JPH06168727A - 燃料電池 - Google Patents
燃料電池Info
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- JPH06168727A JPH06168727A JP43A JP31759892A JPH06168727A JP H06168727 A JPH06168727 A JP H06168727A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 31759892 A JP31759892 A JP 31759892A JP H06168727 A JPH06168727 A JP H06168727A
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- aluminum alloy
- fuel cell
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 運転寿命の長い燃料電池を提供する。
【構成】 薄板構造体のセパレータ3やガス流路部材1
8,19等の表面に、第1のアルミニウム合金層21
と、この第1のアルミニウム合金層21に生じた亀裂2
2よりも深く、該第1のアルミニウム合金層21のアル
ミニウムを加熱拡散させてなる第2のアルミニウム合金
層23とを設けているので、第1のアルミニウム合金層
21を設けた後に、形状修正等を行うことによって生じ
た第1のアルミニウム合金層21から母材20にまで達
する亀裂22についても、第2のアルミニウム合金層2
3によって覆われることになり、母材20は腐蝕環境に
直接晒されることがなくなる。このため薄板構造体の耐
蝕性が増すことになり、燃料電池の運転寿命を長くする
ことができる。
8,19等の表面に、第1のアルミニウム合金層21
と、この第1のアルミニウム合金層21に生じた亀裂2
2よりも深く、該第1のアルミニウム合金層21のアル
ミニウムを加熱拡散させてなる第2のアルミニウム合金
層23とを設けているので、第1のアルミニウム合金層
21を設けた後に、形状修正等を行うことによって生じ
た第1のアルミニウム合金層21から母材20にまで達
する亀裂22についても、第2のアルミニウム合金層2
3によって覆われることになり、母材20は腐蝕環境に
直接晒されることがなくなる。このため薄板構造体の耐
蝕性が増すことになり、燃料電池の運転寿命を長くする
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解質に溶融炭酸塩を
用いた燃料電池に関する。
用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、電解質に燃料ガス及び酸化
剤ガスを供給し反応させて起電する燃料電池は、化学エ
ネルギーを電気エネルギーに直接変換するもので変換効
率が高い。そして使用する電解質によって種々の種類が
あり、また一般に素電池の電圧が1V前後と低いため、
発電プラントなどのように高い出力電圧を要求されるも
のでは、複数の素電池の間にセパレータを設け、それら
が直列に接続されるように積層することによって構成さ
れる。さらに燃料電池は用いる電解質の種類によって燃
料ガス及び作動温度が異なるため、それぞれ構造が異っ
ている。
剤ガスを供給し反応させて起電する燃料電池は、化学エ
ネルギーを電気エネルギーに直接変換するもので変換効
率が高い。そして使用する電解質によって種々の種類が
あり、また一般に素電池の電圧が1V前後と低いため、
発電プラントなどのように高い出力電圧を要求されるも
のでは、複数の素電池の間にセパレータを設け、それら
が直列に接続されるように積層することによって構成さ
れる。さらに燃料電池は用いる電解質の種類によって燃
料ガス及び作動温度が異なるため、それぞれ構造が異っ
ている。
【0003】このような燃料電池のうち、電解質に溶融
炭酸塩を用いた溶融炭酸塩型の燃料電池では作動温度が
650℃程度にまで達し、強い腐蝕環境を呈する。この
ため、例えば素電池間に挿入されるセパレータやガス流
路部材等は、ステンレス鋼板やニッケル(Ni)系鉄合
金板などで形成されると共に、その表面にはアルミニウ
ム(Al)を拡散処理し、Al合金層を設けるようにし
た耐蝕処理が施されている。
炭酸塩を用いた溶融炭酸塩型の燃料電池では作動温度が
650℃程度にまで達し、強い腐蝕環境を呈する。この
ため、例えば素電池間に挿入されるセパレータやガス流
路部材等は、ステンレス鋼板やニッケル(Ni)系鉄合
金板などで形成されると共に、その表面にはアルミニウ
ム(Al)を拡散処理し、Al合金層を設けるようにし
た耐蝕処理が施されている。
【0004】例えばセパレータは、薄いステンレス鋼板
をプレス成形し、溶接あるいは接合などにより組み合わ
せて形成された薄板構造体であって、その両面側にはそ
れぞれ隣接して配置される素電池の燃料ガスもしくは酸
化剤ガスの流路が設けられている。そしてAl拡散処理
は、簡便・安価でしかも均一な処理層が得られることよ
り、薄い鋼板を組み合わせた後に700℃程度の高温の
溶融Al浴中に浸漬する浸漬処理法によって行われ、ス
テンレス鋼板の表面に耐蝕性を有するAl合金層が形成
される。
をプレス成形し、溶接あるいは接合などにより組み合わ
せて形成された薄板構造体であって、その両面側にはそ
れぞれ隣接して配置される素電池の燃料ガスもしくは酸
化剤ガスの流路が設けられている。そしてAl拡散処理
は、簡便・安価でしかも均一な処理層が得られることよ
り、薄い鋼板を組み合わせた後に700℃程度の高温の
溶融Al浴中に浸漬する浸漬処理法によって行われ、ス
テンレス鋼板の表面に耐蝕性を有するAl合金層が形成
される。
【0005】しかしながら、このような薄板構造体のセ
パレータには高温の溶融Al浴中に浸漬することで浸漬
処理後に過大な変形が生じ、その後の燃料電池の組み立
て製造を困難なものにし、またシール面の面精度が得ら
れずガス等が漏洩するなどの問題が生じる。
パレータには高温の溶融Al浴中に浸漬することで浸漬
処理後に過大な変形が生じ、その後の燃料電池の組み立
て製造を困難なものにし、またシール面の面精度が得ら
れずガス等が漏洩するなどの問題が生じる。
【0006】このため溶融Al浴中に浸漬処理した後に
所定の精度を出すように変形の修正が行われる。しか
し、この場合にはAl合金層が非常に硬く脆いものであ
るから、ステンレス鋼板の母材部分にまで達する微小亀
裂が生じる可能性がある。Al合金層に亀裂が生じると
その部分から母材の腐蝕が進行し、耐蝕層としてAl合
金層を設けても充分に機能しないことになる。そして、
これによって燃料電池の運転寿命は短いものとなってい
た。
所定の精度を出すように変形の修正が行われる。しか
し、この場合にはAl合金層が非常に硬く脆いものであ
るから、ステンレス鋼板の母材部分にまで達する微小亀
裂が生じる可能性がある。Al合金層に亀裂が生じると
その部分から母材の腐蝕が進行し、耐蝕層としてAl合
金層を設けても充分に機能しないことになる。そして、
これによって燃料電池の運転寿命は短いものとなってい
た。
【0007】同様に、薄板構造体であるガス流路部材な
どにおいても変形修正時に表面のAl合金層に亀裂が入
ると、耐蝕層として充分に機能しないことになる。
どにおいても変形修正時に表面のAl合金層に亀裂が入
ると、耐蝕層として充分に機能しないことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、高温の
溶融Al浴中に浸漬して耐蝕処理を施すと薄板構造体に
形状変形が生じ、この変形を修正すると表面に形成され
たAl合金層に母材部分にまで達する微小亀裂が生じる
可能性があり、これによって従来は薄板構造体が腐蝕し
燃料電池の寿命は短いものとなっていた。このような状
況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とすると
ころは薄板構造体の母材が腐蝕環境に直接接触しないよ
うにし、耐蝕性を増すことによって運転寿命を長くした
燃料電池を提供することにある。
溶融Al浴中に浸漬して耐蝕処理を施すと薄板構造体に
形状変形が生じ、この変形を修正すると表面に形成され
たAl合金層に母材部分にまで達する微小亀裂が生じる
可能性があり、これによって従来は薄板構造体が腐蝕し
燃料電池の寿命は短いものとなっていた。このような状
況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とすると
ころは薄板構造体の母材が腐蝕環境に直接接触しないよ
うにし、耐蝕性を増すことによって運転寿命を長くした
燃料電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池は、複
数の素電池と、これら素電池の間に分離するように挿入
されると共に素電池への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給
路を構成する薄板構造体を備えた燃料電池において、薄
板構造体の表面に、第1のアルミニウム合金層と、この
第1のアルミニウム合金層に生じた亀裂よりも深く該第
1のアルミニウム合金層のアルミニウムを加熱拡散させ
てなる第2のアルミニウム合金層とを設けたことを特徴
とするものである。
数の素電池と、これら素電池の間に分離するように挿入
されると共に素電池への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給
路を構成する薄板構造体を備えた燃料電池において、薄
板構造体の表面に、第1のアルミニウム合金層と、この
第1のアルミニウム合金層に生じた亀裂よりも深く該第
1のアルミニウム合金層のアルミニウムを加熱拡散させ
てなる第2のアルミニウム合金層とを設けたことを特徴
とするものである。
【0010】
【作用】上記のように構成された燃料電池は、薄板構造
体の表面に、第1のアルミニウム合金層と、この第1の
アルミニウム合金層に生じた亀裂よりも深く該第1のア
ルミニウム合金層のアルミニウムを加熱拡散させてなる
第2のアルミニウム合金層とを設けているので、第1の
アルミニウム合金層を設けた後に、形状修正等を行うこ
とによって生じた第1のアルミニウム合金層から母材に
まで達する亀裂についても、第2のアルミニウム合金層
によって覆われることになり、母材は腐蝕環境に直接晒
されることがなくなる。このため薄板構造体の耐蝕性が
増すことになり、燃料電池の運転寿命を長くすることが
できる。
体の表面に、第1のアルミニウム合金層と、この第1の
アルミニウム合金層に生じた亀裂よりも深く該第1のア
ルミニウム合金層のアルミニウムを加熱拡散させてなる
第2のアルミニウム合金層とを設けているので、第1の
アルミニウム合金層を設けた後に、形状修正等を行うこ
とによって生じた第1のアルミニウム合金層から母材に
まで達する亀裂についても、第2のアルミニウム合金層
によって覆われることになり、母材は腐蝕環境に直接晒
されることがなくなる。このため薄板構造体の耐蝕性が
増すことになり、燃料電池の運転寿命を長くすることが
できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図3を参
照して説明する。図1は燃料電池本体の概略を示す斜視
図であり、図2はセパレータの一部を断面で示す斜視図
であり、図3は変形修正後の断面状況を模式的に示す図
であり、図4は再加熱処理した後の断面状況を模式的に
示す図であり、図5は処理温度を高くして再加熱処理し
た後の断面状況を模式的に示す図である。
照して説明する。図1は燃料電池本体の概略を示す斜視
図であり、図2はセパレータの一部を断面で示す斜視図
であり、図3は変形修正後の断面状況を模式的に示す図
であり、図4は再加熱処理した後の断面状況を模式的に
示す図であり、図5は処理温度を高くして再加熱処理し
た後の断面状況を模式的に示す図である。
【0012】図1及び図2において燃料電池本体1は、
例えば炭酸リチウム(Li2 CO3)、炭酸カリウム
(K2 CO3 )、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )等の
溶融炭酸塩を用いた図示しない電解質板の両面に、例え
ばニッケル(Ni)−クローム(Cr)の多孔性焼結体
等を基材とした同じく図示しない正・負電極を配設した
素電池2を、隣り合う素電池2の間にセパレータ3を介
在させ直列に接続されるよう複数積層して構成されてい
る。
例えば炭酸リチウム(Li2 CO3)、炭酸カリウム
(K2 CO3 )、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )等の
溶融炭酸塩を用いた図示しない電解質板の両面に、例え
ばニッケル(Ni)−クローム(Cr)の多孔性焼結体
等を基材とした同じく図示しない正・負電極を配設した
素電池2を、隣り合う素電池2の間にセパレータ3を介
在させ直列に接続されるよう複数積層して構成されてい
る。
【0013】セパレータ3は略方形状の外形を有するも
ので、例えばSUS310Sの厚さが0.3〜0.4m
mのステンレス鋼板で形成された薄板構造体をなしてお
り、浅皿状で底部中央部に方形の大きな開口4を有する
2枚のエッジ板5を、間にセパレータ板6を挟むように
組み合わせ外周縁部を気密に溶接してある。これによっ
て2枚のエッジ板5とセパレータ板6の両面との間に、
それぞれ燃料ガス路7と酸化剤ガス路8が形成されてい
る。
ので、例えばSUS310Sの厚さが0.3〜0.4m
mのステンレス鋼板で形成された薄板構造体をなしてお
り、浅皿状で底部中央部に方形の大きな開口4を有する
2枚のエッジ板5を、間にセパレータ板6を挟むように
組み合わせ外周縁部を気密に溶接してある。これによっ
て2枚のエッジ板5とセパレータ板6の両面との間に、
それぞれ燃料ガス路7と酸化剤ガス路8が形成されてい
る。
【0014】また、セパレータ板6の両面の開口4を臨
む位置には、正・負電極との電気的な接触を保ち、対応
するガスを供給できるようにしながらこれらを支持する
波板9が固着されている。さらにセパレータ3には、両
端部に2枚のエッジ板5とセパレータ板6を貫通して、
燃料ガス入口マニホールド10及び燃料ガス出口マニホ
ールド11、酸化剤ガス入口マニホールド12及び酸化
剤ガス出口マニホールド13が設けられている。そして
燃料ガス入口マニホールド10及び燃料ガス出口マニホ
ールド11には燃料ガス路7が開口し、酸化剤ガスマニ
ホールド12及び酸化剤ガス出口マニホールド13には
酸化剤ガス路8が開口するように形成されている。
む位置には、正・負電極との電気的な接触を保ち、対応
するガスを供給できるようにしながらこれらを支持する
波板9が固着されている。さらにセパレータ3には、両
端部に2枚のエッジ板5とセパレータ板6を貫通して、
燃料ガス入口マニホールド10及び燃料ガス出口マニホ
ールド11、酸化剤ガス入口マニホールド12及び酸化
剤ガス出口マニホールド13が設けられている。そして
燃料ガス入口マニホールド10及び燃料ガス出口マニホ
ールド11には燃料ガス路7が開口し、酸化剤ガスマニ
ホールド12及び酸化剤ガス出口マニホールド13には
酸化剤ガス路8が開口するように形成されている。
【0015】一方、積層された素電池2の間に設けられ
た隣り合うセパレータ3の各ガスマニホールド10,1
1,12,13の対応するものの間には、燃料ガス流路
14,15、酸化剤ガス流路16,17を形成するよう
にNi系鉄合金板で形成されたガス流路部材18,19
が、電気的に絶縁されるようにして気密に接続されてい
る。
た隣り合うセパレータ3の各ガスマニホールド10,1
1,12,13の対応するものの間には、燃料ガス流路
14,15、酸化剤ガス流路16,17を形成するよう
にNi系鉄合金板で形成されたガス流路部材18,19
が、電気的に絶縁されるようにして気密に接続されてい
る。
【0016】そして腐蝕環境で使用されるセパレータ3
の耐蝕処理は、セパレータ3に組み合わせる前に各構成
部材の段階で次のようにして行われる。以下、代表的な
2通りの加工手順について図3乃至図5を参照して説明
する。
の耐蝕処理は、セパレータ3に組み合わせる前に各構成
部材の段階で次のようにして行われる。以下、代表的な
2通りの加工手順について図3乃至図5を参照して説明
する。
【0017】先ず第1の加工手順について説明する。こ
の手順ではエッジ板5に開口4及び各ガスマニホールド
10,11,12,13の開口を形成し、約700℃の
溶融Al浴中に浸漬してステンレス鋼板の母材20の表
面に厚さ約25μmの第1のAl合金層21を形成す
る。この高温の浸漬処理で、薄板で方形状をなし、約1
m2 程度の開口面積を有する開口4が形成されたエッジ
板5には急激な温度変化が加えられ、過大な変形が発生
する可能性がある。
の手順ではエッジ板5に開口4及び各ガスマニホールド
10,11,12,13の開口を形成し、約700℃の
溶融Al浴中に浸漬してステンレス鋼板の母材20の表
面に厚さ約25μmの第1のAl合金層21を形成す
る。この高温の浸漬処理で、薄板で方形状をなし、約1
m2 程度の開口面積を有する開口4が形成されたエッジ
板5には急激な温度変化が加えられ、過大な変形が発生
する可能性がある。
【0018】続いて第1のAl合金層21が表面に形成
されたエッジ板5は浅皿状にプレス加工され、過大な変
形が発生した場合でも所定の形状に成形される。そして
この加工によって図3に示すように母材20表面の硬く
て脆い第1のAl合金層21には母材20に達する微小
亀裂22が発生する。
されたエッジ板5は浅皿状にプレス加工され、過大な変
形が発生した場合でも所定の形状に成形される。そして
この加工によって図3に示すように母材20表面の硬く
て脆い第1のAl合金層21には母材20に達する微小
亀裂22が発生する。
【0019】次に第2の加工手順について説明する。こ
の手順ではエッジ板5に開口4及び各ガスマニホールド
10,11,12,13の開口を形成し、浅皿状にプレ
ス加工を行った後、約700℃の溶融Al浴中に浸漬し
てステンレス鋼板の母材20の表面に厚さ約25μmの
第1のAl合金層21を形成する。
の手順ではエッジ板5に開口4及び各ガスマニホールド
10,11,12,13の開口を形成し、浅皿状にプレ
ス加工を行った後、約700℃の溶融Al浴中に浸漬し
てステンレス鋼板の母材20の表面に厚さ約25μmの
第1のAl合金層21を形成する。
【0020】この高温の浸漬処理で、同様に薄板で方形
状をなし、約1m2 程度の開口面積を有する開口4が形
成されたエッジ板5には急激な温度変化が加えられ、過
大な変形が発生する可能性がある。そして変形が発生し
た場合には再プレス成形等によって修正し、所定の形状
(寸法精度、面精度等)が得られるよう変形を低減す
る。
状をなし、約1m2 程度の開口面積を有する開口4が形
成されたエッジ板5には急激な温度変化が加えられ、過
大な変形が発生する可能性がある。そして変形が発生し
た場合には再プレス成形等によって修正し、所定の形状
(寸法精度、面精度等)が得られるよう変形を低減す
る。
【0021】特に開口4の周縁部4aは電解質板との間
でウェットシールを形成するため、高い面精度が要求さ
れ形状修正が必須となる。こうして変形を低減するため
修正加工を施すと、図3に示すように母材20表面の硬
くて脆い第1のAl合金層21には母材20に達する微
小亀裂22が発生する。
でウェットシールを形成するため、高い面精度が要求さ
れ形状修正が必須となる。こうして変形を低減するため
修正加工を施すと、図3に示すように母材20表面の硬
くて脆い第1のAl合金層21には母材20に達する微
小亀裂22が発生する。
【0022】そして上記の各手順で所定の形状とされた
ものは、次にエッジ板5を再び700℃以上の所定の温
度にまで昇温し、この状態を所定時間維持した後に徐々
に降温する。この処理過程は、第1のAl合金層21の
Alが母材20に拡散することによって新たに第2のA
l合金層23を形成し、図4に示すように第1のAl合
金層21に生じていた微小亀裂22の先端部分を第2の
Al合金層23で覆うように行う。これによって微小亀
裂22と母材20との間に第2のAl合金層23でなる
耐蝕層が介在することになり、母材20に直接達する亀
裂はなくなる。
ものは、次にエッジ板5を再び700℃以上の所定の温
度にまで昇温し、この状態を所定時間維持した後に徐々
に降温する。この処理過程は、第1のAl合金層21の
Alが母材20に拡散することによって新たに第2のA
l合金層23を形成し、図4に示すように第1のAl合
金層21に生じていた微小亀裂22の先端部分を第2の
Al合金層23で覆うように行う。これによって微小亀
裂22と母材20との間に第2のAl合金層23でなる
耐蝕層が介在することになり、母材20に直接達する亀
裂はなくなる。
【0023】なお再加熱による第1のAl合金層21の
Alの母材20への拡散は、処理時間を一定とした状態
でより高い温度にまで昇温することによって、図5に示
すようにより深いところにまで行うことができ、また処
理時間を長くすることによってもより深い拡散を行うこ
とができ、厚い第2のAl合金層24を設けることがで
きる。
Alの母材20への拡散は、処理時間を一定とした状態
でより高い温度にまで昇温することによって、図5に示
すようにより深いところにまで行うことができ、また処
理時間を長くすることによってもより深い拡散を行うこ
とができ、厚い第2のAl合金層24を設けることがで
きる。
【0024】さらにセパレータ板6や波板9についても
エッジ板5と同様に、溶融Al浴中への浸漬処理、変形
修正、再加熱によるAlの拡散を行って耐蝕処理を施
す。そして耐蝕処理されたエッジ板5やセパレータ板6
及び波板9を溶接等によって接合してセパレータ3は組
み立てられる。
エッジ板5と同様に、溶融Al浴中への浸漬処理、変形
修正、再加熱によるAlの拡散を行って耐蝕処理を施
す。そして耐蝕処理されたエッジ板5やセパレータ板6
及び波板9を溶接等によって接合してセパレータ3は組
み立てられる。
【0025】一方、Ni系鉄合金板でなる薄板構造体の
ガス流路部材18,19についてもエッジ板5と同様
に、溶融Al浴による浸漬処理及び形状修正後の再加熱
によるAlの拡散によって耐蝕層を形成する。
ガス流路部材18,19についてもエッジ板5と同様
に、溶融Al浴による浸漬処理及び形状修正後の再加熱
によるAlの拡散によって耐蝕層を形成する。
【0026】そして、以上のように耐蝕処理された薄板
構造体の構成部材や素電池2などとにより燃料電池本体
1は構成され、燃料電池の運転に際して、先ず所定温度
にまで昇温される。次いで電解質板の炭酸塩を溶融させ
た状態で燃料ガス流路14から燃料ガス入口マニホール
ド10を通じて、主成分が水素(H2 )と二酸化炭素
(CO2 )の燃料ガスAを燃料ガス路7に送り込み、同
時に酸化剤ガス流路16から酸化剤ガス入口マニホール
ド12を通じて、主に空気に二酸化炭素(CO2)が加
えられてなる酸化剤ガスBを酸化剤ガス路8に送り込む
ことによって運転が開始され、燃料ガスAの発電反応が
行われる。そして発電反応を終了した各ガスは、それぞ
れ燃料ガス出口マニホールド11及び酸化剤ガス出口マ
ニホールド13を介して各ガス路15,17に集めら
れ、次段の燃料改質装置への送給あるいは大気中への排
出等が行われる。
構造体の構成部材や素電池2などとにより燃料電池本体
1は構成され、燃料電池の運転に際して、先ず所定温度
にまで昇温される。次いで電解質板の炭酸塩を溶融させ
た状態で燃料ガス流路14から燃料ガス入口マニホール
ド10を通じて、主成分が水素(H2 )と二酸化炭素
(CO2 )の燃料ガスAを燃料ガス路7に送り込み、同
時に酸化剤ガス流路16から酸化剤ガス入口マニホール
ド12を通じて、主に空気に二酸化炭素(CO2)が加
えられてなる酸化剤ガスBを酸化剤ガス路8に送り込む
ことによって運転が開始され、燃料ガスAの発電反応が
行われる。そして発電反応を終了した各ガスは、それぞ
れ燃料ガス出口マニホールド11及び酸化剤ガス出口マ
ニホールド13を介して各ガス路15,17に集めら
れ、次段の燃料改質装置への送給あるいは大気中への排
出等が行われる。
【0027】このように運転され発電が行われる間、セ
パレータ3は高温で強い腐蝕環境に晒されるが、第1の
Al合金層21に発生した亀裂22については第2のA
l合金層23によって覆われて母材20は防護され、ま
たガス流路部材18,19も通流するガスA,B,C,
Dによる腐蝕環境に晒されるが、同様にAl合金でなる
耐蝕層によって母材は防護され、燃料電池は長期にわた
り安定して運転することができる。
パレータ3は高温で強い腐蝕環境に晒されるが、第1の
Al合金層21に発生した亀裂22については第2のA
l合金層23によって覆われて母材20は防護され、ま
たガス流路部材18,19も通流するガスA,B,C,
Dによる腐蝕環境に晒されるが、同様にAl合金でなる
耐蝕層によって母材は防護され、燃料電池は長期にわた
り安定して運転することができる。
【0028】尚、上記の実施例においてはセパレータ3
等の薄板構造体が、各構成部材に第2のAl合金層23
を形成した後に溶接接合することによって組み立てられ
ているが、第1のAl合金層21を形成した後に溶接接
合し、その後に加熱拡散処理することによって第2のA
l合金層23を形成するようにしてもよく、この場合に
は溶接による残留応力の除去処理が同時に行える。さら
に溶接歪みの小さい高エネルギ密度の溶接を選択するこ
とによって、溶接部での微小亀裂の発生が抑制されAl
濃度も比較的高い耐蝕性も良好なものとなる。ちなみに
電子ビーム溶接:レーザー溶接:Tig溶接の間では、
溶接部のAl濃度の比が3:2:1であった。
等の薄板構造体が、各構成部材に第2のAl合金層23
を形成した後に溶接接合することによって組み立てられ
ているが、第1のAl合金層21を形成した後に溶接接
合し、その後に加熱拡散処理することによって第2のA
l合金層23を形成するようにしてもよく、この場合に
は溶接による残留応力の除去処理が同時に行える。さら
に溶接歪みの小さい高エネルギ密度の溶接を選択するこ
とによって、溶接部での微小亀裂の発生が抑制されAl
濃度も比較的高い耐蝕性も良好なものとなる。ちなみに
電子ビーム溶接:レーザー溶接:Tig溶接の間では、
溶接部のAl濃度の比が3:2:1であった。
【0029】また、最初に形成する第1のAl合金層2
1の形成方法については、溶融Al浴中に浸漬する浸漬
処理方法に限るものではなく、電気化学的な方法や溶射
による方法などでもよく、さらに亀裂22等が生じた部
位にAl層を部分的に付着させておいてから加熱するこ
とによってAlを拡散させ、第2のAl合金層23を形
成するようにしてもよい等、要旨を逸脱しない範囲内で
適宜変更して実施し得るものである。
1の形成方法については、溶融Al浴中に浸漬する浸漬
処理方法に限るものではなく、電気化学的な方法や溶射
による方法などでもよく、さらに亀裂22等が生じた部
位にAl層を部分的に付着させておいてから加熱するこ
とによってAlを拡散させ、第2のAl合金層23を形
成するようにしてもよい等、要旨を逸脱しない範囲内で
適宜変更して実施し得るものである。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、薄板構造体の表面に、第1のアルミニウム合金層
と、この第1のアルミニウム合金層に生じた亀裂よりも
深く該第1のアルミニウム合金層のアルミニウムを加熱
拡散させてなる第2のアルミニウム合金層とを設ける構
成としたことにより、耐蝕性が増し運転寿命を長くする
ことができる効果が得られる。
は、薄板構造体の表面に、第1のアルミニウム合金層
と、この第1のアルミニウム合金層に生じた亀裂よりも
深く該第1のアルミニウム合金層のアルミニウムを加熱
拡散させてなる第2のアルミニウム合金層とを設ける構
成としたことにより、耐蝕性が増し運転寿命を長くする
ことができる効果が得られる。
【図1】本発明の一実施例の燃料電池本体の概略を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図2】図1におけるセパレータの一部を断面で示す斜
視図である。
視図である。
【図3】図1における要部の変形修正後の断面状況を模
式的に示す図である。
式的に示す図である。
【図4】図1における要部の再加熱処理した後の断面状
況を模式的に示す図である。
況を模式的に示す図である。
【図5】図1における処理温度を高くしての要部の再加
熱処理した後の断面状況を模式的に示す図である。
熱処理した後の断面状況を模式的に示す図である。
3…セパレータ 20…母材 21…第1のアルミニウム合金層 22…亀裂 23…第2のアルミニウム合金層
Claims (1)
- 【請求項1】 複数の素電池と、これら素電池の間に分
離するように挿入されると共に前記素電池への燃料ガス
及び酸化剤ガスの供給路を構成する薄板構造体を備えた
燃料電池において、前記薄板構造体の表面に、第1のア
ルミニウム合金層と、この第1のアルミニウム合金層に
生じた亀裂よりも深く該第1のアルミニウム合金層のア
ルミニウムを加熱拡散させてなる第2のアルミニウム合
金層とを設けたことを特徴とする燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP43A JPH06168727A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP43A JPH06168727A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06168727A true JPH06168727A (ja) | 1994-06-14 |
Family
ID=18090004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP43A Pending JPH06168727A (ja) | 1992-11-27 | 1992-11-27 | 燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06168727A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100394778B1 (ko) * | 1996-06-19 | 2003-11-20 | 한국전력공사 | 용융탄산염형연료전지분리판의내식처리방법 |
-
1992
- 1992-11-27 JP JP43A patent/JPH06168727A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100394778B1 (ko) * | 1996-06-19 | 2003-11-20 | 한국전력공사 | 용융탄산염형연료전지분리판의내식처리방법 |
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