは鉄損の向上に効果がある。同時に低温焼付に
よって、燐酸とフォルステライト被膜の反応の進行を抑
え、フォルステライト被膜の密着性劣化を大巾に軽減す
る。
グ液の塗布に適した温度に冷却した一方向性珪素鋼板
に、絶縁被膜用コーティング液、例えば燐酸や燐酸アル
ミニウム、燐酸マグネシウム、燐酸亜鉛、燐酸カルシウ
ム等の燐酸塩、クロム酸やクロム酸マグネシウム等のク
ロム酸塩、重クロム酸塩、コロイダルシリカ等を適宜に
含有した絶縁被膜用コーティング液を塗布し、鋼板に
０．３〜１．５kg／mm2の張力を付与した状態で３５０
℃以上キューリー点未満の温度範囲で焼付け、絶縁被膜
を形成する。キューリー点未満の温度域、即ち、磁性体
である一方向性珪素鋼板に張力を与えることにより磁区
細分化した状態で絶縁被膜形成を行なうことは鉄損を著
しく向上させる。又キューリー点温度未満では一方向性
珪素鋼板の伸び性が少く、鋼板により大きな張力を与え
得ることは鉄損の向上に効果がある。同時に低温焼付に
よって、燐酸とフォルステライト被膜の反応の進行を抑
え、フォルステライト被膜の密着性劣化を大巾に軽減す
る。
次に絶縁被膜形成（ガラス化）におけるコーティング液
焼付温度の限定理由を説明する。鉄損の著しい向上は一
方向性珪素鋼板が磁性体としての特徴を有する温度域で
絶縁被膜の形成が行なわれることが必須であり、焼付温
度はキューリー点未満でなければならない。又キューリ
ー点以上の温度では一方向性珪素鋼板の降伏点が著しく
低下するため低い張力で塑性変形を生じること、さらに
燐酸とフォルステライト被膜の反応速度が増大すること
もコーティング液の焼付温度をキューリー点未満とする
理由である。燐酸塩をベースとする絶縁被膜用コーティ
ング液は３５０℃未満ではガラス化しないので焼付温度
は３５０℃を下限とした。
焼付温度の限定理由を説明する。鉄損の著しい向上は一
方向性珪素鋼板が磁性体としての特徴を有する温度域で
絶縁被膜の形成が行なわれることが必須であり、焼付温
度はキューリー点未満でなければならない。又キューリ
ー点以上の温度では一方向性珪素鋼板の降伏点が著しく
低下するため低い張力で塑性変形を生じること、さらに
燐酸とフォルステライト被膜の反応速度が増大すること
もコーティング液の焼付温度をキューリー点未満とする
理由である。燐酸塩をベースとする絶縁被膜用コーティ
ング液は３５０℃未満ではガラス化しないので焼付温度
は３５０℃を下限とした。
又絶縁被膜形成時に一方向性珪素鋼板に付与されている
張力は前述の温度域では０．３kg／mm2未満では磁区細
分化効果が少なく鉄損の改善が少なく、一方あまりにも
大きくなると塑性変形を起し鉄損が劣化するので上限は
５kg／mm2となる。従って望ましい張力の範囲は０．３
〜５kg／mm2である。
張力は前述の温度域では０．３kg／mm2未満では磁区細
分化効果が少なく鉄損の改善が少なく、一方あまりにも
大きくなると塑性変形を起し鉄損が劣化するので上限は
５kg／mm2となる。従って望ましい張力の範囲は０．３
〜５kg／mm2である。
＜実施例＞ 重量でＣ；0.070％，Si；3.25％，Mn；0.060％，Ｓ；0.
026％，Ａｌ；0.030％，Ｎ；0.0080％，Sn：0.080％，C
u；0.075％からなる珪素鋼スラブを公知の方法で熱延−
焼鈍−冷延し、最終板厚０．２３mmとした後、脱炭焼鈍
−焼鈍分離剤塗布−最終仕上焼鈍を行って供試コイルと
した。このコイルを８５０℃で６０秒間、張力を０．３
kg／mm2付与しながらヒートフラットニング処理を行っ
た。この後特公昭53−28375号公報に示されるリン酸ア
ルミニウム−コロイド状シリカ−クロム酸からなる張力
付与型コーティング液を塗布乾燥後の重量で５ｇ／m2に
なるよう塗布し、Ａ条件：６００℃（鋼板への付与張力
１．２kg／mm2）とＢ条件：７００℃（鋼板への付与張
力０．７kg／mm2）で夫々３０秒間の被膜焼付処理を行
った。尚、比較材として同一の仕上焼鈍後のコイルの一
部を用いて前記コーティング剤を塗布した後に８５０℃
６０″間のヒートフラットニングと焼付処理を行う従来
法によるヒートフラットニング処理の試料を作成した。
026％，Ａｌ；0.030％，Ｎ；0.0080％，Sn：0.080％，C
u；0.075％からなる珪素鋼スラブを公知の方法で熱延−
焼鈍−冷延し、最終板厚０．２３mmとした後、脱炭焼鈍
−焼鈍分離剤塗布−最終仕上焼鈍を行って供試コイルと
した。このコイルを８５０℃で６０秒間、張力を０．３
kg／mm2付与しながらヒートフラットニング処理を行っ
た。この後特公昭53−28375号公報に示されるリン酸ア
ルミニウム−コロイド状シリカ−クロム酸からなる張力
付与型コーティング液を塗布乾燥後の重量で５ｇ／m2に
なるよう塗布し、Ａ条件：６００℃（鋼板への付与張力
１．２kg／mm2）とＢ条件：７００℃（鋼板への付与張
力０．７kg／mm2）で夫々３０秒間の被膜焼付処理を行
った。尚、比較材として同一の仕上焼鈍後のコイルの一
部を用いて前記コーティング剤を塗布した後に８５０℃
６０″間のヒートフラットニングと焼付処理を行う従来
法によるヒートフラットニング処理の試料を作成した。
ヒートフラットニング処理後の磁性と被膜の密着性試験
の結果を表１に示す。本発明法の材料では磁気特性、被
膜密着性とも従来のコーティング焼付処理とヒートフラ
ットニング処理を高温で行う比較材に比し何れも優れた
結果が得られた。
の結果を表１に示す。本発明法の材料では磁気特性、被
膜密着性とも従来のコーティング焼付処理とヒートフラ
ットニング処理を高温で行う比較材に比し何れも優れた
結果が得られた。
（発明の効果） 本発明は以上のように、一方向性珪素鋼板を平坦化焼鈍
するにあたって、絶縁被膜コーティング溶液の塗布前
に、形状矯正と歪の解放を行ない、その後に張力付与絶
縁コーティング溶液を塗布し張力を与えて焼付け絶縁被
膜を形成するので、歪は十分に解放され、また絶縁被膜
の劣化がなく、磁気特性がすぐれ、かつ密着性がすぐれ
た絶縁被膜を有する一方向性珪素鋼板が得られる。
するにあたって、絶縁被膜コーティング溶液の塗布前
に、形状矯正と歪の解放を行ない、その後に張力付与絶
縁コーティング溶液を塗布し張力を与えて焼付け絶縁被
膜を形成するので、歪は十分に解放され、また絶縁被膜
の劣化がなく、磁気特性がすぐれ、かつ密着性がすぐれ
た絶縁被膜を有する一方向性珪素鋼板が得られる。
第１図は絶縁被膜の有無が一方向性珪素鋼板を加熱した
ときの伸びに及ぼす影響を示す図である。
ときの伸びに及ぼす影響を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項１】一方向性珪素鋼板を平坦化焼鈍するにあた
り、コイル状で高温仕上焼鈍された一方向性珪素鋼板
を、板状で連続的に通板しつつ７５０℃以上の温度に加
熱して形状矯正と歪の解放を行ない、冷却後、張力付与
絶縁被膜コーティング溶液を塗布し、鋼板に張力を与え
た状態で３５０℃以上キユーリー点未満の温度で焼付
け、絶縁被膜を形成することを特徴とする磁気特性と被
膜密着性の優れた一方向性珪素鋼板の平坦化焼鈍方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27042086A JPH0617513B2 (ja) | 1986-11-13 | 1986-11-13 | 磁気特性と被膜密着性の優れた一方向性珪素鋼板の平坦化焼鈍方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27042086A JPH0617513B2 (ja) | 1986-11-13 | 1986-11-13 | 磁気特性と被膜密着性の優れた一方向性珪素鋼板の平坦化焼鈍方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63125620A JPS63125620A (ja) | 1988-05-28 |
| JPH0617513B2 true JPH0617513B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=17486021
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27042086A Expired - Lifetime JPH0617513B2 (ja) | 1986-11-13 | 1986-11-13 | 磁気特性と被膜密着性の優れた一方向性珪素鋼板の平坦化焼鈍方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0617513B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SE516635C2 (sv) * | 2000-06-21 | 2002-02-05 | Abb Ab | Anordning för stränggjutning av metallmaterial |
| KR100950405B1 (ko) | 2003-04-04 | 2010-03-29 | 주식회사 포스코 | 전기강판의 절연 코팅방법 및 그 코팅 된 전기강판 |
| JP5754097B2 (ja) | 2010-08-06 | 2015-07-22 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
| KR101421388B1 (ko) * | 2010-08-06 | 2014-07-18 | 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 | 방향성 전기 강판 및 그 제조 방법 |
-
1986
- 1986-11-13 JP JP27042086A patent/JPH0617513B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63125620A (ja) | 1988-05-28 |
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