JPH0615489A - 溶接スラグ自動回収装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接スラグやフラックスの自動回収化による
生産性の向上および生産コストの低減化を可能にした溶
接スラグ自動回収装置を提供する。 【構成】 ボックス型構造材Ａの開先Ｂを溶接する溶接
トーチ２を備えた溶接台車１に、前記溶接台車１の前進
とともに前記溶接トーチ２によって溶接されるボックス
型構造材Ａの表面に付着する溶接スラグを除去する叩打
棒３と、前記溶接台車１の前進とともに前記叩打棒３に
よって剥離される溶接スラグやフラックスを回収する回
収アーム４と、前記溶接台車１の前進とともに前記回収
アーム４によって回収される溶接スラグやフラックスを
収納する収納箱５とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ボックス型構造材製
作時の、サブマージアーク溶接によるかど溶接により、
表面に付着した溶接スラグを自動的に剥離・回収するた
めの溶接スラグ自動回収装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ボックス型構造材の製作に際
し、溶接直後の構造材側板の表面には、サブマージア−
ク溶接による溶接スラグが付着する。このため、この溶
接スラグを除去する必要があるが、従来、この溶接スラ
グはたがねではつるなどして剥がし、除去していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この作業は溶
接直後の、かなり高温のもとで行われるため、特に夏季
の暑い時期には、きわめて悪条件のもとでの作業を強い
られていた。また、作業には、溶接装置を操作する者と
溶接スラグを除去する者の少なくとも２人の作業員を必
要とし、また、溶接と溶接スラグの除去作業が前後して
おこなわれるため、生産性がきわめて悪いものであっ
た。

【０００４】また、人件費が嵩み、生産コストが嵩むた
め、自動化を図り生産能率を向上させ、生産コストの低
減化が望まれた。

【０００５】この発明はこのような前記従来の課題を解
決するために提案されたもので、溶接スラグの自動回収
化による生産性の向上および生産コストの低減化を可能
にした溶接スラグ自動回収装置を提供することを目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明にかかる溶接ス
ラグ自動回収装置は、溶接台車に溶接台車の前進ととも
に前記溶接トーチによって、サブマージアーク溶接され
る構造材側板の表面に付着する溶接スラグを除去する叩
打棒と、前記溶接台車の前進とともに前記叩打棒によっ
て剥離される溶接スラグを回収する回収アームおよびエ
アノズルと、前記溶接台車の前進とともに前記回収アー
ムおよびエアノズルによって回収される溶接スラグやフ
ラックスを収納する収納箱とを備えて構成することによ
り前記目的を達成するものである。

【０００７】

【実施例】図１はこの発明にかかる溶接スラグ自動回収
装置を備えた溶接台車の斜視図、図２はその側面図、そ
して、図３はその正面図である。図において、符号１は
溶接台車、２はボックス型構造材Ａの開先を溶接するた
めの溶接トーチ、３はボックス型構造材Ａの表面に付着
した溶接スラグを叩いて除去する叩打棒、４は剥離した
溶接スラグやフラックスを掻き集める回収アーム、５は
回収した溶接スラグを一時ためておくための溶接スラグ
収納箱、そして、符号６は溶接スラグ除去後のボックス
型構造材Ａの表面に付着した微細な溶接スラグやフラッ
クスなどを除去するためのエアノズルである。

【０００８】溶接台車１は自立できるように少なくとも
４本の支柱7,7 を備え、Ｈ形鋼などの鉄骨材より矩形状
の門形に構成されている。また、溶接台車１の左右支柱
7,7の下端部にサドル8,8 がそれぞれ取り付けられ、サ
ドル8,8 には左右レール9,9の上を滑走可能な車輪10,10
が取り付けられている。そして、溶接台車１は敷台11,
11 の上に横たえられたボックス型構造材Ａを跨いだ状
態で、左右レール9,9の上を電動モーターなどの動力に
よってボックス型構造材Ａの長手方向に自由に走行でき
る構造になっている。

【０００９】溶接台車１の梁12の略中央部には、吊り部
材13が垂設され、この吊り部材13の下端部に叩打棒３,3
が取り付けられている。

【００１０】また、叩打棒3,3 の前方側に溶接トーチ2,
2 が垂設され、後方側にエアノズル6,6 が垂設される。
溶接トーチ2,2 およびエアノズル6,6 はいずれも溶接台
車１の梁12より垂設されている。

【００１１】溶接トーチ2,2 は製作されるボックス型構
造材Ａの左右開先B,B に向けて垂設され、溶接台車１の
前進と並行して左右開先B,B を同時に、しかも連続的に
溶接できる構造になっている。

【００１２】また、叩打棒3,3 はボックス型構造材Ａの
左右溶接ビードC,C に向けて取り付けられ、溶接台車１
の前進と並行してボックス型構造材Ａの表面に付着した
溶接スラグやフラックスを叩いて除去できる構造になっ
ている。

【００１３】なお、ボックス型構造材Ａの表面は、たわ
みや歪みなどのために平坦でない場合が多いため、吊り
部材13の下端部にスプリング14が取り付けられ、このス
プリング14によってボックス型構造材Ａ表面のたわみや
歪みを吸収し、叩打棒３を常に一定の高さに維持できる
構造になっている。

【００１４】溶接スラグ回収箱5,5 はボックス型構造材
Ａの長手方向に沿って細長く形成され、かつ、溶接台車
１の梁12よりボックス型構造材Ａの左右両側に垂設され
ている。

【００１５】また、左右回収箱5,5 には溶接台車１の走
行中、回収箱５とボックス型構造材Ａとの間に摩擦が生
じないようにボックス型構造材Ａの側面部を滑走する複
数個のガイドローラ15,15 が取り付けられている。

【００１６】回収アーム4,4 は左右回収箱5,5 の上端部
にそれぞれ取り付けられ、ボックス型構造材Ａの上に溶
接台車１の進行方向側にやや斜めに水平に延在されてい
る。

【００１７】そして、左右回収アーム4,4 は溶接台車１
の前進と並行して叩打棒3,3 によって剥がされた溶接ス
ラグを掻き集め、左右回収箱5,5 に回収できる構造にな
っている。

【００１８】エアノズル6,6 はボックス型構造材Ａの左
右溶接ビードC,C に向けて垂設され、溶接台車１の前進
と並行して溶接スラグ回収後のボックス型構造材Ａの表
面に残存する微細な溶接スラグやフラックスを回収箱5,
5 の中に吹き飛ばして除去できる構造になっている。

【００１９】なお、製作されるボックス型構造材Ａの径
に自由に対応できるようにするため、吊り部材13は自由
に上下移動することができ、また、溶接トーチ２、叩打
棒３、回収アーム４、回収箱５およびエアノズル６は上
下左右に自由に調整できる構造になっている。

【００２０】

【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているため、以下に記載するような効果を有する。

【００２１】 溶接作業と同時に溶接スラグやフラッ
クスの除去・回収を自動的に行うことができるため、工
程に無駄がなくボックス型構造材の生産性を著しく高め
ることができ、製作コストの低減化も図れる。

【００２２】 溶接スラグの回収後、さらに、エアノ
ズルによってボックス型構造材の表面に付着する微細な
溶接スラグやフラックスも確実に除去できる。

【００２３】 自動化が可能なため、作業条件のきわ
めて悪い夏季のきわめて暑い時期の作業に、特に適して
いる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる溶接スラグ自動回収装置を備
えた溶接台車の斜視図である。

【図２】図１に示す溶接台車の側面図である。

【図３】図１に示す溶接台車の正面図である。

【符号の説明】

１…溶接台車、２…溶接トーチ、３…叩打棒、４…回収
アーム、５…溶接スラグ収納箱、６…エアノズル、７…
支柱、８…サドル、９…レール、10…車輪、11…敷台、
12…梁、13…吊り部材、14…スプリング、15…ガイドロ
ーラ、Ａ…ボックス型構造材、Ｂ…開先、Ｃ…溶接ビー
ド。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボックス型構造材側板かどの開先を溶接
   する溶接トーチを備えた溶接台車に設置される溶接スラ
   グ自動回収装置において、前記溶接台車の前進とともに
   前記溶接トーチによって溶接されるボックス型構造材の
   表面に付着する溶接スラグを除去する叩打棒と、前記溶
   接台車の前進とともに前記叩打棒によって剥離される溶
   接スラグを回収する回収アームと、前記溶接台車の前進
   とともに前記回収アームによって回収される溶接スラグ
   やフラックスを収納する収納箱とを備えてなることを特
   徴とする溶接スラグ自動回収装置。
2. 【請求項２】 請求項第１項記載の溶接スラグ自動回収
   装置において、溶接スラグやフラックスを除去するエア
   ノズルを備えたことを特徴とする溶接スラグ自動回収装
   置。