JPH06168692A - Sim像の観察方法と二次イオン検出器 - Google Patents

Sim像の観察方法と二次イオン検出器

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JPH06168692A
JPH06168692A JP32175692A JP32175692A JPH06168692A JP H06168692 A JPH06168692 A JP H06168692A JP 32175692 A JP32175692 A JP 32175692A JP 32175692 A JP32175692 A JP 32175692A JP H06168692 A JPH06168692 A JP H06168692A
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ions
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有一 濱村
Junzo Azuma
淳三 東
Akira Shimase
朗 嶋瀬
Fumikazu Ito
文和 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】対称性良いSIM像観察方法とそれを観察する
ための小型化されたイオン検出器を得ること。 【構成】集束荷電粒子ビーム2を被観察試料3に照射
し、試料面3から放出される二次イオン4を試料面上に
左右対称に配置された小型化したイオン検出器1で検出
することにより、対称性良くSIM像を得る。イオン検
出器1としてイオン−電子変換メッシュ電極、対向面電
極、傾斜面電極、円錐形電極等を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体LSI、
その製造に供するマスクなどの微細加工に用いられるS
IM像の観察方法とそれを観察するための二次イオン検
出器に係わり、特に集束荷電粒子ビーム走査により対称
性の良好な二次荷電粒子信号を得るに好適なSIM像の
観察方法とそれを観察するための二次イオン検出器に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体LSIなどのプロセス解析や不良
解析のために、一般に集束荷電粒子ビームを使った加工
では、被加工物の表面を観察する際、集束荷電粒子ビー
ムを走査して試料面から放出される二次荷電粒子を、シ
ンチレータと光電子増倍管、あるいはエスピイアイイ
第923巻 エレクトロンビーム、Xレイ、アンド アイ
オンビーム テクノロジー:サブマイクロメータ リソグ
ラフィ 第7回 1988年の第92頁〜第96頁に記載
された「マイクロサーキット モディフィケーション ユ
ージング フォーカスト アイオン ビームズ」〔Microci
rcuit Modification Using Focused Ion Beams, SPIE V
ol.923 Electron-Beam, X-Ray, and Ion-Beam Technolo
gy: Submicrometer Lithographies VII(1988)P92-9
6〕によればMCP(マイクロチャネルプレート:Micro
Channel Plate)などにより検出し、走査ビームに同期
してCRT上を走査している輝点に輝度変調をかけるこ
とにより、SIM像(走査イオン像=Scanning Ion Mic
roscope image)を観察する方法が行われる。
【0003】上記二次荷電粒子を検出する際に、シンチ
レータと光電子増倍管を用いた場合に比べ、MCPは集
束荷電粒子の走査ビーム軸に対して対称的に被観察試料
から放出された荷電粒子を検出できるために、例えば凹
凸パターンの左右傾斜面などを左右対称に捉えることが
できるという特徴があった。
【0004】一方、特開平1−311552号や特開平
2−183960号公報に示されているようなイオン検
出器は、MCPとは異なり、イオンを一度電子に変換し
てから検出するイオン−電子変換型検出器によるもの
で、エッチング等に用いられる反応性ガス雰囲気中でも
イオンを電子に変換する電極表面の二次電子放出率が低
下しないと共に、シンチレータ、光電子増倍管等の他の
構成要素もガスの影響を受けないことから、汚染の影響
を受けずに効率良くイオン検出を行うことができるとい
う特徴があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二次イオンの
検出における上記従来技術であるMCPによる検出で
は、ビーム加工速度を上げるために反応性ガス雰囲気中
で加工しながら二次荷電粒子像を観察するような場合、
MCPの汚染により荷電粒子増倍率が低下して鮮明な像
を得られなくなるという問題があった。
【0006】従って、反応性ガスによるイオン検出器の
汚染に対しては上記従来技術であるイオン−電子変換型
検出器が有効であるが、従来のイオン−電子変換電極
は、イオンの入射角に対して90度方向にて電子変換を
行う電極であるため、比較的大型であった。また、あく
まで全イオンの発生強度を測定する目的で構成されてお
り、像観察に対する配慮がなされていなかった。その結
果、走査荷電粒子ビーム軸に対して一方向からのみの観
察となり、観察像の対称性を得ることができなかった。
【0007】したがって本発明の目的は、上記従来の問
題点を解消することにあり、その主たる目的は真空中は
勿論のこと、反応性ガス中においても使用可能で、かつ
試料面に対して左右の対称性を保ちながらSIM像を得
ることのできる改良されたSIM像の観察方法を、そし
て他の目的はそれを観察可能とする改良されたイオン−
電子変換電極を有する二次イオン検出器を、それぞれ提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記主たる目的は、観察
試料面を走査する集束荷電粒子ビームと、試料面から放
出された二次イオンの発生強度を電気信号として捉える
イオン検出器によりSIM像を観察する方法において、
前記走査集束荷電粒子ビーム軸に対して対称的に複数の
イオン−電子変換型イオン検出器を配置すると共に、前
記イオン−電子変換型イオン検出器を構成する荷電粒子
制御メッシュ電極を介して、試料面から放出された二次
イオンを選択的に入射させ、これを加速してイオン−電
子変換電極に衝突させて二次電子を放出させ、これをシ
ンチレータと光電子増倍管とからなる二次電子検出器で
計測することにより、前記観察像の左右の対称性を保ち
ながら捉えるようにして成るSIM像の観察方法によ
り、達成される。
【0009】また、上記他の目的は、イオン−電子変換
電極としてメッシュ電極、対向面電極、傾斜面電極、円
錐形電極を用いることによりイオン検出器を小型化し、
また、これら検出器を走査ビーム軸に対して対称的に複
数配置することにより、容易に達成される。これらイオ
ン検出器の具体的な目的達成手段について以下に詳述す
る。
【0010】上記目的は、光電子を増幅する光電子増倍
管と、電子を光に変換するシンチレータと、イオンを電
子に変換するイオン−電子変換電極と、荷電粒子の運動
を制御する電極とを有するイオン検出器において、前記
イオン−電子変換電極をメッシュ電極で構成すると共
に、これを前記光電子増倍管の検出面と平行に、しかも
前記検出面と前記荷電粒子の運動を制御する電極との間
に配設して成るイオン検出器により、達成される。そし
て、好ましくは上記イオン−電子変換メッシュ電極の前
方に荷電粒子の運動を制御する電極として前記イオン−
電子変換メッシュ電極より低電位に設定されたメッシュ
電極からなるイオン加速手段を配設することが望まし
い。
【0011】また、上記目的は、光電子を増幅する光電
子増倍管と、電子を光に変換するシンチレータと、イオ
ンを電子に変換するイオン−電子変換電極と、荷電粒子
の運動を制御する電極とを有するイオン検出器におい
て、前記イオン−電子変換電極を、前記光電子増倍管の
検出面に対向して平行に、しかも前記検出面の中心から
偏心して配設された平板状の変換対向面電極で構成し、
前記荷電粒子の運動を制御する電極をメッシュ電極で構
成し、前記光電子増倍管の軸に対して直交する方向のイ
オンの入射部に配設して成るイオン検出器によっても、
達成される。上記シンチレータと変換対向面電極間に接
地電位に対してバイアス電圧を印加したフロート電源に
より一定加速電圧を供給しながら、入射イオンの運動を
制御する手段を配設することが望ましい。また、上記変
換対向面電極の検出面中心からの偏心の程度は、イオン
の入射部のメッシュ電極から最も離れた位置とすること
が望ましい。
【0012】また、上記目的は、光電子を増幅する光電
子増倍管と、電子を光に変換するシンチレータと、イオ
ンを電子に変換するイオン−電子変換電極と、荷電粒子
の運動を制御する電極とを有するイオン検出器におい
て、前記イオン−電子変換電極を、ロート状の傾斜面電
極で構成すると共に、その大なる開口部をイオンの入射
方向に向け前記シンチレータと荷電粒子の運動を制御す
る電極との間に配設して成るイオン検出器によっても、
達成される。この場合も上記ロート状の傾斜面電極の前
方のイオン入射方向に荷電粒子の運動を制御する電極と
して前記傾斜面電極より低電位に設定された荷電粒子制
御メッシュ電極からなるイオン加速手段を配設すること
が望ましい。このイオン加速手段としては、通常、電極
電位の異なる二枚の荷電粒子制御メッシュ電極で構成す
る。上記シンチレータと傾斜面電極および荷電粒子制御
メッシュ電極間には、接地電位に対してバイアス電圧を
印加したフロート電源により一定加速電圧を供給しなが
ら、入射イオンの運動を制御する手段を配設することが
できる。
【0013】また、上記目的は、光電子を増幅する光電
子増倍管と、電子を光に変換するシンチレータと、イオ
ンを電子に変換するイオン−電子変換電極と、荷電粒子
の運動を制御する電極とを有するイオン検出器におい
て、前記イオン−電子変換電極を、中心軸に走査荷電粒
子ビームの通過孔を有する円錐形電極で構成し、前記荷
電粒子の運動を制御する電極を、前記光電子増倍管の軸
に対して直交する方向のイオンの入射部に配設して成る
イオン検出器によっても、達成される。この場合も上記
シンチレータと円錐形電極間に接地電位に対してバイア
ス電圧を印加したフロート電源により一定加速電圧を供
給しながら、入射イオンの運動を制御する手段を配設す
ることが望ましい。
【0014】上記した何れのイオン検出器も、試料基板
上の走査荷電粒子ビーム軸に対称にその周囲に複数組配
設することができ、また、これらイオン検出器は試料基
板に平行に配設するのみならず、互いに所定の角度傾斜
させて対称的に複数組配設することもできる。
【0015】
【作用】イオン−電子変換により、反応性ガス雰囲気中
では真空中より鮮明にSIM観察像が得られる。イオン
−電子変換電極としてメッシュ電極および傾斜面電極を
用いた場合、光電子増倍管に対して軸方向のイオン検出
ができ、検出器を小型化できる。従って、走査ビーム軸
に対して対称的に複数のイオン検出器を配置することに
より、対称性のあるSIM観察像を得られる。また、二
次イオンをイオン−電子変換電極に対して90度の方向
から入射させる従来方式に類似した場合であっても、変
換電極として対向面電極及び円錐形電極を用いれば、走
査ビーム軸に対して対称的に複数配置することができ、
対称性のあるSIM観察像を得られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。 〈実施例1〉図1から図3は、本発明の第1の実施例を
示すもので、図1は本実施例におけるイオン−電子変換
電極をメッシュ電極としたイオン検出器の構成図、図2
はイオン検出器の要部断面図、図3は各部分の接地電位
に対する電位およびイオン−電子変換の原理説明図であ
る。
【0017】まず図1において、1はイオン検出器、2
は走査荷電粒子ビーム、3は被観察試料、4は被観察試
料3から放出される二次イオンである。荷電粒子ビーム
2を被観察試料3に照射し、試料面3から放出される二
次イオン4を試料面上に左右対称に配置された小型化し
たイオン検出器1で検出し、両検出器からの信号を加算
する等の処理を加えることにより、対称性良くSIM像
を得ることが可能となる。
【0018】次に、図2および図3を用いて本実施例の
原理を説明する。なお、これらの図は片側のイオン検出
器1を示している。荷電粒子ビーム2の走査によって試
料3から放出された電子10およびイオン(二次イオン
で+イオンを意味する)4が、荷電粒子制御メッシュ電
極9の前方空間に存在している場合、接地電位に対して
低い電位(この例では−100V)に設定されたメッシ
ュ電極9によって電子10は反発し、イオン4のみがメ
ッシュ電極9に向かって加速される。メッシュ電極9を
通り抜けたイオン4は、メッシュ電極8−9間でさらに
高い電界によって十数KeV程度のエネルギを得る。つ
まり、この例ではメッシュ電極8の電位をメッシュ電極
9よりさらに低い−10.1KVに設定しており、これ
ら両電極でイオン4の加速手段を構成している。
【0019】引き続きメッシュ電極8を通り抜けたイオ
ン4は、イオン−電子変換メッシュ電極7に到達し、イ
オン4の衝撃によって電極7から二次電子10がメッシ
ュ電極8の方向に放出される。つまり、イオン4はこの
電極7で二次電子10に変換される。なお、電極7の電
位は、電極8より高めに設定され、ここでは−10KV
に設定した。イオン4の加速手段を構成する荷電粒子制
御メッシュ電極9及び8のメッシュは、それぞれ略同一
パターンからなり加速されたイオン4が十分に通過でき
る口径を有している。また、イオン−電子変換メッシュ
電極7のパターンは、図示のようにメッシュ電極9及び
8とはメッシュの位置がずれており、加速されたイオン
4がメッシュ電極7の面内に有効に衝突するように構成
されている。
【0020】バルク アンド サーフェイス エレクトロ
ン エミッション インデュウスト バイ アイオン ボン
バードメント:メソッドズ オブ オブザベーション、ジ
ャーナル オブ フィジックス:コンデンスト マター 第
3巻 42号 1991年 第8289頁〜第8296頁
〔Bulk and surface electron emission induced by io
nbombardment:methods of observation, J.Phy.:Conden
s.Matter Vol.3 No.42 (1991)P8289-8296〕による
と、電極7で放出されたほとんどの二次電子10のエネ
ルギは数eVであるので、メッシュ電極7−8間に加え
られた電界によって減速され、減速に十分なメッシュ電
極間隔でメッシュ電極7方向に運動方向を変える。さら
にメッシュ電極7を通り抜けた電子10は、より高い電
位に設定されたシンチレータ6(この例では接地電位に
設定)とメッシュ電極7との間で加速され、シンチレー
タ6に到達する。シンチレータ面6は、この電子の衝撃
により発光し、光電子増倍管5により発光強度を電気信
号として捉えることが出来る。従って、光電子増倍管5
に対して径方向ではなく軸方向から入射したイオン量を
電気信号として検出することができ、従来の90度イオ
ン−電子変換に比べ、より狭い空間で変換及び検出する
ことが可能となる。なお、何れのメッシュ電極7、8、
9も、ここでは開口径10数μmの孔のあいたガラス基
板にアルミを蒸着したものを用いた。イオン−電子変換
メッシュ電極7の材質としては、これに限らず例えばス
テンレス、Cu−Be等周知の二次電子放出機能を有す
る金属板が用いられる。また、試料3としてはSiウェ
ハを、荷電粒子ビーム2としてはGaイオンをそれぞれ
用いた。
【0021】図4には、本実施例の二次イオン検出器1
を用いて、イオン−電子変換の反応性ガスに対する有効
性を確認するため行った実験結果を示す。同図において
縦軸はイオン−電子変換率を、横軸はイオンの入射エネ
ルギをそれぞれ示している。比較のために真空雰囲気中
と、反応性ガスであるXeF2雰囲気中とについて測定
した。図示の通り、反応性ガスであるXeF2雰囲気中
では真空中に比べて高い変換率を示しており、反応性ガ
ス中で十分に使用可能なイオン検出器であることを示し
ている。
【0022】〈実施例2〉次に、図5および図6を用い
て本発明の第2の実施例を説明する。この例は実施例1
のイオン−電子変換メッシュ電極7及び荷電粒子制御メ
ッシュ電極8の代わりに、これら両者の機能を兼ね備え
たイオン−電子変換対向面電極13を用いて構成したイ
オン検出器1で、何れの図面も実施例1の図2、図3と
同様に片側のイオン検出器1を代表して示している。
【0023】図5はイオン−電子変換対向面電極を有す
るイオン検出器1の要部断面図、図6はイオン−電子変
換の原理説明図を示す。図示のようにイオン−電子変換
対向面電極13は、ステンレス平板で構成され、シンチ
レータ6に対向して所定の間隔をおいて配設され、イオ
ン入射口に設けられた荷電粒子制御メッシュ電極9に略
直交して設けられている。各電極の電位の設定は図6に
示す通りであり、電極9は接地電位に対して−100
V、電極13は−10KV、シンチレータ6は接地電位
に設定されている。
【0024】図6の各部分の電位関係から、メッシュ電
極9によりシンチレータ面6に対し径方向(光電子増倍
管の軸に直交)から入射したイオン4は、シンチレータ
6がメッシュ電極9に対して高い電位を持つので、イオ
ン−電子変換面13に向かって運動する。さらに、イオ
ン4はシンチレータ6と対向する変換面13の空間に到
達するとこの空間の高電界により、変換面13に向かっ
て加速され、変換面13へのイオンの衝撃により二次電
子10が放出される。さらに電子10はシンチレータ6
と変換面13間の電界により加速され、シンチレータ6
を発光させる。従って、光電子増倍管5に対して径方向
から入射した二次イオン量を電気信号として検出するこ
とが可能となる。イオンの入射方向は、従来の90度変
換と同一となるが、走査イオンビーム軸の周囲に左右対
称に少なくとも1組の二次イオン検出器1が配設されて
いるため、SIM象の対称性が良好である。また、実施
例1の場合に比べて、イオン4が変換電極13に漏れな
く入射するのでイオン−電子変換効率がより高くなる。
【0025】〈実施例3〉次に、図7および図8を用い
て本発明の第3の実施例を説明する。この例は実施例1
のイオン−電子変換メッシュ電極7を、ロート状に傾斜
した斜面電極(以下、変換傾斜面電極と呼ぶ)14で構
成したイオン検出器1で、何れの図面も実施例1の図
2、図3と同様に片側のイオン検出器1を代表して示し
ている。すなわち、図7はイオン−電子変換傾斜面電極
14を有するイオン検出器1の要部断面図を、図8はイ
オン−電子変換の原理説明図をそれぞれ示す。イオン−
電子変換傾斜面電極14は、Cu−Be系合金で形成
し、図示のように大きな口径側をイオン4の入射方向に
向けてシンチレータ6と電極8との間に配設されてい
る。
【0026】図8の電位関係から、メッシュ電極9によ
り入射したイオン4は、実施例1と同様の原理でメッシ
ュ電極8−9間で加速される。変換傾斜面電極14に対
してシンチレータ6は高い電位を持つので、イオン4は
主に変換傾斜面電極14に向かい、二次電子10を放出
させる。電子10は変換傾斜面電極14とシンチレータ
6間の電界によりシンチレータ6に向かって運動し、こ
れを発光させる。従って、実施例1と同様に光電子増倍
管5に対して軸方向からのイオン量を電気信号として検
出することが可能となる。この実施例は、軸方向からの
イオンを面で変換できるという特徴を持つが、先の実施
例1、2に比べ、変換傾斜面電極14の径がシンチレー
タ6の径より大きくなるために、検出器の径が大きくな
る。
【0027】〈実施例4〉次に、図9および図10を用
いて本発明の第4の実施例を説明する。この例は実施例
1のイオン−電子変換メッシュ電極7の代わりに、表面
形状を円錐形とし、その中心に走査荷電粒子ビーム2を
通す絶縁管16、シールド管17が装着された円錐形イ
オン−電子変換電極15としたものである。図9は円錐
形イオン−電子変換電極を用いたイオン検出器の要部断
面図を、図10はイオン−電子変換の原理説明図をそれ
ぞれ示す。
【0028】図9において、メッシュ電極9の前方に存
在する荷電粒子ビーム2により発生した二次イオン4
は、図10の各部の電位関係から、メッシュ電極9に向
かって加速され、これを通過する。さらに、通過したイ
オン4はシンチレータ6とメッシュ電極9間の電界を緩
和するためのメッシュ電極8により、アルミ合金製の円
錐形イオン−電子変換電極15に向かって運動し到達す
る。到達したイオンの衝撃により二次電子10が放出さ
れ、放出された電子10は主にシンチレータ6に向かっ
て進み、光電子増倍管5で検出される。従って、光電子
増倍管5に対して径方向からのイオン量を電気信号とし
て検出することが可能となる。実施例2と同様にイオン
4の入射方向が、従来の90度イオン−電子変換の検出
器に比較的近い構成であるが、走査ビーム2を円錐形変
換電極15の中心軸に通したSIM像に対する配慮がな
されているので、対称性良く像を得ることが可能とな
る。
【0029】以上、代表的な実施例を挙げて本発明の詳
細を説明したが、これらの実施例は何れも走査荷電粒子
ビーム軸を中心にして一組のイオン検出器を左右対称
に、しかも試料面に対して平行に配設したものである
が、さらに多数の組を隣接して同一面上に配設すること
も可能であり、対称性良くSIM像を得ることができ
る。また、これらイオン検出器は、試料面に対して必ず
しも平行に配設する必要はなく、所定の角度傾斜させて
もよい。
【0030】
【発明の効果】本発明により、所期の目的を達成するこ
とができた。すなわち、反応性の高いエッチングガス等
の雰囲気中でもイオンを効率良く電子に変換し、対称性
の良い被観察試料面の走査二次荷電粒子信号を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となるイオン−電子変換メッ
シュ電極を用いた二次イオン検出器の断面図。
【図2】同じくイオン−電子変換メッシュ電極を用いた
イオン検出器の要部断面図。
【図3】同じくイオン−電子変換メッシュ電極を用いた
イオン検出器の原理説明図。
【図4】同じく測定結果の一例を示すイオン−電子変換
率の特性曲線図。
【図5】同じく他の実施例となるイオン−電子変換対向
面電極を用いたイオン検出器の要部断面図。
【図6】同じくイオン−電子変換対向面電極を用いたイ
オン検出器の原理説明図。
【図7】同じくさらに異なる実施例となるイオン−電子
変換傾斜面電極を用いたイオン検出器の要部断面図。
【図8】同じくイオン−電子変換傾斜面電極を用いたイ
オン検出器の原理説明図。
【図9】同じくさらに異なる実施例となる円錐形イオン
−電子変換電極を用いたイオン検出器の要部断面図。
【図10】同じく円錐形イオン−電子変換電極を用いた
イオン検出器の原理説明図。
【符号の説明】
1…イオン検出器、 2…荷電粒
子ビーム、3…被観察試料、
4…二次イオン、5…光電子増倍管、
6…シンチレータ、7…イオン−電子変換メッシ
ュ電極、 8、9…荷電粒子制御メッシュ電極、10…
二次電子、 11、16…絶縁管、1
2、17…シールド管、 13…イオン−
電子変換対向面電極、14…イオン−電子変換傾斜面電
極、 15…円錐形イオン−電子変換電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋瀬 朗 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 伊藤 文和 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】観察試料面を走査する集束荷電粒子ビーム
    と、試料面から放出された二次イオンの発生強度を電気
    信号として捉えるイオン検出器によりSIM像を観察す
    る方法において、前記走査集束荷電粒子ビーム軸に対し
    て対称的に複数のイオン−電子変換型イオン検出器を配
    置すると共に、前記イオン−電子変換型イオン検出器を
    構成する荷電粒子制御メッシュ電極を介して、試料面か
    ら放出された二次イオンを選択的に入射させ、これを加
    速してイオン−電子変換電極に衝突させて二次電子を放
    出させ、これをシンチレータと光電子増倍管とからなる
    二次電子検出器で計測することにより、前記観察像の左
    右の対称性を保ちながら捉えるようにして成るSIM像
    の観察方法。
  2. 【請求項2】光電子を増幅する光電子増倍管と、電子を
    光に変換するシンチレータと、イオンを電子に変換する
    イオン−電子変換電極と、荷電粒子の運動を制御する電
    極とを有するイオン検出器において、前記イオン−電子
    変換電極をメッシュ電極で構成すると共に、これを前記
    光電子増倍管の検出面と平行に、しかも前記検出面と前
    記荷電粒子の運動を制御する電極との間に配設して成る
    イオン検出器。
  3. 【請求項3】上記イオン−電子変換メッシュ電極の前方
    に荷電粒子の運動を制御する電極として前記イオン−電
    子変換メッシュ電極より低電位に設定されたメッシュ電
    極からなるイオン加速手段を配設して成る請求項2記載
    のイオン検出器。
  4. 【請求項4】光電子を増幅する光電子増倍管と、電子を
    光に変換するシンチレータと、イオンを電子に変換する
    イオン−電子変換電極と、荷電粒子の運動を制御する電
    極とを有するイオン検出器において、前記イオン−電子
    変換電極を、前記光電子増倍管の検出面に対向して平行
    に配設された平板状の変換対向面電極で構成し、前記荷
    電粒子の運動を制御する電極をメッシュ電極構造とし、
    前記光電子増倍管の軸に対して直交する方向のイオンの
    入射部に配設して成るイオン検出器。
  5. 【請求項5】上記平板状の変換対向面電極を、上記光電
    子増倍管の検出面の中心から偏心して上記メッシュ電極
    から最も離れた位置に配設して成る請求項4記載のイオ
    ン検出器。
  6. 【請求項6】上記シンチレータと変換対向面電極間に接
    地電位に対してバイアス電圧を印加したフロート電源に
    より一定加速電圧を供給しながら、入射イオンの運動を
    制御する手段を配設して成る請求項4もしくは5記載の
    イオン検出器。
  7. 【請求項7】光電子を増幅する光電子増倍管と、電子を
    光に変換するシンチレータと、イオンを電子に変換する
    イオン−電子変換電極と、荷電粒子の運動を制御する電
    極とを有するイオン検出器において、前記イオン−電子
    変換電極を、ロート状の傾斜面電極で構成すると共に、
    その大なる開口部をイオンの入射方向に向け前記シンチ
    レータと荷電粒子の運動を制御する電極との間に配設し
    て成るイオン検出器。
  8. 【請求項8】上記ロート状の傾斜面電極の前方のイオン
    入射方向に荷電粒子の運動を制御する電極として前記傾
    斜面電極より低電位に設定された荷電粒子制御メッシュ
    電極からなるイオン加速手段を配設して成る請求項7記
    載のイオン検出器。
  9. 【請求項9】上記イオン加速手段を電極電位の異なる二
    枚の荷電粒子制御メッシュ電極で構成して成る請求項7
    もしくは8記載のイオン検出器。
  10. 【請求項10】上記シンチレータと傾斜面電極および荷
    電粒子制御メッシュ電極間に接地電位に対してバイアス
    電圧を印加したフロート電源により一定加速電圧を供給
    しながら、入射イオンの運動を制御する手段を配設して
    成る請求項7乃至9何れか記載のイオン検出器。
  11. 【請求項11】光電子を増幅する光電子増倍管と、電子
    を光に変換するシンチレータと、イオンを電子に変換す
    るイオン−電子変換電極と、荷電粒子の運動を制御する
    電極とを有するイオン検出器において、前記イオン−電
    子変換電極を、中心軸に走査荷電粒子ビームの通過孔を
    有する円錐形電極で構成し、前記荷電粒子の運動を制御
    する電極を、前記光電子増倍管の軸に対して直交する方
    向のイオンの入射部に配設して成るイオン検出器。
  12. 【請求項12】上記シンチレータと円錐形電極間に接地
    電位に対してバイアス電圧を印加したフロート電源によ
    り一定加速電圧を供給しながら、入射イオンの運動を制
    御する手段を配設して成る請求項11記載のイオン検出
    器。
  13. 【請求項13】上記請求項2乃至12何れか記載のイオ
    ン検出器を、試料基板上の走査荷電粒子ビーム軸に対称
    に複数組配設して成るイオン検出器。
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