JPH0616927U - 共焦点走査型光学顕微鏡 - Google Patents

共焦点走査型光学顕微鏡

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JPH0616927U
JPH0616927U JP5570092U JP5570092U JPH0616927U JP H0616927 U JPH0616927 U JP H0616927U JP 5570092 U JP5570092 U JP 5570092U JP 5570092 U JP5570092 U JP 5570092U JP H0616927 U JPH0616927 U JP H0616927U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案の目的は、対物レンズの光軸方向の分解
能と絞り部の開口径との調整が容易な共焦点走査型光学
顕微鏡の提供にある。 【構成】光源1からの光を対物レンズ9により試料10
上に集光し、走査光学系3,5により試料10上のスポ
ットを2次元走査すると共に、試料10からの光を光検
出器12で検出するものにおいて、対物レンズ9の合焦
位置と光学的に共役な位置に開口径が可変な絞り部20
を配置し、この絞り部20を外部から操作して開口径を
変化させる操作部材36に、複数種類の各対物レンズに
対応して設定すべき開口の大きさを示す位置38a〜3
8cをそれぞれ表示するものとした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は共焦点走査型光学顕微鏡に係り、さらに詳しくは対物レンズの合焦位 置と共役な位置での開口絞りを調節する操作部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光源からの光を対物レンズで試料上に集束させて光スポットを形成 し、その光スポットで試料を2次元走査すると共に、試料からの反射光または透 過光を対物レンズの焦点位置と共役な位置に配した共焦点絞りを通過させて取出 し、その取出した光を光電変換して当該試料の画像情報を得る共焦点走査型光学 顕微鏡が知られている。 従来より在る走査型光学顕微鏡の構成例が図10に示されている。
【0003】 この走査型光学顕微鏡は、光源1から発したレーザビームを、ビームスプリッ タ2で反射させて第1の光偏向器3に入射している。この光偏向器3に入射する レーザビームはY方向に偏向される。その偏向されたレーザビームは第1の望遠 鏡光学系4を通り第2の光偏向器5に入射する。この第2の光偏向器5によりレ ーザビームがX方向へ偏向される。
【0004】 ここで、第1の望遠鏡光学系4は第1の光偏向器3と第2の光偏向器5とが光 学的に共役な位置になるように配置されており、第1,第2の光偏向器3,5に よりレーザビームが2次元走査されるものとなる。
【0005】 2次元走査されたレーザビームは第2の望遠鏡光学系6を通って接眼レンズ7 に入射している。第2の望遠鏡光学系6は、接眼レンズ7の瞳と第2の光偏向器 5とが共役な関係になるように配置されており、従って接眼レンズ7の瞳位置、 第1の光偏向器3、第2の光偏向器5が共役な関係に保たれている。
【0006】 光源1側から接眼レンズ7に入射したレーザビームは、中間レンズ8を通って 対物レンズ9に入射し、その対物レンズ9で集光させられて試料10上にスポッ トを形成する。
【0007】 試料10が反射物体であれば、試料10で反射したレーザビームは、再び元来 た光路を戻り、ビームスプリッタ2を透過し、絞り部11を通って光検出器12 で検出される。
【0008】 上記絞り部11は、対物レンズ9の焦点位置と共役な位置に配置されており、 共焦点光学系を構成している。この様な共焦点光学系を構成することにより、試 料10内の光軸上における合焦位置に対しその上下の領域からの光、いわゆるデ フォーカス領域の光は絞り部11でカットすることができる。これは共焦点光学 系が光軸方向の分解能を持つことを意味している。
【0009】 ところで、共焦点光学系における絞り部11の開口部の大きさは、光軸方向の 分解能に関係しており、その開口部の大きさが小さいほど光軸方向の分解能が向 上する。ところが、開口部が小さ過ぎると、絞り部11を通過する光量が減少す るため良好な試料画像が得られなくなる。
【0010】 光軸方向の分解能は最大の分解能を維持しつつ、良好な試料画像を得られる開 口に調節できるようにするためには、走査型光学顕微鏡の共焦点光学系に設けら れる絞り部11は、開口部の大きさを調節できる必要がある。
【0011】 そこで従来の共焦点走査型光学顕微鏡では、絞り部11にカメラのように開口 部の大きさを連続的に変化させる絞り機構や、複数の大きさの開口部をターレッ トを用いて交換するターレット機構等が使用されていた。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】
前述したように、共焦点光学系では絞り部11の開口径を小さくしていくこと により光軸方向の分解能は向上するが、ある大きさを境にして開口径をそれ以上 小さくしても分解能が向上しなくなる。その開口径の大きさは計算から求めるこ とができる。 観察手順は、まず絞り部の開口を分解能を向上し得る最小径に設定し、その後 、光量とのバランスを考慮しながら開口の大きさを調整するのが望ましい。
【0013】 一方、対物レンズによっても光軸方向の分解能が変化するので、対物レンズが 異なれば同じ大きさの開口径であっても光軸方向の分解能が異なってくる。従来 の走査型光学顕微鏡では、絞り部での開口径の大きさ調整は、画像を得るための 光量調整に主眼が置かれており、絞り部の開口径を変化させる部材には、開口の 大きさを示す数字や、単に目盛りが付されている程度であった。
【0014】 しかしながら、絞り部の開口径を変化させる部材に前述した表示を行ったので は、対物レンズの分解能が最大になっているにも拘らず、開口を小さくし過ぎる 可能性があり、対物レンズの光軸方向の分解能と光量とのバランスを調整するの が難しかった。しかも、数種類の対物レンズを交換して使用するような観察の場 合には、対物レンズを交換する度に調整作業が必要になり操作性を阻害する要因 になる。
【0015】 本考案は以上のような実情に鑑みてなされたもので、対物レンズの光軸方向の 最高分解能となる開口径を一目で判断でき、絞り部の開口径を必要以上に小さく することがなく、操作性の改善された共焦点走査型光学顕微鏡を提供することを 目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本考案の共焦点走査型光学顕微鏡は、光源と、この 光源からの光を試料上に微小なスポットに集光する対物レンズと、前記試料から の光を検出する光検出器と、試料上のスポットと前記試料とを相対的に2次元走 査するための走査光学系と、前記対物レンズの合焦位置と光学的に共役な位置で あって前記光検出器の前に前記光検出器に入射する光の光軸に開口中心を合わせ て配置され開口径が可変な絞り部と、この絞り部を外部から操作して開口径を変 化させる操作部材とを備え、前記操作部材に、対物レンズの倍率、又は対物レン ズの種類及び倍率に対応して設定すべき開口の大きさを示す位置をそれぞれ表示 したことを特徴とする。
【0017】
【作用】
本考案の共焦点走査型光学顕微鏡では、開口径を変化させる操作部材に、各対 物レンズの倍率、又は種類及び倍率に対応して設定すべき開口の大きさを示す位 置をそれぞれ表示しているので、対物レンズを交換してもその対物レンズの光軸 方向の分解能が最高になる最小絞り径を、操作部材の表示から容易に判断するこ とができる。よって、光軸方向の分解能が最高になる最小絞り径への初期設定が 容易で、かつ不必要な光量制限がなくなるものとなる。
【0018】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本考案の実施例について説明する。
【0019】 本考案の第1実施例に係る共焦点走査型光学顕微鏡は、前述した図10に示す 走査型光学顕微鏡の光学系と同一構成の光学系を有しており、絞り部に図1に示 す開口径調整機構が設けられている。
【0020】 図1に示す開口径調整機構は、共焦点光学系における対物レンズの焦点位置と 共役な位置(図10における絞り部11の位置に相当)に、可変絞り20が開口 中心を光軸に一致させて配置され、その可変絞り20が支持部材21を介して取 付座22に固定されている。
【0021】 上記可変絞り20は、図3に示すように、枠体23の内部に互いに重ね合わせ た複数枚の羽24を円周方向へ摺動自在に取付けられており、その複数枚の羽2 4により中心部に開口部を形成している。そして枠体23から突出したつまみ2 5を矢印方向へ回転させると開口部の直径が変化するようになっている。
【0022】 図1のA−A線矢示断面を図4をに示す。上記支持部材21の一方の面に陥凹 部が形成されており、その陥凹部に枠部材27が嵌め込まれ、さらに枠部材27 に回転体26が回転可能に取付けられている。
【0023】 回転体26は、リング状の部材であり、その内径は可変絞り20の枠体23に 係合している。また回転体26には、2つの切欠き26a,26bが直径方向に 向けて形成されており、一方の切欠き26aには可変絞り20のつまみ25が挿 入されている。また回転体26の他方の切欠き26bはL字型の伝達部材31に 固定されたピン32が挿入されている。
【0024】 また上記枠部材27には、固定リング28がねじで係合するようになっており 、このねじを捩じ込むことにより、可変絞り20の枠体23は枠部材27と固定 リング28の間で挟み込まれ、固定される。 なお、回転体26と固定リング28は、光軸方向にわずかな隙間を有している ので、回転体26は枠部材27に対して光軸まわりに回転可能になっている。
【0025】 枠部材27の外周には、V溝27aが設けられ、支持部材21の3か所に設け られたケン先ビス29により固定される。また枠部材27には、ピン32を通す ための長穴27bが設けられている。長穴27bは操作レバー36のストローク より長く構成されている。
【0026】 枠部材27の外径は支持部材21の内径より小さく構成されているので、3本 のケン先ビス29の締め具合を調整することにより、可変絞り20の中心を正確 に光軸心に一致するように調整できる。
【0027】 可変絞り20を含む光学系は遮光容器34内に収納されている。この遮光容器 34の側壁であって可変絞り20に対向する箇所に、軸受け筒35が設けられて おり、その軸受け筒35に棒状の操作レバー36が水平方向へ摺動自在に挿入さ れている。その操作レバー36の先端部はねじで構成され、L字型伝達部材31 にナット37にて固定されている。
【0028】 図2に示すように、上記操作レバー36の外周面には、対物レンズの倍率に対 応してカラーコード38a〜38cがレバー36の長手方向に沿って表示されて いる。なお、市販の対物レンズは、倍率に応じて、10倍では黄色、20倍では 緑色、40倍では青色といったカラーコードがそれぞれ表示されている。そこで 本実施例では、各カラーコード38a〜38cの色を、倍率に応じて市販の対物 レンズのものと同色にしている。例えば、10倍の対物レンズに対応して表示さ れたカラーコードは黄色、20倍は緑色、40倍は青色にする。
【0029】 これら各カラーコード38a〜38cの表示位置は、操作レバー36を移動さ せて所定のカラーコードを軸受け筒35の入口と一致させたときに、そのカラー コードに割付けられた倍率の対物レンズに関する光軸方向の分解能が最高になる 最小絞り径が設定される位置となっている。 またカラーコード38a〜38cを表示した下部領域に目盛り39が表示され ている。
【0030】 以上のように構成された本実施例では、操作レバー36を水平方向へ移動させ ると、操作レバー36の先端部に取付けられた伝達部材31が操作レバー36と 同方向へ同じ距離だけ移動する。伝達部材31には回転体27の切欠き29に係 合しているピン32が設けられているので、伝達部材31と共にピン32が水平 移動して回転体27に水平方向の応力を作用させる。その結果、回転体27が操 作レバー36の移動方向へ応じた方向へ回転する。この回転体27のもう一方の 切欠き28にはつまみ25が係合しているので、回転体27の回転と共につまみ 25が所定量回転し、可変絞り20の開口径が変化する。 この様にして、操作レバー36の操作量に応じて可変絞り20の開口径を変化 させることができる。
【0031】 光学系に配置する対物レンズを交換した場合には、可変絞り20の開口径を、 その対物レンズでの光軸方向の分解能が最高になる最小絞り径に設定する必要が ある。そこで操作レバー36を水平移動させて、交換した対物レンズの倍率と同 色のカラーコード38を軸受け筒35の入口に一致させる。これにより、可変絞 り20が、光軸方向の分解能が最高になる最小絞り径に設定され、初期設定が完 了する。
【0032】 次に、初期設定状態から可変絞り20の開口径を大きくする方向へ操作レバー 36を水平移動させて光量の調整を行う。カラーコードが見えなくなる方向へ操 作レバー36を移動させると、画像が得られなくなるほどに光量が制限されるが 、カラーコードが軸受け筒35で隠されることにより、操作者は光量が不必要に 制限されていることを認識することができる。
【0033】 以上のように構成された本実施例では、可変絞り20を操作する操作レバー3 6の外周面に、対物レンズの倍率に応じてカラーコード38a〜38cを表示し ておき、交換した対物レンズの倍率に対応するカラーコード38を軸受け筒35 の入口に一致させたときに、可変絞り20における開口径が、その対物レンズの 光軸方向の分解能が最高になる最小絞り径に設定されるようにしたので、対物レ ンズを交換したときの初期設定を容易に行うことができる。また分解能が最高に なっているにも拘らず不必要に開口径を小さくして画像を得るのに十分な光量が 得られなくなるなどの不具合を防止できる。
【0034】 なお、上記実施例では操作レバー36に対物レンズの倍率に応じて3種類のカ ラーコード38a〜38cを表示しているが、カラーコードでなくても対物レン ズの倍率との一致がとれる表記法であれば他の手段であってもよい。例えば、倍 率を直接記述するようにしても良い。
【0035】 また生物用、金属用等の様に対物レンズの種類によっても最適な最小開口径が 異なる。そこで、対物レンズの種類毎に、上述した倍率に応じたカラーコード、 倍率が表示された操作レバーをそれぞれ準備し、対物レンズの種類と倍率に応じ て、対応する操作レバーを選択的に使用して開口径の調整を行うようにしても良 い。
【0036】 この場合、操作レバーをL字型伝達部材から取外してレバー全体を交換するの ではなく、操作レバーの途中で、雄ねじ,雌ねじによる継ぎ手形式で連結する構 成にすれば、交換作業を簡略化することができる。
【0037】 また、一つの操作レバー36に、対物レンズの倍率に応じたカラーコードを、 複数種類の対物レンズに関して表示するようにしても良い。この様な場合には、 例えば同じ倍率であっても対物レンズの種類によって表記色を変えたりして、種 類の区別が付くようにしておく必要がある。 次に、本考案の第2実施例について説明する。
【0038】 本実施例は、前記第1実施例の操作レバーに代えて、回転ノブと歯車機構との 組合わせにより、絞り部の開口径を調整するようにした例である。なお、回転ノ ブ及び歯車機構の部分を除いては、前記第1実施例と基本的に同じ構成である。 よって、第1実施例と同一機能を有する部分には同一符号を付している。
【0039】 図5及び図6に本実施例に備えられる開口径調整機構の構成が示されている。 本実施例における開口径調整機構は、中心に円形開口部を有する歯車70に固定 されたピン32が、回転体26の他方の切欠き26bに挿入されている。枠部材 27には、ピン32を通すための長穴27b′が設けられている。
【0040】 歯車70の中心部開口には、枠部材27に対して光軸と中心を一致させて固定 された固定リング71が嵌合されている。歯車70は固定リング71の外周面上 を摺動可能になっており、光軸回りを回転することができる。
【0041】 上記歯車70には他の歯車72が噛合している。その歯車72は回転軸が軸7 3に固定されており、その軸73が遮蔽容器34に取付けられた軸受け74に挿 入されている。そして軸受け74を貫通して外部に出た軸73の先端部が、セッ トビス75により回転ノブ76に固定されている。 上記回転ノブ76の部分を外部から見た概略図が図7に示されている。
【0042】 遮蔽容器34の外壁面における回転ノブ76の近傍に、指標77が設けられ、 回転ノブ76の外周面に、多数の対物レンズに対するカラーコード78が記され ている。そして回転ノブ76のカラーコード78と指標78とを、前述した第1 実施例と同様の関係に設定する。
【0043】 以上のように構成された本実施例では、回転ノブ76の回転が軸73及び歯車 72を介して歯車70へ伝達され、回転ノブ76の回転量に応じて歯車70が固 定リング71を軸にして回転する。歯車70が回転すると、歯車70に固定され ているピン32が回転体26に係合して回転体26が回転し、回転体26の回転 角に応じた量だけ開口径が変化する。
【0044】 この様に、回転ノブ76の回転操作により可変絞り20の開口径を変化させる ことができ、共焦点光学系に配置された対物レンズに対応するカラーコード78 を指標77に一致させると、可変絞り20における開口径が、その対物レンズの 光軸方向の分解能が最高になる最小絞り径に設定される。
【0045】 この様な本実施例によれば、前記第1実施例と同様の効果を得ることができる 。さらに本実施例によれば、歯車70と歯車72の減速比を適当に設定すること により、可変絞りの絞り径の分解能を上げることができる。
【0046】 例えば、絞り径の最小から最大までを、回転ノブ76の回転角度で270°程 度に設定すれば、多数の種類の対物レンズに対してカラーコードを設定できる。 次に、本考案の第3実施例について説明する。 本実施例は、前述した図10に示す走査型光学顕微鏡の光学系と同一構成の光 学系を有しており、絞り部に図8に示す開口径調整機構が設けられている。
【0047】 図8に示す開口径調整機構は、回転自在に支持された操作部材としてのターレ ット40によって、開口径の異なる3つのピンホール部材41〜43を選択的に 光軸上に配置するようにしたものである。
【0048】 ターレット40は、共焦点光学系の絞り部の近傍に、一部を光軸に交差させた 状態で、回転軸を中心に回転自在に軸支されている。ターレット40の上面には 、回転軸から光軸位置までそれぞれ離れた同一円周上に、ピンホール部材41〜 43の外径よりも大きな直径を有する凹部45〜47が形成されている。各凹部 45〜47の底面中心部にはターレット40の裏面に貫通する貫通口がそれぞれ 形成されている。これら各凹部45〜47に、各々径の異なるピンホールが中心 に形成されたピンホール部材41〜43が挿入されている。
【0049】 また、ターレット40の外周面には、各ピンホール部材41〜43の配置間隔 と同じ間隔で切欠き47〜49が設けられている。そしてターレット40の外周 面に対してボール50がバネ51でターレット側へ付勢されて押圧されている。 このボール50が切欠き47〜49に進入することにより、対応するピンホール 部材41〜43が光軸上に位置決めされるようになっている。
【0050】 さらに、ターレット40の外周面には、各凹部45〜47とターレット40の 回転軸を挟んで対向する各位置に、第1実施例と同様に、対物レンズの倍率を示 すカラーコード52〜54が表示されている。
【0051】 すなわち、各ピンホール部材41〜43として対物レンズ倍率に応じて光軸方 向の分解能と光量とのバランスのとれたピンホール径のものを設置し、各ピンホ ール部材41〜43に対応させて、外部から見易いターレット操作位置に、対物 レンズの倍率を示すカラーコード52〜54することにより、前記第1実施例と 同様の効果を得ることができるものとなる。
【0052】 本実施例によれば、ピンホールにより開口を形成しているので、最小開口径を 数十μm〜100μmまで小さくすることができ、機械的な可変絞り(最小開口 径は1mm〜0.5mm)を用いる場合に比べて、光学系のストロークを短縮で きる。 例えば、図9に示す共焦点光学系のモデル図を参照して、ピンホールを使うこ とにより、光学系のストロークを短く抑えられることについて説明する。 図9に示す共焦点光学系で、対物レンズの倍率をMob、開口数をNAobと すると、試料上のスポット径d1は、下式より計算できる。 d1=1.22×λ/NAob
【0053】 ただし、λは波長である。このスポット径d1が、対物レンズ、瞳投影レンズ、 結像レンズによって共焦点絞り上に投影されるから、共焦点絞り上のスポット径 d2は、次の式から求められる。 d2=d1×Mob×f1/f2 この式に従って、例えば10×,40×,100×の各倍率について、共焦点 絞り上のスポット径d2を計算すると、以下のようになる。
【0054】 対物レンズ倍率 開口数:NAob d2(mm) 10× 0.4 1.2 40× 0.95 2.0 100× 1.40 3.5 ただし、f2/f1=4000/50=80、λ=0.5μmである。
【0055】 このように、共焦点絞り上のスポット径d2は、対物レンズによって異なる。従 って、倍率の異なる対物レンズによって共焦点絞りの径を変えなければならない のは前述した通りである。
【0056】 上記例では、結像レンズの焦点距離f2は、f2=4000mmである。これ は共焦点絞りが可変の場合、最小径が0.5mmのため、これよりも大きなスポ ットを発生させるためである。上記した第2実施例のように、ピンホールを用い る場合には、ピンホールによる最小径は数十μm〜100μmであるので、f2 =50mm等のように短くすることができる。
【0057】
【考案の効果】
以上詳記したように本考案によれば、対物レンズの光軸方向の最高分解能とな る開口径を一目で判断でき、絞り部の開口径を必要以上に小さくすることがなく 、操作性の改善された共焦点走査型光学顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係る共焦点走査型光学顕
微鏡に備えられた開口径調整機構の側面図。
【図2】図1に示す開口径調整機構に備えられた操作レ
バーの側面図。
【図3】図1に示す開口径調整機構に備えられた可変絞
りの概略図。
【図4】図1に示すA−A線矢示断面図。
【図5】本考案の第2実施例に係る共焦点走査型光学顕
微鏡に備えられた開口径調整機構の上面図。
【図6】図5に示すB−B線矢示断面図。
【図7】図6に示す開口径調整機構に備えられた回転ノ
ブ部分の外観図。
【図8】本考案の第3実施例に係る共焦点走査型光学顕
微鏡に備えられた開口径調整機構の斜視図。
【図9】共焦点光学系のモデル図。
【図10】共焦点走査型光学顕微鏡の光学系を示す図。
【符号の説明】
1…光源、3,5…光偏向器、9…対物レンズ、12…
光検出器、20…可変絞り、27…回転体、36…操作
レバー、38a〜38c…カラーコード、40…ターレ
ット、41〜43…ピンホール部材。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、この光源からの光を試料上に微
    小なスポットに集光する対物レンズと、前記試料からの
    光を検出する光検出器と、試料上のスポットと前記試料
    とを相対的に2次元走査するための走査光学系と、前記
    対物レンズの合焦位置と光学的に共役な位置であって前
    記光検出器の前に前記光検出器に入射する光の光軸に開
    口中心を合わせて配置され開口径が可変な絞り部と、こ
    の絞り部を外部から操作して開口径を変化させる操作部
    材とを備えた共焦点走査型光学顕微鏡において、 前記操作部材に、対物レンズの倍率、又は対物レンズの
    種類及び倍率に対応して設定すべき開口の大きさを示す
    位置をそれぞれ表示したことを特徴とする共焦点走査型
    光学顕微鏡。
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