JPH06167287A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機

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JPH06167287A
JPH06167287A JP4321051A JP32105192A JPH06167287A JP H06167287 A JPH06167287 A JP H06167287A JP 4321051 A JP4321051 A JP 4321051A JP 32105192 A JP32105192 A JP 32105192A JP H06167287 A JPH06167287 A JP H06167287A
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JP
Japan
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cylinder
roller
oil
crankshaft
rotary compressor
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Application number
JP4321051A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Yazawa
秀樹 矢沢
Kazuhisa Ichimoto
和久 市本
Akihiko Ishiyama
明彦 石山
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸入ガス,吐出ガス間に異常な差圧が発生し
た場合でも、圧縮機構部の摺動部、特にローラ,ベーン
間の油膜厚さを適正に確保しうる信頼性の高いロータリ
圧縮機を提供する。 【構成】 潤滑油20を貯溜したケース16内に、電動
機部と圧縮機構部とを収納し、その圧縮機構部は、シリ
ンダ3と主軸受4および副軸受5とで形成された圧縮室
と、吐出室と、圧縮室と吐出室とを連通する吐出孔に設
けられた吐出弁と、圧縮室内に主軸受4および副軸受5
に軸支されたクランク軸2によって偏心回転するローラ
7と、シリンダ3に取り付けられローラ7の外周に接し
て圧縮室を高圧側と低圧側に区分するベーン6とを備
え、吐出圧力,吸込圧力の差圧によりケース16内の潤
滑油20を前記シリンダ3内に給油する手段、例えばケ
ース16底部の貯油面下部と吸込パイプ19とを結ぶ連
通パイプ21を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロータリ圧縮機に係
り、例えば、空気調和機,冷蔵庫等の冷凍機器および空
調機器に用いられ、特に、吐出圧力,吸込圧力の圧力差
の異常差圧時における信頼性を確保するのに好適なロー
タリ圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的なロータリ圧縮機について図1,
2を参照して説明する。図1は、一般的なロータリ圧縮
機の縦断面図、図2は、従来のロータリ圧縮機の吸込パ
イプ部の縦断面図である。従来一般のロータリ圧縮機
は、図1に示すように、密閉容器を構成するケース16
内に電動機Mと、この電動機Mにクランクシャフト2を
介して連結される圧縮機構部Cとが収納され、ケース1
6内の下部には潤滑油20が貯溜されている。電動機M
は、回転子1aおよび固定子1bからなり、回転子1a
にはクランクシャフト2の一端部が連結され他端部が圧
縮機構部Cへ延びている。
【0003】圧縮機構部Cは、シリンダ3と、このシリ
ンダ3内のシリンダアボア(シリンダ内空間)3aの両
端を密閉する主軸受4および副軸受5とを有している。
この主軸受4および副軸受5はクランクシャフト2を支
持している。主軸受4と副軸受5との間に位置するクラ
ンクシャフト2の部分が偏心部2aを構成しており、こ
の偏心部2aにローラ7が隙間嵌めで嵌合されている。
ベーン6は、シリンダ3内のベーン溝6a内に摺動自在
に配置され、その上端縁がローラ7の外周面に摺接して
いる。ローラ7はシリンダボア3aの内周面にほとんど
接触した状態で配置されてシリンダボア3aと協力して
三日月形の空間を形成する。
【0004】ベーン6はこのシリンダ内空間を吸入室と
圧縮室とに仕切り、かつ、ローラ7の偏心回転に追従し
て往復動を行う。すなわち、ローラ7の偏心回転によっ
て吸入室,圧縮室の容積が変化し、この容積変化によ
り、冷媒ガスが吸込パイプ19を通過してシリンダボア
3a内に吸入され圧縮される。なお、この運転の際、ロ
ーラ7は、クランクシャフト2にともなって公転すると
ともに自転も行う。ローラ7自転の駆動力は、ローラ
7,クランクシャフト2間の接触力(摩擦力)により与
えられる。また、ローラ7自転の静止力は、ベーン6の
押し付け力により与えられ、これらの力のバランスによ
り、ローラ7の自転数が決まるものである。
【0005】副軸受5の外周部のリブ9によって内側に
凹所が形成され、この凹所が吐出カバーに係る消音室カ
バー板10により覆われて、消音室11と下部に吐出弁
8を装備した吐出弁室15とを構成している。そして、
締付ボルト17は、前記圧縮機の組立用に用いられてい
る。
【0006】副軸受5には、シリンダボア3aと吐出弁
室15とを連通する吐出孔5aが構成されており、シリ
ンダボア3a内で圧縮された冷媒ガスは吐出孔5aを経
て吐出弁室15内に吐き出され、消音室11を通り、連
通穴18を通って、電動機Mが収納されているケース内
空間16aからケース16外へ図示しない吐出ポ−トを
介して排出される。
【0007】シリンダ3の下部にはベーン6の下端部
(背部)を弾性支持するポンプ室12が設けられてい
る。また、主軸受4の下部には、図1に矢印で示すα方
向に抵抗の少ない流体ダイオード4aを装備している。
このポンプ室12の容積は、ベーン6の往復動によって
変化し、これにともない、ケース16下部に貯溜されて
いる潤滑油20が流体ダイオード4aを通り、ポンプ室
12から押し出される。
【0008】この押し出された油は、消音室カバー板1
0と、この消音室カバー板10に取り付けられた給油路
14を経てクランクシャフト2の偏心部2aに供給さ
れ、クランクシャフト偏心部2aとローラ7内径とで構
成される油溜り部7aに油を滞溜させる。この油溜り部
7aからローラ7と主軸受4,副軸受5のクリアランス
を通じて、シリンダ内空間3aに油を供給している。ま
た、この油が、ローラ7,ベーン6間に油膜をつくり、
ローラ7およびベーン6の摩耗を抑えるように構成され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術における
問題点について説明する。ローラ7,ベーン6間の油膜
は、ローラ7の自転数、ベーンの押し付け力、冷媒の性
質および油量に起因する。図3は、吸入ガス,吐出ガス
の圧力差とローラ自転数およびローラ,ベーン間の油膜
厚さの関係を示す線図である。図中、実線は、従来技術
の圧縮機におけるロ−ラ自転数とローラ,ベーン間油膜
厚さとを示し、また、点線は、シリンダ内に油を供給し
た場合のローラ自転数とローラ,ベーン間油膜厚さとの
関係を示すものである。なお、油膜厚さは、弾性流体潤
滑の式から求めた値である。
【0010】一般に、吐出圧力が増大すると、ベーン6
の押し付け力が増大し、ローラ7の自転数が低下する。
このため、通常の圧縮機の運転時の吸入ガス,吐出ガス
の圧力差(以下単に差圧という)では、油膜の厚さは問
題ない。しかし、周囲温度が高く、凝縮器内の圧力が高
くなることや、サイクルの詰まり等により、圧縮機内の
差圧が大きくなる現象が発生し、図3のbの部分となる
と、従来の圧縮機のローラ7,ベーン6間の油膜厚さ
が、図3に示す必要最小油膜厚さより薄くなり、信頼性
を著しく低下させるという問題があった。
【0011】また、ローラ自転数の低下を減らすため
に、ローラ7とクランクシャフト2の偏心部2aを固定
させる構造が考えられるが、軸受のスラスト部の信頼性
が低下することや、ローラ7,ベーン6間の相対速度が
増加するため、抵抗が増え、通常運転時の圧縮機の入力
を増加させるという問題があった。また今日、地球規模
で環境汚染が問題となり、オゾン層を破壊するフロン系
冷媒R12に対する代替冷媒としてR134aが採用さ
れる気運にある。しかし、このR134aには、塩素が
含まれてないため、冷媒の潤滑性も低下し、ローラ,ベ
ーン間の油膜が切れる障害を生じるが、この場合、圧縮
機の信頼性を著しく低下させるという問題があった。
【0012】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、吸入ガス,吐出ガス間に異常
な差圧が発生した場合でも、圧縮機構部の摺動部、特に
ローラ,ベーン間の油膜厚さを適正に確保しうる信頼性
の高いロータリ圧縮機を提供することを、その目的とす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るロータリ圧縮機の第一の発明の構成
は、潤滑油を貯溜した密閉容器内に、電動機部と該電動
機部にクランク軸で連結された圧縮機構部とを収納し、
その圧縮機構部は、シリンダと該シリンダの両端を閉塞
する主軸受および副軸受とで形成された圧縮室と、前記
副軸受と吐出カバ−とで囲まれた吐出室と、前記圧縮室
と吐出室とを連通する吐出孔に設けられた吐出弁と、前
記圧縮室内に前記主軸受および副軸受に軸支されたクラ
ンク軸によって偏心回転するローラと、前記シリンダに
摺動自在に取り付けられ前記ローラの外周に接して前記
圧縮室を高圧側と低圧側に区分するベーンとを備えてな
るロータリ圧縮機において、吐出圧力,吸込圧力の差圧
により前記密閉容器内の潤滑油を前記シリンダ内に給油
する手段を設けたものである。
【0014】具体的に、シリンダ内に給油する手段は、
密閉容器底部の貯油面下部と吸込パイプとを結ぶ連通パ
イプを設けたものである。また、連通パイプに、ロー
ラ,ベーン間の油膜が切れる差圧になったとき開弁する
弁を具備したものである。さらに、クランク軸の回転角
が0°のときベーン下部のポンプ部とシリンダ内とを連
通する給油溝を、主軸受または副軸受のいずれかに設け
たものである。
【0015】さらに、クランク軸の回転角が45°〜2
70°のとき、ローラ,クランク軸偏心部間に形成され
る油溜り部とシリンダ内との差圧により油をシリンダ内
に供給しうる給油溝を副軸受に設けたものである。さら
に、クランク軸の回転角が90°〜270°のとき、ベ
ーン下部のポンプ部とシリンダ内との差圧により油をシ
リンダ内に供給しうる給油溝をベーン端面に設けたもの
である。さらに、ローラ端面に、該ローラ端面からシリ
ンダ内へ遠心ポンプ作用で油を供給しうる研削跡を形成
したものである。
【0016】上記目的を達成するために、本発明に係る
ロータリ圧縮機の第二の発明の構成は、潤滑油を貯溜し
た密閉容器内に、電動機部と該電動機部にクランク軸で
連結された圧縮機構部とを収納し、その圧縮機構部は、
シリンダと該シリンダの両端を閉塞する主軸受および副
軸受とで形成された圧縮室と、前記副軸受と吐出カバ−
とで囲まれた吐出室と、前記圧縮室と吐出室とを連通す
る吐出孔に設けられた吐出弁と、前記圧縮室内に前記主
軸受および副軸受に軸支されたクランク軸によって偏心
回転するローラと、前記シリンダに摺動自在に取り付け
られ前記ローラの外周に接して前記圧縮室を高圧側と低
圧側に区分するベーンとを備えてなるロータリ圧縮機に
おいて、ローラ,クランク軸間の接触力を高め、ローラ
の自転数を増加する手段を設けたものである。
【0017】具体的に、ローラ,クランク軸間の接触力
を高める手段は、クランク軸の熱膨張係数をローラの熱
膨張係数より大きいものを用いたものである。また、ク
ランク軸の偏心部に溝を設け、この溝に、前記ローラ,
クランク軸の熱膨張係数より高い熱膨張係数の物質を挿
入したものである。
【0018】
【作用】上記第一の発明の各技術的手段によれば、密閉
容器内の潤滑油を前記シリンダ内に強制的に給油するこ
とが可能となり、シリンダ内の油量を増加させると、ロ
−ラの自転数が増加し、摺動部、特にローラ,ベーン間
の油膜が適正に確保される。また、第二の発明の各技術
的手段によれば、ローラ,ベーン間の油膜が切れるよう
な、温度条件、圧力条件の場合に、ローラ,クランク軸
間の接触力を高め、ローラの自転数を増加することが可
能となり、したがって、摺動部、特にローラ,ベーン間
の油膜が適正に確保される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図4ないし図11
を参照して説明する。まず、第一の発明の各実施例を図
4ないし図10を参照して説明する。以下の各実施例が
適用されるロータリ圧縮機は、図1,2に示した一般的
構成のものと同等であるから、ロータリ圧縮機の説明を
省略する。 〔実施例 1〕図4は、本発明の一実施例に係るロータ
リ圧縮機の吸込パイプ部の縦断面図である。図中、図2
と同一符号のものは、従来技術と同等部分であるから、
その説明を省略する。
【0020】図4において、21は、ケース16の底部
の貯油面下部と吸込パイプ19とを結ぶ連通パイプであ
る。本実施例によれば、ケース16内圧力(吐出圧力)
と吸込パイプ19内圧力(吸込圧力)との圧力差によ
り、ケース16内の潤滑油20を連通パイプ21により
吸込パイプ19内に供給する。すなわち、吐出圧力の大
きさに合わせた油の量を、吸込パイプ19を通じシリン
ダ3内に供給することができる。
【0021】〔実施例 2〕図5は、本発明の他の実施
例に係るロータリ圧縮機の吸込パイプ部の縦断面図であ
る。図中、図4と同一符号のものは、先の実施例と同等
部分であるから、その説明を省略する。図5において、
22は、連通パイプ21に具備した差圧弁で、この差圧
弁22は、ローラ7,ベーン6間の油膜が切れる差圧に
なったとき開弁する機能を有している。すなわち、連通
パイプ21に差圧弁22を取付け、図3に示すローラ,
ベーン間の油膜厚さが危険となる差圧bの圧力以上にな
ると差圧弁22が開く構造となっている。これにより問
題となる圧力以上では、ローラ自転数を促進する構造と
なり、ローラ7,ベーン6間の油膜が確保される。
【0022】〔実施例 3〕次に、図6は、図1のA−
A矢視断面をベーンを上にして示した説明図であり、
(a),(b),(c),(d)は、それぞれクランク
軸回転角θが0°,90°,180°,270°の状態
を示している。図中、図1と同一符号のものは同等部分
を示す。図6において、23は、副軸受5に設けた給油
溝で、23aは、ポンプ室12との連通部、23bは、
シリンダボア3a(図1参照)との連通部である。
【0023】本実施例の作用を説明する。通常、図6
(a)に示すクランクシャフト2の回転角θ=0の場合
は、ベーン6がローラ7に押され最下点にきているた
め、ベーン6下部の油を有するポンプ部12とシリンダ
ボア3aを連通し、シリンダ3内に油を供給する。しか
し、図6(b),(c),(d)に示す他の角度では、
給油溝23は、ベーン6に隠れポンプ部12とシリンダ
ボア3aを連通せず、給油しない構造となっている。こ
れにより、シリンダボア3aには、間歇的に給油が行な
われ、油の入り過ぎによる圧縮機の性能低下を抑える構
造となっている。また、この給油溝23の断面積を調整
することにより、シリンダ3内への油量を調整すること
ができる。なお、この給油溝は主軸受側に設けても同様
の効果を得ることができる。
【0024】〔実施例 4〕次に、図7は、図1のA−
A矢視断面をベーンを上にして示した説明図であり、
(a),(b),(c),(d)は、それぞれクランク
軸回転角θが0°,90°,180°,270°の状態
を示している。図中、図1と同一符号のものは同等部分
を示す。図7において、24は、副軸受5の端面に設け
た給油溝である。この給油溝24は、ローラ7,クラン
クシャフト偏心部2aとの間にできる油溜り部7a(図
1参照)とシリンダボア3aを連通する際、油溜り部7
aとシリンダ3内との差圧で油を供給するものである。
【0025】したがって、クランクシャフト2の1回転
中、図7(b)に示すθ=90°のときに油を供給し、
その他の図7(a),(c),(d)に示す角度では、
油を供給しない構造となる。この構造により、ガスの吸
い込み過程終了後に給油するため、圧縮機の容積効率を
低下させることなく、シリンダ3内に油を供給すること
が可能である。
【0026】〔実施例 5〕次に、図8は、本発明のさ
らに他の実施例に係るロータリ圧縮機に用いるベーンの
拡大図で、(a)は正面図、(b)は側面図、図9は、
図1のA−A矢視断面をベーンを上にして示した説明図
であり、(a),(b),(c),(d)は、それぞれ
クランク軸回転角θが0°,90°,180°,270
°の状態を示している。図中、図1と同一符号のものは
同等部分を示す。図8,9において、25は、ベーン6
の端面に設けた給油溝である。この給油溝25は、ベー
ン6下部の油を有するポンプ部12とシリンダボア3a
とを連通する際、ポンプ部12とシリンダ3内との差圧
で油を供給するものである。
【0027】したがって、クランクシャフト2の1回転
中、図9(c)に示すθ=180°(90°<θ<27
0°)のときに油を供給し、その他の図9(a),
(c),(d)に示す角度では、油を供給しない構造と
なる。この構造により、ガスの吸い込み過程終了後に給
油するため、圧縮機の容積効率を低下させることなく、
シリンダ3内に油を供給することが可能である。
【0028】〔実施例 6〕次に、図10は、本発明の
さらに他の実施例に係るロータリ圧縮機に用いるローラ
の拡大正面図である。図10に示すように、ローラ7端
面に図のような研削跡26を形成する。この研削跡26
は遠心ポンプの働きをし、クランクシャフトの偏心部2
aとローラ7の内径とで構成される油溜り部2a(図1
参照)からのシリンダ内3aへの給油を増加させること
ができる。
【0029】〔実施例 7〕図1における、ローラ7と
軸受とのクリアランスからのシリンダ3内への給油を増
加させるためには、クランクシャフト2の偏心部2aと
ローラ7の内径とで構成される油溜り部2aの油圧を大
きくすればよい。この方法として、油供給部のポンプの
容量をあげる方法が考えられる。そこで、図1に示す主
軸受4の下部の流体ダイオード4aにおいて、入口の穴
径と出口の穴径との比を大きくし、ポンプ容量を増大さ
せるようにするとよい。
【0030】上記第一の発明の各実施例によれば、ケー
ス16内の潤滑油20をシリンダ3内に強制的に給油す
ることが可能となり、シリンダ3内の油量を増加させる
と、ロ−ラ7の自転数が増加し、摺動部、特にローラ
7,ベーン6間の油膜が適正に確保される。したがっ
て、ローラ7,ベーン6の摩耗が抑制され信頼性あるロ
ータリ圧縮機を提供することができる。
【0031】〔実施例 8〕次に、ロ−ラの自転数の増
加させる第二の発明の各実施例を説明する。図1におけ
る、ローラ7,ベーン6間の油膜を厚くするには、ロー
ラ7,ベーン6間の相対速度を大きくする必要がある。
しかし、必要油膜を充たしている場合は、それ以上、回
転速度を増加させないほうがよい。そこで、吐出圧力が
増加し、ポンプ部の温度が高くなったときだけ、ローラ
7の自転数を増加させる必要がある。
【0032】そこで、クランクシャフト2の熱膨張係数
をローラ7の熱膨張係数より大きい材質のものを採用す
る。これにより、温度が高くなるほど、クランクシャフ
ト2,ローラ7間のクリアランスは小さくなり、温度が
高いほど、クランクシャフト2のローラ7への接触力は
大きくなる。したがって、摺動部、特にローラ7,ベー
ン6間の油膜が適正に確保される。
【0033】〔実施例 9〕図11は、本発明のさらに
他の実施例に係るロータリ圧縮機のローラ,クランク軸
部の拡大図である。図11に示すように、クランクシャ
フト偏心部2aに溝2bを設け、ローラ7,クランクシ
ャフト2間に、ローラ7,クランクシャフト2より熱膨
張係数の高い物質(例えば、樹脂)をキー部材26とし
て挿入させる。この構造により、〔実施例 8〕と同様
な効果を得ることができる。また、これより、ローラ7
やシャフト2の素材を自由に選択することができる。
【0034】第二の発明の各実施例によれば、ローラ
7,ベーン6間の油膜が切れるような、温度条件、圧力
条件の場合に、ローラ7,クランクシャフト2間の接触
力を高め、ローラ7の自転数を増加することが可能とな
り、したがって、摺動部、特にローラ7,ベーン6間の
油膜が適正に確保される。冷媒として、フロン規制の代
替冷媒であり、潤滑性の乏しいR134aを採用する場
合でも、ローラ7,ベーン6間の油膜が適正に確保さ
れ、信頼性あるロータリ圧縮機を提供することができ
る。
【0035】
【発明の目的】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、吸入ガス,吐出ガス間に異常な差圧が発生した場
合でも、圧縮機構部の摺動部、特にローラ,ベーン間の
油膜厚さを適正に確保しうる信頼性の高いロータリ圧縮
機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なロータリ圧縮機の縦断面図である。
【図2】従来のロータリ圧縮機の吸込パイプ部の縦断面
図である。
【図3】吸入ガス,吐出ガスの圧力差とローラ自転数お
よびローラ,ベーン間の油膜厚さの関係を示す線図であ
る。
【図4】本発明の一実施例に係るロータリ圧縮機の吸込
パイプ部の縦断面図である。
【図5】本発明の他の実施例に係るロータリ圧縮機の吸
込パイプ部の縦断面図である。
【図6】図1のA−A矢視断面をベーンを上にして示し
た説明図である。
【図7】図1のA−A矢視断面をベーンを上にして示し
た他の実施例の説明図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例に係るロータリ圧縮
機に用いるベーンの拡大図である。
【図9】図1のA−A矢視断面をベーンを上にして示し
たさらに他の実施例の説明図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例に係るロータリ圧
縮機に用いるローラの拡大正面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例に係るロータリ圧
縮機のローラ,クランク軸部の拡大図である。
【符号の説明】
M 電動機 C 圧縮機構部 2 クランクシャフト 3 シリンダ 3a シリンダボア 4 主軸受 4a 流体ダイオード 5 副軸受 7 ローラ 7a 油溜り部 8 吐出弁 12 ポンプ室 16 ケース 19 吸込パイプ 20 潤滑油 21 連通パイプ 22 差圧弁 23,24,25 給油溝 26 研削跡 27 キー部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石山 明彦 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所リビング機器事業部冷 熱本部内 (72)発明者 香曽我部 弘勝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油を貯溜した密閉容器内に、電動機
    部と該電動機部にクランク軸で連結された圧縮機構部と
    を収納し、 その圧縮機構部は、シリンダと該シリンダの両端を閉塞
    する主軸受および副軸受とで形成された圧縮室と、前記
    副軸受と吐出カバーとで囲まれた吐出室と、前記圧縮室
    と吐出室とを連通する吐出孔に設けられた吐出弁と、前
    記圧縮室内に前記主軸受および副軸受に軸支されたクラ
    ンク軸によって偏心回転するローラと、前記シリンダに
    摺動自在に取り付けられ前記ローラの外周に接して前記
    圧縮室を高圧側と低圧側に区分するベ−ンとを備えてな
    るロータリ圧縮機において、 吐出圧力,吸込圧力の差圧により前記密閉容器内の潤滑
    油を前記シリンダ内に給油する手段を設けたことを特徴
    とするロータリ圧縮機。
  2. 【請求項2】 シリンダ内に給油する手段として、密閉
    容器底部の貯油面下部と吸込パイプとを結ぶ連通パイプ
    を設けたことを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 連通パイプに、ローラ,ベーン間の油膜
    が切れる差圧になったとき開弁する弁を具備したことを
    特徴とする請求項2記載のロータリ圧縮機。
  4. 【請求項4】 シリンダ内に給油する手段として、クラ
    ンク軸の回転角が0°のときベーン下部のポンプ部とシ
    リンダ内とを連通する給油溝を、主軸受または副軸受の
    いずれかに設けたことを特徴とする請求項1記載のロー
    タリ圧縮機。
  5. 【請求項5】 シリンダ内に給油する手段として、クラ
    ンク軸の回転角が45°〜270°のとき、ローラ,ク
    ランク軸偏心部間に形成される油溜り部とシリンダ内と
    の差圧により油をシリンダ内に供給しうる給油溝を副軸
    受に設けたことを特徴とする請求項1記載のロータリ圧
    縮機。
  6. 【請求項6】 シリンダ内に給油する手段として、クラ
    ンク軸の回転角が90°〜270°のとき、ベーン下部
    のポンプ部とシリンダ内との差圧により油をシリンダ内
    に供給しうる給油溝をベーン端面に設けたことを特徴と
    する請求項1記載のロータリ圧縮機。
  7. 【請求項7】 シリンダ内に給油する手段として、ロー
    ラ端面に、該ローラ端面からシリンダ内へ遠心ポンプ作
    用で油を供給しうる研削跡を形成したことを特徴とする
    請求項1記載のロータリ圧縮機。
  8. 【請求項8】 シリンダ内に給油する手段として、主軸
    受下部に設けた流体ダイオードの入口の穴径と出口の穴
    径との比を大きくしたことを特徴とする請求項1記載の
    ロータリ圧縮機。
  9. 【請求項9】 潤滑油を貯溜した密閉容器内に、電動機
    部と該電動機部にクランク軸で連結された圧縮機構部と
    を収納し、 その圧縮機構部は、シリンダと該シリンダの両端を閉塞
    する主軸受および副軸受とで形成された圧縮室と、前記
    副軸受と吐出カバーとで囲まれた吐出室と、前記圧縮室
    と吐出室とを連通する吐出孔に設けられた吐出弁と、前
    記圧縮室内に前記主軸受および副軸受に軸支されたクラ
    ンク軸によって偏心回転するローラと、前記シリンダに
    摺動自在に取り付けられ前記ローラの外周に接して前記
    圧縮室を高圧側と低圧側に区分するベ−ンとを備えてな
    るロータリ圧縮機において、 ローラ,クランク軸間の接触力を高め、ローラの自転数
    を増加する手段を設けたことを特徴とするロータリ圧縮
    機。
  10. 【請求項10】 ローラ,クランク軸間の接触力を高め
    る手段として、クランク軸の熱膨張係数をローラの熱膨
    張係数より大きいものを用いたことを特徴とする請求項
    9記載のロータリ圧縮機。
  11. 【請求項11】 ローラ,クランク軸間の接触力を高め
    る手段として、クランク軸の偏心部に溝を設け、この溝
    に、前記ローラ,クランク軸の熱膨張係数より高い熱膨
    張係数の物質を挿入したことを特徴とする請求項9記載
    のロータリ圧縮機。
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