JPH061687Y2 - 脳波電極接続箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は脳波測定に用いられる脳波電極接続箱に関す
る。

〔考案の概要〕

本考案は、被検者の頭部を支持する枕に電極接続箱とし
ての機能を持たせることにより、電極の装着を容易に行
なえるようにする等、測定者の負担の軽減を図ると共
に、省スペース化を実現したものである。

〔従来の技術〕

一般に脳波検査を行なう場合は、第４図に示す如く、ベ
ッド(1)に寝かされた被検者(2)の頭部に複数の電極(3)
を装着し、そのリード線(3a)を夫々電極接続箱(4)に接
続する。

従来この電極接続箱(4)は、ベッド近傍に配置される脳
波計(5)の本体に一体に設けられており、電極(3)によっ
て検出された脳波はリード線(3a)を介して電極接続箱
(4)に入力され、脳波計(5)において波形記録が行なわれ
る如く構成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

このように従来の電極接続箱(4)は、被検者(2)から離れ
た位置に独立して設けられていたため、電極(3)の装着
作業に手間がかかり、また電極リード線(3a)同士が絡み
合い易く、その処理が大変であり、さらには被検者(2)
の寝返り等の体動によって電極(3)の装着位置に乱れが
生じたりすることがある等、測定者にとって大きな負担
となっていた。

また、脳波測定を行なう場所は、検査室、ベッドサイ
ド、救急処置室と様々であるが、近年それらのスペース
は縮小の一途をたどっている中で、電極接続箱の小型化
が要求されている。しかしこれに対応する反面、電気的
な性能に制限を設けざるを得なくなり、さらには信頼性
を損なうことにもなっていた。

本考案は斯る点に鑑みて成されたもので、電極装着にお
いて測定者の負担を軽減し、かつ省スペース化に対応し
信頼性の高い電極接続箱を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するために本考案の電極接続箱(6)
は、被検者(2)の頭部を支持する枕形状に形成され、そ
の後側面部(6a)に、電極(3)のリード線(3a)を接続する
入力端子(7)が設けられて成るものである。

〔作用〕

このように被検者の頭部を支持する枕に電極接続箱の機
能を持たせた構造とすることにより、電極(3)の装着作
業が容易となる等、測定者の負担が軽減すると共に、電
気的な性能を制限することなく省スペース化を図れるの
で、信頼性を損なうことはない。

〔実施例〕

以下、第１図〜第３図を参照しながら本考案の実施例に
ついて説明するに、上述した第４図と対応する部分には
同一符号を付してある。

本考案は、被検者(2)の頭部を支持する枕に電極接続箱
としての機能を持たせるようにした構造を有するもので
ある。

即ち本例の電極接続箱(6)は、全体として枕状に形成さ
れ、その後側面部(6a)には、電極(3)のリード線(3a)が
接続される入力端子(7)を設けてある。

この各入力端子(7)は、被検者(2)の頭部に装着する各電
極(3)の装着部位に対応したパターンで配置されてお
り、これによって電極(3)は最短距離で接続できるよう
に成されている。尚(8)はその他の入力端子である。

またこの電極接続箱(6)には、インピーダンス変換用バ
ッファアンプが内蔵されており、入力端子(7)及び(8)に
入力された脳波信号等は、このバッファアンプを介して
電極接続箱(6)の後側面部(6a)から導出される出力コー
ド(9)に出力される。この出力コード(9)は、入力端子
(7)及び(8)と対応した複数のコードが集束された多chコ
ードで、その先端は脳波計(5)の本体に接続されてお
り、電極接続箱(6)に集められた脳波信号等はこの出力
コード(9)を介して脳波計(5)に入力され、波形記録が行
なわれる如く構成されている。

また、この電極接続箱(6)の上面部(6b)、即ち被検者(2)
を支持する面は、被検者(2)の身体の背中から頭部中央
にかけての形状に倣って緩やかに傾斜する曲面形状を成
し、またその材質としてはスポンジの如き柔軟な材料を
使用しており、これによって本例の電極接続箱(6)は、
被検者(2)の背中から頭部中央にかけての部位に無理な
く密着し、良好な支持性が得られる構造と成されてい
る。

以上のように構成される本例の電極接続箱(6)を用いる
ことにより、電極(3)の装着部即ち被検者(2)の頭部と、
電極リード線(3a)の接続部即ち入力端子(7)との間の距
離が極く近くなるので、電極リード線(3a)は短かくて済
み、このため被検者(2)に対する電極(3)の装着作業が容
易となり、また電極リード線(3a)同士が絡まるおそれは
ないので電極(3)の装着状態が安定し、さらに被検者(2)
の寝返り等の体動によっても電極(3)の装着位置の乱れ
等が生じにくい等の効果がある。

またこの電極接続箱(6)は、被検者(2)の頭部を支持する
枕に電極接続箱としての機能を持たせた構造であるた
め、電気的な性能に制限を設けることなく省スペース化
に対応することができ、このため測定の信頼性を損なう
ことはない。

また、以上に説明した本例の構成に加えて、電極接続箱
(6)に生体信号用増幅器を内蔵することによって電気的
性能を一層向上させることができる。

さらに、本例では電極(3)のリード線(3a)を個々に入力
端子(7)に接続する構成であるが、電極端子を１つのコ
ネクタに集束させた電極端子集中コネクタを設けること
により、被検者(2)に対する着脱を容易にすることがで
きる。

〔考案の効果〕

以上の如く本考案の脳波電極接続箱は、被検者の頭部を
支持する枕形状を有し、その後側面部に脳波電極が接続
される入力端子を設けたことにより、電極の装着作業が
容易となると共に、電極の装着状態が安定し、しかも被
検者の体動による電極装着の乱れが少ない等の利点が生
じるので、測定者の負担は大幅に軽減され、また電気的
性能を制限することなく省スペース化に貢献できるの
で、測定の信頼性を損なうことはない等、従来には無い
大きな実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の脳波電極接続箱の使用状態を示す図、
第２図は本考案の脳波電極接続箱の後方から見た図、第
３図は同、斜視図、第４図は従来例の説明図である。 図中、(2)は被検者、(3)は電極、(6)は電極接続箱、(7)
は入力端子である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被検者の頭部を支持する枕形状を有し、そ
   の後側面部に、脳波電極を接続する入力端子が設けられ
   て成る脳波電極接続箱。