JPH06170334A - プレコート鋼板 - Google Patents
プレコート鋼板Info
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- JPH06170334A JPH06170334A JP32669192A JP32669192A JPH06170334A JP H06170334 A JPH06170334 A JP H06170334A JP 32669192 A JP32669192 A JP 32669192A JP 32669192 A JP32669192 A JP 32669192A JP H06170334 A JPH06170334 A JP H06170334A
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- Japan
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- coating film
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- film
- coating
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塗装後の塗膜表面に保護フィルムを貼りつけ
る従来法の場合の如きコスト高及び手間の増大を招くこ
となく、塗装後のコイル巻き取り又は積み重ねの際のプ
レッシャーマークの発生を防止し得る耐プレッシャーマ
ーク性に優れたプレコート鋼板を提供する。 【構成】 鋼板の片方の表面に化粧面の塗膜を有し、そ
の裏側の面に非化粧面の塗膜を有するプレコート鋼板に
おいて、化粧面の塗膜と非化粧面の塗膜との表面粗さの
差が中心線平均粗さRaで 0.7μm 以内であり、非化粧面
の塗膜がモース硬度4以下の非金属化合物を該塗膜中の
顔料全量に対して20wt%以上の割合で含有し、且つ、非
化粧面の塗膜の厚さが3〜20μm であることを特徴とす
るもの。
る従来法の場合の如きコスト高及び手間の増大を招くこ
となく、塗装後のコイル巻き取り又は積み重ねの際のプ
レッシャーマークの発生を防止し得る耐プレッシャーマ
ーク性に優れたプレコート鋼板を提供する。 【構成】 鋼板の片方の表面に化粧面の塗膜を有し、そ
の裏側の面に非化粧面の塗膜を有するプレコート鋼板に
おいて、化粧面の塗膜と非化粧面の塗膜との表面粗さの
差が中心線平均粗さRaで 0.7μm 以内であり、非化粧面
の塗膜がモース硬度4以下の非金属化合物を該塗膜中の
顔料全量に対して20wt%以上の割合で含有し、且つ、非
化粧面の塗膜の厚さが3〜20μm であることを特徴とす
るもの。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレコート鋼板に関
し、詳細には、家庭用電気機器、屋内器物等の分野で用
いて好適な耐プレッシャーマーク性に優れたプレコート
鋼板に関する。
し、詳細には、家庭用電気機器、屋内器物等の分野で用
いて好適な耐プレッシャーマーク性に優れたプレコート
鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から家庭用電気機器、屋内器物等に
使用される鋼板は、装飾性(美観)の付与及び/又は防
食を目的として、一般的には塗装されて使用される。近
年、かかる用途での塗装は、多様化、高級化の傾向にあ
り、冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジ等では高光沢の外
観が好まれ、一方、オーディオ・ビジュアル機器等では
反対に光沢を低く調整した外観が要求される。尚、これ
ら外観が要求される面は化粧面といわれ、その裏側の面
は非化粧面といわれる。
使用される鋼板は、装飾性(美観)の付与及び/又は防
食を目的として、一般的には塗装されて使用される。近
年、かかる用途での塗装は、多様化、高級化の傾向にあ
り、冷蔵庫、洗濯機、オーブンレンジ等では高光沢の外
観が好まれ、一方、オーディオ・ビジュアル機器等では
反対に光沢を低く調整した外観が要求される。尚、これ
ら外観が要求される面は化粧面といわれ、その裏側の面
は非化粧面といわれる。
【0003】かかる塗装において、その塗装方式として
は、家電メーカにおける公害防止、コスト低減、職場環
境改善等の目的より、鋼板をプレス成形後塗装するポス
トコート方式から、予め鋼板メーカにて塗装した鋼板を
購入して家電メーカ等でプレス成形するプレコート方式
(即ち、家電メーカ等でのプレス成形前に鋼板メーカに
て鋼板を塗装する方式)に切り替わりつつある。このプ
レコート方式により得られる鋼板がプレコート鋼板であ
る。
は、家電メーカにおける公害防止、コスト低減、職場環
境改善等の目的より、鋼板をプレス成形後塗装するポス
トコート方式から、予め鋼板メーカにて塗装した鋼板を
購入して家電メーカ等でプレス成形するプレコート方式
(即ち、家電メーカ等でのプレス成形前に鋼板メーカに
て鋼板を塗装する方式)に切り替わりつつある。このプ
レコート方式により得られる鋼板がプレコート鋼板であ
る。
【0004】このプレコート方式には、鋼帯(コイル)
で塗装する場合と、鋼帯を切断した切板(短尺鋼板)で
塗装する場合との2通りがある。前者の鋼帯で塗装する
場合は、鋼板を塗装した後、このプレコート鋼板を一定
の張力を与えながらコイルに巻き取る。後者の切板で塗
装する場合は、鋼板(切板)を塗装した後、これらプレ
コート鋼板を積み重ねて梱包・保管する。
で塗装する場合と、鋼帯を切断した切板(短尺鋼板)で
塗装する場合との2通りがある。前者の鋼帯で塗装する
場合は、鋼板を塗装した後、このプレコート鋼板を一定
の張力を与えながらコイルに巻き取る。後者の切板で塗
装する場合は、鋼板(切板)を塗装した後、これらプレ
コート鋼板を積み重ねて梱包・保管する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のプレコート鋼板においては、プレッシャーマークが
発生するという問題点がある。即ち、プレコート方式に
おいて、鋼帯で塗装する場合は、前記の如く塗装後のプ
レコート鋼板を一定張力付与下でコイルに巻き取るが、
このときプレコート鋼板の表面の塗膜(塗装により鋼板
表面に形成された塗膜)の表面には大きな圧力が加わ
り、そのため非化粧塗装面(非化粧面の塗膜の表面)の
凹凸が化粧塗装面(化粧面の塗膜の表面)に転写され、
この転写模様により化粧塗装面の光沢が変化する。この
ような転写模様がプレッシャーマークといわれ、それが
化粧塗装面に発生するのである。又、切板で塗装する場
合は、前記の如く塗装後のプレコート鋼板を積み重ねて
梱包・保管するが、このとき鋼板重量が局部的に集中す
る部分にプレッシャーマークが発生する。かかるプレッ
シャーマークが発生したプレコート鋼板は本来の美麗な
光沢が損なわれているので、著しく商品価値が低下す
る。従って、プレッシャーマークの発生は極めて深刻な
問題点であり、その解決が切望されている。
来のプレコート鋼板においては、プレッシャーマークが
発生するという問題点がある。即ち、プレコート方式に
おいて、鋼帯で塗装する場合は、前記の如く塗装後のプ
レコート鋼板を一定張力付与下でコイルに巻き取るが、
このときプレコート鋼板の表面の塗膜(塗装により鋼板
表面に形成された塗膜)の表面には大きな圧力が加わ
り、そのため非化粧塗装面(非化粧面の塗膜の表面)の
凹凸が化粧塗装面(化粧面の塗膜の表面)に転写され、
この転写模様により化粧塗装面の光沢が変化する。この
ような転写模様がプレッシャーマークといわれ、それが
化粧塗装面に発生するのである。又、切板で塗装する場
合は、前記の如く塗装後のプレコート鋼板を積み重ねて
梱包・保管するが、このとき鋼板重量が局部的に集中す
る部分にプレッシャーマークが発生する。かかるプレッ
シャーマークが発生したプレコート鋼板は本来の美麗な
光沢が損なわれているので、著しく商品価値が低下す
る。従って、プレッシャーマークの発生は極めて深刻な
問題点であり、その解決が切望されている。
【0006】このプレッシャーマークの発生の防止対策
として、塗装後のプレコート鋼板の塗膜表面に厚さ60μ
m 程度の保護フィルムを貼りつけることにより、その後
(コイル巻き取り時、又は、積み重ね時)のプレッシャ
ーマークの発生を防止する方法があり、この方法が採用
されることもある。しかし、この場合は保護フィルムの
使用によりコスト高となると共に、家電メーカ等の使用
者側でのプレス成形加工の後、保護フィルムの除去に多
大な手間を要するという問題点がある。
として、塗装後のプレコート鋼板の塗膜表面に厚さ60μ
m 程度の保護フィルムを貼りつけることにより、その後
(コイル巻き取り時、又は、積み重ね時)のプレッシャ
ーマークの発生を防止する方法があり、この方法が採用
されることもある。しかし、この場合は保護フィルムの
使用によりコスト高となると共に、家電メーカ等の使用
者側でのプレス成形加工の後、保護フィルムの除去に多
大な手間を要するという問題点がある。
【0007】又、プレッシャーマークの発生の防止では
ないが、プレッシャーマークの発生後に加温により元の
光沢を復元させる方法があり、この方法は家電メーカ等
の使用者側において採用されている。即ち、プレッシャ
ーマークは塗膜を軽く加温すると、元の光沢が復元す
る。そこで、家電メーカ等の使用者側においては、プレ
ッシャーマークが発生したプレコート鋼板をプレス成形
加工するに際し、その工程途中に加温の工程を加えるこ
とにより、元の光沢を復元させている。しかし、この場
合は加温工程の付加によりコストアップを招くという問
題点がある。
ないが、プレッシャーマークの発生後に加温により元の
光沢を復元させる方法があり、この方法は家電メーカ等
の使用者側において採用されている。即ち、プレッシャ
ーマークは塗膜を軽く加温すると、元の光沢が復元す
る。そこで、家電メーカ等の使用者側においては、プレ
ッシャーマークが発生したプレコート鋼板をプレス成形
加工するに際し、その工程途中に加温の工程を加えるこ
とにより、元の光沢を復元させている。しかし、この場
合は加温工程の付加によりコストアップを招くという問
題点がある。
【0008】本発明は、このような事情に着目してなさ
れたものであって、その目的は従来のものがもつ以上の
ような問題点を解消し、保護フィルム使用の場合の如き
コスト高及び手間の増大を招くことなく、塗装後のコイ
ル巻き取り又は積み重ねの際のプレッシャーマークの発
生を防止し得る耐プレッシャーマーク性に優れたプレコ
ート鋼板を提供しようとするものである。
れたものであって、その目的は従来のものがもつ以上の
ような問題点を解消し、保護フィルム使用の場合の如き
コスト高及び手間の増大を招くことなく、塗装後のコイ
ル巻き取り又は積み重ねの際のプレッシャーマークの発
生を防止し得る耐プレッシャーマーク性に優れたプレコ
ート鋼板を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、次のような構成のプレコート鋼板として
いる。即ち、本発明に係るプレコート鋼板は、鋼板の片
方の表面に化粧面の塗膜を有し、その裏側の面に非化粧
面の塗膜を有するプレコート鋼板において、化粧面の塗
膜と非化粧面の塗膜との表面粗さの差が中心線平均粗さ
Raで 0.7μm 以内であり、非化粧面の塗膜がモース硬度
4以下の非金属化合物を該塗膜中の顔料全量に対して20
wt%以上の割合で含有し、且つ、非化粧面の塗膜の厚さ
が3〜20μm であることを特徴とするプレコート鋼板で
ある。
に、本発明は、次のような構成のプレコート鋼板として
いる。即ち、本発明に係るプレコート鋼板は、鋼板の片
方の表面に化粧面の塗膜を有し、その裏側の面に非化粧
面の塗膜を有するプレコート鋼板において、化粧面の塗
膜と非化粧面の塗膜との表面粗さの差が中心線平均粗さ
Raで 0.7μm 以内であり、非化粧面の塗膜がモース硬度
4以下の非金属化合物を該塗膜中の顔料全量に対して20
wt%以上の割合で含有し、且つ、非化粧面の塗膜の厚さ
が3〜20μm であることを特徴とするプレコート鋼板で
ある。
【0010】
【作用】プレッシャーマークは、前述の如く塗装後のコ
イル巻き取り又は積み重ねの際にプレコート鋼板の非化
粧塗装面(非化粧面の塗膜の表面)の凹凸が化粧塗装面
(化粧面の塗膜の表面)に転写されて発生し、化粧塗装
面の光沢が変化する現象である。従って、プレコート鋼
板の表裏の塗膜の表面粗さを近づけること、又、非化粧
面の塗膜にクッション効果を持たせることが、プレッシ
ャーマークの発生の防止に有効であると推定される。か
かる点に注目し、研究を進めた結果、プレコート鋼板の
表裏の塗膜の表面粗さの差を一定範囲内に抑え、且つ、
非化粧面の塗膜中に軟質材を一定範囲量含有させて該塗
膜のクッション効果を向上させると共に、非化粧面の塗
膜の厚さを一定範囲に調整すると、プレッシャーマーク
の発生を防止し得るという知見を得た。本発明は、この
知見に基づき完成されたものである。その詳細を以下説
明する。
イル巻き取り又は積み重ねの際にプレコート鋼板の非化
粧塗装面(非化粧面の塗膜の表面)の凹凸が化粧塗装面
(化粧面の塗膜の表面)に転写されて発生し、化粧塗装
面の光沢が変化する現象である。従って、プレコート鋼
板の表裏の塗膜の表面粗さを近づけること、又、非化粧
面の塗膜にクッション効果を持たせることが、プレッシ
ャーマークの発生の防止に有効であると推定される。か
かる点に注目し、研究を進めた結果、プレコート鋼板の
表裏の塗膜の表面粗さの差を一定範囲内に抑え、且つ、
非化粧面の塗膜中に軟質材を一定範囲量含有させて該塗
膜のクッション効果を向上させると共に、非化粧面の塗
膜の厚さを一定範囲に調整すると、プレッシャーマーク
の発生を防止し得るという知見を得た。本発明は、この
知見に基づき完成されたものである。その詳細を以下説
明する。
【0011】塗膜が薄いと基材(鋼板)の粗さが残存す
るが、一定以上に厚くなると塗膜自体の表面粗さが現出
してくる。この塗膜自体の表面粗さは、塗膜中に含まれ
る顔料の粒径、含有率及び分散度、並びに、塗料のレベ
リング性、樹脂硬化時の収縮状態等により支配される
が、顔料の影響が最も大きい。従って、顔料の適当な配
合により、塗膜の表面粗さを調整することができる。そ
こで、このような塗膜の表面粗さの調整により、プレコ
ート鋼板の表裏の塗膜の表面粗さの差を変化させると共
に、顔料等の配合材の種類及び配合量により塗膜のクッ
ション性を変化させ、更に塗膜の厚みを変化させ、それ
らがプレコート鋼板の耐プレッシャーマーク性に及ぼす
影響について実験検討した。その結果、プレコート鋼板
の表裏の塗膜の差(即ち、化粧面の塗膜と非化粧面の塗
膜との表面粗さの差)が中心線平均粗さRaで 0.7μm 以
内であり、非化粧面の塗膜がモース硬度4以下の非金属
化合物を該塗膜中の顔料全量に対して20wt%以上の割合
で含有し、且つ、非化粧面の塗膜の厚さが3〜20μm で
あるとき、プレッシャーマークの発生を防止し得ること
が判った。尚、上記非金属化合物は、非化粧面の塗膜の
クッション効果を向上させる作用効果がある。
るが、一定以上に厚くなると塗膜自体の表面粗さが現出
してくる。この塗膜自体の表面粗さは、塗膜中に含まれ
る顔料の粒径、含有率及び分散度、並びに、塗料のレベ
リング性、樹脂硬化時の収縮状態等により支配される
が、顔料の影響が最も大きい。従って、顔料の適当な配
合により、塗膜の表面粗さを調整することができる。そ
こで、このような塗膜の表面粗さの調整により、プレコ
ート鋼板の表裏の塗膜の表面粗さの差を変化させると共
に、顔料等の配合材の種類及び配合量により塗膜のクッ
ション性を変化させ、更に塗膜の厚みを変化させ、それ
らがプレコート鋼板の耐プレッシャーマーク性に及ぼす
影響について実験検討した。その結果、プレコート鋼板
の表裏の塗膜の差(即ち、化粧面の塗膜と非化粧面の塗
膜との表面粗さの差)が中心線平均粗さRaで 0.7μm 以
内であり、非化粧面の塗膜がモース硬度4以下の非金属
化合物を該塗膜中の顔料全量に対して20wt%以上の割合
で含有し、且つ、非化粧面の塗膜の厚さが3〜20μm で
あるとき、プレッシャーマークの発生を防止し得ること
が判った。尚、上記非金属化合物は、非化粧面の塗膜の
クッション効果を向上させる作用効果がある。
【0012】そこで、このような知見に基づき、本発明
に係るプレコート鋼板は、前述の如く、化粧面の塗膜と
非化粧面の塗膜との表面粗さの差が中心線平均粗さRaで
0.7μm 以内であると共に、非化粧面の塗膜がモース硬
度4以下の非金属化合物を該塗膜中の顔料全量に対して
20wt%以上の割合で含有し、且つ、非化粧面の塗膜の厚
さが3〜20μm であることを特徴とするプレコート鋼板
としているのである。故に、このプレコート鋼板は、プ
レッシャーマークの発生を防止し得て耐プレッシャーマ
ーク性に優れている。又、このプレコート鋼板は、上記
の如く塗膜の厚さ及び組成を調整することにより得ら
れ、かかる調整は一旦行った後は定常化し得、一定の条
件でプレコート鋼板を製造し得るので、従来の保護フィ
ルム使用の場合の如きコスト高及び手間の増大を招くも
のではない。
に係るプレコート鋼板は、前述の如く、化粧面の塗膜と
非化粧面の塗膜との表面粗さの差が中心線平均粗さRaで
0.7μm 以内であると共に、非化粧面の塗膜がモース硬
度4以下の非金属化合物を該塗膜中の顔料全量に対して
20wt%以上の割合で含有し、且つ、非化粧面の塗膜の厚
さが3〜20μm であることを特徴とするプレコート鋼板
としているのである。故に、このプレコート鋼板は、プ
レッシャーマークの発生を防止し得て耐プレッシャーマ
ーク性に優れている。又、このプレコート鋼板は、上記
の如く塗膜の厚さ及び組成を調整することにより得ら
れ、かかる調整は一旦行った後は定常化し得、一定の条
件でプレコート鋼板を製造し得るので、従来の保護フィ
ルム使用の場合の如きコスト高及び手間の増大を招くも
のではない。
【0013】以上のことから、本発明に係るプレコート
鋼板は、従来技術が有する問題点を解消し、保護フィル
ム使用の場合の如きコスト高及び手間の増大を招くこと
なく、塗装後のコイル巻き取り又は積み重ねの際のプレ
ッシャーマークの発生を防止し得るようになることが判
る。即ち、それ自体が耐プレッシャーマーク性に優れた
プレコート鋼板である。
鋼板は、従来技術が有する問題点を解消し、保護フィル
ム使用の場合の如きコスト高及び手間の増大を招くこと
なく、塗装後のコイル巻き取り又は積み重ねの際のプレ
ッシャーマークの発生を防止し得るようになることが判
る。即ち、それ自体が耐プレッシャーマーク性に優れた
プレコート鋼板である。
【0014】上記数値の限定理由を以下記述する。プレ
コート鋼板の表裏の塗膜の表面粗さの差を中心線平均粗
さRaで 0.7μm 以内としているのは、 0.7μm 超では、
前記非金属化合物による塗膜のクッション効果向上の条
件下でも、塗装後のコイル巻き取り又は積み重ねの際に
非化粧面の塗膜表面の凹凸が化粧面の塗膜表面に転写さ
れ、その結果プレッシャーマークの発生を防止し得なく
なるからである。
コート鋼板の表裏の塗膜の表面粗さの差を中心線平均粗
さRaで 0.7μm 以内としているのは、 0.7μm 超では、
前記非金属化合物による塗膜のクッション効果向上の条
件下でも、塗装後のコイル巻き取り又は積み重ねの際に
非化粧面の塗膜表面の凹凸が化粧面の塗膜表面に転写さ
れ、その結果プレッシャーマークの発生を防止し得なく
なるからである。
【0015】非化粧面の塗膜中に含有させる非金属化合
物に関し、これは塗膜のクッション効果を向上させる作
用効果を有するが、この効果を発揮するにはモース硬度
4以下の非金属化合物を用いると共に、その含有量を顔
料全量に対して20wt%以上とする必要がある。モース硬
度4超及び/又は20wt%未満の条件では、塗膜のクッシ
ョン効果の向上が不充分となり、表裏の塗膜の表面粗さ
の差を 0.7μm 以内としても、プレッシャーマークの発
生を防止し得なくなる。従って、モース硬度4以下及び
20wt%以上の条件としているのである。尚、この非金属
化合物の含有量の上限は特に限定されないが、その分散
に問題を生じない程度の量に抑えることが望ましい。
物に関し、これは塗膜のクッション効果を向上させる作
用効果を有するが、この効果を発揮するにはモース硬度
4以下の非金属化合物を用いると共に、その含有量を顔
料全量に対して20wt%以上とする必要がある。モース硬
度4超及び/又は20wt%未満の条件では、塗膜のクッシ
ョン効果の向上が不充分となり、表裏の塗膜の表面粗さ
の差を 0.7μm 以内としても、プレッシャーマークの発
生を防止し得なくなる。従って、モース硬度4以下及び
20wt%以上の条件としているのである。尚、この非金属
化合物の含有量の上限は特に限定されないが、その分散
に問題を生じない程度の量に抑えることが望ましい。
【0016】非化粧面の塗膜の厚さを3〜20μm として
いるのは、3μm 未満では、塗膜が薄くなり過ぎて基材
(鋼板)の粗さが残存し、塗膜自体の表面粗さが現出せ
ず、従って、塗装後のコイル巻き取り又は積み重ねの際
に非化粧面の塗膜表面の凹凸が化粧面の塗膜表面に転写
され、その結果プレッシャーマークの発生を防止し得な
くなり、一方20μm 超では、経済性の低下を招くように
なるからである。
いるのは、3μm 未満では、塗膜が薄くなり過ぎて基材
(鋼板)の粗さが残存し、塗膜自体の表面粗さが現出せ
ず、従って、塗装後のコイル巻き取り又は積み重ねの際
に非化粧面の塗膜表面の凹凸が化粧面の塗膜表面に転写
され、その結果プレッシャーマークの発生を防止し得な
くなり、一方20μm 超では、経済性の低下を招くように
なるからである。
【0017】本発明において、前記非化粧面の塗膜中に
含有させるモース硬度4以下の非金属化合物としては、
モース硬度4以下の軟質の顔料を使用することができ
る。一般的に顔料は、その目的により体質顔料、防錆顔
料、着色顔料に分類できる。これら各種顔料の中、モー
ス硬度4以下の軟質の顔料としては、例えば体質顔料の
炭酸カルシウム(硬度:約3)、タルク(硬度:約1)
或いはカオリン(硬度:約2)等があり、これらの1種
又は2種以上を組合せて使用することができる。一方、
シリカ(硬度:約7)やアルミナ(硬度:約9)等は硬
質の顔料であってモース硬度4超であるので、塗膜のク
ッション効果向上の作用効果がなく、表裏の塗膜の表面
粗さの差を 0.7μm 以内としても、プレッシャーマーク
の発生を防止し得なくなる。
含有させるモース硬度4以下の非金属化合物としては、
モース硬度4以下の軟質の顔料を使用することができ
る。一般的に顔料は、その目的により体質顔料、防錆顔
料、着色顔料に分類できる。これら各種顔料の中、モー
ス硬度4以下の軟質の顔料としては、例えば体質顔料の
炭酸カルシウム(硬度:約3)、タルク(硬度:約1)
或いはカオリン(硬度:約2)等があり、これらの1種
又は2種以上を組合せて使用することができる。一方、
シリカ(硬度:約7)やアルミナ(硬度:約9)等は硬
質の顔料であってモース硬度4超であるので、塗膜のク
ッション効果向上の作用効果がなく、表裏の塗膜の表面
粗さの差を 0.7μm 以内としても、プレッシャーマーク
の発生を防止し得なくなる。
【0018】
【実施例】基材の鋼板として厚さ:0.6mm、亜鉛付着量:2
0g/m2 の電気亜鉛めっき鋼板を使用した。先ず、この鋼
板をリン酸塩処理した後、化粧塗装を想定し、ポリエス
テル系塗料による2コート2ベーク塗装を行い、塗膜
(化粧面の塗膜に相当)の厚さ:20μm 、塗膜の表面粗
さRa:0.41μm の塗装板A(化粧面の塗膜を片面に有す
る電気亜鉛めっき鋼板)を得た。
0g/m2 の電気亜鉛めっき鋼板を使用した。先ず、この鋼
板をリン酸塩処理した後、化粧塗装を想定し、ポリエス
テル系塗料による2コート2ベーク塗装を行い、塗膜
(化粧面の塗膜に相当)の厚さ:20μm 、塗膜の表面粗
さRa:0.41μm の塗装板A(化粧面の塗膜を片面に有す
る電気亜鉛めっき鋼板)を得た。
【0019】一方、非化粧塗装を想定し、一定量の着色
顔料及び防錆顔料を含有したポリエステル系樹脂に、体
質顔料を添加し配合した塗料を準備し、これを上記同様
の電気亜鉛めっき鋼板(リン酸塩処理したもの)に塗布
した後、焼き付けを行い、塗装板B(非化粧面の塗膜を
片面に有する電気亜鉛めっき鋼板)を得た。このとき、
上記体質顔料の種類及び含有率(顔料全量に対する割合
%)、及び、塗料の塗布厚(即ち、非化粧面の塗膜の厚
さに相当)を種々変化させた。又、塗装板Bの塗膜(非
化粧面の塗膜に相当)の表面粗さを変化させ、その塗膜
と前記塗装板Aの塗膜(化粧面の塗膜に相当)との表面
粗さRaの差を変化させた。
顔料及び防錆顔料を含有したポリエステル系樹脂に、体
質顔料を添加し配合した塗料を準備し、これを上記同様
の電気亜鉛めっき鋼板(リン酸塩処理したもの)に塗布
した後、焼き付けを行い、塗装板B(非化粧面の塗膜を
片面に有する電気亜鉛めっき鋼板)を得た。このとき、
上記体質顔料の種類及び含有率(顔料全量に対する割合
%)、及び、塗料の塗布厚(即ち、非化粧面の塗膜の厚
さに相当)を種々変化させた。又、塗装板Bの塗膜(非
化粧面の塗膜に相当)の表面粗さを変化させ、その塗膜
と前記塗装板Aの塗膜(化粧面の塗膜に相当)との表面
粗さRaの差を変化させた。
【0020】
【表1】
【0021】次に、このようにして得られた塗装板Aと
塗装板Bとを、化粧塗装面を想定した塗膜(化粧面相当
の塗膜)と非化粧塗装面を想定した塗膜(非化粧面相当
の塗膜)とが接するように重ねて、温度:40℃、面圧:
100kg/cm2 の条件で24時間加圧状態にする所謂熱プレス
試験を行った。この試験の後、塗装板Aについて塗膜
(化粧面相当の塗膜)を目視で観察し、プレッシャーマ
ークの発生の有無を調べた。
塗装板Bとを、化粧塗装面を想定した塗膜(化粧面相当
の塗膜)と非化粧塗装面を想定した塗膜(非化粧面相当
の塗膜)とが接するように重ねて、温度:40℃、面圧:
100kg/cm2 の条件で24時間加圧状態にする所謂熱プレス
試験を行った。この試験の後、塗装板Aについて塗膜
(化粧面相当の塗膜)を目視で観察し、プレッシャーマ
ークの発生の有無を調べた。
【0022】これらの試験結果を、塗装板Bの非化粧面
相当の塗膜における体質顔料の種類及び含有率(顔料全
量に対する割合%)及び塗膜厚さ、並びに、該非化粧面
相当の塗膜と塗装板Aの化粧面相当の塗膜との表面粗さ
(中心線平均粗さRa)の差とともに表1に示す。この表
1において実験 No.2及び5は本発明の実施例に相当
し、 No.1、3、4及び6は比較例(本発明のプレコー
ト鋼板に係る必須条件を満足しないもの)に相当する。
比較例ではプレッシャーマークの発生が認められるが、
本発明の実施例に係る場合には、全くプレッシャーマー
クの発生が認められず、耐プレッシャーマーク性に極め
て優れていることが確認された。
相当の塗膜における体質顔料の種類及び含有率(顔料全
量に対する割合%)及び塗膜厚さ、並びに、該非化粧面
相当の塗膜と塗装板Aの化粧面相当の塗膜との表面粗さ
(中心線平均粗さRa)の差とともに表1に示す。この表
1において実験 No.2及び5は本発明の実施例に相当
し、 No.1、3、4及び6は比較例(本発明のプレコー
ト鋼板に係る必須条件を満足しないもの)に相当する。
比較例ではプレッシャーマークの発生が認められるが、
本発明の実施例に係る場合には、全くプレッシャーマー
クの発生が認められず、耐プレッシャーマーク性に極め
て優れていることが確認された。
【0023】
【発明の効果】本発明に係るプレコート鋼板は、以上の
如く、塗膜の厚さ及び組成を調整することにより得られ
るので、従来の保護フィルム使用の場合の如きコスト高
及び手間の増大を招くことなく製造し得ると共に、塗装
後のコイル巻き取り又は積み重ねの際等に加圧されても
プレッシャーマークが発生せず、耐プレッシャーマーク
性に優れているので、本来の美麗な光沢を有し得る。従
って、家庭用電気機器、屋内器物等の分野において、塗
膜の加温による元の光沢の復元措置等の手間を要するこ
となく、経済性よく、好適に使用できるという効果を奏
する。
如く、塗膜の厚さ及び組成を調整することにより得られ
るので、従来の保護フィルム使用の場合の如きコスト高
及び手間の増大を招くことなく製造し得ると共に、塗装
後のコイル巻き取り又は積み重ねの際等に加圧されても
プレッシャーマークが発生せず、耐プレッシャーマーク
性に優れているので、本来の美麗な光沢を有し得る。従
って、家庭用電気機器、屋内器物等の分野において、塗
膜の加温による元の光沢の復元措置等の手間を要するこ
となく、経済性よく、好適に使用できるという効果を奏
する。
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼板の片方の表面に化粧面の塗膜を有
し、その裏側の面に非化粧面の塗膜を有するプレコート
鋼板において、化粧面の塗膜と非化粧面の塗膜との表面
粗さの差が中心線平均粗さRaで 0.7μm 以内であり、非
化粧面の塗膜がモース硬度4以下の非金属化合物を該塗
膜中の顔料全量に対して20wt%以上の割合で含有し、且
つ、非化粧面の塗膜の厚さが3〜20μm であることを特
徴とするプレコート鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32669192A JPH06170334A (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | プレコート鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32669192A JPH06170334A (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | プレコート鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06170334A true JPH06170334A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18190587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32669192A Withdrawn JPH06170334A (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | プレコート鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06170334A (ja) |
-
1992
- 1992-12-07 JP JP32669192A patent/JPH06170334A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000307 |