JPH06163962A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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JPH06163962A
JPH06163962A JP43A JP31739092A JPH06163962A JP H06163962 A JPH06163962 A JP H06163962A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 31739092 A JP31739092 A JP 31739092A JP H06163962 A JPH06163962 A JP H06163962A
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JP
Japan
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layer
solar cell
conductivity type
crystal
gaas
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JP43A
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English (en)
Inventor
Hideki Matsubara
秀樹 松原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い変換効率を有する太陽電池。 【構成】 基板102上には、バッファ層104を介し
て光吸収用のGaAs層106が形成されている。この
GaAs層106は、n型層上にp型層を成長したもの
でこれによりpn接合が形成される。このGaAs層1
06中には、InGaAsからなる量子井戸型光吸収層
108が設けられている。この層108は、GaAs1
06よりも長波長側の光を吸収するためのものである。
したがって、広い帯域の光を吸収して電流とすることが
でき、太陽電池の短絡電流が上昇してその変換効率を上
昇させることができる。また、本発明の太陽電池は、基
本的には単一接合太陽電池であるので、タンデム型太陽
電池を形成する際のような複雑なプロセス技術を一切使
用する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い変換効率を有する
新規な太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】半導体
単結晶基板上にエピタキシャル成長法を用いて半導体太
陽電池を構成したものとして、例えば、文献「IEEE TRA
NSACTION ON ELECTRON DEVICES VOL.37p469(1990)」に
示されるように、MBE法やMOCVD法を用いてn型
GaAs基板上にn層及びp層のGaAsエピタキシャ
ル層を成長し、さらにこの上にAlGaAs層からなる
窓層と呼ばれる層などを形成することで、25%近い変
換効率を持つ太陽電池を得ることができる例があげられ
ている。
【0003】図1に、この種のGaAs単一結合太陽電
池の具体的構造を示し、図2に、その分光感度特性を示
す。図示のように、GaAsのバンドギャップエネルギ
ーに相当する波長870nm(エネルギーにして1.4
eV)の光より短波長側の光をほぼ完全に吸収して光電
変換を行っているのがわかる。
【0004】このような太陽電池をさらに高効率化させ
るためのアイディアとして、多段接合型太陽電池(タン
デム型太陽電池)の構造が提案されている。具体的に
は、GaAsからなる太陽電池と、これよりバンドギャ
ップエネルギーが小さくより長波長側の光まで吸収でき
るSi等からなる太陽電池との積層構造を形成するこ
と、あるいは、GaAsからなる太陽電池と、よりバン
ドギャップエネルギーが大きくより短波長側の光まで吸
収できて取り出し電圧を高くすることのできるAlGa
As等からなる太陽電池との積層構造を形成することが
考えれる。
【0005】しかしながら、このタンデム型太陽電池構
造を実現するには、例えば文献「Appl. Phys. Lett. Vo
l.55 p1741(1989)」に示されているように、非常に精巧
なプロセス技術が必要となることなどから、設計通りの
高い変換効率を持つ太陽電池を得ることが現状では難し
いことがわかってきている。
【0006】太陽電池を高効率化させるための別のアイ
ディアとして、pn接合近傍の光吸収層中に局所的な欠
陥層を導入することが提案されている(文献「Appl. Ph
ys.Lett. Vol.60 p2240(1992)」)。具体的には、単結
晶Siにプロトンを高濃度にイオン注入することによっ
て結晶中に局所的な欠陥層を導入することにより太陽電
池の効率を高め得ることが記載されている。
【0007】しかしながら、この欠陥層における欠陥準
位は、欠陥層以外の部分で発生した光電流の担い手であ
る少数キャリアを再結合により消滅させてしまうという
働きも有するために、太陽電池の短絡電流を大きくとる
ことができず、十分な変換効率を達成することができな
い。
【0008】そこで、本発明は、より簡単なプロセス技
術により実現可能で、かつ、高い変換効率を有する太陽
電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る太陽電池は、第1導電型の半導体結晶
から形成された第1導電型層と、第2導電型の半導体結
晶から形成されるととももに前記第1導電型層に接合さ
れた第2導電型層とを備える太陽電池において、第1及
び第2導電型層の少なくとも一方に、これらの半導体結
晶のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有す
る半導体結晶からなるポテンシャル井戸層を含む副吸収
領域を設けることとしている。
【0010】
【作用】上記太陽電池によれば、第1及び第2導電型層
の少なくとも一方に、これらの半導体結晶のバンドギャ
ップよりも小さいバンドギャップを有する半導体結晶か
らなるポテンシャル井戸層を含む副吸収領域を設けてい
るので、第1及び第2導電型層を構成する半導体結晶の
バンドギャップに対応する波長の光のみならず、ポテン
シャル井戸層を構成する半導体結晶のバンドギャップに
対応する波長の光をも吸収して光電変換することがで
き、したがって、広帯域に亘って高い変換効率を達成す
ることができる。
【0011】ここで、副吸収領域は、単一量子井戸構造
からなるものとしてもよいし、複数量子井戸層を備える
超格子構造からなるものとしてもよい。この場合、副吸
収領域と第1及び第2導電型層の接合面との間の距離を
0.5μm以下とすることが、励起されたキャリアの再
結合消滅を防止する観点からは望ましい。さらに、第1
及び第2導電型層を構成する半導体結晶として、例えば
GaAs結晶を用いた場合、ポテンシャル井戸層として
InGaAs結晶を用いることができる。さらに、第1
及び第2導電型層の材料としてInP結晶を用いた場
合、ポテンシャル井戸層としてInAsP結晶又はIn
GaAsP結晶を用いることができる。さらに、第1及
び第2導電型層の材料としてSi結晶を用いた場合、ポ
テンシャル井戸層としてGe結晶を用いることができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する前
に、本発明の思想又は概念について図面を参照しつつ具
体的に説明する。
【0013】図3は、本発明の思想に基づく太陽電池の
構成例を示す断面図である。pn接合を構成する半導体
の光吸収層内に、ポテンシャル井戸層(例えば、量子井
戸構造を構成するエピタキシャル層)からなる副吸収領
域を形成する。図3(a)は、量子井戸型のポテンシャ
ル井戸層からなる副吸収領域をp層側に設けた例を示
し、図3(b)は、同様の副吸収領域をn層側に設けた
例を示し、図3(c)は、同様の副吸収領域をp層およ
びn層の双方に設けた例を示す。
【0014】図3(a)〜図3(c)に共通する点につ
いてまず説明する。図示のように、半導体単結晶からな
るn型基板2上に例えばこれと同一の半導体単結晶から
なるn層4とp層6とがエピタキシャル成長される。こ
れらn層4およびp層6の界面にはpn接合部5が形成
されている。n型基板2の裏面とp層6の上面には、電
極8、9がそれぞれ形成される。
【0015】図3(a)の場合、p層6の内部に、副吸
収領域として、p層6の半導体結晶のバンドギャップよ
りも小さいバンドギャップを有する半導体結晶からなる
量子井戸型光吸収層16を形成している。図3(b)の
場合、n層4の内部に、副吸収領域として、上記と同様
の量子井戸型光吸収層14を形成している。図3(c)
の場合、p層6およびn層4の双方の内部に、副吸収領
域として、上記と同様の量子井戸型光吸収層14、16
を形成している。このような量子井戸型光吸収層14、
16の存在により、n層4及びp層6が吸収する光より
もエネルギーの小さい光を吸収することができる。
【0016】以上の説明から明らかなように、量子井戸
型光吸収層14、16を形成すべき位置は、n層4中で
あっても、p層中であっても、或いはその双方中であっ
てもよく、さらに、n層4またはp層6中の複数箇所で
あってもよい。さらに、図示の接合とは逆に、n層がp
層上にあるような構造でも同様である。ただし、量子井
戸型光吸収層14、16は、pn接合部5の近傍にある
ことが必要で、pn接合部5と量子井戸型光吸収層1
4、16との間の距離を0.5μm以下とすることが望
ましい。一般に、pn接合部5と量子井戸型光吸収層1
4、16の間の距離が0.5μmを越えてしまうと、量
子井戸型光吸収層14、16で入射光に応じて発生した
少数キャリアがpn接合部5に到達する確率が低くなっ
て、取り出すことのできる電流が小さくなってしまう。
【0017】図4は、図3(a)中の量子井戸型光吸収
層16の具体的構造を示した概略図である。図4(a)
は、単一の量子井戸からなる量子井戸構造をp層6中に
形成した例を示し、図4(b)は、多数の量子井戸から
なる超格子構造をp層6中形成した例を示す。図中で、
pn接合5を形成している半導体層を半導体A層と表
し、量子井戸部分を形成している半導体層を半導体B層
と表している。この場合、半導体B層のバンドギャップ
エネルギーは半導体A層のバンドギャップエネルギーよ
りも小さくなっている。この結果、半導体B層では、半
導体A層で吸収される光よりも長波長の光が吸収され
る。以上のような半導体B層は、エピタキシャル層全体
の結晶性を損なわない範囲の格子不整合歪量子井戸層で
あってもかまわない。なお、図4(a)または図4
(b)に例示した量子井戸型光吸収層は、図3(b)ま
たは図3(c)の太陽電池にもそのまま組み込むことが
できる。
【0018】図5に、単一の量子井戸からなる量子井戸
構造を備えるタイプの太陽電池(図3(a)対応)のバ
ンドダイアグラムを概念的に示す。図示のように、p層
6中に部分的にバンドギャップの小さい部分、すなわち
量子井戸型光吸収層16が存在するが、ここはあたかも
ミッドギャップ状態ができたように作用するため、この
部分でp層6のバンドギャップエネルギーよりも小さい
エネルギーの光をも吸収して電流とすることができる。
したがって、太陽電池の短絡電流が上昇してその変換効
率を上昇させることができる。
【0019】以上説明したように、本発明の太陽電池
は、基本的には単一接合太陽電池であるので、タンデム
型太陽電池を形成する際のような複雑なプロセス技術を
一切使用する必要がなく、通常の光吸収層のエピタキシ
ャル成長中に別の材料からなる量子井戸型光吸収層(副
吸収層)、をエピタキシャル成長することで簡単に構成
することができる。
【0020】太陽電池のpn接合を構成する半導体のバ
ンドギャップエネルギーよりもエネルギーの小さい光を
吸収させて光電変換させるという試みとして、上記文献
「Appl. Phys. Lett. Vol.60 p2240(1992)」に示される
ように、単結晶Siにプロトンを高濃度にイオン注入す
ることで、結晶中に局所的な欠陥層を導入するという方
法が既に行われている。この方法では、導入された欠陥
層にはそのバンドギャップ中に欠陥準位が形成されてい
るため、この欠陥準位を介してバンドギャップエネルギ
ーよりもエネルギーの小さい光を吸収することが可能に
なると推測されている。しかしながら、この欠陥層にお
ける欠陥準位は、欠陥層以外の部分で光により発生した
光電流の担い手である少数キャリアを再結合により消滅
させてしまうという働きもするために、太陽電池として
は、光による電流(短絡電流)を大きくとることができ
ず、かえって変換効率の低下を招くこととなる。これに
対して本発明では、pn接合を構成する半導体のバンド
ギャップエネルギーよりもエネルギーの小さい光を吸収
させて光電変換させるための方法として、よりバンドギ
ャップエネルギーの小さい結晶層を用いて単一量子井戸
層、超格子井戸層等の結晶乱れの少ないポテンシャル井
戸層を導入することから、少数キャリアの再結合の主た
る原因となるような欠陥準位が導入されず、光による電
流をより大きくとることができる。
【0021】以下、本発明の好適な実施例を具体的に説
明する。本実施例では、太陽電池のpn接合を形成する
半導体としてGaAsを採用し、量子井戸型光吸収層と
して、単一歪量子井戸構造のInGaAs層を用いた場
合について説明する。
【0022】図6及び図7に、実施例の太陽電池の構造
及びその製造方法を示す。
【0023】まず、図6のような構造のエピタキシャル
ウェハを準備する。基板102直上のn−GaAs層
は、その上に形成すべき光吸収用のエピタキシャル層1
06の結晶性を良くするために設けたバッファ層104
である。エピタキシャル層106は、p−GaAs層と
n−GaAs層とからなり、これらの層によってpn接
合が形成される。このエピタキシャル層106中に形成
されたInGaAs層は、エピタキシャル層106より
も長波長側の光を吸収するために設けた量子井戸型光吸
収層108である。エピタキシャル層106上に形成さ
れたp−AlGaAs層は、光によりp−GaAs層中
で励起された少数キャリア(電子)が表面(界面)で再
結合することを防止するために設けた窓層110であ
る。最上のp−GaAs層は、電極の接触抵抗を下げる
ために設けたコンタクト層114である。また、光によ
りn−GaAs層中で励起された少数キャリア(正孔)
の再結合を防止するため、バッファ層104とエピタキ
シャル層106との間にn−AlGaAsからなるミラ
ー層を設ける。
【0024】基板102としては、キャリア濃度が1×
1018cm-3のSiドープ:HB−GaAs(3”φ)
を硫酸系のエッチャントで前処理したものを用いた。エ
ピタキシャル層106、量子井戸型光吸収層108等の
エピタキシャル成長法としては、MBE(Molecular Be
am Epitaxy)を用いた。量子井戸型光吸収層108を構
成するInGaAs層は、GaAsとの格子不整合が大
きいためにある限界厚みを超えると結晶格子が乱れてし
まうが、精密な膜厚制御が可能なMBE法を用いれば、
この限界膜厚以下で良好な歪量子井戸層( pseudomorph
ic層)を形成することができる。エピタキシャル層10
6及び量子井戸型光吸収層108の成長に際しては、成
長時の基板温度を550℃とし、n型ドーパントとして
Siを使用し、p型ドーパントとしてBeを使用した。
量子井戸型光吸収層108はp型で、そのキャリア密度
はGaAsとほぼ等しくした。この量子井戸型光吸収層
108のInの組成は0.25で、その膜厚は格子の乱
れを起こさない歪格子層すなわち歪量子井戸層の限界に
近い100オングストロームとした。
【0025】次に、図6のエピタキシャルウェハをデバ
イス化して図7に示す太陽電池を作製する。このプロセ
スは以下のような構成であった。まず、ウェハ表面の酸
化物を除去するために塩酸による洗浄を行う。次に、ウ
ェハ裏面(基板102の裏面)の全面にAu−Ge−N
i/Ni/Au層を抵抗加熱蒸着法により真空中で蒸着
し、これに420℃で3分間の合金化熱処理を施してn
型オーミック電極116とする。その後、ウェハ上面に
フォトリソグラフィにより電極パターンを形成する。具
体的に説明すると、Au/Zn/Au層をコンタクト層
114上に蒸着し、リフトオフを用いて電極パターンを
形成し、n型オーミック電極116と同様の合金化処理
等によってp型オーミック電極118を形成する。つづ
いて、アンモニア水と過剰の過酸化水素水とpH緩衝剤
との混合液からなるエッチング液を用い、AlGaAs
の窓層110を残して電極のついていない部分のコンタ
クト層114を選択的に除去する。さらに、太陽電池を
分離させるためのメサエッチングを施したうえで、EB
蒸着法により真空中でZnSとMgF2 からなる2層反
射防止膜(図示せず)を蒸着する。
【0026】図8に、図7の太陽電池の電流電圧特性を
示す。なお、点線は量子井戸型光吸収層108を形成し
ていない従来型のGaAs太陽電池に対応する比較試料
の特性を示す。一見して分かるように、実施例の太陽電
池ではこれを流れる電流密度、すなわち短絡電流が増加
している。この結果、変換効率は、実施例の太陽電池の
方が比較例の太陽電池に比べ比率にして5%程度上昇し
た。
【0027】図9に、図7の太陽電池の分光感度特性を
示す。なお、点線は量子井戸型光吸収層108を形成し
ていない比較試料の特性を示す。図から明らかなよう
に、実施例の太陽電池ではGaAsのバンドギャップエ
ネルギーよりも小さいエネルギーの光、つまり波長87
0nm以上の光も吸収して電流とすることに成功してお
り、前述の本発明の目的が実現されている。
【0028】本発明は上記実施例に限定されるものでは
ない。例えば、上記実施例のGaAs接合層の代わりに
InP接合層を用い、量子井戸型光吸収層を構成する半
導体としてInAsPまたはInGaAsPを採用した
構造でも上記と同様の効果が得られる。ただしこの構造
は、GaAs接合層を用いた上記実施例と異なって格子
不整合の影響が少ないことから、MOCVD法によりエ
ピタキシャル成長させる方が適している。さらに別の構
造として、上記実施例のGaAs接合層の代わりにSi
接合層を用い、量子井戸型光吸収層を構成する半導体と
してGeを採用した構造でも上記と同様の効果が得られ
る。この構造は、GaAs接合層を用いた上記実施例と
同様に格子不整合の影響が少ないことから、エピタキシ
ャル成長法として、精密な膜厚制御が可能な熱CVD
法、MBE法等が適している。さらに、上記実施例の量
子井戸型光吸収層の代わりに、量子効果の現れない単な
るポテンシャル井戸層を用いることもできる。例えば、
InP層中に比較的厚くても格子不整合が生じないIn
GaAsP等の井戸層を設けることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る太陽
電池は、第1及び第2導電型層の少なくとも一方に、こ
れらの半導体結晶のバンドギャップよりも小さいバンド
ギャップを有する半導体結晶からなるポテンシャル井戸
層を含む副吸収領域を設けているので、第1及び第2導
電型層を構成する半導体結晶のバンドギャップに対応す
る波長の光のみならず、ポテンシャル井戸層を構成する
半導体結晶のバンドギャップに対応する波長の光をも吸
収して光電変換することができ、したがって、広帯域に
亘って高い変換効率を達成することができる。しかも、
第1及び第2導電型層の少なくとも一方の結晶成長中に
ポテンシャル井戸層を結晶成長するだけで副吸収領域を
形成できるので、太陽電池の作製にあたって複雑なプロ
セス技術を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるGaAsを用いた化合物半導体
太陽電池の構造の断面図。
【図2】図1のGaAs太陽電池の分光感度特性を示す
図で、横軸は入射光の波長で、縦軸は入射光がどれくら
いの割合で電流に変換されているかを表す量子効率であ
る。
【図3】発明の構成を示した図であり、図3(a)はp
n接合部より上側のp層に量子井戸型光吸収層を形成し
た太陽電池を示し、図3(b)はpn接合部より下側の
n層に量子井戸型光吸収層を形成した太陽電池を示し、
図3(c)はpn接合部の上下両方つまりp層およびn
層に量子井戸型光吸収層を形成した太陽電池を示す。
【図4】発明の概念を説明する図であり、図中で、半導
体Bのバンドギャップは半導体Aのバンドギャップより
も小さくなっている。ここで、図4(a)は単一の量子
井戸層から構成される場合を示し、図4(b)は半導体
Aと半導体Bによる超格子量子井戸層(多数量子井戸
層)から構成される場合を示す。
【図5】図4(a)のように単一量子井戸層から量子井
戸型光吸収層が構成される太陽電池のエネルギーバンド
図。
【図6】MBE法によりInGaAs層を形成したGa
As太陽電池用のエピタキシャルウェハの構造を示す断
面図。
【図7】図7のウェハから得られた太陽電池の構造を示
す断面図。
【図8】図7の太陽電池の電流電圧特性(実線)を示す
図。図中の点線は、従来型のGaAs単一接合太陽電池
の電流電圧特性を示す。
【図9】図7の太陽電池の分光感度特性(実線)を示す
図。図中の点線は、従来型のGaAs単一接合太陽電池
の分光感度特性を示す。
【符号の説明】
2…基板、4,6…第1及び第2導電型層、14,15
…副吸収領域。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体結晶から形成された
    第1導電型層と、第2導電型の半導体結晶から形成され
    るとともに前記第1導電型層に接合された第2導電型層
    とを備える太陽電池において、 前記第1及び第2導電型層の少なくとも一方に、これら
    の半導体結晶のバンドギャップよりも小さいバンドギャ
    ップを有する半導体結晶からなるポテンシャル井戸層を
    含む副吸収領域を設けたことを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記副吸収領域は、単一量子井戸構造の
    ポテンシャル井戸層を含むことを特徴とする請求項1記
    載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記副吸収領域は、複数のポテンシャル
    井戸層からなる超格子層を含むことを特徴とする請求項
    1記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記副吸収領域と前記第1及び第2導電
    型層の接合面との間の距離が0.5μm以下であること
    を特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2導電型層は、GaAs
    結晶からなり、前記ポテンシャル井戸層は、InGaA
    s結晶からなることを特徴とする請求項1又は請求項4
    のいずれか一項記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2導電型層は、InP結
    晶からなり、前記ポテンシャル井戸層は、InAsP結
    晶若しくはInGaAsP結晶からなることを特徴とす
    る請求項1又は請求項4のいずれか一項記載の太陽電
    池。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2導電型層は、Si結晶
    からなり、前記ポテンシャル井戸層は、Ge結晶からな
    ることを特徴とする請求項1又は請求項4のいずれか一
    項記載の太陽電池。
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