JPH06159071A - 2サイクル内燃機関におけるガス交換法および該方法を実施するための2サイクル内燃機関 - Google Patents

2サイクル内燃機関におけるガス交換法および該方法を実施するための2サイクル内燃機関

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JPH06159071A
JPH06159071A JP5188031A JP18803193A JPH06159071A JP H06159071 A JPH06159071 A JP H06159071A JP 5188031 A JP5188031 A JP 5188031A JP 18803193 A JP18803193 A JP 18803193A JP H06159071 A JPH06159071 A JP H06159071A
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internal combustion
stroke
combustion engine
scavenging
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Ernst Linder
リンダー エルンスト
Hans Schlembach
シュレムバッハ ハンス
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Robert Bosch GmbH
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ループ掃気法の利点とヘッド掃気法の利点と
が同時に得られるような方法を提供する。 【構成】 第1の掃気工程として実施されるループ掃気
の他に、第2の掃気工程として前記第2の燃焼空気供給
を燃焼室内のガスのために使用し、この場合、燃焼室の
点火個所の範囲に点火性の燃料空気混合気を形成し、前
記第2の空気供給の空気量を、流入弁の上流側と下流側
との圧力差によって制御し、流入弁自体を前記圧力差に
よって操作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2サイクル内燃機関に
おけるガス交換法であって、燃焼室でループ掃気を実施
し、この場合、燃焼室内で機関ピストンによって、下死
点(UT)の近くで機関シリンダに設けられた流入スリ
ットと流出スリットとを制御して、燃焼空気を前圧縮し
て吹き込み、機関負荷に相当する燃料量を燃焼室に点火
個所の範囲で供給して、制御し、流入弁を介して制御さ
れる第2の燃焼空気供給を実施し、この場合、前圧縮下
にある燃焼空気を同じく点火個所の範囲で燃焼室に供給
する形式のものに関する。
【0002】さらに、本発明は、このような形式の方法
を実施するための2サイクル内燃機関に関する。
【0003】
【従来の技術】周知のように、内燃機関における2サイ
クル法は、火花点火式の内燃機関の場合でも、自己点火
式の内燃機関の場合でも、特にガス交換過程において種
々の欠点を持っている。ガス交換過程では、点火時機に
点火個所で、点火性でかつ可燃性の混合気が存在してい
なければならず、他面、掃気過程では燃焼室に残った排
ガス成分ができるだけ小さくなければならない。すなわ
ち、周知のように、ピストン行程の15〜25%は作業
利益のためには利用不可能である。なぜならば、充てん
容量しか作業に変換可能でないからである。このために
は、掃気形式、つまり燃焼空気の供給形式や、燃焼空気
がスリットまたは弁を介して燃焼室に供給される前に行
われる燃焼空気の前圧縮形式が極めて重要である。悪い
掃気過程や、点火個所の範囲における不都合な混合気形
成は点火不良、走行特性の悪化、HC放出量の増大およ
び燃焼消費の悪化を招いてしまう。
【0004】2サイクル内燃機関において最も多く使用
されている掃気形式は、ループ掃気(反転掃気)であ
る。この場合、特に機関構造が単純になり、かつ製造コ
ストが低くなるという利点が認められるが、しかし回転
数領域全体にわたって最適な掃気特性を得ることは特に
困難である。その理由は、この場合に存在するスリット
制御において、排気装置の振動特性が直接に作用してし
まうからである。通常では、高い回転数において最も好
都合な掃気特性が得られるように排気装置が最適化され
る。この場合、流入スリットは側方で、流出スリット開
制御後に比較的遅く開制御されるので、負圧の圧力波は
既に減衰されており、流出スリットが閉鎖される前に、
排気装置で反射された圧力波が再び流出スリットに生じ
てしまう。これによって、燃焼空気と燃料とに関する極
めて悪い充てん特性が生ぜしめられて、一方では排ガス
に対して悪い影響を及ぼし、他方では燃焼室内に高い排
ガス残留量を生ぜしめてしまう。このことは走行特性の
悪化を招いてしまう。たしかに、付加的な外部チャージ
ブロワ、つまり対応して高い燃焼空気前圧縮または排ガ
ス流の制御に基づき、掃気兼充てん特性の改善を得るこ
とができるが、しかしループ掃気の基本的な問題を解消
することはできない。これに対して、ヘッド掃気式の2
サイクル内燃機関は、流入弁と流出弁との時間的に適宜
な制御に基づき、特に燃焼室内部の点火個所の範囲にお
いて極めて良好な掃気が行なわれるという利点を持って
いる。しかしながら、このような掃気法もやはり次のよ
うな欠点を伴なってしまう。すなわち、2サイクル内燃
機関にとって典型的なガス交換時の弁制御において、良
好な充てんを得るためには相応して大きな制御横断面積
が弁に提供されていなければならない(4以上の弁)
か、もしくは燃焼空気のために出力の大きなチャージャ
(圧縮機)が必要となってしまう。弁駆動装置もチャー
ジャも、高い構造手間とコスト手間を必要とする。それ
に加えて、ループ掃気式の内燃機関に比べて、ヘッド掃
気式の2サイクル内燃機関では損失出力が比較的高くな
ってしまう。このことは、燃料消費に不都合に作用し、
特にNOx放出に不都合に作用してしまう。必要とされ
るガス交換が短時間であることに基づき、弁駆動装置は
4サイクル内燃機関に比べて2倍の周波数で作動しなけ
ればならず、このことは、質量力を支配するために、か
なりの問題を生ぜしめる。したがって、機関の最大回転
数は比較的低い値にまで制限されている。
【0005】冒頭で述べた形式の公知のガス交換法(P
eugeot,SAEーPaper9008001、1
990年)では、スリット制御されるループ掃気に対し
て付加的に、比較的少量の燃焼空気量が、シリンダヘッ
ドに設けられた流入弁を介して供給される。この燃焼空
気量は燃焼室内に存在するガス量を掃気するために役立
つのではなく、吸込み側で調量された燃料の調製や搬送
のために役立つ。この理由から、この燃焼空気量は最大
でもシリンダ充てん容量の10%である。燃焼空気のた
めの圧縮機としては、クランクケースがポンプとして働
くことが知られている。付加的な空気通路によって生ぜ
しめられる不都合なスペースは、相応してポンプ効率を
悪化させてしまい、このことは、燃焼空気の前圧縮の悪
化、ひいては上記欠点を招いてしまう。
【0006】別の公知の方法(Orbital von
Ford Word′sEngine Update
1989年)では、燃料搬送もしくは燃料/空気量の
調製に役立つ別個の燃焼空気を前圧縮するために、5〜
7バールの圧力レベルを有する別個の圧力空気ポンプが
使用される。
【0007】上記2つの公知の方法では、燃焼室内の圧
力が、吸込み管内の圧力よりも高くなると、燃料空気混
合気が押し戻されることを阻止するために燃料吹込みが
中断されなければならない。この、流入弁の遮断時機と
点火時機との間の時間区分では、特に低い負荷の場合
に、燃焼室内の燃料が、スリットを介して供給された装
入物と混合するおそれがある。この場合、前記燃料は望
ましくないほど強力に希薄されてしまい、このことは、
点火時に問題を生じてしまう。これに加えて、実際に掃
気が改善されることなく、上記のループ掃気法およびヘ
ッド掃気法の欠点が残ってしまう。上記2つの方法で
は、シリンダヘッド範囲における吸込み側の噴射を、2
サイクル内燃機関におけるループ掃気法と組み合わせよ
うとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
で述べた形式の方法を改良して、上記欠点が回避され、
しかもループ掃気法の利点とヘッド掃気法の利点とが同
時に得られるような方法を提供することである。
【0009】さらに本発明の課題は、このような方法を
実施するための有利な2サイクル内燃機関を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の方法では、第1の掃気工程として実施される
ループ掃気の他に、燃焼室内のガスの第2の掃気工程と
して前記第2の燃焼空気供給を利用し、この場合、燃焼
室の点火個所の範囲に点火性の燃料空気混合気を形成
し、前記第2の空気供給の空気量を、流入弁の上流側と
下流側との圧力差によって制御し、流入弁自体を前記圧
力差によって操作するようにした。
【0011】さらに、上記課題を解決するために2サイ
クル内燃機関の本発明の構成では、少なくとも1つの燃
焼室が設けられていて、該燃焼室が、それぞれ機関シリ
ンダと機関ピストンとシリンダヘッドとによって仕切ら
れており、燃料供給装置と、燃料量制御装置と、燃焼空
気のための少なくとも1つの空気圧縮機とが設けられて
おり、ループ掃気のために役立つ第1の掃気量のために
機関ピストンの下死点の範囲で機関シリンダの周壁に、
機関ピストンによって制御される流入スリットと流出ス
リットとが設けられており、さらに、シリンダヘッドに
燃焼空気のための少なくとも1つの付加的な流入通路が
設けられており、該流入通路が、閉鎖方向で燃焼室圧に
よって負荷された流入弁によって制御されるようになっ
ている形式のものにおいて、第2の掃気量のための流入
弁がフラッタ弁として構成されており、該フラッタ弁の
可動の弁部材が、少なくとも1つの閉鎖ばねによって開
放方向とは逆の方向で負荷されていて、弁座の上流側で
開放方向に作用する有効面積を有しており、前記流入弁
の開制御が、該流入弁の、開放方向もしくは閉鎖方向に
作用する有効面積の差に基づき、閉鎖ばね力を考慮して
行なわれるようにした。
【0012】
【発明の効果】本発明によるガス交換法もしくは本発明
による2サイクル内燃機関には、従来のものに比べて次
のような利点がある。すなわち、ループ掃気の利点が、
ヘッド掃気の利点と組み合わされており、しかもシリン
ダヘッドと、この場所でたんに差圧制御される流入弁と
を介して、公知の方法の場合に比べて著しく大きな燃焼
空気量、つまりシリンダ充てん容積の40%にまでが燃
焼室に案内されるようになる。本発明によれば、比較的
小さな正圧で大量の空気が圧送される。このことは、公
知の方法において燃焼空気の前圧縮時に形成される高い
圧力よりも技術的に簡単にかつ廉価に実現可能である。
さらに、本発明の利点は燃焼室の掃気改善、点火不良の
減少、HCの低減、燃料消費の節約、特に下側の回転数
領域におけるトルクの増大、比較的小さなブロワ出力、
機械的な損失の減少および等しいトルクにおける比較的
小さな平均圧に認められる。これによって、NOxの低
減と燃料消費の改善とが得られる。本発明による2工程
式の掃気法は火花点火式の2サイクル内燃機関において
も、自己点火式の内燃機関においても使用することがで
き、しかも特に制御の面倒な手間のかかる流入弁制御な
しに実施される。特に重要であることは、カム軸制御さ
れる弁とは異なり、このような純然たる差圧に関連して
制御される弁が回転数制限されていないことである。
【0013】本発明の有利な実施態様では、両掃気工程
の燃焼空気の前圧縮がクランクケースで行なわれる。こ
の場合、単純な構造、低い重量、より高いトルクを有す
る回転性、低い機械的な損失、低いNOxおよび点火不
良の傾向減少に利点が認められる。
【0014】本発明の別の有利な実施態様では、両掃気
工程の燃焼空気がチャージャを介して圧縮される。この
場合に生じる少しだけ高い機械的損失と、同じく少しだ
け高いNOxとは高い回転性における極めて高いトルク
が得られるという利点によって補償され、しかもこの場
合、もはや点火不良も生じない。
【0015】上記2つの実施態様では、燃焼空気が流入
制御スリットもしくは流入弁に向かって適宜に通路案内
され、この場合、空気流への適当な干渉により、空気量
に対して付加的な影響を与えることができる。
【0016】本発明のさらに別の有利な実施態様では、
第1の掃気工程のための燃焼空気がクランクケース内で
圧縮され、第2の掃気工程のための燃焼空気が別個のチ
ャージャで圧縮される。2つの空気量は互いに無関係に
制御することができ、これによって、2工程掃気法を最
適化することができる。このような別個の前圧縮機を組
み合わせることの大きな利点は、内燃機関の高い回転性
と高いトルクとにおいて機械的損失が若干低減可能にな
ることにある。さらに、このような別個の燃焼空気制御
に基づき、NOx放出を著しく低減させることもでき
る。
【0017】本発明のさらに別の有利な実施態様では、
第2の掃気工程に基づき、機関ピストンの下死点(U
T)手前でクランク軸40゜を超えた後でしかオーバフ
ロースリットを開制御することができない。これによっ
て、下側の回転数領域における一層高い新ガス成分によ
り、トルクが改善される。すなわち、このことは原則的
に、付加的なチャージャが設けられている場合以外でも
有効となる。
【0018】本発明のさらに別の有利な実施態様では、
排ガス流が制御されて絞り可能となる。これによって、
排ガス装置は出力最適化され、燃焼室内の平均圧もしく
は内燃機関のトルク経過に対して直接的な影響を持つよ
うになる。これによって、排ガス装置から出発する、反
射された圧力波は時間的にも、強度的にも、制御するこ
とができる。
【0019】2サイクル内燃機関に関する本発明の別の
有利な構成では、可動の弁部材が弁リングとして形成さ
れており、この弁リングが第2の掃気量のための、対応
して環状に配置された所定数の流入通路を制御するよう
になっていて、複数の連行抗張材を介して閉鎖ばねに連
結されている。差圧制御のためのリングに設けられた所
望の作用面積が環状弁を特に好都合に可能にしているこ
とは別として、弁部材が環状に形成されていることに基
づき、特に皿形弁に比べて大きな流過横断面積が可能に
なる。これに加えて、比較的大きな流入空気量が弁に対
して好都合な冷却作用を加えるようになる。とりわけ、
大きな流入横断面積を解放するためには、このような環
状弁の比較的小さな行程で十分となる。
【0020】本発明のさらに別の有利な構成では、この
流入弁が複座式のフラッタ弁として働くようになってい
る。この場合、弁リングはシリンダヘッドに向かって円
錐状に形成されていてよく、対応して内部円錐状に形成
された、シリンダヘッドに配置された座面と協働する。
この座面には、流入通路が開口している。弁リングが三
角形の横断面を有していると有利である。弁リングがそ
の両座部から、つまり内側の弁座と外側の弁座とから持
ち上がるやいなや、第2の掃気量のための2つの大きな
通流横断面積が提供される。楔形状を有する三角形の横
断面は構造的にシリンダヘッドにおいて好都合な燃焼凹
部を生ぜしめるので、たとえば直接燃料噴射の場合に
は、燃料噴流がシリンダ壁ではなく、弁リングに衝突す
るようになり、この場所から燃料噴流は流入する燃焼空
気によって搬出され、またピストンが上死点に近づくと
対応するスキシ(Squish)流によって搬出され
る。
【0021】本発明のさらに別の有利な構成では、弁座
が、シリンダヘッドに設けられた環状溝に嵌め込まれた
弁リング座部に配置されている。この場合、弁リング座
部は同心的に配置された2つの弁座リングから成ってい
てよい。すなわち、弁リング座部は内側弁座リングと外
側弁座リングとから成っており、これら両弁座リングの
間に、ガス通流のための環状室が設けられている。本発
明によれば、内側弁座リングに前記環状室に向かって斜
めに配置された、空気流に渦流を形成するための案内羽
根が配置されていてよい。これによって、渦流により、
供給される燃焼空気と、弁リング表面に沈積された燃料
との間の高い相対速度が得られる。燃焼空気に対する燃
料のこのような好都合な分配と共に、特に下側の負荷領
域においては、前記2工程掃気法に基づき燃料消費およ
び排ガスに関する公知の利点を有する層状装入が行なわ
れる。この場合、点火範囲には十分な酸素が確実に存在
するようになる。N0x放出低減のために重要な残留ガ
ス充てんは、シリンダヘッド範囲よりも機関ピストン範
囲に集中するので、残留ガス成分に関しても、ポジティ
ブな層形成が生じる。
【0022】本発明のさらに別の有利な構成では、抗張
材がシリンダヘッドの孔に流入通路の近くで案内されて
おり、この場合、閉鎖ばねが、シリンダヘッドに設けら
れた流入通路の上流側に配置されている。これによっ
て、閉鎖ばねは燃焼ガスにさらされなくなり、この場
合、連行材はガイドに基づき極めて質量少なく構成され
得る。
【0023】本発明のさらに別の有利な構成では、閉鎖
ばねとして板ばね装置が働く。この板ばね装置はシリン
ダヘッドに、弁座とは反対の側で固定されている。この
場合、板ばね装置は少なくとも3つの個々の板ばねから
成っていてよい。この板ばねは楕円形の板から成ってい
てよく、この板は長手方向切欠きを備えている。この長
手方向切欠きに形成された真ん中のウェブには、前記連
行材が枢着されており、それに対して外側ウェブはシリ
ンダヘッドに固定されている。このようなフラッタ弁の
利点は、この弁の質量が少ないという理由からも、流入
通路の前後における圧力差に対する迅速な反応性にあ
る。この場合、上で述べたように、小さな行程において
大きな開放横断面積が可能となる。
【0024】本発明のさらに別の有利な構成では、板ば
ね装置の行程が行程キャッチャによって制限される。行
程キャッチャは流入弁の行程運動時に行程に関連して、
つまり行程キャッチャにおける板ばねの支持点を行程に
関連して異ならせることによって板ばねの有効長さを変
化させ、この場合、特に上側の行程キャッチャと下側の
キャッチャとが設けられていてよい。この行程キャッチ
ャはそれぞれリングとして構成されており、しかも閉鎖
行程のために働く上側の行程キャッチャは扁平に構成さ
れていてよく、それに対して、開放過程のために働く下
側の行程キャッチャは対応して皿形に形成されていてよ
い。本発明による行程キャッチャはニューマチック式の
圧搾流(スキシ)による行程当接時に減衰を生ぜしめ、
板ばねにおいて制御されていない跳ね返りや、弁衝突時
の板ばねのばたつきを阻止する。下側の行程キャッチャ
はプログレッシブなばね特性に基づき衝突を減衰し、こ
の場合、行程キャッチャ輪郭は板ばねの曲げラインから
偏倚しており、この場合、衝突付近で行程キャッチャに
対する板ばねの支持点が半径方向外側から内側に移動
し、したがって板ばねの有効長さが小さくなるようにな
っている。同様のことは上側の行程キャッチャに対して
も言える。これによって、可動の弁部材に作用する板ば
ねの閉鎖力もしくは戻し力は、板ばねの行程、つまり貫
流する空気量に関連して変化する。この場合、開放運動
と閉鎖運動とは、高い作業周波数に関する欠点なく減衰
される。
【0025】本発明のさらに別の有利な構成では、2サ
イクル内燃機関が燃焼空気入口の範囲に位置する点火個
所に設けられた点火プラグによって火花点火式に作動す
る。燃料は本発明によれば吸入管噴射式で供給され得
る。すなわち、燃料は流入弁の上流側で供給され得る。
この場合、燃料は意図的に非対称的に第2の掃気量(燃
焼空気)に分配され、これによって、燃料が残留ガス巣
に流入することが回避される。
【0026】本発明のさらに別の有利な構成では、燃料
が、噴射弁を介して直接に燃焼室に噴射される。火花点
火式の内燃機関では、前記噴射が点火時機の直前に行な
われ、この場合、この時間区分は、点火が行なわれる前
に特に第2の掃気量と燃料との間の層状装入を得るため
に十分である。決定的であるのは、点火プラグ範囲に十
分な酸素が存在していることである。この場合の利点は
特に低いNOx放出量にある。いずれにせよ、噴射コー
ンと点火火花との交差が行なわれなければならない。
【0027】本発明のさらに別の有利な構成では、噴射
ノズルと点火装置とが1つのユニットとして形成されて
おり、このユニットが、少なくとも1つの噴射開口を有
する噴射弁を備えており、この噴射弁が保持管に対して
電気的に絶縁されており、この保持管で前記噴射弁が内
燃機関に組み込まれており、前記ユニットがさらに、噴
射開口の近くで噴射コーンに2つの点火電極を備えてお
り、一方の電極が、噴射弁のボディに配置されていて、
この噴射弁を介して電気的に接続されており、他方の電
極が、前記保持管を介して内燃機関に対してアースされ
ている。このような装置は公知である(ドイツ連邦共和
国特許第3731211号明細書)が、しかし上で説明
したような点火不良に関する固有の問題や、特定の、特
に低い回転数領域におけるその他の欠点を持ったような
2サイクル内燃機関に用いられるわけではなく、最適化
された掃気過程を持った2サイクル内燃機関に用いられ
る。特に、点火個所に非点火性の混合気が存在してしま
う危険は減じられる。上で説明した2サイクル内燃機関
の掃気過程では、ガス供給時機と点火時機との間に位置
する時間区分において、特に低い負荷と低い回転数の場
合に燃料と、まだ掃気されていない装入物との混合が行
なわれてしまうおそれがある。このことは、著しい希釈
や、ひいては点火不良を招いてしまう。このことは、高
い圧力下での時間的に適宜に行なわれる噴射によって回
避される。この場合、このような方法は燃焼空気の高い
圧縮圧で実施されるような方法よりも簡単かつ安価に実
施される。こうして、本発明による2工程掃気法は大き
く改善されて、上で説明した掃気法を持った2サイクル
内燃機関の典型的な欠点を回避する。
【0028】本発明のさらに別の有利な構成では、第2
の掃気量の流れ通路に流過横断面積を制御するための御
装置(調節可能な絞り)が配置されている。これによっ
て、第2の掃気量は臨界回転数の領域において絞られ、
つまり高い回転数では遮断され得る。このことは、本発
明によれば、たとえば磁気手段によってフラッタ弁の開
放をロックすることによっても実施され得る。
【0029】
【実施例】以下に、本発明による2工程掃気法を、燃焼
空気供給に関して互いに異なって形成された3つの実施
例につき詳しく説明する。
【0030】3つの実施例の全てにおいて、以下におい
て第1の掃気工程と呼ばれる掃気法の一部として実施さ
れる汎用の公知のループ掃気(反転掃気)の他に、掃気
法の第2の部分が実施される。この第2の部分では、第
2の掃気工程としてシリンダヘッドを介して燃焼室に燃
焼空気が導入され、この場合、フラッタ弁が空気流入を
制御する。本発明による2工程掃気法において使用され
る全ての流入弁にとって特徴的であるのは、この流入弁
がこの弁の上流側もしくは下流側に生じる圧力によっ
て、つまり圧力差によって開閉制御されるようになって
いて、汎用的に使用されるようなカム軸による強制制御
によっては開閉制御されるのではないことである。本発
明による方法の特徴は、さらに上で詳しく説明されてい
る。
【0031】図1には、到達可能な最大平均圧の経過
が、2サイクル内燃機関の回転数との関係で示されてい
る。この場合、横座標軸には、1分間当りの内燃機関の
回転数(l/min)が示されており、縦座標軸には、
内燃機関の最大有効平均圧が示されている。実線で示し
た下側の特性線Aは通常のループ掃気が行なわれる2サ
イクル内燃機関に相当している。破線で示した特性線C
は本発明により最適化された内燃機関を示している。特
性線Aでは、下側の回転数領域において、新装入損失が
極めて高い。その理由は、排気部から2サイクル内燃機
関の流出スリットを介して逆流するガスが、流入スリッ
トを介して流入する燃焼空気に侵入して、この燃焼空気
を一種の内部排ガス戻し案内のようにして希薄してしま
うからである。このような成分は、さらに下で説明する
本発明による2工程掃気法によって極めて大きく減じら
れる。これにより、平均的な回転数領域ならびに低い回
転数領域においても、高い回転数の場合と同様に良好な
新ガス装入値と効率とが得られるようになる。点火不良
が減少し、HCも減少する。消費は好都合となり、下側
の回転数領域におけるトルクも大きく改善される。符号
Cで示した特性線はもちろん、次のような本発明による
利点にも基づいている。すなわち、排気装置への新ガス
損失が著しく減じられる訳である。このことは、相応し
て上記利点にも役立つ。ループ掃気に重畳されたヘッド
掃気(第2の掃気工程)が付加的なブロワを介して行な
われると、特性線Bが得られる。
【0032】図2には、2サイクル内燃機関の原理図が
示されている。この場合、燃焼室1は機関シリンダ2と
機関ピストン3とシリンダヘッド4とによって仕切られ
ている。機関ピストン3はクランク軸5と協働し、この
場合、機関ピストン3の下面はクランクケース6と共に
1つのポンプを形成している。このポンプは、機関ピス
トン3の上昇行程時にリード弁7を介してクランクケー
ス6の外部から燃焼空気を吸い込んで、この燃焼空気
を、機関ピストン3の下降行程時に、対応してリード弁
7が閉じられた状態において流入通路8を介して燃焼室
1に送出する。機関シリンダ2の周壁には、下側の範囲
で流入スリット9と流出スリット11とが配置されてい
る。この流入スリットと流出スリットとは、機関ピスト
ン3の行程時にこの機関ピストンによって制御され、し
かも下側の行程範囲で、図示したように開制御されてい
る。
【0033】2サイクル内燃機関では、燃焼室1内で点
火が行なわれて、対応して膨脹が行なわれると同時に機
関ピストン3が下方にシフトされ、次いで流出スリット
11が開制御された後に、ガスが排気部に押し退けられ
る。それと同時に、開制御された流入スリット9を介し
て燃焼室1に新しい燃焼空気が流入して、排ガスの流出
を助成する。このことは、以下において第1の掃気工程
と呼ぶ。
【0034】第2の掃気工程はシリンダヘッド4を介し
て行なわれる。このシリンダヘッドでは、シリンダヘッ
ド4に設けられた流れ通路12を介して、前圧縮された
燃焼空気が燃焼室1に流入する。この燃焼空気は第2の
掃気工程に役立ち、点火性の混合気の形成のためにも役
立つ(さらに下で説明する)。第1の掃気工程と第2の
掃気工程とは、冒頭で述べたように掃気方法を最適化に
する。この第2の燃焼空気量の制御はフラッタ弁13を
介して行なわれる。このフラッタ弁は比較的滑らかなば
ね力によって閉鎖方向に負荷されている(さらに下で説
明する)。このフラット弁は主として、流れ通路12と
燃焼室1との間のガス圧差によって開制御可能である。
この場合、既に僅かな行程において、大きな流過横断面
積が開放される。燃料供給形式および点火形式は、図
2、図3および図4に示した3つの実施例では図示され
ていないが、しかし種々様々な形式であってよく、たと
えば、吸入管噴射、直接噴射もしくは火花点火式内燃機
関、自己点火式内燃機関であってもよい。
【0035】流れ通路12には、さらに絞りフラップ1
4が配置されており、これによって、第1の掃気工程と
第2の掃気工程とに対してクランクケース6から供給さ
れた、圧力下にある燃焼空気量の分配が行なわれるよう
になり、高い回転数領域においてのみ第2の掃気工程が
停止され、この場所で弁の質量力による摩耗が制限され
るようになる。
【0036】図3および図4に示した別の2つの実施例
では、第1の実施例の場合と同じことが言える。すなわ
ち、同じ構成の部分は同一の符号を備えており、それに
対して、変えられた部分または付加的な部分は新しい符
号を備えている。
【0037】図3に示した本発明による2工程掃気法の
第2実施例では、第1の掃気工程の燃焼空気も、第2の
掃気工程の燃焼空気も、チャージャ15を介して圧縮さ
れて供給され、原則的に図2に示した第1実施例の場合
と同様に、両掃気工程に分配される。このようなブロワ
掃気では、特に回転数とは無関係な、より高い圧縮値が
問題なく達成され得るので、特に低い回転数領域におい
て高いトルクが生じ、均一な混合気調製に基づき点火不
良も生じない。
【0038】図4に示した本発明による2工程掃気法の
第3実施例では、燃焼空気供給における組み合わせが行
なわれる。すなわち、燃焼空気供給が、第1の掃気工程
に関してはクランクケース6からの空気圧縮によって行
なわれ、第2の掃気工程に関してはチャージャ16を介
しての空気圧縮によって行なわれる訳である。クランク
ケース6に通じた吸込み導管に設けられた絞り17によ
って、クランク圧縮機とチャージャとによって送出され
る空気量の調整を、特にクランクケースポンプの送出の
回転数関連性に関して制御することができる。すなわ
ち、チャージャ16によって送出される第2の掃気量は
フラッタ弁13によってしか制御されなくなり、クラン
クケース6からの第1の掃気量は流入スリット9を介し
てしか燃焼室1に供給されなくなる。この第3実施例
も、上で図2につき説明した第1実施例と同様に作動す
る。チャージャ16はカップリングを介して遮断可能で
あって、最高回転数において遮断されるようになってい
る。
【0039】図5には、図2、図3および図4に示した
実施例のために適しているようなシリンダヘッド18の
縦断面図が示されている。このシリンダヘッド18は機
関シリンダ2に配置されていて、この場所で燃焼室1を
仕切っている。この燃焼室は機関ピストン3によっても
仕切られる。シリンダヘッド18には、供給通路19が
設けられており、この供給通路は、図6から判かるよう
に腎臓形の流入通路21を介して燃焼室1に接続されて
いる。供給通路19は同じく流れ通路12にも接続され
ている。
【0040】図示のフラッタ弁は可動の弁部材として、
三角形の横断面を持った弁リング22を有している。こ
の弁リングは2つの弁座リングと、つまり内側の弁座リ
ング23およと外側の弁座リング24と協働する。弁座
リング23,24は燃焼室側で、シリンダヘッド18に
設けられた環状溝25に支承されていて、腎臓形の流入
通路21と交差している。弁リング22は3つの抗張材
26を介して、楕円形に成形された各1つの板ばね27
に連結されている。この板ばねは、3つで相並んで位置
して端部で互いに結合されたばねウェブを備えている。
他方において、前記板ばねはシリンダヘッド18に設け
られた支持アイ28に支持されて、ねじ29によってこ
の場所に固定されている。図8からも判かるように、外
側の2つのばねウェブ41が、板ばねをシリンダヘッド
36に固定するために役立つのに対して、真ん中のばね
ウェブ42には、抗張材26が枢着されている。図面か
ら認められるように、弁リング22において流入弁の上
流側と下流側とでガス圧にさらされる面積は比較的大き
く形成されるので、比較的低い圧力差においても相応し
て大きな開放力が生じる。弁リング22が弁座リング2
3,24から持ち上がるやいなや、弁リングと座部との
間には、環状の2つの流過部が形成されるので、燃焼空
気の第2の掃気量に対する流れ抵抗も比較的小さくな
る。これに加えて、可動部分の質量減少、ひいては高い
可能な周波数が得られる。
【0041】中心では、シリンダヘッド18にコンパク
トな、組み合わされたプラグ/ノズル32が鉛直に配置
されている。このプラグ/ノズルは原理的に、ドイツ連
邦共和国特許第3731211号明細書に記載されてい
るように構成されていてよい。
【0042】図5には、IIIで前記直接噴射の噴射コ
ーンが図示されている。燃料は部分的に弁リング22に
衝突し、したがって流入する燃焼空気によって連行さ
れ、この燃焼空気と特に良好に調製される。点火は、一
方では電極33を介して行なわれ、この電極には、噴射
ノズル34が導電接続されている。第2の電極35はア
ース電極としてプラグ/ノズル32の外周壁に、ひいて
はシリンダヘッド18に導電接続されている。したがっ
て、点火個所は、規定のクランク軸回転位置もしくは機
関ピストン3の規定の位置における点火時機に関して、
小さな噴射量の場合でも点火性の燃料空気混合気が保証
されているような範囲に位置している。
【0043】図7には、原則的に図5に示したシリンダ
ヘッドに相当しているシリンダヘッド36が図示されて
いる。ただし、この場合、燃料は低圧噴射弁37を介し
てシリンダヘッドの供給通路19に、しかも流入通路2
1の上流側で噴射される。これによって、燃料空気混合
気は流入通路21を介して燃焼室1に送入されて、この
場所で点火プラグ40を介して汎用の形式で点火され
る。低圧噴射弁37は種々異なる位置でシリンダヘッド
36に配置されていてよい。この理由から、低圧噴射弁
37の第2の組込み位置が一点鎖線で示されている。こ
のような構成に基づき、抗張材26を備えた弁リング2
2は、板ばねにおいて自由にかつ案内されずに鉛直方向
に揺動することができる。これによって、摩擦力がなく
なり、所要潤滑が不要となる。
【0044】図7、図9および図10に認められるよう
に、この板ばね38の行程もしくは弁リング22の行程
は行程キャッチャによって制限され、しかも閉鎖方向に
おいては行程キャッチャ44によって、また開放方向で
は行程キャッチャ45によってそれぞれ制限される。図
9には、板ばね38もしくは真ん中のばねウェブ42を
備えた抗張材26が、閉じられた弁位置で図示されてい
る。この弁位置では、ばねウェブ42が行程キャッチャ
44に接触している。両行程キャッチャ44,45はシ
リンダヘッド36に位置固定的に固定されているので、
行程キャッチャにおける板ばねの当接によって、弁の閉
鎖運動は減衰されるだけではなく、閉鎖運動の制限も行
われる。図10では、それに対して抗張材26とばねウ
ェブ42とが、フラッタ弁の開放位置のための位置を取
っており、この位置では、同じくばねウェブ42が行程
キャッチャに形状接続的に接触している。しかし、この
行程キャッチャ45は異形成形されて構成されているの
で(僅かにS字形)、開放行程時では、板ばねウェブ4
2の支持点が外方から内方に移動し、これによってばね
の有効長さが小さくなり、その結果、減衰作用と共にば
ね力減小も得られる。
【0045】当然ながら、閉鎖行程のための行程キャッ
チャ44が同様の構成を有していることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2サイクル内燃機関における到達可能な最大平
均圧力を回転数との関係で示す線図である。
【図2】第1実施例による2サイクル内燃機関の概略図
である。
【図3】第2実施例による2サイクル内燃機関の概略図
である。
【図4】第3実施例による2サイクル内燃機関の概略図
である。
【図5】図6のIIーII線に沿ったシリンダヘッドの
縦断面図である。
【図6】図5のIーI線に沿った横断面図である。
【図7】別の実施例によるシリンダヘッドの縦断面図で
ある。
【図8】図7に示したシリンダヘッドの横断面図であ
る。
【図9】図7に示した行程キャッチャの断面図である。
【図10】図7に示した行程キャッチャの別の実施例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室、 2 機関シリンダ、 3 機関ピスト
ン、 4 シリンダヘッド、 5 クランク軸、 6
クランクケース、 7 リード弁、 8 供給通路、
9 流入スリット、 11 流出スリット、 12 流
れ通路、 13フラッタ弁、 14 絞りフラップ、
15,16 チャージャ、 17 絞り、 18 シリ
ンダヘッド、 19 供給通路、 21 流入通路、
22 弁リング、 23,24 弁座リング、 25
環状溝、 26 抗張材、 27板ばね、 28 支持
アイ、 29 ねじ、 32 プラグ/ノズル、 33
電極、 34 噴射ノズル、 35 電極、 36 シ
リンダヘッド、 37低圧噴射弁、 38 板ばね、
40 点火プラグ、 41,42 ばねウェブ、 4
4,45 行程キャッチャ
フロントページの続き (72)発明者 ハンス シュレムバッハ ドイツ連邦共和国 ミュールアッカー ナ ルツィセンヴェーク 5

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2サイクル内燃機関におけるガス交換法
    であって、 燃焼室でループ掃気を実施し、この場合、燃焼室内で機
    関ピストンによって、下死点(UT)の近くで機関シリ
    ンダに設けられた流入スリットと流出スリットとを制御
    して、燃焼空気を前圧縮して吹き込み、 機関負荷に相当する燃料量を燃焼室に点火個所の範囲で
    供給して、制御し、 流入弁を介して制御される第2の燃焼空気供給を実施
    し、この場合、前圧縮下にある燃焼空気を同じく点火個
    所の範囲で燃焼室に供給する形式のものにおいて、 第1の掃気工程として実施されるループ掃気の他に、燃
    焼室内のガスの第2の掃気工程として前記第2の燃焼空
    気供給を利用し、この場合、燃焼室の点火個所の範囲に
    点火性の燃料空気混合気を形成し、 前記第2の空気供給の空気量を、流入弁の上流側と下流
    側との圧力差によって制御し、 流入弁自体を前記圧力差によって操作するようにするこ
    とを特徴とする、2サイクル内燃機関におけるガス交換
    法。
  2. 【請求項2】 前記両掃気工程の燃焼空気の前圧縮を、
    クランクケース内で行なう、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記両掃気工程の燃焼空気の前圧縮を、
    チャージャを介して行なう、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 第1の掃気工程に用いられる燃焼空気を
    クランクケース内で圧縮し、第2の掃気工程に用いられ
    る燃焼空気を別個のチャージャで圧縮する、請求項1記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 機関ピストンの下死点(UT)の手前で
    40゜のクランク軸(KW)を超えた後に、はじめてオ
    ーバフロースリットを開制御する、請求項1から4まで
    のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 排ガス流を制御して絞るようにする、請
    求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれか1項記載
    の方法を実施するための2サイクル内燃機関であって、
    少なくとも1つの燃焼室(1)が設けられていて、該燃
    焼室が、それぞれ機関シリンダ(2)と機関ピストン
    (3)とシリンダヘッド(4)とによって仕切られてお
    り、燃料供給装置(32)と、燃料量制御装置(37)
    と、燃焼空気のための少なくとも1つの空気圧縮機
    (6,15,16)とが設けられており、ループ掃気の
    ために役立つ第1の掃気量のために機関ピストン(3)
    の下死点の範囲で機関シリンダ(2)の周壁に、機関ピ
    ストン(3)によって制御される流入スリット(9)と
    流出スリット(11)とが設けられており、さらに、シ
    リンダヘッド(4)に燃焼空気のための少なくとも1つ
    の付加的な流入通路が設けられており、該流入通路が、
    閉鎖方向で燃焼室圧によって負荷された流入弁(22,
    23,24)によって制御されるようになっている形式
    のものにおいて、第2の掃気量のための流入弁がフラッ
    タ弁(22〜29)として構成されており、該フラッタ
    弁の可動の弁部材(22)が、少なくとも1つの閉鎖ば
    ね(27)によって開放方向とは逆の方向で負荷されて
    いて、弁座(23,24)の上流側で開放方向に作用す
    る有効面積を有しており、前記流入弁の開制御が、該流
    入弁の、開放方向もしくは閉鎖方向に作用する有効面積
    の差に基づき、閉鎖ばね力を考慮して行なわれるように
    なっていることを特徴とする、2サイクル内燃機関。
  8. 【請求項8】 可動の弁部材が弁リング(22)として
    形成されており、該弁リングが第2の掃気量のための、
    対応して環状に配置された所定数の流入通路(21)を
    制御するようになっていて、複数の抗張材(26)を介
    して少なくとも1つの閉鎖ばね(27,38)に連結さ
    れている、請求項7記載の2サイクル内燃機関。
  9. 【請求項9】 流入弁が複座式のフラッタ弁として形成
    されている、請求項7または8記載の2サイクル内燃機
    関。
  10. 【請求項10】 弁リング(22)が、シリンダヘッド
    (4)に向かって円錐状に形成されており、対応して内
    部円錐形に形成された、シリンダヘッド(4)に配置さ
    れた二重の座面と協働するようになっており、該座面に
    流入通路(21)が開口している、請求項8または9記
    載の2サイクル内燃機関。
  11. 【請求項11】 弁リング(22)が三角形の横断面を
    有している、請求項8から10までのいずれか1項記載
    の2サイクル内燃機関。
  12. 【請求項12】 弁座が、シリンダヘッド(4)に設け
    られた環状溝(25)に嵌め込まれた弁リング座部に配
    置されている、請求項8から11までのいずれか1項記
    載の2サイクル内燃機関。
  13. 【請求項13】 弁リング座部が、互いに同心的に配置
    された2つの弁座リング(23,24)から成ってお
    り、該弁座リングが、内側弁座リング(23)と外側弁
    座リング(24)とから成っており、両弁座リングの間
    に、ガス通流のための環状室が形成されている、請求項
    12記載の2サイクル内燃機関。
  14. 【請求項14】 内側弁座リング(23)に前記環状室
    に向かって斜めに配置された、ガス流に渦流を形成する
    ための案内羽根が設けられている、請求項13記載の2
    サイクル内燃機関。
  15. 【請求項15】 前記環状溝(25)の底部に腎臓形の
    開口(21)が流入通路として設けられている、請求項
    12から14までのいずれか1項記載の2サイクル内燃
    機関。
  16. 【請求項16】 前記抗張材(26)が、流入通路(2
    1)の近くでシリンダヘッド(18)の孔に案内されて
    おり、前記閉鎖ばね(27)が、前記流入通路(21)
    の上流側でシリンダヘッド(18)に配置されている、
    請求項8から15までのいずれか1項記載の2サイクル
    内燃機関。
  17. 【請求項17】 閉鎖ばねとして板ばね装置(27,3
    8)が使用されており、該板ばね装置が、弁座とは反対
    の側でシリンダヘッド(18,36)に固定されてい
    る、請求項16記載の2サイクル内燃機関。
  18. 【請求項18】 前記板ばね装置が、少なくとも個々の
    板ばね(38)から成っている、請求項17記載の2サ
    イクル内燃機関。
  19. 【請求項19】 板ばね(38)が楕円形の板から成っ
    ており、該板に長手方向切欠き(39)が設けられてお
    り、これによって形成された真ん中のばねウェブ(4
    2)に、前記抗張材(26)が枢着されており、外側の
    ばねウェブ(41)がシリンダヘッド(36)に固定さ
    れている、請求項18記載の2サイクル内燃機関。
  20. 【請求項20】 板ばね装置の行程が行程キャッチャ
    (44,45)によって制限されている、請求項17か
    ら19までのいずれか1項記載の2サイクル内燃機関。
  21. 【請求項21】 前記行程キャッチャ(45)が、前記
    板ばねの有効長さを行程に関連して変化させるようにな
    っており、この場合、前記行程キャッチャの面に対する
    板ばね面の支持部が行程に関連して異なるようになって
    いる、請求項20記載の2サイクル内燃機関。
  22. 【請求項22】 2つの行程キャッチャが設けられてお
    り、第1の行程キャッチャが開放行程を制限するために
    働き、第2の行程キャッチャが閉鎖行程を制限するため
    に働くようになっており、閉鎖行程を制限する第2の行
    程キャッチャ(44)が扁平に形成されており、開放行
    程を制限する行程キャッチャが、少なくとも1つの皿形
    の湾曲を有している、請求項20または21記載の2サ
    イクル内燃機関。
  23. 【請求項23】 2サイクル内燃機関が火花点火式であ
    って、点火個所の範囲で点火プラグ(40)で作動する
    ようになっている、請求項7から22までのいずれか1
    項記載の2サイクル内燃機関。
  24. 【請求項24】 燃料が、低圧式の噴射弁(37)を介
    して流入弁の上流側で、シリンダヘッド(36)に設け
    られた供給通路(19)に噴射されるようになってい
    る、請求項23記載の2サイクル内燃機関。
  25. 【請求項25】 燃料が、高圧式の噴射弁(34)を介
    して燃焼室(1)に直接に噴射されるようになってい
    る、請求項23記載の2サイクル内燃機関。
  26. 【請求項26】 前記高圧式の噴射弁の噴射ノズル(3
    4)と点火装置とが、コンパクトな1つのユニット(プ
    ラグ/ノズル)として形成されており、該ユニットが、
    少なくとも1つの噴射開口を有する噴射弁(34)を備
    えており、該噴射弁が保持管(ブシュ)に対して電気的
    に絶縁されており、該保持管で前記噴射弁がシリンダヘ
    ッド(18)に組み込まれており、前記ユニットがさら
    に、噴射ノズル(34)の噴射開口の近くに2つの点火
    電極(33,35)を備えており、一方の電極(33)
    が、噴射弁(34)のボディに配置されていて、該噴射
    弁を介して電気的に接続されており、他方の電極(3
    5)が、前記保持管を介して内燃機関に対してアースさ
    れている、請求項25記載の2サイクル内燃機関。
  27. 【請求項27】 第2の掃気量の流れ通路(12)に、
    流過横断面積を制御するための制御装置(14)が配置
    されている、請求項7から26までのいずれか1項記載
    の2サイクル内燃機関。
  28. 【請求項28】 前記流入弁(22,23,24,2
    5,26,27,28,29)が、開放しないようにロ
    ック可能である、請求項27記載の2サイクル内燃機
    関。
  29. 【請求項29】 前記チャージャ(16)が遮断可能で
    ある、請求項7から28までのいずれか1項記載の2サ
    イクル内燃機関。
  30. 【請求項30】 前記ロックが磁気手段によって行なわ
    れるようになっている、請求項28記載の2サイクル内
    燃機関。
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