JPH0614881Y2 - 鋼塊と鋳片の共用搬送バギー台車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は製鉄所などにて使用される鋼塊と鋳片の共用搬
送バギー台車に関するものである。

（従来の技術） 製鉄所などにおいて均熱炉から取出した鋼塊を圧延ライ
ンまで運搬する際に使用されるバギー台車は、鋼塊上面
を進行方向にするトップ送りと鋼塊底面を進行方向にす
るボトム送りの両送りが可能な傾倒わくを有するバギー
台車が使用され、これは例えば特開昭55-25669号公報に
開示されている。

また均熱炉と大形工場の大形圧延機との間には鋼塊搬送
路が設けられ、均熱炉にて加熱した鋼塊を大形圧延機へ
搬送し、大形圧延機により圧延する技術も特開昭57-103
703号公報に開示されている。

鋼材の熱間圧延を行う場合、鋼塊を均熱した後分塊圧延
によりブルームとし、このブルームを更に圧延してビレ
ット等の鋼材を得る方法と、連続鋳造によりブルーム等
の鋳片を製造して、この鋳片を圧延することによって得
る方法とがある。

鋼塊を分塊圧延する場合、均熱炉と分塊圧延機との間の
鋼塊の移送は、前記特開昭55-25669号公報に開示される
ようなバギー台車により行われ、あるいは特開昭57-103
703号公報に開示されたバギー台車により鋼塊を直接大
形圧延工場へ搬送して圧延が行われている。

（考案が解決しようとする課題） ところで最近に到り、連続鋳造設備の普及により、ブル
ーム等の鋳片も均熱炉で均熱処理され、搬送される場合
が生じてきた。

一方均熱された鋼材を搬送するバギー台車は、一般的に
は鋼塊専用となっているため、鋼塊に比較し長尺のブル
ームの搬送は不可能であり、通常ブルームの搬送はブル
ーム専用のトング付クレーンによって行われていた。

ブルームを均熱炉から分塊圧延ラインまでトング付クレ
ーンで搬送する場合、クレーンの走行速度は通常１〜1.
5m/s程度と遅いため、搬送距離が長くなるほど 生産能率の低下 均熱鋼材の温度低下 鋼材の変形及び鋼材落下の危険 等の問題があり、その解決が切望されていた。

本考案はこのような課題に鑑みなされたもので、鋼塊と
鋳片の共用搬送を可能としたバギー台車を提供する。

（課題を解決するための手段） 本考案は、バギー台車の中央に設けられた鋼塊用傾倒わ
くを挟んで、台車の前後方向に該傾倒わくより高い架台
を平行に立設すると共に、両架台上面に鋳片支持台を形
成したことを特徴とする鋼塊と鋳片の共用搬送バギー台
車である。

（実施例） 第１図は本考案の実施例を示すバギー台車の正面図、第
２図はその平面図である。

本考案は第１図及び第２図に示すように、バギー台車１
の走行方向中央に傾動可能に設けられた鋼塊用の傾倒わ
く２を挟んで、台車の前後方向に該傾倒わく２よりも高
い架台３，４を平行に立設すると共に、両架台３，４の
それぞれの上面に鋳片支持台５，６を水平に取付けて構
成したものである。図中７は搬送する鋳片、８は台車用
のレール、９，10は台車の車輪、11は鋼塊用のローラで
ある。

本考案は以上の如く構成したものであるから、鋼塊に比
べ長尺の鋳片７と鋳片支持台５，６の上面に載置してバ
ギー台車１により高速搬送ができるうえに、鋼塊などの
搬送時には傾倒わく２を利用して行うことが可能であ
る。

（考案の効果） 以上述べた如く本考案によれば、長尺の鋳片を５m/s程
度の高速にて搬送することができ、また鋳片を前後２個
の鋳片支持台により支持するから、鋼材の変形や落下の
問題が生ずることはなく、搬送速度が著しく向上したこ
とにより搬送中における鋳片の温度低下を軽減でき、生
産能率を著しく向上できるという効果を奏し、更には鋼
塊搬送機能をも有するものであるから、実用性は極めて
高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すバギー台車の正面図、第
２図は第１図の平面図である。 １……バギー台車、２……傾倒わく、３，４……架台、
５，６……鋳片支持台、７……鋳片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バギー台車の中央に設けられた鋼塊用傾倒
   わくを挟んで、台車の前後方向に該傾倒わくより高い架
   台を平行に立設すると共に、両架台上面に鋳片支持台を
   形成したことを特徴とする鋼塊と鋳片の共用搬送バギー
   台車。