JPH06166239A - サーマルプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラインヘッドをプラテン上に押圧保持する押
圧切替機構の操作性の向上や構造の簡略化を実現する。 【構成】 一方の端部２８が移動自在に支持されて他方
の端部２６が位置不動で可動自在に支持された支持シャ
フト２７の中間部２９を押圧部材１９の上面に位置させ
て押圧切替機構を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ラベルプリンタ等に利
用されるサーマルプリンタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在、各種のプリンタ装置が実用化され
ており、例えば、ラベルプリンタ等の機器としては簡易
な構造で静粛に画像印刷が行なえるサーマルプリンタが
利用されている。そして、このようなサーマルプリンタ
は、記録媒体の厚さが異なっても印刷品質を良好に維持
するためにプラテンに対するラインヘッドの押圧力を可
変することが要望されており、このような機構を実現し
たサーマルプリンタとしては、本出願人が特開平1-8055
号公報等に開示した装置がある。

【０００３】そこで、このような構造のサーマルプリン
タの一従来例を図３に基づいて説明する。まず、このサ
ーマルプリンタ１では、一対の支持フレーム２内にプラ
テンローラ３が回転自在に軸支されており、このプラテ
ンローラ３に接離自在に対向する発熱素子（図示せず）
が下面に配列されたラインヘッド４が押圧部材であるブ
ラケット５と共に前記支持フレーム２間に揺動自在に軸
支されている。そして、このサーマルプリンタ１では、
前記支持フレーム２の外方で操作レバー６に回動軸７で
連結された回動自在な押圧切替機構である多角形カム８
が前記ブラケット５に上方から当接しており、このブラ
ケット５は弾性部材であるスプリング（図示せず）を介
して前記ラインヘッド４に連結されている。なお、この
サーマルプリンタ１では、上述した支持フレーム２や操
作レバー６等は本体ハウジング（図示せず）内に格納さ
れており、この本体ハウジングには前記操作レバー６と
対向する位置に開閉カバー（図示せず）が設けられてい
る。

【０００４】このような構成において、このサーマルプ
リンタ１では、多角形カム８で位置決め保持されたブラ
ケット５下のスプリングがラインヘッド４をプラテンロ
ーラ３上に押圧しているので、このプラテンローラ３上
を搬送される感熱紙等の記録媒体（図示せず）にライン
ヘッド４の発熱走査で画像印刷が行なわれる。

【０００５】ここで、このようなサーマルプリンタ１で
は、例えば、記録媒体をラインヘッド４とプラテンロー
ラ３との間にセットする必要があるので、ここでは操作
レバー６を手動操作して多角形カム８を回動させること
で支持フレーム２に対するブラケット５の位置を変位さ
せてラインヘッド４をプラテンローラ３に接離自在とし
ている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述したサーマルプリ
ンタ１では、ラインヘッド４にスプリングを圧接するブ
ラケット５上の多角形カム８を回動させることで、プラ
テンローラ３に対するラインヘッド４の押圧の有無を切
替えるようになっている。

【０００７】しかし、上述のようにスプリングで付勢さ
れたブラケット５を多角形カム８で確実に位置決め保持
することは困難であり、振動等によって多角形カム８が
回動する懸念がある。この場合、ブラケット５が変位し
てプラテンローラ３に対するラインヘッド４の押圧力が
減少して印刷品質が低下したり、ブラケット５と共にラ
インヘッド４がプラテンローラ３から離反して印刷不能
となるようなことがある。

【０００８】さらに、上述のような回動する多角形カム
８ではブラケット５を上下方向に大きく変位させること
が困難であり、ラインヘッド４とプラテンローラ３とを
大きく離反させることができないので記録媒体のセット
作業が煩雑である。このような課題を解決する手段とし
ては、例えば、偏心量が大きい形状に多角形カム８を形
成することや、多角形カム８をブラケット５の揺動中心
の近傍に配置することが考えられるが、これでは多角形
カム８に作用する応力が過大になって装置の耐久性や操
作性が阻害されることになる。

【０００９】また、上述したサーマルプリンタ１では、
回動軸７で直結した操作レバー６と多角形カム８との回
動量は必然的に同一であるため、多角形カム８を有効に
機能させるためには操作レバー６も大きく回動させる必
要があり、その操作性を向上させることが困難である。
しかも、このように多角形カム８に回動軸７で直結した
操作レバー６は、その操作に大きな力を要するので好ま
しくない。このような課題を解決する手段としては、操
作レバー６を延長してテコの原理で操作力を軽減するこ
とや、操作レバー６と多角形カム８との間に減速ギヤ
（図示せず）を設けることなどが考えられるが、これで
はサーマルプリンタ１の小型軽量化が阻害されるので実
用的でない。

【００１０】さらに、上述したサーマルプリンタ１で
は、支持フレーム２で軸支した回動軸７に多角形カム８
と操作レバー６とを固定することでブラケット５を選択
的に位置決めする機構を形成しているが、これでは部品
数が多いためにサーマルプリンタ１の小型軽量化や生産
性向上が困難である。

【００１１】

【課題を解決するための手段】先端部の下面に多数の発
熱素子が主走査方向に連設されたラインヘッドを末端部
で揺動自在に支持し、このラインヘッドの発熱素子が接
離自在に対向する位置にプラテンを配置し、このライン
ヘッドの上面に対向配置した押圧部材を末端部で揺動自
在に支持し、この押圧部材と前記ラインヘッドとを弾発
機構で離反方向に付勢して先端側が拡開した状態に位置
決めし、前記押圧部材を可動自在に位置決め保持して前
記弾発機構による前記ラインヘッドの前記プラテンへの
押圧の有無を切替える押圧切替機構を設けたサーマルプ
リンタにおいて、前記ラインヘッドを前記プラテンに押
圧した状態の前記押圧部材の上面と略平行に移動自在に
一方の端部が支持されて他方の端部が位置不動で可動自
在に支持された支持シャフトを設け、この支持シャフト
の中間部を前記押圧部材の上面に位置させて前記押圧切
替機構を形成した。

【００１２】

【作用】一方の端部が移動自在に支持されて他方の端部
が位置不動で可動自在に支持された支持シャフトが中間
部で押圧部材を可動自在に位置決め保持し、弾発機構に
よるラインヘッドのプラテンへの押圧の有無を切替える
ことで、このプラテン上にラインヘッドを接離自在に押
圧保持することができる。

【００１３】

【実施例】本発明の一実施例を図１及び図２に基づいて
説明する。なお、ここでは従来例として前述したサーマ
ルプリンタ１と同一の部分は同一の名称及び符号を用い
て詳細な説明は省略する。まず、本実施例のサーマルプ
リンタ９では、図２に例示するように、一対の側板１
０，１１を底板１２で連結した形状の支持フレーム１３
の先端側の下方に、軸心方向が主走査方向と平行なプラ
テンローラ３が回転自在に軸支されており、このプラテ
ンローラ３に接離自在に対向する多数の発熱素子（図示
せず）がラインヘッド４の先端部の下面に主走査方向に
連設されている。そして、このラインヘッド４が下面に
ボルト止めされたブラケット１４の末端部の両側には上
下方向に細長い長孔１５が形成されており、これらの長
孔１５に主走査方向で遊嵌した支持軸１６が前記支持フ
レーム１３の側板１０，１１に装着されている。

【００１４】ここで、このサーマルプリンタ９では、前
記ブラケット１４の中央部に一対の支持板１７が立設さ
れており、これらの支持板１７間に支持軸１８で押圧部
材１９の末端部が軸支されている。ここで、この押圧部
材１９は、末端部よりも先端部が上下方向に拡開したク
サビ状に形成されており、その先端部には上下方向に連
通する貫通孔２０が形成されている。そして、この押圧
部材１９の貫通孔２０内には、下端部２１が円盤状に拡
開した押圧軸２２が上下方向にスライド自在に装着され
ており、この押圧軸２２の下端部２１と前記押圧部材１
９との間に弾発機構であるコイルスプリング２３が圧入
されている。

【００１５】ここで、このサーマルプリンタ９では、ラ
インヘッド４をプラテンローラ３に押圧した状態の前記
押圧部材１９の上面と略平行な長孔２４が前記支持フレ
ーム１３の一方の側板１１の上縁部に形成されており、
このような長孔２４の末端部と主走査方向で対向する貫
通孔２５が前記支持フレーム１３の他方の側板１０に形
成されている。そして、この側板１０の貫通孔２５に一
方の端部２６が位置不動で可動自在に装着された支持シ
ャフト２７の他方の端部２８が前記側板１１の長孔２４
内に移動自在に位置することで、前記支持シャフト２７
の中間部２９が前記押圧部材１９の上面に位置してい
る。

【００１６】そこで、前記支持シャフト２７は、図１に
例示するように、移動自在な前記端部２８が前記長孔２
４の末端部に位置した状態では前記中間部２９が前記押
圧部材１９の末端部上に位置し、移動自在な前記端部２
８が前記長孔２４の先端部に位置した状態では前記中間
部２９が前記押圧部材１９の中央部に斜めに位置するよ
うになっている。このようにすることで、水平方向に揺
動する前記支持シャフト２７により前記押圧部材１９が
選択的に位置決め保持されるので、この押圧部材１９は
前記コイルスプリング２３の弾発力を介して前記ライン
ヘッド４を前記プラテンローラ３に選択的に押圧するよ
うになっている。

【００１７】なお、このサーマルプリンタ９では、前記
押圧部材１９の中央部に前記中間部２９が位置した状態
に前記支持シャフト２７を位置決め保持するため、前記
押圧部材１９の上面に斜め方向に凹溝３０が形成される
と共に、前記側板１１の長孔２４の先端部に上方に突出
した凹部３１が形成されている。

【００１８】また、このサーマルプリンタ９では、プラ
テンローラ３にギヤ列３２を介して駆動モータ３３が連
結されており、この駆動モータ３３やラインヘッド４に
は各々専用の駆動回路（図示せず）が接続されている。
そして、このサーマルプリンタ９では、前記側板１１の
長孔２４の先端近傍に前記支持シャフト２７の端部２８
を検知する検知スイッチ３４が装着されており、ここで
は前記検知スイッチ３４が前記支持シャフト２７の端部
２８を検知した状態でのみ各駆動回路が前記駆動モータ
３３やラインヘッド４を駆動するようになっている。

【００１９】さらに、このサーマルプリンタ９では、前
記ブラケット１４の後縁部と前記支持フレーム１３の下
部とにコイルスプリング３５が張架されており、このコ
イルスプリング３５の張力によって前記ラインヘッド４
が前記プラテンローラ３から離反する方向に弾発的に付
勢されている。

【００２０】このような構成において、このサーマルプ
リンタ９では、図１（ｂ）に例示したように、支持フレ
ーム１３の長孔２４の先端部に移動自在な端部２８を配
置した支持シャフト２７で押圧部材１９を位置決め保持
すると、この押圧部材１９下のコイルスプリング２３の
弾発力でラインヘッド４がプラテンローラ３上に押圧保
持されるようになっている。そこで、このような状態で
駆動モータ３３の駆動力で確定するプラテンローラ３で
感熱紙等の記録媒体（図示せず）を搬送し、この搬送に
同期してラインヘッド４の発熱素子を選択的に駆動する
ことで、この発熱走査で記録媒体に画像印刷が行なわれ
る。

【００２１】ここで、このようなサーマルプリンタ９で
は、例えば、記録媒体をラインヘッド４とプラテンロー
ラ３との間にセットする場合は、図１（ａ）に例示した
ように、支持フレーム１３の長孔２４の末端部まで支持
シャフト２７の端部２８を移動させ、この支持シャフト
２７の中間部２９を押圧部材１９の末端部まで移動させ
る。このようにすることで、支持シャフト２７による押
圧部材１９の位置決め保持が解除されるので、この押圧
部材１９からコイルスプリング２３の弾発力でラインヘ
ッド４に作用していた押圧力も解除される。このように
することで、このラインヘッド４はプラテンローラ３に
対して接離自在となるので、このプラテンローラ３とラ
インヘッド４との間に記録媒体を容易にセットすること
ができる。

【００２２】そして、このサーマルプリンタ９では、上
述のように押圧部材１９上に斜めに配置される支持シャ
フト２７がコイルスプリング２３の弾発力に抗して押圧
部材１９を位置決め保持するようになっているので、こ
の位置決め保持が確実で印刷品質を良好に維持すること
ができる。

【００２３】さらに、このサーマルプリンタ９では、支
持シャフト２７が押圧部材１９の末端部に移動した状態
では、この押圧部材１９と共にラインヘッド４を上方に
大きく変位させることができるので、このラインヘッド
４とプラテンローラ３とを大きく離反させて記録媒体を
容易にセットすることができる。

【００２４】また、このサーマルプリンタ９では、位置
不動な端部２６と移動自在な端部２８との中間部２９で
押圧部材１９を位置決めする支持シャフト２７は構造的
にテコとして機能するので、その端部２８を手動操作す
る力が軽減されて操作性が良好である。しかも、このサ
ーマルプリンタ９では、押圧部材１９を選択的に位置決
めする機構を実質的に一個の支持シャフト２７だけで形
成しているので、部品数の削減による小型軽量化が可能
である。

【００２５】なお、本実施例のサーマルプリンタ９で
は、上下方向に大きい長孔１５で揺動自在に軸支された
ブラケット１４にラインヘッド４を一体化しているの
で、このラインヘッド４とプラテンローラ３との密着性
をブラケット１４の支持部が阻害することが防止されて
いる。

【００２６】また、本実施例のサーマルプリンタ９で
は、支持フレーム１３間にブラケット１４でラインヘッ
ド４を軸支し、ブラケット１４上に押圧部材１９を軸支
することを例示したが、本発明は上記実施例に限定され
るものではなく、このようなラインヘッドと押圧部材と
を個々に揺動自在に支持することや、揺動自在に支持し
た押圧部材下にラインヘッドを揺動自在に支持すること
なども実施可能である。

【００２７】なお、本明細書ではラインヘッドがプラテ
ンから離反する方向を上方として表現しているが、これ
は説明上の便宜であり、実際の装置の上下方向を限定す
るものではない。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上述のように、ラインヘッドを
プラテンに押圧した状態の押圧部材の上面と略平行に移
動自在に一方の端部が支持されて他方の端部が位置不動
で可動自在に支持された支持シャフトを設け、この支持
シャフトの中間部を押圧部材の上面に位置させて押圧切
替機構を形成したことにより、ラインヘッドをプラテン
上に確実に位置決め保持して印刷品質の向上に寄与する
ことができ、さらに、押圧部材と共にラインヘッドを上
方に大きく変位させることができるので記録媒体のセッ
トが容易であり、また、テコとして機能する支持シャフ
トの操作性が良好であり、しかも、押圧切替機構を一個
の支持シャフトだけで形成しているので、部品数の削減
による小型軽量化が可能である等の効果を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のサーマルプリンタの一実施例の要部の
外観を示し、（ａ）は支持シャフトが押圧部材を解除し
た状態の斜視図、（ｂ）は支持シャフトが押圧部材を押
圧保持した状態の斜視図である。

【図２】各部の組立構造を示す分解斜視図である。

【図３】サーマルプリンタの一従来例の要部の外観を示
す斜視図である。

【符号の説明】

３ プラテン ４ ラインヘッド ９ サーマルプリンタ １９ 押圧部材 ２３ 弾発機構 ２６，２８ 端部 ２７ 支持シャフト ２９ 中間部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部の下面に多数の発熱素子が主走査
   方向に連設されたラインヘッドを末端部で揺動自在に支
   持し、このラインヘッドの発熱素子が接離自在に対向す
   る位置にプラテンを配置し、このラインヘッドの上面に
   対向配置した押圧部材を末端部で揺動自在に支持し、こ
   の押圧部材と前記ラインヘッドとを弾発機構で離反方向
   に付勢して先端側が拡開した状態に位置決めし、前記押
   圧部材を可動自在に位置決め保持して前記弾発機構によ
   る前記ラインヘッドの前記プラテンへの押圧の有無を切
   替える押圧切替機構を設けたサーマルプリンタにおい
   て、前記ラインヘッドを前記プラテンに押圧した状態の
   前記押圧部材の上面と略平行に移動自在に一方の端部が
   支持されて他方の端部が位置不動で可動自在に支持され
   た支持シャフトを設け、この支持シャフトの中間部を前
   記押圧部材の上面に位置させて前記押圧切替機構を形成
   したことを特徴とするサーマルプリンタ。