JPH06148055A - 容器内の流体の性状測定方法及びその装置 - Google Patents
容器内の流体の性状測定方法及びその装置Info
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- JPH06148055A JPH06148055A JP31561592A JP31561592A JPH06148055A JP H06148055 A JPH06148055 A JP H06148055A JP 31561592 A JP31561592 A JP 31561592A JP 31561592 A JP31561592 A JP 31561592A JP H06148055 A JPH06148055 A JP H06148055A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 容器、特に気密容器内に挿入した流体の粘度
を直接かつ連続的に自動測定することを可能とする。 【構成】 流体中を所定形状の測定体が相対運動したと
き、この測定体が流体から受ける抗力、流体に対する測
定体の相対速度、流体密度、及び粘性係数の間に成立す
る上述の関係を利用して、容器内に導入した流体の粘度
(粘性係数)又は流体密度を測定しようとするものであ
る。すなわち、流体内に所定形状(例えば球)の測定体
を設置し、この測定体を一定速度で回転させる。このと
きの流体に対する測定体の相対速度を相対速度検出手段
によって求めるとともに、測定体の受ける抗力を抗力検
出手段によって電気的に求める。これら結果を、所定の
関係式に代入して流体の粘性係数を算出する。
を直接かつ連続的に自動測定することを可能とする。 【構成】 流体中を所定形状の測定体が相対運動したと
き、この測定体が流体から受ける抗力、流体に対する測
定体の相対速度、流体密度、及び粘性係数の間に成立す
る上述の関係を利用して、容器内に導入した流体の粘度
(粘性係数)又は流体密度を測定しようとするものであ
る。すなわち、流体内に所定形状(例えば球)の測定体
を設置し、この測定体を一定速度で回転させる。このと
きの流体に対する測定体の相対速度を相対速度検出手段
によって求めるとともに、測定体の受ける抗力を抗力検
出手段によって電気的に求める。これら結果を、所定の
関係式に代入して流体の粘性係数を算出する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器に導入された流体
の処理中における粘度又は密度を直接かつ連続的に検出
することのできる流体の性状測定装置に関する。
の処理中における粘度又は密度を直接かつ連続的に検出
することのできる流体の性状測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】化学等の分野においては、例えば、モノ
マーの重合反応、砂糖水溶液の加熱濃縮、塗料の調合及
び溶剤稀釈等、密閉された容器内に流体(溶液)を入れ
て各種の処理が行なわれる場合がある。一般に、このよ
うな流体の処理工程では、処理の進行に伴って変化する
流体粘度や密度等を測定し、その測定データにもとづい
て処理状況を管理している。従来、この種の分野におけ
る流体の粘度測定方法としては、測定用サンプルを密閉
容器から取り出し、容器外に用意した粘度計を用いて作
業員が手作業にて定期的に測定する方法が最も一般的で
あった。また、大形の化学装置にあっては、流体を封入
した密閉容器にバイパス流路を付設し、このバイパス流
路を通して測定用サンプルを粘度計へと導き、自動的に
粘度測定を実現させる方法も採用されていた。
マーの重合反応、砂糖水溶液の加熱濃縮、塗料の調合及
び溶剤稀釈等、密閉された容器内に流体(溶液)を入れ
て各種の処理が行なわれる場合がある。一般に、このよ
うな流体の処理工程では、処理の進行に伴って変化する
流体粘度や密度等を測定し、その測定データにもとづい
て処理状況を管理している。従来、この種の分野におけ
る流体の粘度測定方法としては、測定用サンプルを密閉
容器から取り出し、容器外に用意した粘度計を用いて作
業員が手作業にて定期的に測定する方法が最も一般的で
あった。また、大形の化学装置にあっては、流体を封入
した密閉容器にバイパス流路を付設し、このバイパス流
路を通して測定用サンプルを粘度計へと導き、自動的に
粘度測定を実現させる方法も採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、測定用サンプルの粘度を測定している間
にも、容器内では流体処理が進行しているため、測定結
果にもとづき流体処理を管理した場合、反応の過不足、
濃縮又は稀釈の多少等が生じ、目的とする性状とは異な
った最終製品の生まれる可能性が高かった。また、流体
の粘度や密度は、温度によって変化するため、容器外で
測定する場合には温度換算が必要となる。しかも、手作
業による測定用サンプルの取出し及び粘度測定は作業が
煩雑で、流体によっては人体に触れることが危険なもの
もあり、安全面における課題も有していた。
来の方法では、測定用サンプルの粘度を測定している間
にも、容器内では流体処理が進行しているため、測定結
果にもとづき流体処理を管理した場合、反応の過不足、
濃縮又は稀釈の多少等が生じ、目的とする性状とは異な
った最終製品の生まれる可能性が高かった。また、流体
の粘度や密度は、温度によって変化するため、容器外で
測定する場合には温度換算が必要となる。しかも、手作
業による測定用サンプルの取出し及び粘度測定は作業が
煩雑で、流体によっては人体に触れることが危険なもの
もあり、安全面における課題も有していた。
【0004】そこで、容器内の流体の粘度を直接測定す
る方法として、先端に抵抗体を取付けた回転軸を容器に
設置し、抵抗体を流体中に浸漬した状態でこの回転軸を
回転させ、そのとき回転軸に生ずるトルクを測定するこ
とで流体粘度を算出する方法が考えられる。しかし、流
体の処理条件として容器内を気密に保つ必要のある場合
や圧力容器内で流体処理を行なう場合には、回転軸の貫
通部に気密性を保つためのシール部材を設けなければな
らない。すると、回転軸に生ずるトルクにシール部材と
の摩擦力による成分が含まれてしまい、流体から受けた
トルクのみを正確に測定することが困難となる。したが
って、上記のごとく密閉容器(圧力容器を含む)を流体
処理に使用する場合には、回転軸のトルクから流体粘度
を測定する方法は使用できない。また、この方法は流動
の大きな流体については適用が困難である。
る方法として、先端に抵抗体を取付けた回転軸を容器に
設置し、抵抗体を流体中に浸漬した状態でこの回転軸を
回転させ、そのとき回転軸に生ずるトルクを測定するこ
とで流体粘度を算出する方法が考えられる。しかし、流
体の処理条件として容器内を気密に保つ必要のある場合
や圧力容器内で流体処理を行なう場合には、回転軸の貫
通部に気密性を保つためのシール部材を設けなければな
らない。すると、回転軸に生ずるトルクにシール部材と
の摩擦力による成分が含まれてしまい、流体から受けた
トルクのみを正確に測定することが困難となる。したが
って、上記のごとく密閉容器(圧力容器を含む)を流体
処理に使用する場合には、回転軸のトルクから流体粘度
を測定する方法は使用できない。また、この方法は流動
の大きな流体については適用が困難である。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
ので、容器内の流体が動的状態であるか静的状態である
かを問わず流体の粘度を直接かつ連続的に自動測定する
ことのできる容器内の流体の性状測定方法及びその装置
の提供を目的とする。さらに本発明は、気密容器内に封
入された流体の粘度をも直接かつ連続的に自動測定する
ことのできる容器内の流体の性状測定装置の提供を目的
としている。
ので、容器内の流体が動的状態であるか静的状態である
かを問わず流体の粘度を直接かつ連続的に自動測定する
ことのできる容器内の流体の性状測定方法及びその装置
の提供を目的とする。さらに本発明は、気密容器内に封
入された流体の粘度をも直接かつ連続的に自動測定する
ことのできる容器内の流体の性状測定装置の提供を目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明である容器内の流体の性状測定方法は、容器
内の流体に対して所定形状の測定体を所定の姿勢で挿入
し、この測定体を一定速度で回転させたときの流体に対
する相対速度を求めるとともに、該測定体の流体から受
ける抗力を電気的に求め、これら相対速度及び抗力の値
にもとづいて流体の粘度又は密度を算出することを特徴
としている。
に、本発明である容器内の流体の性状測定方法は、容器
内の流体に対して所定形状の測定体を所定の姿勢で挿入
し、この測定体を一定速度で回転させたときの流体に対
する相対速度を求めるとともに、該測定体の流体から受
ける抗力を電気的に求め、これら相対速度及び抗力の値
にもとづいて流体の粘度又は密度を算出することを特徴
としている。
【0007】また、本発明の容器内の流体の性状測定装
置は、流体を入れた容器を貫通しまたは容器開口部から
挿入して回転自在に設けられた支持体と、この支持体を
一定速度で回転させる回転駆動手段と、前記支持体の回
転中心から任意の半径位置に所定の姿勢で設けられ、前
記支持体とともに流体内を回転する所定形状の測定体
と、この測定体の流体に対する相対速度を求める相対速
度検出手段と、前記測定体が流体から受ける抗力を電気
的に求める抗力検出手段と、前記相対速度検出手段によ
って求められた測定体の流体に対する相対速度及び前記
抗力検出手段によって求められた測定体の受ける抗力に
もとづいて、前記流体の粘度又は密度を算出する演算手
段とを備えている。さらに、上記の発明において、前記
相対速度検出手段は、前記測定体の流体に対する相対速
度に対応した所定の物理量を前記容器内で電気的に検出
するとともに、前記容器外にてその検出信号にもとづい
て該相対速度を算出し、前記抗力検出手段は、前記測定
体から受ける抗力に対応した所定の物理量を前記容器内
で電気的に検出するとともに、前記容器外にてその検出
信号にもとづいて該抗力を算出するものであって、前記
支持体を先端の閉塞した中空棒状体で形成するととも
に、この支持体の前記容器外に露出する部分に電気信号
伝送用のスリップリングまたは無線伝送手段を設置し、
前記支持体の中空部ないし前記スリップリングまたは無
線伝送手段を介して、前記相対速度検出手段または前記
抗力検出手段で検出された検出信号を前記容器外に出力
する構成としたことを特徴としている。ここで、前記容
器に流体攪拌用に使用する攪拌機が備わっている場合に
は、この攪拌機の回転軸を先端の閉塞した中空状に形成
し、この回転軸を前記支持体として併用してもよい。
置は、流体を入れた容器を貫通しまたは容器開口部から
挿入して回転自在に設けられた支持体と、この支持体を
一定速度で回転させる回転駆動手段と、前記支持体の回
転中心から任意の半径位置に所定の姿勢で設けられ、前
記支持体とともに流体内を回転する所定形状の測定体
と、この測定体の流体に対する相対速度を求める相対速
度検出手段と、前記測定体が流体から受ける抗力を電気
的に求める抗力検出手段と、前記相対速度検出手段によ
って求められた測定体の流体に対する相対速度及び前記
抗力検出手段によって求められた測定体の受ける抗力に
もとづいて、前記流体の粘度又は密度を算出する演算手
段とを備えている。さらに、上記の発明において、前記
相対速度検出手段は、前記測定体の流体に対する相対速
度に対応した所定の物理量を前記容器内で電気的に検出
するとともに、前記容器外にてその検出信号にもとづい
て該相対速度を算出し、前記抗力検出手段は、前記測定
体から受ける抗力に対応した所定の物理量を前記容器内
で電気的に検出するとともに、前記容器外にてその検出
信号にもとづいて該抗力を算出するものであって、前記
支持体を先端の閉塞した中空棒状体で形成するととも
に、この支持体の前記容器外に露出する部分に電気信号
伝送用のスリップリングまたは無線伝送手段を設置し、
前記支持体の中空部ないし前記スリップリングまたは無
線伝送手段を介して、前記相対速度検出手段または前記
抗力検出手段で検出された検出信号を前記容器外に出力
する構成としたことを特徴としている。ここで、前記容
器に流体攪拌用に使用する攪拌機が備わっている場合に
は、この攪拌機の回転軸を先端の閉塞した中空状に形成
し、この回転軸を前記支持体として併用してもよい。
【0008】
【作用】流体中を所定形状の測定体が運動したとき、こ
の測定体が流体から受ける抗力をD、流体に対する測定
体の相対速度をU、流体密度をρとした場合、流体の粘
性係数μは、一般に次式で与えられる。 (1) 測定体を直径dの球体とした場合 レイノルズ数Reが1以下の場合 μ=D/(3πdU) (I) レイノルズ数Reが1<Re≦5の場合 μ=D/(3πUd)−3ρUd/16 (II) レイノルズ数Reが30〜300 の場合 μ=64D2 /(121π2 d3 ρU3 ) (III) (2) 測定体を長さL、幅Wの矩形平板とし、運動方向に
対して平行に配置した場合 流体との間で層流境界層を形成することを条件に、粘性
係数μは次式で与えられる。なお、矩形平板の厚みは無
視する。 μ=0.567 D2 /(LWρU3 ) (IV) 以上の関係式は例示であり、流体中を相対運動する物体
の抵抗理論によって、各種条件における関係式も導くこ
とができる。例えば、測定体の形状が半球体、円錐体の
場合や、上述しなかったレイノルズ数の範囲についても
関係式が立つことは自明である。
の測定体が流体から受ける抗力をD、流体に対する測定
体の相対速度をU、流体密度をρとした場合、流体の粘
性係数μは、一般に次式で与えられる。 (1) 測定体を直径dの球体とした場合 レイノルズ数Reが1以下の場合 μ=D/(3πdU) (I) レイノルズ数Reが1<Re≦5の場合 μ=D/(3πUd)−3ρUd/16 (II) レイノルズ数Reが30〜300 の場合 μ=64D2 /(121π2 d3 ρU3 ) (III) (2) 測定体を長さL、幅Wの矩形平板とし、運動方向に
対して平行に配置した場合 流体との間で層流境界層を形成することを条件に、粘性
係数μは次式で与えられる。なお、矩形平板の厚みは無
視する。 μ=0.567 D2 /(LWρU3 ) (IV) 以上の関係式は例示であり、流体中を相対運動する物体
の抵抗理論によって、各種条件における関係式も導くこ
とができる。例えば、測定体の形状が半球体、円錐体の
場合や、上述しなかったレイノルズ数の範囲についても
関係式が立つことは自明である。
【0009】本発明は、流体中を所定形状の測定体が相
対運動したとき、この測定体が流体から受ける抗力D、
流体に対する測定体の相対速度U、流体密度ρ、及び粘
性係数μの間に成立する上述の関係を利用して、容器内
に挿入した流体の粘度(粘性係数)又は流体密度を測定
しようとするものである。すなわち、流体内に所定形状
(例えば球)の測定体を挿入し、この測定体を一定速度
で回転させる。このときの流体に対する測定体の相対速
度Uを相対速度検出手段によって検出するとともに、測
定体の受ける抗力Dを抗力検出手段によっ求める。これ
らのデータU及びDを、上述の関係式、例えば(I)〜
(III)に代入すれば流体の粘性係数μが算出でき
る。
対運動したとき、この測定体が流体から受ける抗力D、
流体に対する測定体の相対速度U、流体密度ρ、及び粘
性係数μの間に成立する上述の関係を利用して、容器内
に挿入した流体の粘度(粘性係数)又は流体密度を測定
しようとするものである。すなわち、流体内に所定形状
(例えば球)の測定体を挿入し、この測定体を一定速度
で回転させる。このときの流体に対する測定体の相対速
度Uを相対速度検出手段によって検出するとともに、測
定体の受ける抗力Dを抗力検出手段によっ求める。これ
らのデータU及びDを、上述の関係式、例えば(I)〜
(III)に代入すれば流体の粘性係数μが算出でき
る。
【0010】ここで、適用すべき関係式はレイノルズ数
Reによって異なっているため、レイノルズ数Reが未
知の場合には、レイノルズ数Reを算出しなければなら
ない。例えば、測定体が球(直径d)の場合のレイノル
ズ数は、次式であらわされる。 Re=ρUd/μ (V) したがって、例えば式(I)〜(III)のいずれかに
よって算出した粘性係数μを上式(V)に代入し、算出
されたレイノルズ数Reが該関係式の適用範囲に含まれ
るか否かを確認し、適用範囲に含まれる関係式を用い
て、粘性係数μを算出していく。なお、測定体が長さL
の平板で流体の流れと平行に配置されている場合のレイ
ノルズ数は、次式であらわされる。 Re=ρUL/μ また、測定体が矩形平板の場合は、流体と測定体との境
界層が層流であれば、レイノルズ数と無関係に式(I
V)から直ちに粘性係数を算出できる。
Reによって異なっているため、レイノルズ数Reが未
知の場合には、レイノルズ数Reを算出しなければなら
ない。例えば、測定体が球(直径d)の場合のレイノル
ズ数は、次式であらわされる。 Re=ρUd/μ (V) したがって、例えば式(I)〜(III)のいずれかに
よって算出した粘性係数μを上式(V)に代入し、算出
されたレイノルズ数Reが該関係式の適用範囲に含まれ
るか否かを確認し、適用範囲に含まれる関係式を用い
て、粘性係数μを算出していく。なお、測定体が長さL
の平板で流体の流れと平行に配置されている場合のレイ
ノルズ数は、次式であらわされる。 Re=ρUL/μ また、測定体が矩形平板の場合は、流体と測定体との境
界層が層流であれば、レイノルズ数と無関係に式(I
V)から直ちに粘性係数を算出できる。
【0011】関係式中に含まれる流体密度ρが未知の場
合には、あらかじめ流体密度ρを測定する必要がある。
この流体密度ρの測定は、公知の方法によればよく、例
えばγ線密度計により容器外から容易に測定することが
できる。一方、流体の粘性係数μがあらかじめわかって
いる場合には、本発明により、上記関係式を用いて流体
密度ρを求めることもできる。また、例えばレイノルズ
数Reが103 〜2×105 の範囲において、球体(直
径d)が流体中を相対運動する場合には、球体の抵抗係
数CD は、ほぼ一定の値(CD =0.40〜0.44) になるこ
とが知られている。この場合には、粘性係数μとは無関
係な次式で流体密度ρが算出できる。 ρ=8D/(πCD U2 d2 ) (VI) なお、一般に知られた流体中を相対運動する物体の抵抗
理論は、物体と流体とが相対的に直線運動する場合を扱
っている。したがって、本発明のように測定体と流体と
が相対的に回転運動する場合には、一般の抵抗理論にも
とづく関係式により求めた粘性係数μ又は流体密度ρ
は、現実の値とわずかながら誤差の生ずるおそれがあ
る。この誤差が使用上無視できる範囲であれば問題はな
いが、無視できない場合には、粘性係数μ及び流体密度
ρのわかっている流体を用いてあらかじめ実験を行い、
補正すべき誤差の値を求めておく必要がある。
合には、あらかじめ流体密度ρを測定する必要がある。
この流体密度ρの測定は、公知の方法によればよく、例
えばγ線密度計により容器外から容易に測定することが
できる。一方、流体の粘性係数μがあらかじめわかって
いる場合には、本発明により、上記関係式を用いて流体
密度ρを求めることもできる。また、例えばレイノルズ
数Reが103 〜2×105 の範囲において、球体(直
径d)が流体中を相対運動する場合には、球体の抵抗係
数CD は、ほぼ一定の値(CD =0.40〜0.44) になるこ
とが知られている。この場合には、粘性係数μとは無関
係な次式で流体密度ρが算出できる。 ρ=8D/(πCD U2 d2 ) (VI) なお、一般に知られた流体中を相対運動する物体の抵抗
理論は、物体と流体とが相対的に直線運動する場合を扱
っている。したがって、本発明のように測定体と流体と
が相対的に回転運動する場合には、一般の抵抗理論にも
とづく関係式により求めた粘性係数μ又は流体密度ρ
は、現実の値とわずかながら誤差の生ずるおそれがあ
る。この誤差が使用上無視できる範囲であれば問題はな
いが、無視できない場合には、粘性係数μ及び流体密度
ρのわかっている流体を用いてあらかじめ実験を行い、
補正すべき誤差の値を求めておく必要がある。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。まず、図1〜図4にもとづいて、容器内
の流体の性状測定装置の発明に係る実施例を説明する。
図1は本実施例の全体構成図である。同図に示すよう
に、気密容器1の内部には測定対象である流体2が図示
しない供給口から導入されている。また、図示しない攪
拌機等の攪拌,混合手段を備えていることもある。流体
2は、気密容器1内で化学反応、濃縮、稀釈等の処理を
受ける。本実施例装置は、この処理工程中の流体粘性係
数を検出するものである。気密容器1の上壁部には軸受
3が設けられ、この軸受3によって支持体10が回転自
在に配設されている。支持体10は先端が閉塞した中空
の棒状体で形成され、先端部が流体2に浸漬し、一方、
基端部側は気密容器1から突出している。この支持体1
0は、動力伝達機構21を介して駆動モータ(回転駆動
手段)22から回転駆動力を受け、一定速度で回転す
る。なお、軸受3と支持体10との間にはシール部材4
が設けてあり、容器1内の気密性を保持している。
して説明する。まず、図1〜図4にもとづいて、容器内
の流体の性状測定装置の発明に係る実施例を説明する。
図1は本実施例の全体構成図である。同図に示すよう
に、気密容器1の内部には測定対象である流体2が図示
しない供給口から導入されている。また、図示しない攪
拌機等の攪拌,混合手段を備えていることもある。流体
2は、気密容器1内で化学反応、濃縮、稀釈等の処理を
受ける。本実施例装置は、この処理工程中の流体粘性係
数を検出するものである。気密容器1の上壁部には軸受
3が設けられ、この軸受3によって支持体10が回転自
在に配設されている。支持体10は先端が閉塞した中空
の棒状体で形成され、先端部が流体2に浸漬し、一方、
基端部側は気密容器1から突出している。この支持体1
0は、動力伝達機構21を介して駆動モータ(回転駆動
手段)22から回転駆動力を受け、一定速度で回転す
る。なお、軸受3と支持体10との間にはシール部材4
が設けてあり、容器1内の気密性を保持している。
【0013】支持体10の先端には、垂直方向に延出し
て第一管状体30が配設してあり、この第一管状体30
の先端に測定体31が固着してある。第一管状体30の
基端部を支持体10に接合するには、例えば、同基端部
にジョイントリング32を溶接しておき、このジョイン
トリング32を支持体10に嵌合し、ボルト等の締結具
をもって固定すればよい。このとき、第一管状体30及
び支持体10の各中空部は連通させておく。また、本実
施例では、測定体31として球体を用いている。この測
定体31を固着してある第一管状体30の先端は閉塞端
とし、中空部内への流体2の流入を防止してある。第一
管状体30は、曲げ作用を受けた場合に弾性的に歪の生
じる部材、例えばステンレス材で四角柱状に形成してあ
る。そして、図2に示すごとく、第一管状体30の中空
部内面には、上記歪を検出する歪ゲージ33,34が溶
着してある。すなわち、第一管状体30が支持体10と
一体に回転運動するとき、流体圧を直接受ける面30a
の歪(引張)を一方の歪ゲージ33で電気的に検出し、
それと対向する面30bの歪(圧縮)を他方の歪ゲージ
34で電気的に検出する。これら歪ゲージ33,34で
検出した第一管状体30の歪によって、測定体31が回
転運動中に流体2から受ける抗力を算出できる。すなわ
ち、これら歪ゲージ33,34及び後述する抗力演算器
61が、測定体31の抗力検出手段を構成する。上記の
ごとく、歪ゲージ33,34は、第一管状体30の中空
部内に設けてあるので、流体2に触れることがなく、腐
食等の心配はない。
て第一管状体30が配設してあり、この第一管状体30
の先端に測定体31が固着してある。第一管状体30の
基端部を支持体10に接合するには、例えば、同基端部
にジョイントリング32を溶接しておき、このジョイン
トリング32を支持体10に嵌合し、ボルト等の締結具
をもって固定すればよい。このとき、第一管状体30及
び支持体10の各中空部は連通させておく。また、本実
施例では、測定体31として球体を用いている。この測
定体31を固着してある第一管状体30の先端は閉塞端
とし、中空部内への流体2の流入を防止してある。第一
管状体30は、曲げ作用を受けた場合に弾性的に歪の生
じる部材、例えばステンレス材で四角柱状に形成してあ
る。そして、図2に示すごとく、第一管状体30の中空
部内面には、上記歪を検出する歪ゲージ33,34が溶
着してある。すなわち、第一管状体30が支持体10と
一体に回転運動するとき、流体圧を直接受ける面30a
の歪(引張)を一方の歪ゲージ33で電気的に検出し、
それと対向する面30bの歪(圧縮)を他方の歪ゲージ
34で電気的に検出する。これら歪ゲージ33,34で
検出した第一管状体30の歪によって、測定体31が回
転運動中に流体2から受ける抗力を算出できる。すなわ
ち、これら歪ゲージ33,34及び後述する抗力演算器
61が、測定体31の抗力検出手段を構成する。上記の
ごとく、歪ゲージ33,34は、第一管状体30の中空
部内に設けてあるので、流体2に触れることがなく、腐
食等の心配はない。
【0014】さらに、支持体10の先端には、第一管状
体30と同様、垂直方向に延出して第二管状体40が設
けてある。この第二管状体40も、例えばジョイントリ
ング32に基端部を溶接し、ジョイントリング32を介
して支持体10に固定することができる。このとき、各
管状体30,40は、互いに干渉することのないよう、
周方向の異なった部位に溶接されるべきことは勿論であ
る。第二管状体40は図1における寸法L1 とL2 とが
同じ長さとなるようにし、その先端は閉塞してある。こ
の第二管状体40の先端部には、図3に示すごとく、支
軸41を中心に回転可能なロータ42を備えたタービン
43が設置してある。ロータ42は、第二管状体40が
支持体10とともに回転した場合、流体圧を受けて回転
する。このロータ42の回転数は、流体2との相対速度
に比例する。ここで、ロータ42は、図1における寸法
L1 とL2 とを同じ長さとしたことにより、測定体31
と同一の軌道上を回転する。したがって、ロータ42の
流体2に対する相対速度は、すなわち測定体31の流体
2に対する相対速度となる。さらに、第二管状体40の
中空部内先端部には、ロータ42の回転数を電気的に検
出するピックアップコイル44が配設してある。これら
ロータ42、ピックアップコイル44、及び後述する相
対速度演算器62を主体として、測定体31の流体2に
対する相対速度検出手段が構成されている。このような
構成の相対速度検出手段としては、例えば、(株)トキ
コ製、液体用挿入形タービンメータ(商品名)を利用す
ることができる。
体30と同様、垂直方向に延出して第二管状体40が設
けてある。この第二管状体40も、例えばジョイントリ
ング32に基端部を溶接し、ジョイントリング32を介
して支持体10に固定することができる。このとき、各
管状体30,40は、互いに干渉することのないよう、
周方向の異なった部位に溶接されるべきことは勿論であ
る。第二管状体40は図1における寸法L1 とL2 とが
同じ長さとなるようにし、その先端は閉塞してある。こ
の第二管状体40の先端部には、図3に示すごとく、支
軸41を中心に回転可能なロータ42を備えたタービン
43が設置してある。ロータ42は、第二管状体40が
支持体10とともに回転した場合、流体圧を受けて回転
する。このロータ42の回転数は、流体2との相対速度
に比例する。ここで、ロータ42は、図1における寸法
L1 とL2 とを同じ長さとしたことにより、測定体31
と同一の軌道上を回転する。したがって、ロータ42の
流体2に対する相対速度は、すなわち測定体31の流体
2に対する相対速度となる。さらに、第二管状体40の
中空部内先端部には、ロータ42の回転数を電気的に検
出するピックアップコイル44が配設してある。これら
ロータ42、ピックアップコイル44、及び後述する相
対速度演算器62を主体として、測定体31の流体2に
対する相対速度検出手段が構成されている。このような
構成の相対速度検出手段としては、例えば、(株)トキ
コ製、液体用挿入形タービンメータ(商品名)を利用す
ることができる。
【0015】上述した歪ゲージ33,34及びピックア
ップコイル44からの検出信号は、図4に示すごときス
リップリング50を介して取り出される。スリップリン
グ50の本体51は気密容器1の上壁部に設けた廻り止
め52で回転しないようにされている。本体51の下端
からは接続管53が導出しており、この接続管53が支
持体10に取付けられている。接続管53は本体51に
対して回転自在であり、その内部に多数本のリード線5
4,・・・ を有している。これらリード線54,・・・ が、
それぞれ支持体10の中空部から第一または第二管状体
30,40の中空部を経て、歪ゲージ33,34とピッ
クアップコイル44に接続されている。したがって、リ
ード線54,・・・ が気密容器1内の流体2に触れること
はない。回転側であるリード線54,・・・ と固定側であ
る本体51の端子51aとの間には水銀が充填されてお
り、この水銀を介して歪ゲージ33,34及びピックア
ップコイル44からの検出信号が本体51の端子51a
へと出力される。このように水銀を通して検出信号を取
り出す低ノイズなスリップリングとしては、例えば、メ
ディアン・ラボラトリー社製のロータリーコネクタがあ
る。
ップコイル44からの検出信号は、図4に示すごときス
リップリング50を介して取り出される。スリップリン
グ50の本体51は気密容器1の上壁部に設けた廻り止
め52で回転しないようにされている。本体51の下端
からは接続管53が導出しており、この接続管53が支
持体10に取付けられている。接続管53は本体51に
対して回転自在であり、その内部に多数本のリード線5
4,・・・ を有している。これらリード線54,・・・ が、
それぞれ支持体10の中空部から第一または第二管状体
30,40の中空部を経て、歪ゲージ33,34とピッ
クアップコイル44に接続されている。したがって、リ
ード線54,・・・ が気密容器1内の流体2に触れること
はない。回転側であるリード線54,・・・ と固定側であ
る本体51の端子51aとの間には水銀が充填されてお
り、この水銀を介して歪ゲージ33,34及びピックア
ップコイル44からの検出信号が本体51の端子51a
へと出力される。このように水銀を通して検出信号を取
り出す低ノイズなスリップリングとしては、例えば、メ
ディアン・ラボラトリー社製のロータリーコネクタがあ
る。
【0016】スリップリング本体51の端子51aに取
り出された歪ゲージ33,34及びピックアップコイル
44からの検出信号は、図1に示すごとく、インターフ
ェース60を介して抗力演算器61に入力される。抗力
演算器61には、あらかじめ歪ゲージ33,34の検出
信号から測定体31の抗力を算出する演算式がインプッ
トしてある。一方、ピックアップコイル44からの検出
信号は、インターフェース60を介して相対速度演算器
62に入力される。この相対速度演算器には、あらかじ
めピックアップコイル44の検出信号から流体2との相
対速度を算出する演算式が入力してある。これら各演算
器61,62による演算結果は、中央処理装置(演算手
段)63に入力される。中央処理装置63には、あらか
じめ測定条件に適合した関係式(例えば、前記(I)〜
(III))がインプットしてあり、該関係式により流
体粘度又は流体密度を算出する。また、中央処理装置6
3には、演算結果を記録するための記録計64が接続さ
れている。
り出された歪ゲージ33,34及びピックアップコイル
44からの検出信号は、図1に示すごとく、インターフ
ェース60を介して抗力演算器61に入力される。抗力
演算器61には、あらかじめ歪ゲージ33,34の検出
信号から測定体31の抗力を算出する演算式がインプッ
トしてある。一方、ピックアップコイル44からの検出
信号は、インターフェース60を介して相対速度演算器
62に入力される。この相対速度演算器には、あらかじ
めピックアップコイル44の検出信号から流体2との相
対速度を算出する演算式が入力してある。これら各演算
器61,62による演算結果は、中央処理装置(演算手
段)63に入力される。中央処理装置63には、あらか
じめ測定条件に適合した関係式(例えば、前記(I)〜
(III))がインプットしてあり、該関係式により流
体粘度又は流体密度を算出する。また、中央処理装置6
3には、演算結果を記録するための記録計64が接続さ
れている。
【0017】次に、上述の実施例装置を用いた流体の性
状測定方法を説明する。まず、支持体10を駆動モータ
22により定速回転させる。すると、支持体10と一体
に第一管状体30及びその先端に固着した球状の測定体
31が流体2内で回転する。このとき、測定体31は流
体2から一定の抗力Dを受けており、この抗力Dによっ
て第一管状体30に曲げが生じる。この曲げ作用による
第一管状体30の歪みを歪ゲージ33,34で電気的に
検出し、その検出信号をスリップリング50を介して気
密容器1の外部へ取り出し、さらにインターフェース6
0を介して抗力演算器61に出力する。抗力演算器61
では、入力した検出信号にもとづき測定体31が流体2
から受ける抗力Dの値を算出する。この算出結果は、中
央処理装置63に出力される。
状測定方法を説明する。まず、支持体10を駆動モータ
22により定速回転させる。すると、支持体10と一体
に第一管状体30及びその先端に固着した球状の測定体
31が流体2内で回転する。このとき、測定体31は流
体2から一定の抗力Dを受けており、この抗力Dによっ
て第一管状体30に曲げが生じる。この曲げ作用による
第一管状体30の歪みを歪ゲージ33,34で電気的に
検出し、その検出信号をスリップリング50を介して気
密容器1の外部へ取り出し、さらにインターフェース6
0を介して抗力演算器61に出力する。抗力演算器61
では、入力した検出信号にもとづき測定体31が流体2
から受ける抗力Dの値を算出する。この算出結果は、中
央処理装置63に出力される。
【0018】一方、支持体10の回転にともない第二管
状体40も回転する。この回転により第二管状体40の
先端に設けたロータ42が流体2の圧力を受けて回転す
る。このときの回転数は、前述したとおり流体2との相
対速度に比例している。このロータ42の回転数は、ピ
ックアップコイル44によって電気的に検出される。そ
の検出信号は、スリップリング50を介して気密容器1
の外部へ取り出され、さらにインターフェース60を介
して相対速度演算器62に出力する。相対速度演算器6
2では、入力した検出信号にもとづき測定体31の流体
2に対する相対速度Uを算出する。この算出結果は、中
央処理装置63に出力される。
状体40も回転する。この回転により第二管状体40の
先端に設けたロータ42が流体2の圧力を受けて回転す
る。このときの回転数は、前述したとおり流体2との相
対速度に比例している。このロータ42の回転数は、ピ
ックアップコイル44によって電気的に検出される。そ
の検出信号は、スリップリング50を介して気密容器1
の外部へ取り出され、さらにインターフェース60を介
して相対速度演算器62に出力する。相対速度演算器6
2では、入力した検出信号にもとづき測定体31の流体
2に対する相対速度Uを算出する。この算出結果は、中
央処理装置63に出力される。
【0019】中央処理装置63では、入力した測定体3
1の抗力D及び流体2に対する相対速度Uを、例えば、
前述の(I)〜(III)式に代入し、流体2の粘性係
数μを算出する。なお、流体密度ρがわからないとき
は、あらかじめγ線密度計によって測定し、その測定デ
ータを中央処理装置61にインプットしておく。このよ
うにして算出された流体2の粘性係数μは、記録計64
に記録される。
1の抗力D及び流体2に対する相対速度Uを、例えば、
前述の(I)〜(III)式に代入し、流体2の粘性係
数μを算出する。なお、流体密度ρがわからないとき
は、あらかじめγ線密度計によって測定し、その測定デ
ータを中央処理装置61にインプットしておく。このよ
うにして算出された流体2の粘性係数μは、記録計64
に記録される。
【0020】図5は本発明の他の実施例を示す図であ
る。本実施例では、測定体として円板70と矩形平板7
1の二種類を用意し、回転方向に対して円板70を垂直
に、矩形平板71を平行に配置してある。これら各測定
体70,71は、前述した実施例における第一管状体3
0を二本用意し、各々その先端に固着して支持体10と
一体に回転させる。各測定体70,71の流体2から受
ける抗力B,Dは、前述した実施例と同様、第一管状体
30内に設けた歪ゲージ33,34(図2参照)で検出
される。なお、他の構成は、前述の実施例と同一とし
(図1〜図4参照)、その詳細な説明は省略する。
る。本実施例では、測定体として円板70と矩形平板7
1の二種類を用意し、回転方向に対して円板70を垂直
に、矩形平板71を平行に配置してある。これら各測定
体70,71は、前述した実施例における第一管状体3
0を二本用意し、各々その先端に固着して支持体10と
一体に回転させる。各測定体70,71の流体2から受
ける抗力B,Dは、前述した実施例と同様、第一管状体
30内に設けた歪ゲージ33,34(図2参照)で検出
される。なお、他の構成は、前述の実施例と同一とし
(図1〜図4参照)、その詳細な説明は省略する。
【0021】ここで、円板70の面積をA、矩形平板7
1の長さをL、幅をWとして、いずれも厚みを無視する
ものとすると、円板70の受ける抗力Bは次式で与えら
れる。 B=CD ρU2 A/2 ただし、CD は抵抗係数であり、レイノルズ数Re =1
05 のときCD =1である。したがって、上式より流体
密度ρが導かれる。 ρ=2B/(CD U2 A) (VII) 一方、矩形平板71の受ける抗力Dは次式で与えられ
る。 D=2Cf ρU2 LW/2 ただし、Cf は矩形平板71の摩擦抗力係数である。B
とDの比をとると、 B/D=CD A/(2Cf LW) Cf =CD AD/(2BLW) 例えば、レイノルズ数Re が5×105 <Re <107
の場合には、 Cf =0.074Re -0.2 Re -0.2=Cf /0.074=F (定数) 流体2の粘性係数は、 μ=F5 LρU (VIII) したがって、相対速度Uがわかれば式(VII)により
流体密度を算出することができ、さらに式(VIII)
から粘性係数μを算出できる。また、流体密度ρが既知
であれば、式(VI)と(IX)から相対速度Uを消去
して、 U=√{2B/(CD ρA)} μ=F5 L√{2Bρ/(CD A)} (IX) これにより粘性係数μを算出することができる。したが
って、中央処理装置63に上記の関係式をインプットし
ておけば、本実施例装置で検出した各測定体70,71
の抗力及び流体2に対する相対速度にもとづき、流体2
の粘性係数μ又は密度ρを算出することができる。
1の長さをL、幅をWとして、いずれも厚みを無視する
ものとすると、円板70の受ける抗力Bは次式で与えら
れる。 B=CD ρU2 A/2 ただし、CD は抵抗係数であり、レイノルズ数Re =1
05 のときCD =1である。したがって、上式より流体
密度ρが導かれる。 ρ=2B/(CD U2 A) (VII) 一方、矩形平板71の受ける抗力Dは次式で与えられ
る。 D=2Cf ρU2 LW/2 ただし、Cf は矩形平板71の摩擦抗力係数である。B
とDの比をとると、 B/D=CD A/(2Cf LW) Cf =CD AD/(2BLW) 例えば、レイノルズ数Re が5×105 <Re <107
の場合には、 Cf =0.074Re -0.2 Re -0.2=Cf /0.074=F (定数) 流体2の粘性係数は、 μ=F5 LρU (VIII) したがって、相対速度Uがわかれば式(VII)により
流体密度を算出することができ、さらに式(VIII)
から粘性係数μを算出できる。また、流体密度ρが既知
であれば、式(VI)と(IX)から相対速度Uを消去
して、 U=√{2B/(CD ρA)} μ=F5 L√{2Bρ/(CD A)} (IX) これにより粘性係数μを算出することができる。したが
って、中央処理装置63に上記の関係式をインプットし
ておけば、本実施例装置で検出した各測定体70,71
の抗力及び流体2に対する相対速度にもとづき、流体2
の粘性係数μ又は密度ρを算出することができる。
【0022】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、要旨を変更しない範囲で種々の変形又
は応用が可能であることは勿論であり、例えば、次のよ
うな態様により実施することもできる。 (イ) 流体を攪拌するための攪拌機が気密容器に装備
されている場合には、該攪拌機の回転軸を支持体として
利用することができる。この場合、該回転軸を先端の閉
塞した中空軸とし、この回転軸の流体に侵漬している部
分に前記実施例における第一管状体30及び第二管状体
40を延出して設け、各管状体の先端に測定体31また
はタービン43を設置するとともに、各管状体の中空部
内に歪ゲージ33,34またはピックアップコイル44
を配設すればよい。また、回転軸の基端部にスリップリ
ング50を配置する。この場合、攪拌機の駆動源が支持
体の回転駆動手段となる。
るものではなく、要旨を変更しない範囲で種々の変形又
は応用が可能であることは勿論であり、例えば、次のよ
うな態様により実施することもできる。 (イ) 流体を攪拌するための攪拌機が気密容器に装備
されている場合には、該攪拌機の回転軸を支持体として
利用することができる。この場合、該回転軸を先端の閉
塞した中空軸とし、この回転軸の流体に侵漬している部
分に前記実施例における第一管状体30及び第二管状体
40を延出して設け、各管状体の先端に測定体31また
はタービン43を設置するとともに、各管状体の中空部
内に歪ゲージ33,34またはピックアップコイル44
を配設すればよい。また、回転軸の基端部にスリップリ
ング50を配置する。この場合、攪拌機の駆動源が支持
体の回転駆動手段となる。
【0023】(ロ) 図2に示した歪ゲージ33,34
及び図3に示したピックアップコイル44からの検出信
号を取り出す手段として、図6に示したような小型無線
機80を用いることもできる。すなわち、支持体10の
基端部に送信機81と送信アンテナ85を固定し、この
送信アンテナ85の近傍に受信アンテナ82を配設して
おく。送信機81には、支持体10及び第一,第二管状
体40の各中空部(図1参照)を通して歪ゲージ33,
34(図2参照)及びピックアップコイル44(図3参
照)からの検出信号を伝送するリード線84,・・・ が接
続されている。時分割して送信機81に入力した各検出
信号は、送信アンテナ85から送出して受信アンテナ8
2に受信され、受信機83を介して抗力演算器61また
は相対速度演算器62(図1参照)へと送られる。
及び図3に示したピックアップコイル44からの検出信
号を取り出す手段として、図6に示したような小型無線
機80を用いることもできる。すなわち、支持体10の
基端部に送信機81と送信アンテナ85を固定し、この
送信アンテナ85の近傍に受信アンテナ82を配設して
おく。送信機81には、支持体10及び第一,第二管状
体40の各中空部(図1参照)を通して歪ゲージ33,
34(図2参照)及びピックアップコイル44(図3参
照)からの検出信号を伝送するリード線84,・・・ が接
続されている。時分割して送信機81に入力した各検出
信号は、送信アンテナ85から送出して受信アンテナ8
2に受信され、受信機83を介して抗力演算器61また
は相対速度演算器62(図1参照)へと送られる。
【0024】(ハ) 密閉容器内の流体の粘性係数が高
い場合には、測定体の運動による流体の慣性的な流れが
ほとんど消滅するので、測定体の流体に対する相対速度
に対応した物理量を支持体の回転数とし、この支持体の
回転数から測定体の流体に対する相対速度を算出するこ
とができる。 (ニ) 上記実施例は密閉容器内の流体の性状を測定す
る場合を取扱ったが、本発明は、開放容器内の流体の性
状測定にも適用できることは勿論である。この場合、支
持体は容器の開口部から容器内に挿入すればよい。
い場合には、測定体の運動による流体の慣性的な流れが
ほとんど消滅するので、測定体の流体に対する相対速度
に対応した物理量を支持体の回転数とし、この支持体の
回転数から測定体の流体に対する相対速度を算出するこ
とができる。 (ニ) 上記実施例は密閉容器内の流体の性状を測定す
る場合を取扱ったが、本発明は、開放容器内の流体の性
状測定にも適用できることは勿論である。この場合、支
持体は容器の開口部から容器内に挿入すればよい。
【0025】(ホ) 測定体として、回転軌道と同一の
曲率で扇形に形成した板状体を用い、回転方向に対して
平行に配置すれば、矩形平板を平行に配置して回転した
場合、その角部において発生のおそれがあった乱流を効
果的に消滅させることができ、一層高精度な測定結果を
得ることができる。 (ヘ) 図3に示したロータ42を測定体31の回転軌
道からずらせた位置においても測定体31の相対速度に
換算することができる。また、図1に示した第一管状体
30の形状は、四角柱状に限定されるものではない。
曲率で扇形に形成した板状体を用い、回転方向に対して
平行に配置すれば、矩形平板を平行に配置して回転した
場合、その角部において発生のおそれがあった乱流を効
果的に消滅させることができ、一層高精度な測定結果を
得ることができる。 (ヘ) 図3に示したロータ42を測定体31の回転軌
道からずらせた位置においても測定体31の相対速度に
換算することができる。また、図1に示した第一管状体
30の形状は、四角柱状に限定されるものではない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、流
体中を所定形状の測定体が相対運動したとき、この測定
体が流体から受ける抗力、流体に対する測定体の相対速
度、流体密度、及び粘性係数の間に成立する一定の関係
を利用して、容器内の流体の粘度(粘性係数)又は流体
密度を測定するため、容器内の流体の粘度を直接かつ連
続的に自動測定することができ、しかも測定体の流体か
ら受ける抗力を電気的に検出するので、流体が気密容器
に挿入された場合であってもかかる効果を奏することが
できる。
体中を所定形状の測定体が相対運動したとき、この測定
体が流体から受ける抗力、流体に対する測定体の相対速
度、流体密度、及び粘性係数の間に成立する一定の関係
を利用して、容器内の流体の粘度(粘性係数)又は流体
密度を測定するため、容器内の流体の粘度を直接かつ連
続的に自動測定することができ、しかも測定体の流体か
ら受ける抗力を電気的に検出するので、流体が気密容器
に挿入された場合であってもかかる効果を奏することが
できる。
【図1】本発明の実施例に係る流体性状測定装置を示す
全体構成図である。
全体構成図である。
【図2】同装置における測定体及び抗力検出手段を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図3】同装置における相対速度検出手段を示す一部断
面平面図である。
面平面図である。
【図4】同装置に用いたスリップリングを一部切欠いて
示す斜視図である。
示す斜視図である。
【図5】本発明装置の他の実施例を示す概略構成図であ
る。
る。
【図6】本発明装置の変形例を示す斜視図である。
1 気密容器 2 流体 10 支持体 22 駆動モータ(回転駆動手段) 30 第一管状体 31,70,71 測定体 32 ジョイントリング 33,34 歪ゲージ 40 第二管状体 42 ロータ 44 ピックアップコイル 50 スリップリング 61 抗力演算器 62 相対速度演算器 63 中央処理装置 80 小型無線機 81 送信機 82 受信機
Claims (6)
- 【請求項1】 容器内の流体に対して所定形状の測定体
を所定の姿勢で挿入し、この測定体を一定速度で回転さ
せたときの流体に対する相対速度を求めるとともに、該
測定体の流体から受ける抗力を電気的に求め、これら相
対速度及び抗力の値にもとづいて流体の粘度又は密度を
算出することを特徴とした容器内の流体の性状測定方
法。 - 【請求項2】 流体を入れた容器を貫通しまたは容器開
口部から挿入して回転自在に設けられた支持体と、 この支持体を一定速度で回転させる回転駆動手段と、 前記支持体の回転中心から任意の半径位置に所定の姿勢
で設けられ、前記支持体とともに流体内を回転する所定
形状の測定体と、 この測定体の流体に対する相対速度を求める相対速度検
出手段と、 前記測定体が流体から受ける抗力を電気的に求める抗力
検出手段と、 前記相対速度検出手段によって求められた測定体の流体
に対する相対速度、及び前記抗力検出手段によって求め
られた測定体の受ける抗力にもとづいて、前記流体の粘
度又は密度を算出する演算手段と、 を具備したことを特徴とする容器内の流体の性状測定装
置。 - 【請求項3】 前記相対速度検出手段は、前記測定体の
流体に対する相対速度に対応した所定の物理量を前記容
器内で電気的に検出するとともに、前記容器外にてその
検出信号にもとづいて該相対速度を算出し、 前記抗力検出手段は、前記測定体から受ける抗力に対応
した所定の物理量を前記容器内で電気的に検出するとと
もに、前記容器外にてその検出信号にもとづいて該抗力
を算出するものであって、 前記支持体を先端の閉塞した中空棒状体で形成するとと
もに、この支持体における前記容器外に露出する部分に
電気信号伝送用のスリップリングまたは無線伝送手段を
設置し、 前記支持体の中空部ないし前記スリップリングまたは無
線伝送手段を介して、前記相対速度検出手段または前記
抗力検出手段からの検出信号を前記容器外に出力するこ
とを特徴とした請求項2記載の容器内の流体の性状測定
装置。 - 【請求項4】 前記容器内の流体攪拌用に使用する攪拌
機の回転軸を先端の閉塞した中空状に形成し、この回転
軸を前記支持体として併用したことを特徴とする請求項
3記載の容器内の流体の性状測定装置。 - 【請求項5】 先端の閉塞した管状体を前記支持体の流
体内部分から垂直方向に延出して配設し、 かつ、前記相対速度検出手段が、流体との相対速度に比
例して回転するロータと、このロータの回転数を電気的
に検出するコイル部材とを備え、 前記ロータを前記管状体の先端に取付けるとともに、前
記コイル部材からの検出信号を、前記支持体の中空部な
いし前記スリップリングまたは無線伝送手段を介して前
記容器外に出力することを特徴とした請求項3又は4記
載の容器内の流体の性状測定装置。 - 【請求項6】 先端の閉塞した管状体を前記支持体の流
体内部分から垂直方向に延出して配設し、この管状体の
先端に前記測定体を固定し、かつ前記抗力検出手段を歪
ゲージで構成して前記管状体の中空部内に固着するとと
もに、この歪ゲージからの検出信号を、前記管状体及び
支持体の各中空部ないし前記スリップリングまたは無線
伝送手段を介して前記容器外に出力することを特徴とし
た請求項3ないし5のいずれか1項記載の容器内の流体
の性状測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31561592A JPH06148055A (ja) | 1992-11-02 | 1992-11-02 | 容器内の流体の性状測定方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31561592A JPH06148055A (ja) | 1992-11-02 | 1992-11-02 | 容器内の流体の性状測定方法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06148055A true JPH06148055A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=18067500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31561592A Pending JPH06148055A (ja) | 1992-11-02 | 1992-11-02 | 容器内の流体の性状測定方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06148055A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003075276A (ja) * | 2001-09-07 | 2003-03-12 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 流体挙動計測装置 |
JP2003075320A (ja) * | 2001-09-05 | 2003-03-12 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 流体挙動計測装置 |
US7578172B2 (en) | 2006-10-18 | 2009-08-25 | Hyundai Motor Company | Symmetrical viscosity sensor |
-
1992
- 1992-11-02 JP JP31561592A patent/JPH06148055A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003075320A (ja) * | 2001-09-05 | 2003-03-12 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 流体挙動計測装置 |
JP4599779B2 (ja) * | 2001-09-05 | 2010-12-15 | 株式会社Ihi | 流体挙動計測装置 |
JP2003075276A (ja) * | 2001-09-07 | 2003-03-12 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 流体挙動計測装置 |
US7578172B2 (en) | 2006-10-18 | 2009-08-25 | Hyundai Motor Company | Symmetrical viscosity sensor |
DE102007011833B4 (de) * | 2006-10-18 | 2013-08-01 | Hyundai Motor Company | Viskositätssensor |
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