JPH06149689A - 移動ホスト位置管理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ネットワーク間をアドレスの変更を伴って移
動する移動ホストの移動先ネットワークにおける一時ア
ドレスをネットワーク内に確実に伝搬し、不要になった
場合は確実に廃棄し、情報を失った場合には復旧するこ
とを目的とする。 【構成】 移動ホストは移動しても変更しないホームア
ドレスと、移動先で割り当てられる一時アドレスを持
つ。ホームアドレスが属するネットワークをその移動ホ
ストのホームネットワークと呼ぶ。各ネットワークに位
置する位置管理装置は、そのネットワークをホームとし
ている移動ホストの情報と、ビジターとして訪れた移動
ホストの情報を別々に管理する。ホーム移動ホストの情
報は失われることのない形で管理し、ビジター移動ホス
トの情報はキャッシュとして保持する。ビジター移動ホ
ストの情報は、必要に応じてそのホームネットワークに
位置する位置管理装置から得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、移動環境において１つ
のコンピュータ機器が使用する複数のアドレスを管理す
る方式に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コンピュータ機器がネットワークに接続
される場合、従来は固定に１つのアドレスが割り振られ
ていた。近年、コンピュータ機器の小型化・軽量化によ
り、機器本体を移動させて使用することが可能になって
きている。このような持ち運び可能なコンピュータ機器
を移動先でネットワークに接続するためには、基本的に
移動先のネットワークで使用できる別のアドレスが必要
である。あるコンピュータ機器が複数のネットワーク間
を移動する場合には、それぞれで使用する複数のアドレ
スを管理する必要がある。

【０００３】移動環境において移動するコンピュータ機
器のアドレスを管理する方式に、（株）ソニーコンピュ
ータサイエンス研究所のＶＩＰ（Ｖｉｒｔｕａｌ ＩＰ
Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）で提案されている「拡散キャッシ
ュ法」がある（参考文献：”ＶＩＰ：仮想インターネッ
トプロトコル”，寺岡文男，横手靖彦，所 真理雄，情
報処理学会研究会報告 ― マルチメディア通信と分散
処理 ― １９９１．７．５）。この方式では無効にな
った実アドレスが確実に廃棄されずに広範囲に拡散され
てしまうという問題がある。

【０００４】以下、ＶＩＰのアプローチにおいて、移動
ホストのアドレスが拡散される様子を示す。図９はＶＩ
Ｐのアプローチにおけるゲートウェイのの構成を示す図
である。図９において、７１はＶＩＰを実装しているゲ
ートウェイ、７２はＶＩＰ経路制御部、７３はキャッシ
ュ部である。ＶＩＰを実装しているゲートウェイ７１
は、ＶＩＰ経路制御部７２においてＶＩＰパケットの経
路制御を行なう際にＶＩＰパケットヘッダから移動ホス
トの仮想アドレスと物理アドレスの対応を入手する。入
手したアドレスの対応は、キャッシュ部７３に保持す
る。ネットワークに分散して存在するＶＩＰゲートウェ
イ７１は経路制御を行なったＶＩＰパケットから常にア
ドレス対応を取り込む。したがって、ＶＩＰパケットの
流れる範囲のネットワークのすべてのＶＩＰゲートウェ
イに情報が拡散する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、移動ホストのアドレス対応がそのＶＩＰ
ゲートウェイに伝搬されたかを確実に知ることができな
いため、そのアドレスが無効になったときに確実に廃棄
することができないという問題を有していた。また、無
効なアドレス対応に基づいてＶＩＰパケットが経路制御
される場合には、遠回りの経路を辿ることとなり、通信
効率が悪くなるという問題を有していた。

【０００６】本発明は上記問題点に鑑み、移動ホストの
アドレス対応の伝搬範囲を確実に把握し、無効になった
ときには確実に廃棄し、何らかの原因により移動ホスト
のアドレス対応の情報が失われた場合に迅速に復旧する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに第１の発明の移動ホスト位置管理装置は、ネットワ
ーク間をアドレスの変更を伴いながら移動するホーム移
動ホストのホームアドレスと移動先における一時アドレ
スと移動先の一時ネットワークにおけるブロードキャス
トアドレスとを保持するホーム移動ホストリスト保持手
段と、ホーム移動ホストが移動した時に前記ホーム移動
ホストから、移動先での一時アドレスと、一般ホストに
前記一時アドレスを通知してよいか否かを示すアドレス
通知フラグとを受信する移動通知受信手段と、前記アド
レス通知フラグに基づいて通知をしてもよい場合に、前
記ホーム移動ホストの移動前ネットワークに前記ホーム
移動ホストの最新の移動先アドレスを通知する移動通知
伝搬手段と、前記アドレス通知フラグに基づいて通知を
してもよい場合に、ホーム移動ホストのホームアドレス
宛のパケットをネットワークより取り込んだ場合は、そ
の送信元の一般ホストに対して、前記ホーム移動ホスト
の現在の一時アドレスを通知する移動通知伝搬手段とを
備えたものである。

【０００８】上記問題点を解決するために第２の発明の
移動ホスト位置管理装置は、移動ホストのホームネット
ワーク以外に位置し、ビジター移動ホストのホームアド
レスと一時アドレスとを保持するビジター移動ホストリ
スト保持手段と、ビジター移動ホストからの存在確認メ
ッセージに対して応答する存在応答処理手段と、ビジタ
ー移動ホストからそのホームアドレスと現在の一時アド
レスとを受信する訪問通知受信手段と、前記ビジター移
動ホストのホームネットワークから新たな移動先ネット
ワークにおける一時アドレスを含む移動通知受信する移
動通知受信手段と、前記移動通知受信以降に、そのネッ
トワークで使用していた一時アドレス宛のパケットをネ
ットワークより拾い出した場合に、その送信元の一般ホ
ストに対して、前記ビジター移動ホストの現在の一時ア
ドレスを通知す移動通知伝搬手段とを備えたものであ
る。

【０００９】上記問題点を解決するために第３の本発明
の移動ホスト位置管理装置は、移動ホスト上に位置し、
自らが移動した場合に、自らのホームアドレスと、移動
先で獲得した一時アドレスと、移動先ネットワークにお
けるブロードキャストアドレスとをホームネットワーク
に通知する移動通知送信手段と、自らの上で動作するア
プリケーションプログラムに対して、自らのアドレスを
常にホームアドレスであると示すホームアドレス保持手
段と、自らの一時アドレス宛のパケットを受信する場合
に、受信したパケットの送信先アドレスをホームアドレ
スに変換する受信パケット変換手段と、パケットを送信
する場合に、送信元アドレスをホームアドレスとする手
段とを備えたものである。

【００１０】上記問題点を解決するために第４の発明の
移動ホスト位置管理装置は、一般ホスト上に位置し、通
信相手の移動ホストのホームアドレスと、移動先の一時
アドレスと、ホームネットワークにおけるブロードキャ
ストアドレスとから構成される移動通知を受信する移動
通知受信手段と、前記移動通知を受信した後の通信にお
いては、その移動ホストに対する送信パケットの送信先
アドレスを前記移動通知における一時アドレスに変換す
る手段と、前記移動通知の情報を無効にするパケットを
受信した場合に、削除する手段と、移動ホストのホーム
ネットワークにアドレス問合せを行ない、最新の一時ア
ドレスを得る手段とを備えたものである。

【００１１】上記問題点を解決するために第５の発明の
移動ホスト位置管理装置は、第１の発明移動ホスト位置
管理装置において、前記アドレス通知フラグに関係な
く、ホーム移動ホストのホームアドレス宛のパケットを
ネットワークより取り込んだ場合は、前記パケットを移
動先の一時アドレス宛に転送するするパケット転送手段
を備えたものである。

【００１２】上記問題点を解決するために第６の発明の
移動ホスト位置管理装置は、第２の発明の移動ホスト位
置管理装置において、前記移動通知受信後は、前記ビジ
ター移動ホスト宛のパケットをネットワークより拾いだ
し最新の移動先アドレスに転送するパケット転送手段を
備えたものである。

【００１３】

【作用】本発明は上記した手段１の構成によって、ホー
ムネットワーク上の移動ホスト位置管理装置は、ホーム
移動ホストが移動した場合に常に最新の一時アドレスを
入手することが可能になる。加えて、移動ホストの一時
アドレスの伝搬先を確実に知ることができるので、無効
になったときにも確実に廃棄のメッセージを送り、廃棄
させることができる。また、手段２の構成によって、ビ
ジターネットワーク上の移動ホスト位置管理装置は、ビ
ジター移動ホストの訪問と移転を知ることが可能にな
る。これにより、すでにそのネットワークを訪れた後、
他のネットワークに移動したビジター移動ホストの一時
アドレス宛のパケットがそのネットワークに送信されて
きた場合に、その送信元ホストに対して送信先移動ホス
トの移動を通知することができる。この際に、ビジター
ネットワーク上の移動ホスト位置管理装置が移動ホスト
の最新の一時アドレスを知っている場合は、その最新の
一時アドレスを通知することが可能になる。これによ
り、効率のよい通信が可能になる。また、手段３の構成
によって、移動ホストは移動を行なった時点ですぐにそ
のホームネットワーク上に位置する移動ホスト位置管理
装置に対して移動を通知することとなり、迅速に最新の
一時アドレスを伝搬することとなる。加えて、移動ホス
トは自らの上で動作するアプリケーションプログラムに
対して常にホームアドレスを見せることとなり、移動に
よって一時アドレスが変わっても、アプリケーションプ
ログラムにはそれを見せず、通信を連続して行なうこと
を可能にする。

【００１４】また、手段４の構成によって、一般ホスト
は、通信相手の移動ホストの現在の一時アドレスを入手
することが可能になり、最も効率のよい通常の経路で移
動ホストと通信することが可能になる。加えて、移動ホ
ストの最新の一時アドレスの情報を失った場合にも、そ
のホームネットワークに位置する移動ホスト位置管理装
置から、現在の最新の一時アドレスを入手することが可
能になる。また、手段５の構成によって、現在はホーム
ネットワークにいない移動ホストのホームアドレス宛に
送信されたパケットは、移動ホスト位置管理装置によっ
て転送されることによりネットワーク内で失われてしま
うことがない。

【００１５】また、手段６の構成によって、一時ネット
ワーク上の移動ホスト位置管理装置によって、一度訪れ
た後、現在は移動して別のネットワークに移った移動ホ
ストのその一時ネットワークにおいて使用していた一時
アドレス宛のパケットが、移動先のアドレス宛に転送さ
れることとなり、ネットワーク内で失われてしまうこと
がない。

【００１６】

【実施例】以下本発明の一実施例の移動ホスト位置管理
装置について、図面を参照しながら説明する。

【００１７】図１は本発明の一実施例である、ホーム移
動ホストの位置を管理する移動ホスト位置管理装置の装
置構成を示すものである。図１において、１は本発明の
一実施例であるホーム移動ホスト位置管理装置、２はホ
ーム移動ホストのアドレスを保持するホーム移動ホスト
リスト保持部、３は現在、ホームネットワークにいない
移動ホスト宛のパケットを現在の一時アドレスへ転送す
るパケット転送部、４は移動ホスト移転メッセージを一
時ネットワークおよび一般ホストに送信する移動ホスト
移転処理部、５はアドレス問合せメッセージに応えるア
ドレス問合せ処理部、６は現在、ホームネットワークに
いない移動ホスト宛のパケットをネットワークより拾い
出すために、ネットワークをモニタリングするパケット
モニタリング部、７は移動ホストの現在の一時アドレス
を通知するアドレス通知メッセージを受信するアドレス
通知処理部、８は物理ネットワークの制御を含む通信制
御部である。

【００１８】図２は本発明の一実施例である、ビジター
移動ホストの位置を管理する移動ホスト位置管理装置の
装置構成を示すものである。図２において、９は本発明
の一実施例であるビジター移動ホスト位置管理装置、１
０はビジター移動ホストのアドレスを保持するビジター
移動ホストリスト保持部、１１は一度、当該一時ネット
ワークを訪れた後、別のネットワークに移動したビジタ
ー移動ホストの当該ネットワークにおける一時アドレス
宛のパケットを現在の一時アドレスへ転送するパケット
転送処理部、１２は一度、当該一時ネットワークを訪れ
た後、別のネットワークに移動したビジター移動ホスト
の最新の一時アドレスを通知する移動ホスト移転メッセ
ージの受信および、移動ホスト移転メッセージの送信を
行なう移動ホスト移転処理部、１３は一時ネットワーク
として訪れた移動ホストから移動ホスト訪問メッセージ
を受信する移動ホスト訪問処理部、１４は自律パケット
転送サポートチェックメッセージに応答する自律サポー
ト処理部である。

【００１９】図３は本発明の一実施例である、移動ホス
ト上に存在する移動ホスト位置管理装置の装置構成を示
すものである。図３において、１５は本発明の一実施例
である、移動ホスト上に存在する移動ホスト位置管理装
置、１６は移動先ネットワークで一時アドレスを獲得す
るアドレス獲得部、１７はホームアドレスを送信元とす
るデータパケットを組み立てて送信するパケット送信処
理部、１８はパケット転送メッセージから送信先をホー
ムアドレスとするデータパケットを作成する転送パケッ
ト受信処理部、１９はホームアドレスと現在の一時アド
レスとホームネットワークにおけるブロードキャストア
ドレスを保持するアドレス保持部、２０は移動時にアプ
リケーションからの通知により一連の移動処理を行なう
移動処理部、２１は自律パケット転送サポートチェック
メッセージのリクエストメッセージを送信し、そのレス
ポンスメッセージを受信する自律サポート処理部、２２
はアドレス通知メッセージのリクエストメッセージを送
信し、そのレスポンスメッセージを受信するアドレス通
知処理部、２３は現在の一時ネットワークの位置管理装
置に移動ホスト訪問メッセージを送信する移動ホスト訪
問処理部、２４は本発明の位置管理装置および通信制御
を利用するアプリケーションである。

【００２０】図４は本発明の一実施例である、一般ホス
ト上に存在する移動ホスト位置管理装置の装置構成を示
すものである。図４において、２５は本発明の一実施例
である、一般ホスト上に存在する移動ホスト位置管理装
置、２６は移動ホストの現在の一時アドレス宛の転送パ
ケットメッセージを組み立てて送信する転送パケット送
信処理部、２７はデータパケットの受信を行なうパケッ
ト受信処理部、２８は現在通信中である移動ホストも含
め、かつて通信したことのある移動ホストのホームアド
レスとホームネットワークにおけるブロードキャストア
ドレスと現在の一時アドレスとを保持するアドレス保持
部、２９は移動ホストのホームネットワークにアドレス
問合せメッセージを送信するアドレス問合せ処理部、３
０は通信中の移動ホストの一時ネットワーク上の位置管
理装置からその移動ホストが別のネットワークに移動し
たことを通知する移動ホスト移転メッセージを受信する
移動ホスト移転処理部、３１は移動ホストのホームネッ
トワーク上の位置管理装置からその移動ホストの最新の
一時アドレスを通知するアドレス通知メッセージを受信
するアドレス通知処理部、６１は本発明の位置管理装置
および通信制御を利用するアプリケーションである。

【００２１】図５は本発明の移動ホスト位置管理装置間
で送受信するパケットの構成例を示す図である。図５に
おいて、３２はパケットのタイプである。タイプの値が
０の場合はパケット転送メッセージを示し、１はアドレ
ス通知メッセージ、２は自律パケット転送サポートチェ
ックメッセージ、３は移動ホスト移転メッセージ、４は
移動ホスト訪問メッセージ、５はアドレス問合せメッセ
ージ、６はエコーメッセージを示す。３３はそのパケッ
トがリクエストメッセージであるか、レスポンスメッセ
ージであるかを示すフラグである。フラグの値が０の場
合はリクエストでもレスポンスでもないメッセージを示
す。パケットのタイプの０、パケット転送メッセージ
は、フラグを０とするメッセージである。タイプの値１
はリクエスト、２はレスポンスを示す。３４は順序識別
である。あるメッセージのリクエストとレスポンスの対
応を取るために使用する。３５は自律フラグである。移
動先のネットワークにビジター移動ホスト位置管理装置
が存在する場合に、移動ホストがそのホームネットワー
クのホーム移動ホスト位置管理装置に送信するアドレス
通知メッセージには１が設定される。そうでない場合は
０が設定される。３６はカウンタである。ある１つのパ
ケットについてパケット転送メッセージによるパケット
転送が繰り返された回数が設定される。システムで定め
た回数を越えてパケット転送が繰り返される場合はその
パケットを廃棄する。３７はステータスである。問題が
ない場合は値０が設定される。認証に関するエラーが発
生した場合は１が、指定の移動ホストについての情報を
持っていない場合は２が設定される。３８は移動ホスト
のホームアドレスである。３９は移動ホストの移動先ネ
ットワークにおける一時アドレスである。４０は移動ホ
ストのホームネットワークまたは移動先ネットワークに
おけるブロードキャストアドレスである。４１は認証情
報、４２は転送するパケットである。第１の動作例とし
て、移動ホストがホームネットワーク以外のネットワー
クに移動した場合にその移動ホストの位置情報が伝搬さ
れる様子を図１、図２、図３、図５および図６を用いて
説明する。

【００２２】図６において、４３はホーム移動ホスト位
置管理装置（以降、ホーム位置管理装置と記す）、４５
は現在の移動先ネットワークに存在するビジター移動ホ
スト位置管理装置（以降、ビジター位置管理装置と記
す）、４４は前の移動先ネットワークに存在するビジタ
ー位置管理装置、４６は移動ホスト上に位置する移動ホ
スト位置管理装置（以降、移動ホストと記す）、４７は
自律パケット転送サポートチェックメッセージ、４８は
アドレス通知メッセージ、４９は移動ホスト訪問メッセ
ージ、５０は移動ホスト移転メッセージである。

【００２３】移動ホスト４６は、移動を行なうと、アプ
リケーション２４からの指示により移動処理部２０を駆
動する。移動処理部２０はアドレス獲得部１６により移
動先ネットワークに整合する一時アドレスを獲得する。
アドレスの獲得はＢＯＯＴＰ（参考文献：Ｂｉｌｌ Ｃ
ｒｏｆｔ ａｎｄ Ｊｏｈｎ Ｇｉｌｍｏｒｅ，ＢＯＯ
ＴＳＴＲＡＰ ＰＲＯＴＯＣＯＬ，ＲＦＣ９５１，Ｓｅ
ｐ．，１９８５）を使用する方法や、システム管理者で
割り当てて入力する方法などがある。自律サポート処理
部２１は移動処理部２０の指示により、その移動先ネッ
トワークにおいてビジター移動ホスト位置管理装置を見
つけるため、自身のホームアドレス３８と獲得した一時
アドレス３９をパラメタとして含む自律パケット転送サ
ポートチェックメッセージ４７をブロードキャストによ
り送信する。ビジター移動ホスト位置管理装置４５は通
信制御部８を介して自律サポート処理部１４により自律
パケット転送サポートチェックメッセージ４７を受信す
る。ビジター移動ホストに対してパケット転送サービス
を提供する場合は、自律フラグ３５を１に設定したレス
ポンスメッセージを移動ホスト４６に返す。提供しない
場合は、自律フラグ３５を０に設定したレスポンスメッ
セージを移動ホスト４６に送信するかまたは、何もレス
ポンスを返さない。パケット転送サービスを提供するか
否かは、負荷の状況により動的に決定するかまたはシス
テム管理者が予め設定するなど、により決定することが
可能である。パケット転送サービスを提供しないときに
レスポンスを返さないことにすると、送信元の移動ホス
ト側の処理を移動先ネットワークにビジター管理装置が
存在しない場合と同じにすることができ、移動ホスト側
の処理を簡単にすることができる。

【００２４】次に、移動ホスト４６はホーム位置管理装
置４３にアドレス通知メッセージ４８をアドレス通知処
理部２２により送信する。アドレス通知メッセージ４８
には、自律フラグ３５、ホームアドレス３８、その移動
先ネットワークにおける一時アドレス３９、その移動先
ネットワークのブロードキャストアドレス４０が含まれ
る。前記の自律パケット転送サポートチェックメッセー
ジ４７に対して、自律フラグ３５が１、すなわち、サー
ビスを行なうというレスポンスを受信した場合は、アド
レス通知メッセージ４８の自律フラグ３５は値１が設定
され、そうでない場合は値０が設定される。ホーム位置
管理装置４３はアドレス通知メッセージ４８を通信制御
部８を介してアドレス通知処理部７により受信すると、
移動ホスト移転処理部４に渡す。移動ホスト移転処理部
４はホーム移動ホストリスト保持部２のその移動ホスト
の一時アドレスとブロードキャストアドレスをアドレス
通知メッセージ４８に含まれる最新の一時アドレス３９
とブロードキャストアドレス４０に書き換え、自律フラ
グ３５の値を保持する。書き換える前の一時アドレスが
ホームアドレスでない場合は、書き換える前のブロード
キャストアドレスに対して、移動ホスト移転メッセージ
５０を送信する。移動ホスト移転メッセージ５０にはホ
ームアドレス３８、最新の一時アドレス３９、ホームネ
ットワークにおけるブロードキャストアドレス４０、自
律フラグ３５が設定されている。

【００２５】ビジター位置管理装置４４は移動ホスト移
転メッセージ５０を通信制御部８を介して移動ホスト移
転処理部１２により受信する。移動ホスト移転処理部１
２はビジター移動ホストリスト保持部１０にその移動ホ
ストの一時アドレスを移動ホスト移転メッセージ５０に
含まれる一時アドレス３９に書き換え、レスポンスメッ
セージを返す。パケット転送サービスを行なう場合は、
移動ホスト移転メッセージ５０の受信以降は、移動した
ビジター移動ホスト宛のパケットをパケットモニタリン
グ部６により拾いだし、パケット転送部１１により最新
の一時アドレスに転送する。次に、移動ホスト４６は自
律パケット転送サポートチェックメッセージ４７に対し
て自律フラグ３５の値が１として応答のあった、現在の
一時ネットワークのビジター位置管理装置４５に移動ホ
スト訪問メッセージ４９を移動ホスト訪問処理部２３に
より送信する。移動ホスト訪問メッセージ４９には、そ
の移動ホストのホームアドレス３８と現在の一時アドレ
ス３９が含まれる。ビジター位置管理装置４５は移動ホ
スト訪問メッセージ４９を移動ホスト訪問処理部１３に
より受信し、ビジター移動ホストリスト保持部１０に移
動ホスト訪問メッセージ４９に含まれるホームアドレス
と一時アドレス３９を保持する。これにより、移動ホス
トの移動時に迅速に最新の一時アドレスがホーム位置管
理装置に伝搬される。加えて、当該移動ホストに関連し
た、ビジター位置管理装置に当該移動ホストの移転を確
実に通知することができる。第２の動作例として、移動
ホストがホームネットワーク以外のネットワークにいる
ときに、ホームアドレス宛にパケットが送信された場合
にその移動ホストの位置情報が伝搬される様子を図１、
図３、図４、図５および図７を用いて説明する。

【００２６】図７において、５１は一般ホスト上に位置
する一般ホスト位置管理装置（以降、一般ホストと記
す）、５２はホームアドレス宛に送信されるデータパケ
ット、５３はホーム位置管理装置４３により移動ホスト
４６の最新の一時アドレス宛に送信されるパケット転送
メッセージ、５４は一般ホストに移動ホストの最新の一
時アドレスを通知するアドレス通知メッセージ、５５は
一般ホストが移動ホストの最新の一時アドレス宛に送信
するパケット転送メッセージである。移動ホスト４６の
最新の一時アドレスを知らない一般ホストは、移動ホス
トのホームアドレス宛にデータパケット５２を送信す
る。ホーム位置管理装置４３はパケットモニタリング部
６によって、現在ホームネットワークにいない移動ホス
ト宛のパケットを取り込む。取り込んだデータパケット
はパケット転送部３に渡される。パケット転送部３はホ
ーム移動ホストリスト保持部２を参照し、現在の最新の
一時アドレスを得る。パケット転送部３は移動ホスト４
６の現在の一時アドレス宛のパケット転送メッセージ５
３を組み立て、通信制御部８を介して送信する。ホーム
位置管理装置４３は、ホーム移動ホストリスト保持部２
に保持している、移動ホスト４６の現在の一時ネットワ
ークに存在するビジター位置管理装置が転送サービスを
行なうか否かを示す自律フラグを参照して、自律フラグ
が１の場合、すなわち、転送サービスがサポートされる
場合は、データパケット５２の送信元ホストに対して、
移動ホスト移転処理部４により移動ホスト移転メッセー
ジ５５を送信する。一般ホスト５１は移動ホスト移転メ
ッセージ５５を通信制御部８を介して移動ホスト移転処
理部３０により受信する。移動ホスト移転処理部３０は
移動ホストのホームアドレスと現在の一時アドレスをア
ドレス保持部２８に保持する。以降、一般ホスト５１が
移動ホスト４６宛にパケットを送信するときは、転送パ
ケット送信処理部２６により、アドレス保持部２８を参
照して、その移動ホストの現在の一時アドレスを得、現
在の一時アドレス宛のパケット転送メッセージ５５を組
み立て、通信制御部８を介して送信する。このように、
移動ホストのホームアドレス宛に送信されたデータパケ
ットをきっかけに、当該データパケットの送信元である
一般ホストに移動ホストの最新の一時アドレスが伝搬さ
れる。第３の動作例として、移動ホストがある一時ネッ
トワークを訪れた後、さらに別の一時ネットワークに移
動した場合、以前の一時ネットワーク宛にパケットが送
信された場合にその移動ホストの位置情報が伝搬される
様子を図１、図２、図３、図４、図５および図８を用い
て説明する。

【００２７】図８において、５６は以前の一時アドレス
宛に送信されるパケット転送メッセージ、５７は現在の
一時アドレス宛に転送されるパケット転送メッセージ、
５８はデータパケット５６の送信元に対して送信される
移動ホスト移転メッセージ、５９はホーム位置管理装置
にアドレスを問い合わせるアドレス問合せメッセージ、
６０は一般ホストが移動ホストの最新の一時アドレス宛
に送信するパケット転送メッセージである。移動ホスト
４６の現在の一時アドレスではなく、以前の一時アドレ
スを知っている一般ホストは、以前の一時アドレス宛に
パケット転送メッセージ５６を送信する。移動ホスト４
６の以前の一時ネットワーク上のビジター位置管理装置
４４は、パケットモニタリング部により移動ホスト４６
の以前の一時アドレス宛のパケットを取り込む。パケッ
トモニタリング部６は取り込んだパケット転送メッセー
ジ５６をパケット転送部１１に渡す。パケット転送部１
１はビジター移動ホストリスト保持部１０を参照して、
最新の一時アドレス宛のパケット転送メッセージ５７を
組み立て、通信制御部８を介して送信する。移動ホスト
４６は通信制御部８を介して転送パケット受信処理部１
８により、パケット転送メッセージ５７を受信する。転
送パケット受信処理部１８はアドレス保持部１９を参照
し、送信先のアドレスが移動ホスト４６自身のホームア
ドレスに一致することを確認し、アプリケーション２４
に渡す。ビジター位置管理装置４４は、同時に、データ
パケット５６の送信元に対して移動ホスト移転処理部１
２により移動ホスト移転メッセージ５８を送信する。移
動ホスト移転メッセージ５８には移動ホスト４６のホー
ムアドレス３８とビジター位置管理装置４４が認識して
いる現在の一時アドレス３９が含まれる。一般ホスト５
１は通信制御部８を介して移動ホスト移転処理部３１に
より移動ホスト移転メッセージ５８を受信する。移動ホ
スト移転処理部３１はアドレス保持部２８の移動ホスト
４６のデータを移動ホスト移転メッセージ５８に含まれ
ている一時アドレス３９に書き換える。一般ホスト５１
は、以降、この新しい一時アドレス宛にパケット転送メ
ッセージ６０を送信する。これにより、移動ホストがい
くつかの一時ネットワークを移動する間においても、そ
れぞれのビジター位置管理装置および一般ホストに最新
の一時アドレスが伝搬される。移動ホスト移転メッセー
ジ５８に一時アドレスが含まれていない場合は、アドレ
ス問合せ処理部２９により、ホーム位置管理装置４３に
アドレス問合せメッセージ５９を送信する。ホーム位置
管理装置４３は通信制御部８を介してアドレス問合せ処
理部５により、アドレス問合せメッセージ５９を受信す
る。アドレス問合せ処理部５はホーム移動ホストリスト
保持部２を参照して、最新の一時アドレスをレスポンス
として返す。一般ホスト５１は、通信制御部８を介して
アドレス問合せ処理部２９により、アドレス問合せメッ
セージ５９のレスポンスを受信し、そのレスポンスに含
まれる一時アドレスでアドレス保持部２８の移動ホスト
４６の一時アドレスを上書きする。これにより、一般ホ
ストが移動ホストの現在の一時アドレスについての情報
を失ってしまっても、確実に復旧することが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】ホーム移動ホスト位置管理装置の装置構成図

【図２】ビジター移動ホスト位置管理装置の装置構成図

【図３】移動ホスト上の位置管理装置の装置構成図

【図４】一般ホスト上の位置管理装置の装置構成図

【図５】パケット構成図

【図６】移動時における位置情報の伝搬の様子を示す概
念図

【図７】移動ホストのホームネットワーク宛のパケット
発生時における位置情報伝搬の様子を示す概念図

【図８】移動ホストの以前の一時ネットワーク宛のパケ
ット発生時における位置情報伝搬の様子を示す概念図

【図９】ＶＩＰにおける拡散キャッシュの構成例を示す
図

【符号の説明】

１ ホーム移動ホスト位置管理装置 ２ ホーム移動ホストリスト保持部 ３ パケット転送部 ４ 移動ホスト移転処理部 ５ アドレス問合せ処理部 ６ パケットモニタリング部 ７ アドレス通知処理部 ８ 通信制御部 ９ ビジター移動ホスト位置管理装置 １０ ビジター移動ホストリスト保持部 １１ パケット転送部 １２ 移動ホスト移転処理部 １３ 移動ホスト訪問処理部 １４ 自律サポート処理部 １５ 移動ホスト上位置管理装置 １６ アドレス獲得部 １７ パケット送信処理部 １８ 転送パケット受信処理部 １９ アドレス保持部 ２０ 移動処理部 ２１ 自律サポート処理部 ２２ アドレス通知処理部 ２３ 移動ホスト訪問処理部 ２４ アプリケーション ２５ 一般ホスト上位置管理装置 ２６ 転送パケット送信処理部 ２７ パケット受信処理部 ２８ アドレス保持部 ２９ アドレス問合せ処理部 ３０ 移動ホスト移転処理部 ３１ アドレス通知処理部 ３２ タイプ ３３ フラグ ３４ 順序識別 ３５ 自律フラグ ３６ カウンタ ３７ ステータス ３８ ホームアドレス ３９ 一時アドレス ４０ ブロードキャストアドレス ４１ 認証情報 ４２ 転送パケット ４３ ホーム移動ホスト位置管理装置 ４４ 以前の一時ネットワークにおけるビジター移動ホ
スト位置管理装置 ４５ 現在の一時ネットワークにおけるビジター移動ホ
スト位置管理装置 ４６ 移動ホスト ４７ 自律パケット転送サポートチェックメッセージ ４８ アドレス通知メッセージ ４９ 移動ホスト訪問メッセージ ５０ 移動ホスト移転メッセージ ５１ 一般ホスト ５２ データパケット ５３ パケット転送メッセージ ５４ アドレス通知メッセージ ５５ パケット転送メッセージ ５６ パケット転送メッセージ ５７ パケット転送メッセージ ５８ 移動ホスト移転メッセージ ５９ アドレス問合せメッセージ ６０ パケット転送メッセージ ６１ アプリケーション ７１ ＶＩＰを実装しているゲートウェイ ７２ ＶＩＰ経路制御部 ７３ キャッシュ部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ネットワーク間をアドレスの変更を伴いな
   がら移動する移動ホストのアドレスが属するホームネッ
   トワーク上に位置し、そのネットワークのアドレスとネ
   ットワーク部分が同じであるようなアドレスを持つホー
   ム移動ホストのホームアドレスと移動先における一時ア
   ドレスと移動先の一時ネットワークにおけるブロードキ
   ャストアドレスとを保持するホーム移動ホストリスト保
   持手段と、ホーム移動ホストが移動した時に前記ホーム
   移動ホストから、移動先での一時アドレスと、その一時
   アドレスを移動ホストと通信を行なう一般ホストに前記
   一時アドレスを通知してよいか否かを示すアドレス通知
   フラグとを受信する移動通知受信手段と、前記アドレス
   通知フラグに基づいて通知をしてもよい場合に、前記ホ
   ーム移動ホストの移動前ネットワークに前記ホーム移動
   ホストの最新の移動先アドレスを通知する移動通知伝搬
   手段と、前記アドレス通知フラグに基づいて通知をして
   もよい場合に、ホーム移動ホストのホームアドレス宛の
   パケットをネットワークより取り込んだ場合は、その送
   信元の一般ホストに対して、前記ホーム移動ホストの現
   在の一時アドレスを通知する移動通知伝搬手段とを備え
   たことを特徴とする移動ホスト位置管理装置。
2. 【請求項２】移動ホストのホームネットワーク以外に位
   置し、そのネットワークをホームとしていないビジター
   移動ホストのホームアドレスと一時アドレスとを保持す
   るビジター移動ホストリスト保持手段と、ビジター移動
   ホストからの存在確認メッセージに対して応答する存在
   応答処理手段と、ビジター移動ホストからそのホームア
   ドレスと現在の一時アドレスとを受信する訪問通知受信
   手段と、前記ビジター移動ホストのホームネットワーク
   から新たな移動先ネットワークにおける一時アドレスを
   含む移動通知受信する移動通知受信手段と、前記移動通
   知受信以降に、そのネットワークで使用していた一時ア
   ドレス宛のパケットをネットワークより拾い出した場合
   に、その送信元の一般ホストに対して、前記ビジター移
   動ホストの現在の一時アドレスを通知す移動通知伝搬手
   段とを備えたことを特徴とする移動ホスト位置管理装
   置。
3. 【請求項３】移動ホスト上に位置し、自らが移動した場
   合に、自らのホームアドレスと、移動先で獲得した一時
   アドレスと、移動先ネットワークにおけるブロードキャ
   ストアドレスとをホームネットワークに通知する移動通
   知送信手段と、自らの上で動作するアプリケーションプ
   ログラムに対して、自らのアドレスを常にホームアドレ
   スであると示すホームアドレス保持手段と、自らの一時
   アドレス宛のパケットを受信する場合に、受信したパケ
   ットの送信先アドレスをホームアドレスに変換する受信
   パケット変換手段と、パケットを送信する場合に、送信
   元アドレスをホームアドレスとする手段とを備えたこと
   を特徴とする移動ホスト位置管理装置。
4. 【請求項４】一般ホスト上に位置し、通信相手の移動ホ
   ストのホームアドレスと、移動先の一時アドレスと、ホ
   ームネットワークにおけるブロードキャストアドレスと
   から構成される移動通知を受信する移動通知受信手段
   と、前記移動通知を受信した後の通信においては、その
   移動ホストに対する送信パケットの送信先アドレスを前
   記移動通知における一時アドレスに変換する手段と、前
   記移動通知の情報を無効にするパケットを受信した場合
   に、削除する手段と、移動ホストのホームネットワーク
   にアドレス問合せを行ない、最新の一時アドレスを得る
   手段とを備えたことを特徴とする移動ホスト位置管理装
   置。
5. 【請求項５】請求項１記載の移動ホスト位置管理装置に
   おいて、アドレス通知フラグに関係なく、ホーム移動ホ
   ストのホームアドレス宛のパケットをネットワークより
   取り込んだ場合は、前記パケットを移動先の一時アドレ
   ス宛に転送するするパケット転送手段を備えたことを特
   徴とする移動ホスト位置管理装置。
6. 【請求項６】請求項２記載の移動ホスト位置管理装置に
   おいて、前記移動通知受信後は、前記ビジター移動ホス
   ト宛のパケットをネットワークより拾いだし最新の移動
   先アドレスに転送するパケット転送手段を備えたことを
   特徴とする移動ホスト位置管理装置。