JPH06154266A - 眼科医療機器 - Google Patents

眼科医療機器

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JPH06154266A
JPH06154266A JP4311546A JP31154692A JPH06154266A JP H06154266 A JPH06154266 A JP H06154266A JP 4311546 A JP4311546 A JP 4311546A JP 31154692 A JP31154692 A JP 31154692A JP H06154266 A JPH06154266 A JP H06154266A
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fundus
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eye
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Chikashi Koike
近司 小池
Ichiro Kunimatsu
一郎 国松
Koji Nakanishi
孝次 中西
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Kowa Co Ltd
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Kowa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の各部をユニット化し運用が容易であ
り、また、簡単安価に構成可能な眼科医療機器を提供す
ることにある。治療用レーザー光の、より精密に焦点調
節を行なえる眼科医療機器を提供することにある。 【構成】 走査式レーザー検眼鏡に、観察用レーザー光
とは波長の異るレーザー光凝固装置を組み合せた構成を
用いる。 観察用レーザー光とは波長の異なる治療用レ
ーザー光を被検眼に照射するためのハーフミラー27を
設ける。また、観察用レーザー光の二次元偏向走査装置
(4、8)の後方に配置されたピンホール13の背後に
治療用レーザー光の検知装置17を配置し、検知装置
からの受光信号を信号処理装置18に入力して眼底像
と重ね合わせるように合成し、スポット像の位置と焦点
の合致状況をモニター19に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は眼科医療機器、特に眼底
の光凝固を行なう眼科医療機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、細隙灯顕微鏡と組合せた構成
のレーザー光凝固装置により眼底の光凝固を行なう技術
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような、従来の
光凝固装置では、照明光による角膜反射などのために、
観察できる眼底の視野は、ほぼスリット状でかなり狭
い。
【0004】このため、カラー眼底写真や、蛍光血管造
影による広い視野の写真から得られた疾患部位を迅速に
特定することが困難で、しかも患部の広がりに合せて視
野を次々に移動する必要があり、かなりの熟練と技術が
要求された。
【0005】したがって、本発明の第1の課題は、走査
式レーザー検眼鏡による眼底写真と同等の広い視野で、
頻繁に移動することなく、これをモニターに拡大し、鮮
明な眼底像で疾患部位を容易に特定できると同時に、治
療用レーザー光のスポット像の位置を眼底像と重ねてカ
ラー表示でき、能率よく治療を行なうことができ、ま
た、装置の各部をユニット化し運用が容易であり、ま
た、簡単安価に構成可能な眼科医療機器を提供すること
にある。
【0006】第1の課題を解決するために、走査式レー
ザー検眼鏡に、観察用レーザー光とは波長の異るレーザ
ー光凝固装置を組み合せることが考えられる。
【0007】走査式レーザー検眼鏡は観察用レーザー光
が、細く絞られて照射されるために焦点深度が深く、大
まかな焦点合わせでもシャープな眼底像が得られる利点
がある。
【0008】その反面、治療用レーザー光は光凝固を行
なう焦点面にエネルギーを集中し、その前後ではエネル
ギーを分散させるために、通常10度前後のコーンアン
グルが設けられている。したがって、観察用レーザー光
による大まかに焦点調節された眼底像に対し、治療用レ
ーザー光は、より精密に焦点調節を行なう必要が生ず
る。
【0009】さらに、眼底の断面を拡大して見るに、そ
れらは網膜表層、網膜神経繊維層、網膜色素上皮層、脈
絡膜などいくつかの層で構成されており、照明するレー
ザー光の波長により到達する層(或いは反射面)が異な
ることは既に知られている。
【0010】たとえば、観察用レーザー光源にHe−N
eレーザーを、治療用レーザー光源にアルゴンレーザー
を使用するとき、He−Neレーザー(632nm)は
脈絡膜で、アルゴンレーザー(青488nm,緑514
nm)は網膜表層の近辺でそれぞれ反射されることにな
る。
【0011】すなわち、観察用レーザー光による焦点面
と治療用レーザー光による焦点面とでは、そこに前記層
の厚さだけの差が生じる。したがって、観察用レーザー
光ではなくて実際に光凝固に使用される治療用レーザー
光による焦点合わせの機能も必要である。
【0012】したがって、本発明の第2の目的は、治療
用レーザー光の、より精密に焦点調節を行なえる眼科医
療機器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明においては、走査式レーザー検眼鏡に、観
察用レーザー光とは波長の異るレーザー光凝固装置を組
み合せた基本構成を用い、被検眼に観察用レーザー光と
は波長の異なる治療用レーザー光を照射するためのハー
フミラーを対物レンズの前方または後方に配置する構
成、あるいは、観察用レーザー光の二次元偏向走査装置
の後方に配置されたピンホールの背後に治療用レーザー
光の検知装置を配置し、検知装置からの受光信号を信号
処理装置に入力して眼底像と重ね合わせるように合成
し、スポット像の位置と焦点の合致状況をモニター表示
する構成を採用した。
【0014】
【作用】以上の構成によれば、走査式レーザー検眼鏡の
広い視野と、モニターに拡大された鮮明な眼底像は光凝
固の治療時にも消失することなく、治療用レーザー光の
スポット像を明瞭に表示できる。
【0015】さらに、レーザー光凝固装置のハーフミラ
ーを対物レンズの前方に配置することにより、レーザー
光凝固装置を着脱可能に構成することができる。
【0016】また、治療用レーザー光によるスポット像
の焦点面からのズレを検知でき、治療用レーザー光の照
準を極めて正確に行なえる。
【0017】
【実施例】
<第1実施例>以下、図面を参照して第1の実施例を説
明する。走査式レーザー検眼鏡に、観察用レーザー光と
は波長の異るレーザー光凝固装置を組み合せた構成を用
いる。
【0018】図1において、観察用レーザー光源(たと
えばHe−Neレーザー)1からレーザービーム2は穴
あきミラー11の穴11aを通り、レンズ3で集光され
る(穴あきミラー11はハーフミラーに置換えてもよ
い)。
【0019】さらにレーザー光は水平走査用ポリゴンミ
ラー4で反射される。この水平走査用ポリゴンミラー4
はモーター5と直結しており、水平走査用ポリゴンミラ
ー4の高速回転によりレーザー光を水平方向(紙面と垂
直の方向)に走査する。
【0020】さらに、レーザー光はレンズ6を通り、ガ
ルバノメーター8で駆動される垂直走査ミラー7で反射
されハーフミラー26を透過する。このとき水平走査用
ポリゴンミラー4と垂直走査ミラー7とはレンズ6に関
して光学的にほぼ共役関係に配置されている。
【0021】また、モーター5の高速回転と、ガルバノ
メーター8の振動はいずれも信号処理装置18によって
駆動制御される。
【0022】ハーフミラー26を透過したレーザー光は
対物レンズ9を通り、被検眼10の虹彩(瞳孔)10b
を通り眼底10aに集光する。
【0023】このとき垂直走査ミラー7と虹彩(瞳孔)
10bとは、対物レンズ9に関して光学的にほぼ共役関
係に配置されている。したがって、レーザー光は常に瞳
孔10bの中心部を通って入射し、眼底を走査するよう
に構成されている。
【0024】眼底10aで反射されたレーザー光は瞳孔
10bにいっぱいに広がって通過し、対物レンズ9、ハ
ーフミラー26を透過し、垂直走査ミラー7、レンズ
6、水平走査用ポリゴンミラー4、およびレンズ3へ、
入射光とは同じ光路を逆に進み、穴あきミラー11の穴
11aの外側で反射されレンズ12でピンホール13に
集光する。
【0025】以上のようにレンズ系が配置されているの
で、観察用レーザー光源1のレーザービーム2は二次元
偏向走査装置を通って、眼底10aに集光し、二次元的
に走査し、眼底からの情報を保持しながら入射光と同じ
光路を、入射光より外側に広がった状態で逆に進み、穴
あきミラー11で方向を変え、常にピンホール13に集
光する。
【0026】眼底10aの集光点以外から発生する散乱
光などの有害光はこのピンホール13を通過できないの
で、このようなレンズ系によれば、良好な眼底像を得る
ことができる。
【0027】なお、このとき被検眼10も上記レンズ系
の一部を構成するわけで、被検眼に対する視度補正、間
隔、光軸合せの調節は当然必要である。
【0028】そして、ピンホール13を通過した眼底か
らの反射光は、ダイクロイックミラー14によって観察
用レーザー光を透過し、治療用レーザー光を反射するよ
うに構成し、前者を受光素子15に、後者を受光素子1
7で検知する。
【0029】なお、本実施例では、ピンホールの前にダ
イクロイックミラーを配置してあるが、ピンホールは、
ダイクロイックミラーと各受光素子の間に配置しても機
能に変わりなく、実施は可能である。
【0030】又、ダイクロイックミラーに変え、ハーフ
ミラーと各受光素子の前部に、観察用レーザー光、治療
用レーザー光をそれぞれ選択して通過させるバンドパス
フィルターを配置してもよいが、コストアップにつなが
る。
【0031】受光素子17の前部には保護フィルター1
6が光路から挿脱可能に配置され強力な治療用レーザー
光から受光素子を保護している。
【0032】一方、治療用レーザー光源(たとえばアル
ゴンレーザー)20のレーザービーム21は、レーザー
ビームの光路に挿脱可能に配置された減光フィルター2
2、テレスコープ23を通過した所で、スキャンミラー
24で反射され、さらにハーフミラー26で反射され、
対物レンズ9および被検眼の瞳孔10bの中心部を通
り、眼底10aに結像する。
【0033】減光フィルター22は常時光路に挿入され
ており、治療用レーザー光を弱めて、これを治療光の照
準用に使用するようになっている。
【0034】減光フィルターの挿脱作動は受光素子17
の前方に配置された保護フィルター16と関連する。す
なわち、不図示のファイヤーボタンのONにより、保護
フィルター16が光路に挿入され、減光フィルター22
が光路から退避し、治療用レーザー光が増加して光凝固
治療が行われる。減光フィルター22は所定の時間退避
した後、光路に復帰する。復帰が完了した所で保護フィ
ルターが退避して治療用レーザー光の検知作用を再開す
る。
【0035】テレスコープ23は治療用レーザー光源の
射出端のスポットを対物レンズを介して眼底に結像さ
せ、同時にテレスコープを構成するレンズの一部をカム
(図示せず)などによって光軸方向に移動させ眼底に結
像するスポット像のサイズを変換する機能を有する。
【0036】スポットサイズの変換機能は例えば糖尿病
性網膜症(増殖型)の光凝固治療に於いては、黄斑およ
びその周囲を除く後極部ではスポットサイズを200μ
mで、更にその周辺中間部では500μm、最周辺部は
500〜1000μmに変えて、能率良く治療を行なう
のに役立つ。
【0037】スキャンミラー24はマイクロマニピュレ
ーター25に接続されておりマイクロマニピュレーター
を操作することにより、スキャンミラーを揺動させ前記
スポット像を眼底上の任意の位置に移動させることがで
きる。
【0038】また、スキャンミラーと虹彩(瞳孔)10
bは対物レンズ9に関して光学的にほぼ共役の位置に配
置されている。そのため、治療用レーザー光も常に瞳孔
10bの中心部を通り、眼底を照射する。
【0039】眼底で反射された治療用レーザー光は太い
破線のように瞳孔いっぱいに広がって通過し、対物レン
ズ9を通りハーフミラー26を透過して、観察用レーザ
ー光の反射光と同じ光路を進み、ピンホール13に達す
る。
【0040】しかし、観察用レーザー光の集光位置と治
療用(照準用)レーザー光のスポット像の位置が異る場
合は治療用レーザー光は図示のようにピンホールを通過
せず、集光位置と、スポット像の位置とが一致したとき
のみピンホールを通過する。
【0041】すなわち、スキャンミラー24の揺動によ
って任意の位置に移動されているスポット像と観察用レ
ーザー光の集光位置が走査されて、一致することによ
り、スポット像の位置が検知されることになる。同時に
この一致している時間経過を検知することにより、スポ
ット像の大きさも知ることができる。
【0042】以上のような構成で、観察用レーザー光に
よる反射光を受光素子15で検知し、また、ピンホール
13を通過する治療用(照準用)レーザー光のスポット
像の反射光を受光素子17で検知し、信号処理装置18
に入力する。モーター5およびガルバノメータ8の駆動
制御信号とともに画像処理を行い、眼底像に重ね合わせ
るようにスポット像の位置および大きさをモニター19
に表示する。
【0043】このときカラーモニターを使用し、治療用
レーザー光の波長と同じ系統の色を使用すれば、スポッ
ト像の表示はより明瞭となり、能率よく治療を行なうこ
とができる。
【0044】眼底(網膜)は詳細には、網膜表層、網膜
神経繊維層、網膜色素上皮層、脈絡膜などのいくつかの
層で構成されており、照射するレーザー光の波長により
到達する層が異なるために治療する症状に合せて、レー
ザー光が選択されている。本発明の場合、観察用レーザ
ー光源にHe−Neレーザー(波長633nm)を使用
するとき、治療用レーザー光にHe−Neレーザーとは
波長の充分異なった、アルゴン・ブルー(488n
m)、アルゴン・グリーン(514nm)、DYE・イ
エロー(577nm)、DYE・オレンジ(590n
m)などを組込んで選択使用することは可能である。こ
の時モニターにはスポット像の位置、大きさと同時に、
選択されたレーザー光の波長と同じ系統の色によって表
示することにより、操作上便宜を計っている。
【0045】図2は治療用レーザー光を反射するハーフ
ミラー27を対物レンズ9の前方に配置した場合を示し
ている。この場合には、図示のように、治療用レーザー
光の光路には対物レンズ9の代わりにレンズ26’が設
けられている。
【0046】すなわち、テレスコープ23とレンズ2
6’とで治療用レーザー光源の射出端のスポットを眼底
に結像させ、また、スポット像の大きさを変える機能を
有する。
【0047】さらに、スキャンミラー24と虹彩(瞳
孔)10bはレンズ26’に関して光学的にほぼ共役の
位置に配置されている。
【0048】したがって、図2の構成では、スキャンミ
ラー24が揺動してもレーザー光は常に瞳孔の中心部を
通り、眼底に結像する。
【0049】上記の構成によれば、対物レンズ9の後方
にある、走査式レーザー検眼鏡の機能を損なうことな
く、レーザー光凝固装置を着脱することができるように
なる。したがって、既存の走査式レーザー検眼鏡をベー
スに、簡単安価にレーザー光凝固装置を構成することが
でき、オプションなどとして供給するレーザー光凝固装
置部分の着脱、交換もきわめて容易に行なえるようにな
る。
【0050】しかも、図2の構成においても、前記のよ
うに鮮明な眼底像で疾患部位を容易に特定できると同時
に、治療用レーザー光のスポット像の位置を眼底像と重
ねてカラー表示でき、能率よく治療を行なうことができ
る。
【0051】<第2実施例>図3以降に本発明の第2の
実施例を示す。なお、以下では、第1実施例と同様の部
分については説明を省略するものとする。
【0052】本実施例では、治療用レーザーの光学系が
第1の実施例と異なっている。
【0053】図3では、治療用レーザー光源(たとえば
アルゴンレーザー)20のレーザービーム21は、レー
ザービームの光路に挿脱可能に配置された減光フィルタ
ー22、テレスコープ23を通過した所で、円板28の
複数の小穴28a、28b(図4参照)によって複数の
細かいビームとなり、スキャンミラー24で反射され、
フォーカスレンズ26’を通り、さらにハーフミラー2
7で反射され、対物レンズ9および被検眼の瞳孔10b
の中心部を通り、眼底10aに結像するようになってい
る。
【0054】照準時は、減光フィルター22および円板
28は、レーザービームの光路に挿入されており、治療
用レーザー光を弱めて、これを照準光として使用するよ
うになっている。
【0055】減光フィルター22および円板の挿脱作動
は受光素子17の前方に配置された保護フィルター16
と関連している。
【0056】これらの作動は不図示のファイヤーボタン
のONにより、保護フィルター16が光路に挿入された
後、減光フィルター22および円板28が光路からそれ
ぞれ退避し、治療用レーザー光が全面的に通過し、光量
を増加させて光凝固治療が行われる。
【0057】減光フィルター22および円板28は所定
の時間退避した後、光路に復帰する。円板28(あるい
はさらに減光フィルター22)の挿脱作動は信号処理装
置18により制御される。
【0058】減光フィルター22および円板28の復帰
が完了した所で保護フィルター16が退避して治療用レ
ーザー光の検知機能を再開する。
【0059】その他の機能、たとえば、眼底像と重ね合
わせるようにスポット像の位置および大きさをモニター
19に表示し、照準、表示の性能を向上できることは第
1実施例と同じである。
【0060】次に治療用レーザー光の焦点検知機構につ
いて述べる。
【0061】本実施例(あるいは第1実施例)のよう
に、走査式レーザー検眼鏡は観察用レーザー光のビーム
が細く絞られて照射されるために、焦点深度が深く、大
まかな焦点合せでもシャープな眼底像が得られる。
【0062】しかし、被検眼の視度に対する補正として
焦点合わせは必要である。治療用レーザー光は光凝固を
行なう焦点面にエネルギーを集中し、その焦点面の前後
ではエネルギーを分散させて、治療部位の外には光凝固
が及ばないように通常10度前後のコーンアングルが設
けられている。
【0063】すなわち、治療用レーザーの焦点がずれて
いればエネルギーが分散して所期の光凝固は行われな
い。
【0064】したがって、観察用レーザー光による大ま
かに焦点調節された眼底像に対し、治療用レーザー光は
より精密に焦点調節を行なうために、眼底の結像面との
ずれを検知する焦点検知機構が必要となる。
【0065】また、眼底の断面を拡大してみるに、それ
らは網膜表層、網膜神経繊維層、網膜色素上皮層、脈絡
膜などいくつかの層で構成されており、照射するレーザ
ー光の波長により到達する層(あるいは反射面)が異な
ることはよく知られている。
【0066】したがって、観察用レーザー光による眼底
像を見て焦点合せを行なうのではなく、光凝固に使用さ
れる治療用レーザー光による焦点合せの機能が必要とな
る。
【0067】本実施例では、たとえば図5のように、治
療用レーザービームに10度前後のコーンアングルが設
けてあるので、焦点面より手前側で結像した場合、スポ
ットサイズは当然大きくなる。しかしその反面、レーザ
ービームのエネルギーはその面積比にしたがって分散
し、所期のエネルギー密度は得られず、光凝固は不十分
となる。
【0068】図3、図4において円板28の小穴28
a、28bを通過した複数の照準光21a、21bは、
フォーカスレンズ26’、対物レンズ9および被検眼1
0自身の集光機能によって眼底10aに結像する。この
とき、結像面(たとえば網膜表層)と焦点面とが一致し
ていれば、図のようにスポット像は複数のビームが完全
に重なってモニター上で一つのスポット像として表示さ
れる。
【0069】図6において、複数の照準光21a、21
bは焦点21’の手前に結像面がある場合、スポット像
は21a’、21b’のように分離し、モニター上に複
数のスポット像として表示される。
【0070】このとき、モーター27’により円板28
を1回転/2秒程度の速さで回転させ、たとえば焦点面
の手前側に、または後側に結像面が有るとき、スポット
像がモニター上で回転し、焦点面と結像面が一致したと
き検者には回転が停止したように見える。
【0071】この焦点の合致状態をモニター19で見な
がら対物レンズ9またはフォーカスレンズ26’を調節
する。なお、観察用レーザー光のレーザービーム2は眼
底10aに2’として集光している。
【0072】以上のような構成により、治療用レーザー
光によるスポット像の焦点面からのズレを検知すること
ができ、エネルギーの分散による凝固不良を回避でき、
確実に治療を行なうことができる。
【0073】図7、図8に、治療用レーザー光の焦点面
と結像面の合致を検知するために照準ビームを2本に分
割する別の構成を示す。
【0074】円板28の代わりに平行板ビームスプリッ
ター30を配置したものであり、平行板ビームスプリッ
ター30の1面にハーフミラー30aが、他の面にはミ
ラー30bが設けられており、エイミングビーム21は
ハーフミラーで分割され、一部が透過してエイミングビ
ーム21aに、他の一部がミラー30bで反射され21
bとなる。
【0075】このような方法でも、円板28を用いずに
2本の照準ビームを形成することができる。平行板ビー
ムスプリッター30を円板28同様回転させることで、
上記同様の作用が可能となる。
【0076】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、走査式レーザー検眼鏡に、観察用レーザー光とは波
長の異るレーザー光凝固装置を組み合せた基本構成を用
い、観察用レーザー光とは波長の異なる治療用レーザー
光を被検眼に照射するためのハーフミラーを対物レンズ
の前方または後方に配置する構成を採用しているので、
走査式レーザー検眼鏡の広い視野と、モニターに拡大さ
れた鮮明な眼底像は光凝固の治療時にも消失することな
く、治療用レーザー光のスポット像を明瞭に表示できる
ので、凝固位置が明瞭で能率よく治療を行なうことが可
能になり、さらに、レーザー光凝固装置のハーフミラー
を対物レンズの前方に配置することにより、レーザー光
凝固装置を着脱可能に構成することもでき、ハーフミラ
ーを取りはずし、また、対物レンズ前方から退避させ
て、本来の走査式レーザー検眼鏡として使用することが
できるほか、既存の走査式レーザー検眼鏡のものを利用
して簡単安価に構成できる利点がある。
【0077】あるいは、観察用レーザー光の二次元偏向
走査装置の後方に配置されたピンホールの背後に治療用
レーザー光の検知装置を配置し、検知装置からの受光信
号を信号処理装置に入力して眼底像と重ね合わせるよう
に合成し、スポット像の位置と焦点の合致状況をモニタ
ー表示する構成を採用しているので、また、治療用レー
ザー光によるスポット像の焦点面からのズレを検知で
き、治療用レーザー光の照準を極めて正確に行なうこと
ができ、エネルギーの分散による凝固不良もなく、確実
に治療を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用した光凝固装置の第1の実施例を
示した説明図である。
【図2】図1の装置の変形例を示した説明図である。
【図3】本発明を採用した光凝固装置の第2の実施例を
示した説明図である。
【図4】図3の装置の細部を示した説明図である。
【図5】図3の装置の治療用レーザーのコーンアングル
を示した説明図である。
【図6】図3の装置における治療光の焦点合せ機能を示
した説明図である。
【図7】図3の装置の変形例を示した説明図である。
【図8】図3の装置の変形例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 観察用レーザー光源 2 レーザービーム 3、6、12 レンズ 4 水平走査用ポリゴンミラー 5 モーター 7 垂直走査ミラー 8 ガルバノメーター 9 対物レンズ 10 被検眼 10a 眼底 10b 虹彩(瞳孔) 11 穴あきミラー 12 レンズ 13 ピンホール 14 ダイクロイックミラー 15 受光素子 16 保護フィルター 17 受光素子 18 信号処理装置 19 モニター 20 治療用レーザー光源 21 レーザービーム 22 減光フィルター 23 テレスコープ 24 スキャンミラー 25 マイクロマニピュレーター 26 ハーフミラー 26’ レンズ 27 ハーフミラー 27’ モーター 28 円板 30 平行板ビームスプリッタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】減光フィルター22および円板28は所定
の時間退避した後、光路に復帰する。円板28および減
光フィルター22の挿脱は信号処理装置18により制御
される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】このような方法でも、円板28を用いずに
2本の照準ビームを形成することができる。平行板ビー
ムスプリッター30を円板28同様回転させることで、
上記同様の作用が可能となる。なお、平行板ビームスプ
リッター30は円板28と同様光凝固時に減光フィルタ
ー22と同時に光軸から退避する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観察用レーザー光を、被検眼の眼底に照
    射し、上記レーザー光を二次元的に偏向走査して、眼底
    からの反射光を受光し、これを光電変換することによ
    り、眼底像を得るようにした眼科装置において、 対物レンズの前方または後方に配置されたハーフミラー
    を介して被検眼に治療用レーザー光を照射するための観
    察用レーザー光とは波長の異なる治療用レーザー光源
    と、 前記治療用レーザー光源の射出端におけるスポットを眼
    底に結像させるためのレンズ系と、 被検眼の瞳孔に対して、光学的にほぼ共役の位置に配置
    され、前記スポット像を眼底の任意の位置に移動させる
    ためのスキャンミラーとを有し、 前記二次元偏向走査装置の後方のピンホールの背後に治
    療用レーザー光の検知装置を配置し、 検知装置からの受光信号を信号処理装置に入力して前記
    眼底像と重ね合わせるよう合成し、 スポット像の位置をモニター表示することを特徴とする
    眼科医療機器。
  2. 【請求項2】 観察用レーザー光源にHe−Neレーザ
    ーを、治療用レーザー光源にアルゴンレーザーを配置し
    た請求項1に記載の眼科医療機器。
  3. 【請求項3】 治療用レーザー光のスポットを眼底に結
    像させるためのレンズ系にスポットサイズの変換機能を
    付加したことを特徴とする請求項1または2に記載の眼
    科医療機器。
  4. 【請求項4】 治療用レーザー光の検知装置にダイクロ
    イックミラーを配置したことを特徴とする請求項1〜3
    に記載の眼科医療機器。
  5. 【請求項5】 眼底に結像するスポット像の位置をカラ
    ー表示し、この色は治療用レーザー光の波長と同じ系統
    の色としたことを特徴とする請求項1〜4に記載の眼科
    医療機器。
  6. 【請求項6】 観察用レーザー光を、被検眼の眼底に照
    射し、上記レーザー光を二次元的に偏向走査して、眼底
    からの反射光を受光し、これを光電変換することによ
    り、眼底像を得るようにした眼科装置において、 対物レンズの後方に配置されたハーフミラーを介して被
    検眼に治療用レーザー光を照射するための観察用レーザ
    ー光とは波長の異なる治療用レーザー光源と、 前記治療用レーザー光源の射出端におけるスポットを眼
    底に結像させるためのレンズ系と、 被検眼の瞳孔に対して、光学的にほぼ共役の位置に配置
    され、スポット像を眼底の任意の位置に移動させるため
    のスキャンミラーと、 前記治療用レーザ光の光軸に装脱可能に配置され、その
    治療用レーザ光の眼底における反射面に焦点の合致を検
    知するためのビームスプリッターとを有し、 前記二次元偏向走査装置後方のピンホールの背後に治療
    用レーザー光の検知装置を配置し、 検知装置からの受光信号を信号処理装置に入力して前記
    眼底像と重ね合わせるように合成し、 スポット像の位置と焦点の合致状況をモニター表示する
    ことを特徴とする眼科医療機器。
  7. 【請求項7】 観察用レーザー光源にHe−Neレーザ
    ーを、治療用レーザー光源にアルゴンレーザーを配置し
    た請求項6に記載の眼科医療機器。
  8. 【請求項8】 治療用レーザー光のスポットを眼底に結
    像させるためのレンズ系にスポットサイズの変換機能を
    付加したことを特徴とする請求項6または7に記載の眼
    科医療機器。
  9. 【請求項9】 治療用レーザー光のスポットを眼底に結
    像させるためのレンズ系に、被検眼の視度を補正する対
    物レンズとは別に、観察用レーザー光の焦点面と、治療
    用レーザー光の焦点面とのずれを補正し、治療用レーザ
    ー光の焦点調節を観察用レーザー光のそれより精密に行
    なうために、フォーカスレンズを調節可能に配置したこ
    とを特徴とする請求項6〜8に記載の眼科医療機器。
  10. 【請求項10】 治療用レーザー光の眼底における反射
    面に焦点の合致を検知するためのビームスプリッター
    に、複数の小穴を有する円板を配置したことを特徴とす
    る請求項6〜9に記載の眼科医療機器。
  11. 【請求項11】 治療用レーザー光を検出するダイクロ
    イックミラーを配置したことを特徴とする請求項6〜1
    0に記載の眼科医療機器。
  12. 【請求項12】 眼底に結像するスポット像の位置と焦
    点の合致状況をモニターにカラー表示し、この色は治療
    用レーザー光の波長と同じ系統の色としたことを特徴と
    する請求項6〜11に記載の眼科医療機器。
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JP2004508085A (ja) * 2000-09-05 2004-03-18 タリア テクノロジー エルティーディー. 網膜病変の早期発見および分類のための方法および装置
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