JPH0615688B2 - 低降伏比高張力電縫鋼管用熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents

低降伏比高張力電縫鋼管用熱延鋼帯の製造方法

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JPH0615688B2
JPH0615688B2 JP22945885A JP22945885A JPH0615688B2 JP H0615688 B2 JPH0615688 B2 JP H0615688B2 JP 22945885 A JP22945885 A JP 22945885A JP 22945885 A JP22945885 A JP 22945885A JP H0615688 B2 JPH0615688 B2 JP H0615688B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は主として油井用鋼管として使用される電縫鋼
管用の熱延鋼帯を製造する方法に関し、特に降伏比が低
くしかも高強度を有する電縫鋼管用熱延鋼帯を安定して
製造する方法に関するものである。
従来の技術 一般に油井用鋼管、例えばケーシングやチュービングに
使用される鋼管としては、高強度を有することが必要と
されるのは勿論であるが、管端等を加工することも多い
ため加工性がある程度優れていることも求められ、その
ため近年は降伏比すなわち降伏応力/引張強さの値が小
さくしかも引張強さが大きい低降伏比高張力電縫鋼管の
需要が増大している。このような油井用の低降伏比高張
力鋼管の代表的な規格としては、API規格K−55が
あり、この規格では鋼管の降伏点が38.7〜56.2kgf/m
m2、引張り強さが66.8kgf/mm2以上が要求されている。
ところで上述のように低降伏比高張力の材料特性を有す
る電縫鋼管素材としての熱延鋼帯としては、高炭素でか
つ高Mn系の組成が必要とされ、一般にはC0.20〜
0.48%、Mn1.30〜1.70%、Si0.10
〜0.30%の鋼を用いるのが通常である。しかしなが
らこの種の鋼において所定の引張強さを確保するために
は、熱間圧延直後の鋼帯を比較的高い冷却速度で冷却す
る必要があるため、熱間圧延後のフェライト結晶粒が微
細化し易く、そのため高い引張強さを得ようとすれば相
対的に降伏比が上昇し易く、また次工程で鋼帯を鋼管に
成形加工する際に加工硬化によって降伏点が上昇するた
め、鋼管における降伏比を所定の範囲に納めることが極
めて困難であるのが実情である。
さらに、前述のような高炭素、高Mn系の鋼では、炭素
当量が相当に高いため、鋼の機械的特性は熱間圧延直後
の冷却速度および冷却パターンの影響を強く受け、その
ため同一鋼帯内あるいは鋼帯間における前記冷却条件の
わずかなバラツキでも材質が大きく変動し、したがって
均一な材質を維持することも極めて困難であった。
このような低降伏比高張力電縫鋼管の従来の製造方法と
しては、例えば特開昭60-13025号公報記載の方法や、特
公昭 60-7006号公報および特公昭 60-7007号公報記載の
方法などが知られている。しかしながら前者の特開昭60
-13025号公報記載の方法は、鋼帯を電縫鋼管に成形した
後、 750〜 950℃に再加熱し、焼準熱処理するものであ
り、このように成形加工後に熱処理工程が必要となるな
ど、工程数の増加、製造コストの上昇を招く欠点があっ
た。一方後者の特公昭60-7006 号および特公昭 60-7007
号では、上述の欠点を解消するべく、鋼帯の熱間圧延を
700〜 820℃で終了し、その後1秒以上30秒以内は無注
水で放冷し、その後巻取りまでの平均冷却速度を5℃/
sec以上として所定の温度範囲で巻取る方法と、鋼管に
成形する際の成形条件を特定する方法との組合せによっ
て、鋼管成形後の熱処理工程を省略することが提案され
ている。
発明が解決すべき問題点 しかしながら上述の特公昭 60-7006号、特公昭 60-7007
号に記載されているように仕上圧延温度および熱延後の
冷却条件を制御して材質調整を行なう場合にも、次のよ
うな問題があった。すなわち本発明者等の調査によれ
ば、高炭素当量の鋼を熱間圧延後冷却して材質調整する
場合、仕上圧延温度および熱延後の冷却速度条件を見掛
け上全く同一となるように調整した場合においても、最
終的な材質特性が大幅に変化する場合が多いことを知見
した。その原因は、仕上圧延よりも上流側の工程におけ
る熱歪履歴の違いによるγ粒度の変化等によって鋼組織
の変態特性に差異が生じていることに起因するものであ
り、このような場合は単に仕上圧延温度条件および冷却
速度条件を所定の範囲内に調整しただけでは安定して均
質性の高い所定の材質特性を得ることがでなかったので
ある。
この発明は以上の知見に基いてなされたものであり、所
要の低降伏比でかつ高強度を有する高炭素当量の電縫鋼
管用熱延鋼帯を、材質のバラツキが生じることなく安定
して得ることのできる方法を提供することを目的とする
ものである。
問題点を解決するための手段 本発明者等は上述の目的を達成するべく鋭意実験・検討
を重ねた結果、熱延工程での高炭素当量の鋼の材質調整
方法としては、従来技術の如く冷却速度、冷却パターン
等の温度に関係する条件を制御因子とする方法よりも、
冷却過程における鋼の変態挙動自体を直接制御因子とす
る方法の方がより精密かつ安定して所要の材質を得るこ
とが可能となることを見出した。
すなわち、本発明者等は既に特開昭 59-188508号におい
て、鋼の製造工程中においてオンラインでγ→α変態の
程度を検出することのできるオンライン変態率検出装置
を提案し、この装置は既に実用化に至っており、この装
置によれば熱延後の変態挙動をオンラインで検出するこ
とができる。そこで本発明者等は仕上圧延工程よりも上
流側の工程、例えばスラブ鋳造工程、スラブ加熱工程、
あるいは熱間粗圧延工程等での冶金的製造条件の変化に
起因して仕上圧延後のArおよびAr変態特性が変
化した場合においても、ランアウトテーブル上での冷却
過程における変態挙動を検出しつつ、その変化に応じて
冷却条件を修正し、変化挙動を所定条件範囲内に揃える
ことによって、油井用電縫鋼管として必要な低降伏点高
張力の材質特性を有しかつ材料内、材料間での均質性が
極めて優れた熱延鋼帯を製造し得ることを見出し、この
発明をなすに至ったのである。
具体的には、この発明低降伏比高張力電縫鋼管用熱延鋼
帯の製造方法は、重量%でC0.20〜0.50%、M
n0.7〜2.0%、Si0.05〜1.0%、Al
0.005〜0.10%を含有する鋼のスラブを仕上圧
延温度が 750〜 850℃の範囲内となるように熱間圧延し
た後、冷却するにあたって、仕上圧延終了時点から鋼中
のγ相の50%がγ→α変態するまでの所要時間をt50
するとともに、同じく仕上圧延終了時点から鋼中のγ相
の95%がγ→α変態するまでの所要時間をt95とし、両
者の比t50/t95が0.3以上の値となるようにランア
ウトテーブル上での冷却量を制御した後、 450〜 650℃
の範囲内の温度で冷却を停止し、直ちに巻取るかまたは
放冷後巻取ることを特徴とするものである。
作用および発明の具体的説明 先ずこの発明の方法で使用する鋼の成分限定理由を説明
する。
C: Cは必要な強度を得るために最も安価な元素であり、し
かもこの発明で対象とする低降伏点高張力の材質特性を
得る上において重要な元素である。Cが0.20%未満
では目的とする低降伏点高張力の材質特性を得ることが
困難となる。一方Cが0.50%を越えれば延性および
靱性が劣化し、また鋼管製造時の溶接性が悪化する。し
たがってCは0.20〜0.50%の範囲内とした。
Mn: MnはCと同様に低降伏点高張力の材質特性を得る上で
不可欠の元素であり、その観点から0.70%以上が必要で
ある。しかしながらMnが2.0%を越えれば焼入れ性
が著しく高くなって溶接性が劣化しまた製造コストも上
昇する。したがってMnは0.70〜2.0%の範囲内
とした。
Si: Siは脱酸元素および強化元素として有効であり、特に
延性の劣化を伴なわずに強度上昇を図ることができる有
用な元素である。この効果を得るためにはSi0.05
%以上が必要であり、一方1.0%を越えればコスト上
昇を招くところから、0.05〜1.0%の範囲内とし
た。
Al: Alは脱酸元素として不可欠の元素であり、清浄な鋼を
得るためには0.005%以上が必要である。しかしな
がらAlが0.10%を越えればその効果が飽和するば
かりでなく、溶接部の材質に悪影響が生じるから、0.
005〜0.10%の範囲内とした。
この発明の方法で用いる鋼の必須成分元素としては以上
のC、Mn、Si、Alを含有していれば良いが、これ
らの成分のほか、さらにCr0.10〜0.50%、T
i0.010〜0.050%、Nb0.010〜0.0
50%、V0.010〜0.100%、Ni0.10〜
0.50%、B0.0005〜0.0050%、Ca0.0
002〜0.0020%のうちの1種または2種以上を
含有していても良い。次にこれらの成分元素の添加理由
を説明する。
Cr、Ni: これらはいずれもMnと同様の作用があり、低降伏点高
強度の材質特性を得る上で有用な元素である。例えばC
rおよび/またはNiを等量のMnと置換えて使用すれ
ば、より一層の高強度化を図ることができる。この効果
を発揮させるためにはCr、Niともに0.10%以上
が必要であるが、Mnに比べて高価であり、したがって
Crおよび/またはNiを添加する場合の添加量はいず
れも0.10〜0.50%の範囲内が好ましい。
Ti、Nb、V: これらはいずれも炭窒化物を形成してそれによる析出硬
化により強度上昇を図ることができ、また結晶粒微細化
作用を有することから適量添加した場合には靱性の向上
にも有効な元素である。これらの効果を発揮させるため
にはいずれの元素についても0.010%以上が必要で
あるが、Ti、Nbがそれぞれ0.050%を越えれ
ば、またVが0.10%を越えれば、引張強さの上昇割合と
比較して降伏点の上昇割合が著しく増大し、この発明の
目的とする低降伏点高張力の材質特性を得ることが困難
となるから、Ti、Nbは0.010〜0.050%、
Vは0.010〜0.10%の範囲内とすることが好ま
しい。
B: Bは焼入性を高めてMn、Cr、Niと同様な効果を奏
し得るが、その効果を発揮するためには0.0005%
以上が必要である。一方その効果は0.0050%で飽
和するから、それを越えて多量に添加してもコスト上昇
を招くだけである。したがったBを添加する場合、その
範囲は0.0005〜0.0050%とすることが好ま
しい。
Ca: Caは延性、靱性に悪影響を及ぼすSと結合してそのS
の悪影響を小さくするに有効な元素であり、その効果を
発揮させるためには0.0002%以上が必要である
が、0.0020%を越えればその効果が飽和するばか
りでなく、清浄度を悪化させる。したがってCaを添加
する場合0.0002〜0.0020%の範囲内とすることが好まし
い。
次にこの発明の方法における製造プロセス条件、特に熱
延条件について説明する。
鋳造、スラブ加熱、および熱間圧延における粗圧延は従
来公知の常法にしたがって行えば良い。熱間圧延におけ
る仕上圧延は、仕上圧延温度が 750〜 850℃の範囲内と
なるように行なう。その理由は次の通りである。
仕上圧延温度は熱間圧延後の鋼帯の最終組織のうち、特
にフェライト結晶粒径に影響する因子であり、仕上圧延
温度の低下とともにフェライト結晶粒径は微細化する。
このようにフェライト結晶粒径を微細化させることは靱
性向上ならびにフェライト相と第2相(パーライト相も
しくはベイナイト相等)との分散状態の改善を通じて強
度−延性バランスが向上するという有利な面がある反
面、降伏比の上昇を招いて、この発明で目的とする低降
伏比の材質特性を得るためには不利となる。したがって
この発明では過度の結晶粒微細化を抑えて低降伏比を得
るために仕上圧延温度の下限を 750℃とした。一方仕上
圧延温度が高温過ぎれば、フェライト結晶粒の粗大化お
よびフェライト相と第2相との分散状態の悪化に伴なう
強度−延性バランスの悪化を招くばかりでなく、特に 8
50℃を越えれば仕上圧延直後の時点でのオーステナイト
粒径の粗大化を生じてそれ以後の冷却過程でのAr
態が著しく遅れ、そのため圧延速度を著しく遅くするか
またはランアウトテーブル長さが特に大きい製造ライン
としない限り、この発明の方法の如きランアウトテーブ
ル上での冷却量制御による材質調整が困難となるから、
経済性の観点もしくは製造ラインの制約の観点から好ま
しくなくなる。したがって仕上圧延温度の上限は 850℃
とした。
このように 750〜 850℃の範囲内での仕上圧延を終了し
た後には、仕上圧延終了時点からγ→α変態率50%に至
るまでの所要時間t50と同じく仕上圧延終了時点からγ
→α変態率95%に至るまでの所要時間t95との比(t50
/t95)が0.3以上となるようにランアウトテーブル
上での冷却を制御する。このようにγ→α変態率に関す
る所要時間t50、t95の比によって仕上圧延直後の冷却
を制御することとした理由を、本発明者等の詳細な実験
結果に基いて次に説明する。
本発明者等は、仕上圧延機出側のランアウトテーブル上
での鋼帯の変態率挙動と熱延−冷却後の引張特性との関
係を明らかにする目的で、第1表に示される鋼Cを用い
て仕上圧延温度およびランアウトテーブル上での冷却速
度および冷却パターンを種々変化させた条件によって
6.5mm厚の熱延鋼帯を製造した。この熱延鋼帯製造に
あたっては、ランアウトテーブルに特開昭 59-188508号
に示されるγ→α変態率検出装置を設置しておき、仕上
圧延完了時点からγ→α変態率が50%に達するまでの所
要時間t50および同じく95%に達するまでの所要時間t
95を測定し、それらの所要時間と熱延−冷却後の引張特
性、すなわち降伏応力(YS)および引張強さ(TS)
と対応させた。第1図にYSとt50との関係を示し、第
2図にTSとt95との関係を示す。また比較のため、従
来の材質調整方法における主要な制御因子である巻取温
度とYS、TSとの関係を第3図、第4図に示す。
これらの図から明らかなように、t50、t95の値が大き
くなるに従ってYS、TSは低下する傾向を示し、また
巻取温度が高くなるに従ってYS、TSが低下する傾向
を示しているが、第3図、第4図に見られるように巻取
温度とYS、TSとの関係の場合は同じ巻取温度でもY
S、TSのばらつきは大きく、一方第1図、第2図から
明らかなようにt50、t95の値とYS、TSとは極めて
強い相関関係を示し、それらの関係はほぼ一定の曲線上
に乗り、ばらつきが極めて少ないことが判る。このよう
な結果から、巻取温度を制御因子とするよりも、変態率
に直接関係するt50、t95の値を制御因子とした場合の
方が格段に目標とする材質特性を得る上において有利で
あることが予想される。
さらに第5図には、上記の実験における降伏比(YS/
TS)とt50/t95の比との関係を示す。第5図から、
50/t95の比の値が大きくなるに従って降伏比が小さ
くなり、しかもその関係は高い相関度を示している。し
たがってt50/t95の比の値を適切に定めることによ
り、所望の降伏比の材質を得ることが可能となることが
判る。ここで、t50およびt95の両者をオンライン上で
冷却量調整により直接正確に制御することは容易ではな
いが、t50/t95の比は冷却量調整により比較的容易に
制御することができる。すなわち、例えばランアウトテ
ーブルにてオンラインで変態率を検出して、変態率が50
%に達した時点で、それまでの所要時間T50に応じてそ
の後の冷却量を適切に調整することによりその後の冷却
速度を変え、これによって変態率95%に達するまでの時
間を調節してt50/t95の比の値がある範囲内となるよ
うに制御するこどができるのである。
以上のような理由から、この発明においては目的とする
低降伏比高張力の材質特定を確実かつ安定して得るため
に、t50/t95の値を指標としてランアウトテーブルで
の冷却量を制御することとしたのである。
この発明においては、油井用電縫鋼管として必要な低降
伏比高張力の材質特性を得るための要件として、t50
95の比を0.3以上の範囲に限定した。下限を0.3
とした理由は、製管時の加工硬化による降伏応力の上昇
が生じた場合においてもAPI規格のK55相当の低降
伏応力を確保するためには、製管前の鋼帯として降伏比
は0.7以下とする必要があり、そのためには第5図か
ら明らかなようにt50/t95の比を0.3以上とする必
要がある。
このようにt50/t95が0.3以上となるようにランア
ウトテーブルでの冷却を制御するための具体的方法とし
ては、例えば予めt50/t95が0.3以上となるような
標準的な変態率−時間曲線を作成しておき、変態率が50
%に達した時点でそれまでの所要時間t50が標準曲線に
おける時間より短か過ぎる場合にはその後の冷却量をさ
らに大きくしてt95も短くすることによりt50/t95
0.3以上に確保する方法、あるいは前記同様にt50
95が0.3以上となるような標準的な変態率−時間曲
線を作成しておき、逐時変態率を検出しつつ前記標準曲
線に可及的に一致するようにその都度冷却量を制御する
方法などが考えられる。
上述のようにt50/t95を指標として制御冷却を行なっ
た後には、 450〜 650℃の範囲内の温度で冷却を停止
し、直ちに巻取るか、または放冷後巻取る。ここで冷却
停止温度が 650℃を越える場合は、ランアウトテーブル
上での冷却量の調整を行なうに際してt50/t95の比を
制御する上での自由度が著しく小さくなって上述の制御
を実際に適用することが困難となる問題があるととも
に、実際にt50/t95の制御できたとしても 650℃を越
える場合は引張強さが低下して所要の引張強さを確保す
ることが困難となる問題がある。一方冷却停止温度を 4
50℃未満とすれば、熱延鋼帯の形状が冷却歪によって著
しく害され、たとえ所定の材質特性を得たとしても製品
価値が損われる。したがって冷却停止温度は 650〜 450
℃の範囲内とした。なお巻取りは上述のように 650〜 4
50℃の範囲内で冷却を停止して直ちに(したがってその
範囲内の温度で)行なうか、またはその後放冷してから
行えば良い。
実施例 第1表に示す化学組成の鋼A〜Lを第2表中に示す熱延
条件で圧延し、6.5mm厚の熱延鋼帯を製造した。これ
らの熱延鋼帯の長手方向10点について調べた機械的特性
の平均値、および特にその長手方向10点についての降伏
応力(YS)の標準偏差σを第2表に示す。また参考
のため各熱延鋼帯を用いて114.3mmφのAPI規格
K55相当の油井用電縫鋼管に製管した後のパイプの機
械的性質についても第2表中に併せて示す。
なおここで仕上圧延終了時点からγ→α変態率50%、95
%に達するまでの各所要時間t50、t95の測定は、本発
明者等が特開昭 59-188508号において提案しているオン
ライン変態率検出装置をランアウトテーブルに設置して
行なった。また各例において熱延後は制御冷却停止後直
ちに巻取った。
第2表において、No.4はt50/t95が0.3に満たな
い比較例、No.5は仕上圧延温度が 750℃より低くかつ
50/t95が0.3に満たない比較例であり、これらの
場合いずれも熱延鋼帯での降伏応力が高く、かつパイプ
での降伏応力API規格K55の上限56.2kgf/mm2を越
えていた。またNo.6はC、Mnの含有量がこの発明の
範囲から外れている鋼Aを用いたものであり、この場合
も熱延鋼帯、パイプでの降伏応力が高くなった。またN
o.17は、t50、t95による冷却制御を行なわず、従来
法に従って熱延後の平均冷却速度を40℃/secに制御し
た比較例であり、この場合はパイプでの降伏応力(Y
S)が若干高いばかりでなく、同一材料内での降伏応力
(YS)のばらつきが大きいことが判る。
これに対しNo.1〜No.2、No.7〜No.16はいずれもこ
の発明によるものであり、この場合には熱延鋼帯での降
伏比が充分に低く、そのためパイプでもAPI規格K5
5を満たす低降伏応力となっており、しかも同一材料内
での降伏応力のバラツキも少なく、同一材料内のいずれ
の部分でも上記規格を満たしていることが判明した。ま
たこのほか伸びも良好で、低降伏比であることと併せて
良加工性であることが判明した。
発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、この発明の方法に
よれば、低降伏比で高張力を有する電縫鋼管用熱延鋼帯
を得ることができるばかりでなく、材料内での材質特性
のばらつきの少ない電縫鋼管用熱延鋼帯を確実かつ安定
して製造し得る顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は熱延鋼帯の降伏応力とt50との関係を示す相関
図、第2図は熱延鋼帯の引張強さとt95との関係を示す
相関図、第3図は熱延鋼帯の降伏応力と巻取温度との関
係を示す相関図、第4図は熱延鋼帯の引張強さと巻取温
度との関係を示す相関図、第5図は降伏比(降伏応力/
引張強さ)とt50/t95との関係を示す相関図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC0.20〜0.50%、Mn
    0.7〜2.0%、Si0.05〜1.0%、Al0.
    005〜0.10%を含有する鋼のスラブを仕上圧延温
    度が 750〜 850℃の範囲内となるように熱間圧延した
    後、冷却するにあたって、仕上圧延終了時点から鋼中の
    γ相の50%がγ→α変態するまでの所要時間をt50とす
    るとともに、同じく仕上圧延終了時点から鋼中のγ相の
    95%がγ→α変態するまでの所要時間をt95とし、両者
    の比t50/t95が0.3以上の値となるようにランアウ
    トテーブル上での冷却量を制御した後、450〜650℃の範
    囲内の温度で冷却を停止し、直ちに巻取るかまたは放冷
    後巻取ることを特徴とする低降伏比高張力電縫鋼管用熱
    延鋼帯の製造方法。
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JPS6289813A (ja) 1987-04-24

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