JPH06155164A - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JPH06155164A
JPH06155164A JP31852192A JP31852192A JPH06155164A JP H06155164 A JPH06155164 A JP H06155164A JP 31852192 A JP31852192 A JP 31852192A JP 31852192 A JP31852192 A JP 31852192A JP H06155164 A JPH06155164 A JP H06155164A
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electrode
power supply
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Hisashi Yamada
久 山田
Takuji Magara
卓司 真柄
Yasushi Endo
靖士 遠藤
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工間隙に電圧を印加中に継続的に放電が発
生しない場合にも、被加工物の加工品質を向上でき、さ
らに高速加工を可能とすること。 【構成】 電極1と被加工物2との間に接続された第1
の直流電源3及び半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)の第1の半導体スイッチング素子6
(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制御し、前記
電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加して、継続
的な放電を発生させるとともに、前記電圧の印加中にお
ける所定時間以上の非放電状態では、前記第1の直流電
源3による電圧印加の休止時間TcをTc’(Tc<T
c’)に変更し、前記第1の直流電源3による前記電極
1と被加工物2との放電を検出したら、即時に前記休止
時間Tc’を変更前の値Tcに復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電加工装置に関する
ものであり、特に、電解作用を低減することにより加工
面の品質改善に寄与する放電加工装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図14は従来の放電加工装置の放電回路
の接続を示す回路図である。
【0003】図において、1は電極、2は被加工物、3
は出力電圧E1を可変に設定できる第1の直流電源、4
はダイオード、5は電流制限用抵抗、6は第1のスイッ
チング回路として機能する、例えば半導体スイッチング
素子である。電極1はダイオード4の陽極に接続され、
ダイオード4の陰極は第1の直流電源3の陰極に、第1
の直流電源3の陽極は電流制限用抵抗5の一端に接続さ
れ、電流制限用抵抗5の他端は半導体スイッチング素子
6の陽極に接続され、半導体スイッチング素子6の陰極
は被加工物2に接続されている。7は制御回路として機
能する、例えば発振回路である。この発振回路7の出力
端子7aは半導体スイッチング素子6の制御端子6aに
接続されている。8はダイオード、9は出力電圧E3を
有する第3の直流電源である。また、10は第3のスイ
ッチング回路として機能する、例えば半導体スイッチン
グ素子である。ダイオード8の陽極は電極1に接続さ
れ、ダイオード8の陰極は第3の直流電源9の陰極に接
続され、第3の直流電源9の陽極は半導体スイッチング
素子10の陽極に接続され、半導体スイッチング素子1
0の陰極は被加工物2に接続されている。11,12は
それぞれ分圧用抵抗器であり、分圧用抵抗器11の一端
は電極1に接続され、他端は分圧用抵抗器12の一端に
接続され、さらに、分圧用抵抗器12の他端は被加工物
2に接続されている。13は2つの入力端子13a,1
3bを有する差動増幅器、14は放電検出回路である。
差動増幅器13の入力端子13aは分圧用抵抗器11と
分圧用抵抗器12の接続点12aに接続され、差動増幅
器13の入力端子13bは被加工物2に接続されてい
る。また、差動増幅器13の出力端子13cは放電検出
回路14の入力端子14aに接続されている。15はワ
ンショットマルチバイブレータ、16は2入力AND回
路である。2入力AND回路16の一方の入力端子16
aは発振回路7の出力端子7bに接続され、他方の入力
端子16bは放電検出回路14の出力端子14bに接続
されている。また、2入力回路16の出力端子16cは
ワンショットマルチバイブレータ15の入力端子15a
に接続され、ワンショットマルチバイブレータ15の出
力端子15bは半導体スイッチング素子10の制御端子
10aに接続されている。なお、点線で示した17は電
極1と被加工物2間の浮遊容量を示している。
【0004】また、この放電回路には、電極1と被加工
物2間に逆電圧を印加する逆電圧印加回路が設けられて
いる。101は第2の直流電源、102は抵抗器、10
3は第2のスイッチング回路として機能する、例えば半
導体スイッチング素子である。また、第2の直流電源1
01、抵抗器102、半導体スイッチング素子103の
直列対は電極1と被加工物2との間に、第1の直流電源
3と逆極性で接続されている。104は2入力AND回
路であり、この2入力AND回路104の出力端子10
4aは半導体スイッチング素子103の制御端子103
aに接続されている。また、2入力AND回路104の
一方の入力端子104bは発振回路7の出力端子7cに
接続され、他方の入力端子104cはワンショットマル
チバイブレータ15の出力端子15cに接続されてい
る。
【0005】次に、上記構成の従来の放電回路の動作に
ついて、図15に示すタイミングチャートにより説明す
る。図15は図14の放電回路の動作タイミングを示す
タイミングチャートである。
【0006】発振回路7は所定の周期Taで発振を行
い、出力端子7aに図15の(b)のようなパルス電圧
を出力している。このパルス電圧はTbの期間“1”で
あり、Tcの期間“0”であり、このパルス電圧により
半導体スイッチング素子6がTbの期間オンし、Tcの
期間オフする。半導体スイッチング素子6がオンしてい
るとき、第1の直流電源3の電圧を電流制限用抵抗5及
びダイオード4を介して電極1と被加工物2の間(以
後、これを加工間隙と称す)に印加し放電を開始させ
る。図15の(a)の波形は電極1に対する被加工物2
の電位(以下、加工間隙電圧Eg)を示している。この
波形は半導体スイッチング素子6がオンした後、放電が
開始されるまでは、加工間隙電圧Egは第1の直流電源
3の電圧となり、放電開始とともに加工間隙電圧Egは
低下し、所定の電圧Vgに変化する。分圧用抵抗器12
の両端には、加工間隙電圧Egに比例した電圧が発生す
るので、差動増幅器13の出力電位は、加工間隙電圧E
gに比例した電圧になる。また、この電圧は放電検出回
路14の入力端子14aに入力される。放電検出回路1
4は、この電圧に基づき、加工間隙電圧が予め設定され
た第1の電圧Es1と第2の電圧Es2との間の電圧で
あれば、放電が行われているものとして放電検出回路1
4は出力端子14bに“1”を出力する。また、加工間
隙電圧Egが第1の電圧Es1と第2の電圧Es2との
間の電圧でなければ、放電は行われていないものとし
て、放電検出回路14は出力端子14bに“0”を出力
する。図15の(e)は、この出力端子14bの電圧波
形を示し、図15の(d)は発振回路7の出力端子7b
に出力される電圧波形を示している。なお、この出力端
子7bの電圧波形は発振回路7の出力端子7aの立上り
時点から所定時間Td遅れて立上り、所定時間Te後に
立ち下がるパルス波形になっている。図15の(f)は
図15の(d)に示される発振回路7の出力端子7bの
信号と、図15の(e)に示される放電検出回路14の
出力端子14bの信号とが2入力AND回路16の各入
力端子にそれぞれ入力された結果、2入力AND回路1
6の出力端子16cに出力される電圧波形を示してい
る。この図15の(f)に示す電圧波形は、ワンショッ
トマルチバイブレータ15の入力端子15aに入力され
る。また、ワンショットマルチバイブレータ15の出力
端子15bには、図15の(f)の電圧波形の立上り時
に“1”になり、その後、所定時間Tonの後に“0”
に戻る図15の(g)に示される電圧波形が出力され
る。図15の(g)の電圧波形は半導体スイッチング素
子10の制御端子10aに入力され、図15の(g)の
電圧波形が“1”のとき半導体スイッチング素子10を
オンさせる。半導体スイッチング素子10がオンすると
半導体スイッチング素子10とダイオード8を介して、
既に放電中の加工間隙に第3の直流電源9が接続され、
この第3の直流電源9により加工間隙に放電電流が流さ
れる。図15の(h)は加工間隙に流れる電圧波形を示
している。
【0007】また、逆電圧印加回路の半導体スイッチン
グ素子103の動作は(c)に示すように、半導体スイ
ッチング素子6及び半導体スイッチング素子10がオフ
の間にオンとなる。半導体スイッチング素子6の動作は
(b)、半導体スイッチング素子10の動作は(g)の
ようである。即ち、半導体スイッチング素子6及び半導
体スイッチング素子10がオフの間、加工間隙電圧Eg
は大きさが第2の直流電源101の出力電圧E2に等し
く、極性が負の電圧になっている。
【0008】一般に、放電加工を行うとき必要な加工間
隙を一定に保つための制御は、加工間隙に印加される正
極性の平均電圧(以後、平均加工電圧と称す)を一定に
保持することにより達成する方法がとられている。即
ち、平均加工電圧が所定値より高いときには加工間隙を
狭くし平均加工電圧を下げ、所定値より低いときには加
工間隙を広くし平均加工電圧を上げるように被加工物2
を支持するテーブルまたは、電極1を支持する電極支持
体の位置を移動させて加工を進めている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記のよ
うな従来の放電加工装置では、加工開始点において加工
間隙に電圧を印加してから放電が発生するまでの移動
中、及び放電が終了してから加工終了地点までの移動中
等、加工間隙に電圧を印加中に放電が発生していない状
態では、放電発生時に比較して平均加工電圧が非常に高
くなり、加工液に導電性の液を使用し、且つ、被加工物
を陽極とした放電加工機では、電解作用によって被加工
物の腐食が大きくなる場合があった。
【0010】そのような場合、放電が発生している時と
同様に、所定の平均電圧まで平均加工電圧を下げるよう
に、被加工物2を支持するテーブルまたは電極1を支持
する電極支持体の位置を高速で移動するように制御され
るが、制御の応答性を考慮すると、その移動速度の上限
が存在し、特に、この移動時間が長い場合は、電極と被
加工物との間に長期に渡って高電圧のパルスが印加さ
れ、平均的に高い電圧がかかっていた。このため、平均
加工電圧を下げる方法として、例えば、図15の(b)
に示すパルス電圧のTaに対するTbの割合を小さくす
るか、或いは、Taに対するTcの割合を大きくする
か、または、放電電圧を低くするような条件を設定する
ことによって達成されるが、何れも加工速度を低下させ
ることになっていた。特に、被加工物として超硬合金な
どの焼結材料の加工においては、電解作用によるCo等
の結合材の腐食が問題となるが、このような材料は放電
性が悪いため、鉄系材料よりもはるかに大きい放電電圧
が必要であり、放電電圧を高く設定することが不可欠で
あった。
【0011】また、加工中のパルス電圧の制御として
は、例えば、特開昭61−203221号公報に開示さ
れているように、平均加工電圧が所定値以上に高(低)
くなった場合に、パルス電圧の休止時間を長く(短く)
するように制御を行うことが知られていた。しかしなが
ら、加工中の電圧上昇は、放電が長時間発生しない場合
に比較すれば殆ど問題にならず、加工中にパルス電圧の
休止時間を長くするような制御を行った場合、かえって
加工速度の低下になったり、加工間隙が変化するため
に、精度不良の原因になりかねなかった。
【0012】なお、この他にも、従来のこの種の放電加
工装置に関連するものとして、特開昭60−20182
6号、特開昭61−192415号公報に掲載の技術が
あった。
【0013】このように、従来の放電加工装置では、加
工間隙に電圧が印加中に長時間、放電が発生しない場合
は加工間隙電圧が高くなり、電解作用による被加工物の
腐食が大きくなるといった問題が発生していた。
【0014】そこで、本発明は、こうした従来の問題点
を解決するためになされたものであり、加工間隙に電圧
を印加中に継続的に放電が発生しない場合にも、被加工
物の加工品質を向上でき、さらに高速加工を可能とする
放電加工装置の提供を課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
放電加工装置は、被加工物と所定の間隔を隔てて配設さ
れた電極と、前記電極と被加工物との間に接続された第
1の直流電源と第1のスイッチング回路との直列回路
と、前記第1のスイッチング回路をオン・オフ制御し前
記電極と前記被加工物との間に電圧を印加して継続的な
放電を発生させる制御回路と、前記電圧の印加中におけ
る所定時間以上の非放電状態を判別する判別回路と、前
記第1の直流電源による前記電極と被加工物との放電を
検出する放電検出手段と、所定時間以上の非放電状態で
は前記第1の直流電源による電圧印加の休止時間または
印加時間を所定の値に変更し、前記電極と前記被加工物
の放電を検出したら、即時に前記休止時間または印加時
間を変更前の値に復帰させる電圧印加時間制御手段とを
具備するものである。
【0016】請求項2の発明にかかる放電加工装置は、
被加工物と所定の間隔を隔てて配設された電極と、前記
電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源と第
1のスイッチング回路との直列回路と、前記第1の直流
電源と第1のスイッチング回路との直列回路に対して並
列に接続された第3の直流電源と第3のスイッチング回
路との直列回路と、前記第1のスイッチング回路をオン
・オフ制御し前記電極と前記被加工物との間に電圧を印
加して継続的な放電を発生させる制御回路と、前記電圧
の印加中における所定時間以上の非放電状態を判別する
判別回路と、前記第1の直流電源による前記電極と被加
工物との放電を検出する放電検出手段と、前記放電検出
回路の放電検出信号により、所定時間前記第3のスイッ
チング回路をオンさせるスイッチング回路制御手段と、
所定時間以上の非放電状態では前記第1の直流電源によ
る電圧印加の休止時間または印加時間を所定の値に変更
し、前記電極と前記被加工物の放電を検出したら、即時
に前記休止時間または印加時間を変更前の値に復帰させ
る電圧印加時間制御手段とを具備するものである。
【0017】請求項3の発明にかかる放電加工装置は、
被加工物と所定の間隔を隔てて配設された電極と、前記
電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源と第
1のスイッチング回路との直列回路と、前記第1のスイ
ッチング回路をオン・オフ制御し前記電極と前記被加工
物との間に電圧を印加して継続的な放電を発生させる制
御回路と、前記電圧の印加中における所定時間以上の非
放電状態を判別する判別回路と、前記第1の直流電源に
よる前記電極と被加工物との放電を検出する放電検出手
段と、所定時間以上の非放電状態では前記第1の直流電
源の印加電圧値を所定の値に変更し、前記電極と前記被
加工物の放電を検出したら、即時に印加電圧値を変更前
の値に復帰させる印加電圧値制御手段とを具備するもの
である。
【0018】
【作用】請求項1の発明の放電加工装置においては、電
極と被加工物との間に接続された第1の直流電源及び第
1のスイッチング回路の第1のスイッチング回路をオン
・オフ制御し、前記電極と前記被加工物との間に電圧を
印加して、継続的な放電を発生させるとともに、前記電
圧の印加中における所定時間以上の非放電状態では、前
記第1の直流電源による電圧印加の休止時間または印加
時間を所定の値に変更し、前記第1の直流電源による前
記電極と被加工物との放電を検出したら、即時に前記休
止時間または印加時間を変更前の値に復帰させるもので
あるから、加工間隙に電圧を印加中に、所定時間放電が
発生していないときは、平均加工電圧を低くすることが
できる。
【0019】請求項2の発明の放電加工装置において
は、電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源
及び第1のスイッチング回路の第1のスイッチング回路
をオン・オフ制御し、前記電極と前記被加工物との間に
電圧を印加して、継続的な放電を発生させるとともに、
前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態で
は、前記第1の直流電源による電圧印加の休止時間また
は印加時間を所定の値に変更し、前記第1の直流電源に
よる前記電極と被加工物との放電を検出したら、所定時
間第1の直流電源及び第1のスイッチング回路に対して
並列に接続された第3の直流電源及び第3のスイッチン
グ回路をオンさせ、即時に前記休止時間または印加時間
を変更前の値に復帰させるものであるから、加工間隙に
電圧を印加中に、所定時間放電が発生していないとき
は、平均加工電圧を低くすることができる。
【0020】請求項3の発明の放電加工装置において
は、電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源
及び第1のスイッチング回路の第1のスイッチング回路
をオン・オフ制御し、前記電極と前記被加工物との間に
電圧を印加して、継続的な放電を発生させるとともに、
前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態で
は、前記第1の直流電源の印加電圧値を所定の値に変更
し、前記第1の直流電源による前記電極と被加工物との
放電を検出したら、即時に印加電圧値を変更前の値に復
帰させるものであるから、加工間隙に電圧を印加中に、
所定時間放電が発生していないときは、平均加工電圧を
低くすることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の各実施例について説明する。
【0022】〈第一実施例〉図1は本発明の第一実施例
である放電加工装置の放電回路の接続を示す回路図であ
る。図中、上記従来例と同一符号及び記号は上記従来例
の構成部分と同一または相当する構成部分を示す。
【0023】図1において、18は判別回路であり、判
別回路18の入力端子18aは発振回路7の出力端子7
aに、判別回路18の別の入力端子18bは放電検出回
路14の出力端子14bに接続されており、判別回路1
8の出力端子18cは発振回路7の入力端子7dに接続
されている。
【0024】図2は図1の放電回路中の判別回路18の
詳細を示す回路図である。
【0025】図2において、201は反転回路であり、
入力端子18bに接続され、202は2入力AND回路
であり、入力端子18aと反転回路201の出力に接続
されている。203は2入力AND回路、204はクロ
ックパルス発生器、205は無負荷時間カウンタであ
り、2入力AND回路203の入力端子203a,20
3bは、それぞれ2入力AND回路202の出力端子、
クロックパルス発生器204に接続され、2入力AND
回路203の出力端子は無負荷時間カウンタ205に接
続されている。206は発振回路7におけるパルス電圧
オン時間Tbを記憶する時間記憶部、207は一致比較
部であり、無負荷時間カウンタ205と時間記憶部20
6の値を比較し、無負荷時間と時間Tbが一致したら、
“1”を出力する。208は2入力OR回路であり、O
R回路208の入力端子にはそれぞれ入力端子18b、
一致比較部207に接続され、2入力OR回路208の
出力は無負荷時間カウンタ205のリセット入力に接続
され、入力端子18bが“1”または一致比較部207
の出力が“1”の時、無負荷時間カウンタ205がリセ
ットされる。209は無負荷回数カウンタ、210は設
定回数記憶部、211は一致比較部、212は2入力A
ND回路、213は反転回路であり、2入力AND回路
212の入力端子は一致比較部207及び反転回路21
3の出力端子に接続され、さらに反転回路213の入力
端子は一致比較部211に接続されている。一致比較部
211は無負荷回数カウンタ209の値と設定回数記憶
部210の値Nとを比較し、無負荷回数が設定回数Nに
一致したら出力端子18cに“1”を出力する。一致比
較部211の出力が“1”の時は無負荷回数カウンタ2
09はカウントされず、入力端子18bに接続されてい
るリセット入力が“1”となるまでカウント値をホール
ドする。また、無負荷回数カウンタ209のリセット入
力端子には入力端子18bが接続されている。214は
加工開始パルス発生器であり、無負荷時間カウンタ20
5及び無負荷回数カウンタ209のLD入力に接続さ
れ、加工開始の信号により各々のカウンタの信号入力を
開始する。
【0026】次に、図1の動作を図3に示すタイミング
チャートにより説明する。図3は図1の放電回路の動作
タイミングを示すタイミングチャートである。
【0027】図3において、(b)は発振回路7の出力
端子7aから出力される出力信号であり、この信号によ
って半導体スイッチング素子6をオン・オフする。
(a)は加工間隙電圧Egを示しており、加工開始とと
もに、加工間隙には第1の直流電源3の電圧に等しい電
圧E1が発生し、加工間隙に放電が発生しない間(無負
荷時間)は、最大時間Tbの期間、加工間隙には電圧E
1が持続し、続いて時間Tcの期間は時間とともに電圧
が降下する(休止時間)。この際、時間に対する電圧降
下は回路インピーダンスによって決まる。休止時間Tc
の後、加工間隙には再び電圧E1が印加され、上記の動
作を繰返す。この間、無負荷時間が時間Tbの期間持続
するパルスをカウントし、このようなパルスがN個連続
して発生すると、判別回路18は、出力端子18cに
“1”を出力する。出力端子18cが“1”の状態の
時、発振回路7の休止時間をTcからTc’(Tc<T
c’)に変更する。更に無負荷時間がTbの期間持続す
る間は半導体スイッチング素子6をTbの期間オン、T
c’の期間オフといった動作を繰返す。そして、加工間
隙に放電が発生した状態、つまり放電検出回路14の出
力端子14bの状態が“1”となった瞬間、発振回路7
の休止時間をTc’から変更する前の値であるTcに復
帰させる。(c)はワンショットマルチバイブレータ1
5の出力端子15bから出力される電圧波形、(d)は
放電検出回路14の出力端子14bからの出力信号、
(e)は判別回路18の出力端子18cからの出力信号
である。
【0028】上記の動作を繰返すことによって、本実施
例においては、所定時間以上放電が発生しない状態のパ
ルス電圧の休止時間を長くでき、発生する高電圧を低く
抑えることができる。また、放電開始とともに休止時間
を変更前の値に復帰させるため、継続的に放電が発生す
る期間は平均加工電圧を低くするために休止時間を短く
する必要がなく、加工中の速度の低下を防止できる。さ
らに、第3の直流電源の電源電圧は、加工間隙に放電を
発生させるのに十分な値でよく、加工速度を上げるため
に印加電圧を高くする必要がないため、放電が発生する
場合、発生しない場合に拘らず平均加工電圧を低くでき
る。
【0029】このように、本実施例の放電加工装置は、
被加工物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電
極1と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第
1の直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチ
ング素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制
御し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加
して継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状
態を判別する判別回路18と、前記第1の直流電源3に
よる前記電極1と被加工物2との放電を検出する放電検
出回路14(放電検出手段)と、所定時間以上の非放電
状態では前記第1の直流電源3による電圧印加の休止時
間TcをTc’(所定の値)に変更し、前記電極1と前
記被加工物2の放電を検出したら、即時に前記休止時間
Tc’を変更前の値Tcに復帰させる電圧印加時間制御
手段とを備えている。
【0030】即ち、本実施例の放電加工装置は、電極1
と被加工物2との間に接続された第1の直流電源3及び
半導体スイッチング素子6(第1のスイッチング回路)
の第1の半導体スイッチング素子6(第1のスイッチン
グ回路)をオン・オフ制御し、前記電極1と前記被加工
物2との間に電圧を印加して、継続的な放電を発生させ
るとともに、前記電圧の印加中における所定時間以上の
非放電状態では、前記第1の直流電源3による電圧印加
の休止時間TcをTc’(Tc<Tc’)に変更し、前
記第1の直流電源3による前記電極1と被加工物2との
放電を検出したら、即時に前記休止時間Tc’を変更前
の値Tcに復帰させるものである。
【0031】したがって、所定時間以上放電が発生しな
い状態のパルス電圧の休止時間を長くでき、発生する高
電圧を低く抑えることができるので、加工間隙に電圧を
印加中に、所定時間放電が発生していないときの平均加
工電圧を低くすることができる。また、放電開始ととも
に休止時間を変更前の値に自動的に復帰させるため、継
続的に放電が発生する期間は、平均加工電圧を低くする
ために休止時間を短くする必要がないので、加工中の速
度の低下を防止できる。さらに、第3の直流電源の電源
電圧は、加工間隙に放電を発生させるのに十分な値でよ
く、加工速度を上げるために印加電圧を高くする必要が
ないので、平均加工電圧を低くできる。
【0032】〈第二実施例〉次に、この発明の他の実施
例として、所定時間以上放電が発生しない状態のときに
は、加工間隙に電圧を印加する時間を短くする場合につ
いて説明する。なお、本実施例においても、放電回路の
接続図は図1と同様であるため省略する。図4は本発明
の第二実施例である放電加工装置の放電回路の動作タイ
ミングを示すタイミングチャートである。
【0033】図4は上記第一実施例と比べて、判別回路
18が出力端子18cの状態が“1”である時、(b)
のように発振回路7のオン時間TbをTbからTb’
(Tb>Tb’)に変更する点が異なる。即ち、(e)
の判別回路18が出力端子18cが“1”の状態である
期間は、(b)のように加工間隙に電圧を印加する時間
が初期設定時間より短くなっている。このため、所定時
間以上放電が発生しない状態の平均加工電圧を低く抑え
ることができ、継続的に放電が発生する期間の電圧印加
時間を短くする必要がなく、第一実施例と同様の効果が
得られる。
【0034】このように、本実施例の放電加工装置は、
被加工物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電
極1と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第
1の直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチ
ング素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制
御し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加
して継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状
態を判別する判別回路18と、前記第1の直流電源3に
よる前記電極1と被加工物2との放電を検出する放電検
出回路14(放電検出手段)と、所定時間以上の非放電
状態では前記第1の直流電源3による電圧印加の印加時
間TbをTb’(所定の値)に変更し、前記電極1と前
記被加工物2の放電を検出したら、即時に前記印加時間
Tb’を変更前の値Tbに復帰させる電圧印加時間制御
手段とを備えている。
【0035】即ち、本実施例の放電加工装置は、電極1
と被加工物2との間に接続された第1の直流電源3及び
半導体スイッチング素子6(第1のスイッチング回路)
の第1の半導体スイッチング素子6(第1のスイッチン
グ回路)をオン・オフ制御し、前記電極1と前記被加工
物2との間に電圧を印加して、継続的な放電を発生させ
るとともに、前記電圧の印加中における所定時間以上の
非放電状態では、前記第1の直流電源3による電圧印加
の印加時間TbをTb’(Tb>Tb’)に変更し、前
記第1の直流電源3による前記電極1と被加工物2との
放電を検出したら、即時に前記印加時間Tb’を変更前
の値Tbに復帰させるものである。
【0036】したがって、所定時間以上放電が発生しな
い状態のパルス電圧の印加時間を短くでき、発生する高
電圧を低く抑えることができるので、加工間隙に電圧を
印加中に、所定時間放電が発生していないときの平均加
工電圧を低くすることができる。また、放電開始ととも
に印加時間を変更前の値に自動的に復帰させるため、継
続的に放電が発生する期間は、平均加工電圧を低くする
ために印加時間を調整する必要がないので、加工中の速
度の低下を防止できる。さらに、第3の直流電源の電源
電圧は、加工間隙に放電を発生させるのに十分な値でよ
く、加工速度を上げるために印加電圧を高くする必要が
ないので、平均加工電圧を低くできる。
【0037】〈第三実施例〉次に、この発明の更に他の
実施例として、所定時間以上放電が発生しない状態のと
きには、加工間隙に印加する電圧を低くする場合につい
て図を用いて説明する。図5は本発明の第三実施例であ
る放電加工装置の放電回路の接続を示す回路図である。
図中、上記従来例及び各実施例と同一符号及び記号は上
記従来例及び各実施例の構成部分と同一または相当する
構成部分を示す。
【0038】図5において、判別回路18の出力端子1
8cは第1の直流電源3に接続されており、第1の直流
電源3の電圧値は出力端子18cの出力信号に基づき所
定の電圧値に変更される(機構は図示せず)。
【0039】図6は図5の放電回路の動作タイミングを
示すタイミングチャートである。
【0040】図6は上記第一実施例と比べて、判別回路
18が出力端子18cの状態が“1”である時、(a)
のように第1の直流電源3の電圧値をE1からE1’
(E1>E1’)に変更する点が異なる。即ち、(e)
の判別回路18の出力端子18cが“1”の状態である
期間は、(a)のように加工間隙に印加する電圧が初期
設定電圧より低くなっている。そのため、第一実施例と
同様に所定時間以上放電が発生しない状態の平均加工電
圧を低く抑えることができ、さらに、継続的に放電が発
生する期間の印加電圧を低くする必要がなく、第一実施
例と同様の効果が得られる。
【0041】このように、本実施例の放電加工装置は、
被加工物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電
極1と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第
1の直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチ
ング素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制
御し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加
して継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状
態を判別する判別回路18と、前記第1の直流電源3に
よる前記電極1と被加工物2との放電を検出する放電検
出回路14(放電検出手段)と、所定時間以上の非放電
状態では前記第1の直流電源3の印加電圧値E1を所定
の値E1’に変更し、前記電極1と前記被加工物2の放
電を検出したら、即時に印加電圧値E1’を変更前の値
E1に復帰させる印加電圧値制御手段とを備えている。
【0042】即ち、本実施例の放電加工装置は、電極1
と被加工物2との間に接続された第1の直流電源3及び
半導体スイッチング素子6(第1のスイッチング回路)
の第1の半導体スイッチング素子6(第1のスイッチン
グ回路)をオン・オフ制御し、前記電極1と前記被加工
物2との間に電圧を印加して、継続的な放電を発生させ
るとともに、前記電圧の印加中における所定時間以上の
非放電状態では、前記第1の直流電源3による印加電圧
値E1をE1’(E1>E1’)に変更し、前記電極1
と前記被加工物2の放電を検出したら、即時に印加電圧
値E1’を変更前の値E1に復帰させるものである。
【0043】したがって、所定時間以上放電が発生しな
い状態のパルス電圧の印加電圧を小さくし、発生する高
電圧を低く抑えることができるので、加工間隙に電圧を
印加中に、所定時間放電が発生していないときの平均加
工電圧を低くすることができる。また、放電開始ととも
に印加電圧を変更前の値に自動的に復帰させるため、継
続的に放電が発生する期間は、平均加工電圧を低くする
ために印加電圧を変化させる必要がないので、加工中の
速度の低下を防止できる。さらに、第3の直流電源の電
源電圧は、加工間隙に放電を発生させるのに十分な値で
よく、加工速度を上げるために印加電圧を高くする必要
がないので、平均加工電圧を低くできる。
【0044】〈第四実施例〉次に、この発明の更に他の
実施例を図について説明する。図7は本発明の第四実施
例である放電加工装置の放電回路の接続を示す回路図で
ある。図7は第一実施例の図1に第1の直流電源3の休
止中に逆電圧を印加する逆電圧印加回路を設けたもので
ある。
【0045】逆電圧印加回路について図7により説明す
る。図において、101は第2の直流電源、102は抵
抗器、103は第2のスイッチング回路として機能す
る、例えば半導体スイッチング素子である。また、第2
の直流電源101、抵抗器102、半導体スイッチング
素子103の直列対は電極1と被加工物2との間に、第
1の直流電源3と逆極性で接続されている。104は2
入力AND回路であり、この2入力AND回路104の
出力端子104aは半導体スイッチング素子103の制
御端子103aに接続されている。また、2入力AND
回路104の一方の入力端子104bは発振回路7の出
力端子7cに接続され、他方の入力端子104cはワン
ショットマルチバイブレータ15の出力端子15cに接
続されている。
【0046】図8は図7の放電回路の動作タイミングを
示すタイミングチャートである。
【0047】図8において、無負荷状態を判別して半導
体スイッチング素子6の休止時間TcをTc’に変更す
る動作は図3と同一である。半導体スイッチング素子1
03の動作は(d)に示すように、半導体スイッチング
素子6及び半導体スイッチング素子10がオフの間にオ
ンとなる。半導体スイッチング素子6の動作は(b)、
半導体スイッチング素子10の動作は(c)のようであ
る。即ち、半導体スイッチング素子6及び半導体スイッ
チング素子10がオフの間、加工間隙電圧Egは大きさ
が第2の直流電源101の出力電圧に等しく、極性が負
の電圧になっている。このため、放電が発生していない
状態では、図8に示すように、半導体スイッチング素子
6をオフした直後に、半導体スイッチング素子10をオ
ンして加工間隙に逆極性の電圧を印加するために、上記
第一実施例では加工間隙の電圧が半導体スイッチング素
子6をオフした後に、徐々に電圧が降下しているのに対
して、本実施例では瞬時に電圧が降下する。
【0048】この場合、放電加工を行うとき必要な加工
間隙を一定に保つための制御は、平均加工電圧を求めず
に、平均加工電圧を全波または半波整流した電圧値を用
いるようにする必要がある。また、第2の直流電源10
1の電圧は放電可能な電圧より低くしておけば、負極性
の放電による面粗さの劣化や持続アークを防止すること
ができる。
【0049】このように、本実施例の放電加工装置は、
被加工物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電
極1と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第
1の直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチ
ング素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制
御し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加
して継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記第1の直流電源3と半導体スイッチング素子6
(第1のスイッチング回路)との直列回路と逆並列に接
続された第2の直流電源101と半導体スイッチング素
子103(第2のスイッチング回路)との直列体である
逆電圧印加回路と、前記半導体スイッチング素子6(第
1のスイッチング回路)がオフしているときに前記半導
体スイッチング素子103(第2のスイッチング回路)
をオン・オフ制御する発振回路7及びワンショットマル
チバイブレータ15(制御回路)と、前記電圧の印加中
における所定時間以上の非放電状態を判別する判別回路
18と、所定時間以上の非放電状態では前記電極1と前
記被加工物2との間の平均的な電圧を低下させる印加電
圧低下手段とを備えている。
【0050】したがって、本実施例においても、上記第
一実施例と同様の効果を有するとともに、加工間隙に通
常の正の電圧の他に逆の電圧である負の電圧が印加され
るため、第一実施例以上に平均加工電圧を低くすること
ができ、被加工物の電解腐食を防止する効果が大きい。
【0051】〈第五実施例〉更に他の実施例として、上
記第二実施例に第1の直流電源3の休止中に逆電圧を印
加する逆電圧印加回路を設けてもよい。図9は本発明の
第五実施例である放電加工装置の放電回路の動作タイミ
ングを示すタイミングチャートである。
【0052】図において、半導体スイッチング素子6及
び半導体スイッチング素子10がオフの間、(a)のよ
うに加工間隙電圧Egは大きさが第2の直流電源101
の出力電圧に等しく極性が負の電圧となっているところ
のみが、上記第二実施例の図4と異なる。
【0053】即ち、本実施例の放電加工装置は、被加工
物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電極1
と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第1の
直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のスイッ
チング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチング
素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制御
し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加し
て継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記第1の直流電源3と半導体スイッチング素子6
(第1のスイッチング回路)との直列回路と逆並列に接
続された第2の直流電源101と半導体スイッチング素
子103(第2のスイッチング回路)との直列体である
逆電圧印加回路と、前記半導体スイッチング素子6(第
1のスイッチング回路)がオフしているときに前記半導
体スイッチング素子103(第2のスイッチング回路)
をオン・オフ制御する発振回路7及びワンショットマル
チバイブレータ15(制御回路)と、前記電圧の印加中
における所定時間以上の非放電状態を判別する判別回路
18と、所定時間以上の非放電状態では前記電極1と前
記被加工物2との間の平均的な電圧を低下させる印加電
圧低下手段とを備えており、所定時間以上の非放電状態
では前記第1の直流電源3による電圧印加の印加時間T
bをTb’(所定の値)に変更し、前記電極1と前記被
加工物2の放電を検出したら、即時に前記印加時間T
b’を変更前の値Tbに復帰させるものである。
【0054】したがって、この場合にも、第二実施例及
び第四実施例と同様な効果が得られる。つまり、所定時
間以上放電が発生しない状態のパルス電圧の印加時間を
短くでき、発生する高電圧を低く抑えることができるの
で、加工間隙に電圧を印加中に、所定時間放電が発生し
ていないときの平均加工電圧を低くすることができる。
また、放電開始とともに印加時間を変更前の値に自動的
に復帰させるため、継続的に放電が発生する期間は、平
均加工電圧を低くするために印加時間を変化させる必要
がないので、加工中の速度の低下を防止できる。さら
に、第3の直流電源の電源電圧は、加工間隙に放電を発
生させるのに十分な値でよく、加工速度を上げるために
印加電圧を高くする必要がないので、平均加工電圧を低
くできる。しかも、加工間隙に通常の正の電圧の他に逆
の電圧である負の電圧が印加されるため、第二実施例以
上に平均加工電圧を低くすることができ、被加工物の電
解腐食を防止する効果が大きい。
【0055】〈第六実施例〉更に他の実施例として、上
記第三実施例に第1の直流電源3の休止中に逆電圧を印
加する逆電圧印加回路を設けてもよい。図10は本発明
の第六実施例である放電加工装置の放電回路の接続を示
す回路図である。図10は、第三実施例の図5に、第2
の直流電源101、抵抗器102、半導体スイッチング
素子103の直列体が電極1と被加工物2に第1の電源
3と逆極性で接続したものである。
【0056】図11は図10の放電回路の動作タイミン
グを示すタイミングチャートである。
【0057】図において、半導体スイッチング素子6及
び半導体スイッチング素子10がオフの間、(a)のよ
うに加工間隙電圧Egは大きさが第2の直流電源101
の出力電圧に等しく極性が負の電圧となっているところ
のみが第三実施例の図6と異なる。
【0058】即ち、本実施例の放電加工装置は、被加工
物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電極1
と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第1の
直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のスイッ
チング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチング
素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制御
し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加し
て継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記第1の直流電源3と半導体スイッチング素子6
(第1のスイッチング回路)との直列回路と逆並列に接
続された第2の直流電源101と半導体スイッチング素
子103(第2のスイッチング回路)との直列体である
逆電圧印加回路と、前記半導体スイッチング素子6(第
1のスイッチング回路)がオフしているときに前記半導
体スイッチング素子103(第2のスイッチング回路)
をオン・オフ制御する発振回路7及びワンショットマル
チバイブレータ15(制御回路)と、前記電圧の印加中
における所定時間以上の非放電状態を判別する判別回路
18と、所定時間以上の非放電状態では前記電極1と前
記被加工物2との間の平均的な電圧を低下させる印加電
圧低下手段とを備えており、所定時間以上の非放電状態
では前記第1の直流電源3の印加電圧値E1を所定の値
E1’に変更し、前記電極1と前記被加工物2の放電を
検出したら、即時に印加電圧値E1’を変更前の値E1
に復帰させるものである。
【0059】したがって、この場合にも、上記第三実施
例及び第四、第五実施例と同様な効果が得られる。つま
り、所定時間以上放電が発生しない状態のパルス電圧の
印加電圧を小さくし、発生する高電圧を低く抑えること
ができるので、加工間隙に電圧を印加中に、所定時間放
電が発生していないときの平均加工電圧を低くすること
ができる。また、放電開始とともに印加電圧を変更前の
値に自動的に復帰させるため、加工中の速度の低下を防
止できる。しかも、加工間隙に通常の正の電圧の他に逆
の電圧である負の電圧が印加されるため、第二実施例以
上に平均加工電圧を低くすることができ、被加工物の電
解腐食を防止する効果が大きい。
【0060】〈第七実施例〉次に、更に他の実施例を図
により説明する。図12は本発明の第七実施例である放
電加工装置の放電回路の接続を示す回路図であり、第1
の直流電源3の休止中に逆電圧を印加する逆電圧印加回
路を設けて、所定時間以上放電が発生しない状態には逆
電圧印加回路の第2の直流電源101の電圧値を増大さ
せるようにした場合の放電加工装置の放電回路の接続図
である。
【0061】図において、判別回路18の出力端子18
cは第2の直流電源101に接続されている。
【0062】また、図13は図12の放電回路の動作タ
イミングを示すタイミングチャートである。
【0063】図において、(f)のように判別回路18
の出力端子18cから“1”が出力されたとき、(a)
のように第2の直流電源101の出力電圧E2をE2’
(E2<E2’)に変更している。また、放電検出回路
14により放電が検出されたとき、第2の直流電源10
1の出力電圧をE2’からE2に復帰するようにする。
なお、本実施例の場合には、放電が発生しない期間であ
るから、E2’をE2よりかなり大きくしても加工には
影響しない。
【0064】したがって、この場合にも、上記第四実施
例乃至第六実施例と同様の効果が得られる。
【0065】〈第八実施例〉更に、上記第四実施例乃至
第七実施例においては、所定時間以上放電が発生しない
状態における平均加工電圧を0Vまたは電極1を基準と
して負の値にするようにしてもよい。
【0066】これは、通常、加工液に導電性の液を使用
する放電加工装置の場合、電解作用によって正極側が腐
食しやすいといった特性がある。但し、この場合、加工
中の平均加工電圧を負の値にすると極端に加工速度が減
少するといった特性がある。そこで、本実施例によれ
ば、加工中の平均加工電圧とは無関係に所定時間以上放
電が発生しない状態における平均加工電圧を0V以下に
することができるので、被加工物2の電解腐食を完全に
抑制することができるといった効果がある。
【0067】〈第九実施例〉また、上記第一実施例乃至
第八実施例においては、第3の直流電源9とダイオード
8、半導体スイッチング素子10、ワンショットマルチ
バイブレータ15、及び2入力AND回路16より構成
される第3の直流電源9の出力を加工間隙に印加する回
路を省略してもよい。この場合、加工間隙に継続的に放
電が発生していない状態においては、第3の電源を省略
する前と同等の動作をするため、平均加工電圧を抑える
という同様の効果がある。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
放電加工装置は、電極と、第1の直流電源と第1のスイ
ッチング回路との直列回路と、制御回路と、判別回路
と、放電検出手段と、電圧印加時間制御手段とを備え、
電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源及び
第1のスイッチング回路の第1のスイッチング回路をオ
ン・オフ制御し、前記電極と前記被加工物との間に電圧
を印加して、継続的な放電を発生させるとともに、前記
電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態では、
前記第1の直流電源による電圧印加の休止時間または印
加時間を所定の値に変更し、前記第1の直流電源による
前記電極と被加工物との放電を検出したら、即時に前記
休止時間または印加時間を変更前の値に復帰させること
により、加工間隙に電圧を印加中に継続的に放電が発生
しない状態では、平均加工電圧を低く抑えることができ
るので、電解作用による被加工物の腐食を防止でき、加
工品質を向上させることができるとともに、継続的に放
電が発生する期間は平均加工電圧を低くするために、電
圧印加時間を長くしたり、休止時間を短くする必要がな
く、高速加工が可能になる。
【0069】請求項2の発明の放電加工装置は、電極
と、第1の直流電源と第1のスイッチング回路との直列
回路と、第3の直流電源と第3のスイッチング回路との
直列回路と、制御回路と、判別回路と、放電検出手段
と、スイッチング回路制御手段と、電圧印加時間制御手
段とを備え、電極と被加工物との間に接続された第1の
直流電源及び第1のスイッチング回路の第1のスイッチ
ング回路をオン・オフ制御し、前記電極と前記被加工物
との間に電圧を印加して、継続的な放電を発生させると
ともに、前記電圧の印加中における所定時間以上の非放
電状態では、前記第1の直流電源による電圧印加の休止
時間または印加時間を所定の値に変更し、前記第1の直
流電源による前記電極と被加工物との放電を検出した
ら、所定時間第1の直流電源及び第1のスイッチング回
路に対して並列に接続された第3の直流電源及び第3の
スイッチング回路をオンさせ、即時に前記休止時間また
は印加時間を変更前の値に復帰させることにより、加工
間隙に電圧を印加中に継続的に放電が発生しない状態で
は、平均加工電圧を低く抑えることができるので、電解
作用による被加工物の腐食を防止でき、加工品質を向上
させることができるとともに、第1の直流電源の印加電
圧は加工間隙に放電を発生させるだけに充分な電圧でよ
く、加工速度を上げるために印加電圧を高くする必要が
ないため、放電が発生する場合、発生しない場合に拘ら
ず平均加工電圧を低くできる。
【0070】請求項3の発明の放電加工装置は、電極
と、第1の直流電源と第1のスイッチング回路との直列
回路と、制御回路と、判別回路と、放電検出手段と、印
加電圧値制御手段とを備え、電極と被加工物との間に接
続された第1の直流電源及び第1のスイッチング回路の
第1のスイッチング回路をオン・オフ制御し、前記電極
と前記被加工物との間に電圧を印加して、継続的な放電
を発生させるとともに、前記電圧の印加中における所定
時間以上の非放電状態では、前記第1の直流電源の印加
電圧値を所定の値に変更し、前記第1の直流電源による
前記電極と被加工物との放電を検出したら、即時に印加
電圧値を変更前の値に復帰させることにより、加工間隙
に電圧を印加中に継続的に放電が発生しない状態では、
平均加工電圧を低く抑えることができるので、電解作用
による被加工物の腐食を防止でき、加工品質を向上させ
ることができるとともに、継続的に放電が発生する期間
は平均加工電圧を低くするために、印加電圧の休止時間
を短くする必要がなく、高速加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例である放電加工装置
の放電回路の接続を示す回路図である。
【図2】図2は図1の放電回路中の判別回路の詳細を示
す回路図である。
【図3】図3は図1の放電回路の動作タイミングを示す
タイミングチャートである。
【図4】図4は本発明の第二実施例である放電加工装置
の放電回路の動作タイミングを示すタイミングチャート
である。
【図5】図5は本発明の第三実施例である放電加工装置
の放電回路の接続を示す回路図である。
【図6】図6は図5の放電回路の動作タイミングを示す
タイミングチャートである。
【図7】図7は本発明の第四実施例である放電加工装置
の放電回路の接続を示す回路図である。
【図8】図8は図7の放電回路の動作タイミングを示す
タイミングチャートである。
【図9】図9は本発明の第五実施例である放電加工装置
の放電回路の動作タイミングを示すタイミングチャート
である。
【図10】図10は本発明の第六実施例である放電加工
装置の放電回路の接続を示す回路図である。
【図11】図11は図10の放電回路の動作タイミング
を示すタイミングチャートである。
【図12】図12は本発明の第七実施例である放電加工
装置の放電回路の接続を示す回路図である。
【図13】図13は図12の放電回路の動作タイミング
を示すタイミングチャートである。
【図14】図14は従来の放電加工装置の放電回路の接
続を示す回路図である。
【図15】図15は図14の放電回路の動作タイミング
を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】 1 電極 2 被加工物 3 第1の直流電源 6 半導体スイッチング素子 7 発振回路 9 第3の直流電源 10 半導体スイッチング素子 14 放電検出回路 15 ワンショットマルチバイブレータ 18 判別回路 101 第2の直流電源 103 半導体スイッチング素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 放電加工装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電加工装置に関する
ものであり、特に、電解作用を低減することにより加工
面の品質改善に寄与する放電加工装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図14は従来の放電加工装置の放電回路
の接続を示す回路図である。
【0003】図において、1は電極、2は被加工物、3
は出力電圧E1を可変に設定できる第1の直流電源、4
はダイオード、5は電流制限用抵抗、6は第1のスイッ
チング回路として機能する、例えば半導体スイッチング
素子である。電極1はダイオード4の陽極に接続され、
ダイオード4の陰極は第1の直流電源3の陰極に、第1
の直流電源3の陽極は電流制限用抵抗5の一端に接続さ
れ、電流制限用抵抗5の他端は半導体スイッチング素子
6の陽極に接続され、半導体スイッチング素子6の陰極
は被加工物2に接続されている。7は制御回路として機
能する、例えば発振回路である。この発振回路7の出力
端子7aは半導体スイッチング素子6の制御端子6aに
接続されている。8はダイオード、9は出力電圧E3を
有する第3の直流電源である。また、10は第3のスイ
ッチング回路として機能する、例えば半導体スイッチン
グ素子である。ダイオード8の陽極は電極1に接続さ
れ、ダイオード8の陰極は第3の直流電源9の陰極に接
続され、第3の直流電源9の陽極は半導体スイッチング
素子10の陽極に接続され、半導体スイッチング素子1
0の陰極は被加工物2に接続されている。11,12は
それぞれ分圧用抵抗器であり、分圧用抵抗器11の一端
は電極1に接続され、他端は分圧用抵抗器12の一端に
接続され、さらに、分圧用抵抗器12の他端は被加工物
2に接続されている。13は2つの入力端子13a,1
3bを有する差動増幅器、14は放電検出回路である。
差動増幅器13の入力端子13aは分圧用抵抗器11と
分圧用抵抗器12の接続点12aに接続され、差動増幅
器13の入力端子13bは被加工物2に接続されてい
る。また、差動増幅器13の出力端子13cは放電検出
回路14の入力端子14aに接続されている。15はワ
ンショットマルチバイブレータ、16は2入力AND回
路である。2入力AND回路16の一方の入力端子16
aは発振回路7の出力端子7bに接続され、他方の入力
端子16bは放電検出回路14の出力端子14bに接続
されている。また、2入力回路16の出力端子16cは
ワンショットマルチバイブレータ15の入力端子15a
に接続され、ワンショットマルチバイブレータ15の出
力端子15bは半導体スイッチング素子10の制御端子
10aに接続されている。なお、点線で示した17は電
極1と被加工物2間の浮遊容量を示している。
【0004】次に、上記構成の従来の放電回路の動作に
ついて、図15に示すタイミングチャートにより説明す
る。図15は図14の放電回路の動作タイミングを示す
タイミングチャートである。
【0005】発振回路7は所定の周期Taで発振を行
い、出力端子7aに図15の(b)のようなパルス電圧
を出力している。このパルス電圧はTbの期間“1”で
あり、Tcの期間“0”であり、このパルス電圧により
半導体スイッチング素子6がTbの期間オンし、Tcの
期間オフする。半導体スイッチング素子6がオンしてい
るとき、第1の直流電源3の電圧を電流制限用抵抗5及
びダイオード4を介して電極1と被加工物2の間(以
後、これを加工間隙と称す)に印加し放電を開始させ
る。図15の(a)の波形は電極1に対する被加工物2
の電位(以下、加工間隙電圧Eg)を示している。この
波形は半導体スイッチング素子6がオンした後、放電が
開始されるまでは、加工間隙電圧Egは第1の直流電源
3の電圧となり、放電開始とともに加工間隙電圧Egは
低下し、所定の電圧Vgに変化する。分圧用抵抗器12
の両端には、加工間隙電圧Egに比例した電圧が発生す
るので、差動増幅器13の出力電位は、加工間隙電圧E
gに比例した電圧になる。また、この電圧は放電検出回
路14の入力端子14aに入力される。放電検出回路1
4は、この電圧に基づき、加工間隙電圧が予め設定され
た第1の電圧Es1と第2の電圧Es2との間の電圧で
あれば、放電が行われているものとして放電検出回路1
4は出力端子14bに“1”を出力する。また、加工間
隙電圧Egが第1の電圧Es1と第2の電圧Es2との
間の電圧でなければ、放電は行われていないものとし
て、放電検出回路14は出力端子14bに“0”を出力
する。図15の(e)は、この出力端子14bの電圧波
形を示し、図15の(d)は発振回路7の出力端子7b
に出力される電圧波形を示している。なお、この出力端
子7bの電圧波形は発振回路7の出力端子7aの立上り
時点から所定時間Td遅れて立上り、所定時間Te後に
立ち下がるパルス波形になっている。図15の(f)は
図15の(d)に示される発振回路7の出力端子7bの
信号と、図15の(e)に示される放電検出回路14の
出力端子14bの信号とが2入力AND回路16の各入
力端子にそれぞれ入力された結果、2入力AND回路1
6の出力端子16cに出力される電圧波形を示してい
る。この図15の(f)に示す電圧波形は、ワンショッ
トマルチバイブレータ15の入力端子15aに入力され
る。また、ワンショットマルチバイブレータ15の出力
端子15bには、図15の(f)の電圧波形の立上り時
に“1”になり、その後、所定時間Tonの後に“0”
に戻る図15の(g)に示される電圧波形が出力され
る。図15の(g)の電圧波形は半導体スイッチング素
子10の制御端子10aに入力され、図15の(g)の
電圧波形が“1”のとき半導体スイッチング素子10を
オンさせる。半導体スイッチング素子10がオンすると
半導体スイッチング素子10とダイオード8を介して、
既に放電中の加工間隙に第3の直流電源9が接続され、
この第3の直流電源9により加工間隙に放電電流が流さ
れる。図15の(h)は加工間隙に流れる電圧波形を示
している。
【0006】一般に、放電加工を行うとき必要な加工間
隙を一定に保つための制御は、加工間隙に印加される正
極性の平均電圧(以後、平均加工電圧と称す)を一定に
保持することにより達成する方法がとられている。即
ち、平均加工電圧が所定値より高いときには加工間隙を
狭くし平均加工電圧を下げ、所定値より低いときには加
工間隙を広くし平均加工電圧を上げるように被加工物2
を支持するテーブルまたは、電極1を支持する電極支持
体の位置を移動させて加工を進めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記のよ
うな従来の放電加工装置では、加工開始点において加工
間隙に電圧を印加してから放電が発生するまでの移動
中、及び放電が終了してから加工終了地点までの移動中
等、加工間隙に電圧を印加中に放電が発生していない状
態では、放電発生時に比較して平均加工電圧が非常に高
くなり、加工液に導電性の液を使用し、且つ、被加工物
を陽極とした放電加工機では、電解作用によって被加工
物の腐食が大きくなる場合があった。
【0008】そのような場合、放電が発生している時と
同様に、所定の平均電圧まで平均加工電圧を下げるよう
に、被加工物2を支持するテーブルまたは電極1を支持
する電極支持体の位置を高速で移動するように制御され
るが、制御の応答性を考慮すると、その移動速度の上限
が存在し、特に、この移動時間が長い場合は、電極と被
加工物との間に長期に渡って高電圧のパルスが印加さ
れ、平均的に高い電圧がかかっていた。このため、平均
加工電圧を下げる方法として、例えば、図15の(b)
に示すパルス電圧のTaに対するTbの割合を小さくす
るか、或いは、Taに対するTcの割合を大きくする
か、または、放電電圧を低くするような条件を設定する
ことによって達成されるが、何れも加工速度を低下させ
ることになっていた。特に、被加工物として超硬合金な
どの焼結材料の加工においては、電解作用によるCo等
の結合材の腐食が問題となるが、このような材料は放電
性が悪いため、鉄系材料よりもはるかに大きい放電電圧
が必要であり、放電電圧を高く設定することが不可欠で
あった。
【0009】また、加工中のパルス電圧の制御として
は、例えば、特開昭61−203221号公報に開示さ
れているように、平均加工電圧が所定値以上に高(低)
くなった場合に、パルス電圧の休止時間を長く(短く)
するように制御を行うことが知られていた。しかしなが
ら、加工中の電圧上昇は、放電が長時間発生しない場合
に比較すれば殆ど問題にならず、加工中にパルス電圧の
休止時間を長くするような制御を行った場合、かえって
加工速度の低下になったり、加工間隙が変化するため
に、精度不良の原因になりかねなかった。
【0010】なお、この他にも、従来のこの種の放電加
工装置に関連するものとして、特開昭60−20182
6号、特開昭61−192415号公報に掲載の技術が
あった。
【0011】このように、従来の放電加工装置では、加
工間隙に電圧が印加中に長時間、放電が発生しない場合
は加工間隙電圧が高くなり、電解作用による被加工物の
腐食が大きくなるといった問題が発生していた。
【0012】そこで、本発明は、こうした従来の問題点
を解決するためになされたものであり、加工間隙に電圧
を印加中に継続的に放電が発生しない場合にも、被加工
物の加工品質を向上でき、さらに高速加工を可能とする
放電加工装置の提供を課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
放電加工装置は、被加工物と所定の間隔を隔てて配設さ
れた電極と、前記電極と被加工物との間に接続された第
1の直流電源と第1のスイッチング回路との直列回路
と、前記第1のスイッチング回路をオン・オフ制御し前
記電極と前記被加工物との間に電圧を印加して継続的な
放電を発生させる制御回路と、前記電圧の印加中におけ
る所定時間以上の非放電状態を判別する判別回路と、前
記第1の直流電源による前記電極と被加工物との放電を
検出する放電検出手段と、所定時間以上の非放電状態で
は前記第1の直流電源による電圧印加の休止時間または
印加時間を所定の値に変更し、前記電極と前記被加工物
の放電を検出したら、即時に前記休止時間または印加時
間を変更前の値に復帰させる電圧印加時間制御手段とを
具備するものである。
【0014】請求項2の発明にかかる放電加工装置は、
被加工物と所定の間隔を隔てて配設された電極と、前記
電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源と第
1のスイッチング回路との直列回路と、前記第1の直流
電源と第1のスイッチング回路との直列回路に対して並
列に接続された第3の直流電源と第3のスイッチング回
路との直列回路と、前記第1のスイッチング回路をオン
・オフ制御し前記電極と前記被加工物との間に電圧を印
加して継続的な放電を発生させる制御回路と、前記電圧
の印加中における所定時間以上の非放電状態を判別する
判別回路と、前記第1の直流電源による前記電極と被加
工物との放電を検出する放電検出手段と、前記放電検出
回路の放電検出信号により、所定時間前記第3のスイッ
チング回路をオンさせるスイッチング回路制御手段と、
所定時間以上の非放電状態では前記第1の直流電源によ
る電圧印加の休止時間または印加時間を所定の値に変更
し、前記電極と前記被加工物の放電を検出したら、即時
に前記休止時間または印加時間を変更前の値に復帰させ
る電圧印加時間制御手段とを具備するものである。
【0015】請求項3の発明にかかる放電加工装置は、
被加工物と所定の間隔を隔てて配設された電極と、前記
電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源と第
1のスイッチング回路との直列回路と、前記第1のスイ
ッチング回路をオン・オフ制御し前記電極と前記被加工
物との間に電圧を印加して継続的な放電を発生させる制
御回路と、前記電圧の印加中における所定時間以上の非
放電状態を判別する判別回路と、前記第1の直流電源に
よる前記電極と被加工物との放電を検出する放電検出手
段と、所定時間以上の非放電状態では前記第1の直流電
源の印加電圧値を所定の値に変更し、前記電極と前記被
加工物の放電を検出したら、即時に印加電圧値を変更前
の値に復帰させる印加電圧値制御手段とを具備するもの
である。
【0016】
【作用】請求項1の発明の放電加工装置においては、電
極と被加工物との間に接続された第1の直流電源及び第
1のスイッチング回路の第1のスイッチング回路をオン
・オフ制御し、前記電極と前記被加工物との間に電圧を
印加して、継続的な放電を発生させるとともに、前記電
圧の印加中における所定時間以上の非放電状態では、前
記第1の直流電源による電圧印加の休止時間または印加
時間を所定の値に変更し、前記第1の直流電源による前
記電極と被加工物との放電を検出したら、即時に前記休
止時間または印加時間を変更前の値に復帰させるもので
あるから、加工間隙に電圧を印加中に、所定時間放電が
発生していないときは、平均加工電圧を低くすることが
できる。
【0017】請求項2の発明の放電加工装置において
は、電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源
及び第1のスイッチング回路の第1のスイッチング回路
をオン・オフ制御し、前記電極と前記被加工物との間に
電圧を印加して、継続的な放電を発生させるとともに、
前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態で
は、前記第1の直流電源による電圧印加の休止時間また
は印加時間を所定の値に変更し、前記第1の直流電源に
よる前記電極と被加工物との放電を検出したら、所定時
間第1の直流電源及び第1のスイッチング回路に対して
並列に接続された第3の直流電源及び第3のスイッチン
グ回路をオンさせ、即時に前記休止時間または印加時間
を変更前の値に復帰させるものであるから、加工間隙に
電圧を印加中に、所定時間放電が発生していないとき
は、平均加工電圧を低くすることができる。
【0018】請求項3の発明の放電加工装置において
は、電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源
及び第1のスイッチング回路の第1のスイッチング回路
をオン・オフ制御し、前記電極と前記被加工物との間に
電圧を印加して、継続的な放電を発生させるとともに、
前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態で
は、前記第1の直流電源の印加電圧値を所定の値に変更
し、前記第1の直流電源による前記電極と被加工物との
放電を検出したら、即時に印加電圧値を変更前の値に復
帰させるものであるから、加工間隙に電圧を印加中に、
所定時間放電が発生していないときは、平均加工電圧を
低くすることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の各実施例について説明する。
【0020】〈第一実施例〉図1は本発明の第一実施例
である放電加工装置の放電回路の接続を示す回路図であ
る。図中、上記従来例と同一符号及び記号は上記従来例
の構成部分と同一または相当する構成部分を示す。
【0021】図1において、18は判別回路であり、判
別回路18の入力端子18aは発振回路7の出力端子7
aに、判別回路18の別の入力端子18bは放電検出回
路14の出力端子14bに接続されており、判別回路1
8の出力端子18cは発振回路7の入力端子7dに接続
されている。
【0022】図2は図1の放電回路中の判別回路18の
詳細を示す回路図である。
【0023】図2において、201は反転回路であり、
入力端子18bに接続され、202は2入力AND回路
であり、入力端子18aと反転回路201の出力に接続
されている。203は2入力AND回路、204はクロ
ックパルス発生器、205は無負荷時間カウンタであ
り、2入力AND回路203の入力端子203a,20
3bは、それぞれ2入力AND回路202の出力端子、
クロックパルス発生器204に接続され、2入力AND
回路203の出力端子は無負荷時間カウンタ205に接
続されている。206は発振回路7におけるパルス電圧
オン時間Tbを記憶する時間記憶部、207は一致比較
部であり、無負荷時間カウンタ205と時間記憶部20
6の値を比較し、無負荷時間と時間Tbが一致したら、
“1”を出力する。208は2入力OR回路であり、O
R回路208の入力端子にはそれぞれ入力端子18b、
一致比較部207に接続され、2入力OR回路208の
出力は無負荷時間カウンタ205のリセット入力に接続
され、入力端子18bが“1”または一致比較部207
の出力が“1”の時、無負荷時間カウンタ205がリセ
ットされる。209は無負荷回数カウンタ、210は設
定回数記憶部、211は一致比較部、212は2入力A
ND回路、213は反転回路であり、2入力AND回路
212の入力端子は一致比較部207及び反転回路21
3の出力端子に接続され、さらに反転回路213の入力
端子は一致比較部211に接続されている。一致比較部
211は無負荷回数カウンタ209の値と設定回数記憶
部210の値Nとを比較し、無負荷回数が設定回数Nに
一致したら出力端子18cに“1”を出力する。一致比
較部211の出力が“1”の時は無負荷回数カウンタ2
09はカウントされず、入力端子18bに接続されてい
るリセット入力が“1”となるまでカウント値をホール
ドする。また、無負荷回数カウンタ209のリセット入
力端子には入力端子18bが接続されている。214は
加工開始パルス発生器であり、無負荷時間カウンタ20
5及び無負荷回数カウンタ209のLD入力に接続さ
れ、加工開始の信号により各々のカウンタの信号入力を
開始する。
【0024】次に、図1の動作を図3に示すタイミング
チャートにより説明する。図3は図1の放電回路の動作
タイミングを示すタイミングチャートである。
【0025】図3において、(b)は発振回路7の出力
端子7aから出力される出力信号であり、この信号によ
って半導体スイッチング素子6をオン・オフする。
(a)は加工間隙電圧Egを示しており、加工開始とと
もに、加工間隙には第1の直流電源3の電圧に等しい電
圧E1が発生し、加工間隙に放電が発生しない間(無負
荷時間)は、最大時間Tbの期間、加工間隙には電圧E
1が持続し、続いて時間Tcの期間は時間とともに電圧
が降下する(休止時間)。この際、時間に対する電圧降
下は回路インピーダンスによって決まる。休止時間Tc
の後、加工間隙には再び電圧E1が印加され、上記の動
作を繰返す。この間、無負荷時間が時間Tbの期間持続
するパルスをカウントし、このようなパルスがN個連続
して発生すると、判別回路18は、出力端子18cに
“1”を出力する。出力端子18cが“1”の状態の
時、発振回路7の休止時間をTcからTc’(Tc<T
c’)に変更する。更に無負荷時間がTbの期間持続す
る間は半導体スイッチング素子6をTbの期間オン、T
c’の期間オフといった動作を繰返す。そして、加工間
隙に放電が発生した状態、つまり放電検出回路14の出
力端子14bの状態が“1”となった瞬間、発振回路7
の休止時間をTc’から変更する前の値であるTcに復
帰させる。(c)はワンショットマルチバイブレータ1
5の出力端子15bから出力される電圧波形、(d)は
放電検出回路14の出力端子14bからの出力信号、
(e)は判別回路18の出力端子18cからの出力信号
である。
【0026】このように、本実施例の放電加工装置は、
被加工物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電
極1と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第
1の直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチ
ング素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制
御し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加
して継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状
態を判別する判別回路18と、前記第1の直流電源3に
よる前記電極1と被加工物2との放電を検出する放電検
出回路14(放電検出手段)と、所定時間以上の非放電
状態では前記第1の直流電源3による電圧印加の休止時
間TcをTc’(所定の値)に変更し、前記電極1と前
記被加工物2の放電を検出したら、即時に前記休止時間
Tc’を変更前の値Tcに復帰させる電圧印加時間制御
手段とを備えている。
【0027】即ち、本実施例の放電加工装置は、電極1
と被加工物2との間に接続された第1の直流電源3及び
半導体スイッチング素子6(第1のスイッチング回路)
の第1の半導体スイッチング素子6(第1のスイッチン
グ回路)をオン・オフ制御し、前記電極1と前記被加工
物2との間に電圧を印加して、継続的な放電を発生させ
るとともに、前記電圧の印加中における所定時間以上の
非放電状態では、前記第1の直流電源3による電圧印加
の休止時間TcをTc’(Tc<Tc’)に変更し、前
記第1の直流電源3による前記電極1と被加工物2との
放電を検出したら、即時に前記休止時間Tc’を変更前
の値Tcに復帰させるものである。
【0028】したがって、所定時間以上放電が発生しな
い状態のパルス電圧の休止時間を長くでき、発生する高
電圧を低く抑えることができるので、加工間隙に電圧を
印加中に、所定時間放電が発生していないときの平均加
工電圧を低くすることができる。また、放電開始ととも
に休止時間を変更前の値に自動的に復帰させるため、継
続的に放電が発生する期間は、平均加工電圧を低くする
ために休止時間を短くする必要がないので、加工中の速
度の低下を防止できる。さらに、第1の直流電源3の電
源電圧は、加工間隙に放電を発生させるのに十分な値で
よく、加工速度を上げるために印加電圧を高くする必要
がないので、平均加工電圧を低くできる。
【0029】〈第二実施例〉次に、この発明の他の実施
例として、所定時間以上放電が発生しない状態のときに
は、加工間隙に電圧を印加する時間を短くする場合につ
いて説明する。なお、本実施例においても、放電回路の
接続図は図1と同様であるため省略する。図4は本発明
の第二実施例である放電加工装置の放電回路の動作タイ
ミングを示すタイミングチャートである。
【0030】図4は上記第一実施例と比べて、判別回路
18が出力端子18cの状態が“1”である時、(b)
のように発振回路7のオン時間TbをTbからTb’
(Tb>Tb’)に変更する点が異なる。即ち、(e)
の判別回路18が出力端子18cが“1”の状態である
期間は、(b)のように加工間隙に電圧を印加する時間
が初期設定時間より短くなっている。このため、所定時
間以上放電が発生しない状態の平均加工電圧を低く抑え
ることができ、継続的に放電が発生する期間の電圧印加
時間を短くする必要がなく、第一実施例と同様の効果が
得られる。
【0031】このように、本実施例の放電加工装置は、
被加工物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電
極1と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第
1の直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチ
ング素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制
御し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加
して継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状
態を判別する判別回路18と、前記第1の直流電源3に
よる前記電極1と被加工物2との放電を検出する放電検
出回路14(放電検出手段)と、所定時間以上の非放電
状態では前記第1の直流電源3による電圧印加の印加時
間TbをTb’(所定の値)に変更し、前記電極1と前
記被加工物2の放電を検出したら、即時に前記印加時間
Tb’を変更前の値Tbに復帰させる電圧印加時間制御
手段とを備えている。
【0032】即ち、本実施例の放電加工装置は、電極1
と被加工物2との間に接続された第1の直流電源3及び
半導体スイッチング素子6(第1のスイッチング回路)
の第1の半導体スイッチング素子6(第1のスイッチン
グ回路)をオン・オフ制御し、前記電極1と前記被加工
物2との間に電圧を印加して、継続的な放電を発生させ
るとともに、前記電圧の印加中における所定時間以上の
非放電状態では、前記第1の直流電源3による電圧印加
の印加時間TbをTb’(Tb>Tb’)に変更し、前
記第1の直流電源3による前記電極1と被加工物2との
放電を検出したら、即時に前記印加時間Tb’を変更前
の値Tbに復帰させるものである。
【0033】したがって、所定時間以上放電が発生しな
い状態のパルス電圧の印加時間を短くでき、発生する高
電圧を低く抑えることができるので、加工間隙に電圧を
印加中に、所定時間放電が発生していないときの平均加
工電圧を低くすることができる。また、放電開始ととも
に印加時間を変更前の値に自動的に復帰させるため、継
続的に放電が発生する期間は、平均加工電圧を低くする
ために印加時間を調整する必要がないので、加工中の速
度の低下を防止できる。さらに、第1の直流電源3の電
源電圧は、加工間隙に放電を発生させるのに十分な値で
よく、加工速度を上げるために印加電圧を高くする必要
がないので、平均加工電圧を低くできる。
【0034】〈第三実施例〉次に、この発明の更に他の
実施例として、所定時間以上放電が発生しない状態のと
きには、加工間隙に印加する電圧を低くする場合につい
て図を用いて説明する。図5は本発明の第三実施例であ
る放電加工装置の放電回路の接続を示す回路図である。
図中、上記従来例及び各実施例と同一符号及び記号は上
記従来例及び各実施例の構成部分と同一または相当する
構成部分を示す。
【0035】図5において、判別回路18の出力端子1
8cは第1の直流電源3に接続されており、第1の直流
電源3の電圧値は出力端子18cの出力信号に基づき所
定の電圧値に変更される(機構は図示せず)。
【0036】図6は図5の放電回路の動作タイミングを
示すタイミングチャートである。
【0037】図6は上記第一実施例と比べて、判別回路
18が出力端子18cの状態が“1”である時、(a)
のように第1の直流電源3の電圧値をE1からE1’
(E1>E1’)に変更する点が異なる。即ち、(e)
の判別回路18の出力端子18cが“1”の状態である
期間は、(a)のように加工間隙に印加する電圧が初期
設定電圧より低くなっている。そのため、第一実施例と
同様に所定時間以上放電が発生しない状態の平均加工電
圧を低く抑えることができ、さらに、継続的に放電が発
生する期間の印加電圧を低くする必要がなく、第一実施
例と同様の効果が得られる。
【0038】このように、本実施例の放電加工装置は、
被加工物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電
極1と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第
1の直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチ
ング素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制
御し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加
して継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状
態を判別する判別回路18と、前記第1の直流電源3に
よる前記電極1と被加工物2との放電を検出する放電検
出回路14(放電検出手段)と、所定時間以上の非放電
状態では前記第1の直流電源3の印加電圧値E1を所定
の値E1’に変更し、前記電極1と前記被加工物2の放
電を検出したら、即時に印加電圧値E1’を変更前の値
E1に復帰させる印加電圧値制御手段とを備えている。
【0039】即ち、本実施例の放電加工装置は、電極1
と被加工物2との間に接続された第1の直流電源3及び
半導体スイッチング素子6(第1のスイッチング回路)
の第1の半導体スイッチング素子6(第1のスイッチン
グ回路)をオン・オフ制御し、前記電極1と前記被加工
物2との間に電圧を印加して、継続的な放電を発生させ
るとともに、前記電圧の印加中における所定時間以上の
非放電状態では、前記第1の直流電源3による印加電圧
値E1をE1’(E1>E1’)に変更し、前記電極1
と前記被加工物2の放電を検出したら、即時に印加電圧
値E1’を変更前の値E1に復帰させるものである。
【0040】したがって、所定時間以上放電が発生しな
い状態のパルス電圧の印加電圧を小さくし、発生する高
電圧を低く抑えることができるので、加工間隙に電圧を
印加中に、所定時間放電が発生していないときの平均加
工電圧を低くすることができる。また、放電開始ととも
に印加電圧を変更前の値に自動的に復帰させるため、継
続的に放電が発生する期間は、平均加工電圧を低くする
ために印加電圧を変化させる必要がないので、加工中の
速度の低下を防止できる。
【0041】〈第四実施例〉次に、この発明の更に他の
実施例を図について説明する。図7は本発明の第四実施
例である放電加工装置の放電回路の接続を示す回路図で
ある。図7は第一実施例の図1に第1の直流電源3の休
止中に逆電圧を印加する逆電圧印加回路を設けたもので
ある。
【0042】逆電圧印加回路について図7により説明す
る。図において、101は第2の直流電源、102は抵
抗器、103は第2のスイッチング回路として機能す
る、例えば半導体スイッチング素子である。また、第2
の直流電源101、抵抗器102、半導体スイッチング
素子103の直列対は電極1と被加工物2との間に、第
1の直流電源3と逆極性で接続されている。104は2
入力AND回路であり、この2入力AND回路104の
出力端子104aは半導体スイッチング素子103の制
御端子103aに接続されている。また、2入力AND
回路104の一方の入力端子104bは発振回路7の出
力端子7cに接続され、他方の入力端子104cはワン
ショットマルチバイブレータ15の出力端子15cに接
続されている。
【0043】図8は図7の放電回路の動作タイミングを
示すタイミングチャートである。
【0044】図8において、無負荷状態を判別して半導
体スイッチング素子6の休止時間TcをTc’に変更す
る動作は図3と同一である。半導体スイッチング素子1
03の動作は(d)に示すように、半導体スイッチング
素子6及び半導体スイッチング素子10がオフの間にオ
ンとなる。半導体スイッチング素子6の動作は(b)、
半導体スイッチング素子10の動作は(c)のようであ
る。即ち、半導体スイッチング素子6及び半導体スイッ
チング素子10がオフの間、加工間隙電圧Egは大きさ
が第2の直流電源101の出力電圧に等しく、極性が負
の電圧になっている。このため、放電が発生していない
状態では、図8に示すように、半導体スイッチング素子
6をオフした直後に、半導体スイッチング素子10をオ
ンして加工間隙に逆極性の電圧を印加するために、上記
第一実施例では加工間隙の電圧が半導体スイッチング素
子6をオフした後に、徐々に電圧が降下しているのに対
して、本実施例では瞬時に電圧が降下する。
【0045】この場合、放電加工を行うとき必要な加工
間隙を一定に保つための制御は、平均加工電圧を求めず
に、平均加工電圧を全波または半波整流した電圧値を用
いるようにする必要がある。また、第2の直流電源10
1の電圧は放電可能な電圧より低くしておけば、負極性
の放電による面粗さの劣化や持続アークを防止すること
ができる。
【0046】このように、本実施例の放電加工装置は、
被加工物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電
極1と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第
1の直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のス
イッチング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチ
ング素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制
御し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加
して継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記第1の直流電源3と半導体スイッチング素子6
(第1のスイッチング回路)との直列回路と逆並列に接
続された第2の直流電源101と半導体スイッチング素
子103(第2のスイッチング回路)との直列体である
逆電圧印加回路と、前記半導体スイッチング素子6(第
1のスイッチング回路)がオフしているときに前記半導
体スイッチング素子103(第2のスイッチング回路)
をオン・オフ制御する発振回路7及びワンショットマル
チバイブレータ15(制御回路)と、前記電圧の印加中
における所定時間以上の非放電状態を判別する判別回路
18と、所定時間以上の非放電状態では前記電極1と前
記被加工物2との間の平均的な電圧を低下させる印加電
圧低下手段とを備えている。
【0047】したがって、本実施例においても、上記第
一実施例と同様の効果を有するとともに、加工間隙に通
常の正の電圧の他に逆の電圧である負の電圧が印加され
るため、第一実施例以上に平均加工電圧を低くすること
ができ、被加工物の電解腐食を防止する効果が大きい。
【0048】〈第五実施例〉更に他の実施例として、上
記第二実施例に第1の直流電源3の休止中に逆電圧を印
加する逆電圧印加回路を設けてもよい。図9は本発明の
第五実施例である放電加工装置の放電回路の動作タイミ
ングを示すタイミングチャートである。
【0049】図において、半導体スイッチング素子6及
び半導体スイッチング素子10がオフの間、(a)のよ
うに加工間隙電圧Egは大きさが第2の直流電源101
の出力電圧に等しく極性が負の電圧となっているところ
のみが、上記第二実施例の図4と異なる。
【0050】即ち、本実施例の放電加工装置は、被加工
物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電極1
と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第1の
直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のスイッ
チング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチング
素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制御
し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加し
て継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記第1の直流電源3と半導体スイッチング素子6
(第1のスイッチング回路)との直列回路と逆並列に接
続された第2の直流電源101と半導体スイッチング素
子103(第2のスイッチング回路)との直列体である
逆電圧印加回路と、前記半導体スイッチング素子6(第
1のスイッチング回路)がオフしているときに前記半導
体スイッチング素子103(第2のスイッチング回路)
をオン・オフ制御する発振回路7及びワンショットマル
チバイブレータ15(制御回路)と、前記電圧の印加中
における所定時間以上の非放電状態を判別する判別回路
18と、所定時間以上の非放電状態では前記電極1と前
記被加工物2との間の平均的な電圧を低下させる印加電
圧低下手段とを備えており、所定時間以上の非放電状態
では前記第1の直流電源3による電圧印加の印加時間T
bをTb’(所定の値)に変更し、前記電極1と前記被
加工物2の放電を検出したら、即時に前記印加時間T
b’を変更前の値Tbに復帰させるものである。
【0051】したがって、この場合にも、第二実施例及
び第四実施例と同様な効果が得られる。つまり、所定時
間以上放電が発生しない状態のパルス電圧の印加時間を
短くでき、発生する高電圧を低く抑えることができるの
で、加工間隙に電圧を印加中に、所定時間放電が発生し
ていないときの平均加工電圧を低くすることができる。
また、放電開始とともに印加時間を変更前の値に自動的
に復帰させるため、継続的に放電が発生する期間は、平
均加工電圧を低くするために印加時間を変化させる必要
がないので、加工中の速度の低下を防止できる。さら
に、第1の直流電源3の電源電圧は、加工間隙に放電を
発生させるのに十分な値でよく、加工速度を上げるため
に印加電圧を高くする必要がないので、平均加工電圧を
低くできる。しかも、加工間隙に通常の正の電圧の他に
逆の電圧である負の電圧が印加されるため、第二実施例
以上に平均加工電圧を低くすることができ、被加工物の
電解腐食を防止する効果が大きい。
【0052】〈第六実施例〉更に他の実施例として、上
記第三実施例に第1の直流電源3の休止中に逆電圧を印
加する逆電圧印加回路を設けてもよい。図10は本発明
の第六実施例である放電加工装置の放電回路の接続を示
す回路図である。図10は、第三実施例の図5に、第2
の直流電源101、抵抗器102、半導体スイッチング
素子103の直列体が電極1と被加工物2に第1の電源
3と逆極性で接続したものである。
【0053】図11は図10の放電回路の動作タイミン
グを示すタイミングチャートである。
【0054】図において、半導体スイッチング素子6及
び半導体スイッチング素子10がオフの間、(a)のよ
うに加工間隙電圧Egは大きさが第2の直流電源101
の出力電圧に等しく極性が負の電圧となっているところ
のみが第三実施例の図6と異なる。
【0055】即ち、本実施例の放電加工装置は、被加工
物2と所定の間隔を隔てて対向して配設された電極1
と、前記電極1と被加工物2との間に接続された第1の
直流電源3と半導体スイッチング素子6(第1のスイッ
チング回路)との直列回路と、前記半導体スイッチング
素子6(第1のスイッチング回路)をオン・オフ制御
し、前記電極1と前記被加工物2との間に電圧を印加し
て継続的な放電を発生させる発振回路7(制御回路)
と、前記第1の直流電源3と半導体スイッチング素子6
(第1のスイッチング回路)との直列回路と逆並列に接
続された第2の直流電源101と半導体スイッチング素
子103(第2のスイッチング回路)との直列体である
逆電圧印加回路と、前記半導体スイッチング素子6(第
1のスイッチング回路)がオフしているときに前記半導
体スイッチング素子103(第2のスイッチング回路)
をオン・オフ制御する発振回路7及びワンショットマル
チバイブレータ15(制御回路)と、前記電圧の印加中
における所定時間以上の非放電状態を判別する判別回路
18と、所定時間以上の非放電状態では前記電極1と前
記被加工物2との間の平均的な電圧を低下させる印加電
圧低下手段とを備えており、所定時間以上の非放電状態
では前記第1の直流電源3の印加電圧値E1を所定の値
E1’に変更し、前記電極1と前記被加工物2の放電を
検出したら、即時に印加電圧値E1’を変更前の値E1
に復帰させるものである。
【0056】したがって、この場合にも、上記第三実施
例及び第四、第五実施例と同様な効果が得られる。つま
り、所定時間以上放電が発生しない状態のパルス電圧の
印加電圧を小さくし、発生する高電圧を低く抑えること
ができるので、加工間隙に電圧を印加中に、所定時間放
電が発生していないときの平均加工電圧を低くすること
ができる。また、放電開始とともに印加電圧を変更前の
値に自動的に復帰させるため、加工中の速度の低下を防
止できる。しかも、加工間隙に通常の正の電圧の他に逆
の電圧である負の電圧が印加されるため、第二実施例以
上に平均加工電圧を低くすることができ、被加工物の電
解腐食を防止する効果が大きい。
【0057】〈第七実施例〉次に、更に他の実施例を図
により説明する。図12は本発明の第七実施例である放
電加工装置の放電回路の接続を示す回路図であり、第1
の直流電源3の休止中に逆電圧を印加する逆電圧印加回
路を設けて、所定時間以上放電が発生しない状態には逆
電圧印加回路の第2の直流電源101の電圧値を増大さ
せるようにした場合の放電加工装置の放電回路の接続図
である。
【0058】図において、判別回路18の出力端子18
cは第2の直流電源101に接続されている。
【0059】また、図13は図12の放電回路の動作タ
イミングを示すタイミングチャートである。
【0060】図において、(f)のように判別回路18
の出力端子18cから“1”が出力されたとき、(a)
のように第2の直流電源101の出力電圧E2をE2’
(E2<E2’)に変更している。また、放電検出回路
14により放電が検出されたとき、第2の直流電源10
1の出力電圧をE2’からE2に復帰するようにする。
なお、本実施例の場合には、放電が発生しない期間であ
るから、E2’をE2よりかなり大きくしても加工には
影響しない。
【0061】したがって、この場合にも、上記第四実施
例乃至第六実施例と同様の効果が得られる。
【0062】〈第八実施例〉更に、上記第四実施例乃至
第七実施例においては、所定時間以上放電が発生しない
状態における平均加工電圧を0Vまたは電極1を基準と
して負の値にするようにしてもよい。
【0063】これは、通常、加工液に導電性の液を使用
する放電加工装置の場合、電解作用によって正極側が腐
食しやすいといった特性がある。但し、この場合、加工
中の平均加工電圧を負の値にすると極端に加工速度が減
少するといった特性がある。そこで、本実施例によれ
ば、加工中の平均加工電圧とは無関係に所定時間以上放
電が発生しない状態における平均加工電圧を0V以下に
することができるので、被加工物2の電解腐食を完全に
抑制することができるといった効果がある。
【0064】〈第九実施例〉また、上記第一実施例乃至
第八実施例においては、第3の直流電源9とダイオード
8、半導体スイッチング素子10、ワンショットマルチ
バイブレータ15、及び2入力AND回路16より構成
される第3の直流電源9の出力を加工間隙に印加する回
路を省略してもよい。この場合、加工間隙に継続的に放
電が発生していない状態においては、第3の電源を省略
する前と同等の動作をするため、平均加工電圧を抑える
という同様の効果がある。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
放電加工装置は、電極と、第1の直流電源と第1のスイ
ッチング回路との直列回路と、制御回路と、判別回路
と、放電検出手段と、電圧印加時間制御手段とを備え、
電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源及び
第1のスイッチング回路の第1のスイッチング回路をオ
ン・オフ制御し、前記電極と前記被加工物との間に電圧
を印加して、継続的な放電を発生させるとともに、前記
電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態では、
前記第1の直流電源による電圧印加の休止時間または印
加時間を所定の値に変更し、前記第1の直流電源による
前記電極と被加工物との放電を検出したら、即時に前記
休止時間または印加時間を変更前の値に復帰させること
により、加工間隙に電圧を印加中に継続的に放電が発生
しない状態では、平均加工電圧を低く抑えることができ
るので、電解作用による被加工物の腐食を防止でき、加
工品質を向上させることができるとともに、継続的に放
電が発生する期間は平均加工電圧を低くするために、電
圧印加時間を長くしたり、休止時間を短くする必要がな
く、高速加工が可能になる。
【0066】請求項2の発明の放電加工装置は、電極
と、第1の直流電源と第1のスイッチング回路との直列
回路と、第3の直流電源と第3のスイッチング回路との
直列回路と、制御回路と、判別回路と、放電検出手段
と、スイッチング回路制御手段と、電圧印加時間制御手
段とを備え、電極と被加工物との間に接続された第1の
直流電源及び第1のスイッチング回路の第1のスイッチ
ング回路をオン・オフ制御し、前記電極と前記被加工物
との間に電圧を印加して、継続的な放電を発生させると
ともに、前記電圧の印加中における所定時間以上の非放
電状態では、前記第1の直流電源による電圧印加の休止
時間または印加時間を所定の値に変更し、前記第1の直
流電源による前記電極と被加工物との放電を検出した
ら、所定時間第1の直流電源及び第1のスイッチング回
路に対して並列に接続された第3の直流電源及び第3の
スイッチング回路をオンさせ、即時に前記休止時間また
は印加時間を変更前の値に復帰させることにより、加工
間隙に電圧を印加中に継続的に放電が発生しない状態で
は、平均加工電圧を低く抑えることができるので、電解
作用による被加工物の腐食を防止でき、加工品質を向上
させることができるとともに、第1の直流電源の印加電
圧は加工間隙に放電を発生させるだけに充分な電圧でよ
く、加工速度を上げるために印加電圧を高くする必要が
ないため、放電が発生する場合、発生しない場合に拘ら
ず平均加工電圧を低くできる。
【0067】請求項3の発明の放電加工装置は、電極
と、第1の直流電源と第1のスイッチング回路との直列
回路と、制御回路と、判別回路と、放電検出手段と、印
加電圧値制御手段とを備え、電極と被加工物との間に接
続された第1の直流電源及び第1のスイッチング回路の
第1のスイッチング回路をオン・オフ制御し、前記電極
と前記被加工物との間に電圧を印加して、継続的な放電
を発生させるとともに、前記電圧の印加中における所定
時間以上の非放電状態では、前記第1の直流電源の印加
電圧値を所定の値に変更し、前記第1の直流電源による
前記電極と被加工物との放電を検出したら、即時に印加
電圧値を変更前の値に復帰させることにより、加工間隙
に電圧を印加中に継続的に放電が発生しない状態では、
平均加工電圧を低く抑えることができるので、電解作用
による被加工物の腐食を防止でき、加工品質を向上させ
ることができるとともに、継続的に放電が発生する期間
は平均加工電圧を低くするために、印加電圧の休止時間
を短くする必要がなく、高速加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例である放電加工装置
の放電回路の接続を示す回路図である。
【図2】図2は図1の放電回路中の判別回路の詳細を示
す回路図である。
【図3】図3は図1の放電回路の動作タイミングを示す
タイミングチャートである。
【図4】図4は本発明の第二実施例である放電加工装置
の放電回路の動作タイミングを示すタイミングチャート
である。
【図5】図5は本発明の第三実施例である放電加工装置
の放電回路の接続を示す回路図である。
【図6】図6は図5の放電回路の動作タイミングを示す
タイミングチャートである。
【図7】図7は本発明の第四実施例である放電加工装置
の放電回路の接続を示す回路図である。
【図8】図8は図7の放電回路の動作タイミングを示す
タイミングチャートである。
【図9】図9は本発明の第五実施例である放電加工装置
の放電回路の動作タイミングを示すタイミングチャート
である。
【図10】図10は本発明の第六実施例である放電加工
装置の放電回路の接続を示す回路図である。
【図11】図11は図10の放電回路の動作タイミング
を示すタイミングチャートである。
【図12】図12は本発明の第七実施例である放電加工
装置の放電回路の接続を示す回路図である。
【図13】図13は図12の放電回路の動作タイミング
を示すタイミングチャートである。
【図14】図14は従来の放電加工装置の放電回路の接
続を示す回路図である。
【図15】図15は図14の放電回路の動作タイミング
を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】 1 電極 2 被加工物 3 第1の直流電源 6 半導体スイッチング素子 7 発振回路 9 第3の直流電源 10 半導体スイッチング素子 14 放電検出回路 15 ワンショットマルチバイブレータ 18 判別回路 101 第2の直流電源 103 半導体スイッチング素子
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物と所定の間隔を隔てて配設され
    た電極と、 前記電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源
    と第1のスイッチング回路との直列回路と、 前記第1のスイッチング回路をオン・オフ制御し前記電
    極と前記被加工物との間に電圧を印加して継続的な放電
    を発生させる制御回路と、 前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態を
    判別する判別回路と、 前記第1の直流電源による前記電極と被加工物との放電
    を検出する放電検出手段と、 所定時間以上の非放電状態では前記第1の直流電源によ
    る電圧印加の休止時間または印加時間を所定の値に変更
    し、前記電極と前記被加工物の放電を検出したとき、前
    記休止時間または印加時間を変更前の値に復帰させる電
    圧印加時間制御手段とを具備することを特徴とする放電
    加工装置。
  2. 【請求項2】 被加工物と所定の間隔を隔てて配設され
    た電極と、 前記電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源
    と第1のスイッチング回路との直列回路と、 前記第1の直流電源と第1のスイッチング回路との直列
    回路に対して並列に接続された第3の直流電源と第3の
    スイッチング回路との直列回路と、 前記第1のスイッチング回路をオン・オフ制御し前記電
    極と前記被加工物との間に電圧を印加して継続的な放電
    を発生させる制御回路と、 前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態を
    判別する判別回路と、 前記第1の直流電源による前記電極と被加工物との放電
    を検出する放電検出手段と、 前記放電検出回路の放電検出信号により、所定時間前記
    第3のスイッチング回路をオンさせるスイッチング回路
    制御手段と、 所定時間以上の非放電状態では前記第1の直流電源によ
    る電圧印加の休止時間または印加時間を所定の値に変更
    し、前記電極と前記被加工物の放電を検出したとき、前
    記休止時間または印加時間を変更前の値に復帰させる電
    圧印加時間制御手段とを具備することを特徴とする放電
    加工装置。
  3. 【請求項3】 被加工物と所定の間隔を隔てて配設され
    た電極と、 前記電極と被加工物との間に接続された第1の直流電源
    と第1のスイッチング回路との直列回路と、 前記第1のスイッチング回路をオン・オフ制御し前記電
    極と前記被加工物との間に電圧を印加して継続的な放電
    を発生させる制御回路と、 前記電圧の印加中における所定時間以上の非放電状態を
    判別する判別回路と、 前記第1の直流電源による前記電極と被加工物との放電
    を検出する放電検出手段と、 所定時間以上の非放電状態では前記第1の直流電源の印
    加電圧値を所定の値に変更し、前記電極と前記被加工物
    の放電を検出したとき、印加電圧値を変更前の値に復帰
    させる印加電圧値制御手段とを具備することを特徴とす
    る放電加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1990006962A1 (en) * 1988-12-20 1990-06-28 Mitsubishi Kasei Corporation Modified silicate composition and production of sand mold therefrom

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JPS5636011A (en) * 1979-09-03 1981-04-09 Hitachi Ltd Method and apparatus for evaluation of finished surface
JPH03294116A (ja) * 1990-04-10 1991-12-25 Makino Milling Mach Co Ltd 放電加工パルスの供給方法及び装置

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