JPH06171591A - 潜水用呼吸装置における炭酸ガス吸着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 本発明の目的は、改良された潜水用呼吸装置
における炭酸ガス吸着装置を得るにある。 【構成】 炭酸ガスの吸着筒９を囲む外筒１２の呼気側
に呼気圧によって開かれる外部に連通する逆止弁２２を
有する潜水用呼吸装置における炭酸ガス吸着装置。炭酸
ガスの吸着筒を囲む外筒の吸気側に吸気圧によって開か
れ吸気側に呼吸ガスを供給するためのデマンド弁２６を
有する潜水用呼吸装置における炭酸ガス吸着装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は潜水用呼吸装置、特に圧
縮空気あるいは酸素を充填したボンベよりの呼吸ガス
と、潜水者が排出した呼吸気との混合ガスより炭酸ガス
を吸着して潜水者に戻す潜水用呼吸装置における炭酸ガ
ス吸着装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】潜水用呼吸装置は大別すると開放式呼吸
装置と半閉鎖式呼吸装置あるいは閉鎖式呼吸装置とがあ
る。上記開放式呼吸装置は圧縮空気を呼吸ガス源として
使用して、一度呼吸した呼吸ガスはすべて水中に排出す
るというものであり、長時間の潜水に使用する場合に
は、ボンベの容量を大きくしなければならず重量が嵩む
という問題点がある。

【０００３】一方、半閉鎖式呼吸装置はエアバッグ、排
気弁、炭酸ガス吸着装置、呼吸ガスボンベを備え、呼吸
回路内を循環する呼吸気から炭酸ガスを除去すると共
に、この炭酸ガスを除去した空気及び少量の呼吸ガスを
エアバッグ内に導入し、余分な呼吸気を排出するという
ものであり、また、閉鎖式呼吸装置は前記半閉鎖式呼吸
装置と同様な構成であるが、排気弁を有せず余分な呼吸
気を外部に排出しないようにしたものである。

【０００４】図２は従来の半閉鎖式呼吸装置を示し、１
はボンベ、２は炭酸ガス吸着装置、３はマウスピース、
４は呼気バッグ、５は吸気バッグ、６は呼気ホース、７
は吸気ホース、８は排気弁である。

【０００５】このような従来の潜水用呼吸装置では、ボ
ンベ１からのガスが、吸気バッグ５に注入され、ここで
この新鮮なガスと炭酸ガス吸着装置２で炭酸ガスの除去
されたガスが混合されマウスピース３を介して潜水者に
吸入される。

【０００６】呼気は呼気バッグ４に送られ、炭酸ガス吸
着装置２を通過し、ここで炭酸ガスが除去されて吸気バ
ッグ５へ送られる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の潜
水用呼吸装置においては、このような半閉鎖式潜水用呼
吸装置にあっては、マウスピースを口に喰えて吸気を行
なうものであるが、吸気を行なう際に水がマウスピース
ユニット内に侵入することがある。そして、この水がマ
ウスピースユニットから炭酸ガス吸着装置内に侵入する
と、強アルカリ水が発生したり、炭酸ガスの吸着機能が
低下するという問題点がある。

【０００８】本発明は上記の欠点を除くようにしたもの
である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の潜水用呼吸装置
における炭酸ガス吸着装置は、炭酸ガスの吸着筒と、こ
の吸着筒を収納する外筒と、この外筒の呼気側端面に設
けた外部に連通する逆止弁とより成り、上記逆止弁が呼
気圧によって開き呼気の一部及び水分が外部に放出され
るようになることを特徴とする。

【００１０】また、本発明の潜水用呼吸装置における炭
酸ガス吸着装置は、炭酸ガスの吸着筒と、この吸着筒を
収納する外筒と、この外筒の吸気側端面に設けたデマン
ド弁と、吸気圧によって変位し上記デマンド弁を開く手
段とより成り、上記デマンド弁が開いたとき上記吸気側
に呼吸ガスが供給されるようになることを特徴とする。

【００１１】

【実施例】以下図面によって本発明の実施例を説明す
る。

【００１２】図１は本発明の潜水用呼吸装置における炭
酸ガス吸着装置を示し、９は内部に炭酸ガスの吸着剤を
充填した外周面及び内周面が網状でその両端面が閉塞さ
れている２個の炭酸ガスの吸着筒、１０が互いに軸方向
に連通されているその中心孔、１２はこれら吸着筒９に
共通の外筒、１３ａ，１３ｂはこの外筒１２と上記各吸
着筒９間に形成される夫々独立する空隙、１１及び１４
は上記外筒１２の外周面上側に夫々上記２個の吸着筒９
に対応する空隙１３ａ，１３ｂに連通するよう設けた呼
気口１１及び吸気口１４、１５，１６は、上記外周面下
側に夫々上記空隙１３ａ，１３ｂに連通するよう設けた
エアバッグ連通口、１７は上記炭酸ガスの吸着筒９の端
面を塞ぐ塞ぎ板の外周に設けた鍔、１８は同じく上記共
通の外筒１２の中間部内周面に半径方向内方に延び、上
記鍔１７に係合する環状の塞ぎ板である。

【００１３】本発明においては、上記外筒１２の呼気側
の空隙１３ａ側の端面に、外部に連通する弁口１９と、
この弁口１９を塞ぐ弁押え２０と、この弁押え２０を押
圧するスプリング２１とより成る逆止弁２２を設ける。

【００１４】また、上記外筒１２の吸気側の空隙１３ｂ
側の端面に外部への開口２３を設け、この開口２３を塞
ぐダイヤフラム２４を上記空隙１３ｂ内に設け、潜水者
の吸気圧によって上記ダイヤフラム２４が変位するよう
にすると共に、この変位によって操作されるデマンドレ
バー２５を有するデマンド弁２６を上記空隙１３ｂ内に
配置し、このデマンド弁２６を介してボンベ１からの呼
吸ガスが上記空隙１３ｂ内に供給されるようにする。

【００１５】本発明の潜水用呼吸装置における炭酸ガス
吸着装置は、上記のような構成であるから、炭酸ガス供
給装置２内に水が入った場合にはその吸着筒９をその呼
気口側の端面が下になるように僅か傾け潜水者によって
吸着筒９の呼気側空隙１３ａ内に呼気を送り込めば、こ
れによって弁押え２０が逆止弁２２のスプリング２１に
抗して移動し弁口１９が開いて溜まっていた水が呼気の
一部と共に外部に放出されるようになる。

【００１６】また、吸気の際にはその吸気圧によってダ
イヤフラム２４が変位し、デマンド弁２６がデマンドレ
バー２５を介して開かれ吸気ホース７内に呼吸ガスが導
入されるようになる。

【００１７】

【発明の効果】上記のように本発明の潜水用呼吸装置に
おける炭酸ガス吸着装置によれば、水が炭酸ガス吸着装
置内に浸入した際に、逆止弁を介して完全に除去でき、
この逆止弁は排気弁としても作用するようになる。

【００１８】また、吸気の際にはデマンド弁を介して自
動的に吸気ホース内に呼吸ガスを供給できるようにな
る。

【００１９】更に、水除去用の逆止弁やデマンド弁をエ
アバッグ内に設ける必要がないためエアバッグを使い捨
てにすることができ、エアバッグを頻繁に交換してその
信頼性を向上できるようになる大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の潜水用呼吸装置における炭酸ガス吸着
装置の断面図である。

【図２】従来の潜水用呼吸装置の説明図である。

【符号の説明】

１ ボンベ ２ 炭酸ガス吸着装置 ３ マウスピース ４ 呼気バッグ ５ 吸気バッグ ６ 呼気ホース ７ 吸気ホース ８ 排気弁 ９ 吸着筒 １０ 中心孔 １１ 呼気口 １２ 外筒 １３ 空隙 １４ 吸気口 １５ エアバッグ連通口 １６ エアバッグ連通口 １７ 鍔 １８ 塞ぎ板 １９ 弁口 ２０ 弁押え ２１ スプリング ２２ 逆止弁 ２３ 開口 ２４ ダイヤフラム ２５ デマンドレバー ２６ デマンド弁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 炭酸ガスの吸着筒と、この吸着筒を収納
   する外筒と、この外筒の呼気側端面に設けた外部に連通
   する逆止弁とより成り、上記逆止弁が呼気圧によって開
   き呼気の一部及び水分が外部に放出されるようになるこ
   とを特徴とする潜水用呼吸装置における炭酸ガス吸着装
   置。
2. 【請求項２】 炭酸ガスの吸着筒と、この吸着筒を収納
   する外筒と、この外筒の吸気側端面に設けたデマンド弁
   と、吸気圧によって変位し上記デマンド弁を開く手段と
   より成り、上記デマンド弁が開いたとき上記吸気側に呼
   吸ガスが供給されるようになることを特徴とする潜水用
   呼吸装置における炭酸ガス吸着装置。