JPH061659A - C/cコンポジット製部材の製造方法 - Google Patents
C/cコンポジット製部材の製造方法Info
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- JPH061659A JPH061659A JP4159620A JP15962092A JPH061659A JP H061659 A JPH061659 A JP H061659A JP 4159620 A JP4159620 A JP 4159620A JP 15962092 A JP15962092 A JP 15962092A JP H061659 A JPH061659 A JP H061659A
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- composite
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 部材表層部の開気孔率の制御が可能で、Si
C生成処理に際しての拡散層増大を阻止し、もって部材
の機械的強度劣化を防止することのできるC/Cコンポ
ジット製部材の製造方法を提供する。 【構成】 ピッチ含浸に際し少なくとも2種類のピッチ
を使用し、ピッチ含浸の前期には低分子量ピッチを使用
し、ピッチ含浸の後期には高分子量ピッチを使用する。
C生成処理に際しての拡散層増大を阻止し、もって部材
の機械的強度劣化を防止することのできるC/Cコンポ
ジット製部材の製造方法を提供する。 【構成】 ピッチ含浸に際し少なくとも2種類のピッチ
を使用し、ピッチ含浸の前期には低分子量ピッチを使用
し、ピッチ含浸の後期には高分子量ピッチを使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、炭素繊維強化炭素複
合材料(以下「C/Cコンポジット」と称する)からな
る部材を製造するのに利用される製造方法に係わり、さ
らに詳しくは、部材表層部の開気孔率の制御が可能で、
例えばSiCの生成工程において、部材表面における拡
散反応層の厚さの調整が可能なC/Cコンポジット製部
材の製造方法に関するものである。
合材料(以下「C/Cコンポジット」と称する)からな
る部材を製造するのに利用される製造方法に係わり、さ
らに詳しくは、部材表層部の開気孔率の制御が可能で、
例えばSiCの生成工程において、部材表面における拡
散反応層の厚さの調整が可能なC/Cコンポジット製部
材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維を強化材とし、炭素または黒鉛
をマトリックスとしたC/Cコンポジットは、高温強
度,軽量性,耐熱・耐蝕性に優れ、例えばロケットのノ
ズル,航空機や高速車両のブレーキ材,ガスタービンエ
ンジンのタービンロータなどに好適な材料であり、CV
D法,含浸法あるいは両者を組合わせた方法によって製
造されている。
をマトリックスとしたC/Cコンポジットは、高温強
度,軽量性,耐熱・耐蝕性に優れ、例えばロケットのノ
ズル,航空機や高速車両のブレーキ材,ガスタービンエ
ンジンのタービンロータなどに好適な材料であり、CV
D法,含浸法あるいは両者を組合わせた方法によって製
造されている。
【0003】CVD法は、目的とする形状に成形した炭
素繊維基材に、メタンやプロパンなどの炭化水素を熱分
解することによって生成する炭素を直接蒸着させるもの
である。
素繊維基材に、メタンやプロパンなどの炭化水素を熱分
解することによって生成する炭素を直接蒸着させるもの
である。
【0004】また、含浸法は、上記のような炭素繊維基
材にフェノール樹脂やピッチを含浸させ、成形硬化させ
たのち焼成することによって、あるいは炭素繊維にフェ
ノール樹脂などを含浸させたプリプレグを目的とする形
状を考慮して積層したのちホットプレスすることによっ
てCFRP(炭素繊維強化プラスチック)となし、この
CFRPを焼成することによって、前記樹脂やピッチあ
るいはCFRPのプラスチック部分を炭化し、さらに必
要に応じて黒鉛化焼成するものである。 なお、この含
浸法においては、1回の焼成で得られるC/Cコンポジ
ットは、通常、樹脂やピッチあるいはプラスチックの熱
分解ガスによって多孔質となっており、強度も低いた
め、ピッチ含浸と焼成の工程を繰り返すことによって目
標の密度ないしは強度となるようにしている。
材にフェノール樹脂やピッチを含浸させ、成形硬化させ
たのち焼成することによって、あるいは炭素繊維にフェ
ノール樹脂などを含浸させたプリプレグを目的とする形
状を考慮して積層したのちホットプレスすることによっ
てCFRP(炭素繊維強化プラスチック)となし、この
CFRPを焼成することによって、前記樹脂やピッチあ
るいはCFRPのプラスチック部分を炭化し、さらに必
要に応じて黒鉛化焼成するものである。 なお、この含
浸法においては、1回の焼成で得られるC/Cコンポジ
ットは、通常、樹脂やピッチあるいはプラスチックの熱
分解ガスによって多孔質となっており、強度も低いた
め、ピッチ含浸と焼成の工程を繰り返すことによって目
標の密度ないしは強度となるようにしている。
【0005】そして、この様にして製造した部材には、
必要に応じて、気相あるいは固相においてSiを反応さ
せ、SiCの拡散層を部材表面に生成させることによっ
て当該C/Cコンポジット部材の酸化性雰囲気内でのS
iO2 皮膜の形成により耐久性を向上させることも行わ
れている。
必要に応じて、気相あるいは固相においてSiを反応さ
せ、SiCの拡散層を部材表面に生成させることによっ
て当該C/Cコンポジット部材の酸化性雰囲気内でのS
iO2 皮膜の形成により耐久性を向上させることも行わ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、前述
のような含浸法によってC/Cコンポジット部材を製造
する場合、ピッチ含浸に際しては、ピッチの浸透性を考
慮して、軟化点が低く、粘性の低い、比較的低分子量の
ピッチを用いるようにしていたので、炭素繊維基材や高
密度化過程の多孔質C/Cコンポジット内へのピッチ含
浸が容易である反面、部材表層部の開気孔率が高くなる
関係上、SiCの拡散反応において、拡散層が増大し、
SiC層の生成が部材の内部にまで及ぶ結果、C/Cコ
ンポジット部材自体の機械的強度が低下するという問題
点があり、C/Cコンポジット部材表層部の開気孔率の
制御を可能にすることが含浸法によるC/Cコンポジッ
ト製造における課題となっていた。
のような含浸法によってC/Cコンポジット部材を製造
する場合、ピッチ含浸に際しては、ピッチの浸透性を考
慮して、軟化点が低く、粘性の低い、比較的低分子量の
ピッチを用いるようにしていたので、炭素繊維基材や高
密度化過程の多孔質C/Cコンポジット内へのピッチ含
浸が容易である反面、部材表層部の開気孔率が高くなる
関係上、SiCの拡散反応において、拡散層が増大し、
SiC層の生成が部材の内部にまで及ぶ結果、C/Cコ
ンポジット部材自体の機械的強度が低下するという問題
点があり、C/Cコンポジット部材表層部の開気孔率の
制御を可能にすることが含浸法によるC/Cコンポジッ
ト製造における課題となっていた。
【0007】
【発明の目的】この発明は、上記した従来の課題に着目
してなされたもので、炭素繊維基材や多孔質C/Cコン
ポジット内へのピッチの浸透性がよく、しかも部材表層
部の開気孔率の制御が可能で、SiC生成に際しての拡
散層増大を阻止し、もって部材の機械的強度劣化を防止
することのできるC/Cコンポジット製部材の製造方法
を提供することを目的としている。
してなされたもので、炭素繊維基材や多孔質C/Cコン
ポジット内へのピッチの浸透性がよく、しかも部材表層
部の開気孔率の制御が可能で、SiC生成に際しての拡
散層増大を阻止し、もって部材の機械的強度劣化を防止
することのできるC/Cコンポジット製部材の製造方法
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるC/C
コンポジット製部材の製造方法は、炭素繊維基材、もし
くは炭素繊維強化プラスチックを焼成して得た低密度C
/Cコンポジット基材にピッチ含浸と焼成とを繰り返し
施すことによって高密度化するC/Cコンポジット製部
材の製造方法において、分子量が異なる少なくとも2種
類のピッチを使用し、ピッチ含浸の前期には低分子量ピ
ッチを使用する共に、ピッチ含浸の後期には高分子量ピ
ッチを使用する構成としたことを特徴としており、C/
Cコンポジット製部材の製造方法におけるこのような構
成を前述した従来の課題を解決するための手段としてい
る。
コンポジット製部材の製造方法は、炭素繊維基材、もし
くは炭素繊維強化プラスチックを焼成して得た低密度C
/Cコンポジット基材にピッチ含浸と焼成とを繰り返し
施すことによって高密度化するC/Cコンポジット製部
材の製造方法において、分子量が異なる少なくとも2種
類のピッチを使用し、ピッチ含浸の前期には低分子量ピ
ッチを使用する共に、ピッチ含浸の後期には高分子量ピ
ッチを使用する構成としたことを特徴としており、C/
Cコンポジット製部材の製造方法におけるこのような構
成を前述した従来の課題を解決するための手段としてい
る。
【0009】この発明に係わるC/Cコンポジット製部
材の製造方法の工程を図1に基づいて説明すると、まず
工程1において、炭素繊維を用いて目的とするC/Cコ
ンポジット部材の形状に沿った炭素繊維基材を成形す
る。
材の製造方法の工程を図1に基づいて説明すると、まず
工程1において、炭素繊維を用いて目的とするC/Cコ
ンポジット部材の形状に沿った炭素繊維基材を成形す
る。
【0010】あるいは炭素繊維基材を用いる替わりに、
工程2ないし工程4に示すように、炭素繊維にフェノー
ル樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを目
的とするC/Cコンポジット部材の形状に沿って積層
し、約150℃の温度でプレスキュアすることによって
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)となし、これを
1次焼成することによって多孔質のC/Cコンポジット
とした低密度C/Cコンポジット基材を使用してもよ
い。
工程2ないし工程4に示すように、炭素繊維にフェノー
ル樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを目
的とするC/Cコンポジット部材の形状に沿って積層
し、約150℃の温度でプレスキュアすることによって
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)となし、これを
1次焼成することによって多孔質のC/Cコンポジット
とした低密度C/Cコンポジット基材を使用してもよ
い。
【0011】次に、工程5において、工程1で成形した
炭素繊維基材もしくは、工程2ないし工程4で形成した
低密度C/Cコンポジット基材に、低分子量のピッチを
含浸させると共に、工程6において、炭化焼成および必
要に応じて黒鉛化焼成処理を行う。
炭素繊維基材もしくは、工程2ないし工程4で形成した
低密度C/Cコンポジット基材に、低分子量のピッチを
含浸させると共に、工程6において、炭化焼成および必
要に応じて黒鉛化焼成処理を行う。
【0012】このとき、使用するピッチは、前記基材の
中心部まで十分に浸透してピッチの含浸効果が高められ
るように低粘度で流動性に富むことが必要であり、その
ためには低分子量でなければならない。 この分子量と
しては、目標とする製品部材の密度や繊維含有率などに
よっても替わるが、概ね、200〜600程度の範囲
(MEK(メチル・エチルケトン)可溶分重量平均分子
量:GPC分析結果)であることが望ましい。 また、
このときの炭化焼成は、通常500〜900℃、黒鉛化
焼成については2000〜3000℃の温度範囲で行わ
れる。
中心部まで十分に浸透してピッチの含浸効果が高められ
るように低粘度で流動性に富むことが必要であり、その
ためには低分子量でなければならない。 この分子量と
しては、目標とする製品部材の密度や繊維含有率などに
よっても替わるが、概ね、200〜600程度の範囲
(MEK(メチル・エチルケトン)可溶分重量平均分子
量:GPC分析結果)であることが望ましい。 また、
このときの炭化焼成は、通常500〜900℃、黒鉛化
焼成については2000〜3000℃の温度範囲で行わ
れる。
【0013】低分子量ピッチの焼成によって形成される
炭素、あるいは黒鉛マトリックスは、開気孔率が高く、
次のピッチ含浸を容易にするので、工程5および工程6
を繰り返すことによって、C/Cコンポジットの密度が
徐々に高められる。
炭素、あるいは黒鉛マトリックスは、開気孔率が高く、
次のピッチ含浸を容易にするので、工程5および工程6
を繰り返すことによって、C/Cコンポジットの密度が
徐々に高められる。
【0014】そして、C/Cコンポジットの密度がほぼ
目標の密度(通常1.8g/cm3前後)に達したら、
低分子量ピッチを高分子量ピッチに替え、工程7におい
て高分子量ピッチを含浸させると共に、工程8におい
て、炭化焼成および必要に応じて黒鉛化焼成処理を行う
ことにより目標開気孔率のC/Cコンポジット製部材が
得られる。 なお、この工程7および工程8は、必要に
応じて2回以上繰り返してもよい。
目標の密度(通常1.8g/cm3前後)に達したら、
低分子量ピッチを高分子量ピッチに替え、工程7におい
て高分子量ピッチを含浸させると共に、工程8におい
て、炭化焼成および必要に応じて黒鉛化焼成処理を行う
ことにより目標開気孔率のC/Cコンポジット製部材が
得られる。 なお、この工程7および工程8は、必要に
応じて2回以上繰り返してもよい。
【0015】このとき高分子量ピッチは、粘性が高くC
/Cコンポジットの中心部には浸透しないが、工程5お
よび工程6を繰り返すことによって、C/Cコンポジッ
トの内部の密度はこの段階で十分に高められており、前
記高分子量ピッチはC/Cコンポジット表層部に開口す
る気孔内に入り込み、焼成後の表層部の開気孔率を低く
抑えることになる。 この高分子量ピッチの分子量につ
いては、概ね、600〜1000の範囲であればよい。
/Cコンポジットの中心部には浸透しないが、工程5お
よび工程6を繰り返すことによって、C/Cコンポジッ
トの内部の密度はこの段階で十分に高められており、前
記高分子量ピッチはC/Cコンポジット表層部に開口す
る気孔内に入り込み、焼成後の表層部の開気孔率を低く
抑えることになる。 この高分子量ピッチの分子量につ
いては、概ね、600〜1000の範囲であればよい。
【0016】また、工程8における焼成温度について
は、基本的に工程6と変わらないが、炭化焼成をHIP
処理によって高圧下で行うことにより、残炭率が高くな
り、焼成回数を少なくすることができるので、通常の焼
成処理と適宜併用することが望ましい。
は、基本的に工程6と変わらないが、炭化焼成をHIP
処理によって高圧下で行うことにより、残炭率が高くな
り、焼成回数を少なくすることができるので、通常の焼
成処理と適宜併用することが望ましい。
【0017】なお、上記製造工程においては、ピッチ含
浸の前期と後期とで2種類の分子量のピッチを使い分け
る旨の説明をしたが、この発明に係わるC/Cコンポジ
ット製部材の製造方法において使用するピッチの分子量
は2種類のみに限定される訳ではなく、3種類あるいは
それ以上の分子量のピッチを用意し、ピッチ含浸を繰り
返しながら順次分子量を大きくしていくようにすること
もこの発明の趣旨から逸脱するものではない。
浸の前期と後期とで2種類の分子量のピッチを使い分け
る旨の説明をしたが、この発明に係わるC/Cコンポジ
ット製部材の製造方法において使用するピッチの分子量
は2種類のみに限定される訳ではなく、3種類あるいは
それ以上の分子量のピッチを用意し、ピッチ含浸を繰り
返しながら順次分子量を大きくしていくようにすること
もこの発明の趣旨から逸脱するものではない。
【0018】
【発明の作用】この発明に係わるC/Cコンポジット製
部材の製造方法においては、ピッチ含浸の前期には、浸
透性がよく、しかも焼成によって開気孔率の高いマトリ
ックスとなる低分子量のピッチを使用することにより、
当該ピッチを基材の中心部まで浸透させて、含浸効果を
高めるようにしている。 また、ピッチ含浸の後期にお
いては、浸透性はよくないが焼成によって開気孔率の低
いマトリックスが得られる高分子量のピッチを使用して
おり、この高分子量ピッチがC/Cコンポジット表層部
の開気孔に入り込み、焼成後の表層部の開気孔率を低く
抑える結果、当該C/Cコンポジット部材の密度を高
め、部材表面にSiC生成処理を施した場合において
も、SiC拡散層の増大が防止されるので、当該C/C
コンポジット部材自体の機械的強度が劣化するようなこ
とはない。
部材の製造方法においては、ピッチ含浸の前期には、浸
透性がよく、しかも焼成によって開気孔率の高いマトリ
ックスとなる低分子量のピッチを使用することにより、
当該ピッチを基材の中心部まで浸透させて、含浸効果を
高めるようにしている。 また、ピッチ含浸の後期にお
いては、浸透性はよくないが焼成によって開気孔率の低
いマトリックスが得られる高分子量のピッチを使用して
おり、この高分子量ピッチがC/Cコンポジット表層部
の開気孔に入り込み、焼成後の表層部の開気孔率を低く
抑える結果、当該C/Cコンポジット部材の密度を高
め、部材表面にSiC生成処理を施した場合において
も、SiC拡散層の増大が防止されるので、当該C/C
コンポジット部材自体の機械的強度が劣化するようなこ
とはない。
【0019】
【実施例】炭素繊維シートにフェノール樹脂を含浸させ
たプリプレグをタービンブレードを想定して、25mm
×20mm×2.5mmの大きさに積層し、150℃で
プレスキュアすることによってCFRP状態とし、次い
で800℃における初期炭化処理および2500℃にお
ける初期黒鉛化処理を施すことによって、多孔質のC/
Cコンポジット基材を得た。
たプリプレグをタービンブレードを想定して、25mm
×20mm×2.5mmの大きさに積層し、150℃で
プレスキュアすることによってCFRP状態とし、次い
で800℃における初期炭化処理および2500℃にお
ける初期黒鉛化処理を施すことによって、多孔質のC/
Cコンポジット基材を得た。
【0020】次に、350℃に加熱した分子量約400
の低分子量ピッチを前記基材に含浸させた後、800℃
における炭化焼成および2500℃における黒鉛化焼成
処理を施した。 そして、このピッチ含浸および炭化・
黒鉛化焼成の工程をさらに2サイクル繰り返したのち、
350℃に加熱した分子量約900の高分子量ピッチを
含浸させた。
の低分子量ピッチを前記基材に含浸させた後、800℃
における炭化焼成および2500℃における黒鉛化焼成
処理を施した。 そして、このピッチ含浸および炭化・
黒鉛化焼成の工程をさらに2サイクル繰り返したのち、
350℃に加熱した分子量約900の高分子量ピッチを
含浸させた。
【0021】この後、700℃−1000kgf/cm
2 の高温高圧下でHIP処理により炭化焼成し、さらに
2500℃における黒鉛化焼成処理を施すことによっ
て、密度1.83g/cm3 のC/Cコンポジット試験
片が得られた。
2 の高温高圧下でHIP処理により炭化焼成し、さらに
2500℃における黒鉛化焼成処理を施すことによっ
て、密度1.83g/cm3 のC/Cコンポジット試験
片が得られた。
【0022】次に、このC/Cコンポジット試験片の表
層部の開気孔率を測定すると共に、前記試験片表面にS
iC生成処理を施し,生成されたSiC拡散層の厚さを
測定し、同様のC/Cコンポジット試験片をすべて同一
の低分子量ピッチを用いて製造した場合と比較評価し
た。
層部の開気孔率を測定すると共に、前記試験片表面にS
iC生成処理を施し,生成されたSiC拡散層の厚さを
測定し、同様のC/Cコンポジット試験片をすべて同一
の低分子量ピッチを用いて製造した場合と比較評価し
た。
【0023】その結果は、表1に示すとおりで、すべて
同一の低分子量ピッチを用いた従来方法の場合には、密
度がやや低く、開気孔率が高いためSiC拡散層の増大
傾向が認められるのに対し、2種類の分子量のピッチを
使い分けた本発明方法の場合には、密度が高くて開気孔
が少なく、SiC拡散層が極表層部のみに限定されてい
ることが確認された。
同一の低分子量ピッチを用いた従来方法の場合には、密
度がやや低く、開気孔率が高いためSiC拡散層の増大
傾向が認められるのに対し、2種類の分子量のピッチを
使い分けた本発明方法の場合には、密度が高くて開気孔
が少なく、SiC拡散層が極表層部のみに限定されてい
ることが確認された。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
C/Cコンポジット製部材の製造方法は、ピッチ含浸の
前期には、浸透性のよい低分子量のピッチを使用し、ピ
ッチ含浸の後期においては、焼成によって開気孔率の低
いマトリックスが得られる高分子量のピッチを使用する
ようにしたものであるから、低分子量ピッチが基材の中
心部にまで浸透して含浸効果を高めると共に、高分子量
ピッチがC/Cコンポジット製部材の表層部を開気孔の
少ないものとするので、当該部材の表面にSiC生成処
理を施した場合においても、SiC拡散層の増大せず当
該部材の機械的強度の劣化が防止できるというに優れた
効果がもたらされる。
C/Cコンポジット製部材の製造方法は、ピッチ含浸の
前期には、浸透性のよい低分子量のピッチを使用し、ピ
ッチ含浸の後期においては、焼成によって開気孔率の低
いマトリックスが得られる高分子量のピッチを使用する
ようにしたものであるから、低分子量ピッチが基材の中
心部にまで浸透して含浸効果を高めると共に、高分子量
ピッチがC/Cコンポジット製部材の表層部を開気孔の
少ないものとするので、当該部材の表面にSiC生成処
理を施した場合においても、SiC拡散層の増大せず当
該部材の機械的強度の劣化が防止できるというに優れた
効果がもたらされる。
【0026】なお、この発明に係わるC/Cコンポジッ
ト製部材の製造方法は、SiC生成処理を施す場合のみ
ならず、C/Cコンポジット製部材の密度コントロール
にも適用できることは言うまでもない。
ト製部材の製造方法は、SiC生成処理を施す場合のみ
ならず、C/Cコンポジット製部材の密度コントロール
にも適用できることは言うまでもない。
【図1】この発明に係わるC/Cコンポジット製部材の
製造方法の工程を説明するブロック図である。
製造方法の工程を説明するブロック図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素繊維基材、もしくは炭素繊維強化プ
ラスチックを焼成して得た低密度C/Cコンポジット基
材にピッチ含浸と焼成とを繰り返し施すことによって高
密度化するC/Cコンポジット製部材の製造方法におい
て、分子量が異なる少なくとも2種類のピッチを使用し
て密度コントロールを行うことを特徴とするC/Cコン
ポジット製部材の製造方法。 - 【請求項2】 炭素繊維基材、もしくは炭素繊維強化プ
ラスチックを焼成して得た低密度C/Cコンポジット基
材にピッチ含浸と焼成とを繰り返し施すことによって高
密度化するC/Cコンポジット製部材の製造方法におい
て、分子量が異なる少なくとも2種類のピッチを使用
し、ピッチ含浸の前期には低分子量ピッチを使用する共
に、ピッチ含浸の後期には高分子量ピッチを使用するこ
とを特徴とするC/Cコンポジット製部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4159620A JPH061659A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | C/cコンポジット製部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4159620A JPH061659A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | C/cコンポジット製部材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH061659A true JPH061659A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=15697702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4159620A Pending JPH061659A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | C/cコンポジット製部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH061659A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6398564B1 (en) | 1999-10-12 | 2002-06-04 | 3Com Corporation | Communication connector for compact computer devices |
JP2003033915A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-02-04 | Nikkiso Co Ltd | Cfrpから成る廃材のリサイクル方法 |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP4159620A patent/JPH061659A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6398564B1 (en) | 1999-10-12 | 2002-06-04 | 3Com Corporation | Communication connector for compact computer devices |
JP2003033915A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-02-04 | Nikkiso Co Ltd | Cfrpから成る廃材のリサイクル方法 |
JP4565461B2 (ja) * | 2001-07-23 | 2010-10-20 | 日機装株式会社 | Cfrpから成る廃材のリサイクル方法 |
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