JPH0617020Y2 - 弾性チューブガイドローラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、弾性チューブポンプ、より詳細には、該弾性
チューブが押圧ローラにより繰返し圧縮応力を受けて疲
労し、液体移動が不能になる不具合を防止するため、所
定量の駆動毎に弾性チューブを移動し新規の弾性チュー
ブの部位で押圧する機能を備えた弾性チューブポンプに
関する。

従来技術 弾性チューブポンプは、弾性チューブに導通された流体
を該弾性チューブの区間において移送方向に順次押圧す
ることにより移送するものであり、流体、主として、液
体を弾性チューブを介して移送する点において生物細胞
を破壊することがない特徴があることから、人工透析等
の医療面、バイオ技術での利用が盛んになっているが、
弾性チューブが同一区間において繰返し圧縮されること
から疲労し易く、長期使用において信頼度が低くなるの
で、弾性チューブを一定駆動時間後に新規な弾性チュー
ブと交換することがなされていた。

本出願人は上述の不具合を解決するため、駆動時に、弾
性チューブが駆動方向に駆動摩擦によって移動すること
を防ぐため、弾性チューブがクランプされて移動しない
状態で使用されることに着目し、弾性チューブが疲労す
る相当時間経過後、該クランプを解除し、弾性チューブ
を前記の一つの区間移動して新規のチューブ部分に移動
し使用することを提案した。

第２図は、上記従来の弾性チューブポンプの一例を説明
するためのブロック図を示し、図中、１は弾性チューブ
ポンプで、本体１１内には穿設して円形の押圧溝１２に
同心に回転軸１３まわりに回動する円筒体１４が配設さ
れ、該円筒体の外周には遊星回転する同形等大の押圧ロ
ーラ１５が複数個配設されている。該押圧ローラ１５と
押圧みぞ１２との間には弾性チューブ１６が挿通されて
いる。前記回転軸１３はモータ２１により減速機構２２
を介して駆動軸２３と接合されて回動される。円筒体１
４が矢標Ｒ方向に回動する場合、給液源（図示せず）と
連通する給液側１６１の液体は流出側１６２に向けて圧
送される。このとき弾性チューブ１６には、該弾性チュ
ーブ１６と押圧ローラ１５との摩擦力により回転方向の
力が加わり、この力が押圧溝１２との摩擦力に打ち勝っ
て弾性チューブ１６は矢標Ｖの方向に移動する。３０は
周知のクランパで、クランプ片３１，３２により弾性チ
ューブ１６を押圧挟持することにより弾性チューブ１６
の前記の移動を阻止している。

クランパ３０と弾性チューブポンプ１との間において、
移動検出器４０が配設され、弾性チューブ１６を移動可
能に検出ローラ４３、４４によって挟持し、該検出ロー
ラ４３，４４の回動を検出して弾性チューブ１６の移動
を検出する。２４は第１のタイマーで、該タイマー２４
はモータ２１が回動してから予め定められた時間、具体
的には、弾性チューブ１６が疲労開始する時間例えば５
００時間等をセットする。２５は第２のタイマーで、該
タイマー２５は前記第１のタイマー２４の設定時間後に
作動を開始し、弾性チューブ１６がクランパ３０に開放
時に移動し未使用部が押圧溝１２に達する時間ΔＴをセ
ットする。３３は、駆動回路で、クランパ３０のコイル
３６をΔＴ時間通電するための回路である。判別器５０
はクランパ３０が開放されたΔＴ時間の間に弾性チュー
ブ１６が許容範囲移動したことを移動検出器４０の検出
信号に基づいて判別する判別手段で、許容範囲内である
ときは“良”、許容範囲外、即ち、正確に弾性チューブ
１６が移動しないとか、停止することなく移動するとか
の場合は“否”のランプを点灯するものである。

該弾性チューブポンプにおいては弾性チューブ１６は矢
標Ｖ方向に移動するので、クランパ３０延いてはチュー
ブ移動量検出器４０に弾性チューブ１６を正しく案内す
る必要があった。

第３図は、該弾性チューブガイドローラを示すもので、
第３図（ａ）において、１０は基台であり第２図に示し
た弾性チューブポンプ１その他を装着する。取付台１７
は該基台１０上固定ローラ１００、移動ローラ２００を
装着する台座であり、固定ローラ１００は取付板１７の
側面の凹欠部１８上部に回動可能にベアリング１０４に
より軸承される軸１０１に固着される。ワッシャ１０
５，止め座金１０３は軸１０１の位置を回動可能に固定
する固定部材である。固定ローラ１００の外周には溝１
０２が穿設されている。移動ローラ２００は固定ローラ
１００に対し移動可能に押圧するローラであり、取付板
１７上に固着された固定部材２０１に配設されたスライ
ド軸受２０２と該スライド軸受２０２内で摺動する軸受
支持金具２０４に水平に固設された摺動軸２０３と軸受
支持金具２０４に固定ローラ１００の軸１０１に平行し
て固着された軸２０６にベアリング２１０によって回動
可能に軸承されることにより、水平方向に移動可能に取
付けられる。ばね２０７は固定部材２０１と軸支持金具
２０４の凹陥部２０４１とにより伸長して調整ねじ２０
８によりワッシャ２０９を介してばね力の調整が行われ
る。弾性チューブ１６は第３図（ｂ），（ｃ）に示すよ
うに固定ローラ１００と移動ローラ２００との溝１０２
間にばね力で弾性的に移動可能に押圧支持され、溝１０
２により規制された位置のまま弾性チューブポンプ１に
導入している。

従来技術の問題点 上述した従来技術においては、溝１０２の深さは弾性チ
ューブ１６の半径を越す値では無意味である。しかし、
弾性チューブ１６の径は小さく該溝１０２内に安定して
弾性チューブ１６を案内することはできず、給液源と弾
性チューブポンプ１間に充分余裕をもった長さの弾性チ
ューブ１６の重量が溝１０２に下方に作用する結果、弾
性チューブ１６は溝１０２から外れ安定した状態で弾性
チューブポンプ１に案内することができなかった。

問題点解決のための手段 本考案は、叙上の問題点に鑑みなされたもので、弾性チ
ューブが充分長く、給液源から弾性チューブポンプにど
のような形で導入されても固定ローラと移動ローラとの
間に挟持されることを目的とするもので、給液源に連通
する弾性チューブを押圧溝内の一つの区間を挟む２つの
地点で前記押圧溝内面に押圧して該弾性チューブ内の液
体をシールする押圧ローラと、該押圧ローラを一方向に
回転駆動するモータと、該モータによる前記弾性チュー
ブの回転駆動により移動する該弾性チューブの移動を係
止するクランパと、前記モータの回転駆動が所定時間に
達したとき前記クランパの係止を解除し、該クランパの
係止解除により前記弾性チューブが移動する移動量が所
定時間内で所定長さであるか否かを判別する判別手段を
具備した弾性チューブポンプにおいて、該弾性チューブ
ポンプに前記弾性チューブを案内し挿入するために、両
端面に鍔を有した糸巻形の円筒体で軸まわりに回転可能
に支持された固定ローラと、該固定ローラの鍔間距離よ
り短かい円筒体で前記固定ローラと軸平行で軸間方向に
移動でき回転可能に支持された移動ローラと、該移動ロ
ーラを前記固定ローラの鍔間に挿入された位置で前記弾
性チューブを前記固定ローラと移動ローラ間に挿入し、
該弾性チューブに押圧力を与えるばねを有するものであ
る。

実施例 第１図は、本考案の実施例を示すもので、第３図に示し
た従来技術と同一の構成要素である基台１０、取付板１
７を初め固定部材２０１、軸支持金具２０４等は第３図
の場合と同一の符号を付し説明を省く。第１図（ａ）に
おいて、固定ローラ１１０は両端面に鍔１１１を有した
糸巻形をしており、移動ローラ２２０は、前記固定ロー
ラ１１０の軸１０１と平行した軸２０６まわりに回動す
る円筒体で、該円筒体の長さは固定ローラ１１０の両端
面の鍔１１１間距離よりも短かく鍔１１１間に挿入可能
にしている。第１図（ｂ）図は固定ローラ１１０の鍔１
１１間に移動ローラ２２０が挿入されて第１図（ｃ）に
示すように弾性チューブ１６を固定ローラ１１０の鍔１
１１と筒部１１２と移動ローラ２２０の外周とで形成さ
れる矩形空間にばね２０７のばね力で押圧されて、弾性
チューブ１６を案内している。ばね力は弾性チューブ１
６を圧縮せず移動ローラ２２０が固定ローラ１１０の鍔
１１１内に常に安定して挿入する程度であればよい。鍔
１１１の外径は、筒部１１２と移動ローラ２２０との間
に弾性チューブ１６が挟持された状態で移動ローラ２２
０が鍔１１１からはみ出さない程度に充分大きく選ばれ
る。

効果 上述のように本考案の弾性チューブのガイドローラによ
れば給液源と弾性チューブポンプとの距離に対して弾性
チューブの長さが充分長く、本考案を適用する弾性チュ
ーブを所定の駆動時間毎に移動して長期間連続運転を可
能とする場合には、弾性チューブの移動に伴って形状が
変化してガイドローラから外れて輸液不能となる不具合
はなく長期間連続運転するという目的に適合する弾性チ
ューブガイドローラを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の弾性チューブガイドローラの構成を
示す図、第２図は、該弾性チューブガイドローラを適用
する弾性チューブポンプの概要図、第３図は従来技術を
示す図である。 １０…基台，１７…取付台，１００…固定ローラ，２０
０…移動ローラ，２０１…固定部材，２０３…摺動軸，
２０４…軸支持金具，２０７…ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給液源に連通する弾性チューブ１６を押圧
   溝１２内の一つの区間を挟む２つの地点で前記押圧溝１
   ２内面に押圧して該弾性チューブ１６内の液体をシール
   する押圧ローラ１５と、該押圧ローラ１５を一方向に回
   転駆動するモータ２１と、該モータ２１による前記弾性
   チューブ１６の回転駆動により移動する該弾性チューブ
   １６の移動を係止するクランパ３０と、前記モータ２１
   の回転駆動が所定時間に達したとき前記クランパ３０の
   係止を解除し、該クランパ３０の係止解除により前記弾
   性チューブ１６が移動する移動量が所定時間内で所定長
   さであるか否かを判別する判別手段５０を具備した弾性
   チューブポンプにおいて、該弾性チューブポンプに前記
   弾性チューブ１６を案内し挿入するために、両端面に鍔
   １１１を有した糸巻形の円筒体で軸まわりに回転可能に
   支軸された固定ローラ１１０と、該固定ローラ１１０の
   鍔１１１間距離より短かい円筒体で前記固定ローラ１１
   ０と軸平行で軸間方向に移動でき回転可能に支持された
   移動ローラ２２０と、該移動ローラ２２０を前記固定ロ
   ーラ１１０の鍔１１１間に挿入された位置で前記弾性チ
   ューブ１６を前記固定ローラ１１０と移動ローラ２２０
   間に挿入し、前記弾性チューブ１６に押圧力を与えるば
   ね２０７を有することを特徴とする弾性チューブガイド
   ローラ。