JPH0615071U - 千切絵の画材セット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半抜き加工した着色タックシートの小片を離
型紙から剥がし、台紙に貼り付けるだけで美麗な千切絵
を作製する。 【構成】 着色シート素材の裏面に粘着剤を塗布してか
ら離型紙を貼り合わせ、該離型紙を除いて多数の小片に
裁断加工した異なる色彩のタックシート複数枚と、無地
又は表面に薄い下絵を施した台紙とからなり、裏面に粘
着剤を有する小片を１枚ずつ離型紙から剥がし、台紙表
面に適宜貼り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、着色タックシートの小片を離型紙から剥がして台紙に貼り付けるだ けで美麗な千切絵を容易に作製できる画材セットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般的な千切絵は、大寸の折り紙を手で適当に千切ったりハサミで切り離しな がら、１片ずつ大判の画用紙の表面に糊で貼り付けて作製する。この種の既存の 千切絵は、熟練した画家が作製しても完成に長時間要するけれども、相当に複雑 な模様で美的価値が高いものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

既存の千切絵では複雑で美的価値が高いものが作製できるにしても、折り紙を 細かく裁断してその裏面にいちいち糊を塗布するのに手間が掛かりすぎ、これを 小学生用の教材として使用することは到底不可能である。

【０００４】 千切絵の画材として、表面にあらかじめ接着剤を塗布した 台紙が市販されており、この台紙を使用すると折り紙の裏面にいちいち糊を塗布 する手間を除くことができる。しかしながら、このような台紙では、千切絵の完 成後に接着剤が露出している個所の後処理が必要であるうえに、折り紙の各片を 重合させて貼り付けることができず、折り紙片に重なりが存在すると台紙から脱 離しやすい。

【０００５】 本考案は、従来の千切絵を改善して小学生用の教材などと しても使用できるようにするために提案されたものであり、適宜の台紙に貼り付 けるだけで美麗な千切絵を迅速且つ容易に作製できる画材セットを提供すること を目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る画材セットには、図２に示すように 、着色シート素材１の裏面に粘着剤２を塗布してから離型紙３を貼り合わせたタ ックシート４を用いる。タックシート４は、図１のように離型紙３を除いてシー ト素材１を多数の小片５に裁断加工している。

【０００７】 シート素材１としては、各種の着色剤を添加したポリ塩化 ビニルシートや、裏面に金属を蒸着した金色又は銀色のポリエステルシートが一 般的であり、粘着剤は公知の感圧接着剤でよい。このシート素材は、粘着剤を塗 布した着色合成紙又は蛍光インキなどで全面印刷したいわゆる粘着紙などであっ てもよい。

【０００８】 シート素材１を多数の小片５に裁断加工する際には、離型 紙３を切断せずにシート素材１だけを裁断することが必要である。図１から明ら かなように、この裁断態様は、通常、縦横方向へ直交状に５ｍｍ又は１０ｍｍ幅 で行ない、所望に応じて２〜５ｍｍの細幅片や円形片を加える。また、斜めにも 裁断してシート素材の裁断態様を三角形状にしたり、ハニカム状の六角形状にす ることも可能である。

【０００９】 本考案の画材セットでは、図３に例示するように、適宜の 矩形に切断した異なる色彩のタックシート４を複数枚で１組にして販売する。タ ックシート４の色彩は、例えば通常の１２色又は原色系の黒，白，赤，緑，青， 黄色の６色であり、さらに一般に金色と銀色のタックシートを加えている。

【００１０】 本考案で用いる台紙６（図４参照）は、通常の画用紙など の比較的厚い無地の紙であれば使用可能であり、該台紙に貼り付けた多数の小片 ５による模様が引き立つように例えば台紙表面が黒無地であると好ましい。この 台紙の表面には、各小片５の貼り付け位置を示す薄い下絵を印刷したり、小片５ で形成する模様とは直接関係のない下絵を描いて美的効果を増したり、各小片の 貼り付け位置を示す符号などを設けてもよい。

【００１１】

【作用】

各タックシート４は、離型紙３を除いて多数の小片５に裁断加工しているので 離型紙３に付けたままの状態で一体的に保存でき、使用時には小片５を１枚ずつ 離型紙３から剥がし、台紙６の表面に適宜貼り付けるだけで容易に千切絵を作製 できる。この際に、台紙６の表面に各小片の貼り付け位置を示す符号などを設け ておくと、千切絵の作製はいっそう容易であって小学生の教材としても十分に利 用可能である。

【００１２】

【実施例】

次に、本考案を実施例に基づいて説明する。本考案に係る画材セットには、図 ２に示すように、着色シート素材１の裏面に公知の感圧接着剤２を塗布した後に 離型紙３を貼り合わせたタックシート４を用いる。シート素材１は、各種の着色 剤を添加したポリ塩化ビニルシートと、裏面に金属を蒸着した金色又は銀色のポ リエステルシートである。

【００１３】 本考案の画材セットでは、図３に模様で色彩を示すように タックシート４は通常の１２色セットであり、さらに金色と銀色の２色を加えて １４枚１組で販売すると好ましい（図３では７枚だけを図示）。図１に示すよう に、タックシート４を公知のトムソンカッタ（図示しない）で多数の小片５に裁 断加工する際に、離型紙３を切断せずにシート素材１だけを裁断することを要す る。図１のタックシート４では、例えばシート素材１の寸法を９×１２ｃｍ、離 型紙３をシート素材１よりも多少大きく９.６×１２.６ｃｍに定める。

【００１４】 図１の裁断態様では、シート素材１の上方で横方向にのみ 裁断して幅２ｍｍの細幅片５ａを５本、幅３ｍｍの細幅片５ｂを３本、幅４ｍｍ の細幅片５ｃを１本形成し、該シート素材の中央において縦横方向へ５ｍｍ又は １０ｍｍ幅で行ない、直交状の切断線７，８によって５ｍｍ角の小角片５ｄ及び １０ｍｍ角の小角片５ｅを多数形成する。さらにシート素材１の下方において、 直径５ｍｍの円形片５ｆを３６個形成する。

【００１５】 本考案で用いる台紙６は、例えば黒色の画用紙であると好 ましい。各色のタックシート４は、離型紙３に付けたままの状態で一体的に保存 でき、使用時には離型紙３を曲げて細幅片５ａ，５ｂ，５ｃ、小角片５ｄ，５ｅ 又は円形片５ｆなどの小片５を１枚ずつ剥がし、台紙６の表面に適宜貼り付けて いく。各色の小片５の配列によって、例えば図４に示すような千切絵１０を容易 に作製できる。

【００１６】 図５は台紙の変形例を示し、該台紙の表面には、各小片５ の貼り付け位置を示す薄い下絵１１を印刷している（図面はたぬきの図）。この 台紙表面が黒色であれば、白色などの下絵を印刷する代りに、該下絵に対応させ て多数の小凹み１２（図６）をプレスで設けてもよい。台紙に凹み１２を設けた 場合、目の不自由な人でも千切絵の作製が可能となり、該凹みの上に小片５を強 く貼り付けると粘着剤２が凹み１２に入り込んで接着状態がいっそう安定する。

【００１７】 図示しないけれども、この台紙の表面には、小片５で形成 する模様とは直接関係のない下絵を水彩絵具などで描いてもよい。このような下 絵は、小片５で形成する千切絵の美的効果をいっそう増すことになる。

【００１８】 台紙の表面に各小片５の貼り付け位置を示す薄い下絵又は 多数の小凹みを設ける場合、該下絵や凹みの位置に応じてＡ，Ｂ，Ｃや１，２， ３などの符号に分けて形成し、一方、タックシート４の離型紙裏面に該当符号を 印刷しておくと好ましい。各位置における符号の如何によって、貼り付けるべき 小片５の色種別が判明し、所定の千切絵の適切な色彩を容易に判別できるから小 学生低学年の教材などとして十分に利用可能である。

【００１９】 図７に示す本考案の変形例では、前記の実施例と同様に、 着色シート素材の裏面に感圧接着剤を塗布した後に同寸の離型紙（図示しない） を貼り合わせたタックシート１４を用いる。シート素材１５は、各種の着色剤を 添加したポリ塩化ビニルシート及び裏面に金属を蒸着した金色又は銀色のポリエ ステルシートである。

【００２０】 本考案の画材セットでは、図８に模様で色彩を示すように 、タックシート４は黒，白，赤，緑，青，黄色の６色であり、さらに金色と銀色 の２色を加えている（図８では６枚だけを図示）。このタックシート４は、例え ば寸法を１０ｃｍ角にして８枚１組で販売する。

【００２１】 前記と同様に、タックシート１４を公知のトムソンカッタ （図示しない）で多数の小片５に裁断加工する際に、離型紙を切断せずにシート 素材１５だけを裁断する。図７では、この裁断態様を縦横方向へ５ｍｍ又は１０ ｍｍ幅で行ない、直交状の切断線によってシート素材１５から５ｍｍ角及び１０ ｍｍ角の小片５を多数形成する。

【００２２】

【考案の効果】

本考案の画材セットでは、離型紙を除いて各タックシートを多数の小片に裁断 加工しているので、該離型紙に付けたままの状態で一体的に保存でき、使用時に は小片を１枚ずつ離型紙から剥がして、台紙の表面に適宜貼り付けるだけでよい 。この結果、本考案によって複雑で美的価値が高い千切絵を容易に作製できる。

【００２３】 本考案の画材セットにより、複雑で美的価値が高い千切絵 を短時間で作製できる。したがって、この画材セットを小学生用の教材として十 分に使用可能であり、お土産用の名所千切絵セットとしても好適である。

【００２４】 本考案の画材セットは、千切絵の完成後に台紙を何ら後処 理することが必要なく、各シート小片を重合させて貼り付けることができ、各小 片に重なりが存在していても台紙から容易に脱離することはない。したがって、 本考案で得た千切絵は、台紙を広げた状態だけでなく、該台紙を巻いた状態でも 保存することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の画材セットを構成するタックシート
を例示する平面図である。

【図２】 図１のＡ−Ａ線に沿って切断したタックシー
トの部分横断面図である。

【図３】 本考案の画材セットの色彩を模様で例示する
分離平面図である。

【図４】 適宜の千切絵を作製した台紙を示す平面図で
ある。

【図５】 本考案で用いる台紙の変形例を示す平面図で
ある。

【図６】 台紙に形成した小凹みを示す部分拡大断面図
である。

【図７】 タックシートの変形例を示す平面図である。

【図８】 図７の変形例の色彩を模様で例示する分離平
面図である。

【符号の説明】

１ 着色シート素材 ２ 粘着剤 ３ 離型紙 ４ 着色タックシート ５ シート小片 ６ 台紙

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 着色シート素材の裏面に粘着剤を塗布し
   てから離型紙を貼り合わせ、該離型紙を除いて多数の小
   片に裁断加工した異なる色彩のタックシート複数枚と、
   無地又は表面に薄い下絵を施した台紙とからなり、裏面
   に粘着剤を有する小片を１枚ずつ離型紙から剥がし、台
   紙表面に適宜貼り付けて千切絵を作製する画材セット。
2. 【請求項２】 着色シート素材はポリ塩化ビニルシー
   ト，ポリエステルシート，着色合成紙や粘着紙からな
   り、台紙が黒色の画用紙である請求項１の画材セット。