JPH06153790A - 乳含有酸性飲料 - Google Patents

乳含有酸性飲料

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JPH06153790A
JPH06153790A JP34092192A JP34092192A JPH06153790A JP H06153790 A JPH06153790 A JP H06153790A JP 34092192 A JP34092192 A JP 34092192A JP 34092192 A JP34092192 A JP 34092192A JP H06153790 A JPH06153790 A JP H06153790A
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JP
Japan
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milk
vanillin
containing acidic
flavor
weight
Prior art date
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Pending
Application number
JP34092192A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Aoyama
明弘 青山
Sanae Tate
早苗 田手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Calpis Food Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存中品質劣化の少ない保存性良好な乳含有
酸性飲料を提供する。 【構成】 バニリン及びエチルバニリンのいずれか1種
あるいは2種を0.1〜2ppm含有する保存性良好な
乳含有酸性飲料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバニリン及びエチルバニ
リンのいずれか1種あるいは2種を含有することによ
り、保存中品質劣化の少ない保存性良好な乳含有酸性飲
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乳含有酸性飲料は爽やかな風味と消費者
の自然志向の高まりから需要が拡大している。特に、発
酵乳の生理効果については、近年整腸作用、コレステロ
ール低下作用、発癌抑制、カルシウム吸収促進、免疫増
強等の各種機能が注目されている。しかし、乳含有酸性
飲料は乳を含有することにより、保存中に変質し易くオ
フフレーバーも生じる。
【0003】これらの品質劣化の主因は、乳蛋白を構成
しているメチオニンやシステイン等の含硫アミノ酸残基
が連鎖的に酸化されるためであることが知られている。
特に、これらの酸化反応は乳蛋白を酸性下においた時
に、乳蛋白の変性によりメチオニンやシステイン等のス
ルフヒドリル基が露出して起こりやすくなる。また、乳
含有酸性飲料には糖と蛋白が含まれるために、保存中に
アミノカルボニル反応が進行し、オフフレーバー等の風
味不良の原因になっている。このアミノカルボニル反応
も酸性下において反応が促進される。この様に乳含有酸
性飲料は、風味を損なうことなく保存することが非常に
困難な商品である。
【0004】また、商品の善し悪しを判断する際、香料
の使い方が大きな要因となる。水溶性香料は、一般に不
安定な化合物からなっており、製品中特に水の存在する
系では保存中に光、pH、温度、湿度、酵素等の作用を
受けて、変質しやすい。特に、柑橘系フレーバーの経時
変化が著しく、これらのフレーバーの損失後はマスクす
る成分が無いため、官能的に劣化臭の顕在化が避けられ
ず、賞味期間を縮める一因となっている。そこで、これ
を防止する為、着色ビンに充填して包装し、光や、空気
を出来るだけ遮断しているのが現状であるが、効果は十
分ではない。
【0005】一方、これまでにバニリンを使用して乾燥
食品に含有する脂質の酸化防止を行なう方法が報告され
ている(米国特許第5,002,790号明細書)。し
かし、この米国特許明細書では、乾燥食品に対してパニ
リンを5〜5,000ppm添加することにより、乾燥
食品中の脂質構成成分であるリノール酸の酸化を防止す
るものであり、乳含有酸性飲料の乳が保存中に変質しオ
フフレーバーを生ずるのを防止することについては開示
されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の欠点を改善するためになされたものであり、乳
含有酸性飲料にバニリン及びエチルバニリンのいずれか
1種あるいは2種を添加することにより、風味の劣化が
少なく品質の安定した保存性良好な乳含有酸性飲料を提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、バニリ
ン及びエチルバニリンのいずれか1種あるいは2種を
0.1〜2ppm含有することを特徴とする保存性良好
な乳含有酸性飲料である。
【0008】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明によれば、バニリンまたはエチルバニリンの水または
エタノール溶解液を乳含有酸性飲料に添加することによ
り、無添加の対照品に比較して保存中にオフフレーバー
が発現する時点で、フレーバー成分等により生ずる風味
劣化の抑制を行うと共に、微量に含まれるバニリンまた
はエチルバニリンがマスキング効果を発揮し、品質の安
定した保存性良好な乳含有酸性飲料が提供される。
【0009】本発明の乳含有酸性飲料は、バニラフレー
バーの構成成分であるバニリン及びエチルバニリンのい
ずれか1種あるいは2種を添加する以外は、従来の乳含
有酸性飲料と同じである。
【0010】本発明において使用される乳含有酸性飲料
の原料には、牛乳、山羊乳、馬乳等の獣乳、大豆乳等の
植物蛋白成分を含有する乳飲料が用いられ、その使用形
態としては、全乳、脱脂乳、還元乳、ホエー等の他に糖
類、果汁、香料等を添加することも出来、特に制限され
ない。pH調整は、食品添加用の有機酸及び/又は無機
酸等の添加によるか、乳製菌又は、乳酸菌及び酵母等の
発酵による有機酸の生成により行なう。
【0011】本発明で使用されるバニリン及びエチルバ
ニリンの1種又は2種は水溶液あるいはアルコール溶液
として用いられるが、特にエタノール溶液が好ましい。
バニリン及び/又はエチルバニリンは、水溶性であるが
エタノール溶液として使用した方がより一層効果的であ
る。また、バニリン及びエチルバニリンの添加時期は原
料乳を酸性化した後であるか、又は製品を容器に充填す
る際の殺菌前であるが、酵母発酵を行なう場合は発酵前
又は発酵後の何れでもよい。
【0012】バニリン及び/又はエチルバニリンの添加
量は品質劣化防止効果と風味上の問題から決まるが、原
料の組成、濃度により異なるので、飲料の性質にあわせ
てその都度決定する。好ましい範囲としては、飲料中の
バニリン及び/又はエチルバニリンは添加量の合計で
0.1〜2ppm、好ましくは0.1〜1ppmの範囲
が望ましい。0.1ppm未満ではほどんど品質劣化防
止効果は期待できず、2ppmを越えるとバニラフレー
バーの風味が強くなりバニラ系飲料の風味となり、本来
の目的とする飲料風味とは異なったものとなる。尚、通
常のバニラ系飲料のバニリン及びエチルバニリンの添加
量の合計は5〜10ppm程度であり、本発明において
使用する量のおおよそ10〜100倍量である。
【0013】本発明においては、バニリン及び/又はエ
チルバニリンを上記の様に微量添加するのみにて、フレ
ーバー成分等により生ずる品質劣化の抑制をする効果と
マスキング効果を発揮する。また、バニリンよりもエチ
ルバニリンの方が添加効果は数倍(例えば約4倍)大き
い。バニリン及びエチルバニリンはそれぞれ単独使用で
も効果は得られるが、バニリン及びエチルバニリンを同
時に添加して使用すると相乗効果が生じて、より効果的
な乳含有酸性飲料の品質劣化防止効果が得られる。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】実施例1 無脂乳固形分9重量%の還元脱脂乳100Kgを殺菌冷
却後、乳酸菌スターターとしてラクトバチルス・デルブ
ルッキー・サブスペシーズ・ブルガリカスATCC−1
1842(Lactobacillus delbru
eckii subsp. bulgaricus A
TCC−11842)2Kgを接種して、37℃、20
時間乳酸発酵を行ない、乳酸酸度1.5%の酸乳を調整
した。次いで得られた酸乳に酵母スターターとしてサッ
カロマイセス・セレビシェATCC−9804(Sac
charomyces cerevisiae ATC
C−9804)2Kgを接種後、30重量%となるよう
にショ糖44.1kgを加え、再び25℃、24時間発
酵した。
【0016】更にショ糖25重量%、香料0.4重量%
を加え、さらにバニリン0.4重量%及びエチルバニ
リン0.1重量%、バニリン0.8重量%又はエチ
ルバニリン0.2重量%をそれぞれ含有するエタノール
溶液を0.006重量%加えた。対照品として、バニリ
ン及びエチルバニリンを添加しない発酵乳を同様に調整
した。風味の経時的変化の官能評価を19名のパネラー
により下記の尺度で行なった。55℃、3日間保存後の
結果を表1に示す。
【0017】評価尺度 (劣化臭) 0:ない、 1:ややある、 2:あ
る、 3:かなりある
【0018】
【表1】
【0019】(注1)値はいずれもパネラー19名の平
均値である。 (注2)*は比較例を示す。 (注3)%は重量%を示す。
【0020】以上の結果から明らかなように、バニリン
及び/又はエチルバニリンを添加したものは、無添加の
対照品と比較して、明らかに風味の劣化が少なく良好な
風味を維持することが出来た。
【0021】実施例2 実施例1に使用した発酵乳へ、バニリン0.4重量及び
エチルバニリン0.1重量%含有するエタノール溶液の
代わりに食品添加用香料製品バニラエッセンス(曽田香
料(株)製、商品名:ヨーグルトフレーバー)をそれぞ
れ0.003重量%、0.006重量%及び0.009
重量%加え、対照品として、バニラフレーバーを添加し
ない発酵乳を同様に調整した。官能評価を18名のパネ
ラーにより実施例1と同様の尺度で行なった。37℃、
30日保存後の結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】以上の結果から明らかなように、食品添加
用香料製品のバニラフレーバーを添加しても、風味の劣
化を抑えることが出来た。
【0024】
【発明の効果】本発明の乳含有酸性飲料は、バニリン及
びエチルバニリンのいずれか1種あるいは2種を、目的
とする飲料の風味を損うことのない濃度範囲の0.1〜
2ppm添加することにより、保存中品質劣化の少ない
保存性良好な乳含有酸性飲料を容易に且つ安価に提供す
ることができ、産業上も極めて価値が高いものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バニリン及びエチルバニリンのいずれか
    1種あるいは2種を0.1〜2ppm含有することを特
    徴とする保存性良好な乳含有酸性飲料。
JP34092192A 1992-11-30 1992-11-30 乳含有酸性飲料 Pending JPH06153790A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34092192A JPH06153790A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 乳含有酸性飲料

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JP34092192A JPH06153790A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 乳含有酸性飲料

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JPH06153790A true JPH06153790A (ja) 1994-06-03

Family

ID=18341531

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JP34092192A Pending JPH06153790A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 乳含有酸性飲料

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JP (1) JPH06153790A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020039305A (ja) * 2018-09-11 2020-03-19 サントリーホールディングス株式会社 オークチップ浸出物含有果実酒
JP2020195404A (ja) * 2015-02-25 2020-12-10 サントリーホールディングス株式会社 果実フレーバーを含有する透明飲料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020195404A (ja) * 2015-02-25 2020-12-10 サントリーホールディングス株式会社 果実フレーバーを含有する透明飲料
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