JPH06147417A - 気化式燃焼装置の制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気化式燃焼装置において、適時あるいは季節
的に行われる気化器クリーニング時よりも、通常消火時
の気化器加熱温度を低温にすることにより、気化器、加
熱ヒータの熱変形を防止する。 【構成】 燃料供給ポンプ３と気化器２との間の燃料供
給路４に、リザーブタンク１１を介装し、リザーブタン
ク１１からの燃料戻し路１０に開閉弁１２を設けた燃焼
装置において適時、あるいは季節的に行われる気化器ク
リーニング時よりも、通常消火時の気化器加熱温度を低
温にする気化式燃焼装置の制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、気化器への燃料供給路
に、燃料を一時的に保留するリザーブタンクを設けた新
しいタイプの気化式燃焼装置の制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】消火時あるいは適時に行われる（たとえ
ば季節的に行われる）気化器クリーニング時に、気化器
内をクリーニングできるようにした気化式燃焼装置とし
て、燃料貯留器から気化器への燃料供給路の途中と燃料
貯留器とを燃料戻し管で接続し、該燃料戻し管に電磁ポ
ンプよりなる戻しポンプを設けたものが知られている。
しかし、この気化式燃焼装置においては、クリーニング
専用の動力設備が必要であり、その制御も複雑になると
いう問題があった。

【０００３】この問題に対処するために、まだ出願未公
開の段階にあるが、先に本出願人により、燃料供給ポン
プと気化器との間の燃料供給路に、燃料を一時的に保留
するリザーブタンクを介装し、該リザーブタンクの底部
を燃料戻し路により主燃料貯留器に接続した気化式燃焼
装置が提案されている。この装置においては、消火時等
に燃料戻し路を開くことにより、リザーブタンク内の燃
料を重力で主燃料貯留器に戻し、それに伴って気化器か
ら空気を引き込んで気化器をクリーニングすることがで
きる。したがって、上述のようなクリーニングのための
動力設備が不要となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記先の提
案した気化式燃焼装置においては、通常の消火時と気化
器クリーニング時（たとえば季節的に行われるクリーニ
ング）の気化器加熱温度は同一であり、双方ともに相当
高い温度に設定されていた。このため通常の消火毎に、
かなりのクリーニング効果が得られていた。しかし、通
常消火は日常的に頻繁に行なわれるものであるから、そ
の都度気化器、加熱用ヒータが高温加熱されることにな
り、これら部品に熱変形を生じるおそれがあるという問
題があった。

【０００５】そこで本発明は、通常消火時と気化器クリ
ーニング時の気化器加熱温度を変えることにより、気化
器本体、加熱用ヒータの熱変形を防止し、長寿命型の気
化式燃焼装置とすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
気化式燃焼装置の制御方法は、主燃料貯留器内の液体燃
料を、燃料供給ポンプにより、燃料を一時的に保留する
リザーブタンクを介して気化器に給送し、気化器にて気
化された燃料をノズルを介してバーナに給送しバーナで
燃焼させるとともに、リザーブタンクの底部と主燃料貯
留器とを燃料戻し路で接続し、該燃料戻し路に開閉弁を
設けて、消火時および気化器クリーニング時に気化器を
加熱するとともに前記開閉弁を開くようにした気化式燃
焼装置の制御方法において、通常消火時の気化器加熱温
度を、気化器クリーニング時の気化器加熱温度よりも低
く設定する方法から成る。

【０００７】

【作用】上記のような気化式燃焼装置の制御方法におい
ては、開閉弁が開かれることによりリザーブタンク中の
燃料が主燃料貯留器に戻され、それに伴う空気引き込み
によって気化器のクリーニング動作が行なわれる。この
とき同時に気化器が加熱され、気化器中のタール分等の
残渣が溶融あるいは蒸発されて吸引され易くなり、気化
器内がより効果的にクリーニングされる。

【０００８】本発明方法では、この気化器加熱温度が通
常消火時と気化器クリーニング時とで変更設定される。
通常消火操作は、頻繁に行われるものであるから、もと
もと気化器内の残渣量も少なく、気化器加熱温度は、た
とえば３８０℃程度の比較的低い温度でも良好な上記ク
リーニング効果が得られる。

【０００９】適時に、あるいは季節的に行なわれる気化
器クリーニング操作は、比較的長時間使用後のクリーニ
ング操作となるため、気化器内には比較的多量の残渣が
付着、堆積しているおそれがある。しかし、本発明では
この気化器クリーニング時には、通常消火時よりも高
い、たとえば４００℃付近まで気化器が加熱される。し
たがって、気化器内に多量の残渣が付着、堆積している
場合でも、十分なクリーニング効果が得られる。

【００１０】頻繁に行われる通常消火時の気化器加熱温
度を低くしたことにより、気化器や加熱ヒータへのくり
返し熱負荷を小さく抑えることができ、これらの熱変形
等が防止される。

【００１１】

【実施例】以下に、本発明の望ましい実施例を、図面を
参照して説明する。図１は、本発明の一実施例に係る制
御方法を実施するための気化式燃焼装置を示している。
図において、１は液体燃料を貯留している主燃料貯留器
を示しており、主燃料貯留器１は、油面Ａが常に一定に
調整されている定油面器をなしている。２は液体燃料を
気化する気化器、３は電磁ポンプよりなり主燃料貯留器
１から気化器２に燃料を供給する燃料供給ポンプ、４は
燃料供給管、５は気化された燃料を燃焼させるバーナを
それぞれ示している。気化器２はヒータ６を用いて加熱
され、液体燃料を気化してノズル７からバーナ５に気化
燃料を供給する。８は気化器２の温度を検出するサーミ
スタである。

【００１２】１１は供給燃料を一時的に保留するリザー
ブタンクで、燃料供給ポンプ３側の燃料供給管４（燃料
供給路）が接続され、そして頂部に気化器２側の燃料供
給管４が接続されている。リザーブタンク１１は、更に
燃料戻し管１０（燃料戻し路）によりその底部と主燃料
貯留器１とが接続されている。そしてこれら相互の位置
関係は、リザーブタンク１１の底部のレベルが主燃料貯
留器１の油面Ａより高く設定されて、設置されている。
また、燃料戻し管１０には、管路を開閉することにより
燃料の流通をオン・オフする電磁弁よりなる開閉弁１２
が設けられている。

【００１３】１３は制御装置を示しており、制御装置１
３には、サーミスタ８から気化器２の温度検出信号が送
られる。また、制御装置１３は、駆動装置１４を介し
て、気化器２のヒータ６、開閉弁１２、燃料供給ポンプ
３の加熱、開閉、駆動を制御する。なお、図示は省略す
るが、通常消火操作を行うためのスイッチ（たとえば押
釦スイッチ）と、たとえば季節的に行われる気化器クリ
ーニングのためのスイッチとは別々に設けられており、
選択的に操作できるようになっている。

【００１４】上記のように構成された実施例装置を用い
て本発明の制御方法は次のように実施される。まず、リ
ザーブタンク１１を設けたことによる消火時および気化
器クリーニング時の気化器２のクリーニングの基本操作
について説明しておく。つまり、消火時等に開閉弁１２
が開かれると、リザーブタンク１１内の燃料が重力によ
り主燃料貯留器１に戻され、それに伴って気化器２のノ
ズル７から空気が吸い込まれ、気化器２中のガスととも
にリザーブタンク１１側、リザーブタンク１１内へと引
き込まれ、この空気引き込みによりノズル７および気化
器２内がクリーニングされる。この気化器２のクリーニ
ングは、燃料の重力による落下を利用するものであるか
ら、クリーニング用として特別な動力設備は不要で、専
用動力設備を設けた場合にくらべ、装置、制御とも簡素
化される。

【００１５】次に、上記実施例装置の制御について説明
する。まず通常消火時においては、図２に示すように、
消火モードがスタートすると（消火スイッチがオンされ
ると）、開閉弁１２が開かれるとともに、燃料供給ポン
プ３の運転が停止され、リザーブタンク１１中の燃料が
主燃料貯留器１に戻されて、消火とともに上記空気引き
込みに伴う気化器２のクリーニング動作が行われる。こ
の通常消火のためのクリーニング操作時には、気化器２
は、後述の気化器クリーニング時の設定温度よりも低
い、たとえば３８０℃程度に加熱される。この通常消火
操作は頻繁に行われるものであるから、タール分等の残
渣量は比較的少なく、上記の如き比較的低い温度への気
化器加熱であってもクリーニング効果は十分に得られ
る。通常消火は頻繁に行われるが、気化器クリーニング
時ほどに気化器２は加熱されないので、気化器２、加熱
ヒータ６等に熱変形が起こることはない。

【００１６】適時あるいは季節的に行われる気化器クリ
ーニング時においては、図３に示すように、クリーニン
グモードがスタートすると（クリーニング専用スイッチ
がオンされると）、燃料供給ポンプ３がオンされ、リザ
ーブタンク１１に燃料が供給される。リザーブタンク１
１に燃料が充満された後、燃料供給ポンプ３がオフとさ
れ、開閉弁１２が開かれる。リザーブタンク１１中の燃
料は主燃料貯留器１へと戻され、それに伴う空気引き込
みによって気化器２がクリーニングされる。この気化器
クリーニングは適時に、あるいは季節的に行なうもので
あるから、タール分等の残渣が比較的多量に溜まってい
るおそれがある。しかしこのクリーニング操作時には、
気化器２は、前述の通常消火時よりも高い温度、たとえ
ば４００℃程度に加熱されるため、タール分等の残渣の
堆積物が比較的多量にあっても、高温加熱によりそれら
が除去されやすくなり、十分なクリーニング効果が得ら
れる。また、この気化器クリーニング操作は、頻繁に行
われる作業ではないので、熱変形等にとって不利なくり
返し熱負荷としてはそれ程大きくはなく、高温に加熱し
ても気化器２、加熱ヒータ６が実際に熱変形を起こすこ
とは防止される。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の気化式燃
焼装置の制御方法によるときは、気化器クリーニング時
より、通常消火時の気化器加熱温度を低温に設定するこ
とで、気化器、加熱用ヒータの熱変形を防止し、長寿命
型の気化システムを実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る制御方法を実施するた
めの気化式燃焼装置の概略構成図である。

【図２】図１の装置の通常消火時の制御に係るタイムチ
ャートである。

【図３】図１の装置の気化器クリーニング時の制御に係
るタイムチャートである。

【符号の説明】

１ 主燃料貯留器 ２ 気化器 ３ 燃料供給ポンプ ４ 燃料供給路（燃料供給管） ５ バーナ ６ 気化器ヒータ ７ ノズル ８ サーミスタ １０ 燃料戻し路（燃料戻し管） １１ リザーブタンク １２ 開閉弁 １３ 制御装置 １４ 駆動装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 康史 群馬県伊勢崎市寿町20番地 サンデン株式 会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主燃料貯留器内の液体燃料を、燃料供給
   ポンプにより、燃料を一時的に保留するリザーブタンク
   を介して気化器に給送し、気化器にて気化された燃料を
   ノズルを介してバーナに給送しバーナで燃焼させるとと
   もに、リザーブタンクの底部と主燃料貯留器とを燃料戻
   し路で接続し、該燃料戻し路に開閉弁を設けて、消火時
   および気化器クリーニング時に気化器を加熱するととも
   に前記開閉弁を開くようにした気化式燃焼装置の制御方
   法において、通常の消火時の気化器加熱温度を、気化器
   クリーニング時の気化器加熱温度よりも低く設定するこ
   とを特徴とする気化式燃焼装置の制御方法。