JPH06157627A - 反応性基を有するポリスチレンの製造方法 - Google Patents
反応性基を有するポリスチレンの製造方法Info
- Publication number
- JPH06157627A JPH06157627A JP33217892A JP33217892A JPH06157627A JP H06157627 A JPH06157627 A JP H06157627A JP 33217892 A JP33217892 A JP 33217892A JP 33217892 A JP33217892 A JP 33217892A JP H06157627 A JPH06157627 A JP H06157627A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerization
- polystyrene
- group
- reactive group
- styrene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F12/00—Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
- C08F12/02—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
- C08F12/04—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
- C08F12/06—Hydrocarbons
- C08F12/08—Styrene
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Polymerization Catalysts (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 スチレンのリビングカチオン重合で、片末端
に反応性基を有する分子量分布の狭いポリスチレンを容
易に得る。 【構成】 重合開始剤として、特定の有機ハロゲン化合
物と、ルイス酸性を有するハロゲン化金属とからなる重
合開始剤を用い、第4級アンモニウム塩の存在下でスチ
レンをリビングカチオン重合する。
に反応性基を有する分子量分布の狭いポリスチレンを容
易に得る。 【構成】 重合開始剤として、特定の有機ハロゲン化合
物と、ルイス酸性を有するハロゲン化金属とからなる重
合開始剤を用い、第4級アンモニウム塩の存在下でスチ
レンをリビングカチオン重合する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、分子の片末端に、
(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基または塩
素原子もしくはアセトキシ基のような求核置換反応性の
基を有するポリスチレンの製造方法に関するものであっ
て、この発明によって得られるポリスチレンは、分子量
分布が狭く、かつ反応性基を有するために、他のポリマ
ーの改質等に有用である。
(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基または塩
素原子もしくはアセトキシ基のような求核置換反応性の
基を有するポリスチレンの製造方法に関するものであっ
て、この発明によって得られるポリスチレンは、分子量
分布が狭く、かつ反応性基を有するために、他のポリマ
ーの改質等に有用である。
【0002】
【従来の技術】分子の末端に反応性基を有するポリマー
は、例えばブロック共重合体の製造に用いられているよ
うに、既存のポリマーに新たな物性・機能を付与するた
めの材料として好適である。その中でも反応性基として
ラジカル重合性基を持つポリマーはマクロモノマーと称
され、グラフト共重合体の製造に利用されている。
は、例えばブロック共重合体の製造に用いられているよ
うに、既存のポリマーに新たな物性・機能を付与するた
めの材料として好適である。その中でも反応性基として
ラジカル重合性基を持つポリマーはマクロモノマーと称
され、グラフト共重合体の製造に利用されている。
【0003】最近、上記反応性ポリマーについて、分子
量分布の狭いポリマーが求められており、その手段とし
てリビングアニオン重合による製造が検討されている。
しかしながら、リビングアニオン重合では、重合系の僅
かな不純物も問題となり、例えば水については、完全に
除去しないと重合が進行しないというように、工業化が
容易でないという問題があった。
量分布の狭いポリマーが求められており、その手段とし
てリビングアニオン重合による製造が検討されている。
しかしながら、リビングアニオン重合では、重合系の僅
かな不純物も問題となり、例えば水については、完全に
除去しないと重合が進行しないというように、工業化が
容易でないという問題があった。
【0004】上記リビングアニオン重合法に対して、リ
ビングカチオン重合法では、重合に及ぼす不純物の影響
が少なく、重合開始剤1モル当り、0.04〜0.06
モル程度の水分が混入していても、分子量分布の狭い重
合体が高収率で得られることが一般的に知られている。
〔例えばMacromolecules(マクロモレキュールズ).第
17巻,265頁(1984年)〕。したがって、リビ
ングカチオン重合法によれば、単量体および溶剤に関す
る高度な精製操作を要せずに、目的のポリマーを合成す
ることが可能となる。
ビングカチオン重合法では、重合に及ぼす不純物の影響
が少なく、重合開始剤1モル当り、0.04〜0.06
モル程度の水分が混入していても、分子量分布の狭い重
合体が高収率で得られることが一般的に知られている。
〔例えばMacromolecules(マクロモレキュールズ).第
17巻,265頁(1984年)〕。したがって、リビ
ングカチオン重合法によれば、単量体および溶剤に関す
る高度な精製操作を要せずに、目的のポリマーを合成す
ることが可能となる。
【0005】発明者らは、上記リビングカチオン重合に
よって分子の片末端にラジカル重合性基またはフェノー
ル性水酸基を有するポリスチレンを製造する方法に関し
て、先に特許出願している。具体的には、スチレン単量
体をリビングカチオン重合させた後、ラジカル重合性基
を有するシラン化合物またはグリニャール化合物によっ
て重合を停止させ、ポリスチレン型マクロモノマーを製
造する方法(特願平4−112303号)であり、ま
た、p−t−ブトキシスチレンのプロトン酸付加物を重
合開始剤として使用し、スチレン単量体をリビングカチ
オン重合させた後、p−t−ブトキシフェニル基をp−
ヒドロキシフェニル基に転換することによって、分子の
片末端にフェノール性水酸基を有するポリスチレンを製
造する方法(特願平4−112311号)である。
よって分子の片末端にラジカル重合性基またはフェノー
ル性水酸基を有するポリスチレンを製造する方法に関し
て、先に特許出願している。具体的には、スチレン単量
体をリビングカチオン重合させた後、ラジカル重合性基
を有するシラン化合物またはグリニャール化合物によっ
て重合を停止させ、ポリスチレン型マクロモノマーを製
造する方法(特願平4−112303号)であり、ま
た、p−t−ブトキシスチレンのプロトン酸付加物を重
合開始剤として使用し、スチレン単量体をリビングカチ
オン重合させた後、p−t−ブトキシフェニル基をp−
ヒドロキシフェニル基に転換することによって、分子の
片末端にフェノール性水酸基を有するポリスチレンを製
造する方法(特願平4−112311号)である。
【0006】また、発明者らは、ある種のビニルエーテ
ルと塩化水素の付加物、たとえば、1−(2−アクリロ
イルオキシエトキシ)エチルクロライドまたは1−(2
−メタクリロイルオキシエトキシ)エチルクロライド等
が、α−メチルスチレンのリビングカチオン重合の重合
開始剤として適していることを見出し、ポリα−メチル
スチレン型マクロモノマーの製法に関しても提案してい
る。(特願平4−143556号)
ルと塩化水素の付加物、たとえば、1−(2−アクリロ
イルオキシエトキシ)エチルクロライドまたは1−(2
−メタクリロイルオキシエトキシ)エチルクロライド等
が、α−メチルスチレンのリビングカチオン重合の重合
開始剤として適していることを見出し、ポリα−メチル
スチレン型マクロモノマーの製法に関しても提案してい
る。(特願平4−143556号)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、上記特願
平4−143556号で提案した、α−メチルスチレン
のリビングカチオン重合開始剤について、さらに検討し
た結果、ビニルエーテルと塩化水素の付加物およびルイ
ス酸性を有するハロゲン化金属の2成分に加えて、4級
アンモニウム塩を用いることにより、スチレンを高収率
でリビングカチオン重合できることを見出し、この発明
を完成するに至った。
平4−143556号で提案した、α−メチルスチレン
のリビングカチオン重合開始剤について、さらに検討し
た結果、ビニルエーテルと塩化水素の付加物およびルイ
ス酸性を有するハロゲン化金属の2成分に加えて、4級
アンモニウム塩を用いることにより、スチレンを高収率
でリビングカチオン重合できることを見出し、この発明
を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、4級アンモ
ニウム塩の存在下で、下記化2の一般式(式中、Xはハ
ロゲン原子であり、Yは反応性置換基である。)で表さ
れる有機ハロゲン化合物とルイス酸性を有するハロゲン
化金属とからなる重合開始剤により、スチレンをリビン
グカチオン重合させることを特徴とする分子の片末端に
反応性基を有するポリスチレンの製造方法である。な
お、明細書中化1および化2は同じ内容の化学式であ
る。
ニウム塩の存在下で、下記化2の一般式(式中、Xはハ
ロゲン原子であり、Yは反応性置換基である。)で表さ
れる有機ハロゲン化合物とルイス酸性を有するハロゲン
化金属とからなる重合開始剤により、スチレンをリビン
グカチオン重合させることを特徴とする分子の片末端に
反応性基を有するポリスチレンの製造方法である。な
お、明細書中化1および化2は同じ内容の化学式であ
る。
【0009】
【化2】CH3 −CHX−O−CH2 CH2 −Y
【0010】以下、この発明の反応性基を有するポリス
チレンの製造方法についてさらに詳しく説明する。この
発明において、重合開始剤の一成分として用いられる前
記の化2で示される有機ハロゲン化合物の置換基Yとし
ては、クロル基等のハロゲン原子、アセトキシ基または
ベンゾイロキシ基等のアシロキシ基、(メタ)アクリロ
イルオキシ基、アリロキシ基、フタルイミド基、エトキ
シカルボニルメトキシ基およびジ(エトキシカルボニ
ル)メトキシ基等が挙げられ、より好ましくはクロル
基、アセトキシ基、ベンゾイロキシ基、(メタ)アクリ
ロイルオキシ基およびフタルイミド基である。
チレンの製造方法についてさらに詳しく説明する。この
発明において、重合開始剤の一成分として用いられる前
記の化2で示される有機ハロゲン化合物の置換基Yとし
ては、クロル基等のハロゲン原子、アセトキシ基または
ベンゾイロキシ基等のアシロキシ基、(メタ)アクリロ
イルオキシ基、アリロキシ基、フタルイミド基、エトキ
シカルボニルメトキシ基およびジ(エトキシカルボニ
ル)メトキシ基等が挙げられ、より好ましくはクロル
基、アセトキシ基、ベンゾイロキシ基、(メタ)アクリ
ロイルオキシ基およびフタルイミド基である。
【0011】化2で表される有機ハロゲン化合物の具体
例としては、1−(2−クロロエトキシ)エチルハライ
ド、1−(2−アセトキシエトキシ)エチルハライド、
1−(2−ベンゾイロキシエトキシ)エチルハライド、
1−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチルハラ
イドおよび1−(2−フタルイミドエトキシ)エチルハ
ライド等を挙げることができ、これらの化合物中のハロ
ゲン原子として、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子
が好ましく使用される。特に好ましい有機ハロゲン化合
物は、1−(2−クロロエトキシ)エチルクロライド、
1−(2−アセトキシエトキシ)エチルクロライド、1
−(2−ベンゾイロキシエトキシ)エチルクロライド、
1−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチルクロ
ライドおよび1−(2−フタルイミドエトキシ)エチル
クロライドである。
例としては、1−(2−クロロエトキシ)エチルハライ
ド、1−(2−アセトキシエトキシ)エチルハライド、
1−(2−ベンゾイロキシエトキシ)エチルハライド、
1−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチルハラ
イドおよび1−(2−フタルイミドエトキシ)エチルハ
ライド等を挙げることができ、これらの化合物中のハロ
ゲン原子として、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子
が好ましく使用される。特に好ましい有機ハロゲン化合
物は、1−(2−クロロエトキシ)エチルクロライド、
1−(2−アセトキシエトキシ)エチルクロライド、1
−(2−ベンゾイロキシエトキシ)エチルクロライド、
1−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチルクロ
ライドおよび1−(2−フタルイミドエトキシ)エチル
クロライドである。
【0012】上記の有機ハロゲン化合物は、例えばクロ
ロエチルビニルエーテルまたは2−アセトキシエチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテルと、塩化水素、臭化水
素またはヨウ化水素等のハロゲン化水素とを等モルで、
−78〜0℃程度の低温下で反応させることによって合
成することができる。
ロエチルビニルエーテルまたは2−アセトキシエチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテルと、塩化水素、臭化水
素またはヨウ化水素等のハロゲン化水素とを等モルで、
−78〜0℃程度の低温下で反応させることによって合
成することができる。
【0013】この発明における重合開始剤は、前記有機
ハロゲン化合物およびルイス酸性を有するハロゲン化金
属からなるもので、ルイス酸性を有するハロゲン化金属
としては、四塩化スズ(SnCl4 )、四臭化スズ(S
nBr4 )、三フッ化ホウ素(BF3 )、三塩化アルミ
ニウム(AlCl3 )、三臭化アルミニウム(AlBr
3 )、二塩化亜鉛(ZnCl2 )、五塩化アンチモン
(SbCl5 )、三塩化鉄(FeCl3 )、四塩化チタ
ン(TiCl4 )、四臭化チタン(TiBr4 )、五塩
化レニウム(ReCl5 )、ジエチルアルミニウムモノ
クロライド、モノエチルアルミニウムジクロライド等を
挙げることができ、好ましくは四塩化スズ(SnC
l4 )である。
ハロゲン化合物およびルイス酸性を有するハロゲン化金
属からなるもので、ルイス酸性を有するハロゲン化金属
としては、四塩化スズ(SnCl4 )、四臭化スズ(S
nBr4 )、三フッ化ホウ素(BF3 )、三塩化アルミ
ニウム(AlCl3 )、三臭化アルミニウム(AlBr
3 )、二塩化亜鉛(ZnCl2 )、五塩化アンチモン
(SbCl5 )、三塩化鉄(FeCl3 )、四塩化チタ
ン(TiCl4 )、四臭化チタン(TiBr4 )、五塩
化レニウム(ReCl5 )、ジエチルアルミニウムモノ
クロライド、モノエチルアルミニウムジクロライド等を
挙げることができ、好ましくは四塩化スズ(SnC
l4 )である。
【0014】4級アンモニウム塩は、有機ハロゲン化合
物およびハロゲン化金属と共に、重合に際して重合系に
添加され、その役割は重合生長末端の安定化にある。4
級アンモニウム塩が添加されないと、分子量分布の狭い
ポリマーは得られない。好ましい4級アンモニウム塩と
しては、テトラアルキルアンモニウムハライドである。
こゝでハライドとしては、クロライド、ブロマイドまた
はアイオダイドが好ましく、アルキルとしては、メチ
ル、エチルおよびブチル等が好ましい。好ましいテトラ
アルキルアンモニウムハライドの具体例としては、テト
ラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモ
ニウムブロマイドおよびテトラブチルアンモニウムアイ
オダイドが挙げられる。
物およびハロゲン化金属と共に、重合に際して重合系に
添加され、その役割は重合生長末端の安定化にある。4
級アンモニウム塩が添加されないと、分子量分布の狭い
ポリマーは得られない。好ましい4級アンモニウム塩と
しては、テトラアルキルアンモニウムハライドである。
こゝでハライドとしては、クロライド、ブロマイドまた
はアイオダイドが好ましく、アルキルとしては、メチ
ル、エチルおよびブチル等が好ましい。好ましいテトラ
アルキルアンモニウムハライドの具体例としては、テト
ラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモ
ニウムブロマイドおよびテトラブチルアンモニウムアイ
オダイドが挙げられる。
【0015】重合開始剤における前記有機ハロゲン化合
物とハロゲン化金属の好ましい割合は、有機ハロゲン化
合物1モル当り、ハロゲン化金属1〜10モル、さらに
好ましくは1〜6モルである。また、重合開始剤と共に
使用する4級アンモニウム塩は、有機ハロゲン化合物1
モル当り0.01〜5モル使用することが好ましく、さ
らに好ましくは0.1〜2モルである。開始剤の重合系
への添加方法としては、後記する重合溶剤にスチレン、
有機ハロゲン化合物、4級アンモニウム塩を溶解した溶
液に、ハロゲン化金属を添加する方法が好ましく、ハロ
ゲン化金属が添加されると直ちに重合が開始する。
物とハロゲン化金属の好ましい割合は、有機ハロゲン化
合物1モル当り、ハロゲン化金属1〜10モル、さらに
好ましくは1〜6モルである。また、重合開始剤と共に
使用する4級アンモニウム塩は、有機ハロゲン化合物1
モル当り0.01〜5モル使用することが好ましく、さ
らに好ましくは0.1〜2モルである。開始剤の重合系
への添加方法としては、後記する重合溶剤にスチレン、
有機ハロゲン化合物、4級アンモニウム塩を溶解した溶
液に、ハロゲン化金属を添加する方法が好ましく、ハロ
ゲン化金属が添加されると直ちに重合が開始する。
【0016】前記の重合開始剤の使用量は、目的とする
ポリスチレンの分子量に応じて選択される。例えば、数
平均分子量が1000の重合体を目的とする場合には、
スチレン単量体1モル当り有機ハロゲン化合物を0.1
モルの割合で使用する。また、数平均分子量が5200
0の重合体を目的とする場合には、スチレン単量体1モ
ル当り有機ハロゲン化合物を0.002モルの割合で使
用すればよい。
ポリスチレンの分子量に応じて選択される。例えば、数
平均分子量が1000の重合体を目的とする場合には、
スチレン単量体1モル当り有機ハロゲン化合物を0.1
モルの割合で使用する。また、数平均分子量が5200
0の重合体を目的とする場合には、スチレン単量体1モ
ル当り有機ハロゲン化合物を0.002モルの割合で使
用すればよい。
【0017】重合溶剤としては、塩化メチレン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、二塩化エチレン、ベンゼン、トル
エン、ニトロメタンおよびニトロベンゼン等を挙げるこ
きができ、より好ましくは塩化メチレンである。また、
重合におけるスチレン単量体の好ましい溶液濃度は5〜
30重量%程度である。重合温度としては、−80℃〜
室温が好ましく、さらに好ましくは−20〜0℃であ
る。ポリスチレンへの反応性基の導入率を高めるために
は、−60℃〜−78℃で重合を開始させた後、−20
〜0℃で重合を進行させることが好ましい。
ホルム、四塩化炭素、二塩化エチレン、ベンゼン、トル
エン、ニトロメタンおよびニトロベンゼン等を挙げるこ
きができ、より好ましくは塩化メチレンである。また、
重合におけるスチレン単量体の好ましい溶液濃度は5〜
30重量%程度である。重合温度としては、−80℃〜
室温が好ましく、さらに好ましくは−20〜0℃であ
る。ポリスチレンへの反応性基の導入率を高めるために
は、−60℃〜−78℃で重合を開始させた後、−20
〜0℃で重合を進行させることが好ましい。
【0018】
【作用】この発明においては、前記化2で表される有機
ハロゲン化合物が重合開始端となり、下記化3の式(式
中、Yは反応性基である)によって表される重合体が得
られる。
ハロゲン化合物が重合開始端となり、下記化3の式(式
中、Yは反応性基である)によって表される重合体が得
られる。
【0019】
【化3】
【0020】したがって、化2の反応性置換基Yを変え
ることにより、種々の反応性基を有するポリスチレンを
得ることができる。また、反応性基としてアシロキシ基
またはフタルイミド基等の加水分解性基を有するポリス
チレンは、加水分解によってヒドロキシル基またはアミ
ノ基を有するポリスチレンに変換することも可能であ
る。得られた重合体の片末端に導入される官能基は、核
磁気共鳴スペクトル(NMR)等の測定によって確認す
ることができる。
ることにより、種々の反応性基を有するポリスチレンを
得ることができる。また、反応性基としてアシロキシ基
またはフタルイミド基等の加水分解性基を有するポリス
チレンは、加水分解によってヒドロキシル基またはアミ
ノ基を有するポリスチレンに変換することも可能であ
る。得られた重合体の片末端に導入される官能基は、核
磁気共鳴スペクトル(NMR)等の測定によって確認す
ることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例によりこの発明のポリスチレン
の製造方法をより具体的に説明する。実施例1 (クロロエトキシ末端ポリスチレンの合成)以下の操作
はすべて乾燥窒素雰囲気下で行い、試薬は注射器により
採取・添加した。2−クロロエチルビニルエーテルの
1.0M濃度のn−ヘキサン溶液50ml中に、温度0
℃で塩化水素ガスを30分間吹き込み、1.0M濃度の
1−(2−クロロエトキシ)エチルクロライド溶液を定
量的に合成した。スチレン0.58ml、ブロモベンゼ
ン0.12ml、塩化メチレン3.2ml、テトラブチ
ルアンモニウムクロライド(TBAC)の500mM塩
化メチレン溶液0.1mlをシュレンク反応管に採取
し、十分に混合した後、−78℃に冷却した。得られた
溶液に、前記の1−(2−クロロエトキシ)エチルクロ
ライドの0.3M濃度のn−ヘキサン溶液0.5mlを
添加し、引続き−78℃に冷却しておいた四塩化スズの
0.5M塩化メチレン溶液0.50mlを添加し、振り
混ぜ、−15℃に昇温して重合を開始させた。重合開始
時の各試薬の濃度は、1−(2−クロロエトキシ)エチ
ルクロライド:20mM、四塩化スズ:50mM、TB
AC:10mM、スチレン:1.0Mである。−15℃
で120分間重合させた後、メタノールを2ml加え、
重合を停止させた。ブロモベンゼンを内部標準として、
反応液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析したと
ころ、スチレンの重合率は46%であった。反応液をト
ルエンで希釈した後、希塩酸、水、希水酸化ナトリウム
水溶液、水で順次洗浄した後、溶媒を減圧下留去し、ポ
リスチレンを得た。得られたポリスチレンの分子量をG
PCで測定したところ、数平均分子量Mnは2430、
分子量分布Mw/Mnは1.12であった。また、得ら
れたポリスチレンの 1H−NMRスペクトルは、図1の
とおりであり、それより末端クロロエトキシ基の導入率
は91%であることが判った。
の製造方法をより具体的に説明する。実施例1 (クロロエトキシ末端ポリスチレンの合成)以下の操作
はすべて乾燥窒素雰囲気下で行い、試薬は注射器により
採取・添加した。2−クロロエチルビニルエーテルの
1.0M濃度のn−ヘキサン溶液50ml中に、温度0
℃で塩化水素ガスを30分間吹き込み、1.0M濃度の
1−(2−クロロエトキシ)エチルクロライド溶液を定
量的に合成した。スチレン0.58ml、ブロモベンゼ
ン0.12ml、塩化メチレン3.2ml、テトラブチ
ルアンモニウムクロライド(TBAC)の500mM塩
化メチレン溶液0.1mlをシュレンク反応管に採取
し、十分に混合した後、−78℃に冷却した。得られた
溶液に、前記の1−(2−クロロエトキシ)エチルクロ
ライドの0.3M濃度のn−ヘキサン溶液0.5mlを
添加し、引続き−78℃に冷却しておいた四塩化スズの
0.5M塩化メチレン溶液0.50mlを添加し、振り
混ぜ、−15℃に昇温して重合を開始させた。重合開始
時の各試薬の濃度は、1−(2−クロロエトキシ)エチ
ルクロライド:20mM、四塩化スズ:50mM、TB
AC:10mM、スチレン:1.0Mである。−15℃
で120分間重合させた後、メタノールを2ml加え、
重合を停止させた。ブロモベンゼンを内部標準として、
反応液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析したと
ころ、スチレンの重合率は46%であった。反応液をト
ルエンで希釈した後、希塩酸、水、希水酸化ナトリウム
水溶液、水で順次洗浄した後、溶媒を減圧下留去し、ポ
リスチレンを得た。得られたポリスチレンの分子量をG
PCで測定したところ、数平均分子量Mnは2430、
分子量分布Mw/Mnは1.12であった。また、得ら
れたポリスチレンの 1H−NMRスペクトルは、図1の
とおりであり、それより末端クロロエトキシ基の導入率
は91%であることが判った。
【0022】実施例2 (アセトキシエトキシ末端ポリスチレンの合成)2−ク
ロロエチルビニルエーテルの代わりに2−アセトキシエ
チルビニルエーテルを用い、重合開始時の試薬濃度を四
塩化スズ:100mM、TBAC:40mMにした他
は、実施例1と同様に行い、60分間重合させた。この
場合、スチレンの重合率は37%であり、また、重合体
のMnは2210、Mw/Mnは1.10であり、 1H
−NMRスペクトルは、図2のとおりであった。
ロロエチルビニルエーテルの代わりに2−アセトキシエ
チルビニルエーテルを用い、重合開始時の試薬濃度を四
塩化スズ:100mM、TBAC:40mMにした他
は、実施例1と同様に行い、60分間重合させた。この
場合、スチレンの重合率は37%であり、また、重合体
のMnは2210、Mw/Mnは1.10であり、 1H
−NMRスペクトルは、図2のとおりであった。
【0023】実施例3 (メタクリロイルオキシエトキシ末端ポリスチレンの合
成)2−クロロエチルビニルエーテルの代わりに2−ビ
ニロキシエチルメタクリレートを用い、重合開始時の試
薬濃度を四塩化スズ:40mM、TBAC:5mMにし
た他は、実施例1と同様に行い、100分間重合させ
た。この場合、スチレンの重合率は38%であり、ま
た、重合体のMnは1820、Mw/Mnは1.18
で、末端メタクリロイルオキシエトキシ基の導入率は、
ほゞ100%であった。また、 1H−NMRスペクトル
は、図3のとおりであった。
成)2−クロロエチルビニルエーテルの代わりに2−ビ
ニロキシエチルメタクリレートを用い、重合開始時の試
薬濃度を四塩化スズ:40mM、TBAC:5mMにし
た他は、実施例1と同様に行い、100分間重合させ
た。この場合、スチレンの重合率は38%であり、ま
た、重合体のMnは1820、Mw/Mnは1.18
で、末端メタクリロイルオキシエトキシ基の導入率は、
ほゞ100%であった。また、 1H−NMRスペクトル
は、図3のとおりであった。
【0024】実施例4 (フタルイミドエトキシ末端ポリスチレンの合成)2−
ビニロキシエチルメタクリレートの代わりに2−ビニロ
キシエチルフタルイミドを用いた他は、実施例3と同様
に行い、重合体を得た。この場合、スチレンの重合率は
46%であり、また、重合体のMnは2550、Mw/
Mnは1.13であり、末端フタルイミドエトキシ基の
導入率は99%であった。また、 1H−NMRスペクト
ルは、図4のとおりであった。
ビニロキシエチルメタクリレートの代わりに2−ビニロ
キシエチルフタルイミドを用いた他は、実施例3と同様
に行い、重合体を得た。この場合、スチレンの重合率は
46%であり、また、重合体のMnは2550、Mw/
Mnは1.13であり、末端フタルイミドエトキシ基の
導入率は99%であった。また、 1H−NMRスペクト
ルは、図4のとおりであった。
【0025】実施例5 (ベンゾイロキシエトキシ末端ポリスチレンの合成)2
−クロロエチルビニルエーテルの代わりに2−ベンゾイ
ロキシエチルビニルエーテルを用いた他は、実施例1と
同様に行い、重合体を得た。この場合、スチレンの重合
率は41%であり、また、重合体のMnは2170、M
w/Mnは1.12で、末端ベンゾイロキシエトキシ基
の導入率は94%であり、 1H−NMRスペクトルは、
図5のとおりであった。
−クロロエチルビニルエーテルの代わりに2−ベンゾイ
ロキシエチルビニルエーテルを用いた他は、実施例1と
同様に行い、重合体を得た。この場合、スチレンの重合
率は41%であり、また、重合体のMnは2170、M
w/Mnは1.12で、末端ベンゾイロキシエトキシ基
の導入率は94%であり、 1H−NMRスペクトルは、
図5のとおりであった。
【0026】
【発明の効果】この発明の反応性基を有するポリスチレ
ンの製造方法は、特定の有機ハロゲン化合物とルイス酸
性のハロゲン化金属とからなる重合開始剤を使用して、
4級アンモニウム塩の存在下でスチレンをリビングカチ
オン重合することによって、単量体および溶剤に関する
高度な精製操作を要せずに、分子量分布の狭い、末端に
各種の反応性官能基を有するポリスチレンを容易に製造
することができるものである。
ンの製造方法は、特定の有機ハロゲン化合物とルイス酸
性のハロゲン化金属とからなる重合開始剤を使用して、
4級アンモニウム塩の存在下でスチレンをリビングカチ
オン重合することによって、単量体および溶剤に関する
高度な精製操作を要せずに、分子量分布の狭い、末端に
各種の反応性官能基を有するポリスチレンを容易に製造
することができるものである。
【図1】実施例1により得られたポリスチレンの 1H−
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
【図2】実施例2により得られたポリスチレンの 1H−
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
【図3】実施例3により得られたポリスチレンの 1H−
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
【図4】実施例4により得られたポリスチレンの 1H−
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
【図5】実施例5により得られたポリスチレンの 1H−
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
Claims (1)
- 【請求項1】 4級アンモニウム塩の存在下で、下記化
1の一般式(式中、Xはハロゲン原子であり、Yは反応
性置換基である。)で表される有機ハロゲン化合物とル
イス酸性を有するハロゲン化金属とからなる重合開始剤
により、スチレンをリビングカチオン重合させることを
特徴とする反応性基を有するポリスチレンの製造方法。 【化1】CH3 −CHX−O−CH2 CH2 −Y
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33217892A JPH06157627A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 反応性基を有するポリスチレンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33217892A JPH06157627A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 反応性基を有するポリスチレンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157627A true JPH06157627A (ja) | 1994-06-07 |
Family
ID=18252041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33217892A Pending JPH06157627A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 反応性基を有するポリスチレンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06157627A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005073258A1 (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | 可溶性多官能ビニル芳香族重合体及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-11-19 JP JP33217892A patent/JPH06157627A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005073258A1 (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | 可溶性多官能ビニル芳香族重合体及びその製造方法 |
JP2005213443A (ja) * | 2004-01-30 | 2005-08-11 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 可溶性多官能ビニル芳香族重合体の製造方法 |
US7402645B2 (en) | 2004-01-30 | 2008-07-22 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Soluble polyfunctional vinyl aromatic polymer and method of producing the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7244870B2 (en) | Method for producing polyisobutenes | |
JP2002542343A (ja) | シリル官能性芳香族開始剤より調製されるリビングカチオンポリマー | |
JPH0579685B2 (ja) | ||
US5981785A (en) | Silyl-functional initiator for living cationic polymerization | |
WO2001087999A2 (en) | Virtually telechelic silyl-functional polyisobutylene | |
KR100591594B1 (ko) | 활성 양이온성 중합체의 커플링 방법 | |
US6051657A (en) | Silyl-functional living cationic polymers | |
JP3388865B2 (ja) | オレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法 | |
JPH06157627A (ja) | 反応性基を有するポリスチレンの製造方法 | |
CN110799553B (zh) | 用于生产聚合物的方法 | |
JP3107111B2 (ja) | 分子の片末端にフェノール性水酸基を有するポリスチレンの製造方法 | |
US5523359A (en) | Functionalized polymer and methods to obtain functionalized polymer | |
US5359018A (en) | Method of controlling the polymerization of acrylates | |
JP5173103B2 (ja) | スズ含有有機リチウム化合物及びその製造 | |
JPH06220130A (ja) | 反応性基を有するポリ(p−メチルスチレン)の製造方法 | |
US4943648A (en) | Initiators for group transfer polymerization | |
JP4341136B2 (ja) | 主鎖末端に官能基を有する重合体の製造方法 | |
JPH05310832A (ja) | α−メチルスチレンのリビングカチオン重合方法 | |
JPH05287023A (ja) | ポリスチレン型マクロモノマーの製造方法 | |
JPH075649B2 (ja) | アニオン重合方法 | |
JP3455954B2 (ja) | ビニルエーテルまたはプロペニルエーテル重合用リビング重合開始剤、およびそれを用いたリビング重合法 | |
US4626579A (en) | Process for the quasi-ionic polymerization of acrylic acid derivatives | |
JPH05310813A (ja) | ポリα−メチルスチレン型マクロモノマーの製造方法 | |
JP2941003B2 (ja) | スチレン類重合体の製造方法 | |
JP3018555B2 (ja) | 重合体の末端基導入方法 |