JPH06155163A - 数値制御旋盤におけるネジ切り制御装置 - Google Patents

数値制御旋盤におけるネジ切り制御装置

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JPH06155163A
JPH06155163A JP33244792A JP33244792A JPH06155163A JP H06155163 A JPH06155163 A JP H06155163A JP 33244792 A JP33244792 A JP 33244792A JP 33244792 A JP33244792 A JP 33244792A JP H06155163 A JPH06155163 A JP H06155163A
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JP
Japan
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spindle
tool
angle
rotation angle
tool rest
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Application number
JP33244792A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Suzuki
康彦 鈴木
De Shietsupaa Furanku
デ・シェッパー フランク
Hajime Ohashi
肇 大橋
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Yamazaki Mazak Corp
Original Assignee
Yamazaki Mazak Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】数値制御旋盤における精密ネジ切り加工。 【構成】主軸2の基準姿勢に対する姿勢角度φを検出す
る角度検出器26を設けておき、ネジ切り加工時、該主
軸2の回転により角度検出器26が出力する信号S1に
より主軸回転角度算出部20に、主軸2がどれだけ回転
したかの積算角度量を示す主軸回転角度θを演算積算さ
せて、該主軸回転角度θに応じてネジ切り補間部14
に、刃物台7の主軸2に対する位置を位置検出器30、
31を介して移動制御させる形で、工具6のX軸、Z軸
移動を分配補間させる。刃物台7は、工具6の刃先6a
が主軸回転角度θに対応する位置に配置するよう送られ
るので、主軸回転速度の変更、変動に追従して、精密な
ネジが切削される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密なネジ切り加工を
行うことが出来る、数値制御旋盤におけるネジ切り制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は従来のネジ切り加工に適用され
る制御方法の一例を示すブロック図、図12は従来のネ
ジ切り加工サイクルの一例を示すフローチャート図であ
る。従来、数値制御旋盤においてネジ切り加工を行う際
には、主軸角度位置に対応させた形の関数を用いて工具
の送り速度を決定し、当該送り速度に基づき工具駆動軸
を分配移動させていく方法が用いられている。即ち、図
11に示すように、主制御部40が主軸速度指令ωを介
して、主軸駆動制御部41に主軸アクチュエータ42を
所定の回転数Nで駆動させる。その結果、主軸即ちワー
クがある基準点から360度回転したところで、該主軸
アクチュエータ42に接続された位置検出器43が1回
転信号SPを出力する。そして、当該1回転信号SPを
トリガとしてネジ切り補間部44に、加工開始からの経
過時間tに対して軸配分を行わせる形で、Z軸、X軸方
向それぞれに対する工具移動量を補間させて工具移動を
開始し、Z軸駆動指令zrとX軸位置指令xrを介し
て、Z軸駆動制御部45とX軸駆動制御部46にZ軸駆
動装置45とX軸駆動装置46の駆動を制御させる。即
ち、図12に示すように、主軸の回転が主軸速度指令ω
に対応した所定の回転数Nに到達して、1回転信号SP
が検出されたところで、工具駆動軸分配を行い、工具を
Z軸及びX軸方向にそれぞれ経過時間tに対して所定の
量づつ移動させる形で、加工開始位置から終点まで送る
動作を、所定のネジ形状が形成されるまで繰返す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、工具6の移動が時間tに対して比例した形で制御さ
れるので、ネジ山を適正なリードで切削形成するには、
ワークの回転も、時間tに対して一定に保持する必要が
生じ、加工開始から終了までの間、主軸の回転数Nを所
定の値に固定しておかなけらばならず、これを加工サイ
クル中に任意の値にシフトすることは出来ない。このた
め、加工すべきワークに不規則なテーパや異形断面が形
成されている場合には、ワーク被加工部間で周速(即ち
被加工部の刃に対する速度)に少しづつ差異が生じてし
まうために、均質な加工仕上げ状態が得られず、従って
こうしたネジ切り加工方法は、複雑な形状のワークには
なかなか適応仕切れない。また、荒削りと仕上げ削りと
で主軸回転数Nを任意の値に調整して、これを一連の加
工サイクルで完了させるようなことは出来なかった。さ
らに、主軸の回転数Nは、無負荷時定常振動や或いは特
殊ネジ加工等による高負荷を受けることによりこれが変
動することを完全に避けることは出来ず、この場合従来
方式では、工具が当該変動に追従することなく経過時間
tに対して与えられた量だけ移動してしまうので、工具
刃の切込位置、即ちこれにより形成されるネジ溝がずれ
て、ネジの加工精度が悪くなる危惧があった。従って、
こうしたネジ切り加工方法では、精密なネジ加工を行う
ことは難しかった。
【0004】そこで本発明は、上記事情に鑑み、主軸回
転数の変更、変動に対して工具の移動量をこれに追従さ
せ得るようにして、精密なネジ加工が出来るようにし
た、数値制御旋盤におけるネジ切り制御装置を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、回転自
在な主軸(2)と該主軸(2)に対して相対移動自在な
刃物台(7)を有し、前記主軸(2)に保持されたワー
ク(5)に対して前記刃物台(7)を相対移動させるこ
とによって、該刃物台(7)に装着された工具(6)に
より該ワーク(5)にネジ(5b)を形成し得る数値制
御旋盤(1)において、前記主軸(2)の基準姿勢に対
する該主軸(2)の回転時における姿勢角度φを検出す
る姿勢角度検出手段(26)を設け、前記姿勢角度検出
手段(26)から出力される信号S1により、前記主軸
(2)の積算回転角度量θを演算し得る積算回転角度演
算手段(20)を設け、前記積算回転角度演算手段(2
0)が演算する前記主軸(2)の積算回転角度量θに応
じて、前記刃物台(7)の前記主軸(2)に対する位置
を移動制御する刃物台移動制御手段(12、13、1
4、30、31)を設けて、構成される。なお、( )
内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的
なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘
束されるものではない。以下の作用の欄についても同様
である。
【0006】
【作用】上記した構成により、本発明は、刃物台移動制
御手段(12、13、14、30、31)は、主軸
(2)の積算回転角度量θに対応した位置に工具(6)
を配置させるように、刃物台(7)移動を制御するよう
に作用する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は本発明によるネジ切り制御装置の一実施例が
適用された数値制御旋盤の一例を示す図、図2は図1に
示すネジ切り制御装置を用いたネジ切り加工の一例を示
す図、図3は図1に示すネジ切り制御装置の制御状態を
示す制御ブロック図、図4は図2に示すネジ切り加工時
における工具の軸配分の補間パターンの一例を示す図、
図5は図4に示す補間パターンに用いるためのワークの
テーパを求める図、図6は本発明によるネジ切り制御装
置によるネジ切り加工の流れ図、図7は主軸の回転時に
おける主軸姿勢角度と主軸回転角度を示す図、図8は主
軸とワークの姿勢角度を示す図、図9は図2に示すネジ
切り加工時における工具刃のテーパネジ切削動作を示す
拡大図、図10は図2に示すネジ切り加工時における主
軸速度の変化様態を示す図である。
【0008】数値制御旋盤1は、図1に示すように、Z
軸を回転中心として回転自在な主軸2を有しており、主
軸2にはチャック3が、その中心を該主軸2に一致させ
た形で主軸2と共に回転駆動自在に設けられている。チ
ャック3にはネジを切削加工すべきワーク5が、図1矢
印A、B方向に示す該主軸2の回転軸であるZ軸を回転
中心として回転自在な形で把持固定されており、主軸2
には該主軸2を回転駆動させ得る主軸アクチュエータ2
5が接続されている。また、主軸2には該主軸2の姿勢
角度検出手段であるパルスエンコーダ等からなる角度検
出器26が、該主軸2の姿勢角度φ、即ち所定の基準姿
勢に対してその回転時に0〜2πの範囲で時々刻々と変
化させる形の主軸の姿勢角度φを、パルスS1等の信号
を出力することにより検出し得る形で設けられている。
【0009】一方、主軸2の図1右方には、ネジ切りバ
イト即ち工具6が着脱自在に装着された刃物台7が、該
主軸2の軸心方向であり矢印A、B方向に示すZ軸方
向、及びこれに交差する方向である矢印C、D方向に示
すX軸方向にそれぞれ移動駆動自在な形で、即ち主軸2
に対して相対移動自在な形で設けられており、刃物台7
にはX軸アクチュエータ27とZ軸アクチュエータ29
が、該刃物台7をX軸及びZ軸方向に移動駆動させ得る
形で、それぞれ設けられている。X軸アクチュエータ2
7とZ軸アクチュエータ29には、それぞれ、公知の位
置検出用のエンコーダ等からなる位置検出器30、31
が、刃物台7の所定の基準点即ちこれに装着された工具
6の主軸2に対するX軸、Z軸位置を検出し得る形で設
けられている。
【0010】ところで、数値制御旋盤1にはネジ切り加
工制御装置9が、主軸2と工具6を制御駆動させ得る形
で設けられており、ネジ切り加工制御装置9は、図1に
示すように、主制御部10を有している。主制御部10
には入力部11、X軸駆動制御部12、Z軸駆動制御部
13、ネジ切り補間部14、主軸速度指令部15、主軸
駆動制御部16、加工プログラム解析部17、テープリ
ーダ18、メモリ19、主軸回転角度算出部20、分配
開始角度検出部21等が接続しており、入力部11には
前記刃物台7の位置検出器30、31及び前記主軸2の
角度検出器26がそれぞれ接続されている。なお、X軸
駆動制御部12には駆動回路32を介して前記X軸アク
チュエータ27が、Z軸駆動制御部13には駆動回路3
3を介して前記Z軸アクチュエータ29が、主軸駆動制
御部16には駆動回路35を介して前記主軸アクチュエ
ータ25が、それぞれ接続されている。即ち、ネジ切り
加工制御装置9は、主軸2が、主軸速度指令ωを介して
設定された主軸回転角速度に対応した回転数Nで回転し
たとき、該主軸2の姿勢角度φ(即ち、例えば図2又は
図8に示す主軸2において任意の基準点P1が所定の位
置に配置した状態における基準姿勢に対して、該主軸2
がその回転動作により該基準点P1を該所定の位置から
角度φをなす位置に配置させた際の、前記所定の位置に
対する基準点P1のなす角度φ)を検出し得る形の姿勢
角度検出手段である角度検出器26が、信号S1を出力
する形で、該姿勢角度φをリアルタイムに検出し、該姿
勢角度φを積算回転角度演算手段である主軸回転角度算
出部20に積算累計させることにより主軸2の積算回転
角度量(即ち加工開始から主軸2がどれだけ回転した
か)を表す主軸回転角度θを演算算出し、該主軸回転角
度θに応じてこれに工具6の位置を追従させた形で、刃
物台移動制御手段である前記X軸駆動制御部12、Z軸
駆動制御部13、ネジ切り補間部14、及び位置検出器
30、31等を介して、刃物台7の主軸2に対する位置
を移動駆動制御し得るように構成されているものであ
る。
【0011】数値制御旋盤1は以上のような構成を有し
ているので、該数値制御旋盤1を用いて、ワーク5にネ
ジ切り加工するには、予めテープリーダ18等を介して
読み取られ、ネジ切り加工制御装置9のメモリ19に格
納されたネジ切り加工に必要とされる加工プログラムを
加工プログラム解析部17に解析させて、切削すべきワ
ーク5をネジ切り形成していく。ネジ切り加工に際し、
まず、主制御部10は加工プログラムに指令された速度
指令、即ち、ワーク5の素材母線形状に対応させてこれ
を加工するに適した周速に基づき、図3に示すように、
主軸駆動制御部16に主軸速度指令ωを送る。これを受
けた主軸駆動制御部16は主軸アクチュエータ25を駆
動させて、主軸2を所定の回転数Nで回転させる。する
と、主軸2に設けられた角度検出器26は、該主軸2の
回転によりその基準姿勢に対する姿勢角度φを検出する
が、該主軸2の姿勢角度φは図7に示すように、主軸2
が1回転(360度)回転する毎に0に戻る。そこで、
主軸回転角度算出部20は、角度検出器26が信号S1
を介して検出する姿勢角度φを積算累計し、これを逐次
更新していく形で、主軸回転角度θを演算算出する。そ
して、主軸回転角度θが所定の値に到達したところで、
分配開始角度検出部21は分配開始信号S2を発信し、
該信号S2をトリガとして工具6の軸分配即ち刃物台7
のX軸及びZ軸方向への移動が開始される。この際、分
配開始信号S2の立上りによって、主軸回転角度算出部
20は、該算出部20が演算算出する主軸回転角度θの
値を0に初期化する。すると、回転角度算出部20が算
出する主軸回転角度θは、分配開始信号S2により工具
6の分配が開始されてからの主軸2の積算回転量が累計
算出された形になる。そこでネジ切り補間部14は、回
転角度算出部20が演算算出する主軸回転角度θに従っ
て、工具6の位置を分配補間して、X軸駆動制御部12
とZ軸駆動制御部13にそれぞれ、該工具6が装着され
た刃物台7を所定の位置に移動させるためのX軸位置指
令XrとZ軸位置指令Zrを逐次送信する。するとX軸
位置指令Xr、Z軸位置指令Zrをそれぞれ受けたX軸
駆動制御部12とZ軸駆動制御部13は、該指令値に対
応した分づつX軸アクチェータ27とZ軸アクチェータ
29をそれぞれ駆動させる。すると、これにより、工具
6が装着された刃物台7は、その加工開始から加工終了
までの位置が、主軸2に保持されたワーク5が加工開始
からどれだけ回転したかを表す形の主軸回転角度θに応
じてこれに追従した形で移動制御される。
【0012】そこで例えば、数値制御旋盤1を用いて、
図2に示すようなコーン状に形成されたワーク5の図2
右部に示す先細り側にテーパネジを切削形成する例を以
下に述べる。通常、ワーク5にテーパネジを形成する際
には、図2に示すように、該ワーク5の図2矢印B方向
側端面5aから長さL2分だけ完全ネジ部5bを形成す
ると共に、さらに若干長さL3分余長をとる形で、不完
全ネジ部5cを形成する。即ち、該テーパネジの切削に
際しては、加工プログラムを介して、工具6が、切削開
始点POの加工開始から該工具6の刃先6aが端面5a
に当接する以前の位置zaまでの送り加速領域WAで加
速し、位置zaから完全ネジ部5bの終点に対応する位
置zbまでの送り一定領域WBで主軸回転角度θに対し
て送り量が一定となるようにし(即ち送り一定領域WB
の全域において工具6はワーク5にネジを形成するに適
した移動動作を行う)、さらに不完全ネジ部5cの終点
に対応する位置zcまでの送り減速領域WCで減速する
ように、該工具6が装着された刃物台7の送り動作を制
御する。
【0013】従って、ワーク5にテーパネジを形成する
に際し刃物台7は、図9に示すように、まず該刃物台7
に装着された工具6の刃先6aが、ワーク5のテーパに
沿ってその端面5aから所定の距離L1だけ矢印B方向
側に離れた位置から、加工プログラムに基づき決められ
た1回の切込深さD1分だけ矢印D方向に移動したX軸
位置、即ち、後述するように所定の回数繰り返されるう
ちの第1回目の切込においては加工開始位置である切削
開始点P01から分配開始される形で、ここP01に移動
位置決めされる。そして、刃物台7は、送り一定領域W
Bにおいて、主軸2に装着されたワーク5が1回転する
毎に、Z軸方向に沿ってネジのリードL分だけ矢印A方
向に移動し且つX軸方向に沿ってワーク5のテーパに対
応した分だけ矢印C方向に移動する形で移動制御され
る。すると、ワーク5が1回転する動作の間に、前述の
主軸回転角度θは2πだけ増大する形になるので、主軸
回転角度θが2π増大する毎に、工具6の刃先6aがテ
ーパに沿ってネジのリードL分だけZ軸方向にθの増加
に比例して送られる。こうして、該刃先6aが切削開始
点P01から図9左方に図示されない加工終了点まで1
回送られる動作の間にこれが切り込む深さD1分だけワ
ーク5に所定の形状のネジが切削形成される。そこで、
再び工具6の刃先6aを、第1回目の切削開始点P01
からさらにX軸方向に沿って1回の切込深さD1分だけ
矢印D方向に移動した位置P02に移動位置決めしてか
ら、上述したと同様の刃物台送り動作によりワーク5を
切削し、当該刃物台7の送りによるネジ切削動作を所定
のネジ溝深さDPに到達するまで、所定の回数繰返すこ
とにより、所定形状の完全ネジ部5bが切削加工され
る。
【0014】そこでまず、ネジ切り加工制御装置9の主
制御部10は、加工プログラム解析部17に解析させた
加工プログラムに基づき、X軸駆動制御部12とZ軸駆
動制御部13に刃物台7を、位置検出器30、31を介
して矢印A、B方向(Z軸方向)及び矢印C、D方向
(X軸方向)に移動位置決めさせて、これにより、工具
6を、図2に示すように、切削すべきワーク5の端面5
aから距離L1だけ図2右方に離した形で、所定の基準
位置即ち切削開始点P0に、工具6の基準点である例え
ば刃先6aを位置決めする。この状態から、ネジ切り加
工制御装置9は、ワーク5のテーパ形状及びネジの形状
等に基づき、図6に示すテーパネジ切削サイクルプログ
ラムPSPによって、主軸速度指令部15に主軸速度指
令ωを発信させる形で主軸2の回転を開始して、ワーク
5のネジ切り加工を行っていく。
【0015】即ち、主軸速度指令部15は、図10に示
すように、加工開始から分配開始信号S2が発信される
までの間、一定の値ω1をなす速度指令ωを発信し続
け、主軸2は該速度指令値ω1に対応した所定の回転数
Nで回転する。(これ迄の間、工具6が装着された刃物
台7の分配移動は未だ開始されていない。)そして、分
配開始角度検出部21を介して分配開始信号S2が発信
されたところで、主軸速度指令部15は、主軸速度指令
ωの値を図10直線で示すように、該ワーク5のテーパ
形状に対応させた形で分配して減少させる。(これと同
時に刃物台7が前述したように送られる。)すると、主
軸2は、分配開始信号S2が発信されてから、工具6の
刃先6aが送り一定領域WBを移動する間、ワーク5の
テーパ形状に対応した形で減少する主軸速度指令ωの指
令値に対応して、その回転数Nが徐々に減少する形で回
転駆動される。(即ち主軸速度指令ωの値は、刃物台7
に接続された位置検出器30、31が検出する工具6の
基準位置に対応した形で指示されていく。)これにより
主軸2に装着されているワーク5は、その外周面が工具
6の刃先6aに対して一定の速度をなす形で回転し、即
ち、工具6が前述した送り一定領域WBを移動する間、
ワーク5の周速は所定の値に保持される。なお、ネジ切
り加工中には、主軸速度指令ωに対応する主軸回転数と
主軸2の回転数が対応せずに、主軸2が主軸速度指令部
15が指示した指令値から若干ずれた回転数Nで(例え
ば図10矢印PM位置において点線で示すように)回転
して、これにより、主軸回転角度θが加工開始からの経
過時間と対応しない場合がある。しかし、工具6が装着
された刃物台7の送り動作は、その詳細をさらに後述す
るように、該経過時間に一切呼応することなく主軸2即
ちワーク5が加工開始から実際にどれだけ回転したかを
示す形の、主軸回転角度θに応じて工具6の位置が分配
補間される形で移動制御されることにより、当該主軸2
の回転数Nの変動に対応した分だけ主軸回転角度θの増
大割合もまた変動して、該角度θの増大割合の変動に刃
物台7の送り移動量が追従する形になるので、工具6の
ワーク5に対する刃先6a切込位置は、これがずれるこ
となく該ワーク5の常に的確な被加工位置に当接して、
ネジ切削動作が行われる。なお、工具6の刃先6aが加
工終了点P2に到達して、刃物台7の前述した1回の移
動送り動作が終了し、再び前述したように切込深さを更
新して刃物台移動動作を繰返す場合には、再び主軸速度
指令部15が、一定の値ω1をなす速度指令ωを発信
し、これに応じて主軸2が所定の回転数Nで回転する。
こうして、主軸2は速度指令ωの発信により、その指令
値に応じた回転数Nで回転するが、その一方で、刃物台
7は、該主軸2の回転によって増大する主軸回転角度θ
に応じた位置に工具6の刃先6aが配置するように、そ
の送りが分配補間された形で移動制御される。
【0016】ワーク5にテーパネジを切削形成するに用
いられる前出のテーパネジ切削サイクルプログラムPS
Pにおいては、まず図6ステップST1で、例えば先に
述べたように図10に示した指令値ω1を主軸速度指令
部15に発信させる形で、主軸初期速度指令を出す。す
ると、主軸駆動制御部16は、駆動回路35を介して主
軸アクチュエータ25を駆動させて、これにより主軸2
及びこれに装着されたワーク5は、主軸軸心であるZ軸
を中心として図2矢印E方向に、該主軸速度指令値ω1
に対応した所定の回転数Nで回転開始する。主軸2の回
転動作により、主軸2に接続されている角度検出器26
は、該主軸2の基準姿勢に対する姿勢角度φをリアルタ
イムで検出し、当該姿勢角度φを図7に示すように、パ
ルスS1を介して逐次連続的に入力部11に伝送する。
即ち、角度検出器26は、図7に示すように、主軸2が
図2に示す基準点P1に対して1回転する動作の間に、
その姿勢角度φを、該主軸2の基準点P1における基準
姿勢に対して0から2πに増大させて、また、該主軸2
が1回転して基準姿勢と同一姿勢に復元することにより
該姿勢角度φを0に戻す様子をパルスを介して逐次更新
する形で連続的に検知し、当該姿勢角度φの変化様態
を、図7点線で示すようにアナログ状に出力する形で検
出する。従って、入力部11に入力される姿勢角度φ
は、主軸2が1回転する毎に1巡する形で逐次更新され
る。そこで、これを受けた主軸回転角度算出部20は、
主軸2の姿勢角度φを積算する形で主軸回転角度θを演
算し、当該回転角度θを、加工の進行により入力部11
にパルスS1が入力される毎に更新していく形で、図7
直線で示すように逐次算出する。そして、主軸回転角度
算出部20が算出する主軸2の回転角度θがワーク5に
テーパネジを形成するに適した分配開始角度Kπ(図7
に図示)に到達したなら、分配開始角度検出部21は分
配開始信号S2を発信する。
【0017】そこで、テーパネジ切削サイクルプログラ
ムPSPにおいては、先に述べたように図6ステップS
T1で主軸速度指令が指示されて後、まず図6ステップ
ST2で、主軸2の初期速度、即ち該主軸2の回転数N
が前記主軸速度指令値ω1に対応した所定の値に到達保
持されたことを確認する。そして、図6ステップST3
により、信号S2を介して分配開始角度Kπ(図7に図
示)が検出されたことを確認する。そして、分配開始信
号S2をトリガとして、刃物台7の移動即ち工具6の軸
分配を開始させる。(なお、分配開始信号S2の立上り
により、主軸2の積算回転角度量である主軸回転角度θ
は0に初期化される。) この状態から、テーパネジ切削サイクルプログラムPS
Pは、図6ステップST4により主軸速度指令部15に
主軸速度指令ωを、図10に示すように工具6の刃先6
a位置に応じた値で発信させて、主軸2を該速度指令ω
の指令値に対応した回転数Nで回転させ、ステップST
5により主軸回転角度算出部20に主軸回転角度θを演
算算出させ、ステップST6により該主軸回転角度θに
対応した形で、後述する補間パターンに基づきネジ切り
補間部14に工具駆動軸分配を行わせ、該ネジ切り補間
部14が分配補間したX軸、Z軸位置に工具6を移動位
置決めする形で刃物台7を送る動作を、ステップST7
により工具6の刃先6aが図2に図示する加工終了点P
2に到達するまで、フィードバックしながら繰返してい
く。(なお、ワーク5に完全ネジ部5bを所定形状に形
成するには、以上の図6ステップST1からステップS
T7までの工程に基づく主軸2の回転駆動及び、刃物台
7の図2に示す加工開始点P0から加工終了点P2迄の
送り移動動作を、該完全ネジ部5bが図9に図示した所
定のネジ溝深さDPに到達するまで、刃先6aの切込深
さを更新増大させつつ繰返していく。) 従って、ワーク加工中における工具6が装着された刃物
台7は、ネジ切り補間部14により分配補間された形の
X軸、Z軸方向位置に、X軸駆動制御部12、Z軸駆動
制御部13、位置検出器30、31等を介して移動され
る。従って、該工具6が装着された刃物台7の送り動作
は、工具駆動軸の分配開始信号S2が検出されてからの
主軸2の積算回転角度量である主軸回転角度θに対応
し、その増分に比例した形で制御される。
【0018】ところで、ネジ切り加工制御装置9の加工
プログラム解析部17は、ワーク5に図2に示すような
テーパネジを切削形成するに際し、後述する(1)から
(6)式に基づき図4に示すような工具6の軸分配の補
間パターンをネジ切り補間部14に与えている。これに
よって、ネジ切り補間部14は、分配開始信号S2が検
出されて後、主軸2が回転することにより回転角度θを
増大させるのに対して、工具6の刃先6aを図4LIN
E1又はLINE2に示すZ軸、X軸位置に移動位置決
めするように、刃物台7の移動量を軸分配する。なお、
図4に示す補間パターンにおける主軸回転角度θは、図
7に示すように、工具軸分配開始時、即ち分配開始信号
S2が発信された時点において初期化されることによ
り、0からスタートするものである。即ち、ネジ切り補
間部14は、工具6の刃先6a位置が、図2に示す切削
開始点P0位置において主軸回転角度θ=0のときに図
2に示す(0、0)位置に、送り加速領域WAの終点位
置において主軸回転角度θ=θaのときに(xa、z
a)位置に、送り一定領域WBの終点位置において主軸
回転角度θ=θbのときに(xb、zb)位置に、送り
減速領域WCの終点即ち加工終了点P2において主軸回
転角度θ=θcのときに(wc、zc)位置に配置する
ように、工具駆動軸を分配補間、即ち刃物台7のX軸ア
クチュエータ27とZ軸アクチュエータ29の駆動量を
分配補間する。従って、工具6は、主軸2の回転数Nの
変更、変動に拘らず、該主軸2即ちワーク5が加工開始
からどれだけ回転したかを示す形の主軸回転角度θに対
応した位置に、その刃先6aが常に位置するように、該
工具6が装着された刃物台7の主軸2に対する位置が移
動制御される。
【0019】なお、ネジ切り補間部14は、以下に述べ
る補間パターン式に基づき、工具6の刃先6aの主軸2
に対する位置を主軸回転角度θに追従させる形で、刃物
台7の移動量を軸分配している。まず、図4LINE1
に示される刃物台7(即ち工具6)のZ軸の補間パター
ンは、工具6のZ軸方向への最大加速度azと、ネジ5
bのリードLと、工具刃先6aが送り加速領域WAに対
応する領域を移動する間における主軸2の最大回転角速
度ωn(実施例においては速度指令値ω1に対応してい
る)に基づき、主軸2の総回転量である主軸回転角度θ
をパラメータとする形で、送り領域WAにおいては
(1)式により、送り一定領域WBにおいては(2)式
により、送り減速領域WCにおいては(3)式により補
間されて、これにより、Z軸駆動制御部13、駆動回路
33を介してZ軸アクチュエータ29の駆動量が制御さ
れる。 Z=C1θ2 (θ=0〜θa) …………(1) Z=C2θ+C3 (θ=θa〜θb) …………(2) Z=−C1(θ−θc)2+zc (θ=θb〜θc)…………(3) ただし、 C1<az/(2(ωn)2) C2=L/2π C3=−C2 2/4C1
【0020】一方、図4LINE2に示される刃物台7
(即ち工具6)のX軸の補間パターンは、工具6のX軸
方向への最大加速度axと、工具刃先6aが送り加速領
域WAに対応する領域を移動する間における主軸2の最
大回転角速度ωn(実施例においては速度指令値ω1に
対応している)と、ワーク5のテーパの傾きTに基づ
き、主軸2の総回転量である主軸回転角度θをパラメー
タとする形で、送り領域WAにおいては(4)式によ
り、送り一定領域WBにおいては(5)式により、送り
減速領域WCにおいては(6)式により補間されて、こ
れにより、X軸駆動制御部12、駆動回路32を介して
X軸アクチュエータ27の駆動量が制御される。 X=C4θ2 (θ=0〜θa) …………(4) X=C5θ+C6 (θ=θa〜θb) …………(5) X=−C4(θ−θc)2+xc (θ=θb〜θc)…………(6) ただし、 C4<ax/(2(ωn)2) C5=T・C26=−C5 2/4C4 なお、テーパの傾きTは、図5に示すように、ワーク5
におけるテーパ部の最大径を2xtとし、長さをztと
するとき、公知のように、 T=xt/zt で求められる。
【0021】こうして、ネジ切り補間部14は、工具6
のX軸、Z軸方向への最大加速度ax、az、主軸2の
最大回転角速度ωn、ワーク5のテーパT、ネジ5bの
リードL等に基づいて、主軸回転角度算出部20が算出
する主軸回転角度θをパラメータとする補間パターンに
より、工具6が装着された刃物台7の移動位置を分配補
間する。従って、ネジ切り制御装置9は、上記した
(1)〜(6)式に基づき、ネジ切り補間部14に、工
具6の刃先6aを主軸回転角度θに対応させて刃物台7
の移動位置を制御していく形で、ネジ5bの切削加工を
行うが、当該(1)〜(6)式に示す補間パターンには
加工開始からの経過時間が関与することがなく、即ち刃
物台7の移動位置はこれに装着された工具6の位置が主
軸回転角度θに常時追従する形で、該回転角度θに的確
に対応している。従って、主軸2の回転数Nがいくら変
動した場合においても、常に工具6の刃先6aは主軸2
の回転角度θに対応して、ワーク5の所定の被加工位置
に当接する形で配置されることが出来る。
【0022】例えば、前述したように図10矢印PMで
示す点線箇所、即ち主軸速度指令値ω2が出されてから
主軸速度指令値ω3が出されるまでの間に、主軸2の回
転に変動が生じ、即ちその回転数Nが該指令値ω3より
も落ちてしまった場合には、これに応じて図4に示す主
軸回転角度θは、該指令値ω2が出されたときのこれに
対応した主軸回転角度θω2から、該指令値ω3が出さ
れるための主軸回転角度θω3に到達する迄に、所定の
時間より多くの時間が必要とされる。しかし、この間、
工具6刃先6aのみがθω3に対応した位置である図4
に示す(Xω3、Zω3)に先送りされることはなく、該
工具6刃先6aが(Xω3、Zω3)位置に移動するタイ
ミングは、主軸回転角度θが値θω3に到達する時間の
遅れ分だけ遅れて、常に主軸回転角度θと工具6の刃先
6a位置が対応する形になるよう、刃物台7の移動が制
御されていく。
【0023】こうして、ワーク5には、該ワーク5を把
持している主軸2の回転動作と、工具6の送り動作によ
り完全ネジ部5b等により構成される所定形状のネジ
が、その切込深さ分D1だけ正確に切削されるが、この
際、該工具6の送り動作は、切削経過時間とは無関係に
ワーク5の回転角度θに追従する形で行われることによ
り(特に、送り一定領域WBにおいては、回転角度θと
工具刃先のX、Z位置は、(2)、(5)式により、θ
の一次関数となるように制御される)、主軸2の回転数
Nに、定常振動や高負荷等による変動があった場合にお
いても、工具6の切込位置、即ち刃先6aが当接すべき
ワーク5の被加工部の位置がずれてしまうことなく、常
に主軸回転角度θに対応した正確な位置にこれが位置決
めされる形で、精密なネジ溝が切削形成される。なお、
工具6の刃先6aは常にワーク5における所定の被加工
位置即ち、加工プログラム上に設定された所定の回転角
度θに対応した位置に的確に移動位置決めすることが出
来るので、ネジ切り加工中に主軸2の回転数Nを任意に
シフトさせることも出来る。すると、角度検出器26が
検出する主軸2の姿勢角度φは、図8に示すように、ワ
ーク5が如何様に形成されている場合でも該ワーク5の
姿勢角度φと一致するので、主軸2の回転数Nを適宜シ
フトさせることにより、ワーク5の被加工部の工具刃先
6aに対する相対速度を、任意に調整制御することが出
来、これにより、円滑な工具送り動作が保証されて、ワ
ーク5が複雑な形状を呈する場合においてもその被加工
部間で差異のない均質な加工が得られる。また、数値制
御旋盤1においてワーク5にネジ切り加工を施す際に
は、前述したように工具6の刃先6aを切削開始点P0
から加工終了点P2まで移動させる動作を所定のネジ溝
深さが形成されるまで所定回数繰返すが、この際、一連
の加工サイクルにおいて、切削速度、即ち主軸2の回転
数Nと、工具6の切込み量D1を、荒削りと仕上げ削り
とで任意の値に調整、変更するように加工プログラムを
予め組んでおき、これにより一層精密な仕上げを得るこ
とも可能である。
【0024】また、ワーク5に多条ネジを形成するに
は、前記分配開始角度Kπを所定の値づつシフトしてい
けば良く、即ち単に、分配開始角度検出部21に分配開
始信号S2を発信させるタイミングを、これを行う回転
角度θをずらす形で所定の値づつ遅らせていきながら、
工具6を加工開始点P0から終了点P2まで送る動作を
繰返すだけで、正確且つ精密な多条ネジ加工が行われ得
る。従って、切削開始時における、工具6のワーク5の
端面5aに対する位置を、図2に図示するL1を大小さ
せる形でいちいち加工開始点P0を変更する必要はない
ので、多条ネジ形成に関する制御を行うための加工プロ
グラム中に新たなパラメータが増加することはない。ま
た、常に同じ位置の加工開始点P0から工具6の刃先6
aを送り始めることが出来るので、空切削動作が増大す
る懸念がなく、主軸2の回転及び工具6の送り移動動作
は効率的に行われ、これにかかる時間は極力少なくてす
む。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転自在な主軸2と該主軸2に対して相対移動自在な刃
物台7を有し、前記主軸2に保持されたワーク5に対し
て前記刃物台7を相対移動させることによって、該刃物
台7に装着された工具6により該ワーク5に完全ネジ部
5b等のネジを形成し得る数値制御旋盤1において、前
記主軸2の基準姿勢に対する該主軸2の回転時における
姿勢角度φを検出する角度検出器26等の姿勢角度検出
手段を設け、前記姿勢角度検出手段から出力される信号
S1により、前記主軸2の回転角度θ等の積算回転角度
量を演算し得る主軸回転角度算出部20等の積算回転角
度演算手段を設け、前記積算回転角度演算手段が演算す
る前記主軸2の積算回転角度量に応じて、前記刃物台7
の前記主軸2に対する位置を移動制御するX軸駆動制御
部12、Z軸駆動制御部13、ネジ切り補間部14、位
置検出器30、31等の刃物台移動制御手段を設けて構
成したので、刃物台移動制御手段は、主軸2の積算回転
角度量に対応した位置に工具6を配置させるように、刃
物台7移動を制御することが出来る。従って、主軸2の
回転数Nに変動が生じた場合には、主軸2の積算回転角
度量の増大速度にも加減が生じるが、この際、工具6
は、加工開始からの経過時間等に呼応することなく、常
に主軸2の積算回転角度量に対応した位置に配置するよ
うに刃物台7が移動制御されることにより、該主軸2の
回転数Nの変動に対して刃物台7即ち工具6の移動量が
追従する形で、常にその刃先6aが主軸2に保持された
ワーク5においてこれが切削すべき所定の位置に当接し
て、正確な切込位置にネジ切削を施すことが出来る。故
に工具6は、その切込位置が主軸2の回転数Nの変動に
よりずれてこれにより加工精度の低下が生じることな
く、精密なネジ切り加工を行うことが出来る。また、刃
物台移動制御手段を介しての刃物台7の移動制御によ
り、工具6は加工開始からの経過時間と無関係に主軸2
の積算回転角度量に対応した位置に配置されるので、本
発明においては主軸2の回転数Nを、その加工サイクル
中においても任意の値に設定変更することが出来る。従
って、ワークに不規則なテーパや異形断面が形成されて
いる場合においても、ワーク被加工部間でその切削速度
に差異を生じさせることなく、その被加工部形状に応じ
て主軸速度を任意の値にシフトさせた形でネジを正確に
形成するこが出来る。これにより素材母線形状やネジの
リードに対応して所定の周速になるよう主軸回転と工具
の送りを調整制御することが、厳密に出来るので、常に
均質なネジ切り加工状態を得ることが出来る。故に、そ
の径が被加工部によって異なる複雑な形状のワークに対
してテーパネジや正面ネジ、或いは多条ネジ等の特殊ネ
ジを切削する場合にも、ワーク被加工部とこれに当接す
る工具刃先を適切な相対速度に調整保持する形で周速制
御して、高精度なネジ切り加工を行うことが出来る。或
いは、一連のネジ切り加工工程において、荒削りと仕上
げの段階とで、主軸2の回転数Nを設定変更してこれに
刃物台移動を追従させる形で、工具側の送り速度を加減
することにより、切削速度を加工条件に適した任意の値
に調整して、より一層木目細かい精密な仕上げ状態を得
ることも容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるネジ切り制御装置の一実施例が適
用された数値制御旋盤の一例を示す図である。
【図2】図1に示すネジ切り制御装置を用いたネジ切り
加工の一例を示す図である。
【図3】図1に示すネジ切り制御装置の制御状態を示す
加工制御ブロック図である。
【図4】図2に示すネジ切り加工時における工具の軸配
分の補間パターンの一例を示す図である。
【図5】図4に示す補間パターンに用いるためのワーク
のテーパを求める図である。
【図6】本発明によるネジ切り制御装置によるネジ切り
加工の流れ図である。
【図7】主軸の回転時における主軸姿勢角度と主軸回転
角度を示す図である。
【図8】主軸とワークの姿勢角度を示す図である。
【図9】図2に示すネジ切り加工時における工具刃のテ
ーパネジ切削動作を示す拡大図である。
【図10】図2に示すネジ切り加工時における主軸速度
の変化様態を示す図である。
【図11】従来のネジ切り加工に適用される制御方法の
一例を示すブロック図である。
【図12】従来のネジ切り加工サイクルの一例を示すフ
ローチャート図である。
【符号の説明】
1……数値制御旋盤 2……主軸 5……ワーク 5b……ネジ(完全ネジ部) 6……工具 7……刃物台 9……ネジ切り制御装置(ネジ切り加工制御装置) 12……刃物台移動制御手段(X軸駆動制御部) 13……刃物台移動制御手段(Z軸駆動制御部) 14……刃物台移動制御手段(ネジ切り補間部) 30、31……刃物台移動制御手段(位置検出器) 20……積算回転角度検出手段(主軸回転角度検出部) 26……姿勢角度検出手段(角度検出器)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転自在な主軸と該主軸に対して相対移動
    自在な刃物台を有し、 前記主軸に保持されたワークに対して前記刃物台を相対
    移動させることによって、該刃物台に装着された工具に
    より該ワークにネジを形成し得る数値制御旋盤におい
    て、 前記主軸の基準姿勢に対する該主軸の回転時における姿
    勢角度を検出する姿勢角度検出手段を設け、 前記姿勢角度検出手段から出力される信号により、前記
    主軸の積算回転角度量を演算し得る積算回転角度演算手
    段を設け、 前記積算回転角度演算手段が演算する前記主軸の積算回
    転角度量に応じて、前記刃物台の前記主軸に対する位置
    を移動制御する刃物台移動制御手段を設けて構成した、
    数値制御旋盤におけるネジ切り制御装置。
JP33244792A 1992-11-18 1992-11-18 数値制御旋盤におけるネジ切り制御装置 Pending JPH06155163A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006000995A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Yamazaki Mazak Corp ねじ切り加工装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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