JPH0616020Y2 - 袖ドア付き折り畳み扉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は吊元側に補助ドアを取付けた折り畳み扉に関す
るものである。

（従来技術） 折り畳み扉とは一定幅の扉片が継手部を介して屈曲自在
に連結されたもので、天井及び床面に配置されたレール
に沿って移動し、各扉片が互いに折り畳まれることで入
口部を開口する扉で、近年この種の扉が店舗の外装材と
して多用されている。勿論、一般家庭用の物置きや倉庫
等の入口用としても適しているが、該折り畳み扉は完全
に閉め切られてしまった場合、人が出入りする際にはそ
の都度、引戸側の扉片を吊元側へ押圧して部分的に開口
しなければならない。一般に折り畳み扉は普通の開き扉
に比べればその開閉操作は大変であり、特に扉片の枚数
も多く、長い扉ともなれば開閉しにくく、人の出入りの
頻繁な入口ドアとしては不適である。すなわち、該折り
畳み扉は人が出入りするに必要な間隙を開口する場合で
あっても、折り畳まれる箇所は吊元側であるため、全長
にわたって移動させ、吊元側を折り畳むことが必要な訳
であり、開閉操作に力を要す。したがって、該折り畳み
扉で締め切った場合でも、簡単に人の出入りが可能なよ
うに開きドアを近くに設けると便利であるが、折り畳み
扉を折り畳んでしまって開口した際には、該開き扉が近
くに存在することは不自然であると共に、店舗であるな
らば、外観上好ましくなく、該開きドアの分だけ開口が
狭くなってしまう。

（本考案の目的） このように折り畳み扉には閉じられた後の人の出入り等
に関し、上記のごとき問題が存在している。本考案はこ
れら問題点の解決を目的として考案された技術であり、
折り畳み扉を締め切った状態であっても該扉を開くこと
なく、手軽に人の出入りが可能な袖ドア付き折り畳み扉
を提供する。

（本考案の構成） 本考案に係る袖ドア付き折り畳み扉は上記問題点の解決
を図るため、次の特徴をもって構成されている。すなわ
ち、上記考案の名称のごとく、本考案は袖ドアを設けた
折り畳み扉であって、入口の一部に袖ドアとなる開きド
アを設けている。但し、前記のごとく該袖ドアと折り畳
み扉を並設したのでは全く意味がなく、外観上も好まし
くないのみならず、間口が袖ドアの分だけ狭くなるた
め、本考案では折り畳み扉を締め切った場合にのみ該袖
ドアが表面化し、折り畳んで入口を開口した状態では、
折り畳み扉が袖ドアの位置に折り畳まれるように構成し
たものである。したがって、吊元側の吊元框は吊元枠に
連結されることなく折り畳み扉の開閉に際し、袖ドアの
幅に相当する距離を摺動可能な状態に装着され、引戸側
へ引張られて締め切った状態で、上記吊元框は引戸側へ
引かれ、袖ドアが機能し、該袖ドアからの出入りが可能
となる。ここで、折り畳み扉の形状は特に限定するもの
ではなく、あくまで各扉片が継手部を介して連結され、
折り畳み可能な継手構造を有するものであり、又天井及
び床面に配置されたレール形状に応じ、単なる平面的な
折り畳み扉のみならず、該レールを湾曲して設けた曲面
状の折り畳み扉とすることもできる。更に袖ドアとして
は蝶番を介して揺動可能に軸支した開きドアのみなら
ず、引き戸式ドアも含める。

以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

（実施例） 第１図、第２図は本考案に係る袖ドア付き折り畳み扉の
実施例であって、概略図をもって示したものであるが、
同図において１は吊元枠、２は引戸枠、３は床レール、
４は吊元框、５は扉片である。上記吊元枠１、引戸枠２
及び天井レール（図示なし）、床レール３は壁６を開口
して形成された入口に取着され、天井レール及び床レー
ル３には折り畳み扉Ａが装着されている。該折り畳み扉
Ａは上記吊元框４と複数枚の扉片５、５…から構成さ
れ、各扉片５、５、…は継手部７、７を介して屈曲自在
に連結されている。そして、吊元枠１には袖ドア８が蝶
番９を介して開閉自在に取着されていて、該袖ドア８を
開けば吊元枠１と吊元框４の間に形成された間隙が補助
入口として出入り可能となる。

第１図は折り畳み扉Ａの各扉片５、５…が引き伸ばされ
た状態で入口は閉じられることになるが、引戸側扉片５
_Ｚが引戸枠２と当接した状態で吊元框４は吊元枠１から
一定距離Ｌだけ直進移動を行ない、吊元枠１との間に人
の出入が可能な間隙が形成される。勿論、袖ドア８の幅
より移動距離Ｌは大きくならないように、すなわち、袖
ドア８との間に隙間が発生しないようにはなっている。

第２図は各扉片５が折り畳まれた状態であって、扉片
５、５…は引戸側の扉片５_Ｚを吊元側へ向いて押圧すれ
ば、まず吊元框４は吊元枠１と接するまで移動し、更に
押圧するならば扉片５、５…は継手部７を中心に互いに
屈曲して折り畳まれる。折り畳まれる位置は吊元側であ
る。勿論、折り畳み扉Ａが開いて入口が開口した訳であ
り、袖ドア８を利用する必要性は全く無くなる。

ところで、第３図は扉片５が天井レール１１に吊り下げ
られた状態を示しており、該扉片５の上端には走行ロー
ラ１２が取着され、走行ローラ１２はレール片１３上を
移動する。そして、天井レール１１にはガイド片１４が
形成され、扉片５の両側を拘束している。扉片５の下端
にはスライダー１５が突出していて、該スライダー１５
は床レール３のガイド溝に拘束されて移動を行なう。勿
論、ここでこれら天井レール１１及び床レール３、更に
天井レール１１を走行する走行ローラ１２の形態は本考
案の要旨とするところではなく、その他適当な構成をと
ることは自由である。

第４図は建物本体の一部に突出して形成したサンルーム
又はテラスに、本考案の袖ドア付き折り畳み扉を採用し
た具体例を示している。該サンルーム１６は略長方形を
成し、その外周には折り畳み扉Ａが装着されていて、該
折り畳み扉Ａを折り畳むことで、該サンルーム１６は全
開し、サンルーム１６内は完全開放状態となる。そし
て、建物本体との境界で吊元側には袖ドア８が取着さ
れ、折り畳み扉Ａで完全にサンルーム１６が締め切られ
た場合でも、該袖ドア８から該サンルーム１６内への出
入が可能となる。

以上述べたように、本考案に係る袖ドア付き折り畳み扉
は、折り畳み扉の吊元側に開き扉である袖ドアをレール
に並設し、折り畳み扉の吊元框に、吊元枠から該袖ドア
の幅に相当する距離の移動自由度を与えたもので、次の
効果を与えることができる。

（効果） (1)このように吊元側に袖ドアを並設したことで、該折
り畳み扉を閉じた場合でも、該袖ドアを開閉して出入り
することができる。このことは引戸側へ回って折り畳み
扉を開く場合に比べ、いたって楽であると共に便利であ
る。

(2)又折り畳み扉を折り畳んだ状態では該袖ドアの位置
に隠れて収納されるため、外観上好ましく店舗等外装を
重要視する場合には最適であると共に、袖ドアの位置に
折り畳まれるために入口幅（間口）は該袖ドアによって
減少しない。

(3)更に折り畳み扉と直列状態で袖ドアを設ける場合、
間口が狭くなることは勿論、吊元枠と引戸枠間の距離
（長さ）が扉片の幅によって制約されることになるが、
本考案のごとく袖ドアを並設して取着すれば、扉片の幅
を規格化でき、全長の調整は袖ドアとの重複部分の長さ
でカバーし得るため、取付け作業上も便利となる。

【図面の簡単な説明】 第１図、第２図は本考案に係る袖ドア付き折り畳み扉の
実施例で、第１図は折り畳み扉を引き伸ばして入口を閉
じた場合、第２図は折り畳んで入口を開口した場合、第
３図は折り畳み扉の縦断面図で天井レールに吊り下げら
れている状態を、更に第４図はサンルーム又はテラスに
適用した例をそれぞれ示している。 １……吊元枠、２……引戸枠 ３……床レール、４……吊元框 ５……扉片、６……壁 ７……継手部、８……袖ドア ９……蝶番 11……天井レール、12……走行ローラ 13……レール片、14……ガイド片 15……スライダー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】天井レール及び床レールに沿って開閉する
   折り畳み扉において、該折り畳み扉の吊元側に位置する
   吊元框を吊元枠に固定することなく一定長さの移動自由
   度を与えて装着し、上記吊元側に該吊元框の移動距離に
   相当する幅を有す袖ドアを上記レールに並設したことを
   特徴とする袖ドア付き折り畳み扉。
2. 【請求項２】上記袖ドアを蝶番を介して軸支した揺動式
   ドアとした実用新案登録請求の範囲第１項記載の袖ドア
   付き折り畳み扉。
3. 【請求項３】上記袖ドアを引き戸式とした実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の袖ドア付き折り畳み扉。