JPH06147242A - 電磁クラッチ又は電磁ブレーキ用湿式摩擦材 - Google Patents

電磁クラッチ又は電磁ブレーキ用湿式摩擦材

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JPH06147242A
JPH06147242A JP32374592A JP32374592A JPH06147242A JP H06147242 A JPH06147242 A JP H06147242A JP 32374592 A JP32374592 A JP 32374592A JP 32374592 A JP32374592 A JP 32374592A JP H06147242 A JPH06147242 A JP H06147242A
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JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
electromagnetic
friction material
weight
brake
Prior art date
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Pending
Application number
JP32374592A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoji Kawai
智士 川合
Ryuichi Saito
隆一 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dynax Corp
Original Assignee
Dynax Corp
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Publication date
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Publication of JPH06147242A publication Critical patent/JPH06147242A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁クラッチ及び電磁ブレーキを車両用の湿
式摩擦係合装置に用い、常時スリップ状態で使用する場
合においても、フェード現象の発生が防止でき、且つ、
摩耗が低減できる摩擦材を提供する。 【構成】 摩擦材は、不織布とこれに含浸される熱硬化
性樹脂から構成され、気孔率が10乃至50容積パーセ
ントに調整されている。不織布は20乃至70重量パー
セントのアラミド繊維と30乃至80重量パーセントの
カーボン繊維からなる。不織布には、酸化物系添加剤を
5乃至60重量パーセント、又は、金属粉末を5乃至3
0重量パーセント含ませることが好ましい。熱硬化性樹
脂は、不織布に対して30乃至70重量パーセント含浸
させられている。熱硬化性樹脂は、フェノール基又はエ
ポキシ基を有するものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁クラッチ又は電磁
ブレーキ用の湿式摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車や二輪車の駆動系や動弁系
に動力を伝達したり、これらを制御したりする部位に、
電磁クラッチ又は電磁ブレーキを利用することが行われ
ている。電磁クラッチ又は電磁ブレーキは、通常、動力
の入・切のような短時間のスリップ状態で使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
特殊な用途では、単に入・切の状態で使用されるだけで
なく、通電時に常にスリップ状態で使用されることがあ
る。電磁クラッチ又は電磁ブレーキの従来の摩擦材は、
このような特殊な用途まで考慮して設計されておらず、
スリップ状態で使用されるときには、大きな熱負荷が原
因となってフェード現象を生じる。その結果、所望の摩
擦トルクを得ることができなくなるとともに、摩擦係数
の著しい低下を伴う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】市場で入手できる摩擦
材は、短時間のスリップ状態に対しては、或る程度耐久
性を発揮するように設計されているが、常にスリップ状
態にある使用環境下では前述のようにフェード現象を生
じて必要とする摩擦性能を得ることができない。
【0005】また、常にスリップ状態で使用するときに
は摩耗が生じやすい。電磁クラッチ又は電磁ブレーキと
いう用途においては、わずかな摩耗によってもエアギャ
ップが変化する。その結果、吸引力が変動して発生トル
クが不安定になるとともに、場合によって、磁性金属部
材がアーマチュアと凝着し使用できなくなるという問題
もある。
【0006】本発明の目的は、常時スリップ状態で使用
される用途において、特に、車両用の湿式摩擦係合装置
において常時スリップ状態で使用される場合において、
フェード現象を防止し、且つ、摩耗を低減できる、電磁
クラッチ又は電磁ブレーキ用の摩擦材を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、電磁クラッチ
又は電磁ブレーキに使用される湿式摩擦材であって、2
0乃至70重量パーセントのアラミド繊維と30乃至8
0重量パーセントのカーボン繊維の不織布と、該不織布
に対して30乃至70重量パーセント含浸させた熱硬化
性樹脂とからなり、気孔率が10乃至50容積パーセン
トであることを特徴とする湿式摩擦材により前記課題を
解決した。
【0008】本発明は、さらに、
【化3】 からなる群から選択される少なくとも1以上の酸化物系
添加剤を、前記不織布に対して5乃至60重量パーセン
ト含ませた摩擦材を提供する。本発明は、また、
【化4】 からからなる群から選択される少なくとも1以上の金属
粉末を、前記不織布に対して5乃至30重量パーセント
含ませた摩擦材を提供する。
【0009】
【作用】本発明では、耐熱性を高めるためにアラミド繊
維とカーボン繊維から不織布を構成している。不織布と
することにより、各繊維の配向性がランダムになって繊
維強度が向上するとともに、相手材に対する抵抗力が増
強される。なお、摩擦材は気孔によって細孔構造の骨格
となるため、アラミド繊維及びカーボン繊維の繊維径は
直径が5乃至20マイクロメーターのものであることが
好ましい。
【0010】アラミド繊維はセルロースや熱可塑性繊維
に比べて耐熱性が高く、しかも動摩擦係数も高い。アラ
ミド繊維が不織布全体に対して20重量パーセント未満
になると耐熱性及び動摩擦係数が低下し、70重量パー
セントを越えると高温下における摩擦材の耐久性が低下
する。
【0011】カーボン繊維はアラミド繊維以上に耐熱性
向上に寄与する。カーボン繊維が不織布全体に対して3
0重量パーセント未満になると耐熱性の効果が薄れ、8
0重量パーセントを越えると動摩擦係数が低下するとと
もに、弾性が失われて相手材との接触が不均一となって
熱分布が悪くなる。
【0012】不織布に含浸させる熱硬化性樹脂は、フェ
ノール基又はエポキシ基を有する熱硬化性樹脂が好まし
い。熱硬化性樹脂が不織布に対して30重量パーセント
未満であると、摩擦材係合面の強度が保てず、摩擦材が
つぶれて気孔率の減少を招く。一方、熱硬化性樹脂が不
織布に対して70重量パーセントを越えると、不織布を
構成するアラミド繊維及びカーボン繊維の効果が薄れ、
動摩擦係数の低下や焼けを生じる。
【0013】湿式の場合、オイル中での混合境界潤滑領
域での摩擦摺動であるため、摩擦材の気孔率が一定の範
囲にあることが重要である。気孔率が10パーセント未
満であると、オイルによる冷却効果が乏しく、常時スリ
ップ状態で使用するときには焼けを生じやすく、また、
係合時にオイルが排出されにくい。一方、気孔率が50
パーセントを越えると、油膜が完全になくなり、特に高
回転域で焼けを生じやすいとともに、摩擦材の強度が低
下して摩耗やつぶれが進行する。
【0014】
【実施例】本発明による摩擦材は、車両用の湿式摩擦係
合装置として使用される電磁クラッチや電磁ブレーキに
利用される。本発明の摩擦材は、常時スリップ状態で使
用される場合にも耐久性を具えたものである。
【0015】本発明の摩擦材では、不織布に熱硬化性樹
脂が含浸させられている。不織布は、20乃至70重量
パーセントのアラミド繊維と、30乃至80重量パーセ
ントのカーボン繊維からなる。熱硬化性樹脂は、この不
織布に対して30乃至70重量パーセント含浸させられ
る。そして、摩擦材はその気孔率を10乃至50容積パ
ーセントに調整されている。
【0016】本発明の摩擦材では、不織布に、
【化5】 の酸化物系添加剤を1種以上含ませることが好ましい。
酸化物系添加材は、不織布に対して5乃至60重量パー
セント含ませられる。酸化物系添加材は、動摩擦係数の
向上のために加えられる。また、不織布と熱硬化性樹脂
のみでは得られない微細構造を形成して、強度向上並び
に耐久性向上という効果がある。酸化物系添加材が5重
量パーセント未満であると上記効果は乏しく、一方、6
0重量パーセントを越えると摩擦材から添加剤の脱落を
生じる。
【0017】不織布には、
【化6】 の金属粉末を1種以上含ませることも好ましい。金属粉
末は、不織布に対して5乃至30重量パーセント含ませ
られる。摩擦材を湿式で使用する場合においても摩擦面
のフラッシュ温度(油膜切れ部分の局所的な瞬間最大温
度)は500℃にも達し、アラミド繊維等の有機系成分
の劣化は避けられない。金属粉末は、熱伝達を改善し
て、高温下でのアラミド繊維の溶融及び相手材への焼き
付きを防止する作用があり、有機系成分の劣化を抑制す
る効果がある。金属粉末が5重量パーセント未満である
と上記作用・効果が乏しく、一方、30重量パーセント
を越えると相手材に傷を与える。
【0018】次に、本発明による摩擦材に効果を確認す
るための実験を行った。表1は摩擦材の成分を、表2は
実験結果を表している。実験条件は次の通りである。 すべり速度:5 m/sec、7 m/sec、10 m/secでそれぞ
れ2分間保持し、その後、7 m/secで10時間 吸引力 :8kgf/平方センチメートル 潤滑 :SAE規格 10W−30、100℃、
0.5リットル/min
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表2の実験結果からわかるように、本発明
による摩擦材は、比較的大きいすべり速度において高い
動摩擦係数が得られるとともに、摩擦材及び相手材の摩
耗が少なく、また、動摩擦係数の低下が小さいことがわ
かった。従来の摩擦材は、いずれも充分な結果を示して
いない。
【0022】
【発明の効果】本発明による摩擦材は、上記のように、
耐熱性の高い繊維を不織布として用いて熱硬化性樹脂と
ともに含浸成形したものであるから、耐熱性の面におい
て優れ、気孔率を比較的大きくしてオイルの保持及び排
出を適度に調節することによって、摩擦面の冷却と油膜
の形成を促進して前記耐熱性を向上させている。これに
よって、常時スリップする車両用電磁クラッチ又は電磁
ブレーキの摩擦材として好適に使用することができる。
【0023】請求項2の摩擦材では、さらに、動摩擦係
数の向上、強度向上並びに耐久性向上という効果が得ら
れる。
【0024】そして、請求項3の摩擦材では、また、熱
伝達を改善して、高温下でのアラミド繊維の溶融及び相
手材への焼き付きを防止し、有機系成分の劣化を抑制す
ることができる効果がある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁クラッチ又は電磁ブレーキに使用さ
    れる湿式摩擦材であって、 20乃至70重量パーセントのアラミド繊維と30乃至
    80重量パーセントのカーボン繊維の不織布と、該不織
    布に対して30乃至70重量パーセント含浸させた熱硬
    化性樹脂とからなり、 気孔率が10乃至50容積パーセントであることを特徴
    とする、 湿式摩擦材。
  2. 【請求項2】 【化1】 からなる群から選択される少なくとも1以上の酸化物系
    添加剤を、前記不織布に対して5乃至60重量パーセン
    ト含ませたことを特徴とする、請求項1記載の摩擦材。
  3. 【請求項3】 【化2】 からなる群から選択される少なくとも1以上の金属粉末
    を、前記不織布に対して5乃至30重量パーセント含ま
    せたことを特徴とする、請求項1記載の摩擦材。
JP32374592A 1992-11-10 1992-11-10 電磁クラッチ又は電磁ブレーキ用湿式摩擦材 Pending JPH06147242A (ja)

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JP32374592A JPH06147242A (ja) 1992-11-10 1992-11-10 電磁クラッチ又は電磁ブレーキ用湿式摩擦材

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JP (1) JPH06147242A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009149716A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Mitsubishi Electric Corp 摩擦部材および摩擦部材の製造方法
KR101254517B1 (ko) * 2005-07-11 2013-04-19 술저 프릭션 시스템즈 (유에스) 인코포레이티드 습식 마찰 재료

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KR101254517B1 (ko) * 2005-07-11 2013-04-19 술저 프릭션 시스템즈 (유에스) 인코포레이티드 습식 마찰 재료
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