JPH0615690Y2 - メモリカード - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はメモリ等の集積回路チップが封入され、マイク
ロコンピュータ等の電子機器匣体に挿入して使用される
メモリカードに関する。

背景技術とその問題点 メモリ等の集積回路チップをカードに封入し、このカー
ドをマイクロコンピュータ等の電子機器匣体に挿入して
所望の動作を行わせることが提案されている。

第１図はメモリカード(1)の全体を示し、第２図はその
メモリカード(1)の分解図を示す。このカード(1)では、
上面に臨んで電極(2)を有するプリント配線等の回路基
板(3)が設けられ、この回路基板(3)の凹所(4)内にメモ
リ等の集積回路チップ(5)が配される。集積回路チップ
(5)の端子と電極(2)とはワイヤボンド又はその他によっ
て電気的に接続される。さらにこの回路基板(3)は例え
ば塩化ビニルよりなるカード基板(6)の凹所(7)内に収納
される。このカード基板(7)と回路基板(3)とを一体化す
るように上下両面が印刷による樹脂フィルム(8)及び(9)
によって封止される。この場合上側の樹脂フィルム(8)
には回路基板(3)の電極(2)が臨む開口(10)が設けられて
いる。

そしてこのようなメモリカード(1)は図示せざるもマイ
クロコンピュータ等の電子機器匣体に挿入されて用いら
れる。なお、匣体内にはカード挿入時の電極(2)に対応
する位置に接触子が設けられ、この接触子が信号処理回
路に接続される。

ところで、このようなメモリカード(1)においては、誤
まって水に落としたような場合、電極(2)が臨む能動領
域(11)が水に触れないようにメモリカード自身が水に浮
かぶことが望まれており、またそのように条件づけられ
ている場合もある。しかし、従来のメモリカード(1)は
使用材料及び構造上から比重が水より大きい。例えば、
たて、よこ及び厚さが85.4mm×54mm×0.8mmで重さの10.
5grの場合には比重ρは1.6となる。メモリカード自体の
厚みは極めて薄いので、水中に静かに置けば表面張力等
によって浮ぶが、当然水が運動していたり、カードを落
せば水中に沈んでしまう。

考案の目的 本考案は、上述の点に鑑み、カードを誤まって水等の液
中に落しても簡単に浮くことができるメモリカードを提
供するものである。

考案の概要 本考案は、カードの一部に空洞を設け、この空洞内に発
泡性樹脂を充填してカードの比重を１より小さくしたメ
モリカードであって、これによればカードを誤まって水
等の液中に落しても簡単に浮くことができる。

実施例 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

本考案においては、例えば第３図及び第４図に示すよう
に、メモリカードを構成するカード基体6の一部に複数
の空洞(12)を設ける。この例では、カード基体(6)をポ
リサルフォン樹脂の射出成型で構成する。カード基体
(6)の凹所(7)内には集積回路チップ(5)を取付けた回路
基板本例ではフレキシブル回路基板(13)を配置する。そ
して、集積回路チップ(5)の保護を兼ねて空洞(12)及び
凹所(7)内に発泡性樹脂（例えばポリエチレン）(20)を
充填したのち、印刷による樹脂フィルム(8)及び(9)によ
って封止し、目的のメモリカード(14)を構成する。な
お、本例ではカード基体(6)の凹所(7)内に段部(15)を設
け、フレキシブル回路基板(13)の電極(2)に対応する部
分をこの段部に位置せしめ、カード電子機器匣体に挿入
したときに接触子との接触を良好にする。

第５図は第４図の変形例であって、空洞(12)の部分を封
止する封止部材(16)を設けるようにした場合である。

このような構成によれば、発泡性樹脂(20)を充填した空
洞(12)を適当数設けることによって、カードの比重ρを
１以下にすることができる。従ってメモリカード(14)が
誤まって水中(17)に落ちても第６図に示すように簡単に
浮くことができ、このため電極(2)を含む能動領域(11)
が水に触れることが少なくなる。

第７図は本考案の他の実施例である。この例は能動領域
(11)をカード基体(6)の一方の側に設けると共に、他方
の側（６′）を他部より重く形成し、中間部に同様の空
洞(12)を設けるようにしてカード全体として水より比重
を小となるようにしてメモリカード(14)を構成する。こ
の構成によれば、第８図に示すように水中(17)に落した
場合、カード(14)は能動領域(11)を上にして垂直に浮
き、能動領域(11)が水に触ることがより少なくなる。

尚、上例では水中に落した場合について述べたが、他の
液中に落ちた場合にも浮くものである。

考案の効果 上述せる如く、本考案によればメモリカードの一部に第
１及び第２の空洞部を設け、これらに発泡性樹脂を充填
してカードの比重を１より小さくしたことにより、誤ま
ってカードを水中に落してもカードは浮くことになり、
能動領域が保護される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のメモリカードの一例を示す斜視図、第２
図はその分解斜視図、第３図及び第４図は本考案の一実
施例を示す斜視図及びその断面図、第５図は本考案の他
の実施例を示す断面図、第６図は本考案の動作の説明に
供する図、第７図は本考案のさらに他の実施例を示す正
面図、第８図はその動作の説明に供する図である。 (1),(14)はメモリカード、(2)は電極、(3),(13)は回路
基板、(5)は集積回路チップ、(6)はカード基板、(7)は
凹所、(8),(9)は樹脂フィルム、(11)は能動領域、(12)
は空洞、(20)は発泡性樹脂である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カードの一部に集積回路チップを納める第
   １の空洞部を設けて該空洞部に発泡性樹脂を充填し、更
   に該カードに少なくとも１個の第２の空洞部を形成して
   該空洞部に発泡性樹脂を充填し、該カードの比重を１よ
   り小さくしたことを特徴とするメモリカード。