JPH0615744Y2 - 両頭筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、軸の両端開口からレフィール先端のペン体が
それぞれ出没する両頭筆記具に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

軸の両端にそれぞれペン体が取り付けられた両頭筆記具
は、ペン体のインキの色や筆跡の太さを異ならせること
ができ、１本で２本の筆記具の役目をする利点があり、
各種のものが実用化されている。かかる両頭筆記具は、
ペン体を保護したりインキの蒸発を防止するために軸の
両端にキャップが装着されることが多いが、これはキャ
ップの装着操作が面倒であり、キャップを紛失してしま
うこともある。このため、軸の両端からレフィール先端
のペン体が出没するようにした両頭筆記具が実用化され
ているが、このためには、軸内でレフィールを前後動さ
せる必要があり、部品点数が多くて構造が複雑になり、
ペン体の出没操作も煩雑である不具合がある。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、部品点数が少なくて構造が簡単であ
り、容易に軸の両端からレフィール先端のペン体が出没
させることができる両頭筆記具を提供することを目的と
する。

〔考案の構成とその作用〕

本考案の両頭筆記具は、後端に形成された円盤部同士が
軸支されてコンパス状に折り畳み可能な一対の軸と、そ
れぞれの軸内に収容されたレフィールと、それぞれの軸
内に配置されてレフィールの後端を保持する保持駒と、
軸および円盤部の外面に沿って配置され、一端が一の軸
内に収容された保持駒に連結されるとともに他端が他の
軸に固定された一対の弾性に富んだバネ鋼板からなる駆
動帯とからなり、一対の軸を、折り畳んで重ね合わせる
と、円盤部に沿った駆動帯がＵ字状に湾曲して大廻り
し、駆動帯に連結された保持駒が後退してレフィール先
端のペン体がそれぞれ軸内に没入し、一対の軸を直線状
に伸ばすと保持駒が前進してペン体がそれぞれ軸筒の先
端開口から突出することを特徴とする。

かかる両頭筆記具において、一対の駆動帯がコンパス状
に折り畳み可能な一対の軸の外面に沿って配置されてい
るので、つまり、軸の中心線と軸の回転中心から駆動帯
が外れているので、駆動帯が外側になるように一対の軸
を折り畳んで重ね合わせると、駆動帯が軸の外側をＵ字
状に湾曲して大廻りする。そして、駆動帯の一端が一の
軸内に収容された保持駒に連結されるとともに他端が他
の軸に固定されているので、保持駒が後退し、レフィー
ル先端のペン体がそれぞれ軸内に没入する。また、一対
の軸を直線状に伸ばすと、駆動帯も直線状になり、大廻
りが解消されるので、保持駒が前進してペン体がそれぞ
れ軸筒の先端開口から突出して筆記可能になる。このよ
うに、レフィールを保持した保持駒を前後動させるため
の部品は一対の駆動帯のみであり、部品点数が少なくて
構造が簡単となり、また、軸を折り曲げるだけで容易に
軸内にレフィール先端のペン体を没入させることができ
る。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明
する。

図面はボールペンの両頭筆記具を示すが、一対の軸は、
横断面が四角形状をした軸１Ａと軸１Ｂで構成されてい
る。軸１Ａの後端には、第２図に示すように、円盤部11
が形成され、軸１Ｂもこれと対称形で円盤部11が形成さ
れている。そして、この円盤部11,11が重ね合わされ
て、第１図に示すように、回転軸13で軸支されており、
コンパス状に折り畳むことができる。軸１Ａと軸１Ｂ内
にはボールペンレフィール４が収容されており、レフィ
ール４の後端が保持駒３で保持されている。

一対の駆動帯２Ａ，２Ｂは、弾性に富んだバネ鋼板から
なり、軸１Ａと軸１Ｂの４つの外面のうち、軸１Ａと軸
１Ｂを回転して折り畳んだときに外側になる外面および
円盤部11に沿って平行に配置されている。そして、駆動
帯２Ａは一端が軸１Ａに固定され、他端は、軸１Ｂ内の
保持駒３に縦孔12を通して連結されている。一方、駆動
帯２Ｂは一端が軸１Ｂに固定され、他端は、軸１Ａ内の
保持駒３に縦孔12を通して連結されている。また、回転
部である円盤部11の外側にはコ字型のガイドカバー５が
駆動帯２Ａ，２Ｂを覆うように取り付けられている。

しかして、筆記するときは、第３図に示すように、軸１
Ａと軸１Ｂが直線状に伸びており、ペン体41がそれぞれ
軸１Ａと軸１Ｂの先端開口から突出しているが、筆記が
完了すると、第１図に示すように、軸１Ａと軸１Ｂを回
転して折り畳む。このとき、駆動帯２Ａ，２Ｂは、軸１
Ａと軸１Ｂの外側になる外面および円盤部11に沿って平
行に配置されているので、軸１Ａと軸１Ｂの円盤部11に
沿ってＵ字状に湾曲し、大廻りする。そして、駆動帯２
Ａ，２Ｂの一端が軸１Ａ，１Ｂに固定されているので、
駆動帯２Ａ，２Ｂの他端に連結された保持駒３が引っ張
られて後退し、ペン体41がそれぞれ軸１Ａと軸１Ｂ内に
没入する。

次に筆記するときは、前述の通り、軸１Ａと軸１Ｂを直
線状に伸せばよい。このとき、駆動帯２Ａ，２Ｂは、ガ
イドカバー５で覆われているので、Ｕ字状に湾曲した状
態から直線状に伸び、大廻りが解消される。従って、保
持駒３が駆動帯２Ａ，２Ｂで押されて前進し、ペン体41
がそれぞれ軸１Ａと軸１Ｂの先端開口から突出して第３
図に示す状態に戻る。

このように、軸１Ａと軸１Ｂを回転して折り畳み、そし
て直線状に伸すのみでペン体41をそれぞれ軸１Ａと軸１
Ｂの先端開口から出没させることができるので、出没操
作が非常に容易であり、かつ駆動帯２Ａ，２Ｂによって
レフィール４を前後動させるので、構造が非常に簡単で
ある。そして、非使用時は軸１Ａと軸１Ｂが折り畳まれ
るので、コンパクトになり、携帯するのにきわめて便利
である利点も有する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の両頭筆記具は、一対の軸
を回転して折り畳むと駆動帯で引っ張られてペン帯が軸
内に没入し、軸を直線状に伸ばすと駆動帯で押されてペ
ン体が軸から出没するようにしたので、部品点数が少な
くて構造が簡単であり、ペン体の出没操作もきわめて容
易な両頭筆記具とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の断面図、第２図は軸の斜視図、
第３図は使用状態の側面図、第４図は非使用状態の側面
図である。 １Ａ，１Ｂ……軸、２Ａ，２Ｂ……駆動帯 ３……保持駒、４……レフィール 41……ペン体、５……ガイドカバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】後端に形成された円盤部同士が軸支されて
   コンパス状に折り畳み可能な一対の軸と、それぞれの軸
   内に収容されたレフィールと、それぞれの軸内に配置さ
   れてレフィールの後端を保持する保持駒と、軸および円
   盤部の外面に沿って配置され、一端が一の軸内に収容さ
   れた保持駒に連結されるとともに他端が他の軸に固定さ
   れた一対の弾性に富んだバネ鋼板からなる駆動帯とから
   なり、 前記一対の軸を、折り畳んで重ね合わせると、円盤部に
   沿った駆動帯がＵ字状に湾曲して大廻りし、駆動帯に連
   結された保持駒が後退してレフィール先端のペン体がそ
   れぞれ軸内に没入し、一対の軸を直線状に伸ばすと保持
   駒が前進してペン体がそれぞれ軸筒の先端開口から突出
   することを特徴とする両頭筆記具。