JPH0615219Y2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は空気調和機に関する。

（従来の技術） 従来の分離型空気調和機の壁掛式室内ユニットの縦断面
図が第３図に示されている。

第３図において、１は本体ケース、２は本体ケース１の
前面に取り付けられたフロントパネル、３はフロントパ
ネル２に形成された吸込グリル2aに対向するように配設
されたプレートフィンチューブ形熱交換器、４は熱交換
器３の下部後方に配設されたクロスフロー型ファン、５
はフロントパネル２の下部に設けられた空気吹出口、６
は吹出口５に配設された吹出ルーバ、７は熱交換器３の
下に配設されたドレンパン、８は吸込グリル2aの背面に
沿うように配設されたエアフィルタ、９はフロントパネ
ル２の上部に設けられた空気吸込穴である。

熱交換器３は複数（図には３個）の伝熱管の列3a、3b、3
c、を具え、熱交換器３の下部の列数は吸込側から風下側
に向かって順次減少するようになっている。そして、こ
の熱交換器３はその上部が風下に向かって後退するよう
に傾斜させて配設されている。

空気調和機の運転時、ファン４が回転し、熱交換器３に
は図示しない室外ユニットからの冷媒が循環する。する
と、室内空気が実銑矢印で示すように吸込グリル2a及び
空気吸込穴９を通って本体ケース１内に吸入される。エ
アフィルタ８を流過した空気中に含まれる塵埃はエアフ
ィルタ８によって捕捉除去される。空気は熱交換器３を
流過する過程で冷媒と熱交換して冷却又は加熱され、フ
ァン４によって付勢され、空気吹出口５から吹出ルーバ
６に案内されて室内に吹き出される。

（考案が解決しようとする課題） 従来、能力の異なる複数種の空気調和機を得るには、能
力の異なる熱交換器、即ち、列数が異なる熱交換器３を
本体ケース１内に組み込んでいた。従って、能力の異な
る複数種の空気調和機を得るには列数が異なる複数種類
の熱交換器３を製作する必要があり、このためには複数
の加工、組立設備を要するので、熱交換器３のコストが
嵩むという問題があった。

また、空気吸込穴９を通って本体ケース１内に吸入され
た空気はエアフイルタ８を流過しないので、この空気中
に含まれる塵埃が熱交換器３やファン４の表面に付着し
てその性能を低下させるという不具合があった。

本考案は上記に鑑み提案されたものであって、その目的
とするところは、熱交換器を風の流れ方向に沿ってそれ
ぞれ伝熱管の列を有する複数の分割熱交換器に分割し、
これら分割熱交換器を風の流れ方向に積層して熱交換器
の能力を増減することによって能力の異なる複数種の空
気調和機を容易に提供しようとするにある。本考案の他
の目的とするところは、風上側の分割熱交換器からのド
レンがドレンパンの外に滴下するのを防止しようとする
にある。本考案の更に他の目的とするところはエアフィ
ルタを風上側の熱交換器の前面に沿うように配設するこ
とによって、熱交換器に吸い込まれる空気の全てがエア
フィルタを流過するようにするにある。本考案の更に他
の目的とするところはエアフィルタと風上側の分割熱交
換器との接触を防いでドレンがエアフィルタを伝って滴
下するのを防止しようとするにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の空気調和機は熱交
換器を風の流れ方向に沿ってそれぞれ伝熱管の列を有す
る複数個の分割熱交換器に分割し、風上側の分割熱交換
器の前面に沿うようにエアフィルタを設置するとともに
風上側の分割熱交換器の下部にドレンを風下側の分割熱
交換器に導くドレンガイドを設け、かつ、上記ドレンガ
イドの前面に上記風上側の分割熱交換器と上記エアフィ
ルタとの接触を防ぐフィルタガイドを一体に形成したこ
とを特徴としている。

（作用） 本考案においては、上記構成を具えているため、能力の
異なる空気調和機を得る場合にはその能力に応じて分割
熱交換器を複数個風の流れ方向に沿って積層することに
よって熱交換器の能力を増減する。空気調和機の運転
時、エアフィルタを流過した空気のみが熱交換器に流入
する。空気調和機の冷房運転時、風上側の分割熱交換器
のフィンの表面に凝縮して流下するドレンはドレンガイ
ドに導かれて風下側の分割熱交換器のフィンに円滑に移
行し、エアフィルタに移行することはない。

（実施例） 本考案の１実施例が第１図及び第２図に示されている。

熱交換器30は風の流れ方向に沿って２つの分割熱交換器
30Aと30Bに分割され、風上側の分割熱交換器30Aは伝熱
管の列33を有し、風下側の分割熱交換器30Bは伝熱管の
列31及び32を有している。そして、これら分割熱交換器
30A及び30Bは図示のように風の流れ方向に沿って積層さ
れている。風上側の分割熱交換器30Aの下部にはドレン
を風下側の分割熱交換器30Bに導くドレンガイド10がそ
の脚10aを伝熱管の間に押し込むことによって固定され
ている。また、分割熱交換器30Aの前面に沿うようにエ
アフィルタ８が設置され、このエアフィルタ８と分割熱
交換器30Aとの接触を防ぐための複数のフィルタガイド1
0bが水平方向に等間隔を隔ててドレンガイド10の前面に
これと一体に形成されている。

他の構成は第３図に示す従来のものと同様であり、対応
する部材には同じ符号が付されている。

しかして、能力の小さい空気調和機を製作する場合には
風下側の分割熱交換器30Bのみを本体ケース１内に組み
込む。能力の大きい空気調和機を製作する場合には、風
下側の分割熱交換器30Bと風上側の分割熱交換器30Aを図
示のように風の流れに沿って積層して熱交換器30の能力
を増大すれば良い。

しかして、空気調和機の運転時、吸込グリル2a及び空気
吸込穴９を通って本体ケース１内に吸込まれた空気は全
てエアフィルタ８を流過した後熱交換器30内に流入す
る。また、空気調和機の冷房運転時、熱交換器30の表面
にはドレンが凝縮しフィンを伝って流下するが、風上側
の分割熱交換器30Aの下部にドレンガイド10を設けたた
め、風上側の分割熱交換器30Aの表面に凝縮しフィンを
伝って流下したドレンはドレンガイド10を伝って風下側
の分割熱交換器30Bのフィンに円滑に移行し、そのフィ
ンを伝ってドレンパン７内に滴下する。そして、エアフ
ィルタ８はフィルタガイド10bによって風上側の分割熱
交換器30Aから隔離されているので、風上側の分割熱交
換器30Aのフィンを伝って流下するドレンがエアフィル
タ８に移行することはない。

上記実施例においては、熱交換器は２個に分割されてい
るが、３又はそれ以上に分割することができ、また、各
分割熱交換器は１又は２以上の伝熱管の列を有するよう
にすることができる。

（考案の効果） 本考案においては、熱交換器を風の流れ方向に沿ってそ
れぞれ伝熱管の列を有する複数個の分割熱交換器に分割
したため、これら分割熱交換器を風の流れ方向に沿って
所定数積層することによって熱交換器の能力を増減でき
るので、能力の異なる複数種の空気調和機を容易に得る
ことができる。また、風上側の分割熱交換器の下部にド
レンガイドを設けたため風上側の分割熱交換器の表面に
凝縮したドレンはドレンガイドを伝って風下側の分割熱
交換器のフィンに円滑に導かれそのフィンを伝ってドレ
ンパンに滴下するので、風上側の分割熱交換器からのド
レンが室内に滴下するのを防止することが出来る。

更に、風上側の分割熱交換器の前面に沿うようにエアフ
ィルタを設置したため、熱交換器に流入する空気は全て
事前にエアフィルタを流過してその中に含まれる塵埃が
除去され、従って、熱交換器やファンの表面に付着する
塵埃の量を低減できる。また、ドレンガイドの前面に風
上側の分割熱交換器とエアフィルタとの接触を防ぐフィ
ルタガイドを一体に形成したため、風上側の分割熱交換
器の表面に凝縮したドレンがエアフィルタを伝って滴下
するのを防止できる。

また、フィルタガイドはドレンガイドの前面にこれと一
体に形成されるので、安価に製造できるとともにドレン
ガイドの補強としても役立ち、かつ、ドレンガイドの前
方のスペースを有効に利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の１実施例を示し、第１図は
部分的縦断面図、第２図は熱交換器の正面図である。第
３図は従来の空気調和機の略示的縦断面図である。 本体ケース……１、熱交換器……30、風上側の分割熱交
換器……30A、風下側の分割熱交換器……30B、ドレンガ
イド……10、エアフィルタ……８、フィルタガイド……
10b

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体ケース内に下部における伝熱管の列数
   が吸込側から風下側に向かって順次減少する多列構造の
   プレートフィンチューブ形熱交換器をその上部が風下に
   向かって後退するように傾斜させて配設し、この熱交換
   器の下にドレンパンを設置してなる空気調和機におい
   て、上記熱交換器を風の流れ方向に沿ってそれぞれ伝熱
   管の列を有する複数個の分割熱交換器に分割し、風上側
   の分割熱交換器の前面に沿うようにエアフィルタを設置
   するとともにこの風上側の分割熱交換器の下部にドレン
   を風下側の分割熱交換器に導くドレンガイドを設け、か
   つ、上記ドレンガイドの前面に上記風上側の分割熱交換
   器と上記エアフィルタとの接触を防ぐフィルタガイドを
   一体に形成したことを特徴とする空気調和機。