JPH0616816U - フランジ用角度測定器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配管継手用フランジの２つのボルト孔を結ぶ
直線と水平線の傾斜角を簡単な作業で容易に且つ高精度
に測定できるようにする。 【構成】 目盛板の基準中心位置に鉛直方向を指示して
回転する指針をもつ角度計と、この角度計の下部に設け
た２本の腕と、これらの腕の先端部に前記角度計の正面
或いは裏面側に向けて突設したフランジのボルト孔に差
込むテーパピンと、前記腕とテーパピンを、テーパピン
間に垂直で前記目盛板の基準中心位置を通る中心線に対
して対称に開閉させる機構を備えた構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、配管継手用フランジの２つのボルト孔を結ぶ直線と水平線の傾斜角 を測定するフランジ用角度測定器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、配管継手用のフランジの２つのボルト孔を結ぶ直線と水平線の傾斜角を 測定する手段として、一般に図３に示すように、角度定規１と、通常の気泡管水 平具２を備えた水準器３を用い、配管継手用のフランジ４の測定しようとする２ つのボルト孔５ａ、５ｂの端に、前記角度定規１の直線状定規６を合わせて保持 し、回転する分度器７の直線部を前記水準器３に乗せて水平状態まで回転させ、 この状態で、前記直線状定規６が指す分度器７の角度目盛を読み取ることにより 、傾斜角を測定している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の測定手段によれば、一人で測定することが困難であ り、作業性が悪く、また測定が不正確になり易いといった問題を有している。

【０００４】 本考案は上記点に鑑み、一人の作業者でもって簡単な作業で容易に且つ高精度 に測定できるようにすることを目的としたフランジ用角度測定器を提供するもの である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、目盛板の基準中心位置に鉛直方向を指示 して回転する指針をもつ角度計と、この角度計の下部に設けた２本の腕と、これ らの腕の先端部に前記角度計の正面或いは裏面側に向けて突設したフランジのボ ルト孔に差込むテーパピンと、前記腕とテーパピンを、テーパピン間に垂直で前 記目盛板の基準中心位置を通る中心線に対して対称に開閉させる機構を備えた構 成を採用した。

【０００６】

【作用】

角度計の下部に設けた２本の腕を開いて、それぞれの腕に突設したテーパピン をフランジの測定しようとする２つのボルト孔に挿入すると、テーパピン間に垂 直で目盛板の基準中心位置を通る中心線がフランジの中心を通る。一方、前記角 度計にあっては、指針が鉛直方向を指すので、前記中心線と指針とのなす角がフ ランジの２つのボルト孔を結ぶ直線と水平線の傾斜角となる。そこで、前記目盛 板上、中心線を０として基準中心位置を中心として角度を目盛っておくことによ り、前記指針の指す目盛を読み取ることによって、前記傾斜角が測定できる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図１、図２は本考案の一実施例を示すもので、同図において、８は円形の目盛 板９の基準中心位置に常に鉛直方向を指示して回転する指針１０を備えた角度計 である。前記指針１０が常に鉛直方向を指示して回転する機構として、目盛板９ の基準中心位置に回転自在に設けられ指針１０を取付ける回転軸１１に錘１２を 懸垂固定した構成を用いている。回転軸１１に固定される指針１０と錘１２は同 一方向に向けて固定されている。従って角度計８が傾斜すると錘１２はその重さ により回転して常に鉛直方向に垂下した状態を保持するので、この錘１２と同一 方向に向けて回転軸１１に取付けられた指針１０も、前記錘１２に従って常に鉛 直方向を指示して回転する。

【０００８】 １３は前記目盛板９に付した目盛である。この目盛１３は角度計８の下部に設 けた後述するところの２本の腕とテーパピンの間に垂直で目盛板９の基準中心位 置を通る中心線１４の線上に０目盛を付し、前記基準中心位置を中心として、０ 目盛から円周方向に角度目盛を付している。 １５、１６は角度計８の下部に設けられた同じ長さの２本の腕であり、その先 端部には腕１５、１６の根元部から同距離の位置に、前記角度計８の裏面側に向 けて同一形状のテーパピン１７、１８が突設してある。

【０００９】 １９、２０は前記角度計８の下部に位置して、前記中心線１４を挟んで対称位置 に水平方向（中心線１４に直交する方向）に並び且つ目盛板９の表裏方向（板面 に直交する方向）を向くように且つ回転自在に配設された２本の回転軸であり、 この２本の回転軸１９、２０に前記２本の腕１５、１６の根元部が固定されてお り、２本の腕１５、１６は回転軸１９、２０を支点として前記中心線１４に対し て目盛板９の面方向に対称に開閉するように構成されている。

【００１０】 しかして、前記テーパーピン１７、１８を結ぶ線は前記回転軸１９、２０と常 に平行となる。前記２本の腕１５、１６を中心線１４に対して対称に開閉させる 構成として、前記回転軸１９、２０に同一の歯車２１、２２を設け、腕１５、１ ６を中心線１４に対して対称位置に位置させた状態で、前記歯車２１、２２を噛 合させた構成を用いている。

【００１１】 本考案は以上の構成からなり、次にその使用について説明する。 フランジ２３の測定しようとする２つのボルト孔２４、２５の間隔にあわせて 腕１５、１６を開き、腕１５、１６に突設したテーパピン１７、１８を前記ボル ト孔２４、２５にできるだけ深く挿入し、テーパピン１７、１８とボルト孔２４ 、２５の周縁を完全に接触させる。 水平線２６とテーパピン１７、１８を結ぶ直線２７のなす角度がテーパピン１ ７、１８の中心線１４と目盛板９の指針１０が示す鉛直線２８のなす角度と等し いので、測定しようとする水平線２６とボルト孔２４、２５を結ぶ直線２９との なす角度は指針１０の示す目盛１３を読み取ることにより測定される。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、テーパピンをフランジのボルト孔に挿入するだ けで、水平線に対する傾斜角や水平状態並びに垂直状態を読み取ることができ、 しかもその使用が簡単であり、誰もが容易に且つ高精度の測定を行うことができ る。 更には、２本の腕が開閉し、そしてテーパピンであることにより、フランジの 大きさやボルト孔の径が変化してもその変化に対応でき、広範囲の測定が可能で ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す一部切欠正面図。

【図２】図１の拡大縦断側面図。

【図３】従来の測定手段を示す説明図。

【符号の説明】

８ 角度計 ９ 目盛板 １０ 指針 １１ 回転軸 １２ 錘 １４ 中心線 １５、１６ 腕 １７、１８ テーパピン １９、２０ 回転軸 ２１、２２ 歯車 ２３ フランジ ２４、２５ ボルト孔

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 目盛板の基準中心位置に鉛直方向を指示
   して回転する指針をもつ角度計と、この角度計の下部に
   設けた２本の腕と、これらの腕の先端部に前記角度計の
   正面或いは裏面側に向けて突設したフランジのボルト孔
   に差込むテーパピンと、前記腕とテーパピンを、テーパ
   ピン間に垂直で前記目盛板の基準中心位置を通る中心線
   に対して対称に開閉させる機構を備えたフランジ用角度
   測定器。
2. 【請求項２】 指針が鉛直方向を指示して回転する機構
   として、目盛板の基準中心位置に回転自在に設けられた
   指針取付用の回転軸に錘を懸垂固定した機構を用いた請
   求項１記載のフランジ用角度測定器。
3. 【請求項３】 ２本の腕とテーパピンを開閉させる機構
   として、各腕の根元部に同一の歯車をそれぞれ設け、こ
   の歯車を互いに噛合させた機構を用いた請求項１記載の
   フランジ用角度測定器。