JPH06157045A - ルチル型チタニア−シリカガラスの製造法 - Google Patents

ルチル型チタニア−シリカガラスの製造法

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JPH06157045A
JPH06157045A JP30905792A JP30905792A JPH06157045A JP H06157045 A JPH06157045 A JP H06157045A JP 30905792 A JP30905792 A JP 30905792A JP 30905792 A JP30905792 A JP 30905792A JP H06157045 A JPH06157045 A JP H06157045A
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rutile
type titania
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glass
titania
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JP30905792A
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Koichi Nomura
浩一 野村
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Pola Chemical Industries Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C1/00Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels
    • C03C1/006Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels to produce glass through wet route

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温を必要とせず、シリカガラス中にルチル
型チタニアがほぼ均一に分散したガラス組成物が得ら
れ、しかも単体粉末やコーティング膜ばかりでなく繊維
状、板状又は線材としても製造可能なルチル型チタニア
−シリカガラスの製造法を提供する。 【構成】 シリコンアルコキシドと有機チタン化合物と
水混和性有機溶媒とを混合した溶液に、無機酸水溶液を
添加して加水分解を行い、さらに、60℃を越えない温
度、相対湿度60%以上の条件で熟成を行い、得られる
ゲルを乾燥、焼成してルチル型チタニア−シリカガラス
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルチル型チタニア−シ
リカゲル及びルチル型チタニア−シリカガラスの製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】チタニア−シリカガラスは、熱膨張係数
がほぼゼロに近い耐熱衝撃性材料として広範囲に利用さ
れている。又、紫外線遮蔽効果や高屈折率などの光学的
特性、あるいは絶縁性や高誘電率といった電気的特性に
も優れていることが知られている。
【0003】又、従来、Al23−SiO2系、TiO2
−SiO2系のような無機酸化物は、生体内の塩基性毒
素の除去、あるいはカナマイシン、カプレオマイシンな
どの塩基性抗生物質の分離精製に用いる吸着剤としても
知られている。
【0004】ところで、通常、非晶質のTiO2は、3
00℃でアナターゼ型、600℃でルチル型の結晶とな
ることが知られているが、上記電気的特性に関しては、
高温で安定なルチル相が低温で生成し易いアナターゼ相
よりも優れており、屈折率もルチル相の方が高いことが
知られている。
【0005】チタニア−シリカガラスの製造法として
は、従来、(1)二酸化ケイ素と二酸化チタンを混合
し、1750℃で溶融した後急冷する方法、(2)ケイ
酸アルカリ水溶液にチタン酸性水溶液を混合加熱し、沈
澱を得る方法(例えば特開昭62−197309号)、
(3)ハロゲン化ケイ素とハロゲン化チタン混合蒸気
を、酸化性ガスと850℃以上で反応させる方法(例え
ば特開昭50−123097号、特開昭50−1151
90号)、(4)金属アルコキシドから得られるガラス
を1200℃で加熱処理して得る方法(例えば特開昭6
0−90835号)等が提案されている。
【0006】しかしながら、(1)の方法は1750℃
という高温を必要とする上、溶融物の取扱いが困難であ
り、しかも最終生成物は非晶質であるという問題があ
る。また、(2)及び(3)の方法は、粉末状チタニア
−シリカガラスを得る方法であり、例えば板状、膜状、
繊維状といった成形品は得られないという問題がある。
さらに、(4)の方法は1200〜1300℃の高温を
必要とし、しかも生成する結晶中のチタニアはルチル型
に限定されない等の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解消するために、従来法のような高温を必要と
せず、シリカガラス中にルチル型チタニアがほぼ均一に
分散したガラス組成物が得られ、しかも単体粉末やコー
ティング膜ばかりでなく繊維状、板状又は線材としても
製造可能なルチル型チタニア−シリカガラスの製造法を
提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、シリカ化合物として
アルコキシドを用い、好ましくはゲル合成の初期に二酸
化チタン超微粒子を添加し、得られたゲルを温和な条件
で長時間乾燥させることにより、シリカゲル中にほぼ均
一にルチル型チタニアが分散したチタニア−シリカゲル
が得られ、これを乾燥、焼成することにより、ルチル型
チタニア−シリカガラスを従来よりも簡便に且つ低温で
製造することができることを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、シリコンアルコキシド
と有機チタン化合物と水混和性有機溶媒とを混合した溶
液に、無機酸水溶液を添加して加水分解を行い、さら
に、60℃を越えない温度、相対湿度60%以上の条件
で熟成を行うことを特徴とするルチル型チタニア−シリ
カゲルの製造法である。さらに本発明は、シリコンアル
コキシドと有機チタン化合物と水混和性有機溶媒とを混
合した溶液に、無機酸水溶液を添加して加水分解を行
い、さらに、60℃を越えない温度、相対湿度60%以
上の条件で熟成を行い、得られるゲルを乾燥、焼成する
ことを特徴とするルチル型チタニア−シリカガラスの製
造法を提供する。
【0010】尚、本発明のルチル型チタニア−シリカガ
ラスは、完全な非晶質ではないが、ガラス構造中に部分
結晶を含むという意味で「ガラス」ということとする。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】<1>本発明に用いる材料 (1)シリコンアルコキシド シリコンアルコキシドとしては、化1の一般式で表され
る化合物、例えば、シリコンメトキシド、シリコンエト
キシド、シリコンノルマルプロポキシド、シリコンイソ
プロポメトキシド、シリコンノルマルブトキシド、シリ
コンイソブトキシド、シリコンセカンダリブトキシド、
シリコンターシャリブトキシド等が挙げられ、単独ある
いは任意の2種以上の混合物として使用される。また、
これらの縮合物であってもよい。
【0012】
【化1】Si(OR)4 (但し、Rは短鎖アルキル基)
【0013】(2)有機チタン化合物 有機チタン化合物としては、例えば、化2の一般式で表
されるチタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンノ
ルマルプロポキシド、チタンイソプロポメトキシド、チ
タンノルマルブトキシド、チタンイソブトキシド、チタ
ンセカンダリブトキシド、チタンターシャリブトキシド
等のチタンテトラアルコキシド、あるいはテトラオクチ
レングリコールチタネート、テトラキス(2−エチルヘ
キシル)チタネート、ジイソプロポキシチタンビスアセ
チルアセトネート等が挙げられ、単独でも任意の2種以
上の混合物であってもよい。
【0014】
【化2】Ti(OR)4 (但し、Rは短鎖アルキル基)
【0015】(3)ルチル型チタニア超微粒子 ルチル型チタニア超微粒子としては、X線回折による結
晶型がルチル型であり、かつ、粒子径が50〜1000
オングストローム程度の酸化チタン超微粒子が好まし
い。このような酸化チタン超微粒子は、タイペークCR
−50(石原産業(株)社製)、チタンMT−100T
(テイカ社製)等が市販されており、これを使用するこ
とができる。
【0016】<2>本発明の製造法 次に、上記材料を用いた本発明のルチル型チタニア−シ
リカガラスの製造法を説明する。
【0017】(1)シリコンアルコキシドと有機チタン
化合物との混合 まず、上記シリコンアルコキシドと有機チタン化合物と
を水混和性有機溶媒中で混合する。この混合溶液の不混
和を防止し、さらに後述の加水分解反応を緩やかに進行
させるために、水と相溶する有機溶媒を用いるのが好ま
しい。このような有機溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、イソアミルアルコ
ール等のアルコール類や、グリセリン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げら
れ、単独あるいは相互不混和を起こさない2種以上の混
合物として用いられる。
【0018】シリコンアルコキシドと有機チタン化合物
及び有機溶媒との混合順序は特に限定されないが、有機
チタン化合物と有機溶媒の混合溶液にシリコンアルコキ
シドを添加する事が好ましい。又、有機チタン化合物は
大気中の水分と反応する事があるので、有機チタン化合
物と有機溶媒の混合過程は窒素ガス気流中で行う事が望
ましい。
【0019】有機チタン化合物とシリコンアルコキシド
との量比は、各々TiO2とSiO2に換算した値で、8
0〜1:20〜99が好ましく、60〜1:40〜99
がさらに好ましい。また、本発明のルチル型チタニア−
シリカゲルあるいはルチル型チタニア−シリカガラスを
高屈折率コーティング膜として使用する場合は、上記量
比は1〜20:99〜80、好ましくは1〜10:99
〜90が適当である。
【0020】上記のシリコンアルコキシド、有機チタン
化合物及び水混和性有機溶媒との混合に際し、必要に応
じてルチル型チタニア超微粒子を分散させる。これは、
ルチル型チタニアの結晶を生成しやすくするためであ
る。このルチル型チタニア超微粒子の添加順序及び添加
方法は、特に限定されない。添加量は、通常、前記混合
溶液に対し0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1
重量%の範囲が適当である。
【0021】(2)加熱還流 上記混合溶液を還流下で加熱撹拌する。この工程は必須
ではないが、シリコンアルコキシドと有機チタン化合物
あるいは酸化チタン超微粒子との反応を効率的に進行さ
せるために、行うことが好ましい。例えば冷却管を取り
付けた三つ口フラスコのような反応器中において、用い
た水混和性有機溶媒の沸点以上の温度で行うことが望ま
しい。
【0022】反応の時間は特に限定されないが、一定時
間以上反応を行っても反応効率は頭打ちになるので、6
〜92時間が適当であるが、望ましくは12〜24時間
が適当である。
【0023】尚、加熱還流を行った場合は、次に行う加
水分解反応を行う前に、室温まで冷却することが好まし
い。
【0024】(3)加水分解 次に、シリコンアルコキシドと有機チタン化合物の加水
分解を行う。これは、アルコキシ基の脱水重合反応を行
うためであり、反応するに従って透明ゲルが生成する。
【0025】加水分解反応の触媒としては、HCl、H
2SO4、HNO3等の無機酸の水溶液が挙げられ、これ
らを上記シリコンアルコキシドと有機チタン化合物との
混合液、あるいは加熱還流した混合液に徐々に滴下し、
ゆっくり混合するのが好ましい。シリコンアルコキシド
と有機チタン化合物の混合溶液と無機酸との混合割合は
モル比で1:0.5〜2の範囲が適当である。又、無機
酸水溶液中の無機酸濃度は10〜70重量%が適当であ
る。
【0026】(4)熟成 次に、上記反応液を温和な条件で長時間かけて乾燥させ
ることにより、熟成させる。この過程では、主として珪
素原子の重合反応が進行し、これに伴って透明ゲルが半
透明ないし乳白色ゲルに変化し、ルチル型チタニア−シ
リカゲルが生成する。ただし、系中のTiO2とSiO2
との比が20〜1:80:99である場合には、湿度に
よってはゲルが半透明又は乳白色に変化せず、透明ゲル
のままとなる。
【0027】熟成は、60℃を越えない温度、好ましく
は40℃以下、相対湿度60%以上、好ましくは70%
以上の条件下で、24〜600時間乾燥させるのが適当
である。このように温和な条件で長時間かけて乾燥させ
ることにより、ルチル型チタニアの結晶が分散されたシ
リカゲルが得られる。
【0028】上記のようにして得られたゲルを乾燥、焼
成すると透明、半透明あるいは乳白色のルチル型チタニ
ア−シリカガラスが得られる。系中のTiO2とSiO2
との比及び熟成中の相対湿度と、得られるゲルあるいは
ガラスの結晶型等との関係を図1に示す。系中のSiO
2に対するTiO2の割合が小さくなるにしたがって、成
形性を有し、透明性が高くなるので、用途により反応条
件を設定すればよい。
【0029】本発明のルチル型チタニア−シリカゲル
は、紫外線遮蔽コーティング膜、高屈折率コーティング
膜等に、また、ルチル型チタニア−シリカガラスは、紫
外線遮蔽ガラス、高屈折率ガラス等として有用である
他、チタニア−シリカガラスに共通する低熱膨張性を有
するガラス、あるいは塩基性物質の吸着剤としても有用
である。
【0030】さらに、板状、繊維状等のルチル型チタニ
ア−シリカガラスを製造することができるので、光ファ
イバーなどに有用である。
【0031】
【作用】熟成の条件を変化させ、生成するチタニア−シ
リカゲルの結晶型の違いを検討した。
【0032】後述実施例1で得られたテトライソプロピ
ルチタネートとシリコンテトラエトキシドの均一透明反
応液を、ポリプロピレン製の容器に静かに注ぎ蓋をせず
に、恒温恒湿器内に静置し、温度あるいは湿度を変化さ
せて熟成を行った。溶液は1日後にゲル化して流動性を
失い、5日後には乾燥ゲルが得られた。温度を40℃に固
定して相対湿度を変化させた場合、及び相対湿度を80%
に固定して温度を変化させた場合に得られた結晶型の確
認と屈折率の測定を行った。
【0033】結晶型は、次のようにして確認した。遊星
ボールミルを用い公転回転速度200rpmにて20分間微粉砕
したサンプルを、ガラス製のサンプルホルダーに詰め、
表面をできるだけ平滑にした後、X線回析装置(日本電
子製JDX-3500)を用い、Niフィルターで単色化されたCu
Kα線によって、管電圧40KV、管電流300mAの条件で2θ=
10〜80°の範囲を測定する事によって結晶型の確認を行
った。
【0034】屈折率は次のようにして測定した。粉末試
料1〜2gを試験管へ入れ、1ブロムナフタリン溶液を
5〜10ml添加し、スラリー化する。次に試験管へ温度計
を入れ、軽く撹拌した後、温度を5〜50℃まで変化さ
せ、溶液が赤色に変色したときの温度を測定した。この
温度より屈折率を算出した(測定範囲 nD=1.350〜1.66
5)。対照として、市販のシリカチタニアガラス(コー
ニングジャパン製CGW7971)の屈折率を同様の方法で測
定した。結果を、各々表1、表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】この結果から、熟成の条件は、60℃を越
えない温度、相対湿度60%以上が適当であることがわ
かる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。尚、各
実施例及び比較例の生成物の結晶型は、上述の方法によ
り確認した。
【0039】
【実施例1】テトライソプロピルチタネート37.90gを、
窒素雰囲気中で無水エタノール23.0gに溶解して得た溶
液に、シリコンテトラエトキシド13.89gを添加し、冷却
管を取り付けた三ツ口フラスコ中で80℃に加熱して24時
間撹拌した。そこに、無水エタノール23.0gに35%塩酸水溶
液10.42gと蒸留水9.0gを溶解して得た酸性溶液を、ガラ
ス製滴下ロートを用いて30分かけて添加し、さらに室温
にて30分撹拌して加水分解を完全に行った。
【0040】得られた均一透明溶液を、ポリプロピレン
製の容器に静かに注ぎ蓋をせずに40℃、RH80%に設定し
た恒温恒湿器内に静置して熟成を行った。溶液は1日後
にゲル化して流動性を失い、5日後には白色不透明な乾
燥ゲルが得られた。
【0041】この乾燥ゲルはX線回析による解析の結
果、アモルファスシリカとルチル型チタニアの混合相で
あった。
【0042】
【実施例2】ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセ
トネート48.41gを窒素雰囲気中でテトラヒドロフラン3
5.25gに溶解して得た溶液に、シリコンテトラメトキシ
ド20.22gを添加し、冷却管を取り付けた三ツ口フラスコ
中で90℃に加熱して24時間撹拌した。そこに、テトラヒ
ドロフラン35.25gに35%塩酸水溶液10.42gと蒸留水9.0g
を溶解して得た酸性溶液を、ガラス製滴下ロートを用い
て30分かけて添加し、さらに室温にて30分撹拌して加
水分解を完全に行った。
【0043】得られた溶液を200ml容トールビーカーに
静かに注ぎ、市販の電磁式モーターを用いて自作したデ
ィップコーターに速やかに設置し、装置ごと40℃、RH80
%に設定した恒温恒湿器に静置した。基板に表面をアセ
トン洗浄した20×70×1mmの石英ガラスを用い、ナイロ
ン糸を用いてこの基板を静置した前記溶液の真上に位置
するように装置のヘッドに取り付け、10mm/秒の速度で
静かに溶液に漬け、次いで5mm/秒の速度で基板を引き上
げことによって透明酸化物膜を得た。得られた膜は40
℃、RH80%の雰囲気で5日間熟成し、乳白濁の半透明乾燥
ゲル膜になった。
【0044】得られた乾燥ゲル膜は、X線回析による解
析の結果、アモルファスシリカとルチル型チタニアの混
合相であった。
【0045】
【実施例3】テトラエトキシチタネート22.74gを窒素雰
囲気中でメチルセロソルプ33.73gに溶解して得た溶液
に、シリコンテトラノルマルプロポキシド37.88gを添加
し、さらにルチル型超微粒子酸化チタン(テイカMT-100
T)0.01gをメチルセロソルブ10.0g中に超音波分散した
分散液を添加し、冷却管を取り付けた三ツ口フラスコ中
で80℃に加熱して24時間撹拌した。そこに、メチルセロ
ソルブ33.73gに35%塩酸水溶液13.55gと蒸留水9.0gを溶
解して得た酸性溶液をガラス製滴下ロートを用いて30分
かけて添加し、さらに室温にて30分撹拌し加水分解を完
全に行った。
【0046】得られた均一透明溶液をポリプロピレン製
の容器に静かに注ぎ蓋をせずに40℃、RH80%に設定した
恒温恒湿器に静置した。溶液は1日後にゲル化して流動
性を失い、5日後には白色不透明の乾燥ゲルが得られ
た。
【0047】この乾燥ゲルは、X線回析による解析の結
果、アモルファスシリカとルチル型チタニアの混合相で
あった。
【0048】
【実施例4】テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート
37.51gを窒素雰囲気中で無水イソプロピルアルコール3
0.0gに溶解して得た溶液に、シリコンテトラノルマルブ
トキシド42.68gを添加し、さらに超微粒子酸化チタン
(出光IT-S)を1200℃の大気中で12時間焼成した超微
粒子中の200mesh全通粒子0.01gを無水イソプロピルアル
コール10.0g中に超音波分散した分散液を添加し、冷却
管を取り付けた三ツ口フラスコ中で90℃に加熱して24時
間撹拌した。そこに、無水イソプロピルアルコール30.0
gに35%塩酸水溶液10.42gと蒸留水9.0gを溶解して得た酸
性溶液を、ガラス製滴下ロートを用いて30分かけて添加
し、さらに室温にて30分撹拌して加水分解を完全に行っ
た。
【0049】得られた溶液を200ml容トールビーカーに
静かに注ぎ、市販の電磁式モーターを用いて自作したデ
ィップコーターに速やかに設置し、装置ごと40℃、RH80
%に設定した恒温恒湿器に静置した。基板に表面をアセ
ント洗浄した20×70×1mmのPMMAポリメチルメタアクリ
レート)を用い、ナイロン糸を用いてこの基板を静置し
た前記溶液の真上に位置するように装置のヘッドに取り
付け、10mm/秒の速度で静かに溶液に漬け、次いで5mm/
秒の速度で基板を引き上げることによって透明酸化物膜
を得た。得られた膜は40℃、RH80%の雰囲気で5日間熟
成し、乳白濁の半透明乾燥ゲル膜になった。
【0050】得られた乾燥ゲル膜は、X線回析による解
析の結果、アモルファスシリカとルチル型チタニアの混
合相であった。
【0051】
【実施例5】実施例1で得られた乾燥ゲルを、汎用型電
気炉(ケイ化モリブデン発熱体)の炉内の磁性坩堝に入
れた後静置し、10℃/分の昇温速度で600℃まで加熱し、
その温度でさらに1時間熱処理し、半透明のガラス状組
成物を得た。
【0052】得られたガラス状組成物は、X線回析によ
る解析の結果、アモルファスシリカとルチル型チタニア
の混合相であった。
【0053】
【実施例6】実施例3で得ちれた乾燥ゲルを、汎用型電
気炉(ケイ化モリブデン発熱体)の炉内の磁性坩堝に入
れた後静置し、10℃/分の昇温速度で400℃まで加熱し、
その温度でさらに1時間熱処理し、半透明のガラス状組
成物を得た。
【0054】得られたガラス状組成物は、X線回析によ
る解析の結果、アモルファスシリカとルチル型チタニア
の混合相であった。
【0055】
【実施例7】テトライソプロピルチタネート6.40gを窒
素雰囲気中で無水エタノール23.0gに溶解して得た溶液
に、シリコンテトラエトキシド42.19gを添加し、冷却管
を取り付けた三ツ口フラスコ中で80℃に加熱して24時間
撹拌した。そこに、無水エタノール23.0gに35%塩酸水溶
液10.42gと蒸留水9.0gを溶解して得た酸性溶液を、ガラ
ス製滴下ロートを用いて30分かけて添加し、さらに室温
にて30分撹拌して加水分解を完全に行った。
【0056】得られた均一透明溶液を、ポリプロピレン
製の容器に静かに注ぎ蓋をせずに40℃、RH70%に設定し
た恒温恒湿器内に静置して熟成を行った。溶液は1日後
にゲル化して流動性を失い、5日後には無色透明な乾燥
ゲルが得られた。
【0057】この乾燥ゲルは、X線回析による解析の結
果、アモルファスシリカとルチル型チタニアの混合相で
あった。
【0058】
【実施例8】実施例7で得られた均一透明溶液を200ml
容トールビーカーに静かに注ぎ、市販の電磁式モータを
用いて自作したディップコーターに速やかに設置し、装
置ごと50℃、RH70%に設定した恒温恒湿器内に静置し
た。基板に表面をアセトン洗浄した20×70×1mmの石英
ガラスを用い、ナイロン糸を用いてこの基板を静置した
溶液の真上に位置するように装置のヘッドを取付け、10
mm/秒の速度で静かに溶液に漬け、次いで5mm/秒の速
度で基板を引き上げることによって透明酸化物膜を得
た。得られた膜は、50℃、RH70%の雰囲気で5日間熟成
し、無色透明の乾燥ゲル膜がとなった。
【0059】得られた乾燥ゲル膜は、X線回折による解
析の結果、アモルファスシリカとルチル型チタニア混合
相であった。
【0060】
【比較例1】実施例1で得られた均一透明溶液をポロプ
ロピレン製の容器に静かに注ぎ蓋をせずに、40℃、RH40
%に設定した恒温恒湿器内に静置した。溶液は1日後に
流動性を失い、5日後には無色透明の乾燥ゲルが得られ
た。
【0061】この乾燥ゲルは、X線回析による解析の結
果、アモルファスシリカとアナターゼ型チタニアの混合
相であった。
【0062】
【比較例2】実施例4で得たPMMA基板状に製膜した透明
酸化物を、80℃、RH70%に設定した恒温恒湿器内に静置
した。5日後には半透明の乾燥ゲルが得られた。
【0063】この乾燥ゲルは、X線回析による解析の結
果、アモルファスシリカとアナターゼ型チタニアの混合
相であった。
【0064】<屈折率の測定>上記の各実施例及び比較
例で得られたチタニア−シリカゲルの屈折率を上記と同
様にして測定した。結果を、結晶型と併せて表3に示
す。
【0065】
【表3】
【0066】この結果から明らかなように、本発明によ
り、ルチル型シリカチタニアゲル及びガラスを、従来の
ように高温を必要とせずに製造することができる。ま
た、このようにして得られたゲル及びガラスは、きわめ
て高い屈折率を有する。
【0067】
【発明の効果】本発明により、ルチル型チタニア−シリ
カゲル及びルチル型チタニア−シリカガラスを、従来法
のような高温を必要とせずに製造することがでる。本発
明のルチル型チタニア−シリカゲル及びルチル型チタニ
ア−シリカガラスは、シリカゲルあるいはシリカガラス
中にルチル型チタニアがほぼ均一に分散した組成物とし
て得られるので、コーティング膜等として有用である。
【0068】しかも、これらは、単体粉末やコーティン
グ膜ばかりでなく繊維状、板状又は線材としても製造可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】TiO2とSiO2との比と相対湿度に対する生
成物の物性の変化を示す図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンアルコキシドと有機チタン化合
    物と水混和性有機溶媒とを混合した溶液に、無機酸水溶
    液を添加して加水分解を行い、さらに、60℃を越えな
    い温度、相対湿度60%以上の条件で熟成を行うことを
    特徴とするルチル型チタニア−シリカゲルの製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、シリコンアルコキシ
    ドと有機チタン化合物と水混和性有機溶媒とを混合する
    際に、ルチル型チタニア超微粒子を添加することを特徴
    とするルチル型チタニア−シリカゲルの製造法。
  3. 【請求項3】 シリコンアルコキシドと有機チタン化合
    物と水混和性有機溶媒とを混合した溶液に、無機酸水溶
    液を添加して加水分解を行い、さらに、60℃を越えな
    い温度、相対湿度60%以上の条件で熟成を行い、得ら
    れるゲルを乾燥、焼成することを特徴とするルチル型チ
    タニア−シリカガラスの製造法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、シリコンアルコキシ
    ドと有機チタン化合物と水混和性有機溶媒とを混合する
    際に、ルチル型チタニア超微粒子を添加することを特徴
    とするルチル型チタニア−シリカガラスの製造法。
JP30905792A 1992-11-18 1992-11-18 ルチル型チタニア−シリカガラスの製造法 Pending JPH06157045A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09226054A (ja) * 1995-06-14 1997-09-02 Toto Ltd 防汚性結晶化ガラス
JP2009102219A (ja) * 2007-10-02 2009-05-14 Hitachi Ltd 光学ガラス
US8053382B2 (en) 2007-10-02 2011-11-08 Hitachi, Ltd. Optical glass
JP2016102038A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 新技術創造研究所株式会社 金属酸化物ガラス膜の製造方法

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