JPH06158611A - 路面状態判定装置 - Google Patents

路面状態判定装置

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JPH06158611A
JPH06158611A JP31734492A JP31734492A JPH06158611A JP H06158611 A JPH06158611 A JP H06158611A JP 31734492 A JP31734492 A JP 31734492A JP 31734492 A JP31734492 A JP 31734492A JP H06158611 A JPH06158611 A JP H06158611A
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JP
Japan
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road surface
error
unsprung acceleration
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road
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Application number
JP31734492A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Nagaoka
満 長岡
Yasuma Nishiyama
安磨 西山
Shizuo Tsunoda
鎮男 角田
Yoko Ogawa
陽子 小川
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で走行路の路面状態を迅速かつ正
確に判定することができるようにする。 【構成】 サスペンションのばね下に作用する加速度の
時系列データを計測するデータ計測手段2と、路面状態
が予め特定された複数種の道路の走行時に計測されたば
ね下加速度の時系列データに応じてばね下加速度の予測
値を算出するように学習させた複数のパーセプトロン3
と、実際の道路の走行時に上記各パーセプトロン3によ
りそれぞれ算出されたばね下加速度の予測値を上記デー
タ計測手段2によって計測されたばね下加速度の計測値
と比較することによって走行路の路面を特定する路面特
定手段7とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の走行時にお
いて路面の凹凸状態を判定する路面状態判定装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭60−148769
号公報に示されるように、車両の操舵装置において、前
輪の実舵角から予め設定された複数の摩擦係数に対応す
る予測加速度データを求め、これらの値を実際に検出さ
れた横加速度と比較することによって走行路の摩擦係数
を検出する摩擦係数検出手段を設けたものが知られてい
る。そして、上記摩擦係数検出手段からなる路面状態判
定装置において走行路の摩擦係数求め、この摩擦係数に
対応する制御情報を処理手段から自動車の後輪操舵装置
に出力して後輪の転舵状態を補正することが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の路面状態判
定装置は、摩擦係数だけを推定するものであり、自動車
の走行状態において、その乗り心地等に大きく影響する
路面の凹凸状態を判定することができないという問題が
ある。また、自動車の走行時における車輪および車体の
挙動等を検出する検出手段を設け、その検出値に基づい
て走行路の路面状態を推定することも考えられるが、こ
のように構成した場合には、上記走行路の路面状態を正
確に推定するために、各種の検出信号を入力して複雑な
計算を行う必要がある。このため、上記路面状態判定装
置の構造が複雑化するとともに、上記計算に要する時間
が長くなるという問題がある。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、簡単な構成で走行路の路面状態を迅
速かつ正確に判定することができる路面状態判定装置を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
サスペンションのばね下に作用する加速度の時系列デー
タを計測するデータ計測手段と、路面状態が予め特定さ
れた複数種の道路の走行時に計測されたばね下加速度の
時系列データに応じてばね下加速度の予測値を算出する
ように学習させた複数のパーセプトロンと、実際の道路
の走行時に上記各パーセプトロンによりそれぞれ算出さ
れたばね下加速度の予測値を上記データ計測手段によっ
て計測されたばね下加速度の計測値と比較することによ
って走行路の路面を特定する路面特定手段とを設けたも
のである。
【0006】請求項2に係る発明は、データ計測手段の
出力信号が入力される入力層と、この入力信号に対応す
る予想値を出力する出力層とからなる二層構造のパーセ
プトロンを設けたものである。
【0007】請求項3に係る発明は、ばね下加速度の予
測値を算出するパーセプトロンの出力層から線形関数の
出力信号を出力するように構成したものである。
【0008】請求項4に係る発明は、実際の道路の走行
時に上記各パーセプトロンにより算出されたばね下加速
度の予測値と上記計測手段によって計測されたばね下加
速度の計測値との誤差を算出する誤差算出手段を設け、
この誤差算出手段によって算出された誤差に基づいて走
行路の路面を特定するように構成したものである。
【0009】請求項5に係る発明は、実際の道路の走行
時に上記各パーセプトロンにより算出されたばね下加速
度の予測値と上記計測手段によって計測されたばね下加
速度の計測値との誤差を、予め設定された学習時の誤差
に基づいて正規化する正規化手段を設け、この正規化さ
れた値に基づいて走行路の路面を特定するように構成し
たものである。
【0010】請求項6に係る発明は、ばね下加速度の予
測値とばね下加速度の計測値との誤差を正規化するため
の学習時の誤差を各パーセプトロンごとにそれぞれ設け
たものである。
【0011】請求項7に係る発明は、ばね下加速度の予
測値とばね下加速度の計測値との誤差に対応する値の移
動平均を算出する移動平均算出手段を設け、この移動平
均に基づいて路面を特定するように構成したものであ
る。
【0012】請求項8に係る発明は、正規化手段によっ
て正規化された値もしくは移動平均算出手段によって算
出された移動平均に基づいて路面を特定することができ
ない場合に、誤差算出手段によって算出された誤差に基
づいて走行路の路面を特定するように構成したものであ
る。
【0013】請求項9に係る発明は、ばね下加速度の予
測値とばね下加速度の計測値との誤差データを入力信号
として路面状態に対応する制御ゲインを設定する制御ゲ
イン設定用のパーセプトロンを設けたものである。
【0014】請求項10に係る発明は、ばね下加速度の
予測値とばね下加速度の計測値との誤差データと、この
誤差データを正規化した値もしくは上記誤差データに対
応する値の移動平均とに基づいて走行路の路面状態に対
応する制御ゲインを設定する制御ゲイン設定用のパーセ
プトロンを設けたものである。
【0015】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、自動車の走
行時にデータ計測手段によって計測されたばね下加速度
の時系列データが各パーセプトロンに入力され、このパ
ーセプトロンにおいて上記ばね下加速度の予想値が算出
される。そして上記ばね下加速度の予想値と実際の計測
値とが比較され、この計測値に最も近い予想値を算出し
たパーセプトロンを選択することにより、路面状態が予
め特定された複数の道路のなかから実際の走行路に最も
近いものが読出されることになる。
【0016】上記請求項2記載の発明によれば、データ
計測手段からパーセプトロンの入力層に入力されたばね
下加速度の時系列データに、予め設定された重み係数が
掛け合わせることによって算出されたばね下加速度の予
想値が出力層から出力されることになる。
【0017】上記請求項3記載の発明によれば、パーセ
プトロンの入力層に入力されたばね下加速度の時系列デ
ータに基づいて迅速に計算が行なわれて出力層から線形
関数からなる予想値の出力信号が出力されることにな
る。
【0018】上記請求項4記載の発明によれば、各パー
セプトロンによって算出されたばね下加速度の予想値
と、実際の計測値との誤差をそれぞれ算出し、この誤差
の大小を比較することにより、走行路の路面が容易に特
定されることになる。
【0019】上記請求項5記載の発明によれば、誤差算
出手段において算出された誤差が予め設定された学習時
の標準誤差によって割算されることによって上記誤差が
各パーセプトロン毎に正規化され、この正規化後の値の
大小を比較することにより、走行路の路面が特定される
ことになる。
【0020】上記請求項6記載の発明によれば、誤差算
出手段において算出された誤差が予め各パーセプトロン
毎に設定された学習時の誤差によって割算されることに
よって上記誤差がそれぞれ正規化され、この正規化後の
値の大小を比較することにより、走行路の路面が特定さ
れることになる。
【0021】上記請求項7記載の発明によれば、上記誤
差算出手段によって算出された誤差、あいるは上記正規
化手段によって正規化後の値の移動平均を各パーセプト
ロン毎に算出し、この移動平均の大小を比較することに
より、走行路の路面が特定されることになる。
【0022】上記請求項8記載の発明によれば、正規化
手段によって正規化された値、もしくは移動平均算出手
段によって算出された移動平均に基づく走行路の判定の
確度が低く、適正な判定を行なうことができない場合に
は、上記誤差算出手段によって算出された誤差の大小を
比較することにより、走行路の路面の特定が行なわれる
ことになる。
【0023】上記請求項9記載の発明によれば、誤差算
出用の上記各パーセプトロン毎に算出された誤差データ
が制御ゲイン設定用のパーセプトロンにそれぞれ入力さ
れ、このパーセプトロンにおいて予め学習により設定さ
れた重み係数が上記誤差データに掛け合わされることに
より、アクティブサスペンション等の制御機器に出力さ
れる制御信号のゲインが設定されることになる。
【0024】上記請求項10記載の発明によれば、誤差
算出用の上記各パーセプトロン毎に算出された誤差デー
タと、上記正規化手段によって正規化された値あるいは
上記移動平均算出手段によって算出された移動平均とが
制御ゲイン設定用のパーセプトロンにそれぞれ入力さ
れ、上記誤差データおよび上記正規化後の値もしくは移
動平均に重み係数が掛け合わされることにより、アクテ
ィブサスペンション等の制御機器に出力される制御信号
のゲインが設定されることになる。
【0025】
【実施例】図1は本発明に係る路面状態判定装置の実施
例を示している。この路面状態判定装置は、サスペンシ
ョンのばね下に作用するばね下加速度、つまり自動車の
走行時に路面状態に応じて上下動する車輪の上下加速度
を検出する上下G検出手段1と、この上下G検出手段1
の検出値に応じて上記ばね下加速度の時系列データを計
測するデータ計測手段2と、上記時系列データに応じて
ばね下加速度の予測値を算出するパーセプトロン3とを
有している。
【0026】上記路面状態判定装置には、予め路面状態
がわかっている特定の道路、例えばアスファルト路、ベ
ルジアン路、コンクリート路、悪路、軌道敷路および粗
粒路等からなる6種類の道路に対応して6個のパーセプ
トロン3が設置されている。この各パーセプトロン3
は、図2に示すように、上記データ計測手段2から出力
されるn個の時系列データX1〜Xnに対応するn個の
入力層4と、単一の出力層5とを有する2層構造からな
っている。
【0027】上記各パーセプトロン3には、上記特定の
道路の走行時に計測されたばね下加速度の時系列データ
に基づく学習によって予め各道路毎に算出された重み係
数がそれぞれ設定されている。そして、実際の道路の走
行時に計測された上記時系列データX1〜Xnに、上記
重み係数を掛け合わせることよってばね下加速度の予想
値X(i)がそれぞれ算出されて出力層5から出力される
ようになっている。
【0028】また上記路面状態判定装置には、各パーセ
プトロン3において算出されたばね下加速度の予想値X
(i)と、上記計測手段2によって実際に計測されたばね
下加速度の計測値gtとに基づいて両者の誤差e(i)を
それぞれ算出する誤差算出手段6と、この誤差算出手段
6によって各パーセプトロン3毎に算出された6種類の
誤差e(i)に基づいて走行路の路面状態を特定する路面
特定手段7とが設けられている。
【0029】上記路面特定手段7は、各誤差e(i)のう
ち最も値が小さいものを選定し、これに対応するパーセ
プトロン3に基づいて現在の走行路の路面状態が上記特
定の道路のいずれに最も近いかを判定し、この判定結果
に対応する制御信号をアクティブサスペンション8に出
力するように構成されている。このアクティブサスペン
ション8は、上記路面状態に対応して出力される制御信
号に応じてサスペンション特性の可変制御を実行するよ
うに構成されている。
【0030】上記制御動作を図3に示すフローチャート
に基づいて説明する。この制御動作がスタートすると、
まずステップS1において、現時点がばね下加速度の時
系列データを計測する計測タイミングであるか否かを判
定する。この判定の結果がYESである場合には、ステ
ップS2において、サスペンションのばね下に作用する
上下加速度の時系列データX1〜Xnを計測した後、ス
テップS3において、ばね下加速度の予想値X(i)を時
系列データX1〜Xnに基づいて各パーセプトロン3毎
にそれぞれ算出する。
【0031】次にステップS4において、上記ばね下加
速度の各予測値X(i)と、実際に測定されたばね下加速
度の測定値gtとの誤差e(i)をそれぞれ算出する。つ
まり上記予測値X(i)と測定値gtとの比を1から減算
することにより、誤差e(i)を各パーセプトロン3の予
想値X(i)毎に求める。その後ステップS5において、
上記各誤差e(i)を比較して最も誤差e(i)の小さいパー
セプトロン3を選定することにより、路面状態を特定す
る。例えば、特定の予測値X(i)と測定値gtとが等し
い場合には、両者の比が1となって上記誤差e(i)が0
となるため、現在の走行路が上記特定の予測値X(i)に
対応する道路の路面状態に最も近いと判定されるように
なっている。
【0032】そしてステップS6において、上記路面状
態に対応する制御ゲインGを設定した後、ステップS7
において、上記制御ゲインGに対応するサスペンション
特性の可変制御を実行する。例えば路面に大きな凹凸が
形成されてなる極悪路の走行時には、路面から車輪に特
定周波数領域に集中して大きな振動が入力されるため、
この振動を打ち消すような制御ゲインを設定する。そし
て上記制御ゲインに応じて車体側部材からなるばね上
と、車輪側部材からなるサスペンションのばね下との間
に配設された流体シリンダの液圧室に対する作動流体の
給排を制御することにより、サスペンション特性を変更
する。
【0033】上記のように予め路面状態が特定された6
種類の道路を走行してばね下加速度の予測値を算出する
ようにそれぞれ学習させた6個のパーセプトロン3を設
け、実際の道路の走行時に各パーセプトロン3によって
算出されたばね下加速度の予想値X(i)と、実際のばね
下加速度の計測値gtとの誤差e(i)を算出するように
構成したため、この誤差e(i)に基づいて現在の走行路
が上記6種類の道路のいずれに該当するかを迅速に判定
することができる。したがって、自動車が実際に走行す
る路面の凹凸状態に対応したサスペンション特性の可変
制御を適正に実行することができる。
【0034】すなわち、上記のように路面状態が特定さ
れた6種類の道路の走行時に検出されるばね下加速度の
時系列データは、図4〜図9に示すように、それぞれ異
なる特性を有しているため、この特性に対応した重み係
数を学習により各パーセプトロン3毎に予め設定するこ
とができる。そして上記重み係数を各パーセプトロン3
にそれぞれ記憶させておくことにより、上記学習時に走
行した道路に近い路面状態を道路を実際に走行した場合
に生じるばね下加速度が正確に予測されるため、この予
測値X(i)に基づいて上記走行時の路面状態を自動的に
特定することができる。
【0035】したがって、現在の走行路がその外見上に
おいて上記6種類に特定された道路のいずれに近いかを
判定することが困難な場合においても、煩雑な計算を要
することなく上下G検出手段1の検出信号に基づいて、
現在の走行路が上記特定の道路のうちのいずれに該当す
るかを迅速に判定することができる。そして上記判定結
果に応じてアクティブサスペンション8の流体シリンダ
に対する作動流体の給排を制御する制御ゲインの設定を
行なうことにより、サスペンション特性を変更して自動
車の乗り心地、操縦安定性および運動性能等を効果的に
を向上させることができる。
【0036】また、上記のように入力層4と出力層5と
からなる二層構造のパーセプトロン3を用いてばね下加
速度の予測値を算出するように構成した場合には、入力
層と出力層との間に中間層が設けられてなる三層構造の
パーセプトロンを用いた場合に比べ、装置の構造を簡略
化して製造コストを安価に抑えることができるととも
に、上記予測値の算出に要する時間を短縮化することが
できる。
【0037】上記出力層5からの出力信号は、通常使用
される図10に示すようなシグモイド関数に代え、図1
1に示すようなステップ関数または図12に示すような
線形関数を使用することができる。上記線形関数からな
る出力信号を出力層5から出力するように構成した場合
には、煩雑な計算を要することなく迅速にその出力値、
つまりばね下加速度の予想値を求めることができるとい
う利点がある。
【0038】なお、上記実施例では、実際の道路の走行
時に各パーセプトロン3によって算出されたばね下加速
度の予想値X(i)と、実際のばね下加速度の計測値gt
とに応じて両者の誤差e(i)を算出し、これに基づいて
走行路の路面状態を判定するように構成しているが、上
記予想値X(i)と計測値gtとを直接対比することによ
り、走行路の路面状態を判定するように構成してもよ
い。
【0039】また、図13に示すように、誤差算出手段
6によって算出された上記誤差e(i)を、学習時に予め
算出してなる標準誤差Lで割算することによって正規化
する正規化手段9と、この正規化手段9によって正規化
された値R(i)の約600個の移動平均A(i)を各パーセ
プトロン毎3に算出する移動平均算出手段10とを設け
た構造としてもよい。そして上記移動平均算出手段10
において算出された各移動平均A(i)のうち、最も小さ
い移動平均A(i)に対応するパーセプトロン3を路面特
定手段7において選定することにより、走行路の路面状
態を特定するように構成してもよい。
【0040】上記のようにばね下加速度の予想値X(i)
と計測値gtとの誤差e(i)を、学習時の標準誤差Lで
正規化するように構成した場合には、上記時系列データ
の計測時に生じる誤差を加味した路面の判定が行なわ
れ、これによって路面状態の判定精度を向上させること
ができる。特に、上記6種類の道路毎にそれぞれ異なる
学習誤差L(i)を予め設定し、この学習誤差L(i)に基づ
いて上記各誤差e(i)をそれぞれ正規化するように構成
した場合には、上記ばね下加速度のレベルを加味した路
面の判定が行なわれ、この判定精度をより向上させるこ
とができるという利点がある。
【0041】また、上記正規化された値R(i)の移動平
均A(i)を算出し、この移動平均A(i)に基づいて走行路
の路面状態を特定するように構成した場合には、上記時
系列データの測定時に路面状態の変化等に応じて生じる
ノイズを除去し、これによって路面状態の判定精度をよ
り向上させることができる。なお、上記実施例では正規
化手段9と、移動平均算出手段10との両方を有する路
面状態判定装置について説明したが、上記正規化手段9
もしくは移動平均算出手段10のいずれか一方を省略し
た構造としてもよい。
【0042】図14に示すように、上記移動平均算出手
段10の出力信号と上記誤差算出手段6の出力信号との
両方を路面特定手段7に入力し、上記移動平均A(i)に
基づいて走行路の路面状態を特定することができない場
合に、上記誤差e(i)に基づいて走行路の路面状態を特
定するように構成してもよい。すなわち、図15のフロ
ーチャートに示すように、ステップA1において上記ば
ね下加速度の各予測値X(i)と、実際に測定されたばね
下加速度の測定値gtとに基づいて誤差e(i)を各パー
セプトロン3毎に算出した後、ステップA2において上
記各誤差e(i)を正規化するとともに、ステップSA3
おいて正規化された値R(i)の移動平均A(i)を算出す
る。
【0043】次に、ステップA4において、上記移動平
均A(i)に基づいて路面状態の一次判定を行なった後、
ステップA5において上記一次判定により単一の道路に
対応する路面状態が特定されたか否かを判定する。上記
一次判定において特定の道路を選定することができなか
ったり、二つ以上の道路が選定されたりする等により、
ステップA5でNOと判定されて路面状態を単一の道路
に特定できないことが確認された場合には、ステップA
6に移行し、上記誤差e(i)に基づいて路面状態の二次
判定を行なう。
【0044】そして上記ステップA4もしくはステップ
A6で特定された路面状態に応じ、ステップA7におい
て、サスペンション制御の制御ゲインGを設定するとと
もに、ステップA8において、上記制御ゲインGに対応
するサスペンション特性の可変制御を実行する。
【0045】このように上記移動平均A(i)に基づく路
面状態の一次判定では不十分な場合に、上記ばね下加速
度の各予測値X(i)とその測定値gtとの誤差e(i)に基
づく路面状態の二次判定を実行するようにした構成によ
ると、通常時には、上記移動平均A(i)に基づいて路面
の状態を適正に判定することができるとともに、上記一
次判定において二つ以上の道路が特定された場合等の特
殊時には、上記正規化手段9によって正規化する前の上
記誤差e(i)に基づき、上記一次判定によって限定され
た候補の中から特定の道路を選定することができる。
【0046】なお、上記移動平均A(i)に基づいて路面
状態の一次判定を行なうようにした上記構成に代え、上
記正規化手段9によって正規化された値R(i)に基づい
て路面状態の一次判定を行なった後に、上記ばね下加速
度の各予測値X(i)とその測定値gtとの誤差e(i)に基
づく路面状態の二次判定を実行するよように構成しても
よい。
【0047】また、図16に示すように、上記移動平均
算出手段10の出力信号を制御ゲイン設定用の三層構造
のパーセプトロン11に入力し、このパーセプトロン1
1においてアクティブサスペンション8に出力される制
御ゲインの設定を行なうようにしてもよい。すなわち、
路面状態がわかっている上記特定の道路を予め走行し、
この走行時に求められた移動平均A(i)に基づいて路面
の特定および制御ゲインの設定を同時に行なうように、
上記パーセプトロン11を学習させて各重み係数を設定
するようにした構造としてもよい。
【0048】また、図17に示すように、上記移動平均
算出手段10の出力信号および誤差算出手段6の出力信
号の両方を上記制御ゲイン設定用のパーセプトロン11
に入力するように構成してもよい。なお、上記移動平均
算出手段10の出力信号に代え、正規化手段9の出力信
号を制御ゲイン設定用のパーセプトロン11に入力し、
上記正規化された値R(i)に基づいて路面状態に対応し
たアクティブサスペンション8の制御ゲインの設定を行
なうようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、予め路
面状態が特定された複数の道路を走行してばね下加速度
の予測値を算出するようにそれぞれ学習させた複数のパ
ーセプトロンを設け、実際の道路の走行時に各パーセプ
トロンによって算出されたばね下加速度の予想値に基づ
いて現在の走行路が上記複数の道路のいずれに該当する
か選定するように構成したため、現在の走行路がその外
見上において上記道路のいずれに近いかを判定すること
が困難な場合においても、煩雑な計算を要することなく
現在の走行路がの路面状態を迅速に判定することができ
る。
【0050】したがって、例えば上記判定結果に応じて
アクティブサスペンションの流体シリンダに対する作動
流体の給排を制御する制御ゲインの設定を行なう等によ
り、サスペンション特性を変更して自動車の乗り心地、
操縦安定性および運動性能等を効果的に向上させること
ができる。
【0051】また、上記ばね下加速度の予想値を算出す
るパーセプトロンを入力層と出力層とからなる二層構造
に構成した場合には、入力層と出力層との間に中間層が
設けられてなる三層構造のパーセプトロンを用いた場合
に比べ、装置の構造を簡略化して製造コストを安価に抑
えることができるとともに、上記予測値の算出に要する
時間を短縮化することができるという利点がある。
【0052】上記ばね下加速度の予想値を算出するパー
セプトロンの出力層から線形関数からなる出力信号を出
力するように構成した場合には、上記パーセプトロンに
おいて煩雑な計算を要することなくその出力値を迅速に
求めることができるという利点がある。
【0053】また、実際の道路の走行時に各パーセプト
ロンによって算出されたばね下加速度の予想値と、実際
に計測されたばね下加速度の計測値とに応じて両者の誤
差を算出する誤差算出手段を設け、この誤差算出手段に
おいて算出された誤差に基づいて走行路の路面を特定す
るように構成した場合には、上記各誤差の大小を比較す
ることにより、迅速に走行路の路面状態を判定すること
ができる。
【0054】上記のように誤差算出手段によって算出さ
れた上記誤差を、学習時の誤差で正規化する正規化手段
を設け、この正規化手段によって正規化された値に基づ
いて走行路の路面を特定するように構成した場合には、
上記時系列データの計測時に生じる誤差を加味した走行
路の特定を行い、これによって路面状態の判定精度を向
上させることができるという利点がある。
【0055】特に、上記複数の道路毎にそれぞれ異なる
学習誤差を予め設定し、この学習誤差に基づいて上記各
誤差をそれぞれ正規化するように構成した場合には、上
記ばね下加速度のレベルを加味した路面状態の判定が行
なわれ、この判定精度をより向上させることができると
いう利点がある。
【0056】また、上記誤差算出手段によって算出され
た上記誤差、あるいは上記正規化手段によって正規化さ
れた値の移動平均を算出する移動平均算出手段を設け、
この移動平均算出手段おいて算出された移動平均に基づ
いて走行路の路面を特定するように構成した場合には、
上記時系列データの測定時に路面状態の変化等に応じて
生じるノイズを除去し、これによって路面状態の判定精
度をより向上させることができる。
【0057】上記正規化後の値もしくは移動平均に基づ
く路面状態の一次判定では不十分な場合に、上記ばね下
加速度の各予測値とその測定値の誤差に基づく路面状態
の二次判定を実行するようにした構成によると、通常時
には、上記移動平均に基づいて路面の状態を適正に判定
することができるとともに、上記一次判定において二つ
以上の道路が特定された場合等の特殊時には、上記誤差
算出手段によって算出された誤差に基づき、上記一次判
定によって限定された候補の中から特定の道路を選定
し、その選定精度を向上させることができる。
【0058】上記正規化手段もしくは移動平均算出手段
の出力信号を制御ゲイン設定用のパーセプトロンに入力
し、このパーセプトロンにおいてアクティブサスペンシ
ョン等の制御機器に出力される制御ゲインの設定を行な
うように構成した場合には、上記複数の道路毎に最適な
制御ゲインを予め選定しておくことにより、実際の道路
の走行時における制御ゲインの設定を迅速かつ正確に行
なうことができるという利点がある。
【0059】上記正規化手段もしくは移動平均算出手段
の出力信号と、誤差算出手段の出力信号との両方を上記
制御ゲイン設定用のパーセプトロンに入力して上記制御
機器に出力される制御ゲインの設定を行なうようにした
構成によると、走行路の路面に対応した制御ゲインの設
定を、より迅速かつ正確に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る路面状態判定装置の実施例を示す
ブロック図である。
【図2】パーセプトロンの一例を示す説明図である。
【図3】上記路面状態判定装置の制御動作を示すフロー
チャートである。
【図4】アスファルト路の走行時におけるばね下加速度
の時系列データを示すグラフである。
【図5】ベルジアン路の走行時におけるばね下加速度の
時系列データを示すグラフである。
【図6】コンクリート路の走行時におけるばね下加速度
の時系列データを示すグラフである。
【図7】悪路の走行時におけるばね下加速度の時系列デ
ータを示すグラフである。
【図8】軌道敷路の走行時におけるばね下加速度の時系
列データを示すグラフである。
【図9】粗粒路の走行時におけるばね下加速度の時系列
データを示すグラフである。
【図10】出力関数の一例を示すグラフである。
【図11】出力関数の別の例を示すグラフをである。
【図12】出力関数のさらに別の例を示すグラフであ
る。
【図13】路面状態判定装置の別の実施例を示すブロッ
ク図である。
【図14】路面状態判定装置のさらに別の実施例を示す
ブロック図である。
【図15】図14に示す路面状態判定装置の制御動作を
示すフローチャートである。
【図16】路面特定手段の別の例を示す説明図である。
【図17】路面特定手段のさらに別の例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 上下G検出手段 2 データ計測手段 3 パーセプトロン 4 入力層 5 出力層 6 誤差算出手段 7 路面特定手段 9 正規化手段 10 移動平均算出手段 11 制御ゲイン設定用のパーセプトロン
フロントページの続き (72)発明者 小川 陽子 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サスペンションのばね下に作用する加速
    度の時系列データを計測するデータ計測手段と、路面状
    態が予め特定された複数種の道路の走行時に計測された
    ばね下加速度の時系列データに応じてばね下加速度の予
    測値を算出するように学習させた複数のパーセプトロン
    と、実際の道路の走行時に上記各パーセプトロンにより
    それぞれ算出されたばね下加速度の予測値を上記データ
    計測手段によって計測されたばね下加速度の計測値と比
    較することによって走行路の路面を特定する路面特定手
    段とを設けたことを特徴とする路面状態判定装置。
  2. 【請求項2】 データ計測手段の出力信号が入力される
    入力層と、この入力信号に対応する予想値を出力する出
    力層とからなる二層構造のパーセプトロンを設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の路面状態判定装置。
  3. 【請求項3】 ばね下加速度の予測値を算出するパーセ
    プトロンの出力層から線形関数の出力信号を出力するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1または2記載の
    路面状態判定装置。
  4. 【請求項4】 実際の道路の走行時に上記各パーセプト
    ロンにより算出されたばね下加速度の予測値と上記計測
    手段によって計測されたばね下加速度の計測値との誤差
    を算出する誤差算出手段を設け、この誤差算出手段によ
    って算出された誤差に基づいて走行路の路面を特定する
    ように構成したことを特徴とする請求項1,2または3
    記載の路面状態判定装置。
  5. 【請求項5】実際の道路の走行時に上記各パーセプトロ
    ンにより算出されたばね下加速度の予測値と上記計測手
    段によって計測されたばね下加速度の計測値との誤差
    を、予め設定された学習時の誤差に基づいて正規化する
    正規化手段を設け、この正規化された値に基づいて走行
    路の路面を特定するように構成したことを特徴とする請
    求項4記載の路面状態判定装置。
  6. 【請求項6】 ばね下加速度の予測値とばね下加速度の
    計測値との誤差を正規化するための学習時の誤差を各パ
    ーセプトロンごとにそれぞれ設けたことを特徴とする請
    求項5記載の路面状態判定装置。
  7. 【請求項7】 ばね下加速度の予測値とばね下加速度の
    計測値との誤差に対応する値の移動平均を算出する移動
    平均算出手段を設け、この移動平均に基づいて路面を特
    定するように構成したことを特徴とする請求項4,5ま
    たは6記載の路面状態判定装置。
  8. 【請求項8】 正規化手段によって正規化された値もし
    くは移動平均算出手段によって算出された移動平均に基
    づいて路面を特定することができない場合に、誤差算出
    手段によって算出された誤差に基づいて走行路の路面を
    特定するように構成したことを特徴とする請求項5,6
    または7記載の路面状態判定装置。
  9. 【請求項9】 ばね下加速度の予測値とばね下加速度の
    計測値との誤差データを入力信号として路面状態に対応
    する制御ゲインを設定する制御ゲイン設定用のパーセプ
    トロンを設けたことを特徴とする請求項4記載の路面状
    態判定装置。
  10. 【請求項10】 ばね下加速度の予測値とばね下加速度
    の計測値との誤差データと、この誤差データを正規化し
    た値もしくは上記誤差データに対応する値の移動平均と
    に基づいて走行路の路面状態に対応する制御ゲインを設
    定する制御ゲイン設定用のパーセプトロンを設けたこと
    を特徴とする請求項5,6または7記載の路面状態判定
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116691259A (zh) * 2022-02-28 2023-09-05 比亚迪股份有限公司 半主动悬架控制方法、系统及车辆

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