JPH0616812B2 - 二酸化硫黄を除去する方法 - Google Patents

二酸化硫黄を除去する方法

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JPH0616812B2
JPH0616812B2 JP62045382A JP4538287A JPH0616812B2 JP H0616812 B2 JPH0616812 B2 JP H0616812B2 JP 62045382 A JP62045382 A JP 62045382A JP 4538287 A JP4538287 A JP 4538287A JP H0616812 B2 JPH0616812 B2 JP H0616812B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、二酸化硫黄を液体に吸収させる、又は液体
と反応させる気液接触法の改良に関する。それは特に、
亜硫酸塩水溶液により排ガスから、詳しく述べるならば
火力発電所と煙道ガスから、二酸化硫黄を除去するため
のウェルマン−ロード法(Wellman-Lord process)の吸収
器に適用されるものであるが、それはまた、溶解炉、硫
酸工場からの排気流、あるいは他のどのような二酸化硫
黄含有ガス流に対しても適用可能である。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
水性液とガスとを接触させる装置を必要とする方法の実
例として、煙突ガスから二酸化硫黄を除去するウェルマ
ン−ロード法は、アルカリの亜硫酸塩の水溶液(通常は
亜硫酸ナトリウム)を使用し、それは吸収塔において亜
硫酸水素ナトリウムを形成することによって二酸化硫黄
と化学的に結合する。この方法には、亜硫酸水素塩をも
との亜硫酸塩に戻し、そして二酸化硫黄ガスを回収する
独立した再生設備が含まれ、回収された二酸化硫黄ガス
は、圧縮してボンベ詰めされるか、又は硫酸もしくは元
素の硫黄に転化される。石炭だきの工場からの煙道ガス
の場合、フライアッシュ及び塩化物を除去するための独
立した装置が含まれる。
再生可能なウェルマン−ロード法においては、資本経費
が大きく、吸収器での圧力損失を克服するのに必要とす
るエネルギーが大きいため、再生不可能な煙道ガス脱硫
法が、主としてそのような方法により製造される固形廃
棄物の処理に関する問題があるにもかかわらず、従来は
より一般的に選択されていた。
本発明は、吸収装置の運転を改善するものである。詳し
く述べるならば本発明は、ウェルマン−ロード法におけ
る吸収操作であって、それによって、再生可能な処理法
が一層経済的になるように資本経費と所要寄生動力(pa
rasitic power requirements)とを減少させ、かくして
再生不可能な処理法の固形廃棄物の問題が回避される吸
収操作に関する。
〔問題点を解決するための手段、作用効果、及び実施例〕
本発明は、きわめて小さな液流量で液を分配すること及
び効率のよいランダムな不規則充填を使用することによ
って、圧力損失の小さい単一の比較的短い充填塔で、再
生前の使用済み吸収剤(absorbate)溶液を際循環させ
る必要がない吸収工程を達成することができる。
ガス流から二酸化硫黄を除去するための本発明の方法
は、充填塔の下部に二酸化硫黄を含有するガス流を供給
し、この塔の上部に亜硫酸塩の水溶液を供給して、二酸
化硫黄含有量の減少したガスを当該塔の上部より、そし
て亜硫酸水素塩溶液を当該塔の下部より取出すことによ
り二酸化硫黄を除去する方法であって、上記亜硫酸塩水
溶液の充填塔への供給流量が0.05〜1.0ガロン/min・ft
2(0.12〜2.45m3/h・m2)であり、そしてこの亜硫酸
塩水溶液が液滴の結合と分離とを増進させるよう設計さ
れた充填物を使用する充填床へスプレー型又はトラフ型
の分配器により分配されることを特徴とする方法であ
る。
第1図に吸収塔10の概要図を示す。第1図は、液分配
器11、任意と充填物押え12、充填物サポート13、
及び慣用的なガス分配器14の位置を示している。この
ガス分配器14は、必要ならば液を集める働きをする。
第1図には、液及びガスの出入口が示されている。
塔の上部に供給される液体の流量は、0.05〜1.0
ガロン/min・ft2(0.12〜2.45m3/h・
m2)、あるいは一層好ましくは0.2〜0.3ガロン/
min・ft2(0.49〜0.73m3/h・m2)である。
新しい吸収剤溶液のみを、再循環させずに使用する。こ
のような小さな液流量を使用することについては、塔充
填物の作用が小さな液流量に適合するように充填物を選
択する。一つの適当な型式は、充填物の作用がその大き
な濡れ面積に液体を広げるよりは、むしろ主として液滴
を結合しそして分離する型式である。この型式の適当な
充填物は、シア(Hsia)に対する米国特許第451151
9号明細書に示された空間容積の大きい充填物であり、
上記明細書の開示は参照によりここに組み入れられる。
この充填物は多数の滴下点(drip points)を有し、その
充填物の表面積は比較的小さいが、不ぞろいの相互作用
端(non-aligned interacting edges)の全長は比較的長
い。
本発明では液流量が小さく、液の滞留時間が段塔あるい
はトラップトレー付きの複数の充填塔を用いる従来方式
の二分の一から十分の一であるため、ウェルマン−ロー
ド法においては、亜硫酸塩が硫酸塩に酸化される問題が
50%から90%ほどの量まで減少する。これは、硫酸
塩が液の吸収効率を低下させ、従ってそれを再生処理工
程で除去しなくてはならず、その処理法に対する投資支
出及び経常支出を増加させるものであるので重大であ
る。その上、これらの硫酸塩は、環境上安全なやり方で
処理しなければならない固形廃棄物である。
小流量の利点を利用するために充填物上に液体を分配す
るため、1平方フィート(0.093m2)当り少なくと
も3、好ましくは少なくとも6〜9の、均等に間隔を保
たせた供給点を備えてなる滴下式分配器を使用すること
ができる。本来は無極性液体を予定していた、この目的
に適合することができる適当な液分配器が、ムーア(Moo
re)に対する米国特許第4264538号明細書に示さ
れており、この明細書の開示は参照によりここに組み入
れられる。この特許明細書に開示された型式の分配器は
有機液体のために計画されたものではあるが、下記にお
いて後述するように、親水性のコーティングを使用する
ことによって本発明のために使用するのに適合されるこ
とができる。他の型式の液分配器を使用してもよい。直
径の大きい塔では、小さな液流量について都合よく設計
されたスプレー式分配器が、費用が一層少なくてすむの
で好ましかろう。所要と小さな液流量を配給するのに適
したそのほかのどのような種類の分配器も使用すること
ができよう。分配器の効率が低い場合には、充填層の長
さをふやさなければならない。従って、低効率の分配方
法を使用してもよいが、それにはより高い充填層につき
もののより大きな出費と圧力損失とのために受ける不利
が伴う。
金属(ステンレス鋼)製のトラフ式又は滴下式分配器を
使用する場合、分配器の表面、液体を運ぶ供給トラフの
外側は、液体が重力によりこのような表面上を流れるに
つれてそれらの上に液体の薄膜を形成させる親水性の微
孔質コーティングで被覆すべきである。また、被覆され
た滴下フィンガーは全て伸ばして、充填物(又は、充填
物押えを用いるならば充填物押え)の表面に近接又は接
触させるべきである。間隔は、向流方向に流れるガスに
よって液体が同伴されるのを避けるため、供給される液
体小滴の直径よりも実質的に大きくすべきではない。こ
のような配置は効率を最大にし、また、吸収器出口とデ
ミスターの必要をなくすことができる。
好ましい液分配器と部分破断分解図を第2図に示す。こ
の液分配器は供給トラフ20、スペーシング部材21、
及びフローガイド22を有し、このフローガイドには、
24の所で端が充填物(模式的に示されている)に近接
した滴下フィンガーが付属している。滴下フィンガー2
3は、棒状でもよい。第2図に示した好ましい液分配器
の部分を組立てた模式組立図を第3図に示す。第4図
は、第2図の配列と同じ配列の分解模式側面図である
が、スペーサー部材21はスペーサー25と取替えられ
ている。第5図は、スペーシング部材21の一部の拡大
横断面を示す。
次に述べる実施例においては、米国特許第451151
9号明細書の第7図〜第10図に示された、直径31/2
インチ(89mm)及び軸方向高さ11/4インチ(32m
m)の充填物を使用した。充填高さは7.5フィート
(2.3m)であった。米国特許第3937769号明
細書に記載されたような、1平方フィート(0.093
m2)当り9個の滴下フィンガーを有する液分配器を使用
した。この分配器の運転に使用される表面は、ニュージ
ャージー州ホワイトハウスのハイドロマーインコーポレ
イティド(Hydromer,Inc.)により市販されている、米国
特許第4467070号明細書に記載された樹脂ラテッ
クスの耐ドラッグ性の(drag resistant)親水性コーティ
ングで被覆した。この分配器には、第2図,第3図,及
び第5図に21で示したへこみ(dimple)付きの孔あき板
も含まれた。へこみは、交互に反対方向に向いていた。
第5図のへこみ50は、この場合、液の分配を助けるよ
うに8mil(0.2mm)の薄鋼板に3/16インチ(4.8m
m)離して設けた。塔の直径は30インチ(762mm)
であった。液組成は、次のとおりであった。
重量% Na2SO3 17.4 Na2S2O5 2.9 Na2SO4 6.0 H2O 73.7 試験結果を第1表に示す。
第2表は、各試験についての圧力損失及び計算物質移動
係数を示す。最大の物質移動係数は、その試験でのガス
流量が塔をローディング域で運転しているような流量で
ある試験について得られた。すなわち、ガス流量は、塔
内の液ホールドアップを増加させ、その結果圧力損失を
増加させ、且つ、液により占められる空間がふえるため
気液接触を増加させるのに十分大きな流量である。
単一の充填層を使用することは、ウェルマン−ロード法
の工場のために現在用いられているものと比較して設計
実務上吸収器の資本投資を大幅に低下させる。単一充填
層はまた、主として吸収器を通してガスを供給するのに
必要な送風機の動力の面において運転費を大いに低下さ
せるが、現在必要とされている液再循環ポンプをなくす
ことによっても運転費を低下させる。充填層には、これ
らの省エネルギーを達成するため、好ましくは最小長さ
の充填層でもって必要な物質移動接触効率を達成するこ
とができ、また充填層の圧力損失が、上記省エネルギー
を可能とするのに十分小さいものになる、効率の高い充
填物を使用する。
この発明と最適な装置ほどではない装置を使用すること
によって、一部の資本経費とエネルギーとを節約する利
益を獲得することができる。すなわち、従来の吸収処理
法のポンプアラウンド部の全てを単一充填層に取替るの
ではなく、むしろポンプアラウンド部のいくつかを合同
させて2つ又は3つの部分にすることが可能である。こ
れらの部分は、今までどおり液循環を使用して液流量の
大きい運転を達成するが、それにもかかわらずこれらの
部分の圧力損失をいくらか減少させることができる。省
エネルギーは、ここではトラップトレーのいくつかをな
くすことから得られる。トラップトレーの消失はまた、
かなりの資本経費を節約する。トラップトレーは、ステ
ンレス鋼で製作されるため非常に費用がかかる。
もう1つの部分的に簡易化した構成が可能である。この
構成では2つの充填層を使用する。上の充填層は、一過
再生(once through regenerated)吸収溶液を小さい液
流量で使用する充填部である。従って再生溶液中のSO2
蒸気圧が低いため、考えられるSO2含有量の一番少ない
排ガスを生じさせる。下の充填層では、液をより分布し
やすくするため液流量をより大きくするために再循環が
行なわれ、またこの下部充填層は、乾いた領域によって
引き起こされる、塩が沈殿するという潜在的な問題をな
くすのに役立つ。
ポンプアラウンドがなく、小流量を使用する単一充填層
は、SO2源よりのガス流から直接SO2を吸収するのに使用
し、又は最後の工程として、石炭だき発電所にとって必
須のフライアッシュ除去及び塩化物除去を含むどのよう
な中間の汚染管制装置よりのガス流からでもSO2を吸収
するのに使用することができよう。
標準的な運転においては、亜硫酸塩濃度と液及びガスの
供給量とに基づいて化学量論上典型的には10〜20%
過剰の吸収剤の亜硫酸塩溶液を塔に供給する。しかしな
がらいくつかの場合には、ガスからSO2の全てを除去す
るよりも、再生を効果的にするために吸収剤液を完全に
反応させることが一層望ましいことかもしれない。その
ような場合、液の供給は、理論量に基づけば多少不足し
よう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法で使用する吸収塔の概要図、第2
図は本発明の好ましい液分配器の部分破断分解図、第3
図は第2図の液分配器の部品を組立てた模式組立図、第
4図は第2図のスペーシング部材をスペーサーと取替え
た液分配器の分解模式側面図、第5図はスペーシング部
材の部分拡大横断面図である。 図中、10は吸収塔、11は液分配器、20は供給トラ
フ、21はスペーシング部材、22はフローガイド、2
3は滴下フィンガー、25はスペーサー。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】充填塔の下部に二酸化硫黄を含有するガス
    流を供給し、この塔の上部に亜硫酸塩の水溶液を供給し
    て、二酸化硫黄含有量の減少したガスを当該塔の上部よ
    り、そして亜硫酸水素塩溶液を当該塔の下部より取出し
    て、ガス流より二酸化硫黄を除去する方法であって、上
    記亜硫酸塩水溶液の充填塔への供給流量が0.05〜1.0ガ
    ロン/min・ft2(0.12〜2.45m3/h・m2)であり、そし
    てこの亜硫酸塩水溶液が液滴の結合と分離とを増進させ
    るよう設計された充填物を使用する充填床へスプレー型
    又はトラフ型の分配器により分配されることを特徴とす
    る二酸化硫黄除去方法。
  2. 【請求項2】単位時間当りの流入液の亜硫酸塩の全含有
    量が、少なくとも単位時間当りの流入ガスの二酸化硫黄
    含有量と等しい、特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】前記亜硫酸塩がアルカリの亜硫酸塩であ
    る、特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】前記亜硫酸塩の水溶液をスプレー式分配器
    によって分配する、特許請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】前記亜硫酸塩の水溶液をトラフ式分配器に
    よって分配する、特許請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】前記分配器が、そこから液が充填物へと流
    れる親水性の表面を有する、特許請求の範囲第5項記載
    の方法。
  7. 【請求項7】液の流量が0.2〜0.3ガロン/min・ft2(0.
    49〜0.73m3/h・m2)である、特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  8. 【請求項8】前記亜硫酸塩の水溶液をこの液体によって
    表面が全体的に濡らされるような親水性表面を有する滴
    下フィンガーから充填塔の上部に分配する、特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  9. 【請求項9】前記滴下フィンガーが有機物の親水性コー
    ティングを有するステンレス鋼で作られている、特許請
    求の範囲第8項記載の方法。
JP62045382A 1986-03-03 1987-03-02 二酸化硫黄を除去する方法 Expired - Lifetime JPH0616812B2 (ja)

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