JPH06158188A - 真空脱ガス処理装置排気系ダスト付着防止方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブースターおよびエジェクターのノズルへの
ダスト付着防止方法および装置の提供。 【構成】 溶鋼真空脱ガス用ブースターおよびエジェク
ターにおいて、駆動蒸気流を噴出するノズル内側へのダ
スト付着を防止するため、ブースターおよびエジェクタ
ーのノズルへの駆動蒸気流供給回路に不活性気体供給回
路から分岐した先行復圧ラインを連結し、前記駆動蒸気
流供給停止直後に前記先行復圧ラインからノズルに窒素
を供給し、前記ノズル内を先行復圧し排気ダクトの逆流
を阻止して、排気気体流に付随するダストのノズル内壁
への付着を防止する方法および装置。 【効果】 高い操業効率を期待することができるととも
に、簡単な設備の付加をするのみで実用性、耐久性を期
待できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば溶融金属真空脱
ガスの際使用される減圧用ブースターおよび／またはエ
ジェクターの高圧気体流を噴出するノズル内壁へのダス
ト付着を防止する方法および装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】金属製造工程においては、色々の工程に
おいて真空処理を施すことは周知である。特に製鋼操業
においては溶鋼の真空脱ガス処理により、高品質の製品
が製造されている。

【０００３】従来、金属製造工業のように、排気ガス中
に大量の塵埃が含まれる場合には、排気装置として可動
部分がなく、長寿命で運転保持が容易なことからエジェ
クター真空ポンプが実用に供されてきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、溶鋼の真空
脱ガス処理の場合、排気ガス中には溶鋼やスラグの微粒
子（ダスト）が大量に含まれており、これらが低温とな
って真空脱ガス処理装置の排気系の内壁や、減圧用ブー
スターおよび／またはエジェクター内壁に凝固付着し、
種々の障害を与えている。外側に対するダスト付着につ
いては、図５に示す通り高圧洗浄水によって除去され、
ノズル内壁もその先端部分は洗浄が可能であるが内部は
困難である。

【０００５】そのため、減圧用ブースターおよび／また
はエジェクターの内壁に対し、高圧洗浄水ノズルを設置
して定期的に付着ダストを洗い落としたり、高圧気体流
を噴出するノズル内壁へのダスト付着には何らの考慮も
払われておらず、定期的に装置の運転を停止して人力に
より清掃作業が行なわれているのが実情である。たとえ
ば、従来操業においては、図５に示すとおりブースター
のマンホール内に作業者が入り、高圧気体流を噴出する
ノズル内壁に付着したダストの除去作業を行なうのであ
るが、装置内部が高温、かつ塵埃が充満した作業環境が
劣悪な場所であり、危険も伴うものである。

【０００６】本発明は、前記従来の問題点を解消し、減
圧用ブースターおよび／またはエジェクターの高圧気体
流を噴出するノズル内壁へのダスト付着を確実に防止
し、装置の稼働率を高めることができるダスト付着防止
方法および装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、排気系の運転
停止により系内が大気圧に復帰する際、減圧用ブースタ
ーおよび／またはエジェクターの高圧気体流を噴出する
ノズル内へ排気ガスが入りこんで、その内壁にダスト付
着が発生することを確認し、この時ノズル内の復圧を先
行させることによって、ノズル内壁へのダスト付着が防
止できることを知見し、本発明を完成するに至った。

【０００８】すなわち本発明は、金属真空脱ガス処理設
備に使用する減圧用ブースターおよび／またはエジェク
ターに対して、排気系内の復圧に際して前記駆動蒸気供
給停止直後に、ブースターおよび／またはエジェクター
に前記駆動蒸気供給口から不活性気体を供給し先行復圧
し、ブースターおよび／またはエジェクターのノズル内
を復圧し逆流を阻止して後、数秒遅れて主復圧不活性気
体流を先行復圧と別の場所から供給して復圧し、付随す
るダストのノズル内壁への付着を防止することを特徴と
する真空脱ガス処理排気系ダスト付着防止方法を要旨と
するものである。

【０００９】また、本発明は、金属真空処理設備に使用
する減圧用ブースターおよび／またはエジェクターにお
いて、水蒸気を噴出するノズルへの水蒸気流供給回路に
不活性気体供給回路を連結し、前記水蒸気供給停止直後
に前記不活性気体供給回路がブースターおよび／または
エジェクターに不活性気体による先行復圧作動する切り
替え手段と、主復圧用不活性気体が先行復圧と別の場所
から数秒遅れて維持される手段とを備えた真空脱ガス装
置排気系ダスト付着防止装置を要旨としている。

【００１０】

【作用】本発明の構成と作用を説明する。本発明は、図
１に示すような溶鋼真空脱ガス装置３のような金属真空
処理設備に使用する減圧用ブースター１ａ、１ｂ、１ｃ
および／またはエジェクター２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ、
２ｅ、２ｆ、２ｓの各ノズルに対して、その内壁にダス
トが付着し、操業に支障をきたさないようにするため
に、不活性気体供給回路４から分岐して先行復圧弁５ａ
を介した先行復圧ライン１８から、ブースター及びエジ
ェクターの夫れ夫れのノズルへ窒素を供給するようにな
っている。排気ダクト６へは不活性気体供給回路４が主
復圧弁５ｂを介して取付けられている。なお図中７ａ、
７ｂ、７ｃ、７ｄはコンデンサー、８はシールタンク、
９はガスクーラー、１０は取鍋、１１は昇降装置であ
る。

【００１１】図２はブースターを示し、１はブースター
本体であり、１２はノズル、１３はマンホール、１４は
排気ダクト吸込口、１５はダクト吐出口である。ブース
ター１のノズル１２に取付けられた駆動蒸気ライン１６
にブースターノズル先行復圧ライン１８を連結し、窒素
をノズルに吹き込むようになっている。１７は駆動蒸気
ライン１６の弁である。図３に示すようにエジェクター
２のノズル１２´に取付けられた駆動蒸気ライン１６に
先行復圧ライン１８を連結し、窒素をノズルに吹き込む
ようになっている。

【００１２】本発明が意図するところは、駆動蒸気を噴
出するノズル内に排気ダスト流が回りこむことを防止す
る点にあり、脱ガス操業が終了して、減圧用ブースター
および／またはエジェクターが停止すると同時に、駆動
蒸気ライン１６の弁１７をとじて、減圧用ブースターお
よび／またはエジェクターのノズルに通じている駆動蒸
気ライン１６に先行復圧ライン１８を連結しこれから不
活性気体、たとえば窒素ガスをブースターノズル及びエ
ジェクターノズルに供給して先行復圧し、数秒後に装置
内のダクトに不活性気体供給回路４を主復圧弁５ｂを介
して窒素ガスを供給して復圧する。このようにに先行し
て前記ノズル１２、１２´内を復圧にすることにより、
排気ガス流が回りこむことを防止するのである。

【００１３】図４は窒素ブロー（復圧）手順を示す説明
である。 脱ガス処理終了。排気系の蒸気の自動弁を閉にす
る。 先行復圧弁５ａを開にし、復圧を開始する。 例えば約５秒後に主復圧弁５ｂを開にする。 復圧完了。先行復圧弁５ａ、主復圧弁５ｂを閉にす
る。

【００１４】従来はブースター、エジェクターのノズル
内面にダストが付着し、所定の真空能力を維持させるた
めに、１回／１週間、の頻度で例えばブースターの場合
はマンホールを開け人がフースター内に入り、バール・
スコップ等の工具を使用して、ノズル内面のダストを除
去していたが、本発明によりその作業が皆無となった。
同様にエジェクターの場合も１回／１週間、の頻度で例
えばエジェクターのノズルを引き抜きハンマー等の工具
を使用して、ノズル内面のダストを除去していたが、本
発明によりその作業が皆無となった。

【００１５】

【実施例】 脱ガス処理終了。排気系の蒸気の自動弁を閉にし
た。 先行復圧弁５ａを開にし、復圧を開始した。 窒素：約３５００ｍ³／Ｈｒを流した。 例えば約５秒後に主復圧弁５ｂを開にした。 窒素：約１８５００ｍ³／Ｈｒを流した。 復圧完了。先行復圧弁５ａ、主復圧弁５ｂを閉にし
た。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているから、高い操業効率を期待することができるとと
もに、簡単な設備の付加をするのみで実用性、耐久性に
すぐれた装置に改良することが可能となり、工業的価値
が極めて大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用される装置の全体概要図である。

【図２】ブースターの要部説明図である。

【図３】エジェクターの部分説明図である。

【図４】本発明排気系ダスト付着防止方法の手順説明図
である。

【図５】ａはブースター蒸気ノズル内部へのダスト付着
を示す。ｂはエジェクター蒸気ノズルへのダスト付着を
示す。

【符号の説明】

１ａ 減圧用ブースター １ｂ 減圧用ブースター １ｃ 減圧用ブースター ２ａ 減圧用エジェクター ２ｂ 減圧用エジェクター ２ｃ 減圧用エジェクター ２ｄ 減圧用エジェクター ２ｅ 減圧用エジェクター ２ｆ 減圧用エジェクター ２ｓ 減圧用エジェクター ３ 溶鋼真空脱ガス装置 ４ ノズルの不活性気体供給回路 ５ａ 先行復圧弁 ５ｂ 主復圧弁 ６ 排気ダクト ７ａ コンデンサー ７ｂ コンデンサー ７ｃ コンデンサー ７ｄ コンデンサー ８ シールタンク ９ ガスクーラー １０ 取鍋 １１ 昇降装置 １２ ブースターノズル １２´ エジェクターノズル １３ マンホール １４ 排気ダクト吸込口 １５ 排気ダクト吐出口 １６ 駆動蒸気ライン １７ 駆動蒸気ラインの弁 １８ 先行復圧ライン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属真空脱ガス処理設備に使用する減圧
   用ブースターおよび／またはエジェクターに対して、排
   気系内の復圧に際して前記駆動蒸気供給停止直後に、ブ
   ースターおよび／またはエジェクターに前記駆動蒸気供
   給口から不活性気体を供給し先行復圧し、ブースターお
   よび／またはエジェクターのノズル内を復圧し逆流を阻
   止して後、数秒遅れて主復圧不活性気体流を先行復圧と
   別の場所から供給して復圧し、付随するダストのノズル
   内壁への付着を防止することを特徴とする真空脱ガス処
   理排気系ダスト付着防止方法。
2. 【請求項２】 金属真空処理設備に使用する減圧用ブー
   スターおよび／またはエジェクターにおいて、水蒸気を
   噴出するノズルへの水蒸気流供給回路に不活性気体供給
   回路を連結し、前記水蒸気供給停止直後に前記不活性気
   体供給回路がブースターおよび／またはエジェクターに
   不活性気体による先行復圧作動する切り替え手段と、主
   復圧用不活性気体が先行復圧と別の場所から数秒遅れて
   維持される手段とを備えた真空脱ガス装置排気系ダスト
   付着防止装置。