JPH06175082A - 染色されたプラスチックレンズの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

染色されたプラスチックレンズの製造方法及びその製造装置

Info

Publication number
JPH06175082A
JPH06175082A JP4351522A JP35152292A JPH06175082A JP H06175082 A JPH06175082 A JP H06175082A JP 4351522 A JP4351522 A JP 4351522A JP 35152292 A JP35152292 A JP 35152292A JP H06175082 A JPH06175082 A JP H06175082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dyeing
dye
plastic lens
solution
lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4351522A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiro Nagira
行宏 柳楽
Tamotsu Sakai
保 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP4351522A priority Critical patent/JPH06175082A/ja
Publication of JPH06175082A publication Critical patent/JPH06175082A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 染色時間が短く、バラツキが少なく、修正染
色の必要がない、自動化にも対応し易く、劣化の少ない
レンズを得ることができる製造方法を確立し、これを利
用した装置を得る。 【構成】 染料を溶媒中に溶解した溶液中に、加圧状態
下で且つ100℃以上の温度のもとに、プラスチックレ
ンズを予め定められた時間に亙って浸漬するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡用プラスチックレ
ンズをサングラス・ファッションレンズ等に用いるため
に、例えば中・高濃度に染色されたプラスチックレンズ
の製造方法及びその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズの特徴の一つに染色
できるということがあげられる。この特徴を生かして近
年、眼鏡用レンズのカラー化が進んできている。
【0003】眼鏡用カラーレンズは、濃度10〜30%
位の淡いカラーが主流であるが、近年サングラス用、ス
ポーツ用、ファッション用として、中・高濃度(50〜
90%位)に染色したレンズも多くなっている。
【0004】ところで、染色を決定する要素には、主に
次の3点がある。 ・溶媒中の染料の濃度 ・染色温度 ・染色時間 である。
【0005】通常、眼鏡用レンズを染色する場合は、例
えば多種の染料を所定の比率で配合した飽和量の染料
と、界面活性剤とを混合分散させた染料水溶液の入った
ポットを90℃程度に保ち、染料溶液の濃度・温度を一
定とした状態で、染色時間のみでレンズの色・濃度を制
御する。この中にレンズを浸漬して染色する所謂「ポッ
ト染色法」が一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この飽和量
の染料を用いたポット染色法には、次のような種々の問
題点があった。
【0007】(1) 染色時間が2〜3時間と長い。 (2) 染色した個々のレンズの色・濃度のバラツキが大き
いので、修正染色が必要である。 (3) 個々のバラツキが大きいため自動化が難しく、他品
種少量生産となると作業者の勘と経験に頼らざるを得な
い。 (4) 長期の使用で劣化が激しい。
【0008】本発明は、以上のような問題を解決し、染
色時間が短く、バラツキが少なく、修正染色の必要がな
い、自動化にも対応し易く、劣化の少ないレンズを得る
ことができる製造方法を確立し、これを利用した装置を
得ること、更に例えば一般の眼鏡店でも使用可能な製造
装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本請求項1の発明に係る
染色されたプラスチックレンズの製造方法では、染料を
溶媒中に溶解した溶液中に、加圧状態下で且つ100℃
以上の温度のもとに、プラスチックレンズを予め定めら
れた時間に亙って浸漬する方法である。
【0010】また、本請求項2の発明に係る染色された
プラスチックレンズの製造方法では、請求項1に記載の
製造方法において、前記浸漬時間が、前記溶液中の染料
濃度と前記プラスチックレンズに含浸された染料濃度と
が前記温度で平衡状態となるに充分な時間である方法で
ある。
【0011】さらに、本請求項3の発明に係る染色され
たプラスチックレンズの製造方法では、請求項1に記載
の製造方法において、前記プラスチックレンズの浸漬中
に前記溶液を攪拌する方法である。
【0012】また、本請求項4の発明に係る染色された
プラスチックレンズの製造装置では染料を溶媒中に溶解
した溶液とプラスチックレンズとを密閉収納する容器
と、加熱媒体を内部に貯留して前記容器を熱浴する恒温
槽と、前記恒温槽内に収納された前記容器内の溶液を所
定時間攪拌する攪拌手段とを備えたものである。
【0013】
【作用】従来の幾つかの単色染料を混合した飽和量の染
料を溶解した溶液にプラスチックレンズを浸漬するポッ
ト染色法では、染料溶液中の染料の濃度とプラスチック
レンズ中の染料の濃度とが、非平衡の状態で染着・拡散
が完結し、カラーレンズとなっていた。
【0014】この様に、化学的に不安定な非平衡状態で
染色が完結するので、溶媒の温度の変動による影響を受
け易く、染料を構成する各々の単色染料のプラスチック
レンズに対する染着特性がレンズの個々の表面や、個々
のレンズで相違すると、同一の色に染まらず、色ムラと
なってくる。また、前回と同様の操作で染色を行って
も、同様の色に染まることとはならない。
【0015】加えて、現在の分散染料は一般的に、90
℃では100℃以上の温度で染色した時と比較して染色
速度がかなり小さいことが知られている。更に、100
℃以上の温度で染色した場合は安定した染色性が得られ
るが、90℃以下の温度で染色した場合は染色性が不安
定であり、溶媒のわずかな温度の変化で染色性が変化す
る。このため従来の染色法では、レンズを染色する毎
に、染料溶液の染色特性の変動があり、同じ染色槽で染
色しても同一の色に染まらない。
【0016】詳しく説明するならば、図1は分散染料
a,b,cの染色速度と温度との関係を模式的に示した
線図である。図に示す通り、分散染料の種類に応じて、
染色速度の温度変化に伴なう曲線が相違する。一般的に
は、染色速度約70℃で染色速度が徐々に上がり、10
0℃以上となった場合に平衡状態となる。
【0017】この染色速度と温度変化の曲線は分散染料
の種類に応じて個別なものであり、特に従来のポット染
色法で用いられる温度である90℃前後では、温度の変
化に対して個々の分散染料の染色速度が大きく相違する
こととなる。
【0018】このために、従来のポット染色法では、温
度変化に対する染色速度変化が大きい範囲で染色するも
のであり、レンズの個々の表面や、個々のレンズで温度
が少しでも相違すると、個々の染色速度が大きく相違す
ることとなる。加えて、ポット染色法では種々の染料を
混合して用いているため、温度変化があると変化に応じ
て個々の染料の染色速度が相違するため、レンズは同一
の色に染まらないことが理解できる。
【0019】そこで、本発明は染料を溶媒中に溶解した
溶液中に、加圧状態下で且つ前記溶液の沸点である10
0℃以上の温度のもとに、プラスチックレンズを予め定
められた時間に亙って浸漬するものである。即ち、染色
温度100℃以上の、染色速度が大きく、染色性が安定
している状態で染色できることが判る。
【0020】このため、染色時間が大幅に短縮される。
加えて、レンズの個々の表面や、個々のレンズで温度が
若干相違しても、個々の単色染料の染着の比率等は殆ど
変化せず、染色した個々のレンズの色・濃度のバラツキ
は殆どない。これによって、カラーレンズの色・濃度の
再現性が飛躍的に向上する。
【0021】また、本発明では、プラスチックレンズを
溶液中の染料濃度と前記プラスチックレンズに含浸され
た染料濃度とが平衡状態となるに充分な時間浸漬するも
のである。これは、所望の色・濃度にプラスチックレン
ズを染める場合には、従来の飽和量の染料を必要としな
い。
【0022】即ち、従来のように飽和量の染料を用い
て、溶液中の染料濃度とプラスチックレンズに含浸され
た染料濃度とが溶液の沸点以上の温度で平衡状態となる
に充分な時間染めた場合には、真っ黒になり透過率が極
端に低くなってしまうからである。後述する一実施例に
よれば、同程度の濃度に染める場合には、染料は従来の
約1/10以下で充分である。
【0023】加えて、加圧状態にて100℃以上の染色
温度で浸漬するため、平衡状態となるに充分な時間が、
1〜1.5時間程度の実現可能な時間となる。従来のポ
ット染色法では染色速度が低いため、飽和染料溶液を用
い、染色温度を一定とした状態で、染色時間のみでレン
ズの色・濃度を制御し、非平衡状態で染色を終えてい
た。しかし、本発明の場合、現実的な染色時間で平衡に
達するので、染色温度・時間を一定とし、溶媒中の染料
濃度でレンズの色・濃度を制御することが可能である。
【0024】更に、本発明で得られたカラーレンズで
は、従来の非平衡状態で得られたカラーレンズと比べる
と、充分にプラスチックレンズ内部に染料が拡散されて
いるため、従来のカラーレンズと比べても色の脱色が少
なく、長期に渡って劣化が少ない。
【0025】また、溶液中の染料の濃度とプラスチック
レンズに含浸された染料の濃度とが溶液の沸点以上の温
度で平衡状態で染着・拡散が完結して染色されるため、
溶液の温度の変動に対する影響が少なく、容易に同一の
色・濃度のカラーレンズを得ることができる。
【0026】更に、本発明では、好ましくは、プラスチ
ックレンズの浸漬中に溶液を攪拌するものである。この
ために、温度ムラがなく、レンズ表面で常に均一な溶液
が供給されるため、容易に同一の色・濃度のカラーレン
ズを得ることができる。更に、染色を行う装置の大型化
又は小型化が簡略に達成可能となる。
【0027】前述の製造方法を良好に行う装置として、
本発明では、染料を溶媒中に溶解した溶液とプラスチッ
クレンズとを密閉収納する容器と、加熱媒体を内部に貯
留して前記容器を熱浴する恒温槽と、前記恒温槽内に収
納された前記容器内の溶液を所定時間攪拌する攪拌手段
とを備えたものを開示する。
【0028】前記容器の内容積は、プラスチックレンズ
が収納される程度の大きさであればよく、眼鏡店が所有
して数枚のレンズの染色が行える程度の小型のものか
ら、大型のものまで種々使用可能であり、例えば円筒形
状の容器を用いる。
【0029】また、内部に収納する染料は、プラスチッ
クレンズに使用できる染料であればよく、例えば分散染
料等が用いられる。また、溶媒は、水の他にもプラスチ
ックレンズ及び染料に影響を与えないならば、アルコー
ル等の有機溶媒が使用可能である。
【0030】また、恒温槽は前記容器を保持可能の大き
さであればよい。熱媒体としては100℃よりも高い温
度であればよく、例えばポリエチレングリコール等の熱
媒体が用いられる。
【0031】容器内にレンズを入れ、容器内部に染色溶
液を入れて、容器を密閉し、これを熱媒体よって100
℃以上の温度に加熱すると、容器内の溶液の少なくとも
一部が蒸発して、容器内は加圧状態となる。このため、
容器としては、この内圧に耐えるに充分な構造強度をも
つものとする。
【0032】容器内の溶液を攪拌する攪拌手段として
は、前記容器自体に攪拌装置を設置してもよく、前記容
器自体を外部から例えば回動する手段を講じてもよい。
尚、装置の小型化を目的とするならば、好ましくは容器
を円筒形状として、この円筒容器を支えて横転動させる
回動軸を恒温槽に備えた構成とする。
【0033】
【実施例】(1)溶媒に水を用いた高温染色法 染料溶媒に水を用いたプラスチックレンズの染色を、高
温染色法で行った。図2は本発明の染色法を行うための
染色装置の一実施例の構成を示す説明図である。図に示
す通り、容量約440mlの密閉式の円筒容器(1) に多
数枚のレンズ基材(3) を間隔を開けて入れた(図には2
枚を例示した)。染料溶液(2) をレンズが浸漬する程度
に満たした。
【0034】この円筒容器(1) を熱媒体として130℃
に加熱したポリエチレングリコール(4) が入った恒温槽
(5) の図示せぬ原動機で回転する2本の回転ロッド(6)
上に載せて回転させながら染色した。染料溶液の液温は
70℃から130℃まで昇温させるのに30分かかっ
た。更に、130℃で1時間放置した。尚、使用したレ
ンズ基材はCR−39である。
【0035】10枚のレンズを染色した場合のこの結果
は、全てのレンズの視感透過率は10.8〜11.0%
(濃度89.2〜89.0%)であった。尚、染料溶液
の組成を次の表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】一方、比較のために、従来のポット染色方
法で用いた染料溶液の組成を次の表2に示す。表1及び
表2に示す通り、使用する染料は従来のポット染色法で
使用する染料の1/10以下であることが判る。
【0038】
【表2】
【0039】(2)溶媒に水以外の物質を用いた高温染
色法 水以外の物質を溶媒に用いた場合の、実施例を以下に示
す。染料溶液は次の表3に示すものを用い、前述の
(1)の実施例と同じ条件で染色した。この結果、視感
度透過率で64.7〜64.9%(濃度35.3〜3
5.1%)の染色レンズが得られた。
【0040】
【表3】
【0041】以上に説明した実施例において、レンズと
してプラスチックレンズを用いる場合、その材料には、
例えばポリメチルメタクリレート及びその重合体、アク
リロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボネート、
セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン
テレスタレート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、CR−39重合体等が用いられ
る。
【0042】また、本発明の製造方法では、レンズ表面
に耐擦傷性用のハードコートを施した上で、染色するこ
とも可能である。耐擦傷性用のハードコートの組成物と
しては、例えば以下の式で表される有機けい素化合物又
はその加水分解物等が用いられる。 R1 a2 bSi(OR34-(a+b) …式(1) (但し、R1 は官能基又は不飽和2銃結合を有する単素
数4〜14の有機基、R2 は炭素数1〜6の炭化水素基
又はハロゲン化炭化水素基、R3 は単素数1〜4のアル
キル基,アルコキシアルキル基又はアシル基であり、a
及びbは各々0又は1であり、且つa+bは1又は2で
ある。)
【0043】式(1) の化合物として、例えば、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−ギリシドキシプロ
ピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリエトキシシランや、さらにメチ
ルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、アミノメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルトキメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
などの各種トリアルコキシラン、トリアシロキシシラン
アあるいはトリアルコキシアルコキシラン化合物、ま
た、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシ
シラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニ
ウジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、さら
にメチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピル
シリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリ
ケート、t−ブチルシリケート、sec−ブチルシリケ
ートなどがあげられる。これらの化合物は、1種で用い
てもよいが目的・種類に応じて2種以上を混合して用い
てもよい。
【0044】以上のように、本染色法では、密閉式の容
器を用いることにより様々な溶媒が使用できる。現在の
開放系の染色方法では、その溶媒の沸点以上の温度で染
色することができない。例えば水を溶媒とした場合は、
100℃以上の温度で染色することができない。これに
対し、密閉式容器では、その溶媒の沸点以上の温度で染
色を行うことができるので、溶媒選択の幅が広がる。
【0045】また、小型の密閉式円筒容器が使用可能で
あるため、他品種少量生産に向く。即ち、個々のレンズ
に対して小型の密閉容器を用い、これを恒温槽で加熱す
ることによって染色を行うので、色調・濃度の異なるレ
ンズを一度に処理することが可能である。
【0046】更に、100℃以上で染色するので、染色
特性が安定する。即ち、現在のレンズ染色に使用されて
いる染料は、100℃以上で染色速度が安定である。こ
のため、従来の染色法の染色温度である90℃で染色し
たときは、染料やそのロット間での色調その他のバラツ
キが大きい。また、染色温度が90℃程度では、溶媒中
での例えば赤・青・黄の三原色染料の被染物に対する染
色速度が極めて不安定なので、僅かな温度の変動が色調
や濃度のばらつきとなって現われる。
【0047】また、100℃以上で染色することによ
り、品質保証のされている範囲で染料を使用することが
でき、なおかつ染色速度が安定するので、常に一定の色
調・濃度を持った製品を供給できる。
【0048】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、染料を溶
媒中に溶解した溶液中に、加圧状態下で且つ100℃以
上の温度のもとに、プラスチックレンズを予め定められ
た時間に亙って浸漬するものである。即ち、加圧状態下
で且つ100℃以上の温度では、染料の染色速度が高い
染色速度でほぼ一定になる。このため、染色時間が大幅
に短縮される。加えて、レンズの個々の表面や、個々の
レンズで温度が少々相違しても、個々の染料の染着の比
率等は殆ど変化せず、染色したレンズの色・濃度のバラ
ツキは殆どない。これによって、カラーレンズの色・濃
度の再現性が飛躍的に向上する。
【0049】また、本発明では、プラスチックレンズを
溶液中の染料濃度と前記プラスチックレンズに含浸され
た染料濃度とが前記温度で平衡状態となるに充分な時間
浸漬するものである。これは、所望の色・濃度にプラス
チックレンズを染める場合には、従来の飽和量の染料を
必要とせず、染料は従来のポット染色法で使用する場合
の1/10以下で充分である。
【0050】加えて、加圧状態にて100℃以上の温度
で浸漬するため、平衡状態となるに充分な時間が実現可
能な時間となる。更に、本発明で得られたカラーレンズ
は、従来の非平衡状態で得られたカラーレンズと比べる
と、充分にプラスチックレンズ内部に染料が拡散されて
いるため、従来のカラーレンズと比べても色の脱色が少
なく、長期に渡って劣化が少ない。
【0051】また、溶液中の染料の濃度とプラスチック
レンズに含浸された染料の濃度とが100℃以上の温度
で平衡状態として染着・拡散が完結して染色されるた
め、個々の単色染料の染色速度に応じて昇温状態での個
々の温度での染着の相違が殆どなく、溶液の昇温速度に
対する影響が少ない。このため、バラツキが少なく、容
易に同一の色・濃度のカラーレンズを得ることができ
る。従って、修正染色の必要性がない。
【0052】更に、本発明では、好ましくは、プラスチ
ックレンズの浸漬中に溶液を攪拌するものである。この
ために、溶液中での温度ムラがなく、しかも、レンズ表
面で常に均一な溶液が供給されるため、容易に同一の色
・濃度のカラーレンズを得ることができる。更に、染色
を行う装置の自動化にも対応し易く、大型化又は小型化
が簡略に達成可能となる。
【0053】また、本発明の染料を溶媒中に溶解した溶
液とプラスチックレンズとを密閉収納する容器と、加熱
媒体を内部に貯留して前記容器を熱浴する恒温槽と、前
記恒温槽内に収納された前記容器内の溶液を所定時間攪
拌する攪拌手段とを備えたものでは、前述の染色時間が
短く、バラツキが少なく、修正染色の必要性がなく、自
動化にも対応し易く、劣化の少ないレンズを得る製造方
法を容易に行うことができる。
【0054】加えて、密閉式の容器により、水を始めと
して溶媒選択の幅が広がる。更に、装置の小型化が容易
であり、他品種少量生産が容易に行うことができる等の
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】分散染料a,b,cの染色速度と温度との関係
を示した線図である。
【図2】本発明の染色法を行う染色装置の一実施例の構
成を示す説明図である。
【符号の説明】
(1) …円筒容器、 (2) …染料溶液、 (3) …レンズ基材、 (4) …ポリエチレングリコール、 (5) …恒温槽、 (6) …回転ロッド、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料を溶媒中に溶解した溶液中に、加圧
    状態下で且つ100℃以上の温度のもとに、プラスチッ
    クレンズを予め定められた時間に亙って浸漬することを
    特徴とする染色されたプラスチックレンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法において、 前記浸漬時間が、前記溶液中の染料濃度と前記プラスチ
    ックレンズに含浸された染料濃度とが前記温度で平衡状
    態となるに充分な時間であることを特徴とする染色され
    たプラスチックレンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の製造方法において、 前記プラスチックレンズの浸漬中に前記溶液を攪拌する
    ことを特徴とする染色されたプラスチックレンズの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 染料を溶媒中に溶解した溶液とプラスチ
    ックレンズとを密閉収納する容器と、 加熱媒体を内部に貯留して前記容器を熱浴する恒温槽
    と、 前記恒温槽内に収納された前記容器内の溶液を所定時間
    攪拌する攪拌手段とを備えたことを特徴とする染色され
    たプラスチックレンズの製造装置。
JP4351522A 1992-12-09 1992-12-09 染色されたプラスチックレンズの製造方法及びその製造装置 Pending JPH06175082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4351522A JPH06175082A (ja) 1992-12-09 1992-12-09 染色されたプラスチックレンズの製造方法及びその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4351522A JPH06175082A (ja) 1992-12-09 1992-12-09 染色されたプラスチックレンズの製造方法及びその製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06175082A true JPH06175082A (ja) 1994-06-24

Family

ID=18417861

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4351522A Pending JPH06175082A (ja) 1992-12-09 1992-12-09 染色されたプラスチックレンズの製造方法及びその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06175082A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001290025A (ja) * 2000-04-04 2001-10-19 Nitto Denko Corp 偏光板及びその製造方法と液晶表示装置
US6897413B1 (en) * 2004-03-29 2005-05-24 Brain Power Incorporated Device for heating dyes to tint optical lenses and filters
CN113522086A (zh) * 2021-07-05 2021-10-22 山东瑞达硅胶有限公司 一种彩色硅胶颗粒染胶工艺及其染胶装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001290025A (ja) * 2000-04-04 2001-10-19 Nitto Denko Corp 偏光板及びその製造方法と液晶表示装置
US6897413B1 (en) * 2004-03-29 2005-05-24 Brain Power Incorporated Device for heating dyes to tint optical lenses and filters
CN113522086A (zh) * 2021-07-05 2021-10-22 山东瑞达硅胶有限公司 一种彩色硅胶颗粒染胶工艺及其染胶装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4286957A (en) Process of integrating a photochromic substance into an ophthalmic lens and a photochromic lens of organic material
US5560751A (en) Method for dyeing an optical component
BR112017000388B1 (pt) Método de tingimento de lente para óculos de proteção e óculos
CN101107541A (zh) 具有印刷底膜的光学镜片的着色方法,以及具有该印刷底膜的光学有色镜片
US5975696A (en) Process for rendering plastic substrate photochromic
CN101905208A (zh) 一种镜片染色机及染色方法
US5096457A (en) Lens dyeing method and lens dyeing aparatus: dyeing lenses to give a continuous color density gradient
WO1990005207A1 (en) Lens dyeing method and apparatus
JPH06175082A (ja) 染色されたプラスチックレンズの製造方法及びその製造装置
US20040160569A1 (en) Method for incorporating an additive into a thin film formed on a substrate and uses thereof in ophthalmic optics
JP2000314088A (ja) 着色光学用プラスチックレンズの製造方法および着色光学用プラスチックレンズ
JP2012523974A (ja) 調光光学素子を製造するための方法、および調光光学素子
WO2014020025A2 (en) Tinted organic lens and process for tinting
JP4421176B2 (ja) プラスチックレンズの染色方法、染色装置及び染色レンズ
JP4074144B2 (ja) レンズの染色方法
DE60317980T2 (de) Verfahren zum Färben von Kunstofflinsen sowie Färbevorrichtung
JP2003215302A (ja) 着色されたプラスチックレンズおよびその製造方法
JPH1010301A (ja) フォトクロミックプラスチックレンズ及びその製造方法
JPH0843602A (ja) 着色光学部品及びその製造装置
US5865867A (en) Process for producing gradient index optical element
JP3022555B1 (ja) 着色光学用プラスチックレンズの製造方法および着色光学用プラスチックレンズ
JPH0843601A (ja) 着色光学部品及びその製造方法
JPH1112959A (ja) プラスチックレンズの染色方法及びプラスチックレンズ
JP2003185982A (ja) プラスチックレンズ染色方法及び該方法に用いるプラスチックレンズ染色用インク
JPH0843603A (ja) 着色光学部品及びその製造方法と製造装置