JPH06159405A - 複合材料製ブレーキキャリパ - Google Patents

複合材料製ブレーキキャリパ

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JPH06159405A
JPH06159405A JP30394692A JP30394692A JPH06159405A JP H06159405 A JPH06159405 A JP H06159405A JP 30394692 A JP30394692 A JP 30394692A JP 30394692 A JP30394692 A JP 30394692A JP H06159405 A JPH06159405 A JP H06159405A
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JP
Japan
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caliper
aln
particles
volume
brake caliper
Prior art date
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JP30394692A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Yamada
泰弘 山田
Kunihiko Imahashi
▲邦▼彦 今橋
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で剛性に優れた複合材料からなるブレー
キキャリパ。 【構成】 AlまたはAl合金マトリクスにセラミック
粒子を複合した材料により製造されるブレーキキャリパ
であって、キャリパのブリッジ部にはTiB2、AlN
の1種または2種の粒子が体積率で30%以上が複合さ
れており、キャリパのシリンダ部、マウンティング部に
はTiB2、AlNの1種または2種の粒子が体積率で
0.5〜30%が複合されている。AlまたはAl合金
マトリクスにセラミック粒子を体積率で30%以上複合
したので、軽量で曲げ剛性が高く、またシリンダ部およ
びマウンティング部はセラミック粒子の体積率を0.5
〜30%としたので、セラミック粉末を添加し攪拌混合
したMMC溶湯を鋳造して作製することが可能であっ
て、生産性に優れ低コストで製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のディスクブレー
キのブレーキキャリパに関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキはドラムの代わりにホ
イールと共に回転する鋳鉄製円盤(ディスク)を取り付
け、その両側の外周に近い部分に、油圧ピストンで作用
するブレーキパッドを押し付けてその摩擦により制動す
る。その構造は図2の断面図および図3の斜視図に示す
ようにディスク10、マウンティング部24に支持され
たシリンダ部12、ピストン14、パッド16、ブリッ
ジ部18等により構成される。
【0003】このディスクブレーキの作動を図2に従っ
て説明すると、ピストン14に油圧がかかると、ピスト
ン14はA方向に前進し、その反力でブリッジ部18は
B方向に進む。これによりディスク10はパッド16に
よって圧着されて制動力が発生する。油圧が解除される
とピストン14はピストンリング20の変形分だけ戻
り、制動力も解除される。
【0004】以上説明した作動原理から理解されるよう
に、ロータ10を挟むブリッジ部18は7MPa以上の
大きな応力がかかり、変形を防ぐため高剛性が必要とな
る。そのため、現在はヤング率(剛性)が180GPa
である鋳鉄(FCD45)をブリッジ部、シリンダ部、
マウンティング部の全部分に使用している。
【0005】しかし、FCD45は比重が7.3g/c
3であり、例えば従来の鋳鉄製フロントキャリパで
7.1kgになり、サスペンションフィーリングに大き
く関係するバネ下荷重の増大を招いているため、軽量化
を行う必要がある。
【0006】かかる軽量化の試みとして、特開昭57−
25531号公報のディスクブレーキ用キャリパーの製
造方法の発明があり、この発明ではキャリパー本体部分
を鋼板または鉄系鋳物で形成し、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金でシリンダ部を鋳造する際にこのキャリ
パー部を鋳型にセットし鋳ぐるんで接合するものであ
る。
【0007】また、特開昭62−56630号公報の分
割キャリパの発明においては、ヨーク部とシリンダ部か
らなる分割キャリパにおいて、ヨーク部を繊維強化複合
材で形成すると共にシリンダ部をアルミニウムないしア
ルミニウム合金で形成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】軽量で高剛性のブレー
キキャリパを製造するためには、金属基複合材料(Me
tal Matrix Composites:以下M
MCと称する。)を使用する必要がある。しかし、軽量
で高剛性のMMCを使用するにあたり、キャリパ本体全
部(ブリッジ部、シリンダ部、マウンティング部)をセ
ラミック高体積率MMCを採用するのはコストが非常に
高い。
【0009】すなわち、高剛性MMC(Al基)の例で
は、ブリッジ部に必要な180MPa以上の剛性を得る
ためには、高体積率(50%程度)が必要であり、その
製造方法は先ずプリフォームを作製し、それに溶湯を含
浸する方法(溶湯含浸法)、または粉末冶金法がとられ
るので、通常の鋳造法よりコストが高くなる。
【0010】本発明はMMCを用いて軽量で高剛性のブ
レーキキャリパを製造する際の前記のごとき問題点を解
決するためになされたものであって、低コストで生産性
良く製造することのできる軽量で高剛性のブレーキキャ
リパを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者等は特に高剛性を
必要とする部位はブリッジ部であることに着目し、この
部位のみセラミックス分散材が高体積率のMMCとし、
その他の部分は低体積率のMMCとすることを考えた。
その結果、ブリッジ部以外の低体積率のMMCは安価な
鋳造法で製造できることを見出して本発明を完成した。
【0012】本発明の複合材料製ブレーキキャリパは、
AlまたはAl合金マトリクスにセラミック粒子を複合
した材料により製造されるブレーキキャリパであって、
キャリパのブリッジ部にはTiB2、AlNの1種また
は2種の粒子が体積率で30%以上が複合されており、
キャリパのシリンダ部、マウンティング部にはTi
2、AlNの1種または2種の粒子が体積率で0.5
〜30%が複合されていることを要旨とする。
【0013】体積率30%以上のMMC部は、溶湯によ
る鋳造が難しいので、例えばマトリクスのアルミニウム
合金粉末とTiB2、AlN粉末とを混合して所定の体
積率の成形体とし、これを型にセットしてアルミニウム
溶湯を加圧含浸させて作製する。粉末を焼結して作製す
ることも可能である。
【0014】一方、低体積率の部分は、アルミニウム溶
湯へTiB2、AlN粉末を添加し攪拌混合したMMC
溶湯を鋳造して作製する。なお、シリンダ部は複雑形状
をしているので、MMC溶湯を鋳造して作るのが適当で
ある。また、コスト面でも鋳造法が有利である。
【0015】
【作用】ブリッジ部はAlまたはAl合金マトリクスに
セラミック粒子を体積率(Vf)で30%以上複合した
ので、軽量で曲げ剛性が高く変位が少ない。なお、図4
はTiB2またはAlNの体積分率とヤング率との関係
を示す線図であり、図5はTiB2またはAlNの体積
分率と熱伝導率との関係を示す線図であるが、図4より
ヤング率はセラミック体積分率に直線的に比例して上昇
し、体積分率30%以上で所望のヤング率が確保できる
ことがわかる。
【0016】シリンダ部およびマウンティング部は、A
lまたはAl合金マトリクスにセラミック粒子を体積率
で0.5〜30%複合したので、従来のものに比べて剛
性が高く、ブレーキペダルを踏んで圧力がかかったと
き、膨張率が少なく、従ってペダルの踏み代が小さく、
また、作動の際の応力による変形が少ないため、ブレー
キフィーリングが良い。また、セラミック粒子の体積率
を0.5〜30%としたので、セラミック粉末を添加し
攪拌混合したMMC溶湯を鋳造して作製することが可能
であって、生産性に優れ低コストで製造できる。
【0017】ブリッジ部の変位が少ないと、両側のブレ
ーキパッドがロータに均一に当たり片当たりがなくな
る。さらに、シリンダ部に摺動特性の良いTiB2また
はAlNを複合したので、ピストンと摺動する際自身の
耐摩耗性が良くまた相手攻撃性も少ない。作動時、ロー
タとパッドの摩擦により、熱が発生するがブレーキ性能
の確保のため、その熱をすみやかに逃がす必要がある。
図5からわかるようにアルミ合金およびアルミ複合材
は、従来材の鋳鉄より熱伝導率が高く熱を逃がしやすい
ため、ブレーキの性能の向上につながる。またAlNを
添加することにより熱伝導率はさらに向上、マトリクス
材よりも熱が逃げやすくなっていることがわかる。
【0018】表1は粉末冶金法により製造したアルミニ
ウム合金マトリクス材と複合材のLFW摩擦試験結果を
示す表である。表1においてブロック材質には、試料N
o.1〜2はアルミニウム合金マトリクス材(Al−1
2Ni−12Si−3Fe−1Cu−1Zr−1M
o)、試料No.3〜4は前記マトリクス材に15%の
TiB2を複合した複合材、試料No.5は前記マトリ
クス材に15%のAlNを複合した複合材を用い、リン
グ材質SUJ2とし、回転数160rpm、荷重15k
gf、時間15min、油材質5W−30油中の試験条
件で行った。
【0019】
【表1】
【0020】表1より明らかなように、TiB2または
AlNを複合した試料No.3〜5は、マトリクス材の
みの試料No.1〜2と比べて摩擦係数が低く、耐摩耗
性に優れ、かつ相手攻撃性も少ないことがわかる。
【0021】本発明において、ブリッジ部にTiB2
AlNの1種または2種の粒子を体積率で30%以上複
合したのは、30%以上複合しないと所望のヤング率が
確保できないからである。なお、上限はMMCが可能な
らば特に限定されないが、靱性を確保するためには60
%以下とすることが好ましい。
【0022】また、シリンダ部、マウンティング部はT
iB2、AlNの1種または2種の粒子を体積率で0.
5〜30%複合したのは、0.5%未満では所望の剛性
を確保できないからであり、30%を越えるとMMC溶
湯を鋳造して作製することができなくなるからである。
【0023】
【実施例】本発明の好適な実施例を以下に説明する。 (実施例1)Al−Si−Mg系マトリクス粉末に、分
散材しとて粒径17μmのAlNを混合し、図1に示す
ようなブリッジ部18の形状の成形体を作製し、これを
型にセットしてAl−Si−Mg系合金溶湯を加圧含浸
させた。分散材の体積率は54%であった。続いて、T
6処理後に完成したブリッジ部のヤング率を測定したと
ころ、200GPaであった。
【0024】Al−Si−Mg系合金溶湯に分散材しと
て粒径17μmのAlNを体積率で30%混合し、MM
C溶湯とし図1に示すような形状のシリンダ部12を鋳
造した。このシリンダ部12のヤング率を測定したとこ
ろ、140GPaであった。この2種のMMCをボルト
22で結合してブレーキキャリパとした。
【0025】(実施例2)Al−Cu−Mg系マトリク
ス粉末に、分散材しとて粒径17μmのTiB2を混合
し、図1に示すようなブリッジ部18の形状の成形体を
作製し、これを型にセットしてAl−Cu−Mg系合金
溶湯を加圧含浸させた。分散材の体積率は50%であっ
た。続いて、T6処理後に完成したブリッジ部のヤング
率を測定したところ、180GPaであった。
【0026】Al−Cu−Mg系合金溶湯に分散材しと
て粒径17μmのTiB2を体積率で0.5%混合し、
MMC溶湯とし図1に示すような形状のシリンダ部12
を鋳造した。このシリンダ部12のヤング率を測定した
ところ、80GPaであった。この2種のMMCをボル
ト22で結合してブレーキキャリパとした。
【0027】
【発明の効果】本発明の複合材料製ブレーキキャリパは
以上説明したように、AlまたはAl合金マトリクスに
セラミック粒子を複合した材料により製造されるブレー
キキャリパであって、キャリパのブリッジ部にはTiB
2、AlNの1種または2種の粒子が体積率で30%以
上が複合されており、キャリパのシリンダ部、マウンテ
ィング部にはTiB2、AlNの1種または2種の粒子
が体積率で0.5〜30%が複合されていることを特徴
とするものであって、AlまたはAl合金マトリクスに
セラミック粒子を体積率で30%以上複合したので、軽
量で曲げ剛性が高く、またシリンダ部およびマウンティ
ング部はセラミック粒子の体積率を0.5〜30%とし
たので、セラミック粉末を添加し攪拌混合したMMC溶
湯を鋳造して作製することが可能であって、生産性に優
れ低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキキャリパの側面図である。
【図2】ディスクブレーキの構造を説明する断面図であ
る。
【図3】ディスクブレーキの斜視図である。
【図4】TiB2またはAlNの体積分率とヤング率と
の関係を示す線図である。
【図5】TiB2またはAlNの体積分率と熱伝導率と
の関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 ディスク 12 シリンダ部 14 ピストン 16 パッド 18 ブリッジ部 20 ピストンリ
ング 24 マウンティング部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlまたはAl合金マトリクスにセラミ
    ック粒子を複合した材料により製造されるブレーキキャ
    リパであって、キャリパのブリッジ部にはTiB2、A
    lNの1種または2種の粒子が体積率で30%以上が複
    合されており、キャリパのシリンダ部、マウンティング
    部にはTiB2、AlNの1種または2種の粒子が体積
    率で0.5〜30%が複合されていることを特徴とする
    複合材料製ブレーキキャリパ。
JP30394692A 1992-11-13 1992-11-13 複合材料製ブレーキキャリパ Pending JPH06159405A (ja)

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JP30394692A JPH06159405A (ja) 1992-11-13 1992-11-13 複合材料製ブレーキキャリパ

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996007033A1 (de) * 1994-08-31 1996-03-07 Itt Automotive Europe Gmbh Bremssattel für scheibenbremse
DE102008002538A1 (de) * 2008-05-30 2009-12-03 Robert Bosch Gmbh Bremssattel aus mindestens 2 Komponenten
WO2010131273A1 (en) * 2009-05-13 2010-11-18 Freni Brembo S. .A. Method for the manufacturing of a component for a braking system and component for a braking system
US11802600B2 (en) * 2016-04-22 2023-10-31 Brembo S.P.A. Caliper body of a caliper for disc brake

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