JPH06161151A - 電子写真用乾式現像剤 - Google Patents

電子写真用乾式現像剤

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JPH06161151A
JPH06161151A JP4315306A JP31530692A JPH06161151A JP H06161151 A JPH06161151 A JP H06161151A JP 4315306 A JP4315306 A JP 4315306A JP 31530692 A JP31530692 A JP 31530692A JP H06161151 A JPH06161151 A JP H06161151A
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JP
Japan
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copolymer resin
chemical
parts
dry developer
formula
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Application number
JP4315306A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Enomoto
和弘 榎本
Satoshi Ariyoshi
智 有好
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Publication of JPH06161151A publication Critical patent/JPH06161151A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正に強く帯電性を有し、かつ粒子個々の帯電
性の均一な、鮮明でカブリの少ない画像を形成すると共
に、広範な定着可能温度域を有する電子写真用乾式現像
剤を提供する。 【構成】 バインダー樹脂と着色剤とを主成分とする電
子写真用乾式現像剤において、該バインダー樹脂が下記
構造式(A)と下記構造式(B)で示される少なくとも
2種のモノマー単位を含む共重合体樹脂(I)と、下記
構造式(A)と下記構造式(C)で示される少なくとも
2種のモノマー単位を含む共重合体樹脂(II)とを主成
分とすることを特徴とする。 【化1】 (式中、αは、水素またはメチル基である。) 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直接及び間接の電子写
真用に必要な静電潜像を現像するための電子写真用乾式
現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真の現像法には、静電気を
利用して静電潜像に摩擦帯電させた潜像と逆極性の電荷
を有する現像剤粒子(トナー)を静電引力により付着さ
せる方式(正現像)、または潜像と同じ極性の電荷を有
するトナーを磁気ブラシと、潜像面間の電界により付着
させる方式(反転現像)がある。これらの方式により直
接又は間接的に受像シート上にトナー像を付着させ、更
にトナー粒子を加熱したり、加圧したり、溶剤蒸気と接
触させたりする等の方法により受像シートに定着させて
現像を完了する。静電潜像は、感光体を一様に帯電させ
た後、光情報を印加することにより光導電現象を利用し
て形成する。帯電特性は、感光体の種類により、正及び
負の極性があり、正現像又は反転現像の組み合せにより
選択されてトナー粒子の極性が決定される。
【0003】一般にトナーは、バインダー樹脂と着色剤
及び荷電制御剤その他の添加剤とからなり、バインダー
樹脂が主成分となっている。このトナー用バインダー樹
脂として、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチ
レン系及びそのメタクリレート、アクリレート共重合体
樹脂、各種ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂等が一般
に用いられるが、強く正極性に摩擦帯電をするバインダ
ー樹脂は少ない。このため通常は、荷電制御剤といわれ
る有機化合物を添加する方法、及びアミノ基を含有する
モノマーをスチレンモノマー、メタクリル酸アルキルエ
ステルモノマー、アクリル酸アルキルエステルモノマー
と共重合してバインダー樹脂とする方法が一般的に知ら
れている。前者の有機化合物としては、ニグロシン化合
物(特公昭41−2427号公報)、第4級アンモニウ
ム塩(米国特許第3565654号)、特定のアニオン
(X-)を使用するもの(特公平1−54695号及び
同1−54696号公報)などが挙げられる。また、後
者のアミノ基を含有するモノマー等を共重合するものと
しては、ポリアミン樹脂(特公昭53−13284号公
報)、メタクリル酸ジアルキルアミノエチルエステル樹
脂(特公平1−47789号公報)などが挙げられる。
【0004】しかしながら、前記有機化合物を添加する
ものは、トナーの主成分であるバインダー樹脂との相溶
性が悪く、トナー粒子が現像器内で長時間混合される
と、粒子の破壊が起り、帯電制御用に用いたニグロシン
化合物等が分散されている場合には完全な均一化が起ら
ず、そのため逆極性(負帯電)粒子が生じ、画像信号の
低下している所にもトナーが付着するいわゆる地肌カブ
リ現象が発生する欠点がある。また、ニグロシン化合物
等を用いると、親水性が強いため環境の変化により帯電
量が変化し、画質が一定化しない。さらに、ニグロシン
化合物は着色が強く、カラートナーに不都合である等の
欠点を有している。
【0005】また、後者のアミノ基を含有するモノマー
等を共重合するものについては、アミノ基を含有するモ
ノマーは親水性が強く、他の疎水性モノマーとの共重合
において、水系での懸濁重合する場合に、重合時にアミ
ノ基を含有する共重合性モノマーが水層へ溶解し、また
は水−懸濁モノマー粒子界面への分布が生じ、その結
果、生成した樹脂を、摩擦帯電せしめたときの帯電量の
低下、もしくは均一な分布が得にくく常に安定した画像
が得られない欠点を有する。このようなことから、強く
正極性に帯電し、帯電の分布が均一で、環境の影響が少
なく、かつ耐久性の優れた電子写真用乾式現像剤の開発
が望まれている。
【0006】更には、最近の加熱定着法の主流となって
いる方法として、加熱ロールと圧着ロールとからなる一
対のロールの間に、トナー像を有する支持体を挿入し
て、加熱と加圧を利用して定着する方法、いわゆるヒー
トロール定着法が知られている。この定着法は、トナー
像がロールに接触するため、トナー像の一部が加熱ロー
ル又は圧着ロールに付着する現象、いわゆるオフセット
現象を起しやすい欠点があった。この原因として、トナ
ー用バインダー樹脂の熱融着(ブロッキング)現象、ト
ナー粒子間の摩擦帯電性の不均一化等が考えられてい
る。このように電子写真用乾式現像剤に要求される性能
はますます多種多様になってきており、これら対応策に
追われているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真用乾式現像剤において、本質的に正に強く帯電性を
有し、かつ粒子個々の帯電性の均一な、鮮明でカブリの
少ない画像を形成する現像剤を提供することにあり、ま
た、溶融混練の温度まで熱安定性を有し、しかも、温度
等の環境に対する影響が極めて少ない、無色の現像剤を
提供することにある。さらに、キャリヤーを汚染せずに
ヒートロール定着法に適し、オフセット温度が高く、定
着温度が低い、即ち、定着可能温度域の大きい電子写真
用乾式現像剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の電子写真用乾式現像剤の研究を行った結果、バインダ
ー樹脂として、特定のスチレンモノマー及びジビニルベ
ンゼン等よりなる共重合体樹脂の組み合せからなる樹脂
が有効であることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、
【0009】本発明は、バインダー樹脂と着色剤とを主
成分とする電子写真用乾式現像剤において、該バインダ
ー樹脂が下記構造式(A)と下記構造式(B)で示され
る少なくとも2種のモノマー単位を含む共重合体樹脂
(I)と、下記構造式(A)と下記構造式(C)で示さ
れる少なくとも2種のモノマー単位を含む共重合体樹脂
(II)とを主成分とすることを特徴とする。
【化7】 (式中、αは、水素またはメチル基である。)
【化8】
【化9】 (式中、Xは、ハロゲン原子である。)
【0010】本発明において、共重合体樹脂(I)は、
上記構造式(A)で示されるスチレンモノマーもしくは
α−メチルスチレンモノマーと上記構造式(B)で示さ
れるジビニルベンゼンとを少なくとも二種含むモノマー
から重合される多元共重合体である。また、共重合体樹
脂(II)は、上記構造式(A)で示されるスチレンモノ
マーもしくはα−メチルスチレンモノマーと上記構造式
(C)で示されるハロメチル化スチレンモノマーを少な
くとも二種含むモノマーから重合される多元共重合体で
ある。ここで、上記構造式(A)で示されるスチレンモ
ノマーもしくはα−メチルスチレンモノマーは、共重合
体樹脂(I)及び共重合体樹脂(II)で用いるものであ
る。これらのモノマーを共重合体樹脂(I)及び共重合
体樹脂(II)に用いる場合、共に同一のモノマー、また
は、互いに相違したモノマーを用いても良いが、一般的
に、コスト、反応性等を考慮するとスチレンモノマーを
用いる方が好ましい。
【0011】共重合体樹脂(I)におけるモノマー
(A)とモノマー(B)の割合は、モル比で99:1〜
90:10の範囲が一般的に好ましい。このモノマー
(B)の比率が本範囲より小さい場合には、共重合体樹
脂(I)としての性能、すなわち軟化度、融点等が十分
でなく、また、本範囲より大きい場合には、現像剤の熱
定着性が十分でない等の問題がある。なお、共重合体樹
脂(I)成分中にアクリル酸アルキルエステル又はメタ
クリル酸アルキルエステルを加えることにより、モノマ
ー(A)とモノマー(B)のモル比の範囲は広がる傾向
を有する。特に、モノマー(B)の比率が高い場合及び
アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエ
ステルのアルキル鎖の長さがn−ブチル以上になればそ
の傾向は著しくなる。
【0012】次に、共重合体樹脂(II)におけるモノマ
ー(A)とモノマー(C)の割合は、モル比で99:1
〜50:50の範囲が一般的に好ましい。共重合体樹脂
(II)は、現像剤の帯電特性に影響を与える作用を有し
ており、バインダー樹脂としての機能と同時に荷電制御
作用の両方の機能を併有している。この荷電制御作用の
主体は、ハロメチル基であり、この基が該樹脂中に共重
合体の一部として取りこまれており、前述の荷電制御剤
の添加といった方法に比べ、より均一な荷電制御が行な
われ易い利点を有している。このため、モノマー(C)
成分が前記範囲より少なすぎると共重合体樹脂(II)の
荷電制御作用が著しく失なわれ、逆に、前記範囲より極
度に多すぎると帯電特性が大きくなり現像剤の帯電保持
性に問題が起り、また、コスト的にも高価となり易く好
ましくない。
【0013】共重合体樹脂(I)及び共重合体樹脂(I
I)ともベンゼン環に直接ビニル基が付いたスチレン及
びその誘導体を主成分とするバインダー樹脂であるが、
これら樹脂を用いた現像剤は、耐水性、力学的強度、微
粒子化及び絶縁性等が良好となる優れた特徴を有してい
る。しかしながら、このような、特徴を有する共重合体
樹脂(I)及び共重合体樹脂(II)でも、最近の定着法
の主流となっている加熱ロールと圧着ロールよりなるヒ
ートロール定着法には、高温域(〜160℃)にしか適
応が出来ず、このため、高速機用複写機には不適当なバ
インダー樹脂になり易い。
【0014】従って、低温領域でも確実な定着を実効で
きるバインダー樹脂とするために、第三成分モノマーと
して、アクリル酸アルキルエステルもしくはメタクリル
酸アルキルエステルを共重合体樹脂(I)及び共重合体
樹脂(II)成分中に配合することが好ましい。具体的に
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メ
チル、エチル、プロピル、n−ブチル、iso−ブチ
ル、エチルヘキシル、ヘキシル等のアルキル鎖よりなる
(メタ)アクリレートモノマーが挙げられ、特に、n−
ブチルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレート
等のメタクリレートが好ましい。これらの(メタ)アク
リレート等の共重合体樹脂(I)及び共重合体樹脂(I
I)に配合する割合は、用いる(メタ)アクリレートの
アルキル鎖の種類によって多少の相違はあるが各モノマ
ー成分中モル比で50%以下が好ましい。
【0015】共重合体樹脂(I)と共重合体樹脂(II)
の割合は、重量比で1:99〜50:50の範囲が一般
的に好ましい。この重量比の範囲に含まれない場合に
は、強く、正極性に帯電しなくなり帯電が不均一になっ
たり、また逆に帯電が強くなりすぎ帯電保持性が低下す
る傾向が起り、トナーに要求される性能が悪化すること
となり好ましくない。
【0016】前述の如く、荷電制御作用のためにモノマ
ー成分(C)を配合することに関して言及したが、この
効果を更に高めるために共重合体樹脂中に下記一般式
(D)若しくは下記一般式(E)又は下記一般式(F)
で示される造塩化合物を添加することが好ましい。
【0017】
【化10】 (式中、R1は、炭素数1〜18のアルキル基、または
置換基を含んでもよいベンジル基であり、R2,R3
は、それぞれ炭素数1〜18のアルキル基であり、R4
は、炭素数1〜18のアルキル基、または置換基を含ん
でもよいベンジル基、アリル基、メタアリル基であり、
-は、アニオン残基である。)
【0018】
【化11】 (式中、R5は、水素、炭素数1〜4の低級アルキル
基、ハロゲンであり、R6は、置換基を含んでもよいベ
ンジル基、炭素数1〜18のアルキル基であり、nは1
〜4の整数であり、Y-はアニオン残基である。尚、n
が2〜4のときR5は同一でも異なっていてもよい。)
【0019】
【化12】 (式中、R7は、水素、炭素数1〜4の低級アルキル
基、ハロゲンであり、R8は、置換基を含んでもよいベ
ンジル基、炭素数1〜18のアルキル基であり、mは1
〜3の整数であり、Y-はアニオン残基である。尚、m
が2又は3のとき、R7は同一でも異なっていてもよ
い。)
【0020】これら一般式(D)若しくは一般式(E)
又は一般式(F)で表わされる具体的な造塩化合物とし
ては、次の例示化合物が挙げられるが、これによって本
発明の造塩化合物が限定されるものではない。
【0021】一般式(D)で表わされる造塩化合物とし
ては、下記化13〜化53で示される化合物が例示され
る。
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
【0025】
【化16】
【0026】
【化17】
【0027】
【化18】
【0028】
【化19】
【0029】
【化20】
【0030】
【化21】
【0031】
【化22】
【0032】
【化23】
【0033】
【化24】
【0034】
【化25】
【0035】
【化26】
【0036】
【化27】
【0037】
【化28】
【0038】
【化29】
【0039】
【化30】
【0040】
【化31】
【0041】
【化32】
【0042】
【化33】
【0043】
【化34】
【0044】
【化35】
【0045】
【化36】
【0046】
【化37】
【0047】
【化38】
【0048】
【化39】
【0049】
【化40】
【0050】
【化41】
【0051】
【化42】
【0052】
【化43】
【0053】
【化44】
【0054】
【化45】
【0055】
【化46】
【0056】
【化47】
【0057】
【化48】
【0058】
【化49】
【0059】
【化50】
【0060】
【化51】
【0061】
【化52】
【0062】
【化53】
【0063】また、一般式(E)で表わされる造塩化合
物としては、下記化54〜化74で示される化合物が例
示される。
【0064】
【化54】
【0065】
【化55】
【0066】
【化56】
【0067】
【化57】
【0068】
【化58】
【0069】
【化59】
【0070】
【化60】
【0071】
【化61】
【0072】
【化62】
【0073】
【化63】
【0074】
【化64】
【0075】
【化65】
【0076】
【化66】
【0077】
【化67】
【0078】
【化68】
【0079】
【化69】
【0080】
【化70】
【0081】
【化71】
【0082】
【化72】
【0083】
【化73】
【0084】
【化74】
【0085】さらに、一般式(F)で表わされる造塩化
合物としては、下記化75〜化83で示される化合物が
例示される。
【0086】
【化75】
【0087】
【化76】
【0088】
【化77】
【0089】
【化78】
【0090】
【化79】
【0091】
【化80】
【0092】
【化81】
【0093】
【化82】
【0094】
【化83】
【0095】これら一般式(D)若しくは一般式(E)
又は一般式(F)で表わされる造塩化合物を共重合体樹
脂中に添加する割合は、造塩化合物の種類によって多少
の相違はあるが通常、共重合体樹脂(I)及び共重合体
樹脂(II)の合計100重量部に対して0.1〜10.
0重量部が好ましい。0.1重量部未満であると、造塩
化合物の添加の効果が認められず、また、10.0重量
部を超えると、造塩化合物の均一分散性が悪くなり好ま
しくない。
【0096】また、添加時期は、着色剤と共重合体樹脂
(I)及び共重合体樹脂(II)等と同時に混合するか、
または、前処理として共重合体樹脂(II)と一緒に予備
混合を行ない、その後に共重合体樹脂(I)等を加えて
本混合するかいずれかの時でもよい。
【0097】着色剤としては、任意の顔料または染料が
用いられ、現像剤を着色するに十分な量、すなわち、現
像剤重量に対して25重量(%)まで、好ましくは1〜
20重量%の量で用いられる。着色剤としては、例え
ば、カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブル
ー、ウルトラマリンブルー、オイルレッド、フタロシア
ニン顔料、ローズベンガル、メチレンブルー、アニリン
ブラック、ローダミン6Gレーキ、アントラキノン染
料、群青等の従来から公知の染料、顔料が挙げられる。
【0098】本発明の電子写真用乾式現像剤は、通常キ
ャリヤー粒子と混合して現像剤(二成分現像剤)にする
か、あるいはキャリヤー粒子を用いずに単独で現像剤
(一成分現像剤)として用いる。混合されるキャリヤー
粒子としては、平均粒径が現像剤(トナー)とほぼ同じ
かそれ以上の大きさのものがよく、大略500μまでの
ものが適している。キャリヤー粒子としては、例えば、
ガラス粒子、砂、あるいは鉄、ニッケル、コバルト等の
金属単体あるいは合金の粒子等が挙げられる。これら粒
子は、直接に用いる場合もあるが、通常は種々の樹脂あ
るいは金属化合物、金属酸化物で被覆して用いられる。
【0099】また、キャリヤー粒子の形状としては、球
状、平板状、針状、結節状のものがあり、これらの混合
体であってもよい。更には大粒径と小粒径のキャリヤー
との混合体であってもよい。キャリヤー粒子を用いずに
トナー単独で現像する場合には、特に磁気ブラシ現像を
行う場合には、トナー中に磁性体粉を含有させておくこ
とが好ましい。この磁性体粉はトナー重量に対し、20
〜70重量%含有させることが好ましく、磁性体粉とし
ては、例えば、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、ク
ロム等の金属粉、また、各種フェライト、マグネタイト
等の鉄、マンガン、ニッケル、コバルト等の合金や化合
物、その他強磁性合金等の磁性材料が挙げられる。な
お、現像剤中には、更に各種添加剤を加えても良い。こ
の添加剤としては、感光体へのトナー皮膜形成を防止す
るフイルミング防止剤、トナーの帯電を調整する帯電制
御剤等が挙げられる。
【0100】このように構成される現像剤を用いて電子
写真用の静電潜像を現像するるためには、この現像剤を
負の静電潜像を有する感光体に、カスケード現像法ある
いは磁気ブラシ現像法により接触を行ない可視化された
トナー像を得る。このトナー像を一旦紙などの支持体に
転写する。次にトナー像を有する支持体を定着装置中に
通過せしめて、固着されたトナー像を得る。この定着装
置は、加熱ロールと圧着ロールとからなる一対のヒート
ロール定着装置であって、少なくともトナー像が接する
ロールはその表面をフッ素系樹脂あるいはシリコンゴム
等で被覆したもの、あるいは金属表面を有するものであ
り、このヒートロール間に維持体を通過させることによ
り、トナー像は支持体上に定着される。このとき、ヒー
トロールに必要に応じてシリコンオイル等のオフセット
防止液の供給を行なってもよい。
【0101】
【実施例】次に、本発明を合成例、実施例により更に具
体的に説明するが、本発明は、これらの実施例等により
限定されるものではない。なお、合成例、実施例中の
「部」は、いずれも重量部を表わす。
【0102】〔合成例1:共重合体樹脂(I)の合成
(a)〕撹拌装置付き1リットルの密閉反応器中にトル
エン125部、スチレン145部、ジビニルベンゼン5
部及びアクリル酸ブチル40部を投入し系内を窒素雰囲
気にした後、撹拌しながら昇温し、120℃で還流下に
保持しながらアゾビスイソブチロニトリル2.5部とト
ルエン25部の重合開始剤溶液を30分間で滴下し重合
を行なった。滴下終了後、さらに系を同温度に保持し、
1.5時間後と3.0時間後に更にアゾビスイソブチロ
ニトリルの2%トルエン溶液15部を投入して重合を完
結させた。この重合溶液からトルエンを減圧留去して共
重合体樹脂(a)を得た。本共重合樹脂(a)は、6
0,000にピーク分子量を有していた。
【0103】〔合成例2:共重合体樹脂(I)の合成
(b)〕撹拌装置付き1リットルの反応器中にイオン交
換水200部、スチレン145部及びジビニルベンゼン
5部を投入し、系内を窒素雰囲気にした後、ホモジナイ
ザーで強く撹拌し、内温を85℃まで昇温し、アゾビス
イソブチロニトリル3%のメタアクリル酸ブチル溶液2
5部を投入して3時間同温度で重合を行なった。粒状化
(粒径50〜80μ)した樹脂生成体を取り出し水洗を
行ない共重合体樹脂(b)を得た。本共重合体樹脂
(b)は280,000にピーク分子量を有していた。
【0104】〔合成例3:共重合体樹脂(II)の合成
(c)〕撹拌装置付き1リットルの密閉反応器中にトル
エン125部、スチレン130部、クロルメチルスチレ
ン10部及びメタクリル酸ブチル40部を投入し系内を
窒素雰囲気にした後、撹拌しながら昇温し、120℃で
還流下に保持しながら、アゾビスイソブチロニトリル
2.5部とトルエン25部の重合開始剤溶液を30分間
で滴下し重合を行なった。滴下終了後、さらに系を同温
度に保持し、1.5時間後と3時間後に更にアゾビスイ
ソブチロニトリルの2%トルエン溶液15部を滴下して
重合を完結させた。この重合溶液からトルエンを減圧留
去して共重合体樹脂(c)を得た。本共重合体樹脂
(c)は25,000にピーク分子量を有していた。
【0105】〔合成例4:共重合体樹脂(II)の合成
(d)〕撹拌装置付き1リットルの反応器中にイオン交
換水200部、スチレン120部、クロルメチルスチレ
ン15部及びアクリル酸2−エチルヘキシルエステル1
5部を投入し、系内をアルゴン雰囲気にした後、ホモジ
ナイザーで強く撹拌し、内温を85℃まで昇温し、ベイ
ンゾイルパーオキサイド3%のアクリル酸2−エチルヘ
キシルエステル15部を投入し、3時間同温度で重合を
行なった。粒状化(粒径15〜20μ)したパール状樹
脂を取り出し、水洗を行ない共重合体樹脂(d)を得
た。本共重合体樹脂(d)は75,000にピーク分子
量を有していた。
【0106】比較例1 合成例1で得た共重合体樹脂(a)をバインダー樹脂と
し、該バインダー樹脂100部に対して、セチルピリジ
ニウムクロライド1部とカーボンブラック10部とを混
合し、溶融混練した後、平均粒径15μのトナーを得
た。このトナー2部と平均粒径100μの酸化鉄粉キャ
リヤー100部とを混合して現像剤(二成分現像剤)を
調製した。
【0107】この現像剤を用いてOPC感光体上に形成
された静電潜像を磁気ブラシ現像した後、転写紙上に転
写し、ヒートロール定着を行なった。このときオフセッ
ト防止剤の供給は行なわなかった。ヒートロール温度を
種々変化させて定着性、オフセット性を評価した。最低
定着温度は約165℃、オフセット発生温度は約250
℃であった。また、180℃での定着した画像を光学顕
微鏡で観察したところ、像のカスレ現象が見られた。
【0108】比較例2 合成例1で得た共重合体樹脂(a)の代りに合成例3で
得た共重合体樹脂(c)をバインダー樹脂として用いた
以外は比較例1と同様にして現像剤を調製した。また、
現像剤の性能についても比較例1と同様にして定着に要
する最低温度、オフセット発生最高温度につき評価を行
なった結果、120℃、200℃であった。さらに、1
50℃での定着した画像を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、正常な可視像であった。
【0109】実施例1 合成例1で得た共重合体樹脂(a)20部及び合成例3
で得た共重合体樹脂(c)80部からなるバインダー樹
脂100部に対してセチルピリジニウムクロライド1部
とカーボンブラック10部とを混合し、溶融混練した
後、平均粒径12μのトナーを得た。このトナー2部
と、平均粒径100μの酸化鉄粉キャリヤー100部と
を混合して現像剤を調製した。
【0110】このようにして調製した現像剤を比較例1
と同様にして磁気ブラシ現像、ヒートロール定着を行な
い、最低定着温度、オフセット発生温度を測定した。最
低定着温度は120℃、オフセット発生温度は245℃
であった。本現像剤は、低温領域で定着可能で、かつオ
フセット発生もしにくい現像剤であることがわかった。
特に、低温領域で定着可能なことは、高速複写機にも対
応できる現像剤であり、かつ現像剤同志のブロッキング
現象、感光体:現像剤間でのトナーフイリミング現象は
ほとんど認められなかった。本現像剤をシャープ(株)
製複写機SF−8800で実写試験を行なったところ、
10万枚コピーを行なった後も初期とかわらない鮮明な
画像を得た。
【0111】これに対して、比較例1の現像剤は、初期
画像は定着不十分であり、かつトナー粒子の帯電性の均
一がなく、像のカスレ現象がかなり多く発生し実用上問
題が多く、また、比較例2の現像剤は、約1000枚コ
ピー時からトナーフイリミング現象及びブロッキング現
象が起り実用上問題があった。
【0112】比較例3 合成例2で得た共重合体樹脂(b)をバインダー樹脂と
し、該バインダー樹脂100部に対してトリ(n−ブチ
ル)−ベンジルアンモニウムクロライド0.7部とカー
ボンブラック10部とを混合し、溶融混練した後、平均
粒径13μのトナーを得た。このトナー2部と平均粒径
100μの酸化鉄粉キャリヤー100部とを混合して現
像剤を調製した。次に、充分タンブラーシェカーミキサ
ーにて帯電させ、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミ
カル(株)製)により帯電量を測定したところ+15μ
であった。更に、ヒートロールによる最低定着温度及び
オフセット発生温度を調べた結果、それぞれ195℃、
265℃であった。
【0113】比較例4 合成例4で得た共重合体樹脂(d)をバインダー樹脂と
し、該バインダー樹脂100部に対してトリ(n−ブチ
ル)−ベンジルアンモニウムクロライド0.7部とカー
ボンブラック10部とを混合し、溶融混練した後平均粒
径17μのトナーを得た。このトナー2部と平均粒径1
00μの酸化鉄粉キャリヤー100部とを混合して現像
剤を調製した。この現像剤について比較例3と同様にし
て帯電量、最低定着温度及びオフセット発生温度を調べ
たところ、それぞれ+11μ及び135℃、220℃で
あった。
【0114】実施例2 合成例2で得た共重合体樹脂(b)10部及び合成例4
で得た共重合体樹脂(d)90部からなるバインダー樹
脂100部に対してトリ(n−ブチル)−ベンジルアン
モニウムクロライド1部とカーボンブラック10部とを
混合し、溶融混練した後、平均粒径13μのトナーを得
た。このトナー2部と平均粒径100μの酸化鉄粉キャ
リヤー100部を混合して現像剤を調製した。この現像
剤について比較例3と同様にして帯電量、最低定着温度
及びオフセット発生温度を調べたところ、+15μ、及
び135℃、260℃であった。
【0115】また、粒子帯電量測定装置(ホソカワミク
ロン(株)製)を用いて帯電量分布を測定したところ、
比較例3及び比較例4に比べて本実施例の現像剤の方が
よりシャープな帯電量分布を示していた。さらに、本現
像剤を実施例1と同様に転写型複写機で実写試験を行な
ったところ、10万枚コピーを行なっても初期コピーと
かわらない鮮明な画像を得た。また、30℃、80%の
雰囲気中で実写試験を行ない、その時のコピー濃度(光
学濃度)を20℃、50%のそれと比較してもほぼ97
%の光学濃度を維持しており、画像性においてもゴース
ト像等の画像ナガレ現象も認められなかった。
【0116】
【発明の効果】本発明の電子写真用乾式現像剤は、 1)正帯電現像剤として環境変化、経時的な経過に対し
ても安定な現像特性を有し、 2)広範な定着可能温度域を有し、特に、低温定着に有
効であり、 3)現像剤粒子表面の帯電特性が均一で、現像剤粒子個
々の帯電量のバラツキが少なく、高い光学濃度を維持
し、 4)カラー用現像剤として十分利用可能であり、 5)今後、OPCを採用した複写機(特に高速型)が普
及するにつれて正帯電現像剤の要求はますます高くなる
ことが予想され、これらの要求に対して極めて有用であ
る、などの多くの優れた効果を有する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダー樹脂と着色剤とを主成分とす
    る電子写真用乾式現像剤において、該バインダー樹脂が
    下記構造式(A)と下記構造式(B)で示される少なく
    とも2種のモノマー単位を含む共重合体樹脂(I)と、
    下記構造式(A)と下記構造式(C)で示される少なく
    とも2種のモノマー単位を含む共重合体樹脂(II)とを
    主成分とすることを特徴とする電子写真用乾式現像剤。 【化1】 (式中、αは、水素またはメチル基である。) 【化2】 【化3】 (式中、Xは、ハロゲン原子である。)
  2. 【請求項2】 共重合体樹脂(I)がモノマー単位
    (A)とモノマー単位(B)との割合がモル比で99:
    1〜90:10よりなる共重合体樹脂である請求項1記
    載の電子写真用乾式現像剤。
  3. 【請求項3】 共重合体樹脂(II)がモノマー単位
    (A)とモノマー単位(C)との割合がモル比で99:
    1〜50:50よりなる共重合体樹脂である請求項1記
    載の電子写真用乾式現像剤。
  4. 【請求項4】 共重合体樹脂(I)中の第三成分モノマ
    ーがアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アル
    キルエステルである請求項1記載の電子写真用乾式現像
    剤。
  5. 【請求項5】 共重合体樹脂(II)中の第三成分モノマ
    ーがアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アル
    キルエステルである請求項1記載の電子写真用乾式現像
    剤。
  6. 【請求項6】 共重合体樹脂(I)と共重合体樹脂(I
    I)の割合が重量比で1:99〜50:50である請求
    項1記載の電子写真用乾式現像剤。
  7. 【請求項7】 共重合体樹脂(I)と共重合体樹脂(I
    I)の合計100重量部に対して下記一般式(D)で示
    される造塩化合物を0.1〜10.0重量部添加するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真用乾式現像剤。 【化4】 (式中、R1は、炭素数1〜18のアルキル基、または
    置換基を含んでもよいベンジル基であり、R2,R3
    は、それぞれ炭素数1〜18のアルキル基であり、R4
    は、炭素数1〜18のアルキル基、または置換基を含ん
    でもよいベンジル基、アリル基、メタアリル基であり、
    -は、アニオン残基である。)
  8. 【請求項8】 共重合体樹脂(I)と共重合体樹脂(I
    I)の合計100重量部に対して下記一般式(E)で示
    される造塩化合物を0.1〜10.0重量部添加するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真用乾式現像剤。 【化5】 (式中、R5は、水素、炭素数1〜4の低級アルキル
    基、ハロゲンであり、R6は、置換基を含んでもよいベ
    ンジル基、炭素数1〜18のアルキル基であり、nは1
    〜4の整数であり、Y-はアニオン残基である。尚、n
    が2〜4のときR5は同一でも異なっていてもよい。)
  9. 【請求項9】 共重合体樹脂(I)と共重合体樹脂(I
    I)の合計100重量部に対して下記一般式(F)で示
    される造塩化合物を0.1〜10.0重量部添加するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真用乾式現像剤。 【化6】 (式中、R7は、水素、炭素数1〜4の低級アルキル
    基、ハロゲンであり、R8は、置換基を含んでもよいベ
    ンジル基、炭素数1〜18のアルキル基であり、mは1
    〜3の整数であり、Y-はアニオン残基である。尚、m
    が2又は3のとき、R7は同一でも異なっていてもよ
    い。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2564425A (en) * 2017-07-07 2019-01-16 Wuhan Xinqu Chuangrou Optoelectronics Tech Co Ltd Formulation and layer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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